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自動 販 売機 に 関す る消 費者 問題 の
商 品学 的考 察
岡 部 昭 二
1 は じ め に 近 時,自 動販 売 機 の設 置台 数 は急 激 に伸 び,年 間30万 台 ∼40万 台 と言 わ れ, 昭 和52年12月 末 現在,約340万 台 に 達 して い る。年 生 産額 は800億 円 で,今 や 1,000億 円産 業 に な ろ うと して い る。 そ の 普 及 率 は500万 台 を 擁 す る 米 国 を 抜 き,33人 に1台 の割 合 で,世 界 最 高 を誇 っ て い る。 自動 販 売 機 が,現 在 に み る高普 及 を遂 げ た要 因 につ い て は,中 味 商 品 メ ー カ ー,自 動販売機の設 置場所提供者,購 買者 の三つ の立場か ら考察す ることがで き よ う。 これ を平 易 に① 売 る立 場,② 置 く立 場,③ 買 う立 場 と規 定 す る こ とも で き る。 第 一 に売 る 立場 か らは小 売 店 側 の 省 力 化 に 寄 与 し,需 要 喚起 を期 待 し 得 る。 第二 に,置 く立 場 か らみ れ ば,省 力,省 人 化 に 貢献 し,閉 店 後 の売 上 げ が可 能 で あ る。 第 三 に,購 買 者 は,身 近 な場 所 に お い て時 間 に制 約 され る こ と な く購 入 し得 る 便 益 性 を有 す る。 換 言 す る な らば,①24時 間 の 商 品 供 給 が 可 能,② 購 買 方 法 の 簡 便 化,③ 空 間 の 有 効 利 用 に よ り流 通 機 構 に 新 な 価 値 を 創 造,の 三 点 とい え よ う。 と くに 自動 販 売 機 が 大 都 市 中 心 に 普 及 して い るの は, 若 い 世 代 の 特 徴 で もあ る,煩 わ し い会 話 な しに 購 入 した い との ニー ズ に適 応 し て い る こ とが考 え られ る。 ス ーパ ー マ ー ケ ッ トが 対 面 販売 を な く し,レ ジに お け る商 品 の受 け渡 しに のみ 人 手 が 介 在 す るに対 し,自 動販 売 機 に お け る購 買 に は,そ の必 要 もな く,自 動 販 売 機 は,第 三 の販 売 革 命 とか?第 三 の セ ール ス マ ン と呼 称 され て い る所 以 で あ るg26 皿 自動販売機 の現況 昭 和52年12月 末 現 在 の 普 及 台 数(自 動 サ ー ビ ス 機 を 含 む)は,339万1,280台 と な り,1前 年 比9.5%の 増 加 と な っ て い る が,年 間 実 質 増 加 台 数 は294,990台 (前 年300,704台)で 横 ば い と な っ た 。 普 及 台 数 に 占 め る 機 種 別 割 合 に つ い て は,第1図 に 示 し た 。 普 及 率 順 位 は, 飲 料 自販 機i39。3%(前 年35.9%),自 動 サ ー ビ ス 機i28.2%(同30.1%),日 用 品 雑 貨 そ の 他 自 販 機18.0%(同18.8%),た ば こ 自 販 機7.5%(同7.9%),食 品 自 販 機6,1%(同6.3%)と な っ て い る 。 飲 料 自 販 機 は,前 年 と 比 べ 伸 び 率 が 高 く 第1図 機 種 別 普 及 状 況 (昭和52年12月 末現 在) 両 替 機 1.6% 飲 料 自販 機 39.3% 炭酸飲料 28.5% コー ヒ ・コ コア3.2% 牛 乳2.4% ド リン ク他1.0% 酒 ビ ー ル4.2% 食 品自販機 6.1% ピーナツ ガム他 3・8% たばこ 自販機 7.5% 数 台 総 台 80 β 91 ' 3 3 理 ・産1用 品 切手 2・8% おみ くじ パチン コ玉 乾電池他 10.3% その他 自販機 18.0% パ ン ・ケ ー キ ・お つ まみ め ん 類 。ア イス ク り一 ム 氷 他 2.3% コ イ ン ロ ッ カー バー キ ン グ メ ー ター コイ ン テ レ ビ他 26.6% 自動 サ ー ビス 機 28.2% 乗 車 券0.5% 切 符 自 販機0。9% その 他 券 類0.4% チ リ紙 ・カ ミソ リ等 日用 品 雑 貨 4.3% 新 聞 雑 誌0。6% 資料 日本 自動販 売機工業会
自動販売機に関する消費者問題 の商品学的考察 27 第1表 自動販売機普及台数及 び年間 自販金額 ! (52年12月末現在) 種 類 飲 機 売 販 動 飲 自 ` 中 身 商 品 例 清 涼 飯 料 牛 乳 コ ー ヒ ー ・ コ コ ア ド リ ン ク 他 酒 ・ ビ ー ル ・ ウ ィ ス キ ー 飲 料 小 計 食 品 自動販売機 ピ ー ナ プ ツ ・ガ ム・チ ョ コ レ ー ト 他 パ ン ・ケ ー キ ・おつ まみ 。ボ ブブ コ ー ソ 他 弁 当 ・イ ン ス タ ン ト麺 類 ・サ ソ ドイ ブチ 他 ア イ ス ク リ ー ム ・氷 食 品 小 計
勧 臨 蔑1た
切自動販売機 符 ば こ 乗 車 券 食 券 ・入 場 券 ・貸 靴 券 他 切 符 小 計 そ の 他 自動販売機 切 手 ・は が き ・印 紙 ・証紙 カ ミ ソ リ ・靴 下 ・チ リ紙 他 新 聞 ・ 雑 誌 生 理 ・ 産 制 用 品 お み く じ ・パ チ ン コ 玉 ・玩 具 ・ゴ ル フ ボ ー ル ・乾 電 池 他 そ の 他 小 計 自 動 販 売 機 合 計 自 動 両 替 機 サ ー ビ ス 機 コ イ ン ロ ッ カー ・靴 磨 機 。コ イン テ レ ビ ・パ ー キ ン グ メー ター 他 自 動 サ ー ビ ス 機 小 計 合 二十 ︼両陪 及台数
966,660 81,030 108,610 33,680 142,830 前 年 比 (%) 121.1 114.1 116.0 98.5 124.5 1,332,810 119.9 129,240 15,3∞ 98.4 101.9 58,650 125.7 2,730 125,4 2・5,9201・05.5 25瓜55・1・ … 18,510 100.6 13,760 103.5 32,270 101.8 1,030 147,370 21,410 94,760 345,920 103.8 104.5 92.0 98.2 108.7 610,490 105.3 2,436,…T12.6 51,980 903,260 110.6 101.9 95524・i1・2,3 ・391,28・i・ …1 52年1∼12月 前 年 比i
自販 金額 〔千 円) (%) 443,980,440 50,150,340 45,382,310 24,802,500 102,019,500 125.3 114.5 112.0 97.6 125.8 666,335,090 122.2 15,642,500 7,5∞,000 49,508,750 918,750 98.0 102.9 126.3 126.7 73,570,000 116.4 231,・3亀 …1・2・ ・ 712,363,200 105.1 94,112,500 106.5 806,475,7・ ・1・ ・5.2 378,750 101.8 21,901,0001 109.3 9,682,370 86.6 11,395,800 100.3 76,560,000 105.3 ・・9,917,92・1・ ・3.7 1,897,432,21・1・ ・3.5 82,683,870 106.3 82,683,87・i・ ・6.3 1,980,116,・8・111・ ・ 資料:日 本 自動販売機工業会28 19,9%の 大 幅増 とな った他 は, 5%以 下 の 伸 び に止 ま り,飲 料 自販 機 主 導 が ます ます 顕 著 に な って い る(第1表) 次 に,各 種 自動 販 売 機 に よ っ て販 売 され た 中味 商 品,サ ー ビ ス の昭 和52年1月 か ら12月 まで に お け る年 間 売 上 金 額 の 合 計 は 1兆9,801億1,608万 円 で 前年 比 13,2%増 とな った。 これ は昭 和 52年 度 の 個 人 消 費支 出(実 績 見 込)107兆1,500億 円 の 約1.8% に相 当す る。 中味 商 品(サ ー ビス)自 販 金 額 は,設 置 台 数 の 鈍 化 に もか か わ らず,切 符 が40.7%と 圧 倒 的 第2表 中身 商 品 別 年間 自販 金 額 ・構成 比 (昭和52年1月 一12月) 中 味 商 品 品 目 (単 位 ・千 円)年 間 自販 金 額 構 成 比
1(%)
