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保育士・幼稚園教諭に求められるピアノ・スキルとは何か

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(1)

保育士 ・幼稚 園教諭 に求め られる

ピアノ・スキル とは何 か

澤 田 まゆみ

What

are

the

Required Piano

Skills for

Nursery

and

Kindergarten

Teachers?

/1ayumi SAWADA

M″1凛αGル “屁み ぇ ,οr Co′′喀θ Taん ascんらC“π′πC 370‐0068,Jαpαπ 保 育士 幼稚 園教 諭 に どの ような ピアノ ス キルが求め られるか を

,先

行研 究 及 び保 育士試験等 の現状

,保

育 におけ る子 ど もの活動 の 中で ピアノが果 たす機能 等 か ら考察 し

,そ

の具体 的内容 を8つ見 出だ した。その うちの少 な くとも3つは 楽 曲 を前提 としない ピアノ スキルであ り

,音

程 や音域

,速

さや リズム

,強

弱, 和 音等 を楽譜や理論上か らではな く

,子

どもや保育者 自身の声 や動 き

,感

じる リ ズ ムや イメージ

,心

の動 きか ら導 き出 し,即興 的かつ創造 的 に ピアノで表現す る こ とが求め られてい る。そ してそれ らは

,子

ど もの歌 う活動や音楽体験 を充実 さ せ

,身

体 的表現活動や リズム感 の発達 を促 すための ものである。 Abstract

l examined what kinds of piano skills are required of nursery and kindergarten teachers from previous studies,the present condition of the nursery teacher exalninations etc"as、vell as the roles that the piano plaン s in chJdren's activlties in ch‖dcare and detected eight(8)concrete contents At least three C)Ofthem are

considered as such piano skills not based on musical compositions;、 vith them,it is

reqllilcd to denve musical intenals and rangcs,speeds alld rl■ ■tl‐s,loudness,chords etc not hm a mtlsical score or theon btlt fl¨ the"ices and mα ements ot cttdren and childcare persons themselNes,the lllltl■ nls alld images they feel ad their mood slls,and tho■ tO gve LEplovlsat10nal ald cleatl■ e cxplesslon with the pianα MoroD、cr,

those skills are to enhance children's singing activities and musical experiences to promote ther de■/elopment ul pllぃlcal expression actl■nties and the sense ofrhsth

(2)

