ビブリオ・トーク ─私のオススメ─:ディジタル作法 ─カーニハン先生の「情報」教室─
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(2) 連載. ビブリオ・トーク. ─ 私のオススメ─. 情報科学のバイブル的存在. 授業を受けずとも,誰もが生涯にわたって情報社. 私は本務校をはじめとしていくつかの大学で「情. 会を生きていくために何をしていくべきか何に注意. 報科学と人間」 「コンピュータと人間」といった,. を払うべきなのかといった,情報社会とのコミュニ. 情報社会で生きる私たち人間が何を知っておく必要. ケーションのセンスを身につけることが必要と思わ. があるのか,何をすべきなのかということを伝える. れるが,本書では情報技術を支える基礎的で普遍的. 授業を行っているが,いずれもこの本を教科書,参. な知識に加え,そういったセンスを身につけるため. 考書として指定する.. の一通りの知識を得ることができる.書き方も学術. 情報社会の発展は急激なのでこういった本の記述. 書風ではなく,専門家でなくてもすらすら読める本. の中には,数年経つと時代遅れになってしまうもの. であり,もっと知りたい人のためには補助資料が豊. もあるが,基本的な理論は長く変わらず意味がある. 富に提示されている.. ことである.そういった内容が盛りだくさんの本,. 本書のまえがきの言葉を借りれば,セールスマン. いわゆる情報科学のバイブル的存在といってもいい. やサービスセンタが 100%本当のことを言っている. と思う.. わけではないこと,無知はすぐに被害につながるこ. 情報リテラシーという言葉がある.リテラシーと. と,企業がどのようにして情報を利用して利益をあ. は「読み・書き」のことだ.読み書きは社会で生き. げようとしているのか知らなければ私たちは無意味. ていくためには必須である.情報社会における読み. にプライバシーをさらすことになるなど,情報社会. 書きが情報リテラシーということになるが,最近で. が私たちの生活に与える影響がどんなに多いことか. は,情報リテラシーを拡大した概念であり,生涯に. …そういったことを少しでも緩和するためにも本書. わたって情報技術を使い続けていくために十分な能. を一読することを勧める.. 力である「情報フルエンシー」という考え方のもと. (2013 年 11 月 27 日受付). に大学の情報の授業が設計されている.こういった 授業を受講する場合には,情報技術を支える基礎的 な知識は普遍である一方で,情報社会の進展の速度 を考えた場合,授業で学ぶことの中には何年か後に は通用しないことがある.それゆえ,単位取得が目 的ではなく,学生が受けた授業を本当の意味で活か してほしいのはその後なのである.. 高岡詠子(正会員) [email protected] 慶應義塾大学理工学部卒業,同大学院博士課程修了,博士(工学). 現在上智大学理工学部情報理工学科准教授,環境,教育,医療に関する アプリ構築やデータ解析を行っている.主な著書「シャノンの情報理論 入門」(講談社ブルーバックス).. 情報処理 Vol.55 No.3 Mar. 2014. 291.
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