<論説>財政投融資の憲法学的一考察(三・完)--平成12年改正を契機として
58
0
0
全文
(2) 近畿大学法学. 第54巻第4号. で あ る 。 は じ め に,平 成12年 改 正 前 の や や 古 い もの で は あ る が,大 時)理. 蔵 省(当. 財 局 の 人 間 に 対 す る 興 味 深 い イ ン タ ビ ュ ー を 紹 介 す る㈱゜ 。. 一. 経 営 が 破 綻 した 旧 国 鉄 や 累 積 赤 字 が 問 題 に な って い る 国 有 林 野 事 業 へ の. 貸 し出 しは審 査 が 甘 か った の で は。 「理 財 局 の立 場 か らい え ば,国 有 林 野 も政 府 の 経 営 改善 計 画 と い う担 保 が あ る わ けで す 。 国 鉄 が 出 して き た だ け の経 営 改善 計 画 な ら ノー と言 え た で し ょう け ど,閣 議 決 定 され た もの を大 蔵 省 と して信 用 で きな い とは 言 え な い。 仮 に あ る 機 関 が 成 り立 ち得 な くな って も,立 法 府 も含 め て,政 府 全 体 が そ の 機 関 を存 続 させ,こ 一. うい う政 策 を や る と決 め れ ば,わ れ わ れ と して も貸 さ ざ るを 得 な い」. 審査の段階で. ,各 財 投 機 関 が 出資 して つ くっ た子 会 社 や 子 団 体 も含 め て,. コ ン ツ ェル ン化 した 特 殊 法 人 の 世 界 全 体 を チ ェ ックす る こ と はで きな いか 。 「担 当官 が 全 部 で20人 と い う少 数 体 制 で,そ. うい う と こ ろ ま で 全 部 チ ェ ッ クす. る こ とは で きな い 。 そ れ は各 省 庁 の 問 題 で す 」. この イ ン タ ビュー か らは,や や 荒 っぽ い が,次 の2点 を 指 摘 で き る。 す な わ ち,第 一 に,財 投 対 象 機 関 の チ ェ ックは,原 則 と して 所 管 省 庁 が 行 い, 財 務 省 は行 わ な い(人 的資源の少 なさよ り行 うことがで きない)と い う こ と。 第 二 に,財 投 対 象 機 関 に 関 す る大 き な 問 題(た とえ ば,存 続 等)の(閣. 議). 決 定 に,財 政 規 律 に最 も関 心 を 有 す る財 務 省 の 意 思 が 反 映 され て いな いの で は な い か とい う こ とで あ る。 (2)財. 投 対 象 機 関 と所 管 省 庁 の 結 び つ き の 強 さ. 敷 街 して 考 え る。 問 題. の 第 一 は,財 投 対 象 機 関 の 事 業 内 容,財 務 状 態 に 対 す る チ ェ ックの 多 くが 所 管 の 各 省 庁 限 りで 行 わ れ て お り,財 務 省 が これ ら に対 す るチ ェ ックを 自 ㈹. 「 理 財 局 の 言 い 分 」塩 田 潮 ・郵 政 最 終 戦 争(講 談 社 文 庫,2005年)182頁 こ れ は,1996年. 以下。. 暮 れ に 行 わ れ た 理 財 局 の 財 投 担 当 者 へ の イ ン タ ビ ュー で あ る。. 2.
(3) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的 一 考 察(三. 。完). ら充 分 に 行 う こ とが で きて い な い,と い う意 味 で の 割 拠 性 で あ る。 法 令 上 の 定 め に よ れ ば(表11を 参照),政 策 金 融 機 関 とそ れ以 外 の 機 関 と で 財 務 省 の 関 与 の 度 合 い が 異 な る こ とが わ か る。 政 策 金 融 機 関 に対 して. 表11財. 投対象機関 に対す る主務大臣お よび財務大 臣の関与 (出所 筆者作成). 住宅金融公庫法. 役員 の 任 命. 日本道路公団法(廃止前). 高速道路株式会社法 独立行政法人通則法. 総 裁 は内 閣の 承認 総 裁 及 び幹 事 は国 代 表取 締 役等 の選 を得 て主務 大 臣が 土 交通 大 臣が 任命 定 等 の決 議 は国土 任命(11条1項) (10条1項) 交 通 大 臣の認 可が 一 な けれ ば効力 を生 副総裁 お よ び理 事 副理事 及 び理事 は じな い(9条) は総裁 が主 務 大臣 総 裁 が国土 交通 大 の認可 を得 て 任命 臣の 認可 を得 て任 (11条2項) 命(10条2項). 法人 の長 は主 務大 臣が 任命 (20条1項) 役員 は法 人 の長が 任命 し主務 大 臣 に 届 出(20条4項). 業務方法書 は主務 資本 金の増 加 に は 定 款 の変 更等 は国 業務方 法 書 は主務 大 臣 が認可 国土 交通大 臣 の認 土交通大臣が認可 大 臣が認 可 (24条1項). 可(4条2項) 一. (13条). 一一 一 一 一 一 一 一. (28条1項). 事業計画 事 業計 画 お よび資 業 務方 法書 は 国土 事業計画は国土交 中期 目標 は主 務大 金 計画 は主 務 大臣 交 通 大 臣 が 認 可 通 大 臣が 認可 臣が定 立(29条) 中期計画 が認可(25条) (20条) (10条) 中期計 画 は主 務大 事 業 計画 お よび資 臣が認 可(30条) 金計画 は 国土交 通 年度計 画 は主 務大 大 臣 が認可(22条) 臣 に届 出(31条) 借 入金 には主務 大 臣が認 可 (27条 の2). 資本 金の増 加 に は 株 式 の発 行 には国 国土 交通大 臣 の認 土 交通 大 臣の認 可 可(4条2項) (3条2項) 一. 住宅金融公庫債券 借 入 金(長 期 ・短 社 債 の発行 ・1年 の発行 は主 務大 臣 期)お よび道路 債 を超 え る資金 の借 が 認 可(27条 の3) 券 の発 行 には 国土 入 れ に は国土交 通 交通大臣が 認可 大 臣 が認 可(11条) (26条). 財務行為. 重 要 な財産 の譲 渡 長 期借 入金 お よ び 等 には国土 交通 大 道 路債 券 の償還 計 臣が認 可(12条) 画 につい て国土 交 通 大 臣が認 可 (29条). 役 員 お よび職員 に 対 す る給与 お よ び 退 職手 当 の基準 を 定 め る際 に国土 交 通 大 臣の承 認 (32条). 3. 中期計 画 に定 め る 限度額 を超 え る短 期借入 金 に は主務 大臣 の認 可(45条) (*長 期 借 入 金 お よ び債 券 発行 は法 律の定 め がな い限 り不可 能) 重要 な財産 の 譲渡 等 には主務 大 臣が 認 可(48条) 一.
(4) 近畿大学法学. 予 算. 第54巻第4号. 予算 は主 務大 臣 を 予算 は 国土 交通大 経 由 して財務 大 臣 臣 が認可(22条) に提 出 (公予決法3条) 主務 省令 の定 め る 財務 お よび会 計 に ところ によ り必 要 関 し必要 な事 項 は な帳 簿 を備え る 法 律 ・政 令 の 他 、 (29条) 国土 交通 省令 で定. 財務 計算 に関す る 諸表 の様 式 にっ い て は国土 交通 大 臣 の定 め に従 う (14条1項). 財務 お よ び会 計 に 関 し必要 な事 項 は 法律 ・政 令 の他、 主務 省 令で定 め る (50条). め る(33条) 財務諸表は主務大 一 臣を経 由 して 財務 財務諸表は国土交 財務 諸表 は 国土交 財務 諸表 は主 務大. 財務諸表 大 臣に提 出 し承認 通大 臣 に提 出 し承 通大 臣 に提 出 を受 け る (公予 決法18条). 認を受 ける. (14条3項). 臣 に提 出 し承 認 を 受 け る(38条). (24条1項). 決算報告書は主務 大 臣 を経 由 して財 務 大 臣 に提 出 (公予 決法19条). 主務大臣が監督 (31条). 監 督. 国土交 通 大 臣が監 国土 交通 大 臣が監 督(34条) 督(15条). 主務 大 臣が報 告 さ せ検 査 を行 う (64条). 主 務大 臣 が報告 さ 国土 交通 大臣 が報 国土 交通大 臣が報 せ また検査 を行 う 告 させ また検 査を 告 させ また検 査 を 主 務 大 臣が違 法行 (32条) 行 う(35条) 行 う(16条) 為の是 正 措置 を求 め る(65条) 財 務大 臣 は収支 の 実 績等 につ いて報 告 を求 め、 予算 の 執 行状 況 につ いて 実 地監 査 を行 う (公予 決法22条) 国 土交 通大 臣 お よ (国土交通 大 臣) び財務 大 臣(45条). 個 別 法 で定 め る (68条)→ 財務大 臣 は入 らな い *財 務 大 臣は下 線 *財 務 大 臣は下 線 部 の認 可 につ いて 部 の認 可(お よ び 主務大臣 協 議 を受 け る(定 余 裕金 の運 用 ・利 *財 務 大 臣は下 線 款 の変 更 は発行 株 益 の処 理 に対す る 部 の認 可等 につ い 式 総数 の変 更 を内 主 務大 臣 の認可) *財 務 大 臣は主 務 て協議 を受 ける 容 とす る もの に限 につ いて協 議 を受. 担. (39条). (国土交 通大 臣). る)(17条) 一. 塑(67条). は,財 務 大 臣 は,第 一 に,主 務 大 臣 と して(す べ て他の大臣 と共 管であるが) 事 業 計 画 及 び資 金 計 画 の認 可 や,資 本 金 増 額,借 入 金,起 債 とい った重 要 な財 務 行 為 に対 す る認 可 を行 うの み な らず,第 二 に,「公 庫 の予 算 及 び決 算 4.
