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染色法を用いた有機色素含有チタニアゲル薄膜の作製と色素増感太陽電池への応用

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Academic year: 2021

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(1)染色法を用いた有機色素含有チタニアゲル薄膜の作製と色素増感太陽電池への応用                                 教科領域教育学専攻                                自然系(理科)コース.                                   M08189E                                     前田 智美. 1 はじめに.  近年の地球環境意識の高まりの中、化石燃料. 域を持つ2種類の色素を染着したチタニアゲル. に替わる新たなエネルギーの一つとして太陽電. 薄膜の作製を試みた。一枚の薄膜表面上に異な. 池が注目されている。. る波長領域に感応する色素を染着し、単独色素.  その申で、燃料電池に次ぐ次世代太陽電池と. による薄膜よりも幅広い波長領域において吸収. して、色素増感型太陽電池が注目されている。. 帯を持つチタニアゲル薄膜を作製することがで. 色素増感型太陽電池は、スイス国のローザンヌ. きれば、セルで吸収できる光のエネルギーを増. 工科大学のG曲zte1教授らがその基礎となる構. 加させ、高い電池性能を得ることが期待できる。. 造を開発したもので、ナノ多孔質半導体薄膜に. そこで、作製した薄膜を用いて色素複合型太陽. 太陽光の広い波長範囲を感光する増感色素を吸. 電池セルの作製を行い、薄膜の吸収領域の拡大. 着させ,色素の酸化による電子放出と電解液に. による電池性能に対する効果を電気的特性であ. よる色素の再還元で発電するという、従来の高. る光照射起電力V。。、およびI−V特性の測定結果. 純度シリコンのp・n接合を利用する太陽電池と. により考察した。また、コーティング膜の基板. は大きく異なるメカニズムをもつ太陽電池であ. との密着性の向上させるため、化学修飾剤AcAc、. る。. および高分子HPCの添加量の検討を行った。.  色素増感太陽電池の特徴として、常圧下で成 膜過程が行えるため、大規模の装置が不要で、. 2 実験方法. 低温合成が可能なことから作製時のエネルギー.  色素増感太陽電池の負電極となる有機色素含. 消費量が小さいなどの利点が挙げられる。この. 有チタニアゲル薄膜の作製を行った。まず、化. ような利点を兼ね備えていることから、多くの. 学修飾剤であるAcAcと溶媒である2一プロパ. 研究機関において基礎から応用に関する一連の. ノールを撹拝し、原料となる金属アルコキシド. 研究が精力的に行われている。」. Ti(O・ナPr)4を加え、更に撹拝させながら触媒で.  そのような中で、本化学研究室では、有機高. ある塩酸、加水分解に必要な水を滴下し、2時. 分子HPCを添加することでSi,Ti,Zr、刈な. 間接枠した後、高分子HPCを添加し、溶解す. どのゲル薄膜が良好に染着できることを見出し、. るまで捜枠した。次に、調製した出発溶液を用. さらに染着したチタニアゲル薄膜を電極とする. いて、ディップコート法により基板に成膜を行. ことで、光照射起電力が得られることを報告し. い、24時間乾燥させた後、電気炉で150℃、30. ている。. 分間の熱処理を施し、チタニアゲル薄膜を得た。.  本研究では、これらの成果を元に、チタニア. 得られたチタニアゲル薄膜に対して、既にチタ. ゲル薄膜への染着が確認されたジアゾ系、トリ. ニアゲル薄膜への染着が確認されているジアゾ. フェニルメタン系の色素のうち、異なる吸収領. 系、トリフェニルメタン系の合成色素のうち、. 一366一.

(2) 異なる吸収領域を持つ2種類の色素を用いて染. できた。. 着した。温度条件は80℃とし、染色時間につい.  作製した薄膜により色素増感太陽電池を組み立. ては、各色素15分とした。得られた膜について. て、電気的特性である光照射起電力V。。の測定を. 吸収スペクトルを測定し、色素の組み合わせ、. 行った。作製した薄膜のうち、吸収波長領域の. および染倒11頁による吸収波長領域、吸光度の変. 拡大が確認されたCR一岨薄膜は166.0mV、. 化について検討した。また、電気的な測定を行 うために、チタニアゲル薄膜を負電極として色. 血一BPB薄膜は180.3mV、紅一CPR薄膜は 185.3mV、またBTB−BPB薄膜は176.5mV. 素増感太陽電池セルを作製した。電解質溶液は. であった。これらの薄膜は単独で染色した薄膜よ. アセトニトリル溶液にヨウ化カリウム、ヨウ素. りも高い電圧値となった。これは、セル全体での. を加え、蒸発を防ぐためにHPCを加えて調製. 吸収する光の波長領域が広がり、より多くの光電. した。2種類の色素により染色したチタニアゲ. 変換が行われたためと考えられる。特に、アリザ. ル薄膜を負電極とし、対極にはITO導電性ガラ. リンイエローを用いて染色した薄膜は、他の色素. スの上に金箔を置いたものを用いた。これらを. で染色した薄膜よりも光照射起電力の値は大きく. 固定ケースに設置し、電極問に電解質溶液を注. なる傾向があった。これは、Tiとの結合性が高い. 入して色素増感太陽電池セルを作製した。得ら. ことで、色素からTi02半導体膜への電子注入が. れたセルについて光照射起電力、およびI−V特. 効率良く行われ、高い出力が得られたためと考. 性を測定した。. えられる。.  さらに、一般的に発電装置の出力を評価する. 3結果と考察. 際に用いられるI−V特性の測定を行った。最も.  コーティング膜の基板との密着性を向上させ. 高効率な結果が得られた好一BPBの薄膜では開. るため、AcAcおよびHPCの添加量の検討を行. 放端電圧は0,240V、短絡電流は290μAとなっ. ったところ、Ti(0一ナPr)4に対してAcAcのモル. た。また、最大電力は40,7μW、最適動作電圧. 比を1.0,HPCの添加量を溶液申に生成すると. は。.172V、最適動作電流は235叫Aとなった。. されるTi02の重量に対して2倍量として調製し.  以上の結果から、2種類の色素を坦持したチ. た出発溶液を用いることで、薄膜と基板の密着. タニアゲル薄膜を作製することができ、色素の. 性が良好で亀裂・剥離のない薄膜を作製するこ. 組み合わせを調節することで高い吸光度と幅広い. とが可能であることが分かった。. 吸収波長領域を持ち合わせた薄膜を得られること.  得られたチタニアゲル薄膜を、既に染着が確. が分かった。また、単独の色素を坦持した薄膜よ. 認されているジアゾ系、トリフェニルメタン系. りも高い電池特性を有することから、色素増感太. の色素のうち、異なる吸収領域を持つ2種類の. 陽電池用の負電極として有用であると考えられる。. 色素を用いて染着した。これらの薄膜の吸収ス ペクトルを測定した結果、CR一虹、血一BPB,. W−CPR,BTB−BPB薄膜では、両色素の特. 主任指導教員 尾 關 徹. 徴的な吸収ピークが重ね合わせになったような. 指導教員 小和田善之. 吸収曲線を示し、かつ高い吸光度を有している ことが分かった。色素の組み合わせを工夫する ことで薄膜全体での吸収する光の波長領域が広が り、より光の捕集性の良い薄膜を作製することが. 一367一.

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