図形記号解読を活用した創作指導法の開発(IV) : セルフ・カウンセリング学習機会としての可能性
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部C) 第48巻. 第1号. 平成 9年8月. lo fHokka i do Un i i fEduca i journa Sec i l t t t s ver onIC)Vo on( yo .48 .I ,No. Augus t ,1997. 図形記号解読を活用した創作指導法の開発 (W) - セルフ ・カウンセリ ング学習機会と しての可能性 -. 鹿. 内. 信. 善 ・八. 巻. 望. 北海道教育大学岩見沢校教育心理学研究室. 問. 題. フオーカシングとは 本研究は鹿内を中心として行ってきた2つの研究領域を統合しようとするものである。 第1の領域は詩の 読 みの 指 導 方 法 に関する 研 究 である。鹿 内( 1989 )は, 詩 の 読 み の指 導 方 法 を いく つ か開 発 している が, フォ ー カ シ ン グ法 もそ の ひと つ である。ま ず は, フォ ーカ シ ン グと は何 な の か 鹿 内( 1989 ) をも と にま とめ て おく。 , 簡単 に言 え ば, フ ォ ーカ シ ン グと は, 自 ら抱 え 込 ん だ悩 み を読 み解 き解 決 して いく 方法 と して Gend l i n (邦 訳1982 ) が提 唱 した 臨床 心 理 学 的 ア プロー チ である。 わ れわ れは, ある 問題 を抱 え で悩み苦 しむ。 と ころ が苦 しんでいる 当 人 には 何 が問題 にな っ ている の か , が見 え てい な い こ と があ る。 わ れわ れ は, 心 が苦 しい と き には何も見 えなく な っ て しまう しか し そ んな 。 , 時 でも か ら だはい ろ んな こ と を知 っ て いる。 だか ら 悩 み を抱 え た と き には 頭 であ れこ れ考え て迷 路 に入 , , り こ むの で は なく, ま ず は か ら だ にき いて み れ ば い い。 簡 単 にま とめ た らこの よう なこ と を Gend l i n は 言っ て いる。 か ら だ にき いて みる。 そ のき き 方 が 「フォ ーカ シ ン グ」 なの である。 フ ォ ーカ シ ン グと は, 直 訳す れ ば 「焦 点 をあ てる」 と いう 意 味 である。 何 が問 題 なの か どう した らよく , なる の か。か ら だ の 中で ぼんやり「感 じら れる もの」がある。そ こ に注 意 の焦 点 をあ て て い きて みる の である 。 ある 問 題 につ い て か ら だ がも っ て いる 全 体的 な感 じの こ と を 「フ ェ ル トセ ンス」 とよ ぶ フ ェ ル トセ ンス は 。 , ぼんや り と した, 暖昧 な 全 体 的感 じにす ぎな い。 しか しそ こ には たく さ んの 意 味が 暗々 裏 に 隠さ れて いる , 。. 隠されている意味が, 問題の本質であり, 解決するための手掛かりなのである。 フ ェ ル トセ ンス は,基 本 的 に は 身 体感 覚 な の だが,単 なる肩 こ りや 腰 の痛 み のよう なも の では な い そ れは 。 ,. 感情的色彩を帯びている。 言ってみれば, 身体的なもの 感情的なもの 認識的なものがまだ分化していな , , い 状態, ある い は, こ れ ら三 つ が複 合 したも の がフ ェ ル トセ ンス な の である。. 多様な暗々裏の意味を含んだ身体感覚=フェルトセンス。 そこに注意の焦点をあてて充分に感じてみる 。 そ して 次 に, 今 感 じて いる フ ェ ル トセ ンス をう まく 表現す る 「こ と ば」 を 探 して いく の であ る みつ けた こ 。 と ばが, フ ェ ル トセ ンス に ぴっ たり したもの であ れ ばあ る ほ ど フ ェ ル トセ ンス に隠さ れた たく さ んの 意 味 , が浮 か び上 が っ てく る。 フ ェ ル トセ ンス の 意 味 が明 ら か にな っ てく る 時 「あ わ か っ た」「ふ一一と いう 感 じの 身 体的解 放感 を伴う , , 。 つ ま り フ ェ ル トセ ンス が変 わる (フ ェ ル トシ フ トする) の であ る わ た したち は そ れま で抱 え てい た悩 み 。 , 「 から解 放 さ れて いく 途 中 で な ん だか つ かえ がと れたよう だ」 と いう 感 じをも つ こと がある フ ェ ル トシ フ 。 トする という の は, ち ょ う どそ んな 状態 の こ と である。. このようなプロセスを経て, わたしたちは悩みから解放されていく。 この原理を心理療法に適用していく 69.
(3) . 鹿. 内 信. 善・八. 巻. 時には次のような手順をとることになる。 フオーカシングの手順 ) を 参考 に して, フォ ー カ シ ン グの 手 順 を ま とめ ) と伊藤 ( 1978 鹿内 ( 1989 ) は, Gendo l i n (邦 訳1982 て いる。 こ の手 順 は 本論の 後の 方 でも 活用 して いく こ と になる の で, こ こ に再掲 しておく。 心 理療 法 と して の フォ ーカ シ ン グは, 次の 6つ のス テ ッ プで構成 さ れる。 空 間をつ くる. 1. ま ずリ ラ ッ ク ス する。 そ して, 自 分の 内部 ・ 内面 に注意 を向 ける。「自 分の 生 活 は どう な っ て いる の だろう」 「今 す ばら しい 気 分 で な い の はな ぜ な ん だ ろう 」 等 の 問 い か けを して みる。 こ の 時 頭 で 考 え て 答え を 。 , , 出 さ な い。問 い か け により 何 が 出てく る か, と にかく, か ら だで感 じてみる。何 か気 になる も の が出 て きても, そ の中 にはいり こま な い。 自 分とそ れとの 間 に少 し空 間 をつく る。 他 に何 か感 じら れる かを尋 ねる。 普通, いく つ かの こ と が感 じら れる。 フ エル トセ ンス. 2. いく つ かの 問題 と, そ れ に伴う, か ら だ で感 じら れる 何 か が出てくる。 その 中 で とく に気 になる の は どれ なの か, 自 分 にきい て みる。 どれ が一番 傷つ ける の か, どれが 一番 重 いの か, 大 き いの か, 等。 重 大 な問 題 を ひとつ とり あ げ焦 点 をあ てて みる。 た だ し, その 問題 に はい り こ んで頭 で 理解 しよう と しな い。 ひとつ の 問 題を 全 体 と して感 じて みる。 か ら だの どの部 分 が どんなふう に感 じて いる か, か ら だにきいて みる。 ハ ン ドル (取手) をつ ける. 3. ぼんや り と, 全体 的 に感 じら れて いる フ ェ ル トセ ンス は, 質 的 に どん なもの か。 フ ェ ル トセ ンス を何 かの 象 徴 (ハ ン ドル) で簡 潔 に表現 する。 「きつ い」 「ね ばっ こ い」 ある い は 「わた しの 中の 固 い ところ」 等 の こ と ばや 語句, さ ら に はイメ ー ジでも よ い。 できる だけ ぴっ たり した こと ば・イメ ー ジを探す。 共鳴さ せる. 4. フ ェ ル トセ ンス とハ ン ドルの 間を行 っ たり 来 たり する。 ハ ン ドル は, 今 か ら だが感 じて いる も の を本当 に 表 わ して いる か どう か, か ら だ にきいて みる。 ぴっ たり して いる とき には, 通常, 何 ら かの 解放 感 を 味わう こ と ができる。 た とえ ば, しめ つ けら れている よう な か ら だの感 じが, すう 一 と抜 けて いく, 等。 フ ェ ル ト セ ンス とハ ン ドルが ぴっ たり して いな けれ ば, よ り 適切 なハ ン ドル を探 しなお す。 尋 ねる. 5. 行 き詰 ま っ た ら, 次 のよう に尋 ねる。 「この 感 じで最 も 悪 い の は何 だろう」 「何 が必 要な ん だろう」 等。 無 理 に答 えな い。 気持 ち が動 き, その 気 持ち が答 え を与 え てく れる の を待 つ。 ある ハ ン ドル が出 て きて フ ェ ル トシフ トがお こ っ た ら, 出て き たも の を受 け取る。 こ れ以 前 の 段 階で 「ひら け」 や か ら だの 解 放 がお こ っ て いた ら, こ のス テッ プは必 要 な い。. 問題解決. 6. フォ ーカ シ ン グの 過程 は, 厳密 にはス テ ッ プ5 ま である。 しか し, そ れで治療 が完 結する の で はな い。 ク ラ イ エ ン トはこ のあ とさ ら に, 自 己の適 応 にか かわる 全体 的な問 題 を解 決 してい かな けれ ばな らない。 一連 の フォ ーカ シン グによ っ て 明 示さ れた意 味は, 問題 を どの よう に解 決 して いく の か, その 計画 を考 える ため. の手掛かりとなる。 詩の読みからセルフ・カウンセリングへ 鹿内 ( ) は, フ ォ ーカ シ ン グの プロ セス が, 詩 の創 作 過程 ・詩 の読 解 過程 に類似 する こ と に着 目 し, 1989 フォ ーカ シ ン グを活用 した 詩 の 読解 マ ニ ュ ア ル を構成 した。 ま た, こ の マ ニ ュ ア ルを, 詩 の教材 解 釈や, 詩 70.
