第3学年○組 理科学習指導案
1 単元名 「月と惑星の運動」 2 指導観 〇 月は地球からもっとも近い天体であり、人類が到達した唯一の地球外天体である。月の見え方の 規則性から古代メソポタミアでは太陰暦が生まれ、日本では、万葉集や竹取物語などにも登場する など、月は馴染み深い天体である。また、惑星については日々地球から観察できる天文現象が多く あり、ニュースなどでも取り上げられ話題になっている。そこで本単元は、月や惑星の運動とその 見え方について特徴や規則性を見いだして公転と関連付けて理解し、表現することが主なねらいで ある。太陽、地球との位置関係からその見え方を考えて特徴を知ることは、時間的・空間的に事物・ 現象に関わる理科の見方・考え方を働かせ、科学的に事象を考える力を養う上で価値がある。また、 月や惑星について身近にある現象と関連付けて学習に取り組ませることができる本単元は、生徒が 事物・現象に進んで関わり、科学の有用性を実感できる上で大変意義深い。 〇 生徒はこれまで小学校4年生では、月は日によって形が変わって見え、1日のうちでも時刻によ って位置が変わること、小学校6年生では、月の見え方は太陽と月の位置によって変わることを学 習している。そこで本学級の生徒○名を対象に天体に関するアンケートを実施した。月について知 っていることを自由記述させたところ、クレーターがあることを挙げた生徒は○%、太陽の光を反 射して光って見えることを挙げた生徒は○%で、日によって見え方が異なること、新月や三日月など 月の見え方を挙げた生徒は1人ずついた。また、これまで天体観測を継続して行ったことがある生 徒は○%、プラネタリウムを見たことがある生徒は○%だった。このことから、生活の中に天体現 象があることを実感できている生徒は少ない。そこで、身近な天体の観察、実験をすることで興味・ 関心を高め、科学的に自然の事物・現象に関わる力をつける場面を設定する必要がある。 〇 本単元の指導にあたっては、身近な天体の観察に継続して取り組み、その観察記録を基に天体の 運動に関する特徴や規則性を見いだして表現することを大切にして取り組ませる。そこで、単元の はじめに与謝蕪村の俳句「菜の花や 月は東に 日は西に」を提示し、「与謝蕪村の見た風景にはど んな月が映っていたのだろうか」と単元を貫く課題を設定する。そして、世間で注目の高い「中秋 の名月」にあたる日から同じ時刻に同じ場所で月の位置を観察記録させ、月の形や位置の変化に気 付かせることで問いを引き出し、単元の学習を始める。まず、地球と周辺の天体に目を向けさせる ために、観測資料や月の暦を用いてその特徴や地球との関係に気付かせる。次に、月の運動と太陽 との位置関係を関連付けて理解させるために、観察記録や写真、モデルを用いて、月の見え方には 規則性・周期性があることを考察させる。ここで、時間的・空間的視点を働かせるために、太陽、 地球、月の簡易モデルを使用して、地球における観察者の時間帯や方位に着目させ、モデルを操作 しながら構造的な関係を説明する活動に取り組ませる。最後に、金星の見え方には月と似た特徴が あることに気付かせるために、太陽、地球、金星の簡易モデルを使用して内惑星であることに着目 し、その見え方の特徴を図で表現しながら説明できるようにする。 3 単元の目標 〇 月の運動と見え方、惑星と恒星に関する事物・現象について関心をもち、月の特徴や金星の見え 方の特徴について探究しようとする。[自然事象への関心・意欲・態度] 〇 月の運動や金星の運動について公転と関連付けて考え、その見え方について自らの考えを導いた りまとめたりして表現している。[科学的な思考・表現] 〇 月や金星について、その見える位置や見え方のようすを観察、実験し、その結果を正しく記録す ることができる。[観察・実験の技能] 〇 月の運動や金星の運動について、公転と見え方との関連について基本的な概念を理解し、知識を 身に付けている。[自然事象についての知識・理解]4 単元指導計画(全8時間 本時6/8)「月と惑星の運動」 時 主な学習活動 主体的・対話的で深い学びの視点に立った手立て 評価規準 1 1 地球から観察できる天体 の特徴や生活との関連につ いて知る。 単元を貫く課題「菜の花や月は東 に日は西に」を提示し、課題解決に 必要な学習課題と解決のための学 習の見通しを設定する。 ◇ 月や惑星について、その特 徴や生活との関連に気付く ことができる。 [関心・意欲・態度] (振り返りシート) 1 2 月の観察記録を分析し、月 は地球のまわりを公転して いることを見いだす。 月の位置と形の観察記録や月の暦 を関連付け、月が地球のまわりを 公転するときの特徴を見いだす場 の設定【対話的な学び-②】 ◇ 地球から見える月の形や 特徴を説明することができ る。[知識・理解](ノート記 述、ペーパーテスト) 2 3 三日月は夕方にしか見え ない理由を考える。 簡易モデルを用いて、月の見え方 の規則性を太陽、月、地球の位置関 係から考察する場の設定 【対話的な学び-⑦】 ◇ 真夜中に三日月が映る絵 の真偽を太陽、月、地球の位 置関係から説明することが できる。[思考・表現](ノー ト記述、ペーパーテスト) 1 4 日食と月食がなぜ起こる のか考える。 簡易モデルを使って公転運動と太 陽の位置を関連付けて考える場の 設定 【対話的な学び-⑤】 ◇ 日食と月食が起こる仕組 みを太陽、地球、月の位置関 係から説明することができ る。