態は安定しており, 止血剤投与にて症状は軽快した. 11 月 14日, 出血原因精査目的に当院内 泌内科に転科. デ キサメサゾン負荷試験, カプトプリル負荷試験, MIBG シンチ, Adosterolシンチなどを行ったが, 副腎機能に異 常を認めず, 副腎腫瘍は否定的であった. 凝固能正常, 大 きな身体的ストレスの既往もなく, 我々は本症例を特発 性副腎出血と えた. 9.自然破裂し,排尿障害,水腎症が改善した尿管瘤の 一例 森田 崇弘,岡村 桂吾,真下 透 上原 尚夫,篠崎 忠利 (善衆会病院 泌尿器科) 21歳, 男性. 平成 20年 5月 14日, 排尿困難, 残尿感に て受診. 膀胱エコーにて尿管瘤が疑われた. 膀胱鏡施行 し, 緊満した左尿管瘤が認められた. 排泄性腎盂造影 (IVP) では, 左水腎症, 及び両側尿管瘤 (左>右) の所見 が認められた. 膀胱造影では膀胱尿管逆流 (VUR) はな く, MAG3シンチは左腎の極軽度の排泄遅 であった. 経尿道的左尿管瘤小切開術を勧めたが希望されず, 外来 経過観察とした. 6月下旬, 運動後に突然, 血尿出現した が, すぐに消失. その後, 排尿困難消失した. 7月 9 日, 当 科受診し, 膀胱鏡施行. 左尿管瘤の一部に出血斑が認め られ, 尿管瘤の壁は皺状で左尿管瘤自然破裂が疑われた. IVPでは, 左水腎症はほぼ消失していた. 手術も検討し たが本人も希望されないため, 現在, 外来経過観察中で ある.
ビデオ症例
10.Ho: YAG レーザーを用いた TULの経験 加藤 春雄,奥木 宏 ,岡崎 浩 中村 敏之(邑楽館林医療事務組合 館林厚生病院 泌尿器科) 【目 的】 o: YAG レーザーに よ る TUL を 平 成 20年 3月より導入し, 同年 12月までに 14例を経験したので 治療成績につき検討した. 【対 象】 年齢は 9 ∼72歳 (平 48.1歳). 結石部位は R3: 1例, U1: 6例, U2: 1 例, U3: 6例, 結石の長径は 3∼23mm (平 12mm) で あった. 【結 果】 手 術 時 間 は 24∼150 (平 81
), 術後 3ヵ月での stone free rateは全体で 71% (10/ 14), 部位別では R3: 0% (0/1), U1: 50% (3/6), U2: 100% (1/1),U3: 100% (6/6),前治療での ESWL 無効例 では 75% (3/4)であった.術後 2例に腎盂腎炎を認めた. 【結 語】 Ho: YAG レーザーによる破砕 効 果 は 良 好 で, 他治療無効例にも有用である. 11.栃木県立がんセンターの拡大前立腺全摘術(主に尖 部処理法について) 川島 清隆,小池 祐介,飯田 勝之 (栃木県立がんセンター) 栃木県立がんセンターでは前立腺癌に対する治療法と して IMRT, 125I 小線源治療も有しており手術症例は高 リスクが多い. 我々は根治性を追求した結果『超根治的 前立腺摘除術』に至った. これは前立腺被膜を一切露出 せず, に可能な限り多くの周囲組織を付けて摘出する ものである. 前立腺全摘術は難易度の高い手術であるが 解剖の個体差が手技を に困難なものにしている. しか し, 骨盤内臓器全体の解剖に精通しその規則性を正しく 理解すれば, 体型, 前立腺の形状に左右されることなく 常に安定した手術を行うことが可能になる. 必要なのは 前立腺そのものの解剖ではなく周囲臓器の解剖なのであ る. 恥骨直腸筋, 恥骨尾骨筋, 腸骨尾骨筋の 3群からなる 肛門挙筋, 直腸尿道筋, 直腸縦走筋の解剖学的理解に基 づいた超根治的前立腺摘除術の核を成すテクニックであ る『早期尿道露出法』と『直腸縦走筋完全露出』につい てビデオにて供覧する.