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1980年代の所得•資産分配

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(1)

The Economic Studies Quarterly Vol. 45, No. 5, December 1994

1980年 代 の 所 得 ・資 産 分 配

雄*

1は

本 の個 人 間所 得分 配 は,1980年 代 を通 じて

不 平 等化 した ので あ ろ うか.1980年

代 後 半 に生

じた 資産価 格 の高 騰が 資産 格 差 を増 大 させ た こ

とは よ く知 られて い る.ま た,1980年 代 に な っ

て,金 融機 関 とそ の他 の 産 業 の問 の 賃金 格 差 が

大 き く拡大 した と もい われ て い る.さ らに,能

力 主義 的 な賃 金制 度 が 導 入 され て きた と もいわ

れ て い る.こ れ らの要 因は すべ て,所 得 格 差 の

拡大 要 因 と して働 い たは ず で あ る.本 稿 の 欝的

は,以 上 の問 題意 識 を背 景 に して,1980年 代 以

降の所 得 ・資産 格 差 の動 きを展望 す る こ とに あ

る.人 口高 齢化 と所 得分 配 の関 連 とい う新 しい

視 点 をつ け加 え て い る こ とが 特 色 で あ る.本 稿

の主 な結 論 はっ ぎの よ うに ま とめ られ る.

(1)世

帯 所 得 格 差

世 帯 所得 の不 平 等 度 は1980年 代 を通 じて拡 大

して い る.拡 大 の 要 因 は,賃 金 所 得 の 格 差 拡

大,財 産 所 得 の格 差 拡 大 であ り,こ れ らは 同時

に地 域 間所 得 格 差 の拡 大 要 因 と もな って い る.

さ らに,人

口構 造 の 高 齢 化 も大 きな 要 因 で あ

る.人 口構 造 の 高齢 化 は2つ の理 由 で格 差 拡 大

に寄 与す る.ま ず,年 齢 内所 得 格 差 は 中高 齢 者

ほ ど大 きい た め,中 高 齢 者 の 人 口増 は全 体 の 所

得 格 差 拡 大 を もた らす.さ

らに,年 齢 間所 得格

差 が 存在 す る ため,人

口構 成 その もの の変 化 が

所 得分 配 の変 化 を もた らす.

(2)賃

金 格 差

世 帯 所 得 の 中 で大 きな比 重 を 占め る賃 金格 差

の 推 移 は,つ ぎ の よ うに ま とめ ら れ る.賃 金 の 不 平 等 度 は,1980年 代 を通 じて ゆ っ く り と不 平 等 化 し て い る.こ の 不 平 等 化 の 進 展 に は さ ま ざ ま な 要 因 が あ る.日 本 に お い て は,年 齢 内 賃 金 格 差 は 高 年 齢 者 の 方 が 大 き い た め,人口 の 高 齢 化 は 賃 金 所 得 の 格 差 拡 大 に 影 響 を 与 え て い る. 学 歴 問 格 差 に つ い て は,若 年 層 に お い て は,学 歴 間 格 差 が 拡 大 す る一 方 で,中 高 年 齢 層 で は 学 歴 間 格 差 は 縮 小 して い る.そ の た め,平 均 す る と学 歴 間 格 差 の 拡 大 は み ら れ な い.こ の 点 は, 他 の 先 進 国 と大 き く異 な る.年 齢 間 格 差 につ い て は,大 卒 者 で低 下 して い る.ま た,グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 で特 徴 的 で あ っ た の は,産 業間 賃 金 格 差 が1980年 代 に 拡 大 し た こ とで あ る.産 業 間 賃 金 格 差 の 拡 大 は,産 業 間 の 業 績 格 差 が 拡 大 し た こ とに よ っ て 生 じ た とす る 研 究 結 果 が 多 い. (3)資 産 格 差 資 産 の 分 配 に つ い て は,1980年 代 後 半 の 資 産 価 格 高 騰 に よ り,地 域 間 資 産 格 差,地 域 内 資 産 格 差 が と も に 増 大 し た 結 果,資 産 格 差 の 急 拡 大 が 観 察 され て い る.し か し な が ら,1990年 代 に 入 っ て 生 じ た 資 産 価 格 の 下 落 が 資 産 分 配 に 与 え た 影 響 に つ い て は,ま だ 分 析 が な さ れ て い な い.資 産 格 差 の 要 因 と し て,地 域 間 で 異 な っ た ス ピ ー ドで 生 じた 土 地 価 格 の上 昇 に 加 え て,世 代 間 所 得 移 転 が 注 目 さ れ て い る.し か し な が ら,資 産 に 占 め る 世 代 間 所 得 移 転 の 計 測 結 果 に つ い て は,ば らつ き が 多 く,少 な く と も30%の 資 産 が 世 代 間 所 得 移 転 か ら 発 生 して い る もの か ら最 大 で30%で あ る と い う推 計 ま で あ る.

(2)

(4)所

得再 分 配制 度

租 税 ・社会 保 障 制度 が もつ所 得 再分 配機 能 に

つ い ての 研 究 で は,1980年 代 後半 の 税 制 改 革が

再 分 配機 能 を低 下 させ る効 果 を もった こ とが示

されて い る.ま た,公 的 年 金制 度 の 研 究 で は,

代 間 の 所得 移 転 の 存在 だ け で な く,世 代 内の

所 得 移 転 効 果 の分 析 が行 われ,高 年 齢 層 で は生

涯 賃 金 の 高 い労働 者の 方 が よ り多い移 転 所 得 を

得 る こ とが 明 らか に され て い る.

本 稿 の構 成 はつ ぎの とお りで あ る.第2節

盤 帯 所得 分 配 の推移 を分 析 し,第3節

で賃 金 所

得 分 配 の推 移 につ い て展望 す る.第4節

に おい

て,資 産 格 差,生 涯 所 得分 配 につ い て,第5節

で税 制 ・社会 保障 制 度 の 所得 再分 配効 果 に つ い

て 展 望 す る.第6節

を結論 とす る.

2世

帯 所 得 分 配

(1)

世 帯 所得 分 配 の推 移

日本 の世 帯 所得 分 配 は,高 度 成長 期 を通 じて

平 等化 す る傾 向 に あ った こ とが よ く知 られ て い

る.1)こ の世 帯 所 得 分 布 の傾 向 的 変 動 は1980年

代 に もあ て は ま るの で あ ろ うか.2)

最 近 の 所 得

分 配 の動 き を分 析 す る際 に,用 い る統 計 に よ り

傾 向 が 異 な る こ とに 注 意 す る 必要 が あ る.3)時

系列 デー タ と して しば しば用 い られ る所得 分 布

統 計 は,『 家 計 調 査 』 お よび『 貯 蓄動 向 調 査 』

で あ る,こ の うち 『

家 計調 査 報告 』 の 年 間所 得

5分 位 階 級別 デー タに基 づ いて年 間 所 得 の不 平

等 度 を ジニ係 数 に よっ て示 した ものが,表1の

第1列 と第2列 で あ る.こ の 嫁 計 調 査』 に基

づ け ば,全 世帯 の所 得 分 布 は1980年 代 を通 じて

不 平 等化 して い るこ とが わ か る.勤 労 者世 帯 に

つ い て も,全 世 帯 の場 合 に 比べ る と緩 や か な ト

レ ン ドで不 平 等化 した こ とが観 察 され る.

