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歯科衛生科学生の健康日本21に関する意識調査 : 2002年度と2011年度新入生の比較

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(1)

歯科衛生科学生の健康日本21に関する意識調査 :

2002年度と2011年度新入生の比較

著者

玉木 裕子, 小澤 晶子

雑誌名

鶴見大学紀要. 第3部, 保育・歯科衛生編

49

ページ

95-101

発行年

2012-03

URL

http://doi.org/10.24791/00000089

(2)

歯科衛生科学生の健康日本 21 に関する意識調査

− 2002 年度と 2011 年度新入生の比較−

A Questionnaire Survey of the Students of Dental Hygiene on

National Health Promotion in the 21th century

− Comparison of the 2002 and the 2011 newly-enrolled students −

玉木裕子

、小澤晶子

Yuko TAMAKI, Akiko OZAWA

緒言  健康日本21(21世紀における国民健康づくり運動)は、 近年の生活習慣病やその起因に関わる病疾構造の変化 に対応し、すべての国民が健やかで心豊かに生活できる 活力ある社会とするため2000年3月に策定された。目標 を具体的な数値で示すことにより、国民各層の自発的な 健康づくりへの意識向上、取り組みを促してきた。策定 時は健康日本21の運動期間を2010年度までとしていた が、2007年4月の中間評価報告を踏まえ、期間は2012年 度までに延長された。本科では小澤らが歯科衛生科の新 入生を対象に2002年度から健康日本21に関する意識調査 を続けてきた2)3)4)5)。今回は健康日本21が策定されてか ら10年間に新入生の意識にどのような変化がみられたかを、 2002年度と2011年度新入生を対象に比較、検討を行ったの で報告する。 対象および方法  対象は、歯科衛生科の2002年度1年生189人(平均年齢 18.1歳)と2011年度1年生159人(平均年齢18.2歳)である。 調査は、入学して間もない4月に質問票2)5)を用いて行った。 質問項目は、健康日本21の認知度についてと、健康日本21 に設定されている9分野「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休 養・こころの健康づくり」「たばこ」「アルコール」「歯の健康」 「糖尿病」「循環器病」「がん」のうち年齢を考慮して「糖尿病」 「循環器病」「がん」を除く7分野から29項目を選び、はい・ いいえで回答させた。統計処理は回答の出現率に差がある か否かについてχ2検定を行なった。 結果 1.健康日本21の認知度  図1に健康日本21の認知度を示す。「健康日本21という言 葉を知っていますか。」は、はいと答えた者は2002年度4人 (2.1%)、2011年度は24人(15.1%)で有意差(p<0.01) *〒230−8501 横浜市鶴見区鶴見2−1−3 鶴見大学短期大学部歯科衛生科

Department of Dental Hygiene, Tsurumi University of Junior College, 2−1−3 Tsurumi, Tsurumi-Ku, Yokohama 230− 8501, Japan. が認められた。 2.栄養・食生活  図2に栄養・食生活に関する質問の結果を示す。  「自分の適正体重を認識していますか。」は、はいと答え た者は2002年度88人(46.6%)、2011年度は82人(51.6%)で、 有意差は認められなかった。  「体重のコントロールを実践していますか。」は、はいと 答えた者は2002年度66人(34.9%)、2011年度は73人(45.9%) で、有意差(p<0.05)が認められた。  「朝食を食べていますか。」は、はいと答えた者は2002年 度171人(90.5%)、2011年度は145人(91.2%)で、有意差 は認められなかった。  「1日1食は2人以上で楽しく、30分以上かけて食事をして いますか。」は、はいと答えた者は2002年度132人(69.8%)、 2011年度は112人(70.4%)で、有意差は認められなかった。 「外食や食品の購入時に栄養成分表示を参考にしますか。」 は、はいと答えた者は2002年度71人(37.6%)、2011年度 は47人(29.6%)で、有意差は認められなかった。  「自分にとって適切な食事内容・量を知っていますか。」は、 はいと答えた者は2002年度57人(30.2%)、2011年度は45 健康日本21を知っていますか。 2011年度 2002年度 はい いいえ 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** **: p < 0.01 図1 健康日本21の認知度