(4) . 図形記号解読を活用した創作指導法の開発 (W). の読 み の指 導 に適用 した実 践研 究 を積 み重 ねて いる。 一連 の研 究 によ り, フォ ーカ シ ン グ法 を使う こ と によ. り詩を読み解いていけることが確かめられている。 とくに, 難解といわれる現代詩をテキストにした時に効 果的である。 さ ら に鹿 内 ( 1989 ) は, フォ ーカ シ ン グを使 っ て詩 を読 むこ と の効用 と して, 学習 者 が 詩 を読 み な がら , フ ォ ーカ シ ン グその も の を習 得 できる, と いう こ と をあ げて いる。 さ き にあ げたフ ォ ーカ シ ン グの手 順 を み て わかる よう に,フォ ー カ シ ン グは,自分 で問題 を発見 し,自 分 で解 決 をみつ けて いく 方法 である。渡辺( 1990 , ) は 「自 分 で自 分の 問 題 を 発見 し, 自 分の解 答 を創 造 して いく 自 己発見 ・自 己変 革の 方 法」 を 「セ ルフ・ p .20 カ ウ ンセリ ン グ」 とよ んでいる。 つ ま り, 学習 者 は フォ ーカ シ ン グ法 で詩 を読 むこ と によ っ て セ ルフ・カ , ウ ンセリ ン グの 方 法 を学 ん でいく こ と が できる の である。. われわれは, 悩みや問題を抱えた時, 誰かに相談することがある。 それも問題解決のひとつの方法である 。 しかし, 問題を抱えた時に常に, カウンセラーやそれにかわる人が側にいるとは限らない。 また 社会生活 , にお い て は, 自 分の 問 題 を 自 分 で解 決 して い かな け れ ばな らな い こ とも 多 い。 だとす れ ば 自 分の 問題 を自 , 分で解 決 して いく 力 と なる, セ ル フ・カ ウ ンセリ ン グの 方 法 を わ れわ れ は も っ と身 につ けてお い ても よ , , いの では な い だろう か。 ま た, 教 師は, セ ル フ・カ ウ ンセリ ン グを学習 する ための 様々 な機 会を 学習 者 に , 提 供 して いく べ き であ ろう。 そ こ で次 に, セ ルフ・ カ ウ ンセリ ン グを 学習 する ため の もう 一 つ の 方法 につ い て 検討 して いく。. 図形記号解読からセルフ・カウンセリングヘ セ ル フ・ カ ウ ンセリ ン グを 学習 する ため の 方法 レパ ー トリ ー を ひろ げて いく 必 要 がある その ため に わ 。 ,. れわれが行ってきた, 第2の研究領域の成果を応用できないかどうか検討していく 。 「 われわれの第2の研究領域とは 図形記号を活用 した学習指導法の開発研究」 である。 われわれは, 図1のような図形刺激を有意味化していくプロセスを 「図 形記号解読」 とよんでいる。 このような図形記号解読を授業中に行わせると授業 が活性化する (鹿内他199 2a, 1992b)。 そ の た め鹿 内他 ( 1993 ) は 図形記号 ,. 解読を日常の授業に取り入れる方法について検討している。 また 図形記号解読 , を活用 して 「詩 を .書く」 授 業 を 行う 工夫 も積 み 重 ねて いる (鹿 内他1994 , 1995 ,. ●. 渡辺他199 4 )。 さらに最近は, 図形記号解読を活用 した創作指導法の開発 (鹿内 他1990 ) にも 取り 組 んで いる。 , 1996a, 1996b, 1997. ◎. 一般 に学校で創作指導を行う 場合, 作品を書かせることが指導の最終目標とな る。 そこでは必要な情報を伝達できる文章を書くことが目標となるため 「書く , こ と」 の そ れ 以 上 の 目 的 は あ ま り 考 え ら れ て こ な か っ た 「何 の た め に創 作 す , 。 る の か。」 こ れは, わ れ わ れも, こ れま で考 えて こ な か っ た 問題 である しか し 。 ,. .. ・ ミ .・ ● .・.ヤ . . . . ・ . ・ . ・ ・. .◎・ふ き .. 創作指導を, より意味のあるものにしていくため には この問題に対する答えを , 用意しておく必要がある。 飯島の次の指摘は, この問題に対するひとつの答えを. . ・・. ・. ・. ・. 示唆してくれる。 「私 有 性 に か んする エス キス と いう 詩 を 「書く こ と で ある 解 放 感 をお ぼえ 」 ,. たことは事実である。 ぼくは, おそらく自分が私有性なら私有性について考えつ. ●■●. める こ と に よ っ て, 神 経症 と なる だろう こ と を 自 分 で知 っ ている ぼく はこ の詩 。. を書くことによって幾分はそれから解放される。 詩はあるとき 神経症に陥らな , いた め の歯 止 め であ り, 悪 魔 払 い である (飯 島1967 p )」 つま り, 飯 島に と っ , .93. 図I 71.
