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「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告 : 大学・自治体・民間が連携した事例

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(1)Title. 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告 : 大学・自治体・ 民間が連携した事例. Author(s). 大山, 祐太; 奥田, 知靖; 福原, 崇之; 越山, 賢一; 高沢, 拓也; 沢永 , 宜之; 中川, 和彦; 佐藤, 徹. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 67(1): 441-455. Issue Date. 2016-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/8018. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第67巻 第1号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 67, No.1. 平 成 28 年 8 月 August, 2016. 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告 ― 大学・自治体・民間が連携した事例 ―. 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也*・ 沢永 宜之**・中川 和彦***・佐藤 徹 北海道教育大学岩見沢校 アダプテッド・スポーツ研究室 *. NPO法人セカンドサポート **. 岩見沢市. ***. 岩見沢市教育委員会. Practice Report : The “Adapted Sports” event for Community Residentsion ― Cooperation Project with the Local Government and the Private Companies and the University ―. OYAMA Yuta, OKUDA Tomoyasu, FUKUHARA Takayuki, KOSHIYAMA Kenichi, TAKASAWA Takuya*, SAWAE Nobuyuki**, NAKAGAWA Kazuhiko*** and SATO Toru Department of Sport Education, Iwamizawa Campus, Hokkaido University of Education *. Second Support, a Nonprofit Corporation **. Iwamizawa city. ***. Iwamizawa City Board of Education. 概 要 本研究は,地域住民が障害の有無を問わずに参加できる「体験型アダプテッド・スポーツイ ベント」を開催し,その成果や課題について,運営の形態や参加者評価を通して検討すること から,アダプテッド・スポーツの普及振興に向けた示唆を得ることを目的とした。イベント開 催の結果,約800名の参加があり,アダプテッド・スポーツの推進には,用具やルールをでき るだけ簡素化し,その場で気軽に体験できるような配慮をすることが重要であることが示唆さ れた。また,イベントの運営にあたっては大学,自治体,民間が連携し,各々の「強み・専門 性」を発揮し合うことによって,作業の効率性が向上するだけでなく,各団体単体では得難い 利益を相互にもたらすことが伺えた。 来場者数やアンケートの結果からも,イベントを開催することによるアダプテッド・スポー ツ振興への寄与は一定程度認められたが,見学・体験の機会を一過性のもので終えるのではな く,継続して提供してゆくことが重要であることが示唆された。. 441.

(3) 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也・沢永 宜之・中川 和彦・佐藤 徹. Ⅰ.背景と目的. et al, 1981),障害に対する正しい理解や偏見払拭 は重要な社会的課題といえる。. 1.障害者の社会参加の動向と課題 我が国においては,インクルーシブな社会を実 現するべく,これまで,平成23年の障害者基本法. 2.インクルーシブな社会の実現に向けた手段と してのスポーツ. 改正や,障害者雇用促進法改正(平成25年) ,障. インクルーシブな社会の実現に向けた障害理解. 害者差別解消法制定(平成28年4月より施行)な. の取り組みとしては,学校現場における障害疑似. ど,障害者の権利擁護や社会参加の促進を企図し. 体験や障害者との交流・接触といった障害理解教. た様々な法制度の整備がすすめられてきた。こう. 育が推進されている(今枝ら,2013)。しかし,. いった動きは, 「スポーツ」という文化的活動の. 安易な障害疑似体験や障害者との接触経験は,好. 領域においても同様に生じており,平成23年に施. 意的態度の形成につながらなかったり,否定的態. 行されたスポーツ基本法には障害に応じてスポー. 度を増長したりすることもあり(Cobun, 1972;. ツを推進することが明記され,これまで厚生労働. Okolo & Guskin, 1984; 益 山 ら, 2008な ど ), 体. 省の管轄であった障害者のスポーツ振興事業は平. 験・接触した者にとってポジティブな経験となる. 成26年度より文部科学省に移管された。障害者の. よう計画されていることが重要である(田川・由. スポーツは,機能維持・回復を目的としたリハビ. 良, 1992. 内田・大谷, 2013など)。堤ら(2008)は,. リテーションを起源としているが,現在では,社. 障害理解教育をすすめるにあたって,障害者への. 会参加や自己実現,競技性の追求といった各々の. 偏見的態度を変容させるポイントとして,偏見と. 目的に応じて取り組まれる,多様な価値を有する. 一致しないポジティブな情報を得ることができる. 活動となっている。2020年の東京オリンピック・. こと,障害者との差異性・異質性ではなく類似性. パラリンピック開催に伴って,今後益々,障害者. に着目させること,などを挙げている。つまり,. のスポーツ環境の改善や次世代パラリンピアンの. 障害者を社会的な弱者として認識させ,その認識. 発掘・育成が活発化するなど,スポーツが障害者. を増長するような経験をさせることは,むしろ逆. にとってより身近な活動となってゆくことが考え. 効果となる可能性がある。. られる。. しかしながら,我が国において「障害」はマイ. しかし,法制度の整備がすすめられ,物理的バ. ナス価値として扱われがちである。草山ら(1995). リアは解消されつつあるものの,地域住民の障害. が指摘するように,メディアでは障害を克服した. や障害者に対する偏見は未だ残存している。例え. り乗り越えたりするといった「頑張っている」姿. ば内閣府(2012)の調査によると,世の中に障害. が強調され,それが一定の障害観を構築させてき. を理由とする差別や偏見が「あると思う」と回答. た側面がある。インクルーシブな社会の実現には,. する者が約9割存在し,平成19年の調査時よりも. 障害者を自身と異なる特別な存在として認識する. 増加しており, 差別・偏見の改善状況についても,. のではなく,平等意識を醸成することが求められ. 「改善されている」という回答が減少し,逆に「改. る。. 善されていない」という回答が増加していた。大. このような実情から, 「スポーツ」がインクルー. 山(2016a)の大学生を対象とした調査でも,8. シブ社会に果たす役割は大きいと考えられる。ス. 割強が障害者との接触経験はあるものの,約3割. ポーツを通じた接触体験は,障害者に対する平等. に抵抗感があることが報告されている。地域住民. 意識の醸成を促すことが指摘されており(Tripp. の障害者との接触機会が増大することが想定され. et al,1995;安井, 2004),教育においては特に,. るなか,障害者に対する否定的な態度は行動とし. 「体育」にインクルーシブな授業展開が期待され. て発現する可能性があることからも(Heinemann. ている(草野,2003)。特に,障害者にとってスポー. 442.