飲 料 666,335,090 33.6 菓 子 類 15,642,500 0.8 調 理 食 品 57,008,750 2.9 ア イ ス ク リー ム ・氷 918,750 0.1 た ば こ 231,133,50Q 11.7 切 符 806,475,7∞ 40.7 切 手 ・証 紙 等 378,750 0.1 日 用 品 ・雑 貨 21,901,∞0 1.1 新 聞 ・雑 誌 9,682,370 0.5 生 理 用 品 等 11,395,800 0.5 そ の 他 76,560,000 3.9 自 動 サ ー ビ ス 機 82,683,870 4.1 資 料:日 本 自動 販 売 機 工 業 会 に 高 く,つ い で 飲 料33.6%,た ば こ11.7%の 順 位 と な り,上 位3者 で 全 体 の 86.0%を 占 め て い る(第2表) 機 種 別 中 味 商 品 自販 金 額 の 中 で25%以 上 の 伸 び 率 を 示 し た 機 種 は,た ば こ (27.2%),ア イ ス ク リー ム ・氷(26.7%),弁 当,即 席 麺 類 等(26.3%),ア ル コ ー ル 飲 料(25.8%),清 涼 飲 料(25.3%)の5機 種 と な り,昨 年 高 成 長 を 遂 げ た 新 聞 ・雑 誌 は13.4%(昨 年62.1%増)と 急 減 し た 。 (第2表) 自動 販 売 機 は そ の オ ペ レ ー タ(自 動 販 売 機 を 運 営 す る業 者)の 業 態 に よ り, 3種 に 大 別 し得 る 。 ア 専業 オ ペ レー タ 多 数 の ロケー シ ョン(設 置 場 所)に 各 種 自動販 売機 を 設 趾 契 約 して機 械 の 保守,中 身 商 品 の補 給 ・集 金 な ど一 切 のサ ー ビスを 行 う業 態。 イ 兼 業 オ ペ レー タ自動 販 売 機 に 関す る消 費 者 問題 の商 品 学 的考 察 29 飲 料 メー カ ーな どが 自社 商 品 の販 売政 策 上,販 売経 路 の合理 化,販 路 の拡 張 な どのた め に 自販 機 を採 用 し,自 らサ ー ビス す る業 態 。 ウ オ ー ナ ーオ ペ レー タ ロケ ー シ ョンオ ー ナ ー(設 置場 所 所 有 者)が 主 に販 売 の 省 力化 を は か るため,自 販 機 を導 入 して 自 らの営 業 場 所 で運 営 す る業 態。 近 時,オ ー ナ ー オ ペ レ ー タ の 業 態 が50∼60%を 占 め る に 至 った が,酒 店,た ば こ屋 な ど メ カ ニ ッ ク な 知 識 に 乏 し く,苦 情 処 理 能 力 に 欠 け る 憾 み が あ り,オ ー ナ ー オ ペ レ ー タ に 対 し て は 何 等 か の 教 育 が 必 要 で あ ろ う。 皿 自動販売機に関 する苦情調査 自動 販 売 機 の 利 用 に 関 す る調査 は,従 来,ほ とん ど主 婦 を 対 象 と して実 施 さ れ て きた 。 しか し,自 動 販 売 機 が 国民 各 層 に よ り広 く利 用 され て い る現 状 をみ る と き,主 婦 の み の対 象 で は,必 ず し もそ の 正 しい 利用 実 態 を捕 捉 し て い る と は 言 い難 い。 さ い わ い,本 年6月 本 学 経 済 学 部202名 及 び経 済短 期 大 学 部43名 計245名 に よ る調 査 を実 施 し得 た の で報 告 す る。 な お,回 収 率 は100%で あ る。 又,自 動 販 売 機 に つ い て 消 費者 の利 用 実 態 及 び意 見 を 把 握 し,今 後 の 自動 販 売 機 の表 示 及 び 管 理 の 適 正化 を 図 る上 で の参 考 資 料 とす るた め に 実 施 した愛 知 つ 県 消 費 生 活 モ ニ タ ー500名 中,先 着200名 の 回 答 集 計 結 果 を 入 手 した の で,随 時,此 等 主 婦 を 対 象 とす る 結 果 に も 触 れ る 。 な お,後 者 の 調 査 は 本 年8月 に 実 施 し た も の で,最 終 的 集 計 を 得 る ま で に は,な お か な り の 期 間 を 要 す る の で, 一 応 本 中 間 結 果 を 利 用 す る こ と に し た 。 1.利 用 実 態 本 学 学 生 の 利 用 者 率 は,清 涼 飲 料 が 圧 倒 的 に 高 く84.8%で,以 下,た ば こ の 18.0%,牛 乳 の15.5%,乗 車 券 の13.9%の 順 と な っ て い る 。 消 費 者 モ ニ タ ー の 利 用 者 率 は,清 涼 飲 料88.0%,た ば こ60.0%,コ ー ヒ ー ・コ コ ア50.5%,牛 乳 50.0%の 順 で,一 見 消 費 者 モ ニ タ ー は,学 生 に 比 し,か な り多 種 の 自 動 販 売 機 1)愛 知 県 生 活 課 「第2回 愛知 県 消費 生 活 モ ニ タ ー ア ン ケー ト中間 集 計 結果 」 (53年9 月)
30 を 利用 して い る よ うにみ え る。 しか し設 問 に つ い て は,消 費 生 活 モ ニ ター に 対 して は 「あ な た は,こ れ まで に 自動 販 売 機 で商 品を 購 入 され た こ とは あ ります 第3表 利 用 状 況 種 類 飲 料 自動販売機 食自動販 売機 品 た ば こ 自動販売機 切 符 自動販売機 そ の 他 自動販売機 自 動 サ ー ビス機 中 味 商 品 別 清 涼 飲 料 牛 乳 コ ー ヒ ー ・ コ コ ア ド リ ン ク 他 酒 精 飲 料 菓 子 類 調 理 食 品 ア イ ス ク リー ム ・ 氷 た ば こ 乗 車 券 食:券 ・入 場 券 ・貨 靴 券 切 手 ・は が き ・印 紙 ・証 紙 カ ミ ソ リ ・靴 下 ・ チ リ紙 他 新 聞 ・雑 誌 生 理 ・産 制 用 品 お み くじ ・パ チン コ玉 ・玩 具 ・ゴル フボール ・乾電池 他 面 替 機 コ イ ン ロ ッ カ ー ●靴 磨 機 。 コ イ ン テ レ ビ ・パ ー キ ン グ メ ー タ ー 他 利 用 し た こ と が な い 総 十 = 口 普及率 A A。 28.5 50.4 2.4 3.2 1.0 4.2 4.2 5.7 1。8 7.4 学 生 B 207 (84.5) C C }A 消 費生 活 モ ニ ター 4.3 1.7 0.1 7.5 0.5 0.4 0.0 4。3 0.6 2.8 10.2 1。5 26.6
/
38 (15.5) 22 (9.0) 55.2 10.1 5.9 0 0 (,嵩 … 7.6 3.0 0.2 3 (1.2} 7 (2.9) 0 0.8 1。9 0 13・3(18嵩 ・司 ・
1・・(8調25・ ・ …(、 調 ・4・6 1・8(,謁 ・4・8 0 0 0 0.8 0.2 1.1 0 (33簡 … 14' 2 。0(7 .0) 71 (35.5) 0 10.4 0d寒
26.20.5 14.93.5 15.02.6 0 0 9.81。3 2.1 10.5 0 0.3 3.5 0 11716/
/
/
/
1.1 5.0/
/
/
34 (13.9) 0 0 0 2 (0.8) 0 4 (1.6} 1 (0.2) 0/1・
375 9.1 0 0 0 0.5 0 1.1 0.3 0/
120 17 .5 17.8 1.3.(60 .0} 18.1/
・/
・/
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0.9//
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(、 揚 ・・71.8 ・(、 鳩 ・・91.・ 0.1 0。2 1,島 …////
・///
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1.6 0.4/
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/(、.虜1/1/1/
100100(100)100 【/1(、 器 1・・11・・1/ A。,C。 統 一 ス テ ッカ ーを 通 常必 要 と しな い も の の百 分 率 B,B' 上段:利 用 者 数 下 段:利 用 者 数 百分 率 C,C' 全 体 に対 す る当 該 機 種利 用百 分 率自動販売機に関する消費老問題の商 品学的考察 31 第4表 経 済 的 ・身 体 的 被 害 被 害 内 容 商 品 が 出 なか った り不 足 して い た 切 符が 出 なか った 表示 された商品 と別 の商品が出た 商 品表 示(例 誇大 表 示,内 容表 示 不 充 分)に 問 題 が あ った 自販機や商品の衛生状態に問題があ った つ り銭 が 出 なか った り不 足 し て いた 転倒事故にあった 学 生 136人 2 60 49 91 124 0 55.5% 0.8 24.5 20.0 37。5 50.6 0 消 費 者 モ ニ タ ー <55人
