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Simple method to detect triclofos and its metabolites in plasma of children by combined use of liquid chromatography tandem-mass spectrometry and gas chromatography-mass spectrometry(ガスクロマトグラフ質量分析計と液体クロマトグラフタンデム型質量分析計を併用した血漿中トリクロホスおよび代謝物の同時測定法の開発)<内容の要旨及び

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Academic year: 2021

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Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 乙第1902号 学 位 記 番 号 論第1664号 氏 名 佐藤 博貴 授 与 年 月 日 令和 2 年 3 月 25 日 学位論文の題名

Simple method to detect triclofos and its metabolites in plasma of children by combined use of liquid chromatography tandem-mass spectrometry and gas chromatography-mass spectrometry

(ガスクロマトグラフ質量分析計と液体クロマトグラフタンデム型質量分析計 を併用した血漿中トリクロホスおよび代謝物の同時測定法の開発)

Scientific Reports. Vol. 9: 9294, 2019.

論文審査担当者 主査: 鈴木 貞夫

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論 文 内 容 の 要 旨 トリクロホスナトリウム(TCS)および抱水クロラール(CH)は、小児画像診断における検査 前投薬や、小児集中治療室における鎮静薬として広く使用されている。これらの薬剤は、日本に おいてTCS では 20-80 mg/kg、CH では 30-50 mg/kg の範囲で用いられるが、小児の年齢に応じ た基準量は設定されていない。CH の過量投与により不整脈や呼吸不全および食道炎などの副作 用が報告されており、より安全な鎮静プロトコルを確立する必要がある。TCS は産業化学分野で 使用されるトリクロロエチレンと同じくトリクロロエタノール(TCEOH)へ生体内で変化し、 トリクロロ酢酸(TCA)や CH へ代謝される。TCEOH は生体内において鎮静作用を発揮するが、 これらの物質の濃度を一斉に分析する方法は報告されていない。したがって、本研究では、液体 クロマトグラフタンデム型質量分析計(LC-MS / MS)とガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS) を組み合わせ、血漿中のTCS とその代謝物を同定するための簡便な分析法を新しく開発および検 証することを目的とした。 本研究は京都府立医科大学および名古屋市立大学大学院医学研究科の倫理審査委員会(それぞ れ承認番号ERB-C-289 および 1112)によって承認され、参加対象児の代諾者として両親から書 面によるインフォームドコンセントを得た。適用基準は(i)体重が 2 kg を超える 12 歳未満で(ii) 小児集中治療室で3 日間以上治療を受ける(iii)治療目的で中心静脈または動脈にカテーテルを 配置し非侵襲的な血液採集が可能な患児とした。TCS や CH に対するアレルギー、または出血ま たは重度の心機能障害による心血管虚脱の患者はそれぞれ除外した。 分析法の開発にあたっては、薬物治療歴や化学物質曝露歴のないプール血漿にTCS、TCA、 TCEOH および CH を添加した標準血漿を用いた。内部標準物質としてジクロロ酢酸の重水素置 換体(DCA-d2)を添加したのち、水/硫酸/メタノール(6:5:1、v/v)を加え 70℃の加温で誘導体 化後、n-ヘキサン/酢酸エチル(3:7, v/v)で抽出した。上清をそれぞれ LC-MS / MS(TCS)と GC-MS(TCA、TCEOH、CH)を組み合わせて用いて分析を行った。臨床的濃度範囲を考慮し、 検量線は0.5-75 または 300(TCEOH のみ)µg/ ml(6 または 7 点)の範囲とした。日内真度お よび併行精度は、TCEOH は 0.5、5、25、75、300 µg/ ml、その他の分析物は 0.5、5、25、75 µg/ ml の濃度をそれぞれ 7 サンプルずつ測定し算出した。日間真度および室内再現精度は同じ濃度に 対し、異なる7 日間での測定により求めた。真度は設定濃度に対する割合(%)、精度は繰り返し 測定の相対標準偏差(%RSD)を指標とした。血漿サンプル自体の安定性を評価するために、4℃と 37℃に標準血漿を 24 時間放置し、それぞれの真度を確認した。また、前処理後のサンプルを前 処理直後、4 時間後、8 時間後、24 時間後の 4 時点で分析し、安定性を確認した。キャリーオー バー試験は、検量線の最高濃度を測定後、ブランクサンプルを続けて分析することで実施した。 また、プールしていない血漿を用いてマトリックス効果を検証した。本研究で確立された分析法 を用いて、5 名の小児より採取した血漿から、TCS および CH 投与後の両物質および代謝物を測 定した。 検出限界および定量限界(µg/ ml)は、TCS でそれぞれ 0.10 および 0.29、TCA で 0.24 および 0.72、TCEOH で 0.10 および 0.31、CH で 0.25 および 0.76 であった。検量線の決定係数は 0.975-1.000 であり、直線性があった。日内真度は TCS で 82.8〜107%、TCA で 85.4〜101%、 TCEOH で 91.6〜107%、CH で 88.9-109%であった。また日間真度は TCS で 95.7-104%、TCA で95.1-102%、TCEOH で 89.1-102%、CH で 77.9-103%であった。併行精度および室内再現精 度は、TCS およびそのすべての代謝物について、それぞれ 1.1〜15.7%と 3.6〜13.5%の範囲であ