(5) . 鹿. 内 信. 善・八. 巻. て, 詩 を書く こ と は, 癒 しの機 能, 換 言す れ ばセ ル フ・カ ウ ンセリ ン グ機 能 を備 えて いる の である。 ) は, セ ル フ・カ ウ ンセリ ン グの方 法 と して, 問題 がお こ っ た 状 況 ・場 面・洞 察等 を書 1990 ま た, 渡 辺 ( いて みる,という こ とをす す め て いる。詩 はも とよ り,そ れ以 外の 文 種の 文章 でも,そ れを 書く こ と にセ ルフ・ カ ウ ンセリ ン グの 機 能 をも た せる こ と が できる の で あ る。 わ れわ れは, 「図 形 記 号 を解 読 し, そ れ を 手 掛 か. りに創作する」 という手続きを考えてきた。 図形記号解読には自己の内面が投映される。 それをもとに行う 創作は, 自己問題発見や自己理解の適切な手掛かりとなると 思わ れる。. 研究目的 われわれの研究では,図1のような図版系列を解読し,それをもとに創作する,という手続きを用いてきた。 こ れま での 研 究 で, ま ず 明 ら か に な っ た の は, こ の よう な 図 版 を呈 示 し, 「こ れをも と にお 話 をつく っ て」 と言 っ ても, 被 験 者 は, お話 ら しいお 話 をつく れな いの だ, と いう こ と であ っ た。 そ こで, お 話 ら しいお 話. をつくらせるための工夫をいろいろ考えてきた。 その工夫のひとつが図形記号解読過程に自我関与させる, ) では, 図1のような図版を, 自分の将来を占う 「占いカー ド」 1 という手続きである。 たとえば鹿内他 ( 990 として利用させることで, 解読過程に対する被験者の自我関与をひきだしている。 自我関与させた場合とさせない場合では, させた場合の方が質の高い創作がなされる。 しかし, それでも ま だ 充 分な効 果 があ が っ てい な い。 そ の原 因 を探り, あ らた な工 夫 を考 え る こ と が, わ れわ れが検討 す べ き, 次の 課題 に な っ て いる。. これまで, われわれは,「実験者があらかじめ構成しておいた図版を被験者に与える」 という手続きをとっ てきた。 この段階で被験者は受動的になっているため, それらの図版を解読する過程に充分な自我関与でき な い の で は な い かと 考 え ら れる。 そ こ で, こ の改 善 策 と して, 次 のよう な こ と を 考 え て み た。 「被 験 者 自 身 が 自我 関 与 して 構 成 した 図 版 を 解読 の 対 象 と した らい い の で はな い か。」 こ れ が, 本 研 究 の 具 体 的 アイ ディ ア である。. 臨床心理学では, ロールシャッハやTATな ど図形記号を呈示しそれを解読させる, という技法を伝統的 に用 いて き た。 一方 ク ライ エ ン ト自 身 に図 形記 号 を構成 させる, という 技 法も いく つ か考案 さ れて いる。 コ ラ ー ジ ュ 法 な どはそ の代 表 的 な も の であ る。 コ ラ ー ジ ュ を作 成 したク ライ エ ン トは, 「今 現 在 自 分 の 心 の 中 にある いろ いろ な もの が表 現 できる」「現在 自 分の考 えて いる こと や思 い な どが,や はり 出 てく る よう に思う」 )。 した が っ て, 作 品 と して の コラ ー ジ ュ は, ク ラ イ エ ン トが自 己 を投 影 し 等 の 内 観 を 報告 す る (杉 浦1994. たり, 自我を関与させたりしながら構成した図形記号なのである。 これを用いて, 図形記号解読活用創作指 導 をお こな っ た らよ い の で はな い だろう か。. 解読の対象となる図版として, 被験者自身が自我関与して構成したコラージュを用いることにより, より よ い創 作 が可 能 になる の では な い だろう か。 ま た, 解読 し創作 する 過程 で, フ ォ ー カ シ ン グを活用 する こ と により, セ ルフ・カ ウ ンセリ ン グを学習 する 効 果 的 な方法 に も なる の で はな い だろう か。 この 2つ の 可 能性. を検討するために以下の研究を行う。. 事例研究I 《目的》 被 験者 にコラ ー ジ ュ をつ く っ て も らう。 そ の コラー ジ ュ をも と に して, 次の 2つ のこ と が可 能 か どう か調 べる。 ① 自 作 の コラー ジ ュ を手 掛かり に してフ ェ ル トセ ンス を とり だ し, そこ にフ ォ ー カ シ ン グ して い ける か どう う か。 ② コ ラー ジ ュ 図版お よ び フォ ーカ シン グ過程 で出て きたイ メ ー ジ や 言 語 反応 を用 いて物 語 がつ く れる か どう か。 72.
(6) . 図形記号解読を活用 した創作指導法の開発 (W). 《被験者》 大学生1名。 この被験者は, 本論文の共同研究者八巻である。 研究目的を知っている共同研究者を被験者 とする こ と には, 問題点 も いく つ かある かも しれな い。しか し,利 点 も多く ある よう に思 わ れる。ひとつ に は,. 研究目的を知っているが故に, 研究発展に必要な内観を報告してもらうことができる。 さらに, 被験者が共 同研究者であれ ば, 自己の体験に基づいた問題の改善策を提案できる。 また, 本研究は, 創作指導法および, セルフ・カウンセリングの学習法の開発を目標としている。 このような研究の被験者に共同研究者がなるこ とにより, 学習者の立場で指導方法や学習方法を考えていくことができる。 以上の理由から, 指導法・学習 19 96a) と基本 法研究のひとつの方法として, 共同研究者を被験者にすることを試みる。 これは, 鹿内他 ( 的に同じ立場である。. 《手続き》 ここ で は, 被 験 者 に, 次の 3つ の 作業 を して も らう。 ① コラ ー ジ ュ 作 成, ② コラ ー ジ ュ に対 する フ ォ ー カ シ ン グ, ③コ ラ ー ジ ュ お よ びフ ォ ー カ シ ン グをも と に した作話。 ①コ ラ ー ジ ュ 作成 「マ ガジ ン・ ピ ク チ ャ ー ・ コ ラ ー ジ ュ 法」 (杉浦1994 ) を用 いる。 被 験 者 に, 雑 誌 や カ タ ロ グな どか ら,. 気に入っ たり気になったりする写真や絵を選んでもらう。 それらを切り抜かせ, 切り抜いたものを画用紙に 貼りつけてもらう。 ② コラー ジ ュ に対 する フォ ーカ シ ン グ 1989 ) の 「名 画 を用 いた フォ ー カ シ ン グ」 を参考 に して, 次 前 述 の フ ォ ー カ シ ン グの 手順 お よ び, 永 野 ( の よう なフ ォ ー カ シ ン グ手順 を構 成 した。 <1. 空 間 をつく る >リ ラ ッ クス した 状態 にな っ て か ら, コ ラ ー ジ ュ に注意 を 向 ける。 <2. フ ェ ル トセ. ンス > コ ラー ジ ュ に つ い て 気 に な る も の と そ れ に伴 っ て 自 分 の 体 の どの 部 分 が どう 感 じて いる か, か ら だ (胸, 腹, 背 中, 頭 な ど) に聞 いて みる。 <3. ハ ン ドル を つ ける > フ ェ ル トセ ンス をう まく 表 現する こ と. ば (ハ ン ドル) を 探す。 無 理 して考 えず, フ ェ ル トセ ンス か ら自然 に こと ばが出 てく る の を待つ。 < 4. 共. 鳴 させ る > フ ェ ル トセ ンス とハ ン ドルの 間 を行 き来 する。 コラ ー ジ ュ が与 える イメ ー ジや から だの感 じとノ、 ン ドル が合う か どう か, か ら だ に聞 い て みる。 ハ ン ドルと フ ェ ル トセ ンス が ぴっ たり しな けれ ば, よ り適切 なハ ン ドル を探す。 < 5. 尋 ねる > もう 一度 コ ラ ー ジ ュ を見 て フ ェ ル トセ ンス をた どり なお して みる。. 以上 の フォ ーカ シ ン グ過程 を① コラー ジ ュ 全 体, ② コラー ジ ュ の 構 成 要 素 (切 片) そ れ ぞれ に対 して 行 わ せる。 ま た, フオ ー カ シ ン グの 過程 で でて き た フ ェ ル トセ ンス は で きる だ け言 語化 さ せ, そ れを記 録用 紙 に. 記録させる。 ③ コラ ー ジ ュ お よ び フ ォ ー カ シ ン グをも と に した 作 話 以 下 の 手順 によ っ て 作 話 して も らう。. 被験者が構成したコラージュの切片 を登場人物や場面に見立ててもらう。 それぞれの見立て, およびフェ ル トセ ンス の 記 録 を材 料 に して物 語 をつく っ て も らう。 ま た, 作話 時 に思 いつ い た エ ピ ソ ー ドがあ っ た ら, そ れをつ け加 え ても かま わな い。. 《作品と被験者の内観》 ① コ ラー ジ ュ 作 成 30分程 度 で- 旦完 成 した。 しか し, あ ま り しっ く り と しな い という こ と でさ ら に, 10分 ほ どか けていく つ. かの切片を付け足した。. 73.
