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マウスにおけるブラジル産プロポリスエタノール抽出物の抗浮腫効果

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Academic year: 2021

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ミツパ テ科学23(1):23-26 HoneybeeScience(2002)

マ ウス にお け る ブ ラ ジル産 プ ロポ リス

エ タノール抽 出物 の抗浮腫効果

N.Paul

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no,C.E.

A.Sc

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M.

プ ロポ リスは ミツパテによ って生産 され る自 然 の樹脂であ り, ウイル ス (Debiaggieta1., 1990), 細菌 (Dimov et a1.,1992), 真菌 (Crisan eta1.,1995)な どの感染 による病気 の治療や,抗腫虜 (Schellereta1.,1989),宿 性酸素除去 (Pascualeta1.,1994;Basnetet alJ997),anti-hyperalgesy (deCamposet a1.,1998),抗炎症 (Ledneta1.,1997;Park

eta1.,1996)などの効果 を期待す る,種 々の治 療 に広 く用 い られている. 化学的な研究 によ って, プ ロポ リスには,広 い活性 スペ ク トルを示す複雑 な多 くの化合物, すなわちフラボノイ ド類, テルペ ン類,桂皮酸 類, フェノール酸類, カ フェ酸 やそれ らのエス テル類 などが混合 されて いることが明 らか にな って いる (Banskotaetalり1998;Martoset a1.,1997;Agaeta1.,1994). 本研究で は, マ ウスにおいて カラギーナ ン, ヒスタ ミン, ブラジキニ ンやプ ロス タグランジ ンE2やF2α (PGE2とPGF2α) によ って誘発 さ れた浮腫 に対す る, ブラジル産 プ ロポ リスのエ タノール抽 出物 の効果 を評価す ることを 目的 と した. 材料および方法 実験動物 絶食 させていないスイスマ ウスの成体 (体重 18-30g)を実験 に用 いた.マ ウスは温度 (21 ±2oC)を制御 した環境 で飼育 し, 食物 や水 は 自由に与 え,午前6時か ら午後6時 までの問 は 自然光 および電灯 を補助光 と して明 る くしてお いた. マ ウスはZimmermann (1983)の実験 動物管理要項 およびガイ ドライ ンに したが って

Okuyama,C.daSi

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C.Mar

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.B.Cal

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実験期間中,飼育管理 された. 実験手順 1)足の浮腫 今回 は,Calixtoetal.(1991)の方法を若干 改善 して行 った. トリプロモエ タノール (0.12 g/kg)によ る少量 の麻酔下 で, スイスマ ウス (オス) の後肢 に浮腫 を誘 導 す る物質 と して カ ラギーナ ン (Cg,300pg/足), ブラジキニ ン (BK,3 nmol/足), プ ロス タ グ ラ ン ジ ンE2 (PGE2,30nmol/足),プ ロスタグランジンF2 α (PGF2α,30nmol/足),ヒス タ ミン(50FLg/ 足) を含 む リン酸 緩 衝 食 塩 水 (生 理 食 塩 水) (PBS,組成 :NaCl137,KC12.7, リン酸緩衝 液10,各mmol/L)を50pL注入 した.反対側 の足 には50〟Lの生理食塩水 を注入 し, 対照区 と して用 いた. 浮腫 は誘 導物 質 を注入 後,数 回体積 測 定器 (Ugo Basile,Italy)を用 いて測定 した. 実験 区 と対照区の足 の体積 の差 か ら浮腫 を〟Lレベ ルで表示 した.BK(ブラ ジキニ ン)を用 いるす べての実験 において は, キニナーゼの作用 を防 ぐために,マ ウスを30分前 にカプ トプ リル (5 mg/kg,腹腔 内)で処理 した.ほとん どの実験 で, マ ウスの腹腔 を通 して,炎症誘導剤 の注入 30分前 に, ブラジル産 プ ロポ リスの エ タノー ル抽 出物 (Pl)(1,3また は10mg/kg),ある いはイ ン ドメタシン(long/kg)を処理 した. 対照区には同 じ量 の生理食塩水 を注入 した.

2)

耳 の浮腫 実験 日に,オスメス両方 のマ ウス(18-30g) の体重 を測定 して平均体重 を求 め,個別 にアク リル板 ケースの中 に入れて飼育 した (4×4×5

(2)

24 in

.