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った。前処理前血漿の安定性評価ではTCA 以外の物質については真度が低下する傾向にあり、血 漿採集後の迅速な凍結と解凍後の即時調整が必要であることを示唆した。また、前処理後サンプ ルの時間経過では、24 時間以内に測定した場合では TCS(75 µg/ ml)を除き、前処理直後に測 定した結果と著変は無かった。ところで、TCS の最大濃度は約 5 µg/ ml であるため、本研究の臨 床サンプルのTCS は十分に定量されていると考えられた。0.5-75μg/ ml の濃度範囲でのマトリッ クス効果の平均%RSD は、TCS で 13.9%、TCA で 5.6%、TCEOH で 8.9%、CH で 14.9%であ った。キャリーオーバー試験では、ブランクサンプルに分析物のピークは検出されなかった。 本研究で確立した分析法を用いて、鎮静処置を行った患児5 名よりそれぞれ経時的に採取した 血漿中のTCS およびその代謝物を測定した。TCEOH は体内において一部は抱合体を形成してお り、分析前に解離処理を行ったサンプルも追加して測定した。TCS 投与後の TCEOH および TCA 濃度の上昇は、全ての患児で確認された。全16 血漿サンプル中 TCS、TCA、TCEOH は 15〜16 (93.8〜100%)のサンプルで検出され、CH は 5 人の子供から採取した 8 サンプル(50.0%)で 検出された。したがって、本分析法は、TCS 鎮静下における TCEOH のバイオモニタリングに適 用でき、小児のTCS 投与量の最適化に寄与できると考えられた。

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論文審査の結果の要旨 【論文の概要】 トリクロホスナトリウム(TCS)および抱水クロラール(CH)は、小児科領域における鎮静薬とし て広く使用され、CH の過量投与による副作用が報告されているが、小児の年齢に応じた基準量は未 設定である。TCS は産業化学物質であるトリクロロエチレンと同じくトリクロロエタノール (TCEOH)、トリクロロ酢酸(TCA)や CH へ代謝されるが、これらの親物質及び代謝物の濃度の一斉 分析法は報告されていない。したがって、本研究では、液体クロマトグラフタンデム型質量分析計 (LC-MS/MS)とガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)を組み合わせ、血漿中の TCS とその代謝物 を同定するための簡便な分析法を新しく開発および検証することを目的とした。 本研究は大学の倫理審査委員会により承認され、参加対象児の代諾者として両親から書面によるイ ンフォームドコンセントを得た。分析法開発にあたっては、薬物治療歴や化学物質曝露歴のないプー ル血漿に TCS、TCA、TCEOH および CH を添加した標準血漿を用いた。内部標準物質としてジクロロ酢 酸の重水素置換体を添加したのち、水/硫酸/メタノール(6:5:1、v/v)を加え 70℃の加温で誘導体 化後、n-ヘキサン/酢酸エチル(3:7, v/v)で抽出した。上清をそれぞれ LC-MS/MS(TCS)と GC-MS (TCA、TCEOH、CH)を組み合わせて用いて分析を行った。真度は設定濃度に対する割合(%)、精度 は繰り返し測定の相対標準偏差(%RSD)を指標とした。 検出限界および定量限界(µg/ml)は、TCS でそれぞれ 0.1、0.29、TCA で 0.24、0.72、TCEOH で 0.10、0.31、CH で 0.25、0.76 であった。検量線の決定係数は 0.975-1.000 であった。日内真度は TCS で 82.8-107%、TCA で 85.4-101%、TCEOH で 91.6-107%、CH で 88.9-109%であった。また日間 真度は TCS で 95.7-104%、TCA で 95.1-102%、TCEOH で 89.1-102%、CH で 77.9-103%であった。併 行精度および室内再現精度は、TCS およびそのすべての代謝物について、それぞれ 1.1-15.7%、3.6-13.5%の範囲であった。0.5-75μg/ ml の濃度範囲でのマトリックス効果の平均%RSD は、TCS で 13.9%、TCA で 5.6%、TCEOH で 8.9%、CH で 14.9%であった。キャリーオーバー試験では、ブラン クサンプルに分析物のピークは検出されなかった。 本研究で確立した分析法を用いて、鎮静処置を行った患児 5 名より採取した血漿中の TCS、CH、代 謝物を測定した。TCS 投与後の TCEOH および TCA 濃度の上昇は、全ての患児で確認された。TCS、 TCA、TCEOH は 93.8-100%の、CH は 50.0%のサンプルで検出された。本分析法は、TCS 鎮静下におけ る TCEOH のモニタリングに適用でき、小児の TCS 投与量の最適化に寄与できると考えられた。 【審査の内容】 主査の鈴木教授からは、分析化学と分析疫学における用語の概念の違い、例数が十分と判定する根 拠、研究の新規性、開発した方法の将来の応用について質問があった。第 1 副査の齋藤教授からは検 体として血漿を用いた理由、TCS、CS、代謝物の血中濃度を規定する要因はどの程度明らかになって いるか、薬物代謝酵素の遺伝的違いはあるのか等の質問があった。また、第 2 副査の酒々井教授から は、測定機器の原理、スペクトルが近い物質との鑑別はどうしたらよいか、化合物は血中でアルブミ ンと結合するのか、測定法に影響を与える被験者の病態は、など 11 項目の質問があった。ほとんど の質問に適切な答えがなされ、申請者は論文の内容を把握しているとともに専門領域に十分な知識を 持っていることが確認された。当研究は、当該物質及び代謝物の新たな分析法を開発したという意義 があり、申請者には博士(医学)の学位を授与するに値すると判定した。 論文審査担当者 主査 鈴木貞夫 副査 齋藤伸治 酒々井眞澄

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