(7) . . 鹿. - - .一. -. 内 信. 善・八 巻. 望. - -ー=. け き 切片5冬道1. - ” ▲ 『一冊 . . さ 筆癖 * 言杉 憂 欝 縛1 i 戸. . . ム. . ▼. -. -. , .′. 濯 一睡 ぎ鰐覇轟き;養護翰 ー 選 霞 墓 」 ー 』 - ▲ - 総 キ キ ≧ -. ノ. :\\ E跨 ぎ. --- ,. ご愛 護授無i純 愛さ ま象ざ ‐ ′彰一 き ;ざ 壷. F. ー. 響 き 蓋声. i , L. ,. .鰹差. 〆膨二汚く. 〕. 導き楓剛 評 饗 総 藍 馨 デーも 塗 一 ゴー. . . . . 図2. コラ ー ジ ュ 作 品 を 図2 に示 す。 次の ②のス テ ッ プで フォ ー カ シ ン グの 対象 とな っ た の は, この コラ ー ジ ュ を構成 する11個 の 構成 要素 であ る。 ここ で は, そ れ ぞ れを切 片 1~11とよ んでおく。 コラー ジ ュ 療 法 で は, 厳密 には切 り 抜 か れた 絵や 写真 の 1 枚 1 枚 を切 片 とよ んで いる。 こ こで は, 考 察 を進 め て いく 都 合上, フォ ー カ シ ン グの 対 象 とな っ た ひとま とまり の 写 真 を切 片 とよ んでおく。 した がっ て, たとえ ば切片 5 は, 3つ の 切 抜 き で ひとつ の切 片 を構成 して いる。. 各切片の内容は次のようなものであった。 切片1書類, 切片2 ピザ, 切片3腕時計, 切片4掛時計, 切片 5 冬道 工, 切 片 6ス キ ーヤ ー, 切 片 7 冬道 ロ, 切 片 8 海岸, 切 片 9 冬道 皿, 切 片10部屋, 切 片11冬道 W。 ② コ ラ ー ジ ュ に対 する フ ォ ー カ シ ン グ. 以下の記述は被験者の内観報告である。 コラー ジ ュ 全体 に対 する フ ォ ーカ シ ン グ コラー ジ ュ を- 旦 完成 させ た段 階 で, 作 品 と して 不完 全 に感 じた。 この まま に しておく と 「不 安な 感 じ」. がしたので, 納得のいくよういくつかの切片を付け足した。 完成したコラージュ全体を見ると, 付け足す前 の コラー ジ ュ に比 べ 「バ ラ ンス がと れた」 よう に感 じた。 バ ラ ンス という の は,「落ち着 いた感 じ」 よ り は 「納 得 がいく」 と いう ニ ュ ア ンス に近 い。 コラ ー ジ ュ を 構 成 しお わ っ て, 「不 安 な感 じ」 が完 全 に解 消 さ れた わ. けではないけど, 「納得できる一 感じはコラージュ全体から受けることができた。 「不安な感じ」 はからだ全 体 で, な に か寒気 の よう な感 覚 で感 じら れる。 一方 「納 得 で きる 感 じ」 は頭 の 中 で, は っ きり と は してな い. 程度に感じられている感覚である。 コラー ジ ュ の切 片 に対す る フ ォ ー カ シ ン グ 「不 安 な感 じ はコ ラ ー ジ ュ の 特 に どの部 分 で感 じたか を振り 返 っ て みる コラー ジ ュ 作成 当初 は不安 は 」 。 74.
(8) . 図形記号解読を活用した創作指導法の開発 (W) 感 じて い な か っ た よう に思う。 切 片 2 ・ 6 ・ 8 ・10を 貼 っ て い た 時点 で は 何 か 「楽 しさ」 「落 ち着 き」 を感 じな が ら作 成 して い た。 コラ ー ジ ュ の位 置 的 な バ ラ ンス が悪 か っ たの で その バ ラ ンス を 取ろう と切 片 1 を , 貼 っ て い っ た。 切 片 1 は, 切 片 2 . 6 .8 ・10の 「夢」 の よう な感 じと比 べる とな にか 「現 実 的な感 じ」 「切 実 な感 じ」 がす る。 切 片 1 か ら連 想 す る と, 自 分 に と っ て は卒 論 がイメ ー ジさ れる。 切 片 1 が結 果 と してコ ラ ー ジ ュ 全 体の 「不. 安な感じ」 を生み出したと思う。 付 け足 した 切 片 5 ・ 7・ 9 ・11は, 吹 雪 の 冬 道 で ある。 (ち な み に切 片 9 内 の 文 字 はコ ラ ー ジ ュ 自 体 に意 味 はな い。 ) そこ か ら受 ける 感 じは, 視界 が悪く,「行 き 詰ま っ た感 じ」。 切 片 5 ・7・ 9 ・11は 切片 2 ・ 6 ・ , 8・10を 隠 した り,囲 ん だ り して成 り 立 っ て いる。何 か,切 片 2 ・6 ・8 ・10を見 え なく する こ と で 切 片 2 ・ , 6 .8 ・10の 「楽 しい一 感 じを 「バ ラ ンス よく 抑 える」 こ と が できる よう に思う。 そ の結 果 コラー ジ ュ 全 ,. 体が 「納得できる」 と思えるようになっ た。 コ ラ ー ジ ュ に対 する フォ ーカ シ ン グの ま とめ 切片 2 ・6 . 8・10の 「楽 しさ」「夢 のよう な」 と いう 感 じに対 して 「現 実 的 な感 じ」 が切 片 1 にはする , 。 しか しコ ラ ー ジ ュ 全 体 の 状態 と して は 「不 安 な感 じ」(か ら だ全体) がす る。 そ こ で こ の 感 じを解消 する (バ , ラ ンス を と る) ため に, 「楽 しさ」「夢 のよう な」 と いう 感 じを切 片 5 . 7 ・9 ・11(視界 の 悪 い 行き 詰ま っ , た感 じ) によ っ て バ ラ ンス の取 れる よう 「抑 え て いる」。 さ ら にもう 一 度 「共 鳴さ せる」 と, コ ラ ー ジ ュ 全体 に対 して 頭 も 含め て体 全体 が「無 理 に感 じない程 度 に , , 適 度 に窮屈 な 感 じ」 が した。 「窮屈」 は 「戒 め て いる」 とも 言 い換 え ら れる と思 う 。 ー コ ラ ジ ュ を見 始 め た 時よ り コ ラ ー ジ ュ に対 して 落ち 着 い て 接 する 事 が できる よう にな っ た 「不 安 な感 。 じ」 が したの は, コ ラ ー ジ ュ に対 する フ ェ ル トセ ンス だ けで なく フ ォ ー カ シ ン グに対 する 不安 も 含ま れて , い たの では な い だろう か。 ③ コ ラ ー ジ ュ およ び フ ォ ー カ シ ン グをも と に した 作 話 コラ ー ジ ュ と, 被 験 者 が自 分で 記 録 した フォ ーカ シ ン グのメ モ をも と に作 話 して も ら っ たも の が以 下 であ る。. 作話例① サラリ ー マ ンの Y 夫 は 毎年, 仕 事 が忙 しく て正月 も 休 み が取 れなく て た いへ んそう です しか し昨年 「今 。 , , 年こそは家族のためにも休みを取ろう」 と 思い, 仕 事 は途 中 で した が 海外旅 行 の 手 配も しま した 一 週 間 , 。 ,. 海水浴をしたり, 美味しい物を食べたりして楽しもうと 家族で話し合いま した しかし 出発直前 吹雪 , 。 , , で飛行 機 が飛 べ なく なり, 取 っ て い た 正月 休みも ふ い に して しま いま した そ して 家 族 にも 悲 しい思 い を さ 。. せてしまいました。 Y夫の仕事は Y夫がここ数年来手をつけてきたものでした その年の正月休みはふい , 。 に して しま いま した が, Y 夫 は正月 明 けか ら休 日も 返 上 で 一 年 間 働 い た お 陰で 仕 事も め どがつ き 気 , , , ,. 兼ねなく, 今年の正月は休みが取れることになりました。. 《考察》 事例 研 究 工 の 目 的 は, 次 の 2つ であ っ た。 ① 自作 の コラ ー ジ ュ を手 掛 かり に して フ ェ ル トセ ンス をと り だ し, そ こ にフ ォ ー カ シ ン グ して い ける か どう か。 ② コラ ー ジ ュ 図版 およ び フォー カ シ ン グの過程 で 出て き ,. たイメージや言語反応を用 いて物語がつくれるかどうか。 ① につ い て は, 被 験 者 の 内観 報告 か ら判 断せ ざる を得 な い が フ ェ ル トセ ンス をとり だ し そこ にフ ォ ー , , カ シ ン グ しハ ン ドル をつ けて いく こ と は 充 分な さ れて い た と思 わ れる たと え ば この 被 験 者 は「不安 な感 じ 。 」 , 75.