と こ ろ が,『 家 計 調査』,『貯 蓄 動 向 調 査 』 の

場合 は,単 身 世帯 と農 家世 帯 がサ ンプ ル に含 ま

れ て い な い とい う問 題 が あ る.こ れ に 対 して

国 民 生 活 基礎 調査』,『全 国消費実態調査』 で

は農 家 世 帯 と単 身世 帯 も含 ん だ調 査 が な され て

い る.と くに,低 所得層のサ ンプ リングの正確

さは『 国 民 生 活基 礎 調査 』 が上 回 る と され て い

る.「国 民 生 活 基 礎 調 査 』 か ら計 測 さ れ た ジ ニ 係 数 に よ る不 平 等 度 が,表1の 第4列 か ら 第6 列 に 示 さ れ て い る.こ の 係 数 は,も と に した デ ー タ が 階 級 別 デ ー タ で あ る か ,個 票 デ ー タ で あ るか で そ の 大 き さ が 異 な っ て い る が,ど の 係 数 も 同 じ傾 向 を示 し て い る.『家 計 調 査』 よ り算 出 し た ジ ニ 係 数 に 比 べ て,『 国 民 生 活 基 礎 調 査』 か ら 算 出 し た ジ ニ 係 数 は,係 数 の 大 き さが よ り 大 き い こ と と,1980年 代 に お け る 不 平 等 化 の 進 展 が よ り大 き く表 さ れ て い る.表1の 第7列 自 と第8列 目 に は『 全 国 消 費 実 態 調 査』 に 基 づ く ジ ニ 係 数 と4分 位 分 散 係 数 の 推 移 が 示 さ れ て い る.ジ ニ 係 数 の レ ベ ル は,『 家 計 調 査』 と 『国 民 生 活 基 礎 調 査 』 の 間 に あ る.こ の 調 査 に お い て も,1980年 代 に お け る 世 帯 所 得 の 不 平 等 化 が み て とれ る. い ず れ の 統 計 に よ っ て も,1970年 代 に 比 べ て 1980年 代 以 降 は,所 得 分 配 が 不 平 等 化 し て い る.し か し,そ の 進 行 速 度 に つ い て は,統 計 に よ り異 な っ て い る.『 国 民 生 活 基 礎 調 査』 に よ れ ば,1980年 代 を 通 じて 日本 の 家 計 所 得 の 不 平 等 度 は 急 激 に 上 昇 し た.と こ ろ が,『 家 計 調 査 』 や『 貯 蓄 動 向 調 査 』 に よ れ ば,課 税 前 所 得 の 分 配 は ゆ っ く り と 不 平 等 化 し た と い え る.こ れ は,後 者 の 統 計 で は 単 身 者 や 農 家 を サ ン プ ル と し て 含 ん で い な い 点 が 大 き な 影 響 を 与 え て い る と考 え ら れ る.4) (2)世 帯 所 得 分 配 の 変 動 要 因 世 帯 所 得 は1980年 代 を通 じ て 不 平 等 化 して き た と い え る.さ て,そ の 不 平 等 化 に 寄 与 し た 変 動 の 要 因 は 何 で あ ろ う か 。 橘 木 ・八 木(1994) は,1980年 代 に 世 帯 所 得 格 差 が 高 ま っ た 要 因 と し て,(1)所 得 の 構 成 要 素 中 で最 も 大 き い 賃 金 所 得 の 不 平 等 化 が 進 ん で い る こ と,(2)1980年 代 後 半 に お け る 資 産 価 格 高 騰 に より,資 産 所 得 格 差 の 拡 大 が 世 帯 所 得 格 差 に 大 き な 影 響 を 与 え た こ と,を あ げ て い る.さ ら に,橘 木 ・八 木(1994) は,世 帯 所 得 不 平 等 の 要 因 に つ い て,所 得 源 泉 別 に ジ ニ 係 数 を分 解 し て 分 析 して い る.そ れ に よ る と,勤 労 者 世 帯 の 所 得 不 平 等 度 を 決 定 す る 最 も 大 き な 要 因 は,世 帯 主 収 入 の 不 平 等 度 で あ る,つ ぎ に 重 要 な 所 得 源 泉 は,1970年 代 後 半 以

(3)

-386-大 竹文雄:1980年 代 の 所得 ・資産分 配 表 1 世 帯所 得 不 平 等 度 の 推 移 (注)* 松 浦(1993a) の サ ンプ ル は,家 計 調 査 の う ち12月 調 査 を含 む もの に 限 ら れ て い る. ** この 係 数 は 「所 得 再 分 配 調 査」 に 報 告 さ れ て い る. 降,妻 の 収 入 が 大 き な 要 因 を 占め て い る.5) し か し な が ら,財 産 所 得 の 不 平 等 貢 献 度 は1980年 代 に 入 っ て 上 昇 し た と は い え な い.6),7)し た が っ て,マ ク ロ 時 系 列 デ ー タ か ら世 帯 所 得 の 不 平 等 化 が 財 産 所 得 の 不 平 等 度 が 上 昇 し た 結 果 生 じ た と い う実 証 結 果 は 現 在 の と こ ろ 得 ら れ て い な い.8),9) 地 価 高 騰 に よ る 資 産 所 得 の 変 動 が,世 帯 所 得 格 差 拡 大 の 大 き な 要 因 で あ れ ば,地 域 間 所 得 格 差 の 変 動 に 注 目 す る必 要 が あ る.地 価 の 高 騰 は 当 初 東 京 圏 を 中心 に 発 生 し た た め で あ る.谷 沢 (1992)は,さ ま ざ ま な デ ー タ を 用 い て1人 当 た り所 得 お よ び世 帯 当 た り所 得 の 地 域 間 所 得 格 差 の 推 移 を分 析 し て い る.い ず れ の デ ー タ に お い て も,1980年 代 を通 じて 地 域 間 所 得 格 差 が 拡 大 し て い る こ と が 示 さ れ て い る.10),11)その 格 差 拡 大 は,資 産 価 格 高 騰 に よ る 財 産 所 得 の 寄 与 だ け で な く,企 業 所 得,雇用 者 所 得 の 地 域 間 格 差 の 拡 大 に よ っ て も もた ら さ れ て い る,財 産 所 得 の 不 平 等 化 は1980年 代 後 半 で は,地 域 間 所 得

(4)

の 不 平 等化 に貢 献 して い る.

(3)人

口高齢 化 と所 得分 配

1980年 代 を通 じて,日 本 の 人 口の 高 齢化 は着

実 に 進 展 して きた。 この 点 は,図1に

示 した よ

うに,世 帯 主 の年 齢 分 布 の変 化 で も明確 に観 察

で き る.年 齢 間格 差 お よび 同一 年 齢 グルー プ 内

の 所得 分 配 が 同一 であ って も,人口 構 成 の変 化

に よ り,所 得分 配 が 悪 化 した よ うに 見 え る可 能

性 が あ る.12)第1に,同

一 年 齢 内 の 所 得 格 差

は,年 齢 が 高 くな るに 従 っ て大 き くな る.人 口

高 齢化 に よ り,所 得 格 差 の大 きい グルー プ が 相

対 的 に 多 くな るため に,経 済全体 の所 得 不 平 等

度 が拡 大 す る可能 性 が あ る.

第2に,日

本 の よ うに年 齢(勤 続年 数)間 の

賃 金格 差 が比 較的 大 きい 国 で は,人 口構 成 の変

化 が経 済 全体 の所 得 格差 に も影響 を与 え る.人

口構 成 の変 化 の効 果 を除 い て,所 得 分 布 の 変動

をみ る ため に.年 齢 内所 得 格 差 を2時 点 で 比較

図1

世帯主隼齢分布

(資料)『全国溝費実態調査』. 図2 年 齢 階 級 別 所 得 不 平 等 度(ジ ニ係 数) の 推 移 (資料)「 全国 溝 費実 態 調 査」.

して み よ う.図2に,『

全 国 消 費 実 態 調 査 』 の

年 齢 階 級別 所 得 格 差 を示 した.こ れ に よれ ば,

1984年 か ら89年 の 間 に世 帯所 得 の ジニ 係数 は上

昇 して い るが,年 齢 階 級別 に み る と一 様 に上 昇

して い るわ け では ない.ジ ニ係 数 の 上 昇 が観 察

され るの は,若 年 層(30歳 代)と 高 年 層(60歳

以 上)で あ り,中 年 層 で は変 化 が ない か不 平 等

度 は低 下 して い る.し た が っ て,人 口構 成 の 変

化 が所 得 分 配 の 変 化 を もた ら して い る可能 性 は

否 定 で きな い.今 後 は こ の よ うな同一 コー ホー

トの 所得 分 配 と人 口構 成 の 影 響 の要 因 を分 離 し

て,所 得 分 配 の研 究 を行 うこ とが 必要 で あ る.

(4)世

帯 規模 と所 得 分 布

人 口の高 齢 化 と と もに,世 帯所 得 格 差 の拡 大

要 因 と考 え られ る もの に,高 齢 者 の 中 での 同居

比 率 の 低 下 が あ げ られ る.13)『国

民 生 活 基礎 調

査 』 に よれ ば,60歳

以上 の もの の うち,単 独 か

夫婦 のみ の世 帯 の もの の 比率 は1980年 で29.9%

で あ っ た が,1992年

で は40.4%に

増 加 して い

る.高 齢 者 の み の世 帯 の 増加 は,勤 労 所 得が な

い世 帯 の増 加 を意味 す る ため,見 か け 上 の世 帯

所 得分 布 の 不 平 等化 を もた らす.も ち ろん,高

齢 者 の独 立 世 帯 の増 加 理 由 と して は,高 齢 者 の

公 的年 金 水 準 の上 昇 等 の 所 得 増加 が1つ の要 因

で あ り,高 齢 者独 立 世 帯 の 増加 が必 ず しも所得

分 布 の不 平 等 化 を もた らす とは 限 らな い.し か

し,高 齢 者世 帯 の所 得 が,平 均 的 に非 高齢 者世

帯 の所 得 よ りも低 い場 合 に は,所 得 分 配 の不 平

等 度 の拡 大 要 因 とな る と考 え られ る.し た が っ

て,日 本 の 世 帯所 得 分 布 を考 慮す る際 に,高 齢

者 の 独 立 世 帯 比 率 の 変 動 を考 慮 す る 必 要 が あ

る..14)

3

賃 金 所 得 の 分 配

3.1 賃 金 所 得 の 分 布

世 帯 所 得 の 不平 等 の うち最 も大 きな要 因 とな

って い る もの は,世 帯 主 の 所 得 で あ る.こ こで

は,こ の勤 労所 得 の 不 平 等度 の変 化 に焦 点 を当

て る.『賃 金 構 造 基 本 調 査』 に 基 づ い て,賃 金

格 差 の 推移 を分 析 して み よ う.表2に,第1・

10分 位 対数 賃 金 と第9・10分

位 対 数 賃 金 の 階 差

(5)