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鶴見大学紀要 第49号 第3部 人(28.3%)で、有意差は認められなかった。  「自分の食生活に問題があると思いますか。」は、はいと 答えた者は2002年度93人(49.2%)、2011年度は77人(48.4%) で、有意差は認められなかった。  食生活に問題があると答えた者のうち「食生活を改善す る意欲がありますか。」で、はいと答えた者は2002年度75 人(80.6%)、2011年度は65人(84.4%)で、有意差は認め られなかった。 3.身体活動・運動  図3に身体活動・運動に関する質問の結果を示す。  「意識的に運動を心がけていますか。」は、はいと答えた 者は2002年度66人(34.9%)、2011年度は73人(45.9%)で、 有意差(p<0.05)が認められた。  「1日30分以上の運動を週2日以上実施し1年以上継続して いますか。」は、はいと答えた者は2002年度13人(6.9%)、 2011年度は23人(14.5%)で有意差(p<0.05)が認められた。 4.休養・こころの健康づくり  図4に休養・こころの健康づくりに関する質問の結果を示 す。  「最近1ヵ月間にストレスを感じましたか。」は、はいと答 えた者は2002年度136人(72.0%)、2011年度は123人(77.4 %)で、有意差は認められなかった。  「睡眠による休養を十分にとれていますか。」は、はいと 答えた者は2002年度100人(52.9%)、2011年度は50人(31.4 %)で、有意差(p<0.01)が認められた。  「睡眠の確保のため薬やアルコールを使うことがあります か。」は、はいと答えた者は2002年度8人(4.2%)、2011年 度は9人(5.7%)で、有意差は認められなかった。 5.たばこ  図5にたばこに関する質問の結果を示す。 自分の適性体重を知っていますか。 2011年度 2002年度 はい いいえ 0% 20% 40% 60% 80% 100% *: p < 0.05 体重のコントロールを実践していますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% * 朝食を食べていますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 1日1食は2人以上で、30分以上かけて 食事をしていますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 外食や食品の購入時に栄養成分表示を 参考にしますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 自分にとって、適切な食事内容・量を 知っていますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 自分の食生活に問題があると思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 食生活を改善する意欲がありますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図2 栄養・食生活に関する質問項目の結果