(9) . 鹿. 内 信. 善・八 巻. 「納 得 できる 感 じ」 と いう ハ ン ドルを 報告 している。 この ハ ン ドル はそ れ ぞれ 「か ら だ全 体 で, な に か寒気 の よう な 感 覚 で感 じら れる」 も の, 「頭 の 中 で, は っ きり と は して い な い程 度 に感 じら れて いる 感 覚」 と い う フ ェ ル トセ ンス に対応 している。 フ ォ ーカ シ ン グを学習 させる 場 合, フ ェ ル トセ ンス と いう 身 体感 覚 を とらえさ せる こ とがとく に難 しい と )。 そ の た め, フ ェ ル トセ ンス を体 験 的 に把 握 さ せる ため の 方 法 がいく 言 わ れて いる (た とえ ば中 田 他1986 )。 本研 究 で は, 自作 の コラ ー ジ ュ を 手 掛 かり に つ か 工 夫 さ れて き て いる (た と え ば中 田 他1986 , 永 野1989 さ せる こ と により, 被 験者 にフ ェ ル トセ ンス を とら えさせる こ と に成功 している。 した が っ て, コ ラ ー ジ ュ. 法の導入は, フォーカシングを教える時の一番の困難点を克服するための有効な手段となりうる と考えられ る。. ②の 目 的 は2 つ に わ けら れる。 ひとつ は, コラ ー ジ ュ 図 版を用 い て 作話 して い ける かという こ とである。 もう ひとつ は, フォ ーカ シ ン グでとり だ したフ ェ ル トセ ンス やハ ン ドル を用 いて 作話 して いる か, と いう こ と である。 本研 究 は 「図形 記号 解 読 を活用 した創 作指 導法の 開発」 研 究の 一 貫 と して 行 っ て いる。 した がっ て 「コラー ジ ュ 図版 を用 いて いる か」 という こ と は 「コ ラ ー ジ ュ 図 版 を図 形記 号 と して 解読 して いる か」 という 表現 に 言い 換 える こ と がで きる。 た と え ば,コ ラ ー ジ ュ の切 片 を何 か に見 立てる こ とな どは,解 読 処理の ひとつ である。こ の よう な見 立 て(図. 形記号解読) がなされているかどうかを調べるため作話の各部分とコラージュ切片はどのように対応するの かを被験者に書きだしてもらった。 あわせて, 作話の各部分に対応するフェルトセンスも付け加えてもらっ た結果が以下である。 作話と切片・フェル トセンスの対応づけ 「 ① サ ラリ ー マ ンの Y 夫 は毎 年, 仕 事 が 忙 しく て 正月 も 休 み が取 れ なく て, た い へ ん そう で す。 [切 片 1 現. 「 ] 実的な感じ」 , 切実な感じ」 ②しかし昨年, 「今年こそは家族のためにも休みを取ろう」 と思い, 仕事は途中でしたが, 海外旅行の手配 もしました。 一週間, 海水浴をしたり, 美味しい物を食べたりして楽しもう と, 家族で話し合いました。[切 ] 片 2 ・ 6 ・ 8・ 1 0 「夢 の よう な感 じ」 ③ しか し, 出発 直前, 吹雪 で飛 行機 が飛 べ なく なり, 取 っ てい た 正月 休 みもふ い に して しま いま した。 そ し て家 族 にも 悲 しい思 い をさ せ て しま いま した。 Y 夫の仕 事 は, Y夫 がここ 数年 来手 をつ けて き たも の で した。 「 ] [切 片 5 . 7 .9 . 1 1 「視 界の 悪 い感 じ」 , 行 き詰ま っ た感 じ」 ④ その 年 の 正月 休 み はふ い に して しま いま した が, Y 夫 は正月 明 け か ら休 日も 返 上 で, 一 年 間働 い たお 陰で,. 「 仕事もめどがつき, 気兼ねなく, 今年の正月は休みが取れることになりました。[切片1「現実的な感 じ」 , 切 ] 実な感じ」 こ れを みる と, 作 話 の ①部 分 では, 切 片 1 の書 類 やワ ー プロ を 「サ ラリ ー マ ンの 仕 事」「仕 事 がい そ が しい」 という こ と に見 立て て いる こ と がわ かる。 つま り, 被 験者 は, その よう に解 読 して いる の である。 さ ら に こ の 見 立 て に は, 「現実 的な感 じ」 「切 実な 感 じ」 をいう フ ェ ル トセ ンス も 対応 づ け ら れて いる。 作 話② 部 分 では 「ピ ザ」 「ス キー」 「海岸」 な どの切 片 を 「レジ ャ ー」 に関する 事柄 に見 立 て て いる。 ま た, 「 こ の作 話部 分 に被 験 者 は 「夢 のよう な 感 じ」 と いう フ ェ ル トセ ンス を対 応 づ けて いる。 前の 作 話① 部 分の 仕 事」 が 「現 実的」 であ り, 作 話 ②部 分 の 「レジ ャ ー」 が 「夢の よう な」 である の で, 読 ん でいて違和 感の な い対 応 づ け にな っ て いる。 分析 は省 略する が, 作 話③ ④部 分 でも, 同 様の見 立て とフ ェ ル トセ ンス の 対応 づ 76.