澤 田 まゆみ は じめに 本論は

,保

育士 幼稚園教論にどのようなピアノ スキルが求められるかを

,先

行 研究や保育士試験等の現状

,保

育における子 どもの活動の中でピアノが果たす機能等 か ら考察 しなが ら

,そ

の具体的内容 を見出そうとするものである。 数々の先行研究により

,求

められるピアノ演奏能力

,音

楽的資質やその指導方法に ついて議論がなされてきた。たとえば譜読みにおいて楽譜に忠実で正確に表現するこ と (竹内

2008)や ,間

違えずに

,止

まらずに弾 くこと (松永 20K17)な どが重視 さ れてきた一方

,古

谷 (2∞

7)は

忠実な譜読みと正確な演奏は出発点であ り

,実

際に子 どもたちを前に伴奏をする場合には

,そ

の場の雰囲気や子供達の反応に合わせ

,楽

譜 どお りではな く

,臨

機応変に伴奏形 を変えた り即興で音 を加えた り減 らした りできる 能力が必要である, と指摘 した。本論においてあえて「ピアノ スキル」 とした理由 は

,こ

れらの先行研究 をもとに,よ り包括的にピアノを扱 う能力

,つ

まり演奏技術や 能力のみでな く

,保

育士 幼frE園教諭 としての資質面 も合わせた

,具

体的な能力を考 察 したい という願いがあるからである。羽根田 (20α

)に

よれば

,保

育者養成校

,幼

稚園

,学

生の3者間で ピアノ演奏技術の必要性 に対する5段階評定の平均値は

,保

育 者養成校が幼稚園のそれよりも高 く

,学

生が最 も低い。 また

,養

成校ではピアノ演奏 技術 を最 も重要であると捉え

,次

いで歌唱技能 と音楽基礎理論

,伴

奏法 を重要課題 と しているのに対 し

,学

生はうたうことや手遊び 歌遊びなど実践的な技術が保育者に とつて最 も必要であると考え

,幼

稚園では音楽理論 より総合的および実践的指導力 を 優先 して求めている。この相違 を手がか りに

,養

成校はピアノ演奏技術のみでな く, より現場が求めている総合的

,実

践的指導力 を身につけるための具体的な指導内容の 検討 をする必要がある。安田 長尾 (2010)が指摘するように

,こ

れまでの先行研究 において

,保

育での子 どもの音楽表現活動でピアノが果たす機能についての考察

,及

び音楽表現 に保育者はどう関われるのかといった「幼児音楽教育

Jの

理想か らピアノ 教育を改善 しようとする関心が不足 している。

2.日

本 の保 育所 。幼 稚 国 にお ける ピア ノ使 用 の背景 とその 目的 そ もそも日本の保育所 幼稚園において

,何

故 ピアノが用いられているのか。 長尾 (21X18)は

,今

日保育所 幼稚園でピアノが重用 される歴史的背景 を概観 した。 もともと明治期 より

,保

育においてピアノ

,オ

ルガン以外の和楽器やバイオリン,ラ ッパ等 も用いられていたが,大正期 にはオルガンが広 く普及 し中心楽器の地位 を占め, ピアノは リ トミックの伴奏 として も使用 された。昭和戦前期 に公立の保育施設で 58

(3)

100%普及 していた オルガ ンは

,昭

和 戦後期 1969年 をピー クに1970年 代 に ビア ノに取 って代 わ られてい き

,現

在 に至 る。長尾 は

,戦

前 の保育活動 で確立 された ピアノの用 途 として,「歌唱の伴奏」「行進の伴奏」「遊戯 身体的表現の伴奏」「活動の背景J 「音感訓練

Jの

5つ をあげ

,ピ

アノ 1台 でこれだけ幅広い用途があったことが

,ビ

ア ノが保育活動において重用された理由であろうとしている。またこれら5つ の用途の うち,「音感訓練」は今 日ではほとんどみられないこと

,そ

して

CD等

で代替すること ができるものを除 くと, ピアノの用途としては特に「歌唱の伴奏」が重視されている 現状であろうと指摘 した。 羽根田 (aン

)の

調査研究でも「歌」について言及されている。幼稚園教諭が音楽 的資質を求められる理由として,「子 どもの発達に歌が重要であるため」 を筆頭に, 「子 どもの音楽体験 を充実させるためJ「子 どもの身体表現活動を促すためJ「子 ども の リズム感の発達を促すため」が,「子 どもとのコミュニケーションを図るため」 と いう理由を倍以上上回った。また, ピアノ演奏技術習得に対する理由として,「ピア ノが効果的な楽器であること

Jを

筆頭に,「伴奏にはピアノが効果的であ り

,ピ

アノ 伴奏は必要不可欠である

Jと

いう回答結果を示 した。さらに

,幼

稚園にて歌 うことを 重要とする理由の筆頭 として,「感情 を豊かにするため

Jが

あげられている。 つまり,こ れらの歴史的背景や調査研究から考察すると

,現

在の保育所

,幼

稚園に おいてピアノが使用 される主たる目的は

,子

どもの発達に重要な「歌

Jを

歌唱する際 に伴奏 をすることである。また

,そ

の歌 う活動は,「感情を豊かにするため」の もの であることがのぞましい。さらに

,子

どもの音楽体験を充実させ

,子

どもの身体表現 活動や子 どものリズム感の発達を促すために, ピアノが用いられることがある, と考 えることができる。

3.子

どもが「歌 う」活動 にお けるピア ノの機能 と保育者の関わ り 子 どもの発達を促 し

,感

情を豊かにするための「歌う」活動を行なう際に

,ピ

アノ が果たす機能は何か。 小杉 (2∞

9)は

「歌 うこと自体の快 さを感 じる

,動

いて楽しむ,イ メージしながら じつくり歌 うなど

,子

どもたちが

,今

, どのように歌と交流 しているのか

,そ

の姿に 応答 しながら弾けるものであることが望ましいJと した。これを,「歌 う」活動にお けるピアノが果たす機能として言い換えれば

,子

どもが歌 うことの快 さを感 じ,「歌」 から動 きを感 じとって楽 しみ,「歌

Jの

中から様々なイメージをひろげること, とい うことができる。ここには

,子

どもと保育者がそれぞれの「表現」を互いに「享受」 し合いながら

,活

動を発展させてい くことができるような連鎖の構図がなくてはなら

(4)

