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アカデミック・ライティング教育科目におけるルーブリック使用の成果と課題 : 立命館大学映像学部における事例をもとに

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報告

アカデミック・ライティング教育科目における

ルーブリック使用の成果と課題

― 立命館大学映像学部における事例をもとに ―

中 島   梓

要 旨 立命館大学映像学部開講科目「特殊講義(専門 X)論文作成の技法」は、映像学部初年 次生の大半が受講する、講義形式のアカデミック・ライティング教育科目である。1 クラ ス約 70 名規模で行われる本講義では、学生の課題レポートに対するフィードバックに ルーブリックを活用している。本稿では、本講義におけるルーブリックの活用事例を報告 し、その成果及び今後の課題を明らかにする。 キーワード 初年次教育、アカデミック・ライティング、ルーブリック評価

1 はじめに

ルーブリックとは、論文やレポート、プロジェクト、フィールド経験、演技その他を評価や採 点する際に適用する基準を明記した、リストまたは図表である。科目の成績評価の公平性や客観 性、厳格性を増大させるとともに、学生への事前提示やフィードバックを通して日常的な形成的 評価をする際にも有効とされており、近年、教育現場でのルーブリックの導入が進められている。 しかし、沖( 2014 )が指摘したように、初等教育や中等教育現場におけるルーブリックの活 用事例についてはすでに多くの報告がなされているものの、高等教育現場におけるルーブリック の活用事例報告は、未だ数が限られている。確かにその活用方法によって、得られる成果や課題 は異なるだろう。とはいえ何かしらの報告がなされなければ、高等教育現場へのより良いルーブ リックの導入や活用にはつながりにくい。そこで本稿では、立命館大学映像学部開講科目、「特 殊講義(専門 X)【論文作成の技法】」(以下、「論文作成の技法」)の 2016 年度講義におけるルー ブリックの活用事例を報告する。 立命館大学映像学部では、立命館大学教育開発推進機構が開発し、2012 年度より運用を始め たアカデミック・ライティング教育科目、「特殊講義(アカデミック・リテラシー)【日本語の技 法】」(以下、「日本語の技法」)を踏襲し、2015 年度より「論文作成の技法」という学部管轄の 講義科目を開講している1 ) 。本講義はレポートや論文を日本語で書く力、とりわけパラグラフ・

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ライティングの技法を学生に修得させることをめざす、映像学部初年次生のみを対象とする講義 科目である。受講者数は 1 クラスあたり約 70 名程度、同時間帯に 2 名の担当教員が、それぞれ のクラスの受講者に対し同内容の講義を行っている。 2012 年の「日本語の技法」開講以来、当該講義ではルーブリックを活用している。以下に示 す表 1 及び表 2 は、2016 年度の講義で実際に使用したルーブリックの一部である。 表 2 2016 年度ルーブリック 5(最終課題診断及び期末レポート採点用) 表 1 2016 年度ルーブリック 1

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本稿では、本講義におけるこれらルーブリックの活用方法を紹介するとともに、その成果や課 題を検討する。それにより、今後の本講義や類似講義科目の運営を考えるための一助とする。

1 ルーブリックの使用場面とその流れ

2016 年度「論文作成の技法」では、1 )学生の課題レポート評価、2 )講義中の演習課題評価、3 ) 期末レポート採点、以上三つの場面でルーブリックを使用した。 学生の「書く力」を養成するためには、学生に繰り返し文章を書かせ、まずは書くことに慣れ させる必要がある。しかし、1 クラス約 70 名規模の講義ともなれば、各学生のレポートに対す るフィードバックは容易ではない。そこで多少なりとも容易かつ円滑にフィードバックを行う手 段のひとつとして、本講義ではルーブリックを使用している。ルーブリックを使えば、評価者は 評価観点に照らしてレポートを読み、当てはまる評価項目にチェックを入れればよい。一方で評 価済みのルーブリックを受け取る学生は、自分のレポートがどのレベルに達しており、どこがよ くてどこが不十分だったのかを一目で把握できる。 表 3 は、2016 年度「論文作成の技法」におけるルーブリックの活用場面を、開講前、第 1 回 講義時、開講時の講義中及び講義外、最終講義後に分けて示したものである。教員はルーブリッ クの準備や期末レポートの採点時以外の場面でルーブリックを用いることはなく、むしろ評価者 と学生との間のコーディネートに徹していた。では本講義運営において、学生にルーブリックを 有効活用してもらうために教員は何をしていたのか。次章以降、2016 年度「論文作成の技法」を、 ルーブリック活用場面に焦点を当てて振り返ってゆく。 表 3 2016 年度「論文作成の技法」におけるルーブリック使用場面とその流れ 主な使用目的 1 クラス 70 名規模のアカデミック・ライティング教育科目における、学生の成 果物(主に課題レポート)に対するフィードバックのため。 使用対象 学生及び TA 開講前:  ・ルーブリック 1 からルーブリック 5 の改訂作業を、教員が TA 経験者とともに行う。       ・教員が新 TA を対象に、事前研修する。 第 1 回講義:  講義で使用するルーブリックについて、受講生に説明する。(期末レポートの採点に至るま で、当該講義ではルーブリックに基づいて評価することを学生に告知する) 講義時 1 ) 演習の評価に使用するルーブリックをスクリー ンに映写し、評価観点ごとの到達目標を確認さ せる。 2 ) 課題レポートに向けての演習に取り組ませる。 学生間で、互いの文章をルーブリック(課題レ ポートの評価に用いるものと同じものにする) を使って評価させ合う。 4 ) 「文章診断」結果をもとにコミュニケーション・ ペーパーに報告文を書かせる。※ 講義外 3 ) 「manaba+R」上に課題レポートのテーマや提出 書式、提出期限情報等を掲載する。その際、評 価に使用するルーブリックも示し、レポート作 成時の指針や提出前の自己点検に活用するよう 指示する。 学生がレポートを作成 期限までに提出 ↓ 「文章診断」 TA がルーブリックで評価 期限までに返却 最終講義後:  ルーブリックに基づいて期末レポートを採点する。 ※開講期間中、1 )から 4 )を幾度も繰り返す。