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 「喫煙で肺がんにかかりやすくなると思いますか。」は、 はいと答えた者は2002年度179人(94.7%)、2011年度は 156人(98.1%)で、有意差は認められなかった。  「喫煙でぜんそくにかかりやすくなると思いますか。」は、 はいと答えた者は2002年度129人(68.3%)、2011年度は 128人(80.5%)で、有意差(p<0.01)が認められた。  「喫煙で気管支炎にかかりやすくなると思いますか。」は、 はいと答えた者は2002年度164人(86.8%)、2011年度は 147人(92.5%)で、有意差は認められなかった。  「喫煙で心臓病にかかりやすくなると思いますか。」は、 はいと答えた者は2002年度117人(61.9%)、2011年度は 126人(79.2%)で、有意差(p<0.01)が認められた。  「喫煙で脳卒中にかかりやすくなると思いますか。」は、 はいと答えた者は2002年度129人(68.3%)、2011年度は 128人(80.5%)で、有意差(p<0.01)が認められた。  「喫煙で胃潰瘍にかかりやすくなると思いますか。」は、 はいと答えた者は2002年度96人(50.8%)、2011年度は119 人(74.8%)で、有意差(p<0.01)が認められた。  「喫煙で妊娠に関連した異常にかかりやすくなると思い ますか。」は、はいと答えた者は2002年度178人(94.2%)、 2011年度は157人(98.7%)で、有意差(p<0.05)が認め られた。  「喫煙で歯周病にかかりやすくなると思いますか。」は、 はいと答えた者は2002年度146人(77.2%)、2011年度は 145人(91.2%)で、有意差(p<0.01)が認められた。  「現在、喫煙していますか。」は、はいと答えた者は2002 年度5人(2.6%)、2011年度は7人(4.4%)で、有意差は認 められなかった。 6.アルコール  図6にアルコールに関する質問の結果を示す。  「飲酒していますか。」は、はいと答えた者は2002年度9 人(4.8%)、2011年度は8人(5.0%)で、有意差は認めら れなかった。  「節度ある適度な飲酒量を知っていますか。」は、はいと 答えた者は2002年度20人(10.6%)、2011年度は12人(7.5%) で有意差は認められなかった。 7.歯の健康  図7に歯の健康に関する質問の結果を示す。  「フッ化物配合歯磨剤を使用していますか。」は、はいと 答えた者は2002年度61人(32.3%)、2011年度は68人(42.8 %)で、有意差(p<0.05)が認められた。  「歯科医師、歯科衛生士による口腔清掃指導を受けたこ とがありますか。」は、はいと答えた者は2002年度108人(57.1 %)、2011年 度 は113人(71.1%)で、有 意 差(p<0.01) 図3 身体活動・運動に関する質問項目の結果 意識的に運動を心がけていますか。 2011年度 2002年度 はい いいえ 0% 20% 40% 60% 80% 100% * *: p < 0.05 1日30分以上の運動を週2回以上実施し 1年以上持続していますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% * 図4 休養・こころの健康づくりに関する質問項目の結果 最近1ヶ月間にストレスを感じましたか。 2011年度 2002年度 はい いいえ 0% 20% 40% 60% 80% 100% **: p < 0.01 睡眠による休養を十分とれていますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 睡眠の確保のため薬やアルコールを 使うことがありますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100%

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鶴見大学紀要 第49号 第3部 が認められた。  「歯間部清掃用具を使用していますか。」は、はいと答え た者は2002年度37人(19.6%)、2011年度は44人(27.7%)で、 有意差は認められなかった。  「過去1年間に定期的な歯石除去や歯面清掃を受けたこと がありますか。」は、はいと答えた者は2002年度58人(30.7 %)、2011年度は80人(50.3%)で、有意差(p<0.01)が 認められた。  「定期的に歯科検診を受けていますか。」は、学校での検 診は除き、自主的に受けている歯科検診について回答させ た。はいと答えた者は2002年度45人(23.8%)、2011年度 は51人(32.1%)で、有意差は認められなかった。 考察 1.健康日本21の認知度  健康日本21の認知度は2011年度が有意に高く、年月とと もに周知されていったものと考えられる。 2.栄養・食生活 喫煙で肺がんにかかりやすくなると 思いますか。 2011年度 2002年度 はい いいえ 0% 20% 40% 60% 80% 100% *: p < 0.05 **: p < 0.01 喫煙でぜんそくにかかりやすくなると 思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 喫煙で気管支炎にかかりやすくなると 思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 喫煙で心臓病にかかりやすくなると 思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 喫煙で脳卒中にかかりやすくなると 思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 喫煙で胃潰瘍にかかりやすくなると 思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 喫煙で妊婦に関連した異常に かかりやすくなると思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% * 喫煙で歯周病にかかりやすくなると 思いますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 現在、喫煙していますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図5 たばこに関する質問項目の結果