-388-大 竹文 雄:1980年 代の 所得・ 資産 分配

表2

賃金格差の推移

図3

学歴間賃金格差の推 移

-大卒 ・高卒年 問賃金比率

(資料)『賃金構造基本調査』. 図4年 齢 間賃 金 格 差 の 推 移 -40歳 代 後 半 と20歳 代 後 半 の 年 間 賃 金 比 率 (注)所 定内賃金の第1・10分位と第9・10分位の対数階差. いずれも常用労働者. (資料)『賃金構造基本調査』. を賃 金 格 差 の 指 標 と し て 用 い て,そ の 推 移 を 示 し て い る.正 規 従 業 員 の 全 労 働 者,男 子 労 働 者,女 子 労 働 者 別 に 賃 金 格 差 を示 し た.1970年 代 半 ば 以 降,日 本 の 賃 金 の 平 等 度 は ゆ っ く り と した 拡 大 傾 向 を も っ て い る. 3.2 グ ル ー プ間 賃 金 格 差 の 推 移 (1)学 歴 間 賃 金 格 差 図3に 学 歴 間 賃 金 格 差 の 推 移 を 示 し た.男 子 労 働 者 全 体 の も の と,20歳 代 後 半 層,40歳 代 後 半 層 の 学 歴 間 賃 金 格 差 を,大 卒 と 高 卒 の 平 均 賃 金 の 対 数 階 差 で 示 して あ る.全 労 働 者 で み た 学 歴 間 賃 金 格 差 は,ア メ リ カ と 異 な り,全 労 働 者 で み る と近 年 拡 大 傾 向 に あ る とは い え な い.し か し,若 年 労 働 者 に お い て は 学 歴 間 賃 金 格 差 が 拡 大 し て い る.一 方,中 高 年 労 働 者 に お い て は 学 歴 間 格 差 は 縮 小 傾 向 に あ る.樋 口(1994)は, 生 涯 賃 金 の 学 歴 間 格 差 の 推 移 を分 析 して お り, 生 涯 賃 金 の 学 歴 間 格 差 が 拡 大 傾 向 に は な い こ と が 示 さ れ て い る 。 (2)年 齢(勤 続)間 賃 金 格 差 年 齢 間 賃 金 格 差 の 推 移 を 図4に 示 した.年 齢 (資料) 『賃金構造基本調査毒.25∼29歳賃金と45∼49歳 金の対数比率. 間 賃 金 格 差 は,大 卒 労 働 者 で は 縮 小 傾 向 に,高 卒 労 働 者 で は 拡 大 傾 向 に あ る.ま た,勤 続 年 数 に よ る 賃 金 格 差 が,1980年 代 を通 じて 低 下 し て い る こ とが,Clark and Ogawa (1992a),Ha-shimoto and Raisian(1992)に よ っ て 確 か め ら

れ て い る。 た だ し,Hashimoto and  Raisian (1992)は,小 規 模 企 業 に お い て は,勤 続 年 数 賃 金 格 差 が 拡 大 して い る こ と を確 認 し て お り, す べ て の 労 働者 で 一 様 に 勤 続 賃 金 格 差 が 低 下 し た わ け で は な い こ と が 示 さ れ て い る.

勤 続 年 数 格 差 が 低下 し た 理 由 と し て,Clark and Ogawa (1992a,b) は,人口 構 成 が 高 齢 化

し た こ と を 理 由 に あ げ て い る.こ れ に 対 し, Hashimoto and Raisian(1992)は,人 口 構 成

の 高 齢 化,製 造 業 か らサ ー ビ ス 産 業 へ の 産 業 構 造 の 変 化 と い っ た 長 期 的 な 要 因 に 加 え て,景 気 変 動 の 影 響 と い う 短 期 的 な要 因 も 重 な っ て い る

(6)

可 能 性 を指 摘 して い る.こ の 景 気 変 動 と勤 続 年 数 格 差 の 関 係 に つ い て は,Higuchi(1989),石 川 (1991),Ohkusa  and Ohta (1994)の 分 析 が あ る.Higuchi (1989)は,有 効 求 人 倍 率 と 勤 続 年 数 の 交 差 項 に よ り労 働 市 場 と 賃 金 プ ロ フ ァ イ ル の 関 係 を 推 定 して い る.こ の 結 果,労 働 市 場 が 逼 迫 す る と賃 金 プ ロ フ ァ イ ル が 緩 く な る こ と を示 し て い る.ま た 石 川(1991) も,年 齢 賃 金 プ ロ フ ァ イ ル が 労 働 市 場 の 逼 迫 に よ り緩 や か に な る こ と を 示 し て い る.さ ら に,Ohkusa and Ohta(1994)は,勤 続 年 数 別 賃 金 格 差 が 技 術 革 新 お よ び 景 気 変 動 と どの よ う な 関 係 が あ る か を分 析 して い る.技 術 革 新 に よ る生 産 性 上 昇 は 勤 続 年 数 間 賃 金 格 差 を 高 め る が,労 働 市 場 の 逼 迫 は 勤 続 年 数 間 賃 金 格 差 を 縮 小 す る,と さ れ て い る. (3)グ ル ー プ間 賃 金 格 差 変 動 の 説 明 グ ル ー プ 間 賃 金 格 差,と くに 学 歴 間 賃 金 格 差 の 変 動 要 因 に つ い て は,ア メ リカ に お い て 多 数 の 研 究 が 行 わ れ て お り,次 の3つ の 要 因 が 指 摘 さ れ て き た.(1) 供 給 要 因:低 学 歴 者,未 熟 練 労 働 者 の 相 対 的 増 加,(2)需 要 要 因:貿 易 自 由 化 の 進 展 に よ りア メ リ カ 国 内 に お け る 未 熟 練 労 働 に 対 す る 需 要 が 低 下,技 術 進 歩 が 高 学 歴 者 や 熟 練 労 働 に 対 す る 需 要 を増 大 させ る よ う な バ イ ア ス を も っ て 生 じ た,(3)制 度 的 要 因:賃 金 の 平 等 化 を指 向 し て き た 労 働 組 合 の 組 織 率 低 下 が 大 き な 要 因 と し て あ げ ら れ て い る.こ の う ち 供 給 要 因 と需 要 要 因 に つ い て の 日本 に お け る研 究 を 紹 介 し よ う. a 労 働 供 給 要 因 に よ る グ ル ー プ 問 賃 金 格 差 の 変 動 玄 田(1994a)は 日 本 で 初 め て,労 働 力 構 成 が 賃 金 格 差 に 与 え た 影 響 を数 量 的 に 分 析 し た. 玄 田(1994a)に よ れ ば,高 学 歴 化 に よ る 学 歴 間 賃 金 格 差 の 縮 小 と,第1次 ベ ビ ー ブ ー ム 世 代 が 高 年 齢 化 した こ と に よ る年 齢 間 賃 金 格 差 が 縮 小 し た こ とが,技 術 革 新 や 貿 易 の 自 由 化 に 伴 う 熟 練 労 働 力 に 対 す る 需 要 増 に よ る 賃 金 格 差 拡 大 効 果 を 相 殺 し た と さ れ て い る.15)労 働 供 給 要 因 の1つ と して 無視 で き な い 要因 に な りつ つ あ る の は,外 国 人 労 働 者 の 流 入 で あ る.日 本 に お い て,外 国 人 労 働 者 が 賃 金 格 差 に 与 え た 影 響 を実 証 分 析 し た 研 究 例 は 少 な い が,今 後 の 研 究 テ ー マ と し て 重 要 で あ る .16) b 技 術 革 新 と賃 金 格 差 図3で み た よ う に,若 年 層 で は 学 歴 間 賃 金 格 差 が 拡 大 し て い るが,こ れ は,最 近 の コ ン ピ ュ ー タ を 中 心 と し た 技 術 革 新 に よ り若 年 の 高 学 歴 者 に 対 す る 需 要 が 相 対 的 に 増 加 し て い る こ と を 示 し て い る 可 能 性 が あ る.玄 田(1994a)は, 勤 続 年 数 と 独 立 に 決 定 さ れ る賃 金 の 部 分 に つ い て は,若 年 層 で 学 歴 間 賃 金 格 差 が 拡 大 し て い る こ と と,若 年 者 の 相 対 賃 金 が 上 昇 して 賃 金 格 差 が 縮 小 し て い る こ と を 示 し て い る。17)こ の 点 は,高 学 歴 者 と若 年 労 働 者 に 対 す る 需 要 シ フ ト が 生 じ て い る こ と と 整 合 的 で あ り,産 業 レ ン ト ,技 術 革新,国 際 競 争 力 の 変 動 が 大 き な 影 響 を 与 え て い る と して い る.

先 に も述 べ た よ う に,Mincer and Higuchi (1988),樋口(1992),Ohkusa and Ohta (1994)は,技 術 進 歩 と 賃 金 プ ロ フ ァ イ ル の間 に 正 の 相 関 が あ る こ と を 示 し て い る.大 沢 (1993)は,1989年 の 産 業 中 分 類 の 『賃 金 構 造 基 本 調 査』 の デ ー タ を用 い て,技 術 進 歩 が 賃 金 に 与 え る 影 響 を 分 析 し て い る.駿 河(1991b) は,銀 行 業 に お け る コ ン ピ ュ ー タ の 導 入 が 労 働 需 要 に 与 え た 影 響 を分 析 し て い る.今 後 の 課 題 と して,情 報 化 の 進 展 が 高 学 歴 者 の 需 要 を 増 大 さ せ て い る か ど うか に つ い て の よ り 直 接 的 な 実 証 研 究 が 必 要 で あ る.18) c経 済 の 園 際 化,貿 易 自 由 化 に よ る 賃 金 格 差 拡 大 経 済 活 動 の 国 際 化 に よ り,未 熟 練 労 働 集 約 的 な 貿 易 財 を外 国 か ら の 輸 入 に よ っ て 賄 う よ うに な れ ば,国 内 に お け る未 熟 練 労 働 者 に 村 す る 需 要 が 低 下 す る.こ の こ とが,ア メ リカ に お け る 学 歴 間 賃 金 格 差 拡 大 の 一 因 と さ れ て い る.日 本 に つ い て,製 品 輸 入 の 拡 大 が 賃 金 格 差 の 拡 大 に 影 響 を 与 え た か 否 か の 研 究 は ま だ 存 在 し な い.19)急 激 な 円 高 に よ り 海 外 直 接 投 資 が 増 加 し て い る 中 で,将 来 の 賃 金 格 差 が ど の よ う な 影 響 を 受 け る可 能 性 が あ るの か に つ い て の 分 析 は 必 要 で あ る.