/
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<41/
<27.5%/
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<20.5/
第5表 ト ラ ブ ル へ の 対 応 方 法 ト ラ ブ ル へ の 対 応 方 法 店 の人 に かけ あ った 又 硬 貨 を 入れ た らか え っ て商 品 が 多 く出た た た い た りゆ す った り した 蹴 っ た そ の 他 あ き ら め た 合 計(延 数) 学 生 86人 2 39 28 1 49 205 56.2% 1.3 25.5 18.3 0.7 32,0 134.0 地 鳴 ψ 考 トラ ブル の経 験 者 は153人 で全 学 生 の62.4%に 当 た る 第6表 青少年に有害 と考 えられ る商品 商 品 名 成 人 向 雑 誌 た ば こ ア ル コ ー ル 飲 料 衛 生 用 品 そ の 他 な し 有 害 の 基 準 が 分 ら な い 無 答 学 生 149人 137 80 15 15 24 6 16 60.8% 55.9 32.7 6.1 6.1 9.8 2.4 6.5 備 考 中 味商 品 に 青 少年 に有 害 な も のが あ る と考 え る者 は199人 で全 学 生 の81.2%に 当 た る32 か 。 購 入 し た 商 品 に ○ 印 を つ け て くだ さ い 。 (○ 印 は い くつ で も よ い)」 と し, 項 目 と し て,弁 当 (カ レ ー ラ イ ス,お 茶 づ け を 含 む 。),め ん 類,シ ュ ー マ イ ・ 肉 ま ん,ハ ン バ ー ガ ー,菓 子 ,清 涼飲 料 コ ー ヒ ー ・コ コ ア, 牛 乳,酒 類,タ バ コ, 新 聞 ・雑 誌,衛 生 用 品,乾 電 池,そ の 他, 購 入 し た こ と は な 第7表 青 少年 に有害な商品販売への対策 青少年に有害 な商品販売へ の対策 販 売せぬ よ う撤去す る 台数を減 らす 青少年の集 りやす い場所か ら撤去す る 夜間販売を制限す る 店頭販売にす る 表示を大 きくす る 監視及び取締 る 親の躾けを必要 とす る 販売側が責任を持 つ 本人 の自覚に俟つ 別 に何 と も思 わ な い 仕方がない か まわ な い そ の 他 合 言 f 口 1学 生 38人 2 14 7 21 ユ 12 1 2 7 1 3 28 7 144 26,4% 1,3 9.7 4.9 14.6 0.7 8.3 0.7 1.3 4.9 0.7 2.1 19.4 4.9 100 い 」 と して い るの に対 し,学 生 へ の設 問 は,「 何 を最 も よ く利 用 して い るか 」 と相 違 し,前 者 は 利 用経 験 を尋 ね て い るた め,3.43件/人 と多 く,後 者 は 利 用 経 験 の 最 も多 い もの を尋 ね て い るた め,1.88件/人 と相対 的 に 低 い値 を示 して い る。又,対 象 機 種 に つ い ては,消 費 者 モ ニ タ ーが,統 一 ス テ ッカ ーの貼 付 を 必 要 と しな い乗 車 券,両 替 機 な どを 除 外 して い るの に 対 し,学 生 の場 合 はす べ て を 網 羅 して い る。 以 上 の 理 由か ら,第3表 の学 生 のB,Cは 利 用 率 の少 い場 合 は切 り捨 て られ て い るた め,C/Aの 数 値 の 大 きい ものが,今 後成 長 を期 待 し 得 る機 種,C/Aの 数 値 の小 さい もの は 衰 退 を 予想 され る機 種 と想 定 す る こ と は で き ない 。C/Aよ りは 消 費 者 モ ニ タ ーに 関 す るC。/A。 の方 が そ の よ うな指 標 に 近 い も の とい え よ う。 しか し,こ の場 合 で も統 計 には 利 用 頻 度 が 現 れ な い た め,正 しい 指 標 とは な り得 な い。 な おA。 はAに 示 す普 及 率 に 基 づ き,C'欄 で 斜 線 で 示 す 調 査対 象 外 と,お み く じ,パ チ ン コ等 調 査 対 象 外 を 含 む もの とを 除 外 した も のの 合 計 が100%に な る よ うに 補 正 した もの で あ る。 同 様 にC'に 基 づ
自動販売機に関する消費者問題 の商品学的考察 33 きC。 を 作 成 した 。 学生 の利 用 度 の普 及率 に対 す る比C/A値 は,大 な る程 一 応 学 生 層 の利 用 度 が 高 い と考 え られ るが,乗 車券 が 著 し く高 く,以 下,牛 乳,清 涼飲 料,コ ー ヒ ー ・コ コア,た ぼ この順 であ り,必 要度の高い もの,栄 養的飲料,嗜 好 性の高 い もの が 現れ て い る。 消 費生 活 モ ニ タ ーの 場 合C。/A。 値 は,牛 乳 と調理 食 品 が 最 大 で,以 下 コー ヒー ・コ コ ア,新 聞 ・雑 誌 の順 で若 干 の相 違 点 も認 め られ る。 ド リン ク類 とア イ ス ク リー ム ・氷 は 学 生,消 費 生 活 モ ニ ター共 利用 者 は皆 無 で あ る。 又,す べ て の学 生 は 自動 販 売 機 を よ く利用 して い るの に対 し,消 費生 活 モ ニ タ ーは4人(2%)が 全 く使 用 の 経 験 が な い と答 え て い る。 本 年1,2月 に 実 施 され た 長 野 県 の 県 婦連 会 員785人 の利 用 状況 で は,清 涼 飲 料 水 が利 用 率 最 も高 く,以 下 切 符,入 場 券,た ば この順 で,ハ ンバ ー ガ ー ア イ ス ク リー ム は全 体 の1%に 満 た な か った と報 告 され て い る。 他 の調 査 につ い て も清 涼 飲 料 の利 用 率 が 高 く,飲 料 自販 機 主 導 が 定 着 して い る とい え よ う。 概 して乗 車 券,た ば この 利 用 率 も高 い 。 2.経 済 的 ・身 体 的 被 害 学 生 を対 象 と した 調 査 で は 自動 販 売 機 か ら商 品 が 出 て来 なか った り不 足 した 経 験 を 有 す る者,づ り銭 が 出 な か った り不 足 した経 験 を有 す る者,共 に 過 半 数 ラ を 占め てい る。 前 記 長 野 県 の 調 査 に よ って も,つ り銭 が 出 なか った 者 が 約 半 数 あ り,よ く符 合 して い る。 逆 に,硬 貨 を 入 れ ず ボ タ ンを押 した だけ で 商 品 が 出 て来 た 例(① 送 り出 し機 構 の 故 障,② 沖 味 商 品 の 形 状不 安定 な どが 原 因),自 動 販 売 機 内 の うどん や 清 涼 飲 料 が す べ て 出 て来 た 例 な ど を は じと して 商 品 が 多 く出た 経 験 を20人 が 有 して い る。 乗 車 券 が 多 く出 た例 は1件 だ け で あ るが,つ り銭 が 多 く出た 例 と して,国 鉄 須 磨 駅 の80円 区 間 乗 車 券 を100円 硬 貨 を 入 れ た 際,つ り銭 が30円 出 て来 た 例,阪 急 梅 田 駅 で50円 余分 に 出 た例,100円 を 両 替 の際,10円 硬 貨 が11枚 出 て きた 例,清 涼 飲料 を購 入 の際,10円 硬 貨 が 多 数 出 た 例 な どあ り,つ り銭 が 多 く出 た経 験 を 有 す る者 は59人 で あ った 。 なか に は つ り 2) 国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.238, p.18.(1978)