(5) 繍. 財政 投 融 資 の憲 法学 的一 考 察(三. ・完). に 関す る法 律 」 に基 づ い て 予算,決 算 報 告 書 の提 出 を受 け,予 算 に関 し必 要 な調 整 を行 う と と もに,必 要 な場 合 に は収 支 の実 績 若 し くは 見込 に つ い て報 告 を求 め,又 は公 庫 の予 算 の執 行 状 況 に つ い て実 地 監 査 を行 う こ とが で き,広 範 に事 前,事 後 の統 制 を行 う こ とが で き る。 これ に対 し,そ れ以 外 の財 投 対 象 機 関 に対 して,事 業 内容,財 務 状 態 に 対 す るチ ェ ック を行 うの は 原 則 と して 主 務 大 臣 で あ る㈹。 財 務 大 臣 は,主 務 大 臣 が行 う事 業 計 画 や 中期 計 画 の認 可,借 入 金 や起 債 とい った重 要 な財 務 行 為 に対 す る認 可 につ い て協 議 を受 け る に過 ぎ な い。 か か る協 議 の実 態 は不 明 で あ る。 確 か に,法 令 用 語 と して の協 議 は,原 則 と して合 意 が要 件 と解 され て い る よ う で あ り⑬ 鋤,そ うで あ る な らば,協 議 を 挺 子 に それ な り の影 響 力 を 財 務 大 臣(財 務省)が 行 使 す る こ と も可 能 と な る の か も しれ な い。 現 に,行 政 組 織 法 学 説 に お い て,上 下 関 係 に あ る わ け で は な い が指 揮 監 督 権 に類 似 す る権 限 を行 使 し調 整 を行 う 「行 政 管 理 機 関」 へ の注 目が高 ま って い るが㈱,か か る 「行 政 管 理 機 関 」(財 務省 もこれに含 まれ る)の. 「統. 制 権 」 の一 つ と して の 「承 認 権 」 に,「 協 議 等 を 受 け る もの とす る統 制 手. ㈹. これ に対 し,会 計 法46条 に よれ ば,「財 務 大 臣 は,予 算 の執 行 の適 正 を期 す た め,各 省 各 庁 に対 して,収 支 の実 績 若 し くは 見 込 に つ い て 報 告 を 徴 し,予 算 の 執 行 状 況 につ い て実 地 監 査 を行 い,又 は必 要 に 応 じ,閣 議 の 決 定 を経 て,予 算 の 執 行 につ い て必 要 な 指示 を な す こ とが で き る」(1項)。. ま た,財 務 大 臣 は,. 補 助 金 の交 付 を 受 け た者 等 に対 して,「 そ の 状 況 を監 査 し又 は報 告 を徴 す る こ とが で き る」(2項)。. こ の点,(4)で 触 れ る 予算 執 行 調 査 や 実 地 監 査 はか か る権. 限 を 活 用 した 財 投 対 象 機 関 へ の チ ェ ックで あ る と解 され,注 ㈹. 目 され る。. 遠 藤 文 夫 「行 政 機 関 相 互 の 関係 」 雄 川一 郎=塩 野 宏=園 部 逸 夫 編 ・現 代 行 政 法 大 系7行. 政 組 織(有 斐 閣,1985年)159頁. 織 法(有 斐 閣,2005年)99∼100,104頁. 以 下 の187頁,藤. 田宙 靖 ・行 政 組. 。 も っ と も,「立 法 者 の意 思 が 関 係 官 庁. の 同 意 を 行 為 の有 効 要 件 とす る もの で あ るか ど うか は 必 ず し も判 然 と しな い」 と述 べ る もの もあ る。 山 内一 夫 「官 庁 間 の 協 議 に つ い て」 同 ・新 行 政 法 論 考 (成文 堂,1979年)170頁 ㈱. 以 下 の172頁 。. 藤 田 ・前 掲 注 ㈹101∼102頁 。. 5. 聡ご'、辱.
(6) ㎞ ¶㍗. 近畿大学法学. 第54巻 第4号. 段 」 を含 ま せ る学 説 も存 す る嬢9。 しか し,改 め て表11を 見 れ ば わ か るよ うに,民 営 化 や 独 立 行 政 法 人 化 に 伴 い,協 議 の対 象 とな る事 項 も狭 くな って お り,独 立 行 政 法 人 に至 って は, 年 度 計 画(独 立行政 法人通則法31条)や 財 務 諸 表 とい った,事 業 年 度 ご との チ ェ ッ クを可 能 とす る事 項 に対 す る財 務 大 臣 の 関与 は 外 され て い る。 これ らは,規 制 緩 和 の流 れ か らす れ ば 当然 と もい え るが,一 面 に お い て,財 務 省 に よ る コ ン トロー ル を免 れ させ,各 省 の 割拠 性 を強 め て い るよ うに も思 わ れ るQ か か る割 拠 性,す. な わ ち財 投 対 象 機 関 と所 管 の各 省 との結 び つ き の強 さ. 及 び そ れ と比 較 して の財 務 省 に よ る財 投 対 象 機 関 へ の 関与 の小 さ さ とい う 図式 は,財 投 対 象 機 関 の デ ィス ク ロー ジ ャー や政 策 評 価 に 関 して も当 て は ま る。 前 者 につ い て は,理 財 局 担 当者 に よ る平 成12年 の財 政 投 融 資改 革 の 説 明 中 に,「各機 関及 び所 管 官 庁 等 にお い て,デ ィス ク ロー ジ ャー の一 層 の 充 実 に 向 け た積 極 的 な取 組 み が期 待 され る」㈹ との 表現 が 見 られ る(圏 点上 田)。後 者 に 関 して も,独 立 行 政法 人 の 業 績 評 価(各 事業年度 につ いて,独 立 行政法人通則法32条,中 期 目標 につ いて,同 法34条)を 一 次 的 に行 うの は主 務 省 に設 置 さ れ る独 立 行 政 法 人評 価 委 員 会 で あ る(同 法12条)。 か か る制 度 の背 景 に も,主 務 大 臣 の政 策 判 断 へ の尊 重 が存 在 す る㈹。 こ の よ う に,実 務 に お け る 所 管 原 則 の 絶 対 視 に は 根 強 い もの が あ る。 穿 った見 方 をす れ ば,か か る制 度 は,財 務 状 態 の悪 い又 は事 業 の必 要 性 を 欠 く財 投 対 象 機 関 を所 管 官 庁 が 守 る こ とを可 能 にす る もの と もい え る磯 ゆ 。 ㈱. 遠 藤 ・前 掲 注 ㈹188∼9,192頁. 働. 岡 本 直 之 ・前 掲 注 ⑳11頁 。. 。. ㈱. 宇 賀 克 也 ・政 策 評 価 の法 制 度(有 斐 閣,2002年)139頁. ㈱. も っ と も,財 投 対 象 機 関 に対 す る財 務 省 の 関 与 を 大 き くす れ ば そ れ で 問 題 が. 。. 解 決 す る わ け で もな い。 財 務 省 と政 策 金 融 機 関 との 関 係 につ いて しば しば指 摘 され る よ う に,今 度 は財 務 省 が 自 ら所 管 す る機 関 の 無 用 な 存 続 を 図 る,と い う お そ れ を 否 定 で きな いか らで あ る。 この 点,第 一 に,行 政 部 内 に お け る 内閣 や,/ 6.
(7) 財 政 投 融 資 の 憲法 学 的一 考 察(三. (3)「 行 政 管 理 機 関 」 の 分 散. ・完). 割拠 性 の第 二 は,財 投 対 象 機 関 の組 織,. 政 策,事 業,財 務 等 に つ い て,行 政 部 の 中央 で統 制 を 行 う場 合 で も,そ れ らを 行 う機 関 が 分 散 して い るの で は な い か,と. い う こ と で あ る。 た とえ. ば,財 政 投 融 資 の在 り方 と密 接 に 関係 す る特 殊 法 人 改 革 は,内 閣 官 房 行 政 改 革 推 進 事 務 局 の下 に あ る特 殊 法 人 等 改革 推 進 本 部,特. 殊法人等改革推進. 本 部 参 与 会 議 が 中心 とな り総 務 省 行政 管理 局 と連 繋 して 行 って い る。 参 与 会 議 は,平 成15年10月 か ら11月 に か け て,平 成16年 度 予 算 に 関 して4法 人 か ら ヒ ア リ ング を 行 い,「 平 成16年 度 特 殊 法 人 等 予 算 要 求 ヒ ア リ ング に 関 す る参 与 会 議 の 指摘 事 項 」 を 出 し,平 成16年11月,平. 成17年11月 に も同 様. の ヒア リン グ を行 っ て,「 平 成17年 度(平 成18年度)特 殊 法 人 等 予 算 削 減 方 策 ヒ ア リ ン グ に 関 す る参 与 会 議 の 指 摘 事 項 」 を 公 表 して い る㈹。 「指 摘 事 項 」 に は,「 財 政 当 局 は事 務 局 と緊 密 な 連 繋 を と り 〔… … 〕 予 算 が特 殊 法 人 等 改革 の趣 旨を踏 ま え た もの とな るよ う努 め られ た い 」 との 一 節 が あ る が,ヒ ア リ ン グの 出 席者 中 に 財務 省 の 担 当者 は お らず,ま た 実 際 に どの よ うな 「連 繋 」 が と られ た の か 不 明 で あ る。 ま た,政 策評 価 は,既 に 述 べ た よ うに,主 務 省 に設 置 され る独 立 行 政 法 人評 価 委 員 会 が一 次 的 な もの を 行 うが,こ の 委 員 会 の 評 価 結 果 の 通 知 を 受 け て これ に 対 し二 次 的 な 評 価 を 行 うの は,総 務 省 行 政 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価委 員 会 で あ る。 行 政 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 は,必 要 と認 め る とき は 主 務 省 の 評 価 委 員 会 に対 して意 見 を 述 べ(独 立行政法 人通 則法32条5 項,34条3項),中. 間 目標 の期 間 の 終 了 時 に,当 該 独 立 行 政 法 人 の 主 要 な 事. \ 行政 部 外 に お け る国 会(野 党)に よ る コ ン トロー ル が 重 要 に な って くるだ ろ う。 ま た 第二 に,財 務 省 は 財 投 対 象 機 関 の所 管 官 庁 か ら外 れ て,行 政 部 内 で 財 政 を 管理 す る役 割 に 特 化 し,も っぱ ら他 の省 庁 及 び そ の省 庁 が 所 管 す る財 投 対 象 機 関 を コ ン トロー ル す る制 度 に 改 め る こ と も考 え られ る。 ㈱. 「指 摘事 項」 は,行 政 改 革 推 進 本 部 のHP〈http://www.gyoukaku.go。jp/ sanyo/index,html>で. 見 る こ とが で き る。 7.