(4) 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告. ツは生活に根差した活動となっており,スポーツ. 講義形式の授業をおこなった永浜(2013)の例で. を媒介とした社会参加,地域住民との接触が増え. は,概念理解後も,アダプテッド・スポーツは障. てゆくことが想定される。. 害者のスポーツであるという印象が残っていたこ とを報告している。. 3. 「アダプテッド・スポーツ」の意義. このように,スポーツを実践者に合わせてカス. 前述したような社会背景のなかで,近年,「障. タマイズするというアダプテッド・スポーツが浸. 害者スポーツ」に代わる言葉として「アダプテッ. 透することは,より多くの人にスポーツ機会を提. ド・スポーツ」という言葉が用いられるように. 供することにつながり,障害者に対する偏見の解. なってきている。アダプテッド・スポーツとは,. 消にも寄与しうると推察されるが,実際にその概. 矢部(1997・2004)がAdapted physical activity. 念について知ったり深く学んだりする機会は多く. (APA) の意訳語として提唱した造語であり,ルー. ない。実際に,「アダプテッド・スポーツ」とい. ルや用具を実践者の状態にadapt(適合)させる. う用語や意味については,「障害者スポーツ」に. ことで,誰でも楽しむことができるよう工夫され. 比べてほとんど知られていない現状がある(永浜,. たスポーツのことである。「障害者スポーツ」が,. 2013)。今後地域において,対象を限定せず,ア. 実践者が障害者であるスポーツの総称だとすれ. ダプテッド・スポーツ概念を学習する機会,工夫. ば, 「アダプテッド・スポーツ」は,障害者だけ. することで「できることが増える」 「一緒のスポー. でなく,小さな子どもや高齢者・体力の低い者・. ツを楽しめる」ことを実体験できる機会を作って. 妊娠中の女性など,属性に関わらず,実践者に合. ゆくことが求められる。. わせたスポーツといえる。 大山(2015)は,アダプテッド・スポーツは,. 4.目 的. 障害者に対してスポーツを身近なものとするだけ. 本研究は,地域住民が障害の有無を問わずに参. でなく,障害があってもなくても一緒にプレーす. 加できる「体験型アダプテッド・スポーツイベン. ることができるという点で,インクルーシブな社. ト」を開催し,その成果や課題について,運営の. 会形成に肯定的に寄与しうると述べている。また,. 形態や参加者評価を通して検討することから,ア. 特に障害者と共にスポーツを楽しむという点に関. ダプテッド・スポーツの普及振興に向けた示唆を. して,大山(2016b)は,小学生に対して体験を. 得ることを目的とする。. 伴うアダプテッド・スポーツ授業を実施し,授業 前後で障害者に対する否定的イメージの変容を確 認している。その結果,体験後は「かわいそう」. Ⅱ.イベントの概要. や「一緒にスポーツするのは難しい」と思わなく. 1.名称と趣旨. なっており,実際にプレーして競技の難しさや楽. イベント名は『レッツトライ!アダプテッド・. しさを実感することで選手である障害者に対する. スポーツin岩見沢』とした。名称を決めるにあたっ. 弱者イメージが払拭され,初心者の自分自身が楽. て,スポーツを工夫することで万人が楽しむこと. しんだ実体験から共にプレーできるイメージが湧. ができるという考え方を浸透させるイベントで. いた結果であろうと述べている。同様に,大学生. あったので,参加者に先入観を持たせたり,参加. にアダプテッド・スポーツ授業を実施した佐藤. 者が特定の層に偏ったりしないよう,「障害者」. (2012)の報告でも,障害者との直接的接触はな. や「パラリンピック」という言葉を用いないこと. くとも,授業・体験を通して障害者に対する態度. にした。. が肯定的に変化したことが示されている。一方,. 開催の趣旨は下記の通りであり,前述したよう. アダプテッド・スポーツに関して体験を伴わない. な社会的課題の解消に向け,開催地域のスポーツ. 443.

(5) 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也・沢永 宜之・中川 和彦・佐藤 徹. 振興事業等も勘案し,重要と考えられるテーマを. 「アダプテッド・スポーツ」に関する,地域. 設定した。. 住民の理解を深める。. 1)実践者に合わせて用具やルールを工夫する. 2)アダプテッド・スポーツの体験を通して,. 表1 イベントのタイムテーブル 時 間 10:3011 :0011 :3012:30-. 13:3014:0015:2015:5016:30-. 内 容 開会セレモニー 車椅子カーリング(紹介) ウィルチェアラグビー(体験) 文化融合プログラム ユニバーサルファッションショー チアリーデイング 歌手ライブ 車椅子フェンシング(エキシビジョン) 車椅子バスケットボール(体験) ブラインドサッカー(エキシビジョン) ブラインドサッカー(体験). 閉会セレモニー. ※競技体験ブースは常時開設. 図1 体育館内各ブースの配置図. 444. 場 所 ステージ メインスペース メインスペース ステージ. ステージ メインスペース 人工芝グラウンド 人工芝グラウンド ステージ.