(10) . 図形記号解読を活用した創作指導法の開発 (W). けがな さ れて いる。. 以上の結果は, 図形記号解読を活用した創作指導にコラージュ法を導入することの有効性を示唆するもの である。. 事例研究2 《目的》 事例研究1では,図形記号解読を活用した創作指導にコラージュ法を導入することの有効性が示唆された。 しか し, 事例 研 究1 で は, コラ ー ジ ュ 法 ・ フ ォ ーカ シン グ・ 図 形記号 解 読 等 につ いて の予 備 的知 識 がある 人. を被験者にしていた。 このような予備的知識をもたない一般学生を被験者にした場合も, うまくいくのかど うか確かめておく必要がある。 そこで事例研究2では, 事例研究1で検討した手続きを, 一般学生に対して 実 施 して みる。. 《被験者》 北海道教育大学男子学生1名。. 《手続き》 事 例 研 究 1 と 同 様 に, ① コ ラ ー ジ ュ 作 成, ② コ ラ ー ジ ュ に 対 す る フォ ー カ シ ン グ ③ コ ラ ー ジ ュ お よ び , フォ ー カ シ ン グをも と に した作 話, の3 つ のス テ ッ プを 実施 する。 なお 教示 者 は 3 つ のス テ ッ プとも 本 , ,. 論文の第2筆者八巻が担当する。 ①コラ ー ジ ュ 作成 教示. この実験では, 作話活動, つまりお話づくりを行ってもらいます。 いきなりお話を作れと言われても難し い かと思 いま す。 そこ で, 作 話 の準 備 と して コラー ジ ュ を作成 しても ら います。 そ してそ こ で作 っ た コラ ー ジ ュ を 基 にお 話 を作 っ て も ら いま す。 質 問 はあ りま す か。 では コラ ー ジ ュ の 説 明を します コラー ジ ュ と い 。. うのは, 自分の気に入っ た写真 (イラスト) や気になる写真を, 自由に切り抜いて台紙の上に好きなよう に おいて, のり づけして作るのもです (作品例を呈示)。 ここ にある雑誌などから好きなのを選 び 画用紙 に , 貼り付けてください。 必要があればはさみまたは手で切っても良いです。 自分が完成 したと思っ たら知らせ てく ださ い。 で は始 め てく だ さ い。 ② フ ォ ーカ シ ン グ教示. コラージュを見て, そこからお話を考えてもらいます。 例えるなら教科書の文章と挿絵の関係と同じよう な も のと いえ ます。 た だ し, い き な りコラ ー ジ ュ を見 て話 を作る の で はなく コラー ジ ュ に対 する 印象 感 , ,. じを整理してから作話してもらいます。 整理した印象や感じの言葉はコラージュのコ ピーに書き込んで記録 して い っ てく ださ い。 質 問 はあ り ま す か。 で はま ず 体 を 楽 に して準 備 がで き た ら 教え てく ださ い 。 この あ と 本論文 の 第2 筆 者 が教示 者 と なり 被 験者 にフ ォ ー カ シ ン グ して い っ ても らう ま た フ ォ ーカ シ , 。 ン グ中 にで て きたイ メ ー ジや 感 じを コラー ジ ュ のコ ピ ー (記 録用 紙) に書 きこ ん でも らう 。. ③作話教示 今整理したコラージュ に対する印象を基にして自由にお話を作ってもらいます。 ただし 話を作るとき , , 必 ず次 の内 容 で作 っ てく ださ い。 コラ ー ジ ュ の 絵 写 真 は何 (人 動 物 物) に見 立 てて も 構 いま せ ん 主 , , , 。 人公 を 自 分と して, 主 人公 と す べ きコ ラ ー ジ ュ を特 定 して 下 さ い も し主 人 公とす べ きコ ラ ー ジ ュ がな けれ 。. ば新たに切抜きをつけたすか書き足 して結構です。 コラージュの切片をくまなくお話に入れるようにしてく ださ い。 質 問 はあ りま す か。 で は始め てく ださ い。. 77.
(11) . . 鹿. 善・八 巻. 内 信. 《結果と考察》 ① コラー ジ ュ 被 験 者 が構成 した コラ ー ジ ュ を 図3 に示 す。 - 一一一 「[ [ー「 ‐ ” .・ . き 部÷ ・ ′} ゞ.・- ▲′ 」 γ すギド ℃ .- .-・ ー ! : キ ▼ 諒 …; . ・・ ▲ 二 コヤーこr ÷勺了ご ‐ : ・ ・ ・ ・ ・ ゞ- ‘ - . ゞ ,験 . - - - ≦. ~- ↑ . ‐. . , , , ‐ - . - , 十 .-. . { . ・, 」 r-. - . 茂 、 ‐二 . , 一二二 . ” ・ ” , , - ・ . 1 ‐ , L ・代 、 二 ~ 二 ‐ , . ‐. ・ ・ ぬ 勝ち ′$燐S. ,. . . 蒲 i 二E ′ 園 瞳 国一睡ミ塾醍 』-ミ ラ ‐ ー ≦ 三 一 ~. . ー▼. 切片ヘビ. L. ’ ,. r. . ・. ,. 三. 一. \. . G . . リ 小 郡『. キ. ’ ′ ; ノ. . ー 「 - ー謝』 書蔓 ※ - デ ー . .. - ’. \. メタ. \. r. 一 ー. 切 片 魚 ー-‐ . ー ・. 「 「\. 切片 男性. . ニニ与;揚瑞際議 達 ≠ ふ ゴ. 、 . t癖. . ニ ザノ ー. 、 . . . 」 図3. ② コラー ジ ュ に 対 する フォ ー カ シ ン グ コラー ジ ュ 全体お よ び各部 分 に対 する フォ ーカ シ ン グの 過程 をみておく。 以 下の 記 録 は, 教示 者 が, 被 験. 者の 「感じ」 を問う質問をした部分を抜粋したものである。 記録中のTは教示者, Sは被験者である。 T. 今自 分の作 っ た コラ ー ジ ュ の最 初 の 印象 と して, コラー ジ ュ を見 て どう 感 じた? こう 自 分の コラー ジ ュ を 全 体 に ぱっ と見 て みる と どう いう 体 の感 じがする ?. S うーん。 (沈黙) T 全体の印象の感じ。 S. お ち ゃ ら けた感 じ。. T. お ち ゃ ら けた感 じ。 お ち ゃ ら けた感 じっ て?. S. な んか作 っ て いる 時, そ んな にま じめ に は作 っ て ない よう な 気 が した。. T. じゃ あ, 気 楽 に? と か手 を ぬい て た?. S. いや。 う ー ん。 て き とう という 意 味 で は な い んです け ど, お か しく して みよう かな と。. (中略) T. コラー ジ ュ の色 に関 して 以 外, どう 感 じる ?. S. 全体 と して はま とま っ て て しっ く り とく る。. T. 一 度 全 体 を整 理 してみ よう。. 78.
(12) . 図形記号解読を活用した創作指導法の開発 (W) T. 自分 の 作 っ た コラ ー ジ ュ の最 初 の 印 象 と して, コラー ジ ュ を見 た感 じ?. S. ま とま っ て て しっ く り とく る。. (中略) S. 一応, 恐竜 と アライ グマ は仲 間のつ もり。. T. 仲 間 ね。. S. で, 何 の 特訓 か わか ら な い んで す け ど, 気 合 い 入 れてる。. T. な んか特訓 してる ん だ。 気 合 い入 っ てて。 じや あ, そ んな 特訓 してる 恐竜 と アライ グマ に対する 印象 は?. S. (沈黙). T. 緊張感 と か。. S. (沈黙). T. あ の。 ム ンク の 絵画 で 「叫 び」 知 っ てる ?. S. は い。. T. あの絵を見てどう感じる?. S. ぞく っ て する 感 じ。. T. ぞく っ てする 感 じ。 他 に?. S. 吸 い 込ま れる 感 じ。. T. 吸 い込 ま れる 感 じ。 そう いう 感 じね。 そう。 そう いう 体 に感 じて いる 感 覚。 そう いう 感 覚 で コラ ー ジ ュ を見 て い っ て ほ しい ん だ け ど。 もう 一度。 恐 竜 と アライ グマ に対 す る 印 象 は?. S. (沈黙). T 特訓から感じる印象は? S. (沈黙). T. 緊張感とかは?. S. 緊張感 と いう よ り, な ん かやる 気 満々 で。. (中略) T. ヘ ビと 魚 は どんな 感 じ?. S. 納 得 い かな い っ て。 珍 しい。 いや 違う。. T. い いイメ ー ジ?. S. い や, い いイ メ ー ジで はな い んです け ど。. T. い いイ メ ー ジで はな い。. S. ぎょ っ て感 じ。. T. ぎょっ て (笑) そ んな 経 験 したこ と な い? どう だろ。. S. (沈黙) あ一。 あきれてる。. T. あ き れてる。 そう。 じゃ あ, 男 の 人 はヘ ビ や 恐竜 を見 てる だ け?. S. 見 て て, こ っ ち はこ っ ち。 こ っ ち はこ っ ち。 そ して 男 の 人 はそ の他 と は違う 世界 っ て いう か , 。. T 違う世界ね。 S. 傍 観者 と いう か。. T. 距 離感 な ん て どう だろ ?. S. 離 れた感 じ。. (中略) T. こ こま でを 整理 して。 アライ グマ と恐 竜 ヘ ビと 魚 っ て 関係 で。 恐竜 ら に は満足 な感 じが して 魚 と か , , 79.