(7)

-390-大 竹 文 雄:1980年 代 の 所 得 ・資産 分 配

図5規

模 間賃金 格差

3.3 グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 (1)産 業 間 賃 金 格 差 同 一 学 歴,同 一 年 齢 の グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 の う ち,産 業 間 賃 金 格 差 は1980年 代 を通 じて 拡 大 傾 向 に あ っ た こ とが,多 くの研 究 で 確 認 さ れ て い る(橘 木 ・太 田(1992),上 島 ・舟 場(1993), Higuchi(1989),Gittleman and Wolff (1993),中 村(1989)).橘 木 ・太 田(1992)は, 『 賃 金 構 造 基 本 調 査 』 の 個 票 デ ー タ を 用 い て, 1977年 と85年 の間 で,他 の 要 因 を コ ン トロ ー ル して 産 業 間 賃 金 格 差 が ど の 程 度 あ るか を 計 測 し て い る.そ の 結 果,産 業 間 賃 金 格 差 は こ の 期 間 に お い て 拡 大 し て い る こ と を示 して い る.さ ら に,産 業間 賃 金 格 差 を も た ら して い る要 因 と し て,市 場 収 益 力 の 格 差 を あ げ て い る.Higuchi (1989)は,産 業 間 格 差 が1970年 代 半 ば 以 降 拡 大 傾 向 に あ る こ と を 指 摘 し て い る.こ の 産 業 閥 格 差 の 拡 大 要 因 と し て,国 際 競 争 に さ ら さ れ て い る産 業 で は,と くに 中 高 年 層 の 賃 金 が 抑 制 さ れ て い る こ と を実 証 的 に 示 し て い る.20) (2)企 業 規 模 間 賃 金 格 差 グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 の う ち,日 本 で 古 くか ら 注目 さ れ て き た もの は,企 業 規 模間 賃 金 格 差 で あ る.規 模間 賃 金 格 差 の 推 移 を 学 歴 別 に 図5に 示 し た.企 業 規 模 間 賃 金 格 差 は,高 度 成 長 期 を 通 じ て 縮 小 し て き た こ とが,多 くの 研 究 で 明 ら か に さ れ て き た.と こ ろ が,1980年 代 に つ い て は,企 業 規 模間 賃 金 格 差 が 拡 大 し て き た こ と を 指 摘 す る研 究 が 存 在 す る.Rebick(1993)は, ア メ リ カ に 比 べ て,日 本 の 規 模 間 賃 金 格 差 が 大 き い こ と と,日 本 に お い て は,1970年 代 半 ば 以 降,規 模間 賃 金 格 差 が 拡 大 傾 向 に あ る こ と を 示 し て い る.21)Tachibanaki(1993)は,『 賃 金 構 造 基 本 調 査 』 の 個 票 を 利 用 して,企 業 規 模 間 賃 金 格 差 を 推 定 し て お り,規 模 間 賃 金 格 差 の 拡大 を 報 告 し て い る.こ れ に 対 し,玄 田(1994a) は,規 模間 格 差 の 拡 大 は,労 働 者 の 属 性 を コ ン トロー ル す れ ば 生 じて い な い と して い る 、 こ の よ う に,規 模間 賃 金 格 差 が 拡 大 した か ど うか に つ い て は 確 定 的 な こ と が い え な い.こ の 理 由 は,Hashimo to and Raisian(1992)で 明 ら か

(資料)『 賃金構造基本調査』. に さ れ て い る よ う に,企 業 規 模 に よ っ て 勤 続 年 数 間 の 賃 金 格 差 の 動 きが ま っ た く異 な っ て い る た め で も あ る.22)今 後,よ り詳 し い 研 究 が 必 要 な 分 野 で あ る. (3)産 業 間 ・規 模間 格 差 の 発 生 理 由 産 業 間 ・規 模 間 格 差 の 発 生 理 由 と して は,(1) 補 償 賃 金 格 差,(2)労 働 組 合 組 織 率 の 差,(3)モ ニ タリ ン グ 費 用 の 違 い を 強 調 す る効 率 賃 金 仮 説, (4)レ ン ト ・シ ェ ア リ ン グ と い っ た 仮 説 が あ げ ら れ て い る. 労 働 環 境 が 異 な る こ と を補 償 す る よ うに 賃 金 格 差 が 生 じ て い る と い う補 償 賃 金 格 差 に つ い て 検 討 し て い る の が,上 島 ・舟 場(1993) と 玄 田 (1993)で あ る.い ず れ も,補 償 賃 金 格 差 で は 十 分 に 産 業 間 賃 金 格 差 を 説 明 で き な い と し て い る.産 業 間 賃 金 格 差 ・企 業 規 模 間 賃 金 格 差 の い ず れ に お い て も,企 業 の 収 益 力 格 差 に よ っ て 賃 金 格 差 が 発 生 して い る と い う レ ン ト ・シ ェ ア リ ン グ を要 因 と して あ げ る研 究 が 多 い(橘 木 ・太 田(1992),Tachibanaki(1993),上 島 ・舟 場 (1993),樋 口(1991)等).ま た,Kishi(1994) は,規 模 に 関 す る 収 穫 逓 増 が 規 模 間 収 益 格 差 を 発 生 させ る 一 方 で,賃 金 に 利 潤 分 配 の 部 分 が 存 在 す る と い う こ と を 実 証 的 に 示 し,規 模 間 賃 金 格 差 が 規 模 間 の 収 益 格 差 を 反 映 し て い る と し て い る. 企 業 の 収 益 力 格 差 が 賃 金 格 差 に 結 びつ く理 由 と し て は,(1)労 働 移 動 の コ ス トが 高 い こ と,(2) 企 業 特 殊 的 人 的 資 本 が 大 き く,そ の 投 資 と収 益 を労 働 者 と企 業 で 分 配 し て い る,(3)企 業 の 所 有 が 実質 的 に 従 業 質 に よ っ て な さ れ て い る.(4)労

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働 者 の イ ン セ ン テ ィ ヴ を 高 め る た め に 利 潤 分 配 型 の 賃 金 契 約 が 行 わ れ て い る,と い っ た 理 由 が 考 え ら れ る.樋 口(1991)は,中 高 年 で 産 業間 賃 金 格 差 が 拡 大 し た 理 由 と し て,中 高 年 の 方 が 労 働 移 動 コ ス トが 高 い た め で あ る と し て い る. しか し な が ら,レ ン ト ・シ ェ ア リ ン グが ど の よ う な理 由 で 発 生 し て い る の か に つ い て は,十 分 な 実 証 分 析 は な い. (4)労 働 者 構 成 と賃 金 格 差 労 働 者 の 構 成 の 変 化 は,2つ の 意 味 で 賃 金 格 差 に 影 響 を 与 え る.高 学 歴 者 や 中 高 年 労 働 者 の 相 村 的 増 加 は,学 歴 間 格 差 や 年 齢 間 格 差 を縮 小 す る 方 向 に 働 く.一 方,も と も と グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 が 大 き い 中 高 年 齢 の 相 対 的 増 加 は,賃 金 労 働 者 全 体 で の 賃 金 格 差 の 拡 大 要 因 と な る.前 者 の 影 響 が 存 在 す れ ば,労 働 者 構 成 を 一 定 と し て お く と,賃 金 格 差 は 縮 小 し て い る可 能 性 さ え あ る.男 子 労 働 者 の 年 齢 構 成 を 図6に,年 齢 階 級 別 の 賃 金 格 差 を 図7に 示 し た.日 本 で は,規 模間 賃 金 格 差,産 業 間 賃 金 格 差 と もに,中 高 年 の 方 が 大 き い た め,年 齢 内 賃 金 格 差 は,若 年 層 で は 小 さ く,高 年 齢 層 で は 大 き い.年 齢 階 級 別 の 賃 金 格 差 は1980年 代 を通 じて 大 き な 変 動 は 観 察 さ れ な い が,労 働 者 構 成 の 高 年 齢 化 が 大 幅 に 進 ん だ こ とが 観 察 で き る.こ の 点 を数 量 的 に 確 認 し た の が,玄 田(1994a)で あ る.玄 田(1994 a)は,労 働 者 を 年 齢,学 歴,産 業,企 業 規 模 で グ ル ー プ 化 し,そ れ ぞ れ の 労 働 者 構 成 の 変 化 が 賃 金 格 差 に ど の よ う な 影 響 を 与 え た か を 分 析 し て い る.実 際,労 働 者 の 構 成 を一 定 に して お 図6男 子 労 働 者 の 年 齢 分 布 (資料)『 賃金構造基本調査』.