澤 田 まゆみ ない。この「表現」と「享受」という視点は

,吉

永 田坂 (2∞

3)が

次のように指摘 している。 吉永 田坂 は保育者が ピアノを子 どもに とって相応 しい歌 を考 える時

,幼

児期の音 楽的成長 は

,表

現 の レベル と聴取 の レベ ルのそれ とが等 し く発達す るわけで はない た め

,歌

う目的が 「表現

Jな

のか「享受」であるのか とい う2つの視点 を立 てることが 重要であるとした。つまり,「表現

Jを

目的とする場合には

,そ

の曲のメロデ ィーや リズム

,構

造の特徴が子 どもの音楽的発達のレベルに相当 しているかが大切であり, 「享受

Jを

目的にお く場合には,よ い歌であれば

,子

どもにとって難 しいと思われる ものであっても,メ ロディーや言葉の美 しい響 きにふれ

,美

しいものを美 しいとわか る感性を育むという考え方である。 実際にはこの「表現」 と「享受

J双

方の視点が

,子

どもが「歌う」活動においてに 生かされることによって子 どもの発達は促され

,そ

して子 どもたちは感情を豊かにし てい くだろう。保育者の奏でるピアノは

,そ

の本来の「歌 う

J活

動の目的のために, 大 きく寄与するべ きである。

4.様

々な保育活動 におけるビアノの機能 と保育者の関わり

2

で述べたように,「歌 う

J活

動以外に子 どもの音楽体験 を充実 させ

,子

どもの 身体表現活動や子 どものリズム感の発達を促すためにピアノが用いられることがあ る。ここでは「歌 う

J活

動以外でのピアノの機能について考察する。 九山 (2∞

3)は

,保

育所 と幼稚園では, ビアノ演奏の位置付けに違いがあると示唆 した。幼稚園でのピアノ演奏は音楽教育の一環であ り,「ピアノとともに歌 う

,表

現 する」 という活動であるのに対 し

,保

育所ではピアノ演奏の位置付けが「音のtr・れ」 といういわば雰囲気作 りのための位置付けであろうとした。香曽我部 (21X18)は

,保

育所

,幼

稚園の制度的分断ではなく

,園

の保育カリキュラムの違いに着目して

,保

育 者の音楽的資質への意識の違いを研究 している。香曽我部は

,自

由な遊びを中心 とし た園を「遊び中心型

J,マ

ーチングや和太鼓などの一斉による音楽活動を取 り入れて いる国を「音楽活動型」として

,そ

れぞれの型の音楽活動への価値づけ

,子

どもの発 達を捉える視野

,保

育に用いるス トラテジーの違い等について考察 した。「遊び中心 型

Jで

は「子 どもの自発性や自主性が保障されているか」に心を配 りつつ,「子ども の言葉や行為に対 して

,即

興的に演奏 したり

,遊

びに適 した音楽表現様式を援助 した りする能力

Jが

,「音楽活動型

Jで

は「子どもの発達に適 しているかを軸に」「ピアノ の演奏技術だけでなく

,他

の楽器の演奏技術」や,自 らの音楽能力を園の行事や発表 会に結びつけてい く能力が求められているとしている。つまり

,保

育者の背景 となる ∞

(5)

保育所や幼稚園での 日常的な保育内容が

,こ

れらの違いに大 きく影響 を与えているわ けであるが, どちらにも共通 して求められることは,「保育において音楽活動 をデザ インする力」であ り

,そ

れを養成するために,「養成課程 において

,音

楽的な知識や 技術を身につけるだけでな く, さらにその知識や技能を園の教育方針や, 日常的な保 育において適応的に用いる力を育成することが重要である」 としている。