(8) 近畿大学法学. 第54巻第4号. 務 及 び事 業 の改 廃 に 関 し,主 務 大 臣 に勧 告 す る こ と が で き る(同法35条3項) が,財 務 省 に よ る統 制 と の連 繋 の在 り方 に つ い て は定 か で な い㈱。 この よ う に,財 投 対 象 機 関 の組 織,政 策,事 業 とい った事 項 に つ き行 政 部 の 中央 で 統 制 を行 う の は財 務 省 で は な く,ま た財 務 に つ き統 制 を行 う財 務 省 と組 織 や 政 策 等 につ き統 制 を行 う他 の行 政 管 理 機 関 と の連 繋 の在 り方 も十 分 で はな さそ うで あ る。 か か る考 察 が 正 しけれ ば,財 務 状 態 の悪 い又 は 事 業 の必 要 性 を 欠 く財 投 対 象 機 関 に対 して 財 務 省 が 財 政 投 融 資 の配 分 の 際 に 有 効 な統 制 を 加 え るの は ます ます 困 難 にな るだ ろ う。 この 点,第 一 章 第 三 節 三 で触 れ た 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資 分 科 会 で 出 され た 次 の 指 摘 は,財 投 対 象機 関 と所 管 各 省 との 結 び つ きの 強 さ と財 務 省 に よ る統 制 の 弱 さを端 的 に表 現 して い る。. 財 投 機 関 とい うの は 政 策 執 行 の た め の デ バ イ ス と い う か,ビ ー クル とい うか, そ うい う もの で す ね。 自 らが 政 策 の 企 画 立 案 か ら一 貫 して や っ て い る わ け で は な くて,政 策 の企 画 立 案 とい うの は 主 務 官 庁 で 行 わ れ て い て,あ る種 の,も. う. 少 し下 の レベ ル の,も ち ろ ん 企 画 は 財 投 機 関 自身 が や って い る部 分 あ ります け れ ど も,基 本 的 に執 行 機 関 で す ね。 だ か ら,そ うい う執 行 機 関 に だ け注 文 を つ けて も,本 当 は,執 行 機 関 の立 場 か らす る と,主 務 官 庁 に言 わ れ た政 策 を,言 わ れ た と お りや っ て い た だ け な の に,ツ ケ だ け は 自分 た ち に全 部 負 わ され る み た い な 感 じと い う話 に さ え な りか ね な い よ うな 構 造 が あ る と思 うの で す ね 。 実 際. ヒア リン グ した と き も,主 務 官 庁 が一 緒 に 来 るわ け で す か ら。 と こ ろが,. 日本 政 府 の 意 思 決 定 な りの仕 組 み か らい って,財 投 分 科 会 で,例 え ば 国 土 交 通. ㈱4月. 又 は5月 に 開 か れ る政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人評 価委 員 会 政 策 評 価 分 科 会. に お い て,現 に 始 ま って い る 当該 年 度 の 「予 算 編 成 等 へ の 政 策 評 価 の 活 用 状 況 に つ い て」 が 議 題 と され,財 務 省 の担 当者 も出席 し,説 明 を 行 って い るの が 目 に 付 く く らい で あ る。. 8.
(9) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的一 考 察(三. ・完). 省 の政 策 に正 面 か ら注 文 を つ け る とい うわ け に は い か な い[… …脚. (4)近 年 の 変 化 の兆 し. も っ と も,平 成12年 改 正 以 後,変 化 の兆 しが み. られ るの も確 か で あ る。 第 一 に,財 務 省 は,平 成14年 度 よ り予 算 執 行 調 査 を 行 う よ う に な った。 これ は,主 計 局 の予 算 査 定 の担 当者 が,次 年 度 以 降 の 予 算 編 成 に向 け た問 題 意 識 等 か ら選 定 した い くつ か の事 業 につ い て,財 務 局 を 活 用 しな が ら,現 場 に赴 い て,事 業 の効 果 が実 際 に 実 現 して い るか, 事 業 の 進 捗 状 況,事 業 の コ ス トが 効 果 に見 合 って い るか とい った観 点 か ら 調 査 を 行 う もの で あ る。 調 査 は4月 頃 よ り行 わ れ,そ の 結 果 は主 計 局 長 が 主 宰 す る予 算 執 行 評 価 会 議 で 検 討 ・評 価 した 上 で6月 末 を メ ドに公 表 され る㈹。 根 拠 条 文 は 会 計 法46条 及 び財 政 法18条 の よ うで あ る㈹。 平 成14年 度 は,43事. 業 を 対 象 に して,平 成15年 度 予 算 に189億 円 を 反 映. し脚,平 成15年 度 は,51事 業 を 対 象 に して,平 成16年 度 予 算 で492億 円 を 反 映 した 偶D。さ らに平 成16年 度 に は,53事 業 を対 象 に して 平 成17年 度 予 算 で 275億 円を 反 映 させ働,平 成17年 度 に は,53事 業 を 対 象 に して 平 成18年 度 予 ㈱. 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資 分 科 会(平 成16年12月10日)議. 事 録(池 尾 和 人. 委 員)。 ⑬ゆ 田 中秀 明 「業 績 予 算 と予 算 の ミク ロ改 革 ω 」 季 刊 行 政 管 理 研 究110号(2005 年)25頁 ㈱. 以 下 の37頁 。. 参 照,平 成15年4月25日. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会. 議 事 録 。 こ の議 事 録 は,総 務 省 のHP〈http://www.soumu.go.jp/hyouka/ seisaku-gyousei. _f.htm>で. 見 る こ とが で き る。 この 議事 録 中 に,「 会 計 法46. 条 に基 づ く監 査 で ござ い ま す が,こ れ は も う,正 確 な 年 代 は忘 れ ま した が,昭 和30年 代 く らい か ら実 施 は して お りま せ ん で,こ の46条 を 背 景 と した執 行 の調 査 とい う形 で や って きて お ります 」 との 発 言 が あ る。 ㈹. 参 照,平 成15年4月25日. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会. 議 事 録 。 政 府 米 の保 管 の単 価 の 削減 や,自 衛 隊 の車 両 工 場 の 整 備 の 平 準 化 が 行 われた。 ㈲. 参 照,平 成16年5月24日 議事録. ㈱. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会. 添 付 資 料 「予 算 執 行 調 査 の 反 映 状 況 」。. 参 照,平 成17年5月24日. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会/ 9.
(10) 即. 近畿大学法学. 第54巻第4号. 算 で260億 円 を 反 映 さ せ て い る㈹。 あ くま で 予 算 との 関 係 に お け る調 査 で あ り,財 政 投 融 資 計 画 そ の もの と直 接 の関 係 が あ る わ け で は な い が,た と え ば平 成16年 度 の 予 算 執 行 調 査 の 中 に は都 市 基 盤 整 備 公 団 の賃 貸 住 宅 事 業 が 含 まれ,こ の 結 果,平 成17年 度 予 算 で は 前年 度 に 比 して 補 給 金 が145億 円 減 少 して い る(た だ し,減 少額 イコール反映額で はな い)。 ま た平 成15年 度 の予 算 執 行 調 査 の 対 象 中 に は 「厚 生 保 険 特 別 会 計 に お け る福 祉 施 設 」 や 「国 民 年 金 特 別 会 計 に お け る福 祉 施 設 」 が 含 まれ,独 立 採 算 の原 則 や,一 定 の施 設 の 廃 止 等 が 財 務 省 か ら今 後 の改 善 点 と して 示 され て い る。 所 管 の 各 省 を 超 え て 直 接 に財 投 対 象 機 関 に財 務 省 が 検 査 を行 う と い う点 で 注 目す べ き制 度 で あ り,財 政 融 資 資 金 の配 分 に も反 映 され る こ とが 期 待 され る。 この 点,第 一 章 第 三 節 二 で 触 れ た,平 成17年 度 よ り財 投 対 象 機 関 に対 して も行 わ れ る よ う にな った 実 地 監 査 も 同様 で あ る。 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資 分 科 会 で も,次 の よ うな 期 待 が 述 べ られ て い る。. 特 殊 法 人 とか,独 立 行 政 法 人 に対 す る監 査 とい うの は,今 ま で,本 当 は 所 管 官 庁 が や るべ き と こ ろが,余. りに もや られ て い な い とい うか,や. って い る けれ ど. もお ざな りの 監 査 が 多 くて,そ の実 態 が よ くわ か らな か った 。 今 回,こ. ういう. こ とで 財 務 省 理 財 局 が や る と い う の は,非 常 に 第三 者 で厳 し くや って も らい た い と思 い ま す働。. 第 二 に,財 務 省 は,財 政 投 融 資 計 画 を 編 成 す る際 に,各 省,財 投 対 象 機 関 よ り政 策 評 価 の 提 出を 求 め,こ れ を チ ェ ックす る よ う にな っ た。 少 な く \議 事 録,添 付 資 料1-3。 ㈱. 参 照,平 成18年5月24日. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会政 策 評 価 分 科 会. 議 事 録,添 付 資 料1-3。 働. 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資 分 科 会(平 成17年7月28日)議 臨 時 委 員)。 一10一. ヤて獅ζL・. 事 録(櫃 野 信 治.
(11) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的 一 考 察(三. ・完). と も平 成15年 度 財 政 投 融 資 計 画 編 成 時 よ り,財 務 省 は,各 省 に対 して,財 投 対 象機 関 ご とに,① 施 策 の 意 図 ・目的,② 施 策 の 必 要 性,③ 手 段 の 適 正 性,④ 政 策 コス ト分 析,⑤ 施 策 の達 成結 果 ・達 成 時 期 に つ い て 記 述 した 政 策 評 価 及 び前 年 度(平 成15年度財政投融資計画編成時 には平成13年度)の 決 算 に 対 す る実 績 評 価 の提 出 を求 め て い る㈱。 個 別 の事 業 ご との 政 策 評 価 に つ い て も,平 成15年 度,平 成16年 度 に は,日 本 政 策 投 資銀 行 等一 部 の 財投 対 象 機 関 ㈹ が,平 成17年 度 に は,要 求 を行 っ たす べ て の財 投 対 象 機 関 が,相 当 数 の要 求 制 度 につ い て政 策 評 価 を 実 施 し,そ の 結 果 を提 出 した ㈱。 こ れ に 基 づ き,財 務 省 は,民 業 補 完性 の 有無,償 還 確 実 性 等 を精 査 し,場 合 に よ っ て は対 象 事 業 の廃 止 も講 じる こ と と な っ た㈹。 政 策 評 価 の 予 算 編 成 及 び財 政 投 融 資 計 画 編 成 へ の活 用 は,始 ま っ た ば か りで あ り,① 成 果 目標 が 定 性 的 ・抽 象 的 な 記 述 に と ど ま る ものが 多 い,② 自己 評 価 で あ るが ゆえ に客 観 性 ・中立 性 が 担 保 され て い な い,③ 継 続 施 策 ㈱. 参 照,平 成15年4月25日. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会政 策 評 価 分 科 会. 議 事 録,平 成16年5月24日. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会政 策 評 価 分 科 会. 添 付 資 料1「 平 成16年 度 予 算 編 成 等 へ の政 策 評 価 の活 用 状 況 」12頁 以 下 。 な お, 独 立行 政 法 人 を 除 く財 投 対 象 機 関 は,法 律 上,政 策 評 価 を義 務 づ け られ て い る わ け で は な い。 ㈹. 平 成15年 度 財政 投 融 資 計 画 編 成 時 に は 日本 政 策 投 資 銀 行 と国 際協 力 銀行 の 二 機 関 だ け の よ うで あ る。 平 成15年4月25日. 政 策 評 価 。独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会. 政 策 評 価 分 科 会 議 事 録(斉 藤 理 財 局財 投 総 括 課 企 画 調 整 室 長 の発 言)。 ㈹. 平 成17年5月24日 料1-1「. ㈱. 政 策評 価 。独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会 添 付 資. 平 成17年 度 予 算 編 成 等 へ の政 策 評 価 の 活用 状 況 」12頁 以 下 。. 平 成16年5月24日. 政 策評 価 ・独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会 添 付 資. 料1「 平 成16年 度 予 算 編 成 等 へ の 政 策 評 価 の 活 用 状 況 」13頁 に は,日 本 政 策 投 資 銀 行 の対 象 事 業 中,廃 止 した 項 目の 例 と して 「医 薬 品 ・医 療 器 具 等 安 全 化 対 策 」 「情 報 通 信 利 用 機 会 均 等 整 備 事 業 」 「外 資 系 企 業 用 施 設 。設 備 の整 備 」 が挙 げ られ て い る。 もっ と も,「平 成18年 度 予 算編 成 等 へ の 政 策 評 価 の 活 用 状 況 」に は,廃 止 した項 目 は み られ ず,政 策評 価 の 活 用 例 と して,国 民 生 活 金 融 公 庫 に よ る貸 付 対 象 へ の ア ス ベ ス ト飛 散 等 防 止事 業 の 追 加,空 港 整 備 特 別 会 計 に よ る 東 京 国 際 空 港 再 拡 張 事 業 へ の財 政 融 資,福 祉 医 療 機 構 に よ る貸 付 対 象 へ の 小 規 模 多 機 能 型 居 宅 介 護 事 業 の 追 加 と,い ず れ も新 規 の 案 件 が 挙 げ られ て い る。 一11一.
