電子計算機技術者はロバート・パーカーの夢を見るか?
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(2) ■ 葉山 考太郎 ワインライター ソフトウェア開発を 30 年経験後, 大学勤務.葉山名義でワイン専門 誌に寄稿.主な著訳書は,『クイズ ワイン王』『今夜使えるワインの小 ネタ(講談社)』,『30 分で一生使 えるワイン術(ポプラ社)』,『ブル ゴーニュワイン大全(白水社)』.. から良い点数をもらうため,パーカー好みのどっしり濃厚なワイン(別称というより蔑称で 「黒ワイン」と呼ぶ)を作る生産者も多く,銀河系のワイン産業を一人で牛耳っている. パーカー・ポイントの内訳は,色が 5 点,香りが 15 点,風味と余韻が 20 点,熟成の可能 性が 10 点.残りの 50 点はワインであれば無条件にもらえる.パーカーにインタビューした 時に, 「実質的に 50 点法ではないか?」と聞いたところ,「半分は,教室で息をしていれば もらえる出席点と同じだ」と答えてニヤッと笑った.パーカー・ポイントには,パーカー個 人の嗜好を 50 点満点で採点しただけとの批判と,ワインのレベルを標準化,簡略化したこ とへの評価が渦巻くが,良くも悪くもこれが「ワインの品質メトリクス」だ. ワインと対極にある(ように見える)ソフトウェアの品質メトリクスはどうか? 開発プ ロジェクトには内部基準(たとえば,累積バグ数をプロットしたゴンペルツ曲線が漸近線に 近づいた)はあるが,ユーザに向けた定量的評価は見ない.ワインは,1 本 380 円から 150 万円までいろいろある.ソフトウェアも品質レベルは多様だ.ユーザに見えるソフトウェア の品質メトリクスがあれば,ユーザも品質に金を払うし,発注側も開発費用や期間を値切っ てプロジェクトがデスマーチ化することも少なくなる.ソフトウェア界に「ロバート・パー カー」の出現を望む.. 情報処理 Vol.56 No.6 June 2015. 巻頭.
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