5.保

育士試験等 に お ける ピア ノ課題 平成15年度 までは厚生労働省の「保育士試験実施要項」 に従い

,保

育士試験が毎年 一回各都道府県で実施 され

,バ

イエルやコールユープンゲ ンなどが課せ られていた。 平成16年度からは全国保育士養成協議会により全国一斉試験が行われてお り

,音

楽の 実技に関 してはピアノ

,ア

コーデ イオン

,ギ

ターのいずれかで伴奏 をしなが ら「童謡 の弾 き歌い」2曲が課題曲として課せ られている。 1曲 につ き50点満点であ り

,各

30 点以上

,つ

まり2曲で60点以上得点すれば合格 となる。「幼児に歌 って聴かせること を想定 して」弾 き歌いすることが求められてお り, ピアノ伴奏には市販の楽譜を用い るか

,実

施試験概要に掲載 されている楽譜のコー ドネームを参照 して編曲 したものを 用いるとしている。前奏 後奏 をつけてもよく

,移

調することや

,楽

譜の持込 も可能 である。 群馬県においては群馬県保育協議会により保育士採用統一適性検査 (一般教養 と専 門科 目

)が

行われてお り

,筆

記試験の専門科 目の中で5間ほどが音楽関連の出題 とな っている。 また

,幼

稚園への就職に向けた群馬県私立幼稚園教諭適性検査での一般教 養問題の中にも5間ほど音楽関連の出題があるのみであ り, どちらもピアノ等の実技 試験の実施

,内

容等は就職先での採用試験時に委ねられている。嵐柴 ら (2005)の 研 究によると,群 馬県東毛地区,埼玉県北部及び西部地区の保育所 幼稚園への調査で, 新卒者採用時に音楽力を重視する保育所

,幼

稚園は約6割であ り

,そ

の うちの4分の 1がピアノが上手であることを重視 している。 また保護者の意識 と要望 として約8割 の保護者が鍵盤ハーモニカの指導 を望み

,約

7割の保護者が古い 日本のわらべ うたや 童謡の指導 を

,約

6割の保護者が クラシックなどの音楽が自然に耳か ら入るような環 境 を園に望んでいることも明らかに した。 その他

,規

制改革推進3か年計画 (2KX13年 3月28日 閣議決定

)を

踏 まえ

,2∞

5年か ら保育士 として3年以上の実務経験者に対 して実施 されている幼稚園教員資格認定試 験 (幼稚園教諭2種免許状 を取得可能

)に

おいても

,筆

記試験のみであ り, ビアノの 実技試験 は課 されていない。

(6)

澤 田 まゆみ

6.考

察 保育におけるピアノ使用の主たる目的 と考えられる「歌 う

J活

動での伴奏は

,子

ど もたちが歌 と交流 している姿に呼応 して奏 されることがのぞましい。子 どもが歌 うこ との快 さを感 じ,「歌」から動 きを感 じとって楽 しみ,「歌」の中から様 々なイメージ をひろげるようなピアノの機能が求められている。子 どもたちの活動に呼応するため には