(12) 近畿大学法学. 第54巻第4号. に もか か わ らず 過 去 の 実 績 評 価 が 不 十 分 で あ る(そ のため削減 の方向に向 い ていな い)㈹な ど問 題 点 が 指 摘 され る倒 ゆ 。 しか し,実 地 監 査 と合 わ せ て,財 政 規 律 の 観 点 か ら財 務 省 が 各 省 の 割 拠 性 に切 り込 む 足 が か りとな る こ とが 期 待 され る。 (5)内. 閣 及 び 財 務 大 臣(財 務 省)の は た らき の 重 要 性. 財政投融資制度. の運 用 に お い て は,財 投 対 象 機 関 を 所 管 す る各 省 の 役 割 が 大 き く,ま た 行 政 部 中央 の 「行 政 管理 機 関」 も相 互 の 連 携 が 不 十 分 で あ るた め に,財 務 省 が 財投 対 象機 関 の 各事 業,機 関 へ の統 制 を 充 分 に 果 た して きた とは い え な い よ うに思 わ れ る働。 か か る 問 題 は,憲 法 学 の 観 点 か ら次 の よ う に捉 え 直 す こ と で き る だ ろ う。 財 政 投 融 資制 度 に ま つ わ る諸 事 項(財 投債 の発行額 や財政 融資資金の配分 等)の 決 定 は,最 終 的 に は,第 二 節 で検 討 した よ う に財 政 の一 部 と して, 国 会 の議 決 や 国会 へ の事 前,事 後 の報 告 が必 要 に な る わ け で あ る が,そ れ らを行 う前 提 と して,行 政 部 内 に お い て,ど. こか で取 り纏 め を 行 う必 要 が. あ る。 それ で は,具 体 的 に ど の機 関 で行 うの か。 それ は,内 閣 に ほ か な らな い。 財 政 投 融 資 制 度 に ま つ わ る諸 事 項 を決 定 す る こ と は,「 予 算 を作 成 … …す る こ と」(憲法73条5号)に ㈱. 平 成16年5月24日. 密 接 に 関係 す る. 政 策 評 価 。独 立 行 政 法 人 評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会 議 事 録. (田辺 国 昭 臨 時 委 員 の 発 言)。 ㈹. 平 成17年5月24日 料1-1「. 政 策 評 価 ・独 立 行 政 法 人評 価 委 員 会 政 策 評 価 分 科 会 添 付 資. 平 成17年 度 予 算 編 成 等 へ の政 策 評 価 の 活 用 状 況 」5頁. 「今 後 の 課 題 」. (主 計 局 説 明 資 料)。 ㈲. 吉 田 善 明 は,「財 政 機 構 の頂 点 は,内 閣 で あ る が,実 際,そ の 任 に あ た る の は 大 蔵 省 で あ る。 大 蔵 省 は,他 の一 般 行 政 機 構 の政 策 の 実 施 に 必 要 な 財 源 を 握 っ て い る こ と か ら,実 質 上 の 基 本 政 策 の 決 定 者 で あ る と も い わ れ て い る。 しか も,大 蔵 省 の 主 導 性 につ い て は,議 会 は も とよ り,内 閣 さえ も抑 制 す る こ と は で きな い と い う状 況 をつ く り出 して い る の で あ る(予 算 編 成 過 程 の 現 実 を 想 起 せ よ)。」 と述 べ,拙 稿 と は異 な る認 識 を 示 す(吉 田 ・前 掲 注 ㈱280頁)。 これ に 対 し,拙 稿 と同 様 の 認 識 を 示 す もの と して,参 議 院 決 算 委 員 会 平 成16年3月22 日の 富 田 俊 基 参 考 人 の 議 論 が あ る。 一12一.
(13) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的 一 考 察(三. ・完). (部分的 に重 な る)。ま た これ らの 決 定 は,国 政 全 体 に 関 わ る こ と か ら,「 国 務 を 総 理 す る こ と」(同 条1号)に. 含 ま れ る と も解 され る。 そ れ ゆ え,内 閣. の 責 任 に お い て 財 政 投 融 資 制 度 に まつ わ る諸 事 項 の 取 り纏 め を 行 う こ と は 憲 法 上 の 要 請 で あ る。 しか し,法 令 上,財 政 投 融 資 制 度 に まつ わ る諸 事 項 を 決 定 す る こ とが 内 閣 の 職 務 で あ る こ とを 明 記 し た もの は な い。 運 用 上 も,財 政 投 融 資 計 画 は,予 算 と異 な り閣議 決 定 の 対 象 と は な って い な い よ う で あ る爾。 この こ とは 憲 法上,問. 題 が あ るの で は な い か。 も ちろ ん,財 政 投 融 資 計 画 も,概. 算 閣議 決 定 の 際 に 閣 議 に 提 出 され る こ と とな って お り,内 閣 は,財 政 投 融 資 計 画 の 内容 を知 った 上 で,予 算 の 閣 議 決 定 を通 じて,財 政 投 融 資 計 画 を も暗 黙 裏 に承 認 して い るの だ,と. い う こ とは 可 能 か も しれ な い㈹。 ま た,. 財政 投 融 資 計 画 を 予 算 と合 わ せ て 国 会 に提 出 す る こ とで,対 外 的 な 責 任 の 所 在 を 明確 に して い る こ と と も合 わ せ て,財 政 投 融 資 計 画 の 行 政 部 内 の 決 定 者 は 内 閣 で あ る こ とは運 用 上 認 め られ て い る とい え るか も しれ な い。 し か し,財 政 投 融 資 に ま つ わ る諸 事 項 の 決定 に 関 し行 政 部 内 に お い て 十 分 な コ ン トロー ル が働 い て い な い点 を 問題 とす る本 稿 の観 点 か らす れ ば,す. ぐ. 後 に 述 べ る よ うに,内 閣 を補 佐 して 実 際 の 取 り纏 め 作 業 を 行 う財 務 大 臣 (財務省)の 位 置 づ け を 高 め るた め に も,こ れ らの 決定 権 者 が 内 閣 で あ る こ とを 明示 し強 調 す る こ とが望 ま しい。 もち ろん,実 際 の取 り纏 め作 業 は,財 務 大 臣(財 務省)に 委 ね る こ とが 現 実 的 で あ る。 それ は,内 閣(閣 議)に お い て 財 政 投 融 資 計 画 の 詳 細 を十. 働. 福 島=山 口=石 川 ・前 掲 注 ⑬45頁,中. ㈹. 福 島=山. 口 二 石 川 ・前 掲 注 ⑬45頁,中. 川=乾=原 川=乾=原. 田 。前 掲 注 ⑳75頁 。 田 。前 掲 注 ㈲75頁 は と も. に,当 該 説 明箇 所 の テ ー マ に 「決 定 」 とい う表 現 を 用 いて い る。 ま た,当 該 各 頁 に,財 政 投 融 資計 画 は 予算 の 参 考 資 料 に す ぎな い 旨 の記 述 もあ る の で,そ の こ とが,形 式 的 に 財 政 投 融 資 計 画 が 決 定 の 対 象 に な らな い理 由 だ と推 測 さ れ る。 一13一. 齋:構. 呪、.
(14) 近畿大学法学. 第54巻第4号. 分 な 時 間 を か けて 議 論 す る こ とが 現 実 に不 可 能 で あ る以 上,当 然 の こ とで あ ろ う。 現 行 法 で も,財 務 省 設 置 法4条39号. で,財 務 省 の所 掌 事 務 の ひ と. つ と して,「 財 政 投 融 資 計 画 の作 成 並 び に財 政 融 資 資 金 の 管 理 及 び 運 用 に 関 す る こ と」が 挙 げ られ て い る と こ ろで あ る。 注 意 す べ きは,こ の事 務 が, 一 般 の 国 民 に対 して 向 け られ る行 政 事 務 で はな く,各 省 に対 して 向 け られ る行 政 管 理 の 事 務 で あ って,そ れ ゆ え,財 務 大 臣(財 務省)は,「 国 務 を 総 理 す る」 内 閣 を 補 佐 す る機 関 と して,他 の 省 庁 に対 して 一 段 高 い と こ ろ に 位 置 づ け られ るべ き こ とを 十 分 に認 識 す る こ とで あ る。 か か る認 識 に基 づ くこ と で,第 一 に,財 務 大 臣(財 務省)が,財 割 拠 性 を 打 ち破 って,今. 政 投 融 資 に 関 して上 述 した. まで よ り強 い 財 政 規 律 を 課 す こ とが で き る し,第. 二 に,か か る財 務 大 臣(財 務 省)に 対 して,内 閣 ま た 内 閣 総 理 大 臣 が 最 終 的 な 政 治 的 決 定 を 行 う こ とが で き る よ うに な るの で は な い だ ろ うか 。 (6)財. 政制 度審議 会の役 割. 財務 省内部 で実 際に財政 投融 資計画 の作. 成,運 用 を 担 当 す る の は,理 財 局(の 財政 投融 資総括 課,管 理課)で あ る働 ㈹. 関連 す る条 文 を 示 せ ば,次 の とお りで あ る。 財務 省組 織 令. 第7条. 理 財 局 は,次 に 掲 げ る事 務 を つ か さ ど る。. 15財. 政 投 融 資 制 度 の 企 画 及 び 立 案 に 関 す る こ と。. 16財. 政 投 融 資 計 画 の 作 成 並 び に財 政 融 資 資 金 の管 理 及 び運 用 に 関 す る こ. と。 第45条. 理 財 局 に,次 の9課 及 び 計画 官2人 を 置 く。. 総務課 国庫 課 国債 企画 課 国債 業務 課 財政 投 融 資総 括 課 国有 財 産 企 画 課 国有 財 産 調 整 課 国有 財 産 業 務 課 管理課 第50条 1財. 財 政 投 融 資総 括 課 は,次 に掲 げ る事 務 を つ か さ どる。 政 投 融 資 制 度 の 企画 及 び立 案 に 関す る こ と。/ 一14一.