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2 TA による「文章診断」について

「論文作成の技法」において最もルーブリックを活用する場面、それは院生 TA が行う「文章 診断」の場面である。先にも述べたとおり、学生の「書く力」を養成するためには、学生に幾度 も文章を書かせ、書くという行為自体に慣れさせる必要がある。そのため「論文作成の技法」で は、学生に対して複数の課題レポートを課している。たとえば 2016 年度は、課題レポートと期 末レポート、計 10 本のレポートを書くよう学生に求めた。表 4 はその一覧である。 計 10 本のレポート中、課題 1 から課題 8(課題 3 +も含む)の提出や返却には、すべて立命 館大学の e-learning コースツール、「manaba+R」を使用している。70 名規模の講義において、 回収ならまだしも、レポートの返却を行うには相当な時間を要する。その点、「manaba+R」を 使えばスムーズに回収・返却が行える。なお、回収・返却のやりとりは主に学生と TA の間で行 われる。各 TA が 10 ∼ 20 名程度の学生を担当し、学生が「manaba+R」に提出したレポートに 対してルーブリック評価を行い、ルーブリック評価に沿ったコメントを付けて、1 週間以内に学 生に返却しているのである。この一連の作業を「文章診断」と呼んでいる2 )。 「manaba+R」上で行われる TA による「文章診断」は、2012 年度の「日本語の技法」開講以来、 継続して行われてきた。教員のみの力では、1 クラスあたり約 70 名規模の受講生の課題レポー トに対するフィードバックを繰り返し行うことなど不可能に近い。しかし、提出されたレポート に対する何らかのフィードバックがなければ学生は手ごたえを掴みにくく、学生の主体的学びの 成長にもつながりにくい。また、講義中に教員が「レポートは不特定の他者に読まれることを想 定して書く必要がある。だからこそ客観的根拠を示すことが重要だ」などといくら口頭で説明し たところで、結局は担当教員しかレポートを読まないという状況では、学生には「不特定の他 者」を想定してレポートを書く意欲も意識も生まれにくい。その点、「文章診断」を通じて「顔 の見えない」、自分たちの「先輩」にあたる TA にレポートが読まれ、その反応が返されることは、 学生にとって「不特定の他者」を意識し、緊張感を持ってレポートを作成する鍛錬になっている。 表 4 2016 年度課題レポート一覧及び使用ルーブリック一覧 課題内容 使用ルーブリック 課題 1 ある図形について 1 パラグラフで説明( 200 字以内) コメント + ルーブリック 1 課題 2 ある絵画について 1 パラグラフで論証( 400 字以内) コメント + ルーブリック 2 課題 3 「最高の○○」について 1 パラグラフで説明( 400 字以内) コメント + ルーブリック 3 課題 3 + 課題 3 のリライト ⇒中間成果物として冊子化 診断なし 課題 4 図表を読み取り 2 パラグラフで論証( 600 字以内) コメント + ルーブリック 4 課題 5 課題 4 のリライト コメント + ルーブリック 4 課題 6 期末レポートの序論( 400 字程度) コメント + ルーブリック 2 課題 7 参考文献リスト作成 コメントのみ 課題 8 期末レポート第 1 稿( 1600 字以内) ルーブリック 5 期末レポート完成稿( 1600 字以内) (ルーブリック 5・返却なし) ※ 課題 3 以降は、リライト課題を中心にしている。

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したがって、TA による「文章診断」は学生の「書く力」の成長過程を支援するうえで、なくて はならない重要なものだといえる。 ※左端の評価観点に照らして、該当する評価規準部分を塗りつぶすという評価方法。 ※ルーブリック評価に沿って部分的にコメントを添える。なお、教員からは、書き言葉で、前向きな表 現を用いてコメントすること、コメント数は 3 ∼ 6 程度とすること、誤字・脱字がないか返却前によく 確認し、返却期限を遵守するよう TA に忠告している。 表 5 TA による「文章診断」一例