図1年

齢内貨金 格差の推移

(注)第9・10分位と第1・10分位の対数賃金格差. (資料)『 賃金構造基本調査』. く と,賃 金 格 差 は1980年 代 を 通 じ て 縮 小 し て い る こ とが 示 さ れ て い る.若 年 よ り も中 高 年 で, 学 歴 間 格 差,規 模 間 格 差,産 業 間 格 差 が 大 き い が,人 口 構 成 の 高 齢 化 で,こ の よ う な賃 金 格 差 の 大 き な グ ル ー プ の 比 重 が 大 き く な っ た 結 果, 全 体 の 賃 金 の 不 平 等 度 が 高 ま っ た 側 面 が 大 き い こ と を 示 し て い る.23) (5)企 業 間 賃 金 格 差 産 業 間 ・企 業 間 賃 金 格 差 の 大 き な 要 因 と し て,レ ン ト ・シ ェ ア リン グ の 存 在 を指 摘 す る研 究 が 多 か っ た 。 も し そ う で あ れ ば,産 業 内 の 企 業 間 賃 金 格 差 も 存 在 す る は ず で あ る.と こ ろ が,産 業 内 賃 金 格 差 が 拡 大 傾 向 に あ る か 否 か に つ い て,直 接 分 析 し た 研 究 は な い .た だ し,賃 金 決 定 の う ち個 別 企 業 の 業 績 に 応 じ て 賃 金 ・ボ ー ナ ス が 決 定 さ れ て い る 企 業 の 比 率 を 分 析 して こ れ に 接 近 す る こ と は 可 能 で あ る .利 潤 分 配 型 の 賃 金 制 度 が 導 入 さ れ て い る 場 合 に は,産 業 間,企 業 間 の 業 績 格 差 が 賃 金 格 差 を も た らす こ と に な る. 産 業 別 デ ー タ を 用 い て こ の 利 潤 分 配 制 度 の 検 証 を行 っ た も の と して は,Freeman and Weitz-man(1987)お よ び 駿 河(1987) が あ る.し か し な が ら,産 業 別 デ ー タ で は,産 業 別 の 集 計 さ れ た 業 績 は,産 業 別 の 労 働 需 要 と相 関 が 高 く,利 潤 分 配 綱 度 の 結 果 産 業 間 賃 金 格 差 が 生 じ た の か,産 業 別 労 働 市 場 が 分 断 さ れ て い る た め に 賃 金 格 差 が 生 じた の か を 識 別 す る こ と は 困 難 で あ る.そ の た め に,企 業 別 デ ー タ を 用 い た 実 証 研

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-392-大 竹 文 雄:1980年 代 の 所 得 ・資 産 分 配 究 が 行 わ れ て き た(ブ ル ネ ッロ]・大 竹(1987), Brunello(1991),吉 川(1992),翁 ・竹 内 ・吉 川 (1989),大 橋(1994),大日 ・大 竹(1994)). 研 究 結 果 を み る と,す べ て の 企 業 で 利 潤 分 配 制 度 が 取 り入 れ られ て い る わ け で は な い が,利 潤 分 配 型 の 賃 金 決 定 を行 っ て い る 企 業 も 多 く存 在 す る こ とが 示 さ れ て い る. (6)企 業 内 賃 金 格 差 企 業 内 賃 金 格 差 が1980年 代 を通 じて 拡 大 した か 否 か に つ い て の 数 量 的 研 究 は,ほ と ん ど な さ れ て い な い.例 外 的 にTachibanaki(1993) が,企 業 規 模 別,学 歴 別,職 種 別(ブ ル ー カ ラ ー ・ホ ワ イ ト カ ラ ー) ,年 齢 別 に 賃 金 分 布 を 計 測 して い る.そ の 結 果,年 齢 が 高 くな る ほ ど, 企 業 規 模 が 小 さ い ほ ど,そ し て ブ ル ー カ ラ ー 労 働 者 よ り も ホ ワ イ トカ ラ ー 労 働 者 の 方 が,同 一 グ ル ー プ 内 で の 賃 金 格 差 が 大 き い こ と が 示 さ れ て い る.し か し な が ら,こ の グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 が1980年 代 を通 じて 拡 大 し た の か どう か に つ い て 数 量 的 分 析 は 行 わ れ て い な い.24),25),26)企 業 内 の 同 一 グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 の 推 移 は,近 年 広 ま っ て い る と い わ れ る 能 力 主 義 的 な 人 事 制 度 の 導 入 と密 接 な 関 連 が あ る.今 後 の 賃 金 格 差 の 研 究 で 重 要 な 研 究 テ ー マ と考 え ら れ る。27) 4資 産 分 布 4.1資 産 分 布 の 推 移 日本 の 家 計 の 最 も 大 き な 資 産 項目 で あ る 土 地 保 有 に つ い て は,統 計 デ ー タ が 整 備 され て い な か っ た た め,研 究 例 が 少 な か っ た.実 物 資 産 の 保 有 分 布 に つ い て は,経 済 企 画庁(1975)が, 家 計 調 査 の 個 票 デ ー タ の 固 定 資 産 税 支 払 額 の デ ー タ か ら 土 地 の 保 有 額 を 推 計 し た も の が た だ1 つ の 例 外 で あ っ た.し か し な が ら,資 産 分 布 に つ い て の 研 究 は,最 近 急 速 に 進 み つ つ あ る.土 地 資 産 を 含 ん だ 資 産 分 布 の 推 移 を表3に ま とめ た. 高 山 編(1992)は,1979年 と84年 の 『全 国 消 費 実 態 調 査 』 の 個 票 デ ー タ と地 価 公 示 デ ー タ を 利 用 す る こ と で,土 地 保 有 額 の 分 布 を 計 測 し て い る.『 全 国 消 費 実 態 調 査 』 の1989年 調 査 の 報 表3資 産 保 有 の 不平 等 度(ジ ニ係 数)の 推 移 (注)高 山編(1992)は,『 全国消 費実態調査毒 によ る推 計 で, 農家世帯 を除 く2入 以上 に普通世 帯を対象 としており,資 産の中に土地 ・住宅 ・耐久消 費財 ・金融資産 を含む.た だ し,1987年 の推定は,1984年 のデータに株式 ・土地の キャ ピタルゲ インを別途推定 して加えた ものであ る.高 山 ・有 田(1994)は,『全国 消費実 態調査』に基づ く推定 であり, 農家世帯 を含んだ2入 以上 の普 通世帯 を対象 としてい る. 松浦(1993a)は、『家計調査』・ 『貯蓄動 向調査』をマ ー ジ させ て推定 した もの であ り,農 家世帯 を除 く2人 以上の普 通世帯 を対象 としている.資 産 項目は,金 融資産 と土地資 産であり,耐 久消費財 は含まれていない。 下野(1991)は, 『 「貯蓄行動 と貯蓄意識」に関 する調査』 に基づ くもので, 土地資産の評価額は自己 申告 に基づ いてい る,耐 久消費貼 は含 まれてい ない. 告 書 で あ る 総 務 庁(1992) で は,高 山 編(1992) の 方 法 を 用 い て,住 宅 資 産 分 布 を 計 測 し て い る.高 山 ・ 有 田(1994)は,1989年 と84年 の 『全 国 消 費 実 態 調 査』 を も と に,資 産 分 布 の 推 移 に つ い て ま と め て い る.松 浦(1993a)は 『家 計 調 査 』 と 『貯 蓄 動 向 調 査 』 を 用 い て,橘 木(1989),下 野(1991)は 『「貯 蓄 行 動 と貯 蓄 意 識 」 に 関 す る 調 査 』 の デ ー タ を 用 い て 資 産 分 布 が 求 め ら れ て い る.彼 ら の 資 産 分 布 の 推 定 の 一 部 が 表3に ま と め ら れ て い る 。1984年 か ら89 年 に か け て,土 地 を 中 心 と す る キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン が,資 産 保 有 の 大 き な世 帯 を 中 心 に 発 生 し, 正 味 資 産 の 分 布 が 急 速 に 不 平 等 化 し た こ と が 示 さ れ て い る.ま た,2期 間 で 土 地 保 有 の 平 均 額 が 大 き く 増 加 し た の に も か か わ ら ず,中 央 値 は あ ま り 変 動 し て い な い た め,資 産 保 有 額 の 大 き な 世 帯 を 中 心 に キ ャ ピ タ ル ゲ イ ン が 発 生 し た こ と が 示 さ れ て い る. 年 齢 階 級 別 の 資 産 分 布 の 推 移 は,表4に ま と め ら れ て い る.所 得 分 布 と 異 な り,資 産 分 布 は 若 年 世 帯 と 高 齢 世 帯 で 高 く な っ て お り,50歳 代 か ら60歳 代 前 半 層 で 最 も 資 産 格 差 が 小 さ く な っ て い る.ま た,1980年 代 を 通 じ て 年 齢 内 資 産 格 差 も 拡 大 し た こ と が 理 解 で き る.資 産 格 差 が 若