34 銭 不 足 よ りつ り銭 が 多 く出 る こ とを多 く経 験 した と回 答 した 者 もあ った 。 この 理 由 と して は ① カ ウ ン ト(計 算 装 置)機 構 に 雑 音 が 入 り ミス カ ウ ン トす る,② 価 格 設 定 の ミスが 考 え られ る。 乗 車 券 の つ り銭 受 け 口に,前 の 使 用 者 が 受 け 取 り忘 れ た 場 合,つ り銭 が 多 く出 た と錯 覚す る ケ ー ス も考 え得 るが,本 調 査 に お い て はそ の よ うな ケ ー スは 除 去 して い る。次 に衛 生 管 理 上 の問 題 を指 摘 し得 る 交 通 量 の多 い道 路 に 面 して い る 自動 販 売 機 の取 出 口に砂,ど う,ほ こ りのた ま って い る例,逆 に,交 通 量 が 少 く又,利 用率 も少 い場 所 で は,取 出 口に くも の す が 張 って あ る例 が 指 摘 され て い る。 最 も多 い苦 情 は罐 や ビソ の 口金 の錆 で あ るが,食 品衛 生 法 違 反 に該 当す るハ γバ ー ガ ーの か び,き つね うどん の 油揚 の 腐 敗,カ ッ プ ヌー ドル の 中味 の腐 敗 も経 験 して い る。 さ らに,実 際 に カ レー う どん で 食 中 毒 を起 し2-3日 寝 込 んだ 例 も示 され て い る。 そ の 他,製 造 後10日 以 上 を 経 過 して い る牛 乳 や,飲 料 自動 販 売 機 に,ア リや ハ エ が 群 が って い るな ど管 理 の 不 徹 底 が 報 告 され て い る。 表 示 され た 商 品 と出 て きた商 品 とが相 違 した 例 とし ては,コ カ コー ラの ス イ ッチ を押 した と こ ろ,ス プ ライ トや フ ァ ン タオ レ ンジ が 出た と の経 験 者 が 多 い が,セ ブ ン ス タ ー を 出 そ う と した と ころ チ ェ リー が 出 て 憤 慨 した 者 もい る。 又,果:汁(40%)入 りHi-cア ッ プル(100円)購 入 の と ころ80円 のサ イ ダ ー が 出 て きた 例 も あ る。 さ らに ネ ク ター を 押 した 際 炭酸 飲料 が で て きた 例 が あ り,こ れ は ボ タ ン の名 称 を変 更 して い な い た め と思 わ れ る と して い る。 商 品 表 示 に疑 問 を有 す る者 は5人 に1人 の 割 合 で あ る。 清 涼 飲 料 は あ らか じ め 内 容 を 知 って購 買す る の で問 題 は ない が,ハ ンバ ー ガ ーな どは 表 示 が不 十 分 な た め,商 品 が 出 て きて量 の少 さ に が っか りした とか,100円 を 投 入 して レバ ーを 廻 す と香 港 製玩 具 が 出 て くる よ うに な っ て い るが,実 際 は 見 本 以 下 の 粗 雑 な もの が で て きた 。 清 涼 飲 料 の 見 本 が な く商 品名 のみ が 紙 に 記 入 され て い た 。 自動 販 売 機 内に 並 ん で い る見 本 とボ タ ンの表 示 とが相 違 し て いた 。 商 品 表 示 が 古 くな って 消 えか か って いた 。 以 上 が お もな 例 で あ る。 3. トラブ ルへ の対 応 方 法 店 の 人 に かけ あ った が 最 も多 く56.2%,次 が あ き らめ た32.0%と な っ て い
自動販売機に関す る消費者問題 の商品学的考察 35 る。 夜 間 閉 店 後,自 動 販 売機 統 一 ス テ ッカ ーが 貼 付 され て い な い,た とえ 貼 付 され て い て も管 理 者 名 の 記入 が な い,管 理 責 任 者 が 遠 隔 の 地 に居 住 して い る等 々の 理 由 と,被 害 が 少額 で あ るた め,あ き らめ る こ とが 多 い 。 4.青 少年 に有 害 と考 え られ る商 品 自動販 売 機 で取 扱 われ てい る商 品 の中 で,青 少年 に 有 害 と考 え られ る商 品 と して,成 人 向雑 誌60.4%が 最 も高 率 で,以 下 た ば こ56.3%,酒 類32.2%の 順 に な って い る。 5.青 少 年 に有 害 な商 品 販 売 へ の 対 策 販 売 せ ぬ よ う撤 去 す るが26.4%,次 い で,か まわ な い が19.4%,店 頭 販 売 に す るが14.6%と な っ て い る。 か まわ な い とす る者 の 多 くは 自己 の体 験 か ら悪 影 響 を受 け な か った と して い る。 な お,成 人 向 雑 誌 の 自動 販 売 機 が公 道 に設 置 し 亡 い る の は 行 き過 ぎ で本 屋 で 売 った 方 が 良 い とす る回答 は販 売 せ ぬ よ う撤 去 す る 回答 とほ とん ど同一 で あ り,む し ろ建 設 的 に そ の 代替 措 置 を提 言 した も の と み る こ とが で き る。 以上 で 自動 販 売 機 に関 す る本 学 々生 の 調 査 結 果 の 報告 を 了 るが,そ の広 汎 な 普 及 に伴 い,各 種 の トラブル が 顕 在 化 し,地 方 自治 体 に よ って は 消 費者 保 護 条 例 に よ って,種 々 の規 制 を実 施 し よ うと して い る。 この よ うな状 勢 に伴 い す で に 昭和38年 通 商 産 業 省 の指 導 に よ って 設 立 した メー カー 団体 で あ る 日本 販 売 機 工 業会,あ るい は 昭 和49年 に 設 立 した 食 品 飲 料 自動 販 売 協 同 組 合(組 合 員20 社)が 消費 者 の多 様 な苦 情 に 対 応 して い るが,問 題 は 消 費者 との 間 に深 刻 な ト ラ ブル を惹 起 し て い る のが 此 等 組 合 に 加 盟 して い な い販 売 機 営 業 の 中小 業 者 で あ る こ とを と くに認 識 し なけ れ ば な らな い 。 以 下,消 費者 問 題 とそ の対 応 につ い て若 干 の考 察 をす す め た い 。 IV 自動 販 売 機 に 関 す る消 費 者 問 題 とそ の対 応 1,転 倒 事 故 過 去3件 の顛 倒 に よ る人 身 事 故 が あ った 。 昭 和51年3月,埼 玉 で は罐 入 り清 涼 飲 料 の 自動 販 売 機,同 年4月,北 海 道 で は た ぽ こ 自動 販 売 機 が 何 れ も3歳 児
36 の ぶ ら下 が る遊 び に よ り,又,昭 和53年1月,東 京 では 権 入 清 涼 飲 料 自動 販 売 機 が 酔 客 の 揺 す る行 為 に よ って起 こ った。 この様 な正 常 な行 為 に よ らな くて も転 倒 に よ る人 身 事 故 が 惹 起 され るの は 問題 で あ り,こ れ が 契 機 と な り,通 商 産 業 者 の 指 導 で 日本 自動 販 売 機工 業 会 は転 倒 防止 を はか るた め の設 置 要 綱 を 設 け, 据 え付 け 面 の コ ン ク リー ト打 ち や,ア ン カ ー ボル ト,ワイ ヤ ー ロー プに よ る固 定 な どの措 置 を 設 置 業 者 に 要請 した。 このた め最 近 は転 倒 事 故 は な くな った が, 問 題 点 と して,業 界 の 自主 的 な要 綱 に基 づ く もの で法 的 強 制 力 はな く,自 動 販 売 機 の訪 問 販 売 が 増 大 して い る趨 勢 か ら,オ ー ナ ー オペ レー タ ーが 増 加 し,コ ス ト低 下 を見 込 み 設 置 方 法 が粗 雑 に な る恐 れ が予 想 され る。 2.傷 害 事 故 商 品 の取 り出 し 口で 指 や 手,腕 を は さ まれ た事 故 が あ り,東 京 都 消防 庁 ・司 ・令室 に よる と,こ れ らの事 故 で 消 防 署 の 救助 隊 が 出動 した 例 は,昨 年 東 京 都 内 きう だ け で も11件 を数 えて い る。 これ らの 事故 の 中 に は 消 費者 の誤 操 作 も含 まれ て い るが,安 全 対 策 の必 要 性 が 考 え られ よ う。 3.感 電 事 故 屋 外 の 自動 販 売 機 に よる感 電 事 故 が 懸 念 され る と ころ で あ るが,昨 年10月, 電 気 事 業 連 合会 が ま とめた 「自動 販 売 機 の施 設 状 況 調査 結果 」 に よる と,電 気 安 全 面 で の 状 況 は極 め て悪 か った 。 調 査 時 期 は 昨 年4月 ∼9月,調 査 対 象 は屋 外 設 置 の 自動 販売 機7万 軒(13万1千 台)で あ るが,65%が 問 題 が あ り,内 訳 は 最 も多 い の が 「アー ス を と っ てい な い 」 で74%,「 絶 縁 不 良 」 の0.5%を 併 せ,感 電 事 故 に つ な が る危 険 性 は74.5%で あ った と して い る。 同 連 合会 で は,' 調 査 後 「不 良 通 知 書 」 を発 行,改 修 す る よ うは指 導 した が,9月 末 まで に 改修 ヨ 措 置 を講 じた 軒 数 は わ ず か13.5%に 過 ぎ なか った とい わ れ る。 長 野 県 に おい て も,昨 年 度1年 間,1,162台 の 自動 販 売 機 を 調 査 した 結 果, 不 良個 所 を認 め た もの446台(38.4%)こ の うち369台 は ア ー スの 取 り付 け 不 め 良,ま た 漏 電 して い る もの が5台 もあ った 。 自動 販 売 機 は 「電 気 用 品取 締 法 」 3)国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.234, p。4.(1978) 4) 国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.243, PP.18-19.(1978)