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 「自分の適正体重を認識していますか。」は、有意差は認 められなかった。両年度ともほぼ半数がはいと答えていた。 「体重のコントロールを実践していますか。」は、2011年度 が有意に高かった。  健康のためには、適正な栄養を摂取し、適正体重を維持 することが大切である。健康日本21の目標値は90%である が、これを達成できるように今後 BMI などで適正体重を認 識し、行動の変容を促す必要があると考える。  「朝食を食べていますか。」は、有意差は認められなかった。 欠食する者の目標値は0%であるが、両年度とも約1割の者 に欠食がみられた。2003年度入学生の入学時と卒業時の変 化を調査した小澤ら4)は、卒業時に欠食する者が増えたと 報告しており、今後欠食者が増加しないように指導が大切 であると考える。朝食は1日の身体活動の源になることを意 識した3度の食事の習慣化が望まれる。  「1日1食は2人以上で楽しく、30分以上かけて食事をして いますか。」は、有意差は認められなかった。両年度とも約 3割の者は孤食傾向にあるか、食事に時間をかけていないと 推察された。生活環境や過密な授業スケジュールなどが要 因と考えられるが、今後の行動変容が望まれる。  「外食や食品の購入時に栄養成分表示を参考にします か。」は、有意差は認められなかった。目標値は55%以上 であるが、2002年度は37.6%、2011年度は29.6%であった。 「自分にとって適切な食事内容・量を知っていますか。」は、 有意差は認められなかった。目標値は80%以上であるが、 2002年度は30.2%、2011年度は28.3%であった。  近年、健康志向からヘルシー食や減塩食が注目されてお り、レストランやコンビニエンスストアなどでは栄養成分 図6 アルコールに関する質問項目の結果 飲酒していますか。 2011年度 2002年度 はい いいえ 0% 20% 40% 60% 80% 100% 節度ある適度な飲酒量を知っていますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 図7 歯の健康に関する質問項目の結果 フッ化物配合歯磨剤を使用していますか。 2011年度 2002年度 はい いいえ 0% 20% 40% 60% 80% 100% * *: p < 0.05 **: p < 0.01 歯科医師、歯科衛生士による口腔清掃指導を 受けたことがありますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 歯間部清掃用具を使用していますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% 過去1年間に定期的な歯石除去や 歯面清掃を受けたことがありますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100% ** 定期的に歯科検診を受けていますか。 2011年度 2002年度 0% 20% 40% 60% 80% 100%