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-393-表4

年齢階級別資産 不平等度の推移

(注)高由編(1992),高山 ・有田(1994)は『全国溝欝実態調 査』より推計.農家盤帯を含む2人以上の普通世帯,松 浦 (1993a)は,「家計調査』・『貯蓄動向調査』より推計.農 家世帯を除く2人以上の普通世帯. 年 層 で 高 く な っ て い る こ と は,カ レ ント な 稼 得 所 得 の 格 差 で は 説 明 で き な い.む し ろ,相 続 に よ る 資 産 格 差 が 重 要 な 要 因 に な っ て い る こ と を 示 し て い る.こ の 点 は4.2で 分 析 す る. 3大 都 市 圏 を 中 心 と す る地 価 上 昇 は,と くに 地 域間 の 資 産 格 差 を 拡 大 さ せ た.高 由 編 (1992)に よ れ ば,土 地 保 有 者 の み の 世 帯 間 土 地 保 有 格 差 の う ち 都 道 府 県 間 の 格 差 で 説 明 で き る 比 率 は,1984年 で19%で あ っ た も の が87年 で は24%に 上 昇 し て い る.し か し な が ら,1990年 代 に 入 っ て か らの 都 市 部 を 中 心 と し た 地 価 の 下 落 が 資 産 分 布 に 与 え た 影 響 に つ い て は,ま だ 分 析 は な さ れ て い な い 。 4.2世 代 間 移 転 と 資 産 分 布 年 齢 内 資 産 格 差 の 統 計 か ら 明 ら か な よ うに, 資 産 格 差 を 説 明 す る上 で,世 代 間 所 得 移 転 は 大 き な 要 因 を 占 め る と 考 え ら れ る.し か し な が ら,資 産 蓄 積 に 占 め る 遺 産 の 大 き さ に つ い て は,デ ー タの 制 約 と理 論 的 な 問 題 の 双 方 か ら, 確 定 的 な 結 果 が で て い な い.デ ー タ の 制 約 に つ い て は,資 産 の デ ー タ そ の も が 限 ら れ て い る 上,相 続 に つ い て の 調 査 が 少 な い こ と に よ る. 理 論 的 な 問 題 と は,相 続 に よ っ て得 た 資 産 か ら 発 生 し た 収 益 を,相 続 資 産 に 帰 属 させ る の か, そ れ を 運 用 し た も の に 帰 属 さ せ る の か に つ い て,理 論 的 な 決 着 がつ い て い な い こ と に よ る. さ ら に,収 益 率 に 何 を採 用 す る か で も結 果 が 大 き く異 な っ て く る. Campbell(1991),Dekle(1989)に よ れ ば, 遺 産 相 続 に よ る 資 産 蓄 積 は せ いぜ い30%ま で に す ぎ な い こ と に な る.一 方,相 続 税 統 計 を 利 用 し て 推 定 し たBarthhold and Ito(1992)に よ れ ば,相 続 資 産 の 現 在 保 有 資 産 に しめ る 比 率 は 最 低 で も30%と い う こ と に な る28)麻 生 (1994)は,『 全 国 消 費 実 態 調 査 』 と 『相 続 税 統 計 』 の 両 者 を 組 み 合 わ せ る こ と に よ り,高 額 所 得 者 の 資 産 分 布 を 正 確 に 推 計 し,相 続 資 産 の 比 率 を 計 測 して い る.こ の 結 果,相 続 資 産 は 約56 %で あ る と い う結 果 を 得 て い る,麻 生(1994) は ま た,『 全 国 消 費 実 態 調 査』 の み を 用 い て 相 続 資 産 を 推 定 す る と過 小 推 定 に な る こ と を 示 し て おり,高 額 所 得 者 の 遺 産 行 動 と そ れ 以 外 の 遺 産 行 動 を 区 別 し て 分 析 す る 必 要 性 を 指 摘 して い る.い ず れ に し て も,ア メ リ カ に お け る研 究 よ り,遺 産 の シ ェ ア が 小 さ い と は い え そ う で あ る. ま た,高 山 ・有 田(1994) は,資 産 蓄 積 を 遺 産,ラ イ フ サ イ ク ル,キ ャ ピ タ ル ゲ イ ンに 分 解 す る と,遺 産 の 占め る 比 率 が 最 も高 い こ と を示 して い る.29)Tachibanaki and Takata (1994) は,資 産 の 不 平 等 度 を 遺 産 相 続 の 有 無 に よ っ て 要 因 分 解 を 行 っ て い る.と くに 実 物 資 産 に お い て相 続 の 有 無 が 資 産 の 不 平 等 度 の 大 き な 影 響 を 与 え る こ と を 示 し て い る.30) さ ら に,遺 産 が い か な る動 機 か ら な され る か と い う 分 析 を 行 っ た 研 究 と し て,Ohtake (1991),大 竹 ・ホ リ オ カ(1994),駒 村(1994), Yagi and Maki(1994)が あ げ ら れ る.い ず れ

も,交 換 動 機 ・暗 黙 の 年 金 契 約 の 遺 産 動 機 に 肯 定 的 で あ る.31)し か し な が ら,麻 生(1994)が 明 ら か に し た よ う に,日 本 の 遺 産 の 多 くを もた らす 高 額 所 得 層 の 行 動 に つ い て は,別 途 分 析 す る 必 要 が あ り,日 本 の マ クロ の 資 産 蓄 積 モ デ ル に つ い て は,高 額 所 得 者 の 行 動 様 式 を 重 視 す る 必 要 が あ る か も し れ な い.

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-394-大 竹 文 雄:1980年 代 の 所 得 ・資 産 分 配 5再 分 配 制 度 と 所 得 分 布 ・ 生 涯 所 得 分 布 5.1 言 税 制 と 所 得 分 配 税 制 が ど の よ う な 所 得再 分 配 機 能 を も っ て い る か に つ い て は,最 近 多 くの 研 究 が 行 わ れ た. と くに,1980年 代 の 税 制 改 革 が ど の よ う な 所 得 分 配 機 構 を も っ て い た か が,多 くの 研 究 者 の 注 目 を 集 め た.所 得 税 減 税 ・消 費 税 減 税 と い う税 制 改 革 が 所 得 階 層 別 に ど の よ う な 影 響 を 与 え た か につ い て は,本 間 ・跡 田 編(1989)の 研 究 が あ り,竹 下 税 制 改 革 が,高 所'得層 の 租 税 負 担 を 低 下 させ る 一 方 で,低 所 得 層 の 租 税 負 担 を増 大 さ せ る と い う効 果 を もつ こ とが 示 さ れ て い る. ま た,固 定 資 産 税 増 税,住 民 税 減 税 とい う税 制 改 革 の 効 ・果 を 所 得 階 級 別,資 産 階 級 別 に 分 析 し た も の が 高 山 編(1992)で あ り,持 ち 家 世 帯 か ら借 家 世 帯 へ の 所 得 再 分 配 の 規 模 を 推 定 し て い る.1987年 か ら88年 に か け て の 税 制 改 革 が,所 得 分 配 に 与 え た 影 響 を シ ミ ュ レー シ ョ ン分 析 に よ り不 平 等 尺 度 の 変 化 で 計 測 し た 研 究 と し て は,大 竹 ・福 重(1987),大 竹(1989),高 山 編 (1992),吉 田(1992)が あ る.い ず れ も,税 制 改 革 に よ り所 得 再 分 配 効 果 が 低 下 し た こ と を 示 し て い る.ま た,税 制 の もつ 所 得 再 分 配 効 果 を 時 系 列 的 に 分 析 し た も の と し て,松 浦(1993a) が あ る。1987年 の 税 制 改 革 に よ り税 制 の もつ 所 得 再 分 配 効 果 が 低 下 し た こ と が 示 さ れ て い る..32),33)34) 5.2 社 会 保 障 制 度 と所 得 分 配 事 実 上,賦 課 方 式 制 度 で 運 用 さ れ て い る 日本 の 公 的 年 金 制 度 は,大 き な世 代 間 所 得 再 分 配 効 果 を も っ て い る こ と が 以 前 か ら指 摘 さ れ て き た (高 山(1981),野口(1984),小 椋 ・ 西 本 (1984),麻 生(1992)).35),36)公 的 年 金 制 度 に は,若 年 者 か ら 高 齢 者 へ の 世 代 間 所 得 再 分 配 の 存 在 に加 え て,世 代 内 に お け る所 得 再 分 配 効 果 が 存 在 す る こ と が,高 山 編(1992),小口 ・木 村 ・八 田(1994)の 研 究 で 明 ら か に され て い る。 い ず れ の 研 究 に お い て も,現 在 の 中 高 年 齢 者 の グ ル ー プ で は,生 涯 賃 金 の 高 い 労 働 老 の 方 が, 生 涯 賃 金 が よ り低 い 労 働 者 に 比 べ て,よ り 多 く の 移 転 所 得 を 得 る こ とが 示 さ れ て い る.た だ し,こ の 傾 向 は 現 在 の 若 年 世 代 で は み られ ず, 所 得 の 高 い 労 働 者 の 方 が 受 け 取 る移 転 所 得 が 小 さ い こ とが 示 され て い る.逆 進 的 な世 代 内 所 得 再 分 配 効 果 は,高 齢 者 層 に お い て,生 涯 を 通 じ た保 険 料 率 が 給 付 率 に 比 べ て 低 す ぎ た こ と が 原 因 と な っ て い る. 5.3生 涯 所 得 の 分 布 一 時 点 の 所 得 分 布 の 分 析 だ け で は,人 口構 成 の 変 化,生 涯 の 賃 金 収 入 の パ ター ン の 変 動,税 制 ・年 金 制 度 の 変 更 と い っ た 所 得 分 布 の 変 化 を 分 析 す る こ と は 十 分 に は で き な い.し た が っ て,生 涯 所 得 で み た 真 の 所 得 の 分 配 が どの よ う に 変 化 し て い るの か を分 析 す る必 要 が あ る.1 つ の 方 法 は,賃 金 所 得 の 年 齢 内 の 分 布 を 計 測 す る こ と で あ る が,遺 産 を 含 め た 生 涯 所 得 を 直 接 計 測 す る こ と も で き る.ま た,ラ イ フ サ イ ク ル 仮 説 を も とに,消 費 の 分 布 を計 測 す る こ と で, 生 涯 所 得 の 分 布 を 代 理 させ る こ と も 可 能 で あ る.前 者 の 試 み が,高 山 編(1992)で あり,後 者 の 試 み がFukushige(1989,1993)で あ る 。 高 由 編(1992)は,賃 金 プ ロ フ ァ イ ル を 個 人 属 性 別 に 推 定 す る こ と で,生 涯 賃 金 と 生 涯 税 額,生 涯 社 会 保 険 料(給 付)額 を 算 出 し,1984 年 時 点 に お け る 生 涯 所 得 の 分 布 を 計 測 し て い る.世 帯 当 た りの 正 味 資 産 の ジニ 係 数 は0.519, 人 的 資 産 の ジ ニ 係 数 は0.301,正 味 資 産 と 人 的 資 産 の 合 計 の ジ ニ 係 数 は0.269で あ る と計 測 さ れ て い る.人 的 資 産 と非 人 的 資 産 の 間 に 代 替 性 が あ る た め に,全 体 で み た ジ ニ 係 数 は 欄 別 の も の よ り も低 下 し て い る.Fukushige(1989)は, 生 涯 所 得 を 直 接 推 定 す る の で は な く,恒 常 所 得 仮 説 と組 み 合 わ せ る こ と に よ っ て,消 費 の 分 布 に よ り生 涯 所 得 の 不 平 等 度 が 計 測 可 能 に な る指 標 を提 唱 し,そ れ に 基 づ い て,生 涯 所 得 分 布 の 国 際 比 較(Fukushige(1994a)),お よ び 生 涯 所 得 分 布 に 影 響 を も た らす もの の 要 因 を 明 ら か に し て い る(Fukushige(1994b)).さ ら に 本 間 ・ 跡 田 編(1989)で は,税 制 改 革 の 効 果 を 世 代 別