(6) 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告. 障害者,幼児,高齢者,妊婦,体力の低い者. 関しては,競技特性と会場(屋内)との関係から,. など,心身の状態は様々であっても誰もがス. 体験はおこなわずパンフレットなどを用いた競技. ポーツを楽しむことができるよう,万人への. 紹介のみとした。また,既存競技の体験・紹介以. スポーツ文化の振興を目指す。. 外にも,車椅子で設定されたコースを走りタイム. 3)開催地の自治体が注力しているパラリン. を計測する「ウィルチェアタイムレース」や,ア. ピック選手団の合宿招致に関して,地域住民. イシェードを着用して触覚のみで迷路を抜ける. の関心を高める。. 「アイシェード迷路」,ビーンバッグを用いて的 を狙う「ビーンバッグ的当て」など,ルールに縛. 2.日程と会場. られず来場者が気軽に取り組める体験ブースも設. 開催日時は2015年6月27日(土) 10:30~17:. 定した。. 00,会場は,A大学の体育館,および人工芝グラ. メインスペースは体育館中央に設定し,時間に. ウンドとした。. よって,車いすカーリング,ウィルチェアラグ ビー,車いすフェンシング,車いすバスケットボー. 3.実施内容. ルの体験・デモンストレーションをおこなった。. イベント会場は,常時開設型の「競技ブース」,. また,人工芝グラウンドではブラインドサッカー. 時間ごとで提供内容の変わる「メインスペース」,. のエキシビジョンマッチと体験会をおこなった。. セレモニーなどをおこなう「ステージ」 ,近隣の. 全てのスポーツ体験にあたっては,小さな子ども. 社会福祉施設や企業による飲食物販売の「飲食. の参加も見込まれたため,厳格に競技ルールに. ブース」 ,協賛企業が自社商品の告知をおこなう. 則って実施するのではなく,用具のサイズや高さ. 「企業ブース」 ,その他来場者が快適に過ごすこ. を調節したり,特別ルールを設けるなど配慮した. とを目的とした「ホスピタリティスペース」から. (図2・3)。. 成っている。タイムテーブルを表1,会場図を図. ステージでは,開会・閉会のセレモニーやアー. 1に示した。. ティストによるライブ,チアリーディング,ユニ. 競技ブースでは,アンプティサッカー,車いす. バ ー サ ル フ ァ ッ シ ョ ン シ ョ ー を お こ な っ た。. フェンシング, 車いすカーリング,車いすバスケッ. ファッションショーのモデルは,近郊地域在住の. トボール, ウィルチェアラグビー,ゴールボール,. 車いすユーザーが務め,飲食・休憩スペースに設. ボッチャ,フライングディスク,スポーツチャン. けたランウェイエリアとステージ上を行き来しな. バラの体験をおこなった。車いすソフトボールに. がら,衣装やポージングを披露した。. 図2 車椅子バスケットボールの体験(メインスペース). 図3 ボッチャの体験ブース. 445.

(7) 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也・沢永 宜之・中川 和彦・佐藤 徹. 表2 実行委員会参与団体の特徴 団体. 参与形態. 大学. 主催. 自治体. 主催. 民間. 共催. 特 徴. 委員数. 単科の国立大学。複数のキャンパスのうち,芸術やスポーツに特化した1学科 4専攻を抱えるキャンパスが参与。体育施設が充実しており,パラアスリートの トレーニング支援や幼児の運動教室など万人へのスポーツ振興に注力しており, 「アダプテッド・スポーツ」を冠した研究室がある。 人口規模約85,000人程の,農業を基幹産業とする街。国内外のパラリンピック 選手団の合宿誘致推進や,障害者のスポーツ大会・イベントの積極的なサポート など,障害者のスポーツ振興に取り組んでいる。政令指定都市から約40キロ圏内 に位置している。 スポーツ選手の引退後のセカンドキャリア支援,スポーツ振興,障害者スポー ツの普及を主な事業としているNPO法人。元プロスポーツ選手を理事長として おり,現役のプロ選手もスタッフとして迎えている。. 飲食ブースでは,社会福祉法人3社と近隣の飲 食店2社が出店し,カレーライスやパン・ベーグ ル,焼き菓子,焼きそば,コーヒーなどを販売し た。. 7. 2. 2. Ⅲ.イベント内容の評価 1.来場者実績と来場者アンケート―自治体の貢 献―. 企業ブースには,大口協賛企業となった2社が,. 来場者は784名であり,その参加形態の内訳は. それぞれ自社商品についての紹介をおこなった。. 図4の通りである。さらに80~100名ほどの参加. ホスピタリティスペースとしては,体育館内で. 者があったと思われるが,参加人数が想定を大幅. 飲食や休憩ができるようテーブル20卓,イス80脚. に上回ったため受付が非常に混雑し,正確な参加. を用意した。また,小さな子どもを連れた方のた. 人数を把握できなかった。受付時の具体的な課題. めに,常時学生スタッフを2名以上配置した託児. は下記の通りである。. スペースを設け,空き教室を授乳・おむつ交換が. 1)親子連れで参加し,子どもまたは本人の名. できる部屋とした。 . 前のみしか記入しないケース。理由としては, 参加したいプログラムまで時間がない,名前. 4.運営形態. を書くのが手間,付添だから参加ではないと. 2014年10月に 「アダスポ実行委員会」を組織し,. いう認識などが確認されている。. その委員は,主催となる実行委員会,開催地の自 治体,実際の会場となる大学の3団体,共催であ るスポーツ振興事業に注力している民間(NPO). 2)イベントの入り口とした玄関以外から入り, 受付を通過しなかったケース。 3)一時外出の者と区別がつかず,出入りする. 1団体の有志によって構成された。大学からは教 員4名と学生3名,自治体からは職員2名(市役 所1名,教育委員会1名),民間からは元プロサッ カー選手を含む2名が参与し,11名の実行委員会 となった。当該団体の特徴・概況は表2の通りで ある。役割分担は,実行委員長,副実行委員長, 事務(総務・財務・会計),企画,広報とし,そ れぞれ責任者をおくが担当業務以外は随時相互に 補助し合うこととした。. 37 13 37 13. 当日参加(一般). 8. 事前申し込み 競技・イベント関係者. 108 161. 784. 報道. 407. 企業・プロ選手 来賓 スタッフ 実行委員・スタッフ. 図4 参加者数と参加実態. 446.