(15) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的 一 考 察(三. が,も. ・完). うひ とっ,重 要 な 組 織 と して,財 政 制 度 等 審 議 会(と りわけ財政投融. 資分科会)が あ る。 財政 制度 審議 会 は,① 国 の予 算,決 算 及 び会 計 の 制 度 に 関 す る重 要 事項,②. 国 家 公 務 員 共 済 組 合 の 制 度 に 関 す る重 要 事 項,③ 財 政. 投 融 資 制度,財 政 投 融 資 計 画 及 び 財 政 融 資 資 金 に 関 す る重 要 事 項,④ た ば こ事 業及 び塩 事 業 に 関 す る重 要事 項,⑤ 国 有 財 産 の 管 理 及 び 処 分 に 関 す る 基 本 方 針 そ の他 国 有 財 産 に 関 す る重 要事 項 とい う5つ の 事項 に つ い て,財 務 大 臣 の諮 問 に応 じて調 査 審 議 した り(財 務 省設置法7条1号),財 意 見 を述 べ た り(同 条2号)す の 事 項 に 対 応 す る5つ. 務 大臣に. る の が事 務 で あ る。 実 際 に は,総 会 と,5つ. の 分 科 会 が 設 置 され て お り(財 政制 度等審 議会令6. 条),財 政 投 融 資 に関 す る事 項 は,財 政 投 融 資 分 科 会 が 担 当 して い る。 「財 \2財. 政 投 融 資 計 画 の総 括 に関 す る こ と。. 3財. 政 融 資資 金 の管 理 及 び 運 用 に 関 す る こ と(管 理 課 及 び計 画 官 の所 掌. に属 す る もの を除 く。)。 4財. 政 融 資 資 金 特 別 会 計 の 経 理 に 関 す る こ と(管 理 課 の 所 掌 に属 す る も. のを 除 く。)。 5産. 業 投 資 特 別 会 計(社 会 資 本 整 備 勘 定 を 除 く。)の 経 理 に 関 す る こ と. (計画 官 の 所 掌 に属 す る もの を除 く。)。 6産. 業 投 資 特 別 会 計(社 会 資 本整 備 勘 定 を 除 く。)に 属 す る普 通 財 産 の管. 理 及 び処 分 に関 す る こ と。 7財 第54条 1財. 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資 分 科 会 の 庶 務 に関 す る こ と。 管 理 課 は,次 に掲 げ る事 務 を つ か さ ど る。 政 融 資 資 金 の運 用 金 の管 理 及 び 回収 並 び に 運 用 利 殖 金 の 受 入 れ に関. す る こ と。 2財. 政 融 資 資 金 に属 す る 資産 及 び 負債 の 増 減 並 び に 現 在 額 を 明 らか にす. る こ と。 3財. 政 融 資 資 金 の融 通 先 に お け る 資金 の 使 用 状 況 の 調 査 及 び 実 地 監 査 に. 関 す る こ と。 4国. の 出 資(産 業 投 資 特 別 会 計 及 び 国債 整理 基 金 特 別 会 計 か らの 出 資 を. 除 く。)の 実 行 及 び管 理 に関 す る こ と。 5国. 有 財 産 の 増 減,現 在 額 及 び現 状 を 明 らか に す るた め に必 要 な 情 報 シ. ステ ムの 整 備 及 び 改 善 並 び に管 理 に関 す る こ と。 6電. 源 開 発 促 進 対 策 特 別 会 計 及 び石 油 及 び エ ネ ル ギ ー 需 給 構 造 高 度 化 対. 策 特 別 会 計 に 属 す る普 通 財 産 の 管 理 及 び 処 分 に関 す る こ と。 一15一.
(16) 近畿大学法学. 第54巻第4号. 務 大 臣 は,財 政 投 融 資 計 画 を 作 成 す る に当 た って は,あ. らか じめ財 政 制 度. 等 審 議 会 の意 見 を 聴 か な け れ ば な らな い」(「長 期運用法」6条3項)の. で,. そ の 役 割 は 重 要 で あ るが,実 際 に この 役 割 を 担 って い るの は,財 政 投 融 資 分 科 会 で あ る(財 政 制度等審議会令6条7項. には 「審議会 は,そ の定 める ところ. によ り,分 科会の議決 を もって審 議会の議決 とす ることができ る」 とあ る)。平 成 19年1月29日. 現 在,財 政 投 融 資分 科会 は,5名. の 委 員 と4名 の 臨 時 委 員 と. か ら組織 され て お り,い ず れ も財 務 大 臣 に よ って 学 識 経 験 者 か ら選 ば れ る (財政 制度 等審議会 令3条)。 か つ て は,財 政 制 度 等 審 議 会 の あ りよ うを,批 判 す る論 者 もい た㈱。 し か し,財 投 改 革 以 後,ホ ー ムペ ー ジで 公 開 され て い る 財 政 投 融 資 分 科 会 の 議 事 録 を 読 む 限 りで は,既 に第 一 章 第 三 節三 で 触 れ た よ うに,審 議 会(分 科会)は 活 発 な 活 動 を 行 って い る とい え る。 た とえ ば,平 成16年 度 財政 投 融 資計 画 に 関 して は 平 成15年10月 に4回 の 会 合 を 持 ち関 係 機 関 へ の 質 疑 を 行 った上 で,12月. に 承 認 され て い る。 平 成17年 度 財 政 投 融 資 計 画 に 関 して. は,第 一 章 第 三 節 三 で み た 「財政 投 融 資 改革 の総 点 検 に つ い て」 の 議 論 と あ わ せ て,平 成16年10月 か ら8回 の会 合 を持 ち,12月. に 承 認 され て い る。. 平 成18年 度 財 政 投 融 資 計 画 に 関 し て も,「 財 政 投 融 資 改 革 の 総 点 検 フ ォ ロ ー ア ップ」 の議 論 とあ わ せ て,平 成17年10月 か ら8回 の 会 合 を もち,12 月 に承 認 さ れ て い る。 ま た,「財 政 投 融 資 改 革 の 総 点 検 につ い て 」とい うか た ち で報 告 書 を ま とめ る の は,審 議 会 と して も昭和35年 以 来,分 科 会 と し て は初 め て で あ った㈱。 当時 の分 科 会 長 に よ れ ば,「 この メ ンバ ー は あ る意 味 で は財 政 融 資,一 番 よ くわ か って い る 国民 の代 表 とい う部 分 が あ る」偽D。 ㈱. 吉 田 ・前 掲 注 ㈱280∼1頁. ㈹. 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資 分 科 会(平 成16年12月10日)議. 。. ㈹. 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資 分 科 会(平 成17年7月28日)議 資 改 革 の 総 点 検 に つ い て」 策 定 に あ た って,国. 事録。 事録。 「 財政投融. 際協力銀 行か らヒア リングを. 行 っ た際 に,リ ス ク管 理 債 権 の 割 合 が増 え て い るの に,貸 倒 引 当金 が 減 って い/ 一16一.
(17) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的 一 考 察(三. ・完). 「国 民 の 代 表 」とい う 自覚 は,審 議 会 を 運 営 して い く上 で 重 要 な こ とで あ る と思 わ れ る。 財 政 制 度 等 審 議 会 財政 投 融 資分 科会 は,財 政 投 融 資 につ い て,財 務 大 臣 へ専 門 的 な知 識 と経 済 実 態 の把 握 能 力 を補 って㈹,財 務 大 臣 そ して 内閣 が, 財 務 省 内部 で実 務 を行 う官 僚 た ち に対 抗 す る こ とを可 能 とす る役 割 を 担 っ て い る と位 置 づ け られ る。 内 閣府 に あ って,よ. り大 き な枠 組 み で 「財 政 運. 営 の基 本,予 算 編 成 の基 本 方 針 そ の他 の経 済 財 政 政 策 に 関 す る重 要 事 項 を 調 査 審 議 す る」(内閣府設置法19条1項1号)経. 済財政諮問会議 9と合 わ せ て,. 行 政 部 内部 で,政 治 家 が,官 僚 に対 す る コ ン トロ ー ル を確 保 し,リ ー ダ ー シ ップ を発 揮 す る こ とを可 能 にす る仕 組 み で あ る と積 極 的 に評 価 で き る よ う に思 わ れ る。. 二. 国会の活動組織. α)は. じめ に. 本 節 一 で 考 察 した2つ. の割 拠 性 は,立 法 部(国 会)内 部. に も当 て は ま る よ う に思 わ れ る。 す な わ ち,第 一 に,財 投 対 象 機 関 に関 わ る実 質 的 な 法 案 の 審 査 は,所 管 の 省 庁 に対 応 す る委 員 会 か ぎ りで 行 わ れ る た め,財 務 規 律 等 の 観 点 か ら財 投 対 象 機 関 及 びそ の 事 業 を 厳 し く監 督 す る こ とが 困難 とな って い る。 第 二 に,予 算 委 員 会 を は じめ,各 省 横 断 的 に財 \ る理 由 に つ い て の 質 問 へ の 答 弁 を 受 け て,本 間分 科 会 長 か ら次 の よ うな 厳 し い 指 摘 が とん だ。 「我 々 は あ る意 味 で 専 門 家 で す か ら,こ う い う一 般 的 な 資 料 で は な くて,も. っ と突 っ込 ん だ,財 投 の 審 議 会 で す か ら,そ うい う点 で少 し不 十. 分 で は な いか とい う こ と を言 及 させ て い た だ い た と い う こ とで す 」。 こ の 後 に 農 林 漁 業 金 融 公 庫 の 説 明 を 行 った 農 林 省 の 担 当者 は,国 際 協 力 銀 行 と同様 に リ ス ク管 理 債 権 の 割 合 が 増 え て い るの に貸 倒 引 当金 が 減 って い る点 に つ い て,詳 細 に説 明 を 行 った。 印 象 的 で あ る。 財 政 制 度 等 審 議 会 財 政 投 融 資分 科会(平 16年10月27日)議. 成. 事録。. ㈹. 参 照,金 沢 良 雄 。経 済 法 〔 新 版 〕(有 斐 閣,1980年)99頁. ㈹. 参 照,宍 戸 常 寿 「予 算 編 成 と経 済 財 政 諮 問 会 議 」法 教277号(2003年)71頁 下。 一17一. 。 以.