,保

育者 自身が子 どもたちの声や動 きから

,音

程や音域

,速

さやリズム

,強

弱等 をききとり,そ れをビアノにおいて模倣する,あ るいはお きかえる能力が必要である。 子 どもが歌 うことの快 さを感 じるためには

,子

どもが「歌いたい」 と思 うような魅力 的なピアノの音

,そ

して

,子

どもの息遣いや姿か ら適切なテンポやフレーズ感 を感 じ とって演奏する力,さ らに

,子

どもの歌 をひきたて, ともに共感 じあえるような音量 のバランスをはかる能力が求め られるだろう。子 どもが「歌」か ら動 きを感 じとつて 楽 しむためには

,保

育者が曲想や曲のリズム感 をとらえ

,そ

れをビアノで表現する能 力が必要である。子 どもが「歌

Jの

中か ら様々なイメージをひろげてい くためには, 曲想や曲の内容に沿つたイメージを, ピアノの音程や音域

,速

さや リズム

,和

,強

弱等で表現する能力が求め られる。 また,これ らの「歌 う」活動は

,子

どもの感情 を 豊かにするための ものであるから

,喜

怒哀楽をは じめ

,保

育者は様々な心の動 きをピ アノで表すことができるとよい。 「歌 う

J活

動以外の様々な保育活動では,自由な遊びを中心 とした園において

,子

どもの言葉や行為に対 して即興的に演奏 した り

,遊

びに適 した音楽表現様式 を援助 し た りする能力が必要である。つまり

,子

どもの言葉や行為 (動き

)を

ビアノの鍵盤上 で模倣 した り

,保

育者 自身の言葉や行為 をピアノでこたえてあげられるような,自由 で即応性のある表現力が求め られている。また

,マ

ーチ ングや和太鼓などの一斉によ る音楽活動 を取 り入れている国では, リズムや読譜力

,楽

典の理解に基づいたピアノ または他の楽器の演奏技術が求められ

,そ

れを行事や発表会に用いて結び付けてい く 能力が必要 とされる。これには2つの方向が考 えられるが

,ひ

とつは自らの技術 をそ のまま生か し

,背

景 としての音楽や鑑賞会等にて演奏 をすること,も う一つは自らが 身につけているピアノや他の楽器の技術能力 を

,子

どもが理解 し

,共

感で きるように やさしく具体的に紐解 き

,大

切な要素を把握

,抽

出 して子 どもたちに伝 える能力 とい えるだろう。これ らいずれにおいて も

,保

育士 幼稚園教諭が自らの演奏技術や楽器 の構造

,音

の原理

,奏

法等 を把握 し

,紐

解いたうえで

,そ

れを園の教育方針や,日常 的な保育 において子 どもの発達 をかんがみなが ら適応的に用いる力が求め られてい る。 保育士試験 の内容か ら求め られ る ピア ノ スキル を考察す る と,まず注 目されるの 62

(7)

は「幼児 に歌 つて聴かせることを想定 して

Jと

いう言葉である。共 に「歌 う」

,あ

る いは「子 どもの姿に呼応 して

Jで

はな く,「歌 つて聴かせる

Jた

めの童謡の「弾 き歌 い」を要求 しているのである。 また

,前

奏や後奏 をつけること,コー ドネーム

,移

調 奏 も求められているスキルであるといえる。この うち,コ ー ドネームに関 していえば, 現在保育で用いられている子 どもの歌は

,子

どもの声域並びに保育者の演奏の しやす さ等か ら

,ハ

長調

,へ

長調, 卜長調

,二

長FIBの ものがほとんどである。 したが つて, 各調の主要三和普及び

,そ

の構成和音 となる

,C,F,G,D,A,Bの

コー ドネー ムは必須であ り

,そ

の しくみ及び転回形

,七

の和音について身につけてお くことがの ぞましい。 またその前提 として

,音

階や音名

,音

程についての理解 も必要である。近 年では,コー ドネームを付 した楽譜 も多 く出てお り

,楽

譜 どお りに伴奏 を弾 くのでは な く,コー ドネームによる伴奏 も充分に有効である。コー ドネームや和音の理解及び それを奏でることは子 どもの歌唱の伴奏 を助けるのみでな く

,子

どもたちが豊かなハ ーモニーと共鳴 しあい

,一

緒に音楽を奏でた り

,歌

つた りする喜びにつながつてい く ものである。 園の保育 カリキユラムや国の指針等 とあわせ

,保

護者からの要望 も

,保

育士 幼稚 園教諭 に求め られるピアノ スキルを考察するうえで

,取

り入れて よい要素である。 わらべ うたや童謡をビアノで多 く演奏で きること, また, クラシック曲もい くつか演 奏で きることがのぞまれている。

7.ま

とめ これ らの考察により

,現

在 日本の保育士 幼稚園教論 に求め られる具体的なピア ノ スキルとして

,次

の ような内容 をあげることがで きる。 1 ) 2) 子 どもの声や動 きか ら

,音

程や音域

,速

さや リズム

,強

弱等 をききとり

,そ

れ をピアノにおいて模倣する

,あ

るいはお きかえる力 自らの声や動 き

,体

の中にあるリズムを感 じとり,それをビアノの音程や音域, 速 さや リズム

,強

弱等で表現する力 子 どもや自らが もつ様々なイメージや心の動 きを, ピアノの音程や音域

,速

さ や リズム

,和

,強

弱等 によつて即応的に表現する力 楽曲から曲想や リズム感,フ レーズ感 を感 じとり

,そ

れを豊かなイメージをも ってピアノで弾いた り

,弾

きなが ら歌 う力 4)