(8) 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告. 表3 アンケート回答者の属性 未回答. 学生. 会社員 公務員. 主婦・ 主夫. パート・ その他 未回答 アルバイト. 男性. 女性. 10 代. 1. 0. 0. 1. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 1. 20 代. 1. 3. 0. 0. 1. 1. 0. 0. 2. 0. 0. 4. 30 代. 4. 9. 2. 0. 5. 4. 3. 1. 1. 0. 1. 15. 40 代. 4. 7. 2. 0. 7. 2. 0. 0. 2. 1. 1. 13. 50 代. 1. 4. 0. 0. 3. 1. 0. 0. 0. 0. 1. 5. 60 代. 1. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 1. 0. 1. 70 代. 1. 0. 1. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 1. 1. 2. 計. 13. 23. 5. 1. 16. 8. 3. 1. 5. 3. 3. 41. 営業. 計. N=41. 全員に確認できなかったケース。. 果となった。要因としては,来場者全員に配布す. 4)大学関係者(学生・教員)が,受付を通過. るのではなく,受付付近にアンケート用紙とペン. せず学内の連絡通路から参加したケース。イ. を用意して,帰る際に協力可能な方のみ記入する. ベントに関与していない者でも,大学関係者. という方法をとったことが考えられる。会場の構. ということで受付のスタッフが来場手続きを. 造上,来場者の入り口と出口を同じ場所にせざる. 要求しなかった事例が多く報告された。. を得なかったため,前述したように受付が混雑し. 参加者内訳としては,当日参加者のうち開催地. たことで,来場者がアンケートを記入することが. の市民の参加は107名,市外からの参加が98名,. 難しかったことが考えられる。受付には常時4~. 不明が202名であった。市外参加者は,近接の政. 6名ほどスタッフを配備しており,随時帰宅者に. 令指定都市在住者が最も多く(72名),比較的周. アンケート記入を促すように共通理解していた. 辺地域在住者が多かったものの,物理的距離が. が,名前の記入やパンフレットを渡すといった受. 800~1,000キロほど離れている地域からの参加も. 付業務や,来場者・協力団体からの質問・依頼へ. 数名確認された。. の対応が優先されるため,積極的にアンケート記. また,来場者に任意でイベントの満足度に関す. 入をすすめることができなかったことも要因の一. るアンケートを実施した。しかし,協力を得られ. つである。解答者の属性は表3の通り,各質問項. たのが41人と来場者数からすると非常に少ない結. 目と集計結果は図5~12の通りである。. 0, 0% 2, 5%. 0, 0% 満足 やや満足. 15, 38%. 23, 57%. どちらとも言えない やや不満. 1, 2%. 8, 20%. 5, 12%. 不満. 実行委員から. 9, 22% 13, 32%. 知人から ポスターを見て 新聞折り込みを見て 大学 HP ・ Facebook その他. 5, 12% 図5 参加してみての満足度 N=40. 図6 イベント情報の入手先 N=41. 447.

(9) 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也・沢永 宜之・中川 和彦・佐藤 徹. 図7 アダプテッド・スポーツ,パラリンピックの認知 N=40. 1, 3% 0, 0%. 0, 0%. 当事者. 理解できた. 11, 28%. 15, 37%. 13, 32%. だいたい理解できた 少し理解できた ほとんど理解できなかった 全く理解できなかった. 12, 29%. 9, 22% 6, 15%. 11, 27%. 身内として 友人として 同僚として 知人にはいる ない. 3, 7% 図8 アダプテッド・スポーツの理解 N=40. 図9 障害者の存在 N=40. 図10 体験ブースのコンテンツ評価(3つまで選択可). 448.