)

. マウスには異 なる量 のプ ロポ リス (1,3 または10 mg/kg,i.p.)を事前 に与え (30分 間),引 き続 いてカブサイ シン(250〟g/耳)を 片耳 の内側および外側 の表面 に局部的に処理 し た. もう一方 の耳 には20plの生理食塩水 を注 入 し,対照区 として用 いた. カブサイ シンの処 理後30分 に,頚椎脱臼によってマウスを殺 し, 耳 を金属製 のパ ンチで打 ち抜 いて

6

mmのデ ィスクを得た. カブサイ シンで誘発 された浮腫 の大 きさは,右耳 と左耳 の重量 (mg)の差か ら 求めた. 薬物 と試薬 ブラジル産 プ ロポ リスの エ タノール抽 出物 (Pl) はブラジル南部で一般 に販売 されている

もの (Prodapys,Produtos Naturais Ltda, Araran gua,SC,Brasil) を用 い, ブラジキニ ン,プロスタグランジンE2,プ ロスタグランジ ンF2α, ヒスタ ミン, ラムダカラギーナ ング レ ー ド5, カブサイ シン, カプ トプ リルと生理食 塩水 (PBS-pH 7.6)はSigmaChemicalCo., StLouis,MO,USAか ら入手 した. 統計解析 すべて のデー タは6匹 の平均 ±標準誤差 で 表 した.実験 グループ間の統計的な有意差 は一 元配置のANOVA, あるいはDunnett'spost -testあるいはStudent'sunpaired ttt"testを 用 いて検定を行 った.有意水準 はP<0.05ある いはそれ以下 と した.ID50値 を求 め られそ う なときには最小二乗法 によ って求め,幾何平均 とその95%信頼限界で表 わ した. 結果 ブラ ジル産 プ ロポ リスの エ タノール抽 出物 (Pl)(1,3または10mg/kg)のマウスへの事 前 (30分前)処理 はい くつかの炎症誘発物,す なわちカラギーナ ン (300/上g/片足), BK (3 nmol/片足)または,PGF2。(30nmol/片足) によって誘発 された足の浮月重を有意 に抑制 した (図1A,B,C).ID 50値 (mg/Kg)(95%の限界 信頼度) は, カ ラギ ーナ ンで は0.68 (0.50 -0 0 0 0

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4 2 (rt TI ) d r ( 響 蟹 牌 e 叢 増 60 120 180 時間(分) 240

0

60 120 180 時間(分) 240 A 図1A カラギーナン,Bブラジキニン,Cプロスタ グランジンF2αによる足の浮腫に対するプロポリス の効果 プロポリス投与区01mg/kg,■3mg/kg, □10mg/kg,対照区●生理食塩水のみ.各プロット は6匹の平均と標準誤差を,*は対照区に対 しての 有意差 (p<0.05)を示す. 0.85) (120分),BKで は0.80 (0.54-1.05) (60分), PGF2。で は0.72 (0.27-1.17)(120 分)であった. ブラジル産 プロポ リスのエタノ ール抽 出物PlはPGE2(30nmol/片足) ある いは ヒスタ ミン(50〟g/片足)による浮腫 には 抑制効果を示 さなか った (図中に結果 は示 して いない).

(3)

(B u J) 禦 ・# 生理食塩水 1 3 10 プロポリス(Pl) 図2 カブサイシンによる耳の浮腫に対するプロポ リス (各mg/kg)の効果.クラフはそれぞれ 6匹の 平均と標準誤差を,エラーバーの上の数字は対照区 に対する抑制率の平均と標準誤差,*は対照区 (生理 食塩水)との有意差 (p<0.05)を示す. ブラジル産 プ ロポ リスのエタノ-ル抽出物 P 1(1,3orlOmg/kg) はカブサイシン (250 〟g/耳) によ って誘発 され た耳 の浮腫 を有意 (P<0.05)に抑制 した (図2).プ ロポ リス量 に よ る抑制効果 の差が あ り,投与量 1,3または 10 mg/kgで, それぞれ 12 (±2.9),32 (± 4.2),38 (±3.8)%の抑制 とな っている. 考察 ブラジル産 プロポ リスのエタノール抽 出物 を 定量的に投与 し, い くつかの炎症誘発剤,特 に 足 に処理 したプロス タグランジンや,耳 に処理 したカブサイ シンなどによって誘発 された浮腫 に対 して,有意 な抗浮腫効果があることが証明 された. この研究の中で使用 した濃度範囲のプロポ リ スエタノール抽 出物 に,一貫 した抗浮腫効果が あ り, これは,痛覚過敏症や炎症関連化学物質 による痛み,あるいは炎症性の痛みモデル (De Camposeta1.,1998) に示 され る痛みの軽減

