日本における「台湾野菜」の食べられ方を通して見えてくる日本の食文化
2
0
0
全文
(2) 長3.日本の査生 活全真{農文協〕‘一記I■Eがおうた「台湾1,業』とそのI■麗法 記載のあった県. 種類 ヘチマ カイフン. 食用1沖縄鹿児島宮崎愛媛(食用以外の用途1茨城静岡〕. 調理法 酢味階和え、味噌汁の実、澄まし汁の実、汁の実煮物、苦瓜と茄子との味噌煮. ヨウサイ. 記載無し 沖縄. サツマイモのつ. 新潟神奈」l1兵庫岐阜静岡京都和歌山鳥取高知沖縄. る. 長崎. トウガン. 神奈川千葉茨城沖縄静岡二重富山石川岐阜愛知大 阪和歌山滋賀高知長崎. ハヤトウリ. 若葉や新分の利用1=ついての記載は無し (果実==重、奈良高知、沖縄長崎). ヒュナ. 奈良島根沖縄. 昧糟和え、コマ和え、おひたし、』ま味噌和え、豆腐で和える。. ユウガオ. 北海道青森岩手山形福島三重栃木兵庫香」l1新潟富. 新鮮な物1なかごの煮つけ、汁の実、味噌汁、味噌煮、煮しめ、煮付け、汁の実、澄 まし汁、妙め煮、塩漬け、煮物、和え物、あんかけ、辛し和え、ユウガオの刺身(乾. 長崎. 燥した物=カンピョウ=お汁、煮付け、すし、卵とじ、昆布巻き〕 チャンプル、妙め煮、天、b:b、演物、妙め物、酢味階和え、油妙め. 山長野石川滋賀奈良島根岡山山梨大阪鳥取沖縄. ニガウリ ノカンゾウ. マコモたけ. 沖縄鹿児島大分熊本宮崎愛媛長崎 北海道岩手青森山形岐阜京都島根長野愛媛沖縄. 油妙め、汁の案、ンプシー、ぞっすい、味噌汁の実 茎煮しめ、塩漬け、佃煮、いもづる飯、煮物、どぶ漬け、茎を袋演け、味噌汁、酢味噌 和え、妙め物、味講和え、ぞうすいゴマ味噌和え、 汁の実、あんかけ、味噌演け、くずひき、ぬか味噌演け、塩漬け、酢の物、なめ昧階、 煮物、とうが酒、煮付け、粕和え、味噌汁、お澄まし、酢もみ、味噌和え、黒砂糖和え、. 妙め物、酢味噌かめむし (果実は奈良演け、塩漬け、粕漬け、酒粕漬け、汁の実、煮物、油妙め、味階汁の実). 新鮮な物1和え物、おひたし、酢味噌和え、カンゾウの花演け、辛し和え、妙め物 乾燥した物=佃煮ゴマ和え、肉ミ十の実. マコモたけの利用1=ついての記載は無し くマコモの芽を季節の野菜とする1新潟〕(マコモの茎葉は、お盆や七. 夕の行事の材料=干葉群馬埼玉茨城宮城山形). てんぷら)は少なく、味噌汁・漬物・煮物・和 え物・佃煮・あんかけ・煮しめ・炊き込みご飯・ 酢の物・汁の実・お浸しの記載が多かった。 ③現代 r日本の野菜(生産流通間題研究会)」. によると、ユウガオ、ヨウサイ、カイラン、ト ウガン、ニガウリ、ハヤトウリ、ヒユナ、マコ. モたけなどの野菜は小口流通野菜として記載 されている。これらの野菜は、地域により少量 でありながらも生産販売され、食されていると いうことになる。また、ヘチマは沖縄や南九州 地方で食べられて、ノカンゾウも山形の飛島、 新潟の佐渡など新芽や花の蕾をお浸しにして 食べたりしていることもわかった。サツマイモ のつるも今回のアンケート調査結果から一部 の地域がまだ利用していることがわかった。. また「地域食材大百科(農文協編)第一巻い も」r同第2巻野菜」r同第4巻山菜」によると、 「台湾野菜」は現在それぞれ表4のような主産 地があって栽培されている。 表4 地域食材大百科(農文協籍)に記載のある「台湾野菜」. 現在日本の主産地. 野采名 ヘチマ. 沖縄鹿児島宮崎静岡. カイフン. 茨城、干葉、埼玉静岡和歌山など特1大都市近郊. ヨウサイ. 