(13) . 鹿. 内 信. 善・八 巻. には不 満。 どう だろ ? は い。 そう で すね。. S. T 不満て何か他に言い表せないかな? S. そうですね。 (沈黙). T. 納 得 がい かな い と か?. S. ばか み たい っ て感 じで。 さ らに見 てる と不 快。. T. 不 快。 そう。 不 快 っ てね。 どん な感 じだろ。. S. あ 一。 う ー ん。 感 じ悪 い。. T. 感 じ悪 い, ね。 あ ー そう。 触 れたく な い感 じがする ?. S. 触 れたく な い という より は見 たく ない。. T. 見 たく な い。. S. 見 な き や よ か っ た。. T. 見 な き や よ か っ た。 で, ぴっ た り とく る かな?. S. 見 な き や よ か っ た の に見ち や っ た。. T. そう だ。. S. そ れで感 じ悪 い。. T. そう。 な ん かま とま っ た ね。 この 記 録 に見 ら れる よう に, 被 験者 は, 身体感 覚 と しての フ ェ ル トセ ンス を把 握で き て いな い。 こ の 事例. で は, 途 中 で 教示 者 が, ム ンク の 絵を例 にあ げ, フ ェ ル トセ ンス を体 験 的 に把握 さ せよう と して いる (こ の. 部分は, 永野1989を参考にした)。 この時は, 感じられた 「身体感覚」 を被験者は報告している。 しかし, コ ラ ー ジ ュ に対 する フ ォ ーカ シ ン グで は, 身 体感 覚 の 報告 はな さ れな か っ た。 身体感 覚 は報告 さ れて い な い が, 一 般 的な感 覚, た と え ば 「しっ く りく る」 「納 得 い か な い」 「感 じ悪 い」 等 の 「感 じ」 には フォ ー カ シ ン グで きて いる。 本事例 で は, フ ォ ーカ シ ン グの 過程 で でて きた 「感 じ」 を被 験 者 にメ モ して も ら っ て ある。 記 録用 紙 には, 次 の よう な 「感 じ」 がメ モ さ れ て い た。 「ま とま っ て しっ く. りくる, ビク ビクした感じ, 消極的な感じ, 感じ悪い, 見なきゃよかった, 緊張感というよりやる気満々な, 満足 して いる 感 じ, 離 れた感 じ」 以上 か ら, 身体感 覚 と して の フ ェ ル トセ ンス は とり 出さ れてい な い が, 一般 的感 覚 と して の フ ェ ル トセ ン ス は, いろ いろ と り 出さ れている, と言 う こ と がで きる。. コラージュおよびフオーカシングをもとにした作話 コラ ー ジ ュ に対する フォ ーカ シン グの 過程 で 「男 性」 の切 片 が主 人公的 な存 在 である 事 を確 認 して ある。 そ の 上 でコラー ジ ュ と フ ェ ル トセ ンス を記 録 したメ モ をも と に作 話 を して も ら っ た。 そ れが以下 の作 品であ る。 な お, 作 品 中 の<. > 内 の こ と ばは, 考 察の ため に わ れわ れが書き 込 ん だも の である。. 作話例② 僕はいるいるなことを考えすぎて疲れていた<欠乏>。 だから, ひと休みしよう とドアをでた<出発>。 外 の雰 囲気 は異 様 だ っ た。 ま ず, 僕 が見 たも の は, 水 中 から脱 出する こ との で きた魚 だ っ た。 「水 をでる。」 と いう こ と は, いろ んな力 を魚 に与 える ら しい。 はえ た両足 で歩 いて いく 先 は, 椅魔 な花 の 咲 いて いる 場所 だ っ た。 よく 見 て みる と ヘ ビが トラ ンシー バー を持 っ て 隠 れて いる。 かなり 臆病 で用 心 深 い ら しく, 歩 いて 80.
(14) . r ) 図形記号解読を活用 した創作指導法の開発 (N. く る魚 を見 つ ける と, 仲 間 に トラ ン シー バ ー で 連 絡 しよう と している。 しか し, 魚 は どん どん近 づ き, ヘ ビ の いる 花 に 向か い 口 か ら何 か を出 して 攻 撃 した。 こ の攻 撃 も, 水を 出る こ と の できる 魚 の 特 権 ら しい。 でも, 特 にヘ ビを 恨 んで いる と いう わ けで は な い。 自分 の力 を示 そう と して いる の だ< 悪 事>。 僕 はす ごく いや な 気 分 にな っ た。 最 初 は驚く べ き 光 景 に目 をみ は っ た が, こ んな もの見 な け れ ばよ か っ た。 力 を得 たも の が調. 子づいている所な ど誰も見たくないと僕は思っ た<主人公の反応>。 うなだれた僕の耳にエンジン音が聞こ え て きた。 少 し遠 い所 か らら しい。 よく 見 て みる と, 水上 で二 台, アライ グマ と恐竜 が乗 っ た車 が走ろう と して いる。 乗 っ て いる 二 人 はす ごく 気 合 い の は い っ た声 で, 「特訓 だ!」 と言 っ て いる。 そ の 目 は と て も 輝 いて い た <贈 与 者 の 第 1機 能>。 何 か の レース に出 場 する ら しい が, この 場 所 はそ れに は相 応 しく な い変 な 場所 である。 そ んな所 で 元気 に頑張 っ て いる 姿 を見 て, さ っ きの い や な気 分 が 吹き飛 ん だ。 二 人 が どこへ 向 かう か知 らな い が, そ れ に夢 中 にな っ て いる 姿 は, 僕 に と っ て 快 か っ た。 二つ の 驚く べ き光 景 を見 て, 僕 は. 自分の疲れが少しとれた気がした<欠乏の解消>。 僕はこの気分のまま, 急いで家に帰った<帰還>。 この作 話例 を見 る と, フ ォ ーカ シ ン グで得 ら れた フ ェ ル トセ ンス (感 じ) の ほと ん どが組み込 ま れて いる こ と が わ かる。ま た,コラ ー ジ ュ を構 成 する 魚 や ヘ ビな ども 話 の 中 に登場 してく る。した が っ て こ の 被 験 者 は, コラー ジ ュ お よ び フ ェ ル トセ ンス を 充 分 活用 してお 話 をつく っ て い たこ と になる。 た だ しこ の 事例 は, 事例 1 と比 べ て, 次の 点 が異 な っ て いる。 た と え ば, 事例 1 の被 験 者 は, コラ ー ジ ュ 中 の 「書 類」 を 「仕 事」 に見 立 て て いる。 事例 1 の 被 験者 は, コラ ー ジ ュ 構成 要素 を 変換する, という 操作. を行っ ているのである。われわれはこれを,図形記号解読のための重要な操作であると考えてきた。ところが, 事例 2 で は 「見 立 て= 変 換 操作」 が行 わ れて い な い (事例 2 で は, コラ ー ジ ュ 中の魚 や ヘ ビ がそ のま ま 作 話. の中に登場してくる)。 しかし事例2では, 図形記号解読のための, もうひとつ重要な操作が行われている の である。. われわれは, 図形記号解読のためのもうひとつの操作として 「内部要素関連づけ」 を考えてきた。 