(18) 近 畿大 学法学. 第54巻第4号. 務 規律 等 の 観 点 か ら監 督 を 行 う組 織 が 十 分 に機 能 して お らず,ま た 相 互 の 連 携 も不 完 全 で あ る。 (2)各 省 に対 応 した委 員 会 と 「族 議 員 」 周 知 の と お り,日 本 の 国 会 は委 員 会 中心 主 義 を と って い るの で あ る が㈹,今 日,常 任 委 員 会 の うち衆 議 院 の12,参 議 院 の11の 委 員 会 は,そ の所 管 事 項 が 各 省庁 の 所 管 に 対応 す るか た ち で規 定 さ れ て い る(衆 議 院規則92条,参 議 院規則74条)。 た とえ ば,国 土 交 通 委 員 会 の所 管 は 「国土 交 通 省 の所 管 に属 す る事 項 」 と され て い る ご と く で あ る(衆 議 院規則92条10号,参 議 院規則74条10号)。 財 投 対 象 機 関 に関 す る法 案 は,所 管 の省 庁 に対 応 す る委 員 会 で審 査 され る のが 原 則 で あ る(衆 議 院規則31条,参 議院規則29条1項 は 「適 当の常任委員会 に付託す る」 と定 め,衆 議 院規則33条,参 議院規則29条2項 は 「特 に必要が あると 認め(ら れ)た 案件又 は常任委 員会の所管に属 しな い(特 定の)案 件 につ いて」特 別委員会 に付託す ると定め る)。 それ ゆえ,も. し,そ の委 員 会 を組 織 して い る. (与党)議 員 が,い わ ゆ る 「族 議 員」 で あ る な らば,財 務 規 律 と い った国 家 的 。長 期 的 視 点 か ら,財 投 対 象 機 関 及 び その 事 務 を精 査 し,無 用 な事 務 の 拡 大,継 続 を 防 ぎ,場 合 に よ って は事 務 の縮 小,機 関 の 廃 止 ま で 行 う と い った 行 動 は 期 待 しづ ら い。 た しか に,予 算 を 伴 う法 律 案 に は内 閣 に対 し 意 見 を 述 べ る機 会 を 与 え な け れ ば な らず(衆 議院規則48条 の2,参 議 院規則50 条),そ の 限 りで,か か る議 員 の 活 動 へ の 予 防 が な され て い る。 しか し,積 極 的 な縮 小,廃 止 とい った 方 向 へ の 動 きは 起 きに くい よ う に思 わ れ る。 最 近 の ひ とつ の 例 と して 挙 げ られ るの が,道 路 公 団民 営 化 関 連4法. 案. (高速道路株式会 社法 案,独 立 行政 法人 日本高速道路保 有 ・債務返済機構法案,日 本 道路公 団等 の民 営化に伴 う道路関係法律の整備等 に関す る法律 案,日 本道路 公団等. ㈹. 参 照,大. 石 眞 ・議 会 法(有. リ1177号(2000年)44頁 157∼62頁,小. 斐 閣,2001年)137∼9頁,同. 以 下 の44頁,原. 島 和 夫 ・法 律 が で き る ま で(ぎ. 一18一. 「委 員 会 制 度 」 ジ ュ. 田 一 明 ・議 会 制 度(信. 山 社,1997年). ょ う せ い,1979年)247∼9頁. 。.
(19) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的 一 考 察(三. ・完). 民営化関係法施行法案)の 国 会 審 査 で あ る。 これ らは,両 議 院 の 国 土 交 通 委 員 会 で 審 査 され た。 衆 議 院 国 土 交 通 委 員 会 で は 趣 旨説 明 を 含 め て9回,参 議 院 国 土 交通 委 員 会 で も趣 旨説 明 を 含 め て6回 の 会 議 が 開 か れ た 。 回 数 に だ け着 目す れ ば,そ れ な りに 丁 寧 な 審 査 が 行 わ れ た と もい え そ うで あ る。 しか し,内 容 を概 観 す れ ば,民 営 化 の 目的 で あ る と思 わ れ る,40兆 円 と も い わ れ る債 務 返 済 計 画 の現 実 性 や,新 規 建設 に か か る 費 用 削 減 や 計 画縮 小 と い った課 題 に つ い て,ま た上 下 一 体 方 式 の民 営 化 お よ び 高速 道 路 の 会社 保 有,永 久 有 料 化 を軸 とす る委 員 会 案 との違 い に つ い て,十 分 に検 討 さ れ た と は い い が た い゜ID。 自民 党 議 員 か らは,9342キ. ロ の整 備 計 画 の 完 遂 を求. め る主 張 が 次 々 と 出 さ れ た働。 「議論 は 深 ま らな い ま ま終 わ った 」と い うの が 新 聞 の 評 で あ る㈱。 も ち ろ ん,委 員 会 制 度 が,議 員 の専 門 知 識 を深 め,そ の 結 果,「 行 政 監 督 的 な意 味 が 高 ま る と い った利 点 」 を 有 す る こ と も指 摘 され て い る⑬1° 。し か し,所 管 の 省 庁 に対 応 す る委 員 会 だ けで は,議 論 に財 政 規 律 の 観 点 を持 ち込 む こ とは 十 分 にで きな いの で はな いだ ろ うか 。 平 成12年 の 財 政 投 融 資 改 革 の 際 の 国 会 審 議 の 中 で の 次 の 宮 澤 喜 一 大 蔵 大 臣 の 発 言 は,か か る消 息 を 示 唆 して い る よ う に解 され る。. 財 投 機 関 を 一 つ で もや あ る と い う こ と に な りま した ら,こ れ は 国 会 の,恐. らく. 法 律 を必 要 とす る こ とが 多 う ご ざい ます か ら,な か なか 御 同意 は得 られ な い と. GID野. 党 議 員 か ら は 若 干,こ. 5月20日 ㈹. 参 照,田. 中 一 昭 ・偽 り の 民 営 化:道. な お,1万1520キ 月20日. の 点 に 関 す る 質 問 が 出 さ れ て い る 。 参 照,平. 参 議 院 国 土 交 通 委 員 会 議 録17号19∼20,24∼6,29∼30頁 路 公 団 改 革(ワ. ッ ク,2004年)82∼6頁. ロ の 全 体 計 画 に 言 及 す る 議 員 も い た 。 た と え ば,平. 参 議 院 国 土 交 通 委 員 会 議 録17号3∼4,15,21頁. ㈱. 参 照,読. 売 新 聞2004年5月28日. 働. 原 田 ・前 掲 注 ⑬1①161頁。. 朝 刊2面,朝. 一19一. 成16年. 。 。. 成16年5. 。 日 新 聞2004年4月24日. 朝 刊3面. 。.
(20) 近畿大学法学. 第54巻第4号. い う のが 現 実 だ ろ う と思 う㈹。. (3)財 政 統 制 を 行 う委 員 会 の機 能 不 全. そ う で あ る な らば,財 政 規 律 の. 観 点 か ら財 政 投 融 資 制 度 全 体 の統 制 を行 う委 員 会 の は た らき が重 要 だ とい う こ と に な る。 しか し,現 在 の 日本 に お い て は,か か る役 割 を期 待 で き る 委 員 会 は分 散 して お り,そ れ ぞ れ の機 能 も,相 互 の連 携 も不 十 分 で あ る よ う に思 われ る。 財 政 規 律 の観 点 か ら財 政 投 融 資 の統 制 を行 う と考 え られ る委 員 会 と して は,両 議 院 それ ぞれ 次 の もの が考 え られ る。 (衆 議 院)予 算 委 員 会. 財務金融委員会. 決算行政監視委員会. (参 議 院)予 算 委 員 会. 財政金融委員会. 決算委員会. 行政監視委員会. しか し,こ れ らの委 員 会 の活 動 は,十 分 と い いが た い㈹。 まず,予 算 委 員 会 は,国 政 全 般 の議 論 を た たか わせ る場 で あ り,予 算 そ の もの を検 討 す る場 と は な っ て い な い。 な お,衆 議 院 の場 合 は,予 算 委 員 会 に,さ. らに予 算 審. 査 の た め の 分 科 会 が 設 置 され る㈹。 す な わ ち,衆 議 院 規 則97条 が 「予 算 委 員 会 及 び決 算 行 政 監 視 委 員 会 は,そ の審 査 の必 要 に よ りこ れ を数 箇 の分 科 会 に分 か つ こ とが で き る。 各 分 科 会 に は主 査 を置 き,そ の分 科 員 が こ れ を 互 選 す る」 と定 め て い る と こ ろ,次 の よ うな か た ち で分 科 会 の設 置 が決 定 され る。 ㈱. 平 成12年5月23日. 参 議 院財 政 ・金 融委 員 会 会 議 録 第19号4頁. 。 一 般 に委 員 会. 審 査 の在 り方 と 問題 点 に つ い て は,松 澤 浩一 「国 会 の 立 法 活 動 と して の委 員 会 審 査 」佐 藤 功 古 希 ・日本 国憲 法 の理 論(有 斐 閣,1986年)445頁. 以 下 を参 照 。 そ. こで は,発 言 の順 位 決 定 と 時 間 割 当 て ゆ え に 委 員 の 発 言 の 自 由が 奪 わ れ て い る こ と,逐 条 審 査 が 行 わ れ て い な い こ と,委 員 相 互 の 討 議 が な い こ と,審 査 報 告 が 簡 略 で あ る こ と,補 助 機 関 が 活用 さ れ て い な い こ と,と い っ た問 題 点 が 指 摘 され て い る。 ㈹. 同 様 の指 摘 を して い る文 献 と して,吉. ㈱. これ に対 し,参 議 院 の分 科会 の 制 度 は 死 文 化 して い る。 大 石 ・前 掲 注 ㈹ 「委 員 会 制 度 」49頁 。 一20一. 田 ・前 掲 注 ㈱290∼1頁. 。.