沖縄、南九州. サツマイモのつる. 記載無し新品種の開発. トウガン. ノカンゾウ. 南九州、沖縄は盛んのほか、呆都、愛知、岡山 鹿児島、宮崎 記載無し 栃木県で全国の9割を生産(かんぴょっ) 沖縄鹿児島、宮崎、群馬 全国各地1一自生、古くかb栽培、観賞されてきた. マコモたけ. 青森県かb沖縄県の各地. ハヤトウリ ヒュナ. ユウガオ ■ガウリ. 以上より「台湾野菜」の多くは、現在、日本 のどこかで食べられている。マコモたけ、カイ ラン、ヨウサイ、ニガウリなど、新たに輸入・ 再発見された台湾野菜も多い。マコモだけは現 在、水田の転作作物として注目され、地域おこ しの作物として期待されている。各地で試行錯. 誤で栽培し続け、意見交換するr全国マコモサ ミット」も開催されている。. 5.r台湾野菜」から見えた日本の食文化. 阪神間の大多数の人に知られていなかった r台湾野菜」は、歴史的には日本のどこかでは 食べられてきており、現在でも食用として用い られている。しかし、台湾のように主要な野菜 として流通・消費されていることはない。この ような違いから浮かび上がる日本の食文化の 特徴を、次の五つの仮説にまとめた。 ①日本の伝統的調理法に合わないr台湾野菜」 は受け入れなかった。→日本の食文化:r伝統 的な野菜の調理法は限られたもので、いずれも 油をほとんど使用しない。」. ②料理用の食材以外の利用法があるものを良 さない傾向がある。→日本の食文化1r多用途 の利用をせず、ヘチマやニガウリは限られた地 域でしか食用としなかった。またユウガオはカ ンピョウの原料に限られる地域が多かった。」. ③野菜は一部の利用が広まると、他の部位を 利用しなくなる傾向が強い。→日本の食文化: 「野菜はたとえ利用できても、とことんの利用 法をしない。ハヤトウリは果実だけを食し、新 芽と若葉を食しない。」). ④昔から食べられていたr台湾野菜」の伝統 的調理法が好まれなくなり、食されなくなって いる。→日本の食文化:「この二、三十年間に、. 西欧化がすすみ、食嗜好が大きく変化し伝統的 な調理法が好まれなくなってきている。」. ⑤現代はr台湾野菜」を台湾料理とともに受 け入れる素地があり、実際受け入れつつある。 →日本の食文化:r現代は、諸外国の料理を広 く受け入れ、油を使った台湾・中国料理は特に 好まれる調理法の一つとなってきている。」. 近年は、諸外国の料理を広く受け入れ、油を 使った台湾・中国料理は好まれている。r台湾 野菜」はさらに受け入れられていくと思われる。 [指導教員 増澤康男コ.
(3)
関連したドキュメント
断面が変化する個所には伸縮継目を設けるとともに、斜面部においては、継目部受け台とすべり止め
我が国においては、まだ食べることができる食品が、生産、製造、販売、消費 等の各段階において日常的に廃棄され、大量の食品ロス 1 が発生している。食品
□一時保護の利用が年間延べ 50 日以上の施設 (53.6%). □一時保護の利用が年間延べ 400 日以上の施設
原田マハの小説「生きるぼくら」
本稿における試み及びその先にある実践開発の試みは、日本の ESD 研究において求められる 喫緊の課題である。例えば
すべての命の尊厳を等しく認める理念を社会に広めるというのが、まず考え
のとして初めてである (1) 。本件でも争点の( 1 )と( 2
日本の生活習慣・伝統文化に触れ,日本語の理解を深める