内部要 素関連づけとは, テキストを構成する複数の要素を有機的に結 びつけることである。 作話例②の場合, 内部 要素は, コラージュの各切片をもとに産出された情報である。 これらの情報を有機的に組みあわせてお話を つ く っ て いる か どう かを見 る た め に, 物 語構 造 を利 用 して みる こ と にする。 プロ ッ プは ロ シアの 民話 を分 析 し, 物 語 に含ま れる31個 の 重 要 な要 素 を と り だ して いる。 プロ ッ プがと り だ して いる31個 の 要素 は次 の よう な も の で あ る (池 上1982 )。 1 不 在 . 342-344 , p 成功. 8 悪 事/ 欠乏. 2 禁止. 3違反. 4偵 察. 5漏洩. 6策略. 7 策略の. 9仲 介 10反撃 へ の 同意 11出 発 12贈 与 者 の 第 一 機 能 13主 人公の 反応 14魔 法の. 手段 の 取得 15目 的 地へ の 移動 16闘争 17熔印 18勝利 19不幸 や 欠 乏の 解消 20帰 還 21追 跡 22救助 23気 づ か れな い で到 着 24偽 り の 主 人 公 の主 張 25難 題 26解 決 27主 人 公の認 知 28偽 り の主 人公の 正 体. 暴露 2 9変身 30偽りの主人公の処罰 31結婚 ひとつ の物 語 に, こ れら の 要素 がす べ て 含ま れて いる 必 要 はな い。 実 際 に は こ のう ち の いく つ か を組 み ,. あわせて物語はつくられる。 作話例②にこれをあてはめてみたところ<欠乏><出発><悪事><主人公の 反応><贈与者の第一機能><欠乏の解消><帰還>という物語構造をとりだすことができた。換言すれば, 作話例②では, このような物語構造をコー ドにして内部要素を有機的に関連づけているのである。 これまでの図形記号解読活用創作指導法開発研究では, 解読すべき図形記号として図1のような図形を用 いて き た。その 場 合,物 語 ら しいお 話 をつ く らせる ため に, どの よう な物 語 構 造 をモ デル と して呈 示 すべ き か ,. ということが検討課題となっ ていた。本事例では,とくに物語構造をモデルとして呈示しなく ても,被験者は, 自発的に物語構造をもつお話をつくりあげていた。 どう してそのようなことが可能になるのか, メカニズム は明らかではないが, コラージュ法を, 図形記号解読活用創作指導に導入することの有効性を示すひとつの 81.
(15) . 鹿. 内 信. 善・八. 巻. 資料にはなると思われる。. 今後の課題 本研究では, 解読対象とする図形記号として, 被験者自作のコラージュを用いた。 それにより, 図形記号 を何かに見立てる操作がスムーズになされる(事例1),物語構造をもつお話が自発的につくられる(事例2) , 等の結果が見られた。 これらは, 図形記号解読活用創作指導にコラージュを導入することの有効性を示唆す るものである。 しかし, 本研究では, わずか2事例しか検討することができなかった。 より一般的な方法と して いく ため に, さ ら に多く の事例 を 集め て いく 必 要 がある。. 本研究では, 図形記号解読活用創作を, フォーカシングの学習機会として活用できないかどうか検討する こ とも 目 的 と してい た。 事例 2 で は, 被 験者 は 身体感 覚 と して の フ ェ ル トセ ンス を充分 にた どれ て いな い。 身体感 覚 と して の フ ェ ル トセ ンス を把 握 さ せる 方法 につ いて も 今 後 検討 して いく 必 要 がある。. 文. 献. 「フォーカシング」 福村出版 「詩の本ロ」 筑摩書房 87一114 飯島耕一 19 67 詩のイメージ 西脇順三郎・金子光晴 (監) 池上嘉彦 198 2 「ことばの詩学」 岩波書店 伊藤義美 1978 体験過程療法と焦点づけ ( ) の技法にっいて 「教育心理学論集 (名古屋大学大学院)」 f i o cu s ng. Ge l i nd n .T . 村山正治・都留春夫・村瀬孝雄 (訳) ,E. 198 2. 永野勇二 1989 名画を用いたフォーカシングの試み 九州大学教育学部紀要 (教育心理学部門). 第8号 60-76. 第34巻 第1号 67一7 3. 中田行重・村山正治 198 6 フェルトセンス形成における Hand leG i i v ng 九州大学教育学部紀要 (教育心理学部門). 第31巻 第1. 号 65-72. 鹿内信善 1989 「〔創造的読み〕 への手引 - 詩の授業理論へ」. 勤草書房. 鹿内信善・盛山聖子 1990 創造的読みから創作指導ヘ ー 図形系列を読ませるための予備的検討 - 北海道教育大学岩見沢分校紀要 「年報いわみざわ」 第11号 19一26 鹿内信善・渡辺聡 1992a 授業改善のためのアクショ ン・リサーチ (工) - 理解操作を含む授業モデルの開発 - 付属教育実践研究指導センター紀要 鹿内信善・渡辺聡 1992b. 北海道教育大学. 第11号 1 3-24. 授業改善のためのアクション・リサーチ (n) - 理解操作を含む授業の追試と相互作用分析 -. 教育大学岩見沢分校紀要 「年報いわみざわ」. 北海道. 第13号 11-21. 鹿内信善・渡辺聡 199 3 授業改善のためのアクション・リサーチ (皿) - 図形記号解読を日常の授業にどう取り込むか - 教育大学岩見沢分校紀要 「年報いわみざわ」 第14号 25一35. 北海道. r 鹿内信善・渡辺聡・若狭忠平 199 ) - 「詩を書く」 授業に図形記号解読を取り入れる 4 授業改善のためのアクション・リサーチ (N 「 - 北海道教育大学岩見沢校紀要 年報いわみ ざわ」 第15号 23一32 鹿内信善・植田美香 1996a 図形記号解読を活用した創作指導法の開発 (ェ) -物語構造呈示方法の検討 - 北海道教育大学岩見 沢校紀要 「年報いわみ ざわ」 第17号 47一56 鹿内信善・植田美香 1996b 教育大学紀要 (第1部C). 図形記号解読を活用 した創作指導法の開発 (ロ) -《ファンタスティック な仮定》の導入 - 北海道 第47巻第1号 55一65. 鹿内信善・渡辺聡・伊藤公紀 1997 図形記号解読を活用 した創作指導法の開発 (皿) - 小学校4年生に対する授業化の試み - 海道教育大学紀要 (第1部C) 第47巻第2号 69-81 杉浦京子 199 4 「コラージュ療法 - 基礎的研究と実際」. 北. 川島書店. 渡辺聡・鹿内信善 1994 授業改善のためのアクション・リサーチ (V) - 図形記号解読を活用 し 「詩を書く」 授業を活性化する - 3-41 北海道教育大学岩見沢校紀要 「年報いわみざわ」 第1 5号 3 渡辺聡・鹿内信善 1995 授業改善のためのアクショ ン・リサーチ (W) - 図形記号解読を活用 した2年生の 「詩を書く」 授業 - 3一42 北海道教育大学岩見沢校紀要 「年報いわみざわ」 第16号 3 渡辺康麿 1990 「セルフ・カウンセリング一ひとりでできる自己発見法」. 82. ミネルヴァ書房.
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