(21) 財 政 投 融 資 の憲 法 学 的一 考 察(三. ○ 大 島委 員 長. 。完). これ よ り会 議 を 開 き ま す。. 平 成18年 度 一 般 会 計 予 算,平 成18年 度 特 別 会 計 予 算,平 成18年 度 政 府 関係 機 関 予 算,以 上3案. を一 括 して議 題 とい た します 。. こ の際,分 科 会 設 置 の件 につ い て お諮 りい た します 。 平 成18年 度 総 予 算 審 査 の た め,8個. の分 科 会 を設 置 す る こ と と し,分 科 会 の. 区分 は 第1分 科 会 は,皇 室 費,国 会,裁. 判所,会. 計検 査 院,内 閣,内 閣 府 所 管 及 び. 他 の 分 科 会 の所 管 以 外 の 事 項 第2分 科 会 は,総 務 省 所 管 第3分 科 会 は,法 務 省,外 務 省,財 務 省 所 管 第4分 科 会 は,文 部 科 学 省 所 管 第5分 科 会 は,厚 生 労 働 省 所 管 第6分 科 会 は,農 林 水 産 省,環 境 省 所 管 第7分 科 会 は,経 済 産 業 省 所 管 第8分 科 会 は,国 土 交 通 省 所 管 以 上 の とお り と し,来 る2月28日,3月1日. の 両 日分 科 会 審 査 を 行 い た い と存. じま す が,御 異 議 あ り ませ ん か 。 〔 「異 議 な し」 と呼 ぶ 者 あ り〕 ○大島委員長. 御 異 議 な し と認 め ます 。 よ って,そ の よ う に決 しま した 。. これ を見 れ ば わ か る とお り,所 管 別 に8つ の 分 科 会 が設 置 され て い る㈱。. ㈹. 平 成18年2月23日. 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録18号1頁. 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録17号1頁,平 45頁,平. 成15年2月25日. 成16年2月25日. 。 参 照,平 成17年2月22日 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録17号. 衆 議 院 予 算 委 員 会 議 録18号1頁,平. 議 院 予 算 委 員 会 議 録18号43頁 。 ま た,平 成13年2月26日 12号33頁 は,聴 取 不 能 の部 分 が 多 い が,8つ -21一. 成14年2月26日. 衆. 衆議 院予算委員会議録. の 分 科 会 が 設 置 され た こ と,そ れ/.
(22) 趣. ㌘・ 噌. 近 畿大 学法学. 第54巻第4号. しか し,分 科 会 審 査 が 行 わ れ るの は2日 間 だ けで あ るの が 恒 例 で あ る。 ま た,議 事 録 を 眺 め る限 り,予 算 書 に記載 され て い る数 字 を 基 礎 に事 業 の 必 要 性,費 用 対 効 果 等 を議 論 す る とか,事 業 の優 先 順 位 を 明 らか にす る とか, そ うい う方 法 の審 査 が行 わ れ て い るわ けで は な い。 第二 に,財 務 金 融 委 員 会(衆 議院),財 政 金 融 委 員 会(参 議院)は,「 財務 省 の所 管 に属 す る事 項(予 算委員会及び決算行政監視委員会 〔 上田注:参 議院の 場合 は決算委 員会〕に属す る事項を除 く。)」,「 金 融 庁 の所 管 に属 す る事 項 」 を 所 管 す る(衆 議 院規則92条5号,参. 議院規則74条5号)。 そ れ ゆえ,そ. こで は,. 財 政 に 関す る議 論 が行 わ れ て い るの で は な い か期 待 され る。 しか し,こ れ らの委 員 会 の 活動 の 多 くは,法 律 案 の審 査 や 日銀 の 「通 貨 及 び金 融 の調 節 に 関す る報 告 書 」 の審 議 な どに充 て られ て お り,財 政 規 律 の観 点 か ら,財 政 制 度 全 体 や個 別 事 業 の検 討 を行 う機 会 は多 くな い。 両委 員 会 が 開 か れ た 回数,及. び 両委 員 会 にお いて 「財 政 及 び金 融 に 関 す る件 」(衆議 院。平成12. 年 までは 「国 の会計,税 制及 び金融 に関す る件」)お よ び 「財 政 及 び金 融 に 関 す る調 査 」(参 議 院。平 成10年の途 中までは 「 租税 及 び金融等 に関す る調査」)が 議 事 日程 に挙 げ られ て い る 回数 は表12に 示 した とお りで あ る。 少 な く と も平 成8年. 頃 ま で は,明. らか に 回数 も少 な く,低 調 で あ った こ とが窺 え る。 平. 成9年. ご ろ か ら,委 員 会 の 開 催 回 数 も,「 財 政 及 び金 融 に 関 す る件 」 等 が. \ そ れ の分 科 会 の所 管,分 科 会 の 回 数 が2回 で あ る こ と は,後 の各 分 科 会 の議 事 録 か ら明 らか で あ る。 な お,平 成13年 の 省 庁 再 編 前 も,同 様 で あ っ た。 た とえ ば,平 成12年 度 予 算 審 査 の と き,第1分 検 査 院,内 閣,総 理 府(た. 科 会 は,皇 室 費,国 会,裁 判 所,会 計. だ し北 海 道 開 発 庁,経 済 企 画 庁,科 学 技 術 庁,環 境. 庁,国 土 庁 を 除 く)並 び に他 の 分 科 会 の 所 管 以 外 の 事 項,第2分 省,外 務 省,大 蔵 省 所 管,第3分 省 所 管,第4分. 科 会 は,厚 生 省,労 働 省 所 管,第5分. 農 林 水 産 省 所 管,第6分. 府(国 土 庁),建 設 省 所 管 で あ っ た。 参 照,平 成12年2月23日. 一22-. ・. 商 産 業 省 所 管,第7. 輸 省,郵 政 省 所 管,第8分. 議 録12号37頁 。. .. 部 省,自 治. 科会 は,総 理 府(環 境 庁),. 科 会 は,総 理 府(経 済 企 画 庁),通. 分 科 会 は,総 理 府(北 海 道 開発 庁),運. 躍 ∼fv「 ・. 科 会 は,法 務. 科 会 は,総 理 府(科 学 技 術 庁),文. 科 会 は,総 理. 衆議院予算委員会.
(23) 財 政 投 融 資 の 憲 法 学 的 一 考 察(三 表12衆. ・完). 議 院 財 務 金 融 委 員 会 ・参 議 院 財 政 金 融 委 員 会 の 開 催 回 数 (出所:筆 者 作 成) 衆議院財務金融委員会 (大蔵 委 員 会) ()は 内数 で 「財 政 及 び金 融 に関 す る件 」. 平成元年 平成2年 平成3年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年. 20(1). 参 議 院財 政 金 融 委 員 会 (大蔵 委 員 会) ()は 内 数 で 「財政 及 び金 融 に 関す る調 査 」 12(2). 16(2). 9(3). 26(4). 19(4). 27(4). 13(3). 19(5). 12(4). 14(2). 17(3). 24(1). 16(3). 16(3). 17(5). 34(1). 31(3). 平成10年. 34(2). 28(5). 平 成11年. 29(6). 29(9). 平 成12年. 29(5). 26(4). 平 成13年. 35(10). 33(9). 平 成14年. 36(11). 88(12). 平 成15年. 30(7). 26(8). 平 成16年. 46(11). 30(14). 平 成17年. 31(8). 21(11). 平 成18年. 35(6). 33(12). 議 事 日程 に挙 げ られ る回 数 も増 え て い る。 しか し,「財 政 及 び 金 融 に 関 す る件 」 に は,財 務(旧:大. 蔵)関 係 大 臣 の 演 説 だ け が 行 わ れ る 場 合 も含 ま. れ,議 論 は金 融,税 制 に 関係 す る もの ま で広 く及 ぶ の で,歳 出 や 財政 投 融 資 に関 す る 内容 が議 論 され る場 面 は,そ. う多 くな い。. 第 三 に,決 算 行政 監 視 委 員 会(衆 議院),決 算 委 員 会(参 議院)は,「 決 算 」 等 を所 管 す る(衆 議院規則92条15号,参 議院規則74条14号)㈱。 衆 議 院 の 決算 行 ㈹. 参 考 に,そ れ ぞ れ の所 管 事 項 を挙 げ て お く。 衆議院決算行政監視委員会 1決. 算. 2予. 備 費 支 出 の承 諾 に関 す る事 項 一23一. /.
(24) 臨. 近畿大学法学. 第54巻第4号. 政 監 視 委 員 会 は,予 算 委 員 会 と同様 の手 続 を踏 ん で,分 科 会 を設 置 す る。 た とえ ば,平 成18年4月 は,4つ. に行 わ れ た 平 成16年 度 決 算 等 の 審 査 に あ た って. の分 科 会 が 設 置 さ れ た。. ○筒井委員長. こ の際,分 科 会 設 置 の 件 につ い て お諮 りい た します 。. 平 成16年 度 決 算 外2件 審 査 の た め,4つ の 分 科 会 を 設 置 す る こ と と し,区 分 と して は 第1分. 科 会 は,皇 室 費,国 会,裁. 判 所,会 計 検 査 院,内. 閣,内 閣 府(本 府,. 警 察 庁,金 融 庁),外 務 省,環 境 省 所 管 の ほ か,他 の 分 科 会 所 管 以 外 の国 の会 計 第2分 科 会 は,内 閣府(防 衛 庁 ・防 衛 施 設 庁),総 務 省,財 務 省,文 部 科 学 省 所管 第3分 科 会 は,厚 生 労 働 省,農 林 水 産 省,経 済 産 業 省 所 管 第4分 科 会 は,法 務 省,国 土 交 通 省 所 管 以 上 の とお り とい た した い と存 じます が,御 異 議 あ りませ ん か 。 〔 「異 議 な し」 と呼 ぶ 者 あ り〕 ○筒井 委員長. 御 異 議 な し と認 め ま す。 よ っ て,そ の よ うに 決 定 い た しま し. た 。[… …]㈹ \. 3決 算調整資金か らの歳入への組入れの承諾 に関す る事項 4国 庫債務負担行為総調書 5国 有財産増減及 び現在額総計算書並 びに無償貸付状況総計算書 6そ の他会計検査院の所管 に関す る事項 7会 計検査院が行 う検査 の結果並 びに総務 省が行 う評価及び監視並 びに 総務省が評価及 び監視 に関連 して行 う調査 の結 果についての調査 に関す る事項 8行 政に関す る国民か らの苦情の処理 に関す る事項 91か ら8ま で に掲 げる事項 に係 る行政監視及 び これに基づ く勧告 に関 す る事項 参議 院決算委員会 〔1∼5衆 議院決算行政監視委員会 と同 じ〕 6会 計検査に関す る事項 一24一. 仲w、 、.