自動販売機に関す る消聾者問題 の商品学的考察 37 に よ って 甲種 電気 用 品(食 品 自動 販 売 機)と 乙 種 電 気 用 品(食 品,乗 車 券 を 除 く 自動 販 売 機 お よび両 替機)に 指 定 され て い るが,事 故 防 止 の 必 要度 の 高 い食 品 自動 販 売 機 に問 題 が 多 い。 最 近 で は昭 和52年12月 の 改 正 に よ って ア ー ス を と る代 りに 「電 気 設 備 技 術 基 準 」 に よ って 漏 電 し ゃ断 器 を設 け る こ とが 行 われ て い る。 実 際,最 近 設 置 され た 自動 販 売 機 の右 下 の 部 位 な どに 「漏 電 し ゃ断 器 内 蔵,定 格 感 度 電 流15〃zA」 と表 示 され て い るの を 見掛 け る。 4.食 品 衛 生 上 の 諸 問 題 の の 異 臭 牛 乳 が 出 た(徳 島)。 に ぎ り飯 が 腐 って い た(福 井)。 うどん の 中 に ゴキ の ブ リが 入 っ て い た,ハ ン バ ー ガ ー に カ ビが 生 え て い た 。 機 内 の 清 掃 不 充 分 で 大 の 腸 菌 が検 出 され た,温 度管 理 は半 数 が基 準 違 反 で あ った(山 形)な ど食 品衛 生 上 の諸 問 題 が 現 在 に お い て も提 起 され て い る。 自動販 売 機 で食 中毒 を起 こ した 事 件 と して は,昭 和51年2月,京 都 市 内 の某 研修 所 寮 で宿 泊 中 の研 修 生17名 が 発 熱,下 痢,腹 痛 症 状 を来 した 例 が あ る。 原 因 は酸 敗 が進 行 した コー ヒー乳 飲 料 で あ り,当 該 品 の 詰 め 替 え の 際,製 造 年 月 日の古 い も のか ら先 に 販 売 され る よ うに しな か った た め で あ った 。食 品衛 生 の観 点 か ら 自動 販 売 機 を 検 討 す るな らば,① 機械 の 性 能 改 善,② 管 理 運 営 の徹 底,③ 監 視 取 締 り,④ 消 費 者 の マ ナ ーが 必 要 で あ るが ,こ の中では とくに管理運営の徹底が重要であ る。 具体的に 示 せ ば,食 品 の殺 菌 を十 分 に し,従 事 者 の 手 指 を 消 毒 す る よ うに すれ ば,器 具 が 大 腸 菌 群,病 原 性 の ブ ドウ球 菌,サ ル モ ネ ラな どに よる 汚 染 を 防止 す る こ と が 可 能 で あ る。 昭 和40年 代 に 入 って か らは,加 温 式 自動 販 売 機 が導 入 され,従 来 よ りも一 層 厳 しい 食 品 衛 生 上 の 措 置 が必 要 に な った。 こ の よ うな状 況 下,厚 生 省 で は 昭 和 47年10月6日 付環 食 第490号 に よ り,各 部道 府 県 ・各 指 定 都 市 の 衛 生主 管(部) 局 長 あ て に 「弁 当等 の加 温 式 自動 販 売 機 に よ る営 業 の取 扱 い に つ い て」 の食 品 衛 生 課 長 通 知 を 出 し,事 故 の 発 生 防 止 に 万 全 の 措 置 を と る よ う指 示 した 。 長 文 5)国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.238, p.21.(1978) 6)国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.202, p.19.(1978) 7) 国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.226, p.9.(1978)
38 に亘 るの で,以 下 にそ の要 点 のみ を 記 す。 1. 販売機の設 置場所は屋内に限 ること(た だ し,相 当程度 の長 さを もつひさし,屋 根 などで雨水が防止で きる場 合は可)。 2.販 売機の設置場所には,汚 物容器(弁 当の空入れ)を 備 えること。 3。.弁当の販売機 の収納は,機 内中間中心温度が650C以上 になった後に行 うこと。 4.弁 当を販売機に 収納 した後 は,全 部販売 されない うちの追加収納 は 行なわない こ と。 5.販 売機 に弁当を8時 間以上入れておか ない こと。8時 間以上経過 した弁当お よび販 売中止点灯後 の機内の弁当は再使用 しないこと。 6.販 売機は機内中間中心温度を示す温度計を備え,外 部か ら容易に見 える構造になつ てい ること。 7.販 売機は弁当を収納 した後,機 内中心温度が65℃以上になって後,一 度その温度 を 下廻 った場合は,再 度 その温度以上 になって も,弁 当の販売がで きない構造であるこ と。そ の場合,自 動的 に販売中止 の表示を点灯させ る構造であること。 以 上 が 厚 生 省 通 達 の 内 容 の 要 点 で あ るが,こ れ に基 づ い て,各 部 道 府 県 段 階 で は さ らに 厳 しい 規 制 を 実施 して い る と ころが あ る。 た とえば,神 奈 川 県 で は 「販 売 機 を 設 置 す る場所 は,販 売 機 を管 理 す る こと ので き る者 が 居 住 す る近 隣 地 で あ り,異 食 で き る構 造 を有 す る室 内で あ る こと」 と し,「 設 置 場 所 の 明 る さ は50ル クス 以 上 で あ る こと」 又,「 流 水 式 手 洗 い 設 備 や 殺菌 剤 が 備 え られ, 営 業施 設 に は客 用 の便 所 が 設 け られ て い る こ と」 まで 規 定 して い る。 食 品類 の 自動 販 売 機 は,単 に 一 定 温 度 に 冷 蔵(牛 乳,清 涼 飲 料 な ど)又 は熱 蔵(弁 当,ゆ で 卵 な ど)の 他,調 理(う どん,そ ば な ど)を 行 う ものへ と調 理 工 程 の 複雑 化 ・高 性 能 化 の傾 向に あ る。 この よ うな 自動販 売機 の 高 度化,多 様 化 に よ って,従 来 の 規 制 だ け で は 不 充 分 とな り,厚 生 省 は衛 生 面 か ら厳 し く規 制 を強 化 す べ く検 討 を 行 って い る。 そ の要 点 は,① 食 品 と接 触 す る器 具 は 不 浸 透 性 を 持 ち,さ び な い 材 質 で,② 調 理温 度 は 熱蔵 で75℃ 以 上,冷 蔵 で10℃ 以 下 で 保 存 す る,③ 原 則 と して 屋 内 に設 置す る,④ 最 低 一 日一 回清 掃 点 検 す る6一 な どと な っ てい る。 この よ うな食 品 自動 販売 機 の 監督 は,各 部 道 府 県 や 市 の 保 健 所 が 当 た り,実 際 に 監 視 ・取 締 りに 当 た る の は,保 健 所 に 配 置 され て い る食 品 衛 生 監視 員 で あ