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の ラ イ フ サ イ クル 可 処 分 所 得 の 変 化 で 分 析 して い る が,糧 代 内 生 涯所 得 分 布 に 与 え る影 響 は 分 析 さ れ て い な い. 6む す び 1980年 代 に お け る日 本 の 所 得 ・資 産 分 配 に つ い て ま と め て み よ う.世 帯 間 所 得 分 配,個 人 間 所 得 分 配 と も に1980年 代 を 通 じ て 不 平 等 化 して い る.不 平 等 化 傾 向 の 大 き な 要 因 は 人 口 高 齢 化 で あ る.日 本 で は,高 齢 者 ほ ど 所 得 の 格 差 が 大 き い た め に,人 口 の 高 齢 化 は 全 体 の 所 得 分 配 も 不 平 等 化 させ る 要 因 と して 働 く.人 口要 因 を 固 定 す る と,所 得 分 配 は あ ま り大 き な 変 動 を 示 し て い な い.こ れ は,所 得 格 差 拡 大 要 因 と縮 小 要 園 が 重 な っ た た め に 生 じ て い る.注 意 す べ き点 は,日 本 の 所 得 分 配 は,グ ル ー プ間 賃 金 格 差 や グ ル ー プ 内 賃 金 格 差 が 一 定 で あ れ ば,人 口 高 齢 化 と と も に,不 平 等 化 が 進 む と い う こ と で あ る.逆 に い え ば,過 去 に お い て 所 得 分 配 が 平 等 で あ っ た の は,人 口構 成 が 他 の 先 進 国 に 比 べ て 若 か っ た と い う要 因 が 大 き い.さ ら に,世 帯 間 所 得 の 不 平 等 化 の 進 展 に は,高 齢 者 の 中 で の 子 供 世 帯 との 同 居 比 率 が 低 下 して い る こ と も,見 か け 上 の 世 帯 間 所 得 格 差 の 拡 大 を も た ら し て い る. 資 産 の 分 配 は,1980年 代 後 半 に お け る 資 産 価 格 の 高 騰 に よ り,資 産 格 差 が 拡 大 し た こ と が 明 ら か に さ れ て い る.税 制 ・社会 保 障 制 度 に よ る 所 得 再 分 配 制 度 に つ い て は,税 制 改 革 に よ り再 分 配 効 果 は 縮 小 し て い る こ と が 示 さ れ て い る. そ の 上,現 在 の40歳 代 以 上 の 層 に お い て は,公 的 年 金 制 度 は,生 涯 所 得 に 対 し て 逆 進 的 な 所 得 再 分 配 制 度 と し て 機 能 して い る. *本 稿 の 作 成 に あた り,高 山 憲之 教 授,八 田達 夫 教 授 な らび に 本 誌 レ フ ェ リー か ち有 益 な コ メ ン トを頂 い た.記 して 感 謝 の 意 を 表 した い. 1)日 本 の 所 得 分 配 に つ い て は,1980年 ま で の 包 括 的 な 分 析 と し て,石 崎(1983)お よ び Mizoguchi and Takayama(1984)が あ る.

2)1980年 代 の 日本 の 世 帯 所 得 の動 向 を要 領 よ く 解 説 して い る もの と して,経 済 企 画庁(1992), Tachibanaki(1991),Tachibanaki and Yagi (1993),橘 木 ・八 木(1994),吉 田(1992)が あ る. 3)所 得 分 布 統 計 につ い て の 問 題 点 の 要 領 よ い整 理 と して 寺 崎(1990),橘 木 ・八 木(1994)が あ る. 4)た だ し,こ の 違 い に つ い て 分 析 した研 究 は な い. 5)配 偶 者 所 得 の 世 帯 所 得 に 対 す る寄 与 に つ い て は,松 浦(1993b)も,配 偶 者 所 得 が 世 帯 所 得 の 不 平 等 の大 きな 要 因 とな っ て い る こ とを示 し て い る。 し か し,高 山 ・有 田(1992b)は,妻 の 賃 金 収 入 は世 帯 所得 を わ ず か なが ら も平 等 化 す る方 向 に機 能 して い る こ と を示 して い る.よ り詳 し い研 究 が 必要 で あ ろ う.

6)Tachibanaki and Yagi(1993)は,『 家 計 調 査 』 よ り求 め た ジ ニ係 数 を,さ ま ざ まな マ クロ 変 数 で説 明 して お り,金 融 資産 ・所 得 比 率 は ジ ニ 係 数 に 有 意 な影 響 を与 え て い な い こ と を報 告 して い る. 7)そ の他,1世 帯 当 た りGNPの2乗 は ジ ニ 係 数 に プ ラ スの 影 響 を 与 え,世 帯 人 貝数 もプ ラス の 影 響 を与 え る こ とが 示 され て い る. 8)Yoshino(1993)は,ジ ニ 係 数 の 変 動 が 所 得 上 位5%あ る い は20%の 所 得 シ ェ ア の 変 動 と相 関 が 高 い こ と を示 した 上 で,上 位 所 得 階 級 の 所 得 シ ェア の 変 動 を,さ ま ざ ま なマ クロ変数 で 説 明 し て い る.そ の 中 で,有 効 求 人倍 率 の 上 昇 は 所 得 分 配 を平 準 化 させ るが,イ ン フ レ率,交 易 条 件 の 上 昇 は所 得 分 配 を悪 化 させ る こ と を示 し て い る. 9)橘 木 ・八 木(1994)は,資 産 格 差 の 不 平 等 度 を反 映 し た所 得 分 配 の 指 標 を作 成 す るた め に, 帰 属 家 賃 を所 得 に 算 入 した 場 合 の所 得 不 平 等 度 を 計 測 し て い る.彼 らは,帰 属 家 賃 を算 入 す る こ と で,ジ ニ 係 数 が 上 昇 す る こ と を示 し て い る。 した が って,財 産 所 得 が 正 確 に 算 入 され て い れ ば,所 得 格 差 の拡 大 は,財 産 所 得 の 不 平 等 度 の拡 大 に 帰 せ ら れ る 可 能 性 が あ る. 10)大 竹(1993)は,東 京 圏 と地 方 圏 の 所 得 格 差 の 拡 大 を持 ち家 の 帰 属 家 賃 も含 ん だ不 動 産 業 の 所 得 格 差 の拡 大 に 帰 して い る.こ れ は,東 京 一 極 集 中 に よ る生 産 性上 昇 の効 果 が 地 代 の 上 昇 に 帰 さ れ た た め で あ る.