(25) 財 政 投 融 資 の憲 法 学 的 一 考 察(三. 表13衆. \. ・完). 議院決算行政監視委員会 ・参議院決算委員会 の開催 回数 (出所:筆 者作成) 衆議院決算行政監視委員会. 参議院決算委員会. 平成元年 平成2年 平成3年 平成4年 平成5年 平成6年 平成7年 平成8年 平成9年. 13. 11. 10. 13. 10. 17. 平 成10年. 20. 7. 平 成11年. 14. 17. 平 成12年. 18. 13. 平 成13年. 14. 13. 平 成14年. 35. 15. 平 成15年. 18. 12. 平 成16年. 20. 18. 平 成17年. 18. 17. 平 成18年. 19. 17. 10. 9. 12. 12. 18. 12. 8. 15. 18. 17. 26. 16. しか し,こ れ も予 算 委 員 会 の場 合 と同様,分 科 会 審 査 が行 わ れ る の は例 年 2日 間 だ け で あ り,そ の 内容 も会 計 監 査 の イ メ ー ジ と は異 な る もの で あ る。 両 委 員 会 の開 催 回数 は表13の とお りで あ る。 衆 議 院 決 算 行 政 監 視 委 員 会 は,開 催 回数 が い く らか増 加 傾 向 に あ るが,参 議 院 決 算 委 員 会 は,開 催 回数 の 大 き な 増 減 は み られ な い。 ま た,こ れ らの 数 字 の 評 価 は分 か れ る が,決. して 多 い と は言 え な い。 と くに,衆 議 院 は,分 科 会 の 回 数(2回. 4分 科会=8回)も. ×. 含 ん で い る こ と を合 わ せ 考 え れ ば,少 な い よ うに思 わ れ. る。 (4)財 政 統 制 を行 う委 員 会 の連 繋 不 足. ま た,右 に見 た4つ(参. 議 院の場. 合 は3っ)の 委 員 会 の連 携 も見 られ な い。 た とえ ば,予 算 委 員 会 と決 算 委 員 ⑬ 曲 平 成18年4月14日. 衆 議 院 決 算 行 政 監 視 委 員 会 議 録 第3号12頁 一25一. 鷲,Ψ9-冨v. 。.
(26) 近 畿大学法学. 第54巻第4号. 会 の 関 係 で は,一 方 で,NPMや. 独 立 行 政 法 人 の事 後 統 制 の必 要 な ど,決 算. 審 査 の 重 要 性 が 高 ま って き て い る に もか か わ らず,「 予 算 委 員 会 の保 有 し て い る よ うな 情 報 が 決 算 委 員 会 に は 来 て い な い」偽Dとの 指 摘 が あ り,他 方 で 「財務 省 の 予算 編 成 が 大 詰 め を 迎 え て い る12月 初 め に必 ず 決 算 委 員 会 が 開 か れ,前. 々年 度 の 予 算 執 行 の 問 題 点 が 指摘 され る,こ れ を 予 算 編 成 作 業. に反 映 させ る具 体 的制 度 を い か に つ くって い くか」,「決 算 委 員 会 の 問 題 意 識 を 予算 委 員 会 と ど うや って共 有 す るか[… …]決 算 委 員 会 で の 指摘 を 新 年 度 予 算 が反 映 して い るか ど うか を 予算 審 議 で チ ェ ッ クす る こ とが 求 め ら れ[る の で]決 算 委 員 会 と予算 委 員会 の連 携 が必 要 に な[る が]こ れ を ど う実 現 す るか 」鋤 との 課 題 が 示 され る。 「決 算 委 員 会 と予 算 委 員 会 の リ ン ケ ー ジ」㈱ が,必 要 で あ る に もか か わ らず,現 状 で は不 十 分 な の で あ る。 ま た,総 務 省 を 中心 に各 省 で行 わ れ て い る政 策 評 価,独 立 行 政 法 人評 価 に は,事 後 統 制 とい う点 で行 政 監 視 や決 算 と共 通 す る こ とか ら,決 算 委 員 会 や(決 算)行 政 監 視 委 員 会 に よ る 関与 の 有 益 性 が指 摘 され,ま た 予 算 編 成 との連 繋 の 必 要 性 が説 か れ る脚。 しか し,両 議 院 の委 員 会 の 関 与 につ い て は,総 務 省 が 行 った独 立 行 政 法 人 の業 務 運 営 調 査 が参 議 院決 算 委 員 会 で 説 明 さ れ た こ とが あ る もの の㈱,充 分 に行 わ れ て い る とは 言 いが た い。 ま た,政 策 評 価,独 立 行 政 法 人 評 価 と予 算 編 成 と の連 繋 につ い て は,「予 算 の ㈹. 平 成16年3月22日. 参 議 院 決 算 委 員 会 議 録 第5号13頁(山. 本 清 参 考 人)。. ㈱. 平 成17年2月15日. 参 議 院 決 算 委 員 会 議 録 第2号7頁(西. 川 伸 一 参 考 人)。. ㈱. 平 成16年3月22日. 参 議 院 決 算 委 員 会 議 録 第5号6頁(山. 本 清 参 考 人)。 な お,. 決 算 との 関 係 で は会 計 検 査 院 の 役 割 に も着 目 しな け れ ば な らな い が,本 稿 で は,そ ㈹. こ まで 触 れ る こ とが で きな い。. 平 成17年2月15日. 参 議 院 決 算 委 員会 議 録 第2号5頁(加. (西 川 伸 一 参 考 人),平. 成18年2月22日. 藤 秀 樹 参 考 人)7頁. 参議 院 決 算 委 員 会 議 録 第3号3頁,6頁. (山 谷 清 志 参 考 人)。 ㈱. 平 成17年11月17日. 参 議 院 決 算 委 員 会 議 録 閉 第1号7頁(荒. 良 次 総 務 省 行 政 評 価 局長)。16∼8頁. 井 正 吾 委 員,福 井. で も,会 計 検 査 院 に よ る独 立 行 政 法 人 に. 関 す る指 摘 に 合 わ せ て,総 務 省 行 政 評 価 局 に よ る指 摘 も取 り上 げ られ て い る。 一26一.
(27) 臨. 財 政 投 融 資 の憲 法 学 的一 考 察(三. ・完). 単 位 と政 策 評 価 の単 位 若 し くは独 法 評 価 の単 位 が,評 価 の単 位 が イ コー ル で は な い と い う とこ ろ に 問題 が あ る」 た め 「評 価 を予 算 につ な げ る場 合 に か な り難 しい問 題 が あ る」 と言 わ れ る㈱。 最 後 に,予 算,決 算(行 政監 視)の 各 委 員 会 と財 政 金 融 委 員 会 との制 度 的 な 連 繋 もみ られ な い。 (5)近 年 の 動 き. もっ と も,近 年 は,新 た な 動 き も見 られ る。 第 一 に,. 特 殊 法 人 の 改 廃 な ど組 織 に関 係 す る法 律 案 を,所 管 の 委 員 会 で はな く,特 別 委 員 会 を 設 置 して 審 査 す る方 法 が 注 目 され る。 いわ ゆ る郵 政 民 営 化 関 連 6法 案 の 審 議 の 際,両 議 院 に 「郵 政 民 営 化 に関 す る特 別 委 員 会 」 が 設 置 さ れ,そ こで 衆 議 院 約109時 間,参 議 院 約82時 間 と い う,相 当 の 時 間 を か けて 審 議 が 行 わ れ た こ とは 記 憶 に新 しい㈱。 も っ と も,こ の手 法 は,か つ て 国 鉄 民 営化 の 際 に も用 い られ た もの で あ る。 す な わ ち,両 議 院 に 「日本 国 有 鉄 道 改革 に 関 す る特 別委 員 会」 が設 置 され そ こで 日本 国 有 鉄道 改 革 法 案 そ の他 の法 律 案 の審 査 が行 わ れ た。 所 管 の行 政 組 織 や特 殊 法 人 の 統廃 合 を 行 う こ とが 当該 委 員 会 限 りで難 しい とき に は,か か る特 別委 員 会 の 活 用 が 有 効 で あ ろ う。 第 二 に,参 議 院 で は予 算 委 員 会 と決 算 委 員 会 の 「リ ンケ ー ジ」 が 唱 え ら れ,模 索 が始 ま って い る。 と くに,平 成17年 度 よ り,前 年 度 の決 算 書 及 び 決 算 検 査 報 告 を,次 年 度 の予 算 審 議 の前 に,決 算 委 員 会 で審 査 す る よ うに な っ た㈹。 この こ と は 「前 々年 度 の決 算 審 査 を 新 年 度 予 算 審 議 に反 映 させ ㈹. 平 成18年2月22日. 参 議 院 決 算 委 員 会 議 録 第3号7頁(山. 谷 清 志 参 考 人)。 この. ほか 事 後 評 価 と の関 係 で は予 算 執 行 段 階 に お け る関 与 の あ り方 も論 点 とな る。 櫻 井 敬 子 「予 算 ・財 政 投 融 資 」 芝 池 義 一・=小早 川 光 郎=宇 賀 克 也 ・行 政 法 の 争 点 〈第3版 〉(有 斐 閣,2004年)200頁. 以 下 の201頁 。. ㈹. 参 照,藤 井 比 早 之 「郵 政 民 営 化 関 連6法 律 」 ジ ュ リ1306号(2006年)38頁. ㈹. 平 成15年 度 の 決 算 及 び決 算 検 査 報 告 は平 成16年11月26日,平 及 び 決 算 検 査 報 告 は平 成17年11月17日,平 平 成18年11月24日. 1鷲1野 し. 成17年 度 の決 算 及 び 決 算 検 査 報 告 は. に 参 議 院 決 算 委 員 会 で 説 明 され た 。 一27一. 。. 成16年 度 の 決 算.
関連したドキュメント
2 学校法人は、前項の書類及び第三十七条第三項第三号の監査報告書(第六十六条第四号において「財
本報告書は、日本財団の 2016
本報告書は、日本財団の 2015
「事業活動収支計算書」は、当該年度の活動に対応する事業活動収入および事業活動支出の内容を明らか
事業アプローチは,貸借対照表の借方に着目し,投下資本とは総資産額
越欠損金額を合併法人の所得の金額の計算上︑損金の額に算入
「事業活動収支計算書」は、当該年度の活動に対応する事業活動収入および事業活動支出の内容を明らか
総売上高 に対して 0.65 〜 1.65 %の負担が課 せられる。 輸入品 に対する社会統合 計画分 担金( PIS )の税率は 2015 年 5 月に 1.65 %から 2.1