にな っていることを証明 した.Malmbergand

Yaksh (1995) やDoak and Sawynok

(1997) は, ホルマ リンをマウスの足 に皮下注 射 した場合の浮腫の形成 や痛みの生成 に, タキ キニ ン類 を除 く(SantosandCalixto1997), キニ ン類, セロ トニ ン,興奮性 ア ミノ酸類,プ ロスタノイ ド規のよ うな炎症関連物質が一定の 役割 を果 た して いる と報告 して いる.それゆ 25 え, ブラジル産 プロポ リスのエタノール抽出物 に含 まれ る抗浮腫作用機作 は,おそ らく,キニ ンやプロスタノイ ドの生成や作用 におけるい く つかの相互作用の中で働 く二次的な抗炎症作用 で あ ると考 え られ る. この仮説 は,MlrZOeVa andCalder(1996)が報告 している,プ ロポ リ スのエタノール抽 出物およびその中の数種 の成 分が,生体外でマウスの腹腔 マクロファー ジに よるプロスタグランジンや ロイコ トリエ ンの生 成 を抑制す ることや,生体内でザイモサ ン誘導 性の急性腹腔内炎症 を抑制す ることによって も 支持 され る. 以前, プロポ リスのエタノール抽出物がカ リ ウムチ ャンネルに対す る直接 または間接的な活 性化 を含 む い くつかの作用 メカニズムによ っ て,分離 したモルモ ッ トの気管 において弛緩薬 的な効果 を示 したことを報告 した (Paulinoet a1.,2002).これ とは別 に,カ リウムチ ャンネル の活性化因子が抗炎症効果をを誘発す ることも 実証 されたている (Lu etalリ 1999;Liu et a1.,2002). またプロポ リスか ら単離 されたい くつかの化合物 は核因子

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の化学変成 を伴 う 抗炎症効果を示 している (Fitzpatrick eta1., 2001). プロポ リスのエタノール抽 出物 による,キニ ン類やプロスタノイ ド系 に敏感な化学物質誘導 性の浮腫 に対す る実験系での抗浮腫性が見 られ ないことか ら,抽出物が これ らの化学物質 と何 らかの相互作用を起 こす こと, あるいはプロポ リスの抗浮腫効果 は, プ ロポ リス抽出物が本来 持 っている抗炎症作用の延長線上 にあるものだ とい うことを示 している. 生体内外でプロポ リス抽出物 を用 いたい くつ か の研 究 は これ まで も多 くあ ったが,本研究 が,低濃度のプロポ リス抽 出物 を用いて,マウ スにおいて ブラジキニ ンやプロスタグランジン F2αで誘導 した浮腫 に対す る抗 浮腫効果 を確 認 した最初の研究であることはまちがいない. モルモ ッ トの気管の抑制 に関連す る物質群 に ついては今のところ完全 にはわか っていない. しか しなが ら, この効果 はフェノール化合物や フラボノイ ド類の存在 に関係 しているよ うであ

(4)

lCl る(Marcuccieta1200).現在,そのような効 果 を示す化合物 を単離 し,化学的な特性を確か め るための,化学的あるいは薬理学的な研究 を 進 めているところである. (著者 の住所 は下記参照 翻訳 笠原麗美) 引用文献

Castro,S.L.,A.P.Dantas,P.H.Valente.andN. Paulino.2001.JEthnopha1-maCOl.74:1051112. Martos,Ⅰ.,M.Cossentini,F.Ferreres,andF.A. Tomas-Barberan 1997.∫.Agric.Food Chem .,

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NIRALDO PAULINOl,CRISTINA EuNICE OKUYAMAl,

CRISTIANI DA SILVA】,ANIARILIS ScREMIN】,M ARIA

CRISTINA M ARCUCC12, JoAO BATISTA CALIXTO3.

Anti-oedematogeniceffectofastandardizedet

h-anolextractofBrazilian propollSinmi ce,Ho n-eybeeScience(2002)23(i):23-26.1)Grupo de Pesquisa e Desenvolvimento de Biofarmacos (BIOFAR), UnlVerSidade do Sol de Santa Catarina,Tubarao/SC,Brazll,2)Departamento de Pesquisa e Extensao, Universidade BandeirantesdeSaoPaulo-SaoPaulo/SP,Brazil, 3)DepartamentodeFarmacologla,Universidade Federal de Santa Catarina-Florianopolis/SC, Brazil.

This study evaluate the antトOedematogenic effectofstandardlSed sampleofBrazilian pr o-polis(Pl)Onoedemainducedbyflogisticagents inthepaw andearofmlCe.

IntraperltOnealinjection ofethanolユC extract ofpropolis(Pl)(1,3or10mg/kg)producedan anti一〇edematogeniceffectin mice.In thepaw

oedemaInducedbycarrageenanmodel,theID 50

was0.68(0.50-0.85)mg/kg(in 120min).Inthe paw oedema Induced by bradykinin,theID 50

was 0.80 (0.54-1.05)mg/kg,and in the paw oedemainduced by prostaglandinF2,theID 50

was 0.72 (0.2711.17) mg/kg. Furthermore, ethanolicextractofpropolisdidnotproducea signiflCant anti一〇edematogenic effect, when

assessed in the paw oedema induced by pr o-staglandln E2 and hlStamine.In the slmilar way,theethanollCextractOfpropollS(Pl)(1,3 or10mg/kg)producerespectivelylnhlbitlOnOf 12(±2.9),32(±4.2)and38(±3.8)%,lntheear oedema induced by toplCal application of capsalCininmice.

Our results suggest that the standardlSed

sampleofBrazilianpropollSextractusedinthis experiments,haveapotentanti一〇edematogenlC effectin theoedema lnduced kininsand pr o-staglandinsystems,andcanexplain,atleastin part,itseffectlntheinflammatorydlSeaSe.

参照

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