5)子

どもが歌 うことの快 さを感 じることがで きるよう

,子

どもの息遣いや姿か ら 適切な速 さとフレーズ感 を感 じとり

,音

量のバランスにも配慮 して伴奏する力 3)

(8)

6) 7) 澤 田 まゆみ 自 らの演奏技術 や楽器 の構造

,音

の原理

,奏

法等 を把握 し

,子

ど もが理解 し, 共感 で きる ようにや さ しく具体 的 に紐解 く力

,そ

してそれ を園の教育方針や, 日常 的な保育 において子 どもの発達 をかんがみなが ら適応 的 に用 いる力 ハ長調

,へ

長調, 卜長調

,二

長調 を中心 と した各音 階 と主要三和音

,及

びその 構成和音 となる

C,F,G,D,A,Bの

コー ドネームの しくみ

,転

回形

,七

の和音 を理解 し

,演

奏する力

8)子

どもの音楽体験 を充実 させるため

,わ

らべ うたや童謡, クラシック曲など, 様々な曲を演奏する力

1)∼

3)は

楽曲を前提 とせず

,子

どもや保育者 自らの声や動 き,イ メージや心の 動 きをピアノで表現する力

, 4)及

5)は

楽曲を前提 として

,楽

譜や子 どもの姿か ら読みとり

,感

じとったものを演奏に生かす力

, 6)は

自らの演奏技術

,楽

器学的な 視点等 を

,子

どもたちの発達に沿って用いる力

, 7)は

自由で より豊かな伴奏をする ための力

, 8)は

曲のジヤンル, レパー トリーの幅に関する力である。 これらのなかで とくに着 目したいのは

, 1)∼ 3)の

楽曲を前提 としないピアノ スキルである。 ここではピアノの音程や音域

,速

さや リズム

,強

,和

音の把握を, 楽譜や理論上か らではなく

,子

どもや保育者自身の声や動 き

,感

じるリズムやイメー ジ

,心

の動 きか ら導 き出す ことが必要 とされている。 しか もそれは即応的なものが求 め られてお り

,そ

れによつて子 どもと保育者がそれぞれの「表現

Jを

互いに「享受J し合いなが ら活動 を発展 させてい くことができるのである。 保育者には今

,子

どもと言葉を交わす ようにピアノを扱 えるような,よ り即興的で 創造的なピアノ スキルが求められているといえる。そ してそれは単に「子 どもとコ ミュニケーシ ヨンを図るため」 というよりも

,子

どもの歌 う活動や音楽体験 を充実 さ せ

,身

体的表現活動や リズム感の発達を促すための ものである。

3.お

わ りに 今回の研究は

,先

行研究でのキーワー ドやアンケー ト調査であらか じめ設定 された 言葉を基に したものにとどまっている。今後はこれ らをさらに精査 し

,必

要であれば 新たなキーワー ドを基にした研究をすすめなが ら

,今

回見出だ したピアノ スキルの 具体的内容について

,保

育士 幼稚園教諭養成校 においてどのように指導 し

,学

生が 身につけていつたらよいか

,そ

の指導法を研究 してい きたい。 64

(9)

引用・ 参考文献 厚生労働省 (21K18)『保育所保育指針く平成20年告示>』 厚生労働省告示第141号 文部科学省

(2008

『幼稚園教育要領く平成20年 告示>』 文部科学省告示第26号 財団法人ヤマハ音楽振興会音楽研究所編 (21XXl) 「音楽は子 どもに何 を与えられるか ヽ心 の成長に欠かせない音楽教育∼

J

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!

弾 こ う

こ ど も とと もにJ ヤマハ ミュー ジツクメデ イア 小倉隆一郎 (2∞

7)

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