自動販売機に関す る消費者問題の商品学的考察 39 るが,全 国食 品衛 生 監 視 員 協 議 会 会 長 に よ る と 「日常 の監 視 活 動 に追 お れ て, 自動 販 売 機 まで 手 が 回 らな い の が 現 状 で,自 動 販 売 機 内 の食 品衛 生 管 理 は 盲 点 う に な っ て い る」 とい う。 各 地 の 保 健所 に お い て も現 在 は 「自動 販 売 機 に 対 す る 法 令 の整 備 や 基 礎 デ ー タが不 十分 な た め指 導 が む つ か し い」 と され て い る。 5.表 示 表 示 は ① 管理 者 名 の表 示,② 中身 商 品 の表 示,③ そ の 他 の 表 示 に 大 別 で き よ う。 大蔵 省,農 林 省,通 商 産 業 省,厚 生 省 の4省 は,昭 和50年11月10日 に 「自動 販 売機 に対 す る統 一 ス テ ッカ ー貼 付 の 実 施 要 綱 」 を 制 定 した。 「最 近,急 増 し て い る 自動 販 売 機 の管 理 責 任 体 制 を 明 確 に し,併 せ て 消 費者 の 自動 販 売 機 に対 す る信 頼 を高 め るべ く,下 記 に 従 い,統 一 ス テ ッカ ー貼 付 を実 施 す る も の とす る。」 と謳 い,12傷 四方 の テ トロン フ ィル ムを 用 い た 統 一 ス テ ッカ ーに よ って, 主 に管 理 者 名 を 明 確 に させ て い る。 実 施 時期 は昭 和50年12月1日 以 降 で あ り, 実 施 方 法 と して は 実 施 時期 以 降,新 規 に 出荷 され る 自動 販 売 機 に つ い て は機 械 メ ー カ ーが統 一 ス テ ッカ ー を付 け て 出荷 し,既 設 置 自動販 売 機 に つ い て は,原 則 と して 当該 自動 販 売 機 の所 有 者 が 統 一 ス テ ッカ ーを 貼 付 す る こ とに な って い る。 本 統 一 ス テ ッカ ー の除 外 機 種 と し て駅 の 乗 車 券 自動販 売機 が掲 げ られ て い る こ とに は何 人 も異 論 は な いで あ ろ うが,自 動 販 売 機店 舗 等 の管 理 者 が 常 駐 し て い る施 設 の 自動 販 売 機 も加 え られ て い る。 しか し,統 一 ス テ ッカ ーあ 貼 付 が な い と路 上 設 置 の 場 合 な ど管理 者 が 確 認 で き な い場 合 もあ り;夜 間 遅 く利 用 し た 際 の故 障 は,後 日連 絡 し よ うと して も店 の電 話 番 号 を 譏 り得 ず,少 額 の こ と もあ り,泣 き寝 入 りす る こ とが 多 く,社 会 道 徳 上 か らも適 切 とは い えな い 。統 一 ス テ ッカ ーを貼 付 した 場 合,夜 遅 く,単 に 清 涼 飲 料1本 の た め に起 こされ て は か な わ な い との意 見 も あ る よ うで あ るが,午 後 ○ 時 以 降 は翌 日 ご連 絡 下 さ い と の表 示 個 所 も あ り,電 話 連 絡 を 受 け 次 第,故 障 と苦 情 処 理 が で き る時 限 を 記 入 す る シ ス テ ムに な って い る故,こ の項 目に よ っ て救 済 し得 るは ず で あ る。 自動 8) 国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.253, p。3.(1978)
40 販 売 機 に よ って は,統 一 ス テ ッカ ー の破 れ て欠 損 し てい る も の,貼 付 して も油 性 イ ン ク ボ ール ペ ン,即 乾性 の マ ジ ッ クペ ン又 は不 滅 イ ン ク ス タ ン プを 使 用 し た ゴ ム 印に よ って 明 示 す べ き と ころ,水 性 イ ン クを用 い て い るた め判 読 で き な くな った も の,さ らに は 統 一 ステ ッカ ーを貼 付 は して あ るが全 く記 入 の な い も のが 多 く,管 理 の不 徹 底 が 著 しい 。 前 述 した よ うに食 品衛 生 監視 員 は食 品 自販 機 の監 視 ・取 締 りの責 を 有 す るが,そ の不 徹 底 を 自認 して い る。 従 って一 般 消 費 者 が,自 動 販 売 機 の統 一 ス テ ッカ ーに 関 す る監 視 の 任 に 当 た り,不 適 切 な場 合 は,地 方 自治 体 の 消費 生 活 モ ニ タ ー,消 費 生 活 課 な い しは 消 費 生 活 セ ン ター に連 絡 し,.当 該 機 関 が適 切 な処 置 を講 ず る こ とが 望 ま しい 。 そ の 場 合,統 一 ス テ ッカ ー の 除外 機 種 と して は,駅 の乗 車 券 自動 販 売 機 に 限 る こ と と し,常 駐 管 理 者 が い る場 合 に お い て も,一 般 消費 者 の 利 用 及 び 監 視 の便 を 考 え,貼 付 の 義 務 を 負 わ せ るの が よ り良 い と考 察 され る。 実 際,埼 玉 県 で は さ きに,国 が 指 導 した管 理 者 名 ・所 在 地 ・電話 な どを表 示 した 統 一 ス テ ッカ ーが 貼 付 され て い る か を 消 費生 活 モ ニ ター355人 に よ っ て調 査 した 結 果,貼 付 して い る こ とが 少 い (56.6%),貼 付 され て い るが,所 定 の 事 項 が 記 入 され て い な い(25.1%)計 約82%が 不 適 切 で あ る こ とが 判 明 し た。 一 方 故 障 に よ る トラ ブ ル は61%が 経 験 して お り,そ の うち39%は 苦 情 を 申 し出ず,そ の 内訳 は面 倒 だか ら(48.4%), 夜 間 な の で(33.3%),連 絡 先 が 分 らな い の で(22.2%)で あ り,、表 示 指 導 の 不 徹 底 が 明 か に な り,消 費者 が不 備 を 発見 した 際 は,消 費生 活 課 や モ ニ タ ーに 通 報 し,基 準 を 完 全 に 守 らせ る措 置 を 講ず る運 動 を展 開 し て い る。 自動 販 売 機 は 硬 貨 をslotに 投 入 しな けれ ば 商 品 を 入 手 す る こ とが で きず, つ り銭 が 出て 来 な い 場 合 は被 害 証 拠 が 残 らず,ト ラブ ル の二 重 の原 因 に な っ て い る。 従 って 藤 田 一 伯 氏 は,入 金 状 況 が記 入 され る装 置 を完 備 す る ことを 提 案 う して い る。 現 在,た だ こ 自動 販 売 機 に は,こ の 装置 を備 え て い る も の も見 受 け られ るが,本 装 置 が 普 及 され れ ば トラ ブル の解 決 の一 助 と な り得 よ う。 種 類 に よ っ て も異 な るが 約1万 門 の コス トア ップ に過 ぎ な い。 又,最 近 の 自動 販 売 機 9> 日本言肖費 者 協 会 月 干り「消 費 者JNo・222,P・60・(1978)
自動販売機に関す る消費者問題 の商品学的考察 41 に は返 金 レバ ーの 装 着 され て い る もの もあ るが,こ の方 法 に よ って も代 替 し得 る。 次 に 中 身 商 品 の 品 質 が 自動 販 売 機 に硬 貨 を 投 入 す るに 先 立 って 消 費 者 に知 ら れ る よ うに な って い る こ とが 望 ま しい 。 又,食 品 の中 で 鮮 度 の 必要 性 の 高 い もの に つ い て は,中 身 商 品 の製 造 年 月 日,又 は 製 造 年 月 日後 の経 過 日数 が 表 示 され る必 要 性 が あ る。 牛 乳 の 自動 販 売 機 に つ い て は,現 在,中 身 商 品 の表 示 が 販 売 機 の外 部 か ら識 別 で き る構 造 に す る よ う,食 品 衛生 法 に基 づ い て指 導 され て い る。 日本 自動 販 売 機 工 業 会 が,昭 和52年8月 に 中味 商 品 の品 質 表 示 基 準 を 定 め た 際,牛 乳 の場 合 は 製 造 年 月 日を 自動 販 売 機 の 外 面 に 表 示 す る よ うに し た 。 ほ か に は 弁 当 類,め ん類,ハ ンバ ー ガ ー の 自動 販 売 機 に つ い て は,原 材 料 名,内 容 量,製 造年 月 日を 自動 販 売 機 の外 面 に 表 示 す る よ うに 定 め た。 な お, 適 用 除 外 す る 自動販 売 機 と して,① 特 定 の人 が,利 用 す る施 設(主 に職 域 内) に 設 置 され た販 売 機,② 中身 商 品が 見 え るか,又 は 包 装 に 付 され た表 示 事 項 が 外 部 か ら容 易 に識 別 で き る 自動 販 売 機,と して い る。又,適 用 除 外 事 項 と し て は,冷 凍 食 品及 び レ トル トパ ウチ 食 品 に あ って は,製 造 年 月 日を外 面 に表 示 す る こ とを省 略 す る こ とが で き る,と な って い る。 これ 等 食 品 は長 期 間 保 存 し得 るた め に,そ の 商 品 回 転 状 況 か ら考 え て も妥 当 な措 置 と考 え られ る。 又,食 品 に よ っ ては 中 味 商 品 の カ ラー写 真 を 自動 販 売 機 の外 面 に 表 示 す る場 合 が見 受 け られ るが,販 売 して い る中身 商 品 が カ ラー写 真 に な い もの で あ った りす る こ と が あ る。 又,と もす れ ば誇 大 に な る傾 向に あ る点 留 意 す べ きで あ る。 又,最 近 各 地 方 自治 体が,消 費者 保 護 条 例 に基 づ い て,中 身 商 品 の 品 質表 示 に 関 し,個 別 的 に対 象 商 品 を指 定 す る趨 勢 に あ るが,本 件 に深 い理 解 を有 す る先 進 県 を 数 県 に絞 り,設 定 した 規 制 を モ デ ル 県 と して実 施 し,然 る後 に 全 国統 一 実 施 に 移 す こと を提 案 した い 。 こ の 理 由 は 各 部 道 府 県 共 同 様 の 問 題 を 内 包 して い る こ と,全 国 共 通 の 商 品 に対 して は個 別 的 な行 政 措 置 を執 る よ りも国 が 統 一 した 基 準 を早 急 に制 定 す る こ とが望 ま し い こ と,徒 に 地 方 自治 体 に 多 大 な 労 力 と出 費 を 強 い る こ とに もな りか ね な い こ とな どで あ る。 な お,自 動 販 売 機 の表 示 に 関 す る各 地 方 自治 体 の現 況 につ い て 要 約 した もの を 第8表 とし て示 す 。