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の表示をすすめているが、学生は栄養成分を意識していな いと推察された。まず自分の適正体重をきちんと認識させ、 それを維持するために1日に必要な栄養素や摂取量、食事 内容・量について栄養成分表示などを参考に自ら考えられ るように教育していかなければならない。  「自分の食生活に問題があると思いますか。」は、有意差 は認められず、両年度とも5割近くの者がはいと答えていた。 問題があるとした者のうち「食生活を改善する意欲があり ますか。」については、2002年度80.6%、2011年度84.4%と 両年度とも目標値の80%に達していた。しかし食生活に問 題があると答えた者のうち、食生活を改善する意欲がない 者については今後意識と行動の変容を促す必要があると考 える。 3.身体活動・運動  「意識的に運動を心がけていますか。」と「1日30分以上 の運動を週2日以上実施し1年以上継続していますか。」は、 2011年度が有意に高かった。目標値は63%であるが、意識 的に運動を心がけている者は、2002年度が34.9%、2011年 度が45.9%で、また1日30分以上の運動を週2日以上実施し 1年以上継続している者は、2002年度が6.9%、2011年度が 14.5%であった。  生活習慣病の発症予防には運動習慣を持つことも大切で あるが、学生にはその認識が少ないものと思われる。 4.休養・こころの健康づくり  「最近1ヵ月間にストレスを感じましたか。」は、有意差は 認められなかった。目標値は49%以下であるが、多くの学 生がストレスを感じていた。  「睡眠による休養を十分にとれていますか。」は、とれて いるとする者は2002年度が有意に高かった。目標値は睡眠 で休養がとれていない者が21%以下であるが、2011年度で は68.6%の者がとれていないと答えていた。  学生をとりまく環境が2002年度と比べると変化してきた ものと考えられるが、その要因を明らかにし改善していく 必要があると考える。  「睡眠の確保のため薬やアルコールを使うことがあります か。」は、有意差は認められなかった。しかし、2011年度 は9人の学生が薬やアルコールに頼っていた。「こころの病」 に陥らないように必要に応じたカウンセリングの周知や未 成年者のアルコール摂取についての指導が必要であると考 える。 5.たばこ  喫煙と疾患との関連については、「喫煙で肺がんにかかり やすくなると思いますか。」「喫煙で気管支炎にかかりやす くなると思いますか。」は、有意差は認められなかった。肺 がんは2002年度94.7%、2011年度98.1%、気管支炎は2002 年度86.8%、2011年度92.5%と以前から認知度が高い項目 であったが目標値の100%には達しなかった。ほかの項目に ついては2011年度が有意に高く、たばこの健康影響につい ては一般の人にも知識が普及してきたことが推察された。  「現在、喫煙していますか。」は、有意差は認められなか った。はいと答えた者は2002年度2.6%、2011年度は4.4% であった。高校3年生女性の中間実績値9.7%と比較すると 本学の学生は少ない傾向にあったが、未成年者の喫煙は社 会的問題であり指導が必要である。  歯科衛生士は人々の健康・維持増進に関わり、歯を失う 原因となる歯周病はもちろん、たばこの健康影響について 人々に指導・支援をおこなっていかなければならない。た ばこの健康影響についてのすべての項目が目標値の100% になるように、また喫煙者には受動喫煙の害についても理 解させ、自ら行動変容を促すように教育をしていくことが 必要であると考える。 6.アルコール  「飲酒していますか。」は、有意差は認められなかった。 2002年度4.8%、2011年度は5.0%で高校3年生女性の中間実 績値32.0%と比較すると本学の学生は少数であったが、喫 煙同様、未成年者に対する指導が必要である。  「節度ある適度な飲酒量を知っていますか。」は、有意差 は認められなかった。約9割が知らないと答え、知っている と答えた者は1割程度であった。しかし知っていると答えた 者でもその内容はグラス2杯、1杯など曖昧で、正しく理解 している者はいなかった。節度ある適度な飲酒量は、1日純 アルコールで約20g程度であること、酒の種類とアルコー ル相対量などを教育の中で具体的に教える必要があると考 える。 7.歯の健康  「フッ化物配合歯磨剤を使用していますか。」は、2011年 度が有意に高かった。しかし使用している者は42.8%と目 標値の90%以上に達していなかった。フッ化物配合歯磨剤 はすべてのライフステージにおいて応用することが推奨さ れており、また市場占有率は2008年では89%に達している。 使用している歯磨剤にフッ化物が配合されているかどうか をあまり理解していない学生が多いものと思われる。また 小澤ら3)は2002年度入学生の調査では2年次に使用者が90 %に達したと報告している。2011年度の学生についても今 後の教育の中で正しい知識を得ることにより、使用してい るとする者が増えていくと思われる。  「歯科医師、歯科衛生士による口腔清掃指導を受けたこ とがありますか。」と「過去1年間に定期的な歯石除去や歯 面清掃を受けたことがありますか。」は、2011年度が有意 に高かった。  「歯間部清掃用具を使用していますか。」と「定期的に歯 科検診を受けていますか。」は、有意差は認められなかっ た。歯間部清掃用具については、WHO の提言でもその必 要性が述べられている。新入生の使用者は2002年度19.6%、 2011年度が27.7%と少なく、一般の人には認識が浅いこと が推察された。歯ブラシだけではプラークを完全に除去で きないため、デンタルフロスや歯間ブラシは不可欠である ことを理解させていかなければならない。また、定期的に 歯科検診を受診している者は、2002年度23.8%、2011年度 は32.1%であった。セルフケアだけでは口腔の健康を維持 することはできない。専門家による定期検診を受けること は疾患の発見や処置だけでなく、一次予防としても重要で 鶴見大学紀要 第49号 第3部