(10) 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告. 図11 メインスペース/ステージプログラムのコンテンツ評価(3つまで選択可). 2, 5% 0, 0%. が悪い」「説明などが少なく,アダプテッド・ス. 0, 0%. 7, 18% 30, 77%. ポーツについて理解しにくい」といったイベント 期待する. 内容・スタッフに対する不満が見出された。. 少し期待する. 今回,「アダプテッド・スポーツ」という聞き. わからない. なれないであろうテーマのイベントであったこ. あまり期待しない 期待しない. 図12 次回開催への期待 N=40. と,またその開催地の特徴や人口規模などを考慮 すると,来場数は非常に多かったと言える。例え ば天野ら(2015)の複数大学が連携して開催した 障害者スポーツイベントの報告では,参加者はス タッフを含み64名であり,藤田(2007)の大学生. また,来場者アンケートの自由記述部分は, 【肯. の企画・運営による障害者スポーツイベントの報. 定的記述】と【否定的記述】に大別できる内容で. 告では,参加者・スタッフ合わせて約100名程度. あった。具体的には,【肯定的意見】は,「アダプ. であった。前述したようにアンケートの実施が困. テッド・スポーツが広く認知されればこの子(障. 難なほど想定を上回る来場があった要因として. 害のある)の人生も変わってくるのではないか」. は,自治体が主催団体の一つとなり,広報誌での. や「アダプテッド・スポーツに興味を持つことが. 告知や教育機関への周知といった広報活動をおこ. できた」などアダプテッド・スポーツの意義その. なったことが最も大きい要因と考えられる。また,. ものに対する記述と, 「地域密着のイベントは素. 開催地の自治体は日頃から障害者スポーツの推進. 晴らしい」 「継続性や広がりに期待」といった,. に力を入れていることから,アダプテッド・ス. イベントを開催することに対する記述, 「7歳の. ポーツイベントに参加したり,実際に用具に触れ. 子供も楽しめた」,「イベントとして楽しかった」. てみたりすることが,地域住民にとって抵抗が強. といった,楽しい経験ができたことに関する記述. くなかったことも考えられる。来場者数の見込み. の3つの傾向にまとめられた。. が甘かったことは運営面での不備として改善され. 一方,多くはないものの【否定的記述】も確認. なければならないが,参加実績からすると趣旨の. され, 「BGMの音が大きすぎる。解説などが聞こ. 一つである「知ってもらう」という点で,一定の. えない」 「体育館ごと暗くしないでほしい。危な. 成果を得られたものと考える。. い。 」などの演出に対する不満,「スタッフの動き. 449.

(11) 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也・沢永 宜之・中川 和彦・佐藤 徹. 2.大学授業との連携―「大学」による貢献― 今回は,大学が主催者になっていたことから, 特定授業と連携させることができ,授業の一環と して授業を履修する学生23名がスタッフとして携 わることとなった。当該授業は,地域において芸 術・スポーツを活用した事業を主体的に推進でき る企画調整力・実践力を身につけることを目的と した授業であった。そのため,今回のイベントの 趣旨とも調和しており,授業履修学生や大学に とっては有意義な教育実践の場となり,実行委員. 図14 スロープの安全性と角度の確認作業. 会にとってもマンパワーの確保といった相互にメ リットのある連携となったと考える。授業学生の. 業や様々な雑務を担ってもらったことも,イベン. 具体的な役割としては,来場者対応や託児などの. ト開催には細かな作業がつきもので,必ず誰かが. 当日のスタッフや,準備段階での雑務,障害者や. 担っているということを実体験してもらえたた. 高齢者でも安全かつ不都合なく楽しめるような動. め,単なる当日ボランティアでは経験できない学. 線・物品の配置・サービスなどの考案であった。. 習の機会になったものと考える。さらに,会場の. ただし,実行委員会の学生とは異なり,授業と. 安全イベントの看板や案内図などは,美術を専攻. しての関わりであるため,90分×15回の時間数,. とする学生が作成するなど,実行委員の作業負担. 授業時間内の活動という原則がある。そのため,. 軽減や経費削減をしながら,学生が自身の専門性. 実行委員同様に準備を進めることは困難であった. を発揮する場としても機能させることができた。. が,授業時間外での作業を余儀なくされる会場設. また,授業履修学生からは,来場者が自らの体. 営や当日スタッフとしての活動時間数を算出し,. 験を写真に残したい場合などに撮影を引き受ける. 総授業時間から減算した残り時間分,授業時間内. サービスや,車椅子ユーザーや親子連れがゆっく. で可能な作業を担ってもらうこととした。例えば,. りできる休憩スペースの確保など,様々なアイ. 子どもの集客と各競技ブースの体験者の偏りをな. ディアが提示され,実際に複数の意見を採用した。. くすために実施したスタンプラリー (図13)の,. 全体を通して授業履修学生は,受け身になったり,. シート作成やシールの切り取り,景品のお菓子の. 義務的・機械的に作業に取り組んだりすることは. 袋詰め作業といった雑務がこれにあたる。事務作. なく,それぞれがイベントの成功のために自発 的・積極的に行動していた。例えば会場設営の際 にも,図14のようにステージに設置するスロープ の角度や強度について何度も確認するなど,学生 自身が必要な作業を自身で見つける姿が多くみら れた。授業履修学生の積極参加を促した背景には, 大山ら(2012)が示唆するような,負担感事象の 経験とそれを乗り越えることによる帰属意識の醸 成がみられたのではないだろうか。つまり,実行 委員会の業務を単純に外注したのではなく,裁量 についてもある程度委ね,作業量も授業時間数か らすると過密であったことが,イベント運営の当. 図13 スタンプラリーのシートと景品. 450. 事者であるという認識と責任感をもたせ,結果的.