[知識・理解] (ペーパーテスト) 1 5 与謝蕪村が見た月の考察 を基に、課題となる月の見え 方を考える。《本時》 課題解決の見通しを基に、簡易モ デルや月の満ち欠け周期表を使っ て思考を表現する場の設定 【深い学び-⑤】 ◇ 太陽、月、地球の位置関係 から月の見え方を時間帯と 方位に着目して説明するこ とができる。[思考・表現] (記述、ペーパーテスト) 2 6 金星はなぜ真夜中に見え ないのかを考える。 簡易モデルを使って、太陽、金星、 地球の位置関係を考えながら、月 の見え方と関連付けて金星の見え 方を考える場の設定 【深い学び-③】 ◇ 金星の見え方について金 星の公転と関連付けて図で 説明することができる。 [思考・表現] (記述、ペーパーテスト) 5 本時 令和2年○月○日(○)第○校時 於:3年○組教室 (1) 主眼 太陽-地球-月の簡易モデルを用いて、月の満ち欠け周期表を関連付けて話し合う活動を通して、 月の見え方を太陽、地球、月の位置関係から時間帯と方位に着目して説明することができる。 (2) 本時の主たる見方・考え方 【見方】観察者から月が見える時間的視点、太陽、地球、月の位置関係から観察場所による空間的 視点に着目して、【考え方】簡易モデルと月の満ち欠け周期表とを関連付けて月の位置が変化したとき の見え方を考える。 (3) 授業仮説 「月の位置がわかると、観察者の位置(観察した時間)が明確になるので観察した方位から月の形がわか るであろう」と課題解決の見通しをもち、太陽-地球-月の簡易モデルと月の満ち欠け周期表を使って、 月の見え方を話し合う活動を仕組めば、太陽、地球、月の位置関係を満ち欠け周期表と関連付けて月 の見え方を考えることができるであろう。
(4) 展開 時 学習活動・内容 形態 指導上の留意点(◇評価規準) 配時 導 入 1 与謝蕪村の俳句「菜の花や 月は東に 日は西に」を振り返り、この時の地球と月の 位置関係から月の見え方を考える。 観 察 者 の 位 置 は日の入り頃であ る。地球と月は図 のような位置関係 で、西に太陽があ る時、東に月があるため、満月になる。 (蕪村の見た月) 2 本時課題に出会い、めあてを設定する。 3 課題解決のための見通しを立てる。 (1) Aさんが見た月の形を予想し、解決に必 要なことについて自分の考えを書く。 ・月の位置 ・月を見た時間帯 ・観察した方位 ・満月までの日数 (2) 考えを交流し、見通しを整理する。 「月の位置がわかると、観察者の位置(観 察した時間)が明確になるので観察した方 位から月の形がわかるであろう。」 一斉 一斉 個人 一斉 ○ 学習課題への興味・関心を高めさせる ために、与謝蕪村が詠んだ句の背景を説 明し、「与謝蕪村の見た風景はどんな風 景だったのだろうか」と問い、図に表す。 ○ 生徒から問いを見いださせるために、蕪 村の見た風景の図とAさんが見た風景の 図を比べさせる。 ○ 地球と月の位置関係、観察者が観察し た時間帯と方位の視点に気付くことができ るようにするために、「これまでの学習を振 り返って、どのような要素や方法があれ ば、解決できそうか」と問い、課題解決の ための見方を共有する。 【主体的な学び-①】 5 5 2 3 めあて Aさんの見た月を地球と月の位置関 係から時間と方位に注目して調べ、説明 しよう。 【本時の課題】 A さんは、与謝蕪村が見た風景を見たいと思い、菜の花が広 がるところへ日の入り頃を目指して出かけたが、月は見えなか った。調べてみると、約1週間前が満月だったことがわかった。 そこで、月が上るのを待つことにした。この日に A さんが東 の空に見た月は、いつ、どのような月だったのだろうか。 花の イラスト 花の イラスト
展 開 4 月の見え方を考える。 (1) 班で話し合う。 (2) 班で話し合った結果を全体で交流する。 (3) 月の見え方を考察し、学習プリントに自 分の考えを整理する。 班 一斉 個人 ○ 月の形を時間的な見方で考えること ができるように、月の満ち欠け周期表 を資料として示す。 ○ 太陽、地球、月の位置関係を構造的に 捉えることができるようにするため に、太陽-地球-月の簡易モデルを使 って観察者の位置を考える場面を設定 する。【対話的な学び-⑦】 ○ 根拠を明確にできるようにするために、 全体交流で出てきた考えを図やキーワー ドで整理する。 ○ 根拠を基にして、月が下弦の月になる 理由を自分の考えとして整理できるよう に、「結論-理由」の順に書くように定型 文を提示しながら、図とともに示したり資 料と関連付けたりして表現するように促 す。 ○ 自分の考えをどう表現してよいかわから ない生徒には、地球と月の位置関係を図 示することや板書で整理したキーワードを 使用することなど、声をかけて支援する。 13 7 5 ま と め 5 本時の学習をまとめる。 6 本時の学習を振り返る。 一斉 個人 ○ 本時の学びをまとめさせるために、本時 の課題を振り返り、生徒の言葉を生かして まとめを行う。 ○ 自分の学びを自覚させるために、本時 の自分の課題解決力を点数化してつけさ せ、その理由を記入させる。 5 5 ◇ Aさんは、地球と月が図のような関係のときに、 真夜中に東の空に下弦の月を見た。その理由は、満 ち欠け周期表から満月から約1週間後は図のような 位置にあると考えられるから下弦の月だとわかる。 また、下弦の月が東の空から上るのが見えるのは、 図から真夜中に観察者がいる時である。 まとめ Aさんは、真夜中に東の空から上る 下弦の月を見た。