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あることを学生に認識させ、行動変容を起こさせるように 教育することが大切である。  わが国で推進されている8020運動を達成するには、齲蝕 や歯周病による歯の喪失を防止しなければならない。将来 歯科衛生士となる学生には、まず自分の口腔ケアについて 十分に意識を高めさせ、専門家として人々に指導・支援が できるように教育していかなければならないと考える。 まとめ  健康日本21が策定されてから10年間に新入生の意識にど のような変化がみられたかを調べる目的で、健康日本21に 設定されている目標値等から30項目を選び、質問票を用い て調査を行なった。2002年度と2011年度新入生を対象に比 較、検討を行い、以下の結果が得られた。 1.健康日本21の認知度は2011年度が有意に高かった。 2.栄養・食生活では、体重のコントロールを実践している 者は2011年度が有意に高かった。しかしその他の項目 については有意差が認められなかった。 3.身体活動・運動では、意識的に運動を心がけている者、 1日30分以上の運動を週2回以上継続している者とも 2011年度が有意に高かった。 4.休養・こころの健康づくりでは、睡眠による休養を十分 にとれていない者が2011年度で有意に高かった。その 他の項目は有意差が認められなかった。 5.たばこでは、喫煙者には有意差が認められなかった。喫 煙と疾患との関係を理解している者については、ぜん そく、心臓病、脳卒中、胃潰瘍、妊娠、歯周病の項目 において2011年度が有意に高かった。 6.アルコールでは、飲酒している者、適度な飲酒量の理 解とも有意差は認められなかった。 7.歯の健康では、フッ化物配合歯磨剤の使用、専門家に よる口腔清掃指導を受けたことがある者、過去1年間の 定期的な歯石除去・歯面清掃については2011年度が有 意に高かった。しかし、歯間清掃用具の使用と定期的 な歯科検診については有意差が認められなかった。  2011年度は2002年度と比較すると30項目のうち14項目が 有意に高かった。しかし、自らの健康の維持・管理につい ては意識が低い傾向がみられた。とくに栄養・食生活につ いては学生に意識的に行動の変容を起こさせるような教育・ 指導が必要であることが示唆された。 参考文献 1)厚生科学審議会地域保健健康増進栄養部会,編:「健康日本 21」中間評価報告書,2007. 2)小澤晶子・玉木裕子他:歯科衛生科学生の健康日本21に関 する意識調査−1年生と2年生の比較−,鶴見大学紀要第42 号,第3部,p15〜23,2005. 3)小澤晶子・宮尾奈々他:歯科衛生科学生の健康日本21に関 する意識調査−1年間の教育後の変化−,鶴見大学紀要第 43号,第3部,p35〜42,2006. 4)小澤晶子・宮尾奈々他:歯科衛生科学生の健康日本21に関 する意識調査−3年間の教育後の変化−,鶴見大学紀要第 44号,第3部,p1〜8,2007. 5)玉木裕子・小澤晶子:歯科衛生科学生の健康日本21に関す る意識調査−中間実績値との比較−,鶴見大学紀要第48号, 第3部,p25〜32,2010. 6)歯科保健指導関係資料2010年版,第1版,p52〜82,財団法 人口腔保健協会,東京,2010. 7) 21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)の推進 について(平成12年3月31日付健医発第621号厚生省保健医 療局長通知) 8)小西正光:「健康日本21」の考え方に基づく保健活動、小西 正光・小野ツルコ編:「健康日本21」を指標とした健康調査 と保健支援活動,p18〜24,ライフサイエンスセンター,横 浜,2001. 9)多田羅浩三:健康日本21推進ガイドライン,p1〜83,ぎょ うせい,東京,2001. 10)厚生省保健医療局地域保健健康増進栄養課生活習慣病対策 室,編:平成10年度喫煙と健康問題に関する実態調査報告書, p132〜147,厚生省,東京,2000. 11)厚生省大臣官房統計情報部,編:平成11年度保健福祉動向 調査,p25,厚生東京協会,東京,2001.

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