42 第8表 地方 自治体における消費者保護条例に よる規 制 (昭和53年6月8日 現在) 地方 自治体 茨 城 県 埼 玉 県 東 京 都 三 重:県 島 根 県 岡 山 県 徳 島 県 福 岡 県 川 崎 市 名古屋市 神 戸 市 規 唖 事 項 管 理 者 名 の 表 示 全商 品 の 自動 販売 機 に 管 理 者 名,連 絡 先 を表 示 す る。 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 中 味 商 品 対 象 商 品 弁 当 類,め ん 類,ハ ン バ ー ガ ー 弁 当 類,め ん 類,ハ ン バ ー ガ ー 等,そ う ざ い 等,乳 類,清 涼 飲 料 水 コ ー ヒ ー ・ コ コ ア 等, み そ 汁 ・ス ー プ 類 弁 当 類,め ん 類,ハ ン バ ー ガ ー,内 地 米 ※ 弁 当 類,め ん 類,ハ ン バ ー ガ ー,シ ュ ー マ イ 規 制 内 容 原 材料 名,内 容 量,製 造 年 月 日を 自動 販 売 機 外 面 に表 示 す る 〃 〃 原 材 料 名,内 容 量,製 造 年 月 日を 自動 販 売 機 外 面 に 表示 す る ※昭 和53年11月 か ら施 行 6.契 約 問 題 自動 販 売 機 の 高 度 の 普 及 に よ り,最 近 では 適 切 な設 置 は ほ とん ど限 界 に 達 し て い る。 そ の た め,昨 年 頃 か ら新 に惹 起 した 問題 に,自 動 販 売 機 の 訪 問 販 売 に か らむ 苦 情 の 激 増 が あ る。従 って,通 商 産 業 者 の指 導 に よ り,昭 和52年7月, 全 国 自動 販 売 機 販 売 協 議 会 が発 足 し,販 売 正 常 化 を志 向 した 。 東 京 都 消 費 者 セ ン タ ー には,自 動 販 売 機 の 契 約 に 関 す る相 談 が,昨 年 度1年 間 に95件 も寄 せ ら れ た。 なか には,杉 並 区 の 住 宅 地 に 住む 老 夫 婦 の許 へ,セ ール ス マ ンが訪 問 し, そ の地 で は販 売 利 益 が得 られ るは ず が な い に もか か わ らず,甘 言 を弄 して強 引
自動販 売 機 に 関 す る消 費 老 問題 の商 品 学 的 考察 43 10) に 自動 販 売 機 の 契 約 を 結 ん だ 例 が あ る。 又,神 奈 川 県 の消 費 生 活 セ ン タ ーに お い て は,自 動 販 売 機 の 設 置場 所 提 供 の契 約 書 と考 えて い た が,実 は 機 械 の売 買 11) 契 約 書 で あ った,と の 苦 情 が寄 せ られ た 。 又,月 に6万 円 の収 入 が あ る との こ とで 契 約 した が,思 い 直 し電 話 で解 約 を 申 し入 れ た と ころ,40%の 違 約 金 を請 11) 求 され た 。 更 に,千 葉 県 で は,解 約 料 に数 万 ∼15万 円 を請 求 され た が,被 害 者 が 心 身 障 害者 や老 人 な ど`社 会 的弱 者'で あ る こ と。 販 売 業 者 の 強 引 な勧 誘 が 顕 著 で あ る こ とか ら,千 葉 県 消 費生 活 セ ン タ ーは,前 述 の 自動 販売 機 の販 売 正 常 化 を 確 立す るた め に設 立 され た 全 国 自動 販 売 協 議 会 に善 処 を要 請 し,そ の結 果,前 記協 議 会 の会 員 であ る一 社 の 「解 約 料 皆 無 」 の処 置 も含 め1万 円か ら4 万8千 円 の解 約 料 で 解 決 した とい う。 た だ し,契 約 者 の意 志 で機 械 を設 置 し, す で に コン ク リー ト打 ちな ど も完 了 して い る ケ ー ス1件 は,15万 円 の解 約 料 で 双 方 が折 り合 うこ とに な った とい わ れ る。 本 来,訪 問 販 売 法 に よれ ば,購 入 を 申 し込 む か 契 約 書 を 交 わ した 日か ら4日 以 内 な ら無 条 件 で 解約 で きる規 定 が あ るが,自 動 販 売 機 の場 合 は 消 費 行 為 で な い た め 適 用 され な い。 従 って,県 に よっ ては 消 費 者 行 政 の 範 疇 か ら除 外 され て い る と して何 等 の処 置 も講 じな い場 合 もみ られ るが,無 限 連 鎖 講(ネ ズ ミ講) の よ うに 一般 消 費者 の被 害 と見 倣 し て取 扱 って い る向 きが 多 い 。 全 国 自動 販 売 第9表 機械設置後の解約 に伴 う損金に関す る規定 機 械設置後の経過 日数 1ケ 月以 内 1ケ 月超 ∼2ケ 月以 内 2ケ 月 超∼3ケ 月 以 内 以 後1ケ 月増 す 毎 に 機 械 の 使 用 料 機 械 を 実 際 に設 置 も し くは 引上 げた 際 に要 した 費 用 で 機 械 現 金 価 格 の10%を 超 え な い額 に機 械 現 金 価 格 の15%を 加 え た もの 1ケ 月 以 内 の使 用 料 に 機 械現 金 価 格 の10%を 積 み 増 した も の 1ケ 月超 ∼2ケ 月 以 内 の使 用 料 に機 械 現 金 価 格 の10%を 積 み 増 した もの 機械現金価格 の5%を 積み増 しする 10) 国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.237, p.11.(1978) 11) 国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.237, p.12.(1978) 12)国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.240, p.16.(1978)
44 機 販 売 協 議 会 監 修 に 成 る割賦 販 売契 約 約 款 に は,割 賦 販 売 法 が 準 用 され,ク ー リン グ オ フ規 定 に 準 じた 取 扱 い が 明示 され て い る の で,千 葉 県 は 自動 販 売 機 の 訪 問 販 売 で法 外 な 解 約 料 を 請 求 され て い た被 害 者 救 済 のた め,販 売 業 者 に,本 年4月1日 に さか のぼ って 訪 問 販 売 法 の クー リン グナ フ規 定 に準 じた 取 り扱 い をす る よ う指 導 し てい る。 な お 機 械 設 置 後 の解 約 に伴 う損 金 につ い ては,前 記 約 款 で は第9表 の よ うに規 定 して い る。 滋 賀県 消 費生 活 セ ン タ ーに お い て は,契 約 問題 に 関す る相 談 は現 在 の とこ ろ 1件 との 由 で あ るが,愛 知 県 消 費 生 活 セ ン タ ーに 寄 せ られ た相 談 件 数 は,昭 和 52年 度 が7件 で あ った のに 対 し,昭 和53年 度 の4月 ∼8月 に はす で に38件 に達 し,そ の うち37件 が 一 般 消 費 者 で あ る。 そ の 動 向 と して は,都 市部 は ほ とん ど 飽 和 状態 に達 した た め,市 の近 郊 や 郡 部 へ の 訪 問 が 多 く,な か に は購 入 した も の の電 気 設 備 の 出費 が 多 く畑 の 中 に 放 置 して い る例 もみ られ る。 勧 誘 に際 し て は 「月 に4∼5万 の利 益 が あ る」 と甘 言 を 弄 す るが,コ ー ヒー な どの 自動 販 売 機 は1日100本 販 売 し なけ れ ば,そ れ だ け の 利 益 が 見込 まれ な い といわ れ る。 