(12) 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告. にやりがいを感じさせたものと思われる。. 載など,金額に応じて企業の広報をおこなえるよ うにした。こういった,企業への協賛依頼は,日. 3.イベントの成功に向けた渉外交渉―民間の貢 献―. 頃の業務として多くの企業と接触する民間企業に 籍を置く実行委員が中心的に担った。. イベントの成功に向けて,会場の設営やサービ. 今回のイベントは,万人に対するスポーツを推. スなど様々な工夫を凝らしたが,特に民間の事業. 進するという趣旨で開催されたが,スポーツに対. 特性を生かした渉外活動が重要であったと考え. して抵抗感のある者や興味関心の高くない者も存. る。 例えば, 現役のプロスポーツ選手にアダプテッ. 在する。そのため,より多くの人に関心をもって. ド・スポーツを体験してもらったことなどがその. もらうことをねらい,アーティストによるライブ. 一つである。プロの選手が来ることによって,ア. や,車椅子や補装具ユーザーによるユニバーサル. ダプテッド・スポーツに興味関心のない者にも関. なファッションショー,チアダンスパフォーマン. 心をもってもらいやすくなり,実際にプレーして. スなど,「音」「美」の要素も組み込み,「文化」. もらうことによって,見ているものに競技を大々. としての融合も試みたが,そういった団体との連. 的に紹介することができた。同時に,障害者のス. 携も,民間企業のチャンネルから進められた。他. ポーツに対する偏見を払拭するのにも効果的で. 分野の催しを同一会場でおこなうことによって,. あったことも考えられる。象徴的なエピソードと. ファッションショーのモデルやチアのダンサーが. しては,プロのバスケットボール選手が車いすバ. アダプテッド・スポーツを体験したり,逆にス. スケットボールに挑戦すると,シュートがエア. ポーツ体験が目的だった来場者やスポーツ団体関. ボールになり,日頃プレーしている障害者プレー. 係者が他の文化活動にふれたりといった,相互に. ヤーが同じ距離からシュートをすると成功した場. 見る・知る機会を作ることができた。アンケート. 面である。車いすバスケットボールのシュートで. でもチアダンスやファッションショーは楽しかっ. は, 車椅子のプッシュによる推進力を生かしたり,. た活動として選択されており,興味関心の方向が. 上半身に頼るシュートのスキルが求められる。こ. 異なる対象にアピールするだけでなく,イベント. のように, 「健常者と比べて弱者の」スポーツな. 自体を盛り上げる効果的なコンテンツとなりうる. のではなく,純粋に「特定のカテゴリー」の選手. と思われた。. が取り組んでいるスポーツであることや,トレー. このように,自治体・大学と繋がりのない団体. ニングを積んでいる障害者選手のレベルの高さを. との連携や運営資金の獲得,特に,資金獲得とい. わかりやすい形で知ってもらえた意義は大きいも. う点では公的機関は動きにくい部分もあるので,. のと考える。こういったプロ選手の参加は,各プ. 民間企業が果たす役割は大きかった。. ロスポーツ団体とコネクションがある民間の職員 と,元プロスポーツ選手が,実行委員として参与 して依頼からその後の調整作業までを担うことが. Ⅳ.まとめ. できたことに他ならない。. 1.アダプテッド・スポーツの普及に向けた示唆. また,イベントの実施には費用がかかるため,. 来場者アンケートは十分に回収できなかったも. 各種助成金への申請の他に,近隣の企業からも協. のの,参加者実績が700名を超えており,回答者. 賛を募った。大口の協賛企業には,スタッフウェ. の多くはイベントに関して,またアダプテッド・. アへのロゴのプリントと,当日会場で自社商品の. スポーツに関して好意的評価をしていることが確. PRができる企業ブースを設けるといった特典を. 認された(図5,図12)。特に図7で示されてい. 用意し,それ以外にも,当日全来場者へ配布する. るように,来場前にアダプテッド・スポーツを. パンフレットでの広告や,垂れ幕への企業名の記. 知っている者は多くなかったものの,来場後は約. 451.