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-396-大竹 文雄:1980年 代 の所得 ・資 産分配 11) 総 務 庁(1992)に よれ ば,地 域 内 の所 得 分 布 の不 平 等 度 は西 高 東 低 で あ り,1984年 か ら89年 に か け て 不 平 等 度 が 大 き く高 ま っ た 都 道 府 県 は,東 京 都 と福 井 県 で あ る.東 京都 は 土 地 か ら の キ ャ ピ タ ル ゲ イ ンが 最 も大 きか った 地 域 で あ り ,福 井 県 も土 地 資 産 の 所 有 額 が 大 きい 地 域 で あ る. 12) 照 山 ・伊 藤(1994) は,生 涯 所得 で 測 っ た個 人 間 の 所 得 分 配 が 一 定 で あ っ て も経 済 成 長 や 人 口構 成 が 変 化 す る と,経 済全 体 の ク ロス セ クシ ョン の不 平 等 度 が 変 化 す る 可能 性 を指 摘 した. 13)世 帯 規 模 の 変 化 と不 平 等 度 の 関 係 につ い て は,高 山憲 之 教 授 に ご指 摘 頂 い た. 14)日 本 の 高 齢 者 の 同居 決 定 を分 析 し た論 文 と し て,安 藤 ほ か(1986),Dekle(1989),Haya-shi(1994),Ohtake(1991),八 代(1993) が あ る. 15)た だ し,労 働 供 給 要因 の分 析 は 男 子 常 用 労 働 者 の み を対 象 に 分 析 さ れ て い る ため,女 子 労 働 や パート タ イム 労 働 者 の 供 給 要 因 は分 析 さ れ て い な い.今 後 の 研 究 課 題 と して 重 要 で あ る。 16)例 外 と し て,三 谷(1993),大 竹 ・大 日 (1993)が あ る.ま た,関 連 研 究 と し て 駿 河 (1991a)が あ る.1990年 以 降 の 国 勢 調 査 で 国籍 が 調 査 さ れ て い る ため,こ の 分 野 の 研 究 が 進 む 可 能 性 が あ る. 17)も ち ろ ん,こ の 時期 の 景 気 拡 大 に よ り,未 熟 練 労 働 老 に 対 す る労 働 需 要 の 高 ま りが,こ の 若 年 労 働 者 に対 す る需 要 増 を もた ら した可 能 性 が あ り,Ohkusa and Ohta (1994)の よ うに景 気 徳 環 的 側 面 と技 術 進 歩 の側 面 を分 離 して分 析 す る 必要 が あ る. 18)Kruger(1993)は ア メ リカ に お い て,コ ン ピュー タ を扱 う労 働 者 の 賃 金 は,そ うで な い労 働 者 の賃 金 よ りも約10%高 い こ と を実 証 的 に示 して い る. 19)国 際 競 争 が 厳 し い産 業 に お け る 賃 金 上 昇 の 停 滞 を示 した 樋口(1991)や,交 易 条 件 の 上 昇 が 所 得 分 配 を 悪 化 させ る こ と を示 し たYoshi-no(1993)は,こ の 仮 説 を 間接 的 に 実 証 して い る と も解 釈 で き る. 20)こ の 国 際 競 争 が 賃 金 決 定 に 与 え る影 響 に つ い て は,Ohtake and Tracy (1994)は,輸 出 産 業 では,ス トラ イ キや 労 働 争 議 の 発 生 率 が有 意 に 低 くな っ て い る こ とを示 して い る. 21)Rebick  (1993)は,労 働 市 場 が 大 企 業 と 中 小 企 業 で分 断 さ れ て お り,中 小 企 業 で は 地 域 的 な労 働 市 場 の影 響 を受 け るの に 対 し,大 企 業 で は そ の 影 響 を受 け な い こ と を都 道 府 県 別 デ ー タ で 実 証 して い る。 こ の期 間 に お い て 未 熟 練 労 働 者 に 対 す る需 要 が低 下 した こ とが,1970年 代 半 ば 以 降 の規 模 間賃 金 格 差 の 拡 大 と失 業 率 の 上 昇 を も た ら した と して い る. 22)両 者 の研 究 結 果 の 差 を もた ら した 理 由 と し て,玄 田(1994)に お い て は,勤 続 給 と勤 続 外 給 与 に 企 業 規 模 が 与 え る影 響 を区 別 して 推 計 し て い る が,Tachibanaki (1993),Rebick (1993.)に お い て は,勤 続 外 給 与 の み に 企 業 規 模 が 影 響 を与 え る と定 式 化 して い る こ と,Ta-chibanaki(1993),Rebick(1993)は 労 働 時 間 を コ ン トロー ル して い るが,玄 田(1994)で は 労 働 時 間 を コン トロー ル して い な い こ とが 考 え られ る. 23)た だ し,同 一 産 業,同 一 年 齢,同 一 学 歴, 同 一 規 模 とい っ た グ ルー プ 内 の賃 金格 差 まで 縮 小 して い るの か ど うか に つ い て は,公 表 デ ー タ か ら調 べ る こ とは で きな い. 24)労 働 省(1994)で は,所 定 内 賃 金 の ば らつ き を1992年 と1982年 の 間 で 比 較 し,中 高 年 齢 層 に お け る大 企 業 大 卒 労 働 者 で所 定 内 賃 金 の 拡 大 を 指 摘 し て い る. 25)査 定 に よ る賃 金 格 差 の 拡 大 に つ い て は,石 田(1992),藤 村(1992)の 研 究 が あ る. 26)査 定 と昇 進 の 関係 に つ い て は,冨 田(1992) と 大 竹(1994)の 実 証 研 究 が あ る.冨 田 (1992),大 竹(1994)は,い ず れ も査 定 が 昇 進 決 定 に対 して有 意 に影 響 を与え て い る こ と を示 して い る.た だ し,勤 続 年 数 が 冨 田(1992)の 地 方 銀 行 の労 働 老 で は有 意 に プ ラ スの 影 響 を与 え る の に 対 し,大 竹(1994)が 用 い た エ レベ ー タ保 守 会 社 で は有 意 な影 響 を も って い な い. 27)労 働 者 の 高 年 齢 化,高 学 歴 化 に よ り,役 職 につ く確 率 が低 下 した こ と と役 職 プ レ ミア ム の 変 化 に関 す る分 析 と して,玄 田(1994b),Okuni-shi(1994)が あ る. 28)遺 産 シ ェア を 計 測 した 他 の研 究 と し て,下 野(1991),橋 本(1991),Tachibanaki and Takata(1994)が あ る. 29)遺 産 以 外 に も世 代 間 所 得 移 転 が 発 生 して い る.そ の 中 で 重要 な もの に 教 育 を通 じた世 代 間 所 得 移 転 が 存 在 す る.樋 口(1994)は,教 育 に よ る生 涯 所 得 の差 が 大 きい こ と,所 得 階 級 の 高

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い 家 計 の 子 ど もほ ど入 学 難 易 度 の 高 い大 学 に 入 学 して い るこ とが 示 され て い る. 30) この 結 果 は,野 口(1990),野 口 ほか(1989) の 研 究 と も整 合 的 で あ る. 31) Hayashi(1993)は,同居 世 帯 の 食 事 の 嗜 好 が 高 齢 者 と若 年 者 の経 済 的 地 位 に よ っ て左 右 さ れ るか を分 析 す る こ とで,利 他 的 動 機 の世 代 間 所 得 移 転 が 存 在 す る か ど う か を テ ス ト して い る.そ の 結 果,高 齢 者 の 方 が 所 得 が 高 い 同居 世 帯 で は,高 齢 者 の好 む 食 品 の支 出 が 多 く,逆 に 若 年 者 の 方 が所 得 が 高 い 同 居世 帯 で は,若 年 者 の 好 む 食品 の支 出 が 多 い こ とが 示 され て い る, す なわ ち,利 他 的 な所 得移 転 仮 説 とは 矛 盾 す る 結 果 が 示 さ れ て い る. 32) 橘 木 ・八 木(1994)は,帰 属 家 賃 を所 得 に算 入 した 場 合 に,税 制 の もつ所 得 再 分 配 機 能 が ど の よ うな 影 響 を受 け る か を分 析 して い る. 33) Fukushige(1993)は,消 費 に よ る不 平 等 尺 度 を 用 い て,税 制 の 再 分 配効 果 の 時 系 列 分 析 を 行 な って い る. 34) 社 会 保 障や 税 制 の再 分 配 効 果 の 計 測 に は, 通 常,課 税 前 後,社 会 保 障給 付 前 後 の ジニ 係 数 の 変 化 を用 い る こ とが 多 い.し か し,保 険 機 能 と して の社 会 保 障制 度 を重 視 す るな らば,生 活 水 準 の維 持 とい った 側 面 か ら の 指標 も意 味 が あ る。 こ の 点 に 関 す る指 標 の開 発 も必要 と され よ う. 35) 年 金 の 所 得 再 分 配 効 果 に つ い て は,小 口 ・ 木 村 ・八 田(1994)に 手 際 よい サ ー ベ イが な さ れ て い る. 36) 世 代 間 所 得 格 差 に つ い て は,所 得 格 差 の 指 標 と し て何 を 用 い,再 分 配 の 指 標 と して何 を用 い るべ きか に つ い て 必 ず し も意 見の 一 致 が あ る わ け で は な い.世 代 間 の 公 平 とい う観 念 に つ い て の 研 究 の 必 要 性 が あ る. 参 考 文 献 安 藤,ア ル バ ー ト ・山下 道 子 ・村 山 淳 喜(1986), 「ラ イ フ ・サ イ ク ル仮 説 に 基 づ く消 費 ・貯 蓄 の 行 動 分 析 」 『経 済 分 析 』 第101号. 麻 生 良 文(1992),「 厚 生 年 金 に よ る所 得 移 転-世 帯 類 型,所 得 水 準 との 関 係 」 『経 済 研 究 』 第 43巻 第2号. 麻 生 良 文(1994)「 相 続 を通 じ た世 代 間 移 転 と相 続 税 」,未 発 表 論 文,薪 潟大 学. 跡 田 直 澄 ・橘 木 俊 詔(1985),「 所 得源 泉 別 に み た   所 得 分 配 の 不 平 等」 『季 刊 社 会 保 障 研 究 』 第20   巻 第4号,PP.330-340.

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参照

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