しか も,消 費生 活 セ ン タ ー の相 談 に 係 る もの は,全 国 自動 販 売 機 販 売 協 議 会 に 加 盟 して い な い弱 小 メ ー カ ーが 多 く,自 動販 売 機 の契 約 問題 を解 決 し得 る法 令 は全 くな い状 況 か ら,一 般 には1台59.5万 円 の 自動販 売 機 の解 約 に際 し て は, 設 置 前 が価 格 の20%,設 置 後1ケ 月 以 内 な らば40%の 解約 料 を通 常 請 求 して い る状 況 で あ る。 従 って,販 売 業 者 は,自 動 販 売 機 を 売 渡 さな くて も,解 約 料 で 相 当 な 収 入 を得 る こ とが可 能 で あ る。 この 契 約 問 題 に 関 して は 買 主 側 に も問題 が あ り,① 契 約 書 を充 分 理 解 せ ぬ ま ま安 易 に 捺 印 して い る。② 手 付 金 と して 多 額 の 金 を 支払 って い る。③ 電 気 代 と して3,000円/月 ∼5,000円/月 の 出 費 の あ る こ とに 考 え が 及 ば な い。 ④ 労 せ ず して 収 入 を 得 よ うとの 安 易 な 意 識 を有 す る,な どの こ とが 考 え られ る。 従 っ て 当面,各 地 方 自治 体 の 消 費 生 活 行政 所 管 の 広 報 活 動,マ ス メデ ィア の利 用 な どで 消 費 者 啓 発 を 図 る と共 に,さ きに千 葉 県 で の措 置 で み られ る よ うに各 地 方 自治 体 で は消 費 者 保 護 条 例 で ク ー リン グオ フ の準 用 を規 定 す る こ とが 課題 で あ る とい え よ う。
自動販売機に関す る消費者問題の商 品学的考察 45 7.そ の他 の諸 問 題 成 人 向雑 誌 の 自動 販 売 機 は 当 初,繁 華 街 に限 られ てい た が,普 及 に伴 い 住 宅 地 か らス クー ル ゾー ンへ 進 出 し,青 少年 の健 全 な育 成 に対 して 障 害 を与 えて い る。 成 人 向 雑 誌 の 自動販 売 機 に よる販 売 に は二 つ の 形 態 が あ る とい わ れ る。 そ の 一 つ は ,雑 誌取 り扱い業者が,自 動販売機 リース会社 とタイ ア ップし,場 所提 供 者 と契 約 し,そ の店 頭 な どに設 置 す る形 態,他 の 一 つ は,自 動販 売 機 リー ス 会 社 が 直 接,場 所 提 供 者 と契 約 し,設 置 ない し貸 し付 け る形態 で あ る。 い わ ゆ る ポル ノ雑 誌 に は 出版 社 名 や 出版 コー ドの 記 載 の あ るの は まれ で,記 載 が あ っ て も虚 偽 の 場 合 が 多 い。 これ らの事 情 か ら,多 くの地 方 自治 体 で は青 少 年 保 護 条 例 の中 で,表 現 ・出 版 の 自由,営 業権 な どを考 慮 しな が ら厳 しい 内 容 を盛 り 込 む 方 針 を 取 って い る。奈 良県 は全 国 に先 駆 け て 有 害 図 書 自動 販 売 機 の規 制 を き 盛 り込 ん だ 「県 青 少年 健 全 育成 に 関 す る条 例 」 を 昭 和52年4月 か ら施 行 した。 岡 山 県 に お い て は 「自動 販売 機 に よ り図書 を 販 売 す る者 は,当 該 自動 販売 機 に 有 害 図 書 を 収 納 して は な らな い」 な ど 自動 販 売 機 に よ る販 売 の 制 限 の 条 項 を新 ゆ 設 し,昭 和52年9月 か ら施 行 した。 '自動 販 売 機 は 他 人 の 目を 気遣 う こ とな く中 味 商 品 を 入 手 で き る特 性 か ら,ポ ル ノ雑 誌 を購 入 す る側 の 心 理 に 適 して い る とい え よ う。 日本 自動 販 売 機 工 業 会 で は,雑 誌 自動 販 売 機 に 収 納 す る雑 誌 の種 類 まで は 特 定 で きず,ポ ル ノ雑 誌 を取 扱 う 自動 販 売 機 業 界 は,ニ ーズ が あ るか ら販 売 す る も ので あ り,酒,た ば こ等 の青 少年 に有 害 な物 品 を販 売 す る 自動 販 売機 と同 次 元 の も の との 意 識 が あ る。 従 って,当 面,市 民 運 動 や 地 方 自治 体 の 条例 に よ っ て規 制 して い るの が 現 状 で あ る。 次 に 自動 販 売 機 が 公 道 上 を不 法 に 占拠 し,と くに 自転 車 が 歩 道 通 行 して い る 場 合 は 危 険 性 が 多 い 。 道 路 交通 法第76条 には 「何 人 も交 通 の妨 害 とな る よ うな 方 法 で物 品 をみ だ りに 道 路 に 置 い て は な らな い」 と規 定 され て お り,道 路 を 使 13)国 民 生 活 セ ン タ ー 「地 域 生 活 」No.173, PP-1-2.な お 雑 誌 自 動 販 売 機 規 制 を 法 的 に 扱 っ て い る も の に,た と え ば ジ ュ リス ト:Na 635,(1977)が あ る 。 14) 岡 山 県 「岡 山 県 青 少 年 保 護 育 成 条 例 関 係 例 規 集 」p.22.(1977)
46 用 す る場 合 は所 轄警 察 署 長 の 「道 路 使 用 許 可 」 を 得 な け れ ば な らな い が,ほ と ん ど遵 守 され て い な い状 況 で,昭 和52年,警 察 庁 は 全 国 都 道 府 県 警 察 本部 長 宛 に 「自動 販 売 機 を 含 む道 路不 法 占有 物 」 を 摘 発 す る よ う取 締 を 強 化,同 年7月 の か ら摘 発 を 開 始 した 。 V お わ り に 夜 間 や 休 日で も購 買 可 能 で あ る。 中 味商 品 が充 分 に 冷 え て(温 って)い る。 気 軽 に購 買 で き る。 近 くに あ って 便 利 で あ るな どの 現代 生 活 に適 して い る理 由 か ら,自 動 販 売 機 は 現 在 で は 世 界 第 一 の普 及 率 を誇 るに至 った。 しか し,他 方 つ り銭 が 出 ない な ど の苦 情 が 顕 著 に な る と共 に,最 近 で は契 約 上 の トラブ ルが 起 こ って い る。 本 日10月18日 の各 紙 は 行 政 管理 庁 の 本年1月 ∼3月 に わた る食 品,飲 料,酒 類,た ぼ こ,衛 生 用 品,不 健 全 雑 誌 な どの 自動 販売 機11951台 を 対 象 とす る実 態 調査 の結 果 を 報 じてい る。 そ の 結 果,① 自動 販売 機 の苦 情 先表 示 は%に 過 ぎな い。 ② 据 え付 け 不 良は17.3%で あ った 。 ③ 道 路 沿 い の 自動 販 売 機 の うち32.3%が 公 道 を不 法 に 占 ・使 用 して い た 。 ④ ビ ール ・日本 酒 の 自販動 売 機 は 午 後11時 か ら翌 朝5時 ま で の夜 間営 業 を しな い こ とを 全 国 小 売 酒販 組 合 中 央 会 が 昭 和49年12月10日 の 臨 時総 会 に お い て 申 し合 わ せ,昭 和50年4月1日 か ら実 施 す る こ とに な って い る が,67.7%は 遵 守 し てい ない 。(5)不健 全 雑 誌 販 売 機 の24.4%は 学 校 周 辺 な ど青 少年 の 目に触 れ やす い と こ ろ に設 置 され て い る の な ど の問 題 点 が 改 め て 指 摘 され た 。 自動 販 売 機 に つ い て は 法 令 の 不 備,管 理 の不 徹 底 が顕 著 で あ るが,安 全 性 に 関 し ては 早 急 な 国 の統 一 的 措 置 が 望 まれ,管 理 の徹 底 化 に は 消 費者 の協 力 に よ る地 方 自治 体 の強 力 な 指 導 が 必 要 で あ ろ う。 お わ りに 当た っ て種 々の 資 料 の 提 供 に協 力 され た 愛 知 県企 画部 生 活課 員及 び 日本 自動 販 売 機 工 業 会 佐 渡 勝 利 氏に 深 謝 す る。 15) 自動 販売 研 究 所 「自動 販売 」No.121,(1977) 16)脱 稿 してか ら自動 販 売 機 の設 置 及 び 管理 に 関 す る本 邦 は じめ て の 報 告再 で あ る,行 政 管 理 庁 行政 監 察 局 編 「自動 販 売 機 行 政 の現 状 と問 題 点 」(昭 和53年10月)が 刊 行 さ れ た の で 付記 す る。