(13) 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也・沢永 宜之・中川 和彦・佐藤 徹. 9割が理解をすすめていた(図8)ことからも,. われる。. ある程度,普及振興をすすめることができたもの. 車いすソフトボールとアイシェード迷路が「楽. と考える。また,回答者の半数以上が,障害者が. しかったもの」として選択されなかった理由とし. 身近にいなかったことからも(図9),特定の業. ては,車椅子ソフトボールはパンフレットによる. 種や障害者の身内だけに偏らず,より広い層に参. 競技紹介のみであり,アイシェード迷路はスタン. 加してもらうことができたと想定される。. プラリーの対象となっておらず,しかも2階の教. 各プログラムの評価を見比べると,車椅子バス. 室に設定されているといった,「プレーを見る・. ケットボールが最も人気があったといえる(図. 体験する機会」が十分保障されなかったことに起. 10・11) 。 行實 (2010)によるアダプテッド・スポー. 因すると考えられる。. ツイベントの参加者評価においても,車椅子を. これらのことから,アダプテッド・スポーツの. 使った種目は高い評価を得ていた。これは,競技. 推進には,用具やルールをできるだけ簡素化し,. としての認知度に加えて, 「バスケットボール」. その場ですぐに体験できるような,「わかりやす. というルールが知られている競技との類似性が高. さ」と「体験しやすさ」に配慮した体験機会を作. いことが影響していると考えられる。しかし,ブ. ることが重要であると推察された。特定競技の人. ラインドサッカーは,最近広く認知されてきた競. 気の背景としては,当該競技に触れる機会の多さ. 技であり,メインプログラムとして一定時間独占. や取り組みやすい環境,メディアの後押しといっ. 的に体験の時間を設けていたが,他のプログラム. た「地域性」が影響しており(藤木,2013),ア. に比べて評価は高くなかった。このことは,デモ. ダプテッド・スポーツは,馴染みがないことから,. ンストレーション・体験の際に屋外の人工芝グラ. 体験するスポーツとしては魅力的だが,観るス. ウンドへの移動を余儀なくされたという,体験の. ポーツとしては認識されにくいといった報告もあ. 際の手間や時間的コストが関係しているものと考. る(大山,2016b)。見学・体験の機会を一過性. えられる。. のもので終えるのではなく,アダプテッド・ス. また,行實(2010)は,フライングディスクは. ポーツに触れる機会を継続して提供してゆくこと. 車椅子種目に比べて満足度が低く,参加者が楽し. が重要であろう。. みやすいような工夫が必要であると述べている. また,今回はスポーツの紹介だけでなく,スポー. が, 本研究においては,フライングディスクやゴー. ツと芸術が融合したイベントとすることも試み,. ルボール,ボッチャの体験ブースは,車椅子フェ. 決して混成不可能な裾野を広げる可能性が示唆さ. ンシングやウィルチェアラグビーの体験ブースよ. れた。内閣府発行の「障害者白書」においては,. りも評価を得ていた。これは,既存ルールに固執. スポーツ・芸術文化活動は「日々の暮らしの基盤. せず参加者集団の人数や希望に応じて自由にルー. づくり」の章で扱われているように(内閣府,. ルを変えるなどの工夫を講じていたことにくわ. 2015),生活に密着した重要な活動であるといえ. え,多様なブースを多く体験するというイベント. る。ホイジンガ(1938)は,「遊び」は行為その. の趣旨から,複雑な用具の装着や移動,ルールの. ものが目的となる行為であり,日常生活とは別の. 把握をそれほど必要とせず取り組めたことが評価. ものであると位置づけており,文化は遊びのなか. につながったことが考えられる。体験ブースでは. で発展してきたと述べている。スポーツも美術も. スペースに制限があるため,車椅子種目の醍醐味. 音楽も,食事や睡眠,呼吸と異なり,人間が「生. でもあるスピード感や高い操作性を十分に体感で. きる(生命活動を維持する)」ために必要な活動. きなかったり,多人数が一斉に体験できないため. ではなく,いわば「遊び」という点で共通してい. 乗り降りといった交代にも時間を要し,待ち時間. るといえる。誰もが楽しめることを基本とするア. が生じやすかったことも評価に影響したものと思. ダプテッド・スポーツを広めてゆくうえでは,関. 452.

(14) 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告. マンパワーとして授業履修学生が参与したが,大 学が一方的に提供したわけではなく,地域住民と の交流や,地域貢献活動の実践の場として,有効 な教育機会とすることができ,学生当人にとって は成長の機会ともなっている。尚且つ,学生とい う若い世代が,積極的に地域活動に参与し,地域 住民と接触するという点で地域の活性化にも繋 がった。実務レベルで密に連携できたことが,イ 図15 実行委員の貢献分野と相互作用. ベントの成功をもたらし,ひいては実行委員の構 成メンバーそれぞれの立場にとって有益な成果を もたらしたものと考える。. 心の低い者のスポーツ実施に対する心理的ハード ルを下げ,実践者や支援者,観戦者のすそ野を広 げる工夫も必要になってくるのではないだろうか。. Ⅴ.今後の課題 今回の, 「レッツトライ!アダプテッド・スポー. 2.大学・自治体・民間が連携する意義―相互補 完,相互利益の関係性―. ツin岩見沢」では,その来場者数や参与団体数, また,開催の趣旨からしても,一定の社会的意義. 今回,実行委員会を組織して準備を進めてきた. があったものと考えられる。しかしながら,イベ. が,メンバーは大学教員・学生,市職員,企業,. ント開催の効果の検証という点では不十分さは否. 元プロ選手と多岐にわたっており,図15のように. 定できない。次回開催時には,来場者アンケート. それぞれが専門性を生かすことができる構成と. を計画的に実施し,参加者ニーズや満足度,アダ. なった。例えば,大学教員・学生だけでは,企業. プテッド・スポーツの体験効果などについて詳細. 協賛を募るとする場合,ノウハウ・コネクション. に把握する必要がある。また,スタッフとして参. の不足や時間的制約,社会的立場などの点から,. 加した学生の,障害者イメージやアダプテッド・. 運営に十分な金額を集めることは容易ではない。. スポーツの理解度をイベント前後で比較し,アダ. しかし,日頃業務としても他の企業と関係性を構. プテッド・スポーツイベントを開催することの教. 築している民間企業や,元プロスポーツ選手とい. 育的効果について検証するなど,多角的に意義に. うブランド力のある人物が企業協賛を中心的に担. ついて検討を試みたい。. うことによって,前述の問題は解消された。同様 に,自治体職員が参与することで,広報誌などを 通して地域住民に発信することを容易とし,地域. 謝 辞. における信用も格段に高まった。このように,大. 「レッツトライ!アダプテッド・スポーツin岩. 学,自治体,民間企業各々が,「強み・専門性」. 見沢」の開催にあたってご協力くださった各競技. を発揮し合ったことが,イベントの盛況へとつな. 団体,企業の皆様,当日ご来場いただいた皆様に. がったものと考える。. 心から感謝申し上げます。. また,イベント開催の効率性という観点のみな らず,大学・自治体・民間企業がそれぞれの立場 で関わることによって,利益も生じていた。例え. 引用・参考文献. ば,大学からはアダプテッド・スポーツに関する. 天 野 和 彦・ 及 川 力・ 香 田 泰 子・ 中 島 幸 則・ 栗 原 浩 一. 知識や経験, 会場,関連する用具などが提供され,. (2015) :第6回三大学連携・障がい者のためのスポー. 453.

(15) 大山 祐太・奥田 知靖・福原 崇之・越山 賢一・高沢 拓也・沢永 宜之・中川 和彦・佐藤 徹. ツイベント報告 筑波技術大学テクノレポート 23⑴ 89-94. Cobun, J. M.(1972):Attitude changes in vocational rehabilitation counselors related to the physically disabled during induction preparation. Education, guidance and Counseling:4084-A. 藤木大三(2013) :アメリカの小学校児童の好きなスポー ツ・観るスポーツ:ワシントン州スポケーン市4公私 立小学校の事例より.教育学論究,5:117-124. 藤田紀昭(2007) :大学生の企画・運営による障害者ス ポーツイベントの実践事例.日本福祉大学社会福祉論 集,117:123-140. Heinemann,W. Pellander,F. Vogelbusch,A. Wojtek,B. (1981):Meeting a deviant person : Subjective norms and affective reactions.European Journal of Social Psychology,11:1-25. 今枝史雄・楠敬太・金森裕治(2013):通常の小・中学校 における障害理解教育の実態に関する研究(第Ⅰ報) -実施状況及び教員の意識に関する調査を通して-. 大阪教育大学紀要 第Ⅳ部門,61⑵:63-76. J.ホイジンガ(1938):ホモ・ルーデンス.高橋英夫 訳 (1973),中央公論新社.. 80. 大山祐太(2016a):スポーツ系コース在籍学生の障害者 との接触意欲とスポーツ実施困難についての認識.弘 前大学教育学部紀要,115⑴:89-95. 大山祐太(2016b):小学生を対象としたアダプテッド・ スポーツ授業の効果の検討-ゴールボールを教材とし て-.北海道教育大学紀要(教育科学編) ,66⑵:253262. 佐藤紀子(2012) : 「アダプテッド・スポーツ」の授業が 歯学部生のスポーツや障害者に対する意識に及ぼす影 響.日本大学歯学部紀要,40:49-56. 田川元康・由良妙子(1992) :障害児に対する小学生の態 度形成―統合教育・交流教育の影響―.和歌山大学教 育学部紀要,41:1-15. Tripp,A. French,R. & Sherrill,C. (1995):Contact theory and attitude of children in physical education programs toward peers with disabilities. Adapted Physical Activity Quarterly, 12:323-332. 堤佳弘・今枝史雄・山本壮則・金森裕治(2008) :障がい 理解学習の現状と実践的課題についての基礎的研究- 通常の学級における授業実践についての報告(第1報) -.大阪教育大学障害児教育研究紀要,31:77-90.. 草野勝彦(2003) :改めて体育の可能性を問う-体育で. 内田若希・大谷まや(2013) :障害者スポーツ実習と障害. ノーマライゼーションの具体化を-.体育科教育,8:. 疑似体験における障害理解の差異の検討.障害者スポー. 10-13.. ツ科学,11⑴:33-41.. 草山太郎・細川磐・河原慶子(1995):「障害者のスポー ツ」の在り方に関する研究課題について.大阪体育大 学紀要,26:243-249.. 矢部京之助 (1997) :アダプテッド・スポーツの提言.ノー マライゼーション,12:17-19. 矢部京之助(2004) :アダプテッド・スポーツとは何か.. 益山篤子・東原文子・河内清彦(2008):通常学級におけ. アダプテッド・スポーツの科学~障害者・高齢者のス. る知的障害児に対する級友の態度に及ぼす接触および. ポーツ実践のための理論~,矢部京之助・草野勝彦・. 性別の影響について.障害科学研究,32:1-10.. 中田英雄(編著) ,市村出版:3-4.. 永浜明子(2013):「アダプテッド・スポーツ」「障がい者. 安井友康(2004):車いすバスケットボールの交流体験が. スポーツ」に対する大学生の認知度および意識レベル:. 障害のイメージに与える影響.障害者スポーツ科学,. アダプテッド・スポーツ導入に向けた授業自己評価の 観点から(第3報)大阪教育大学紀要.第5部門,教 科教育 61⑵, 47-60. 内閣府(2012):障害者に関する世論調査.. 2⑴:25-30. 行實鉄平(2010):地域におけるアダプテッドスポーツイ ベントの参加者評価.久留米大学健康・スポーツ科学 センター研究紀要,18⑴:59-72.. 内閣府(2015):H27年度版障害者白書:146-150. Okolo,C. & Guskin,S.(1984):Community attitudes toward community placement of mentally retarded persons.International Review of Research in Mental Retardation,12:25-66. 大山祐太・増田貴人・安藤房治(2012):知的障害者のス ポーツ活動における大学生ボランティアの継続参加プ ロセス―スペシャルオリンピックス日本・青森の事例 から―.障害者スポーツ科学,10⑴:35-44. 大山祐太(2015):大学資源活用によるアダプテッド・ス ポーツの振興とその意義-共生社会を目指す視点から -.芸術・スポーツ文化学研究,大学教育出版:62-. 454. (大山 祐太 岩見沢校講師) (奥田 知靖 岩見沢校准教授) (福原 崇之 岩見沢校准教授) (越山 賢一 岩見沢校教授) (高沢 拓也 NPO法人セカンドサポート) (沢永 宜之 岩見沢市) (中川 和彦 岩見沢市教育委員会) (佐藤 徹 岩見沢校教授).

(16) 「アダプテッド・スポーツ」体験イベントの実践報告. 参考資料:実施したアンケート. 455.

(17)

参照

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