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3 事前準備及び講義外の準備

3.1 ルーブリック改訂作業 なお、ルーブリック評価を中心になって行う役割を TA が担う場合、教員は TA にとって使い やすいルーブリックを予め用意しておく必要がある。TA にとって使いづらいルーブリックは、 TA の作業効率を下げるばかりか、評価される側の学生にとってもわかりづらいルーブリックの 可能性がある。 実は 2012 年の「日本語の技法」開講以来 2015 年度まで、「論文作成の技法」では本稿冒頭に 示したルーブリックとは別のルーブリックを使用していた。しかし、4 年間同じルーブリックを 使用し続けるなかで、いくつか修正が必要な箇所が見つかっていた。たとえば、ルーブリックの 評価項目のなかに、「数カ所」や「いくつか」、「ほぼ」、「若干」などといった曖昧な言葉が含ま れており、それらの言葉がいったいどの程度を指しているのか、評価を行う TA にとって悩まし い部分があった。また、授業進度と、授業進度に合わせて出題する課題レポート用のルーブリッ クの内容が、いまひとつうまくかみ合っていない部分もあった。たとえば「一文一義」というこ とについて講義のなかで触れ、その演習を行う前段階で用いるルーブリックのなかに、すでに 「一文一義」という言葉が用いられていたりなどしたのである。 そこで 2016 年度の講義運営にあたっては、これまでに TA として「文章診断」業務を経験し たことのある院生や研究生から成る「立命館大学ライティング・リテラシー研究会」の協力を仰 ぎつつ、事前にルーブリックの改訂作業に取り組んだ。教員のみで作成していた旧ルーブリック に、さらに TA 経験者の声を反映させて、よりわかりやすく、TA にとって使いやすいルーブリッ クに改訂することを目指したのである。 改訂作業にあたっては、ダネル・スティーブンス、アントニア・レビ『大学教員のためのルー ブリック評価入門』(玉川大学出版、2015 )を主に参考にした。本書籍は、ルーブリックの開発 が進むアメリカにおいて最も参考にされているという、ルーブリックの作成法や使用法を簡潔に 説明している書籍の日本語版である。そのなかで指摘されている注意点等を適宜参考にしながら、 1 )評価観点を講義進度や課題レベルに適合させること、2 )学生の学習意欲を高められるよう、 なるべく肯定的かつ具体的な語句・表現を用いること、3 )学生にとって一目見て到達度がわか りやすいものにすること(A4 用紙 1 枚に収め、評価基準は 4 段階とする)、以上三点にとくに留 意しつつ、レベル別に 5 パターンのルーブリックを用意した。形式面には大幅な変更を試みたと はいえ、一から新たに作成したわけではなく、旧ルーブリックを修正するという作業であったこ とからも、ひとつのルーブリックの改訂に要した時間は 1 時間程度であった(表 6、表 7 )。

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表 6 改訂前のルーブリック 3 ※旧ルーブリック( 1 ∼ 5 )から 2016 年度版ルーブリック( 1 ∼ 5 )への最も大きな変更点は、かつて左端 にあった評価観点を箇条書きにしたうえで、評価基準をすべて左から順に高→低に並べ直した点である。リ スト上で評価観点と最高評価(=到達すべき目標ライン)を接近させておくと、ルーブリックをスクリーン に映写しながら各観点の到達目標を同時に示すことができ、学生に説明する際に役立つ。 表 7 改訂後のルーブリック 3

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3.2 TA のスキル養成 学生のレポートに対するフィードバックを TA に行ってもらう場合、教員が TA の評価スキル を養成することも重要である。とくにひとつの講義科目に複数名の TA が携わる場合、そして、 スキルや経験にはとくにこだわらずに積極的に TA として採用しているという場合3 )、TA 間の 採用時の能力差は顕著となる。ルーブリックに評価観点や評価基準が示してあるとはいえ、TA 間の評価能力差があまりにも大きければ、公平・厳正な評価は実現困難になる。 2016 年度「論文作成の技法」の場合、立命館大学大学院博士課程後期課程に所属する院生 4 名(先端総合学術研究科 3 名、社会学研究科 1 名、文学研究科 2 名)、立命館大学大学院博士課 程前期課程に所属する院生 2 名(映像研究科 2 名)、計 8 名の院生を TA として採用していた。 そのうち、すでに 2 年以上「文章診断」の経験があり、自身も何本も論文執筆経験があるという 院生は 2 名、「文章診断」未経験者が 6 名いた。また未経験者 6 名のなかには、論文の執筆経験 がほとんどなく、レポートや論文の書き方に関する指導をほとんど受けた記憶がないという院生 もいた4 ) 。したがって、採用時の TA 間の能力差はかなり大きかったといえる。 8 名の TA の評価スキルを養成するために教員が行っていたこととしては、5 時間の事前研修、 及び各 1 時間全 7 回の定例研修が挙げられる。事前研修では、1 )講義で使用するテキスト、2 )『文 章診断 TA 用プレ課題・課題集』、3 )『文章診断マニュアル』5 )を予め用意し、TA 全員に配布し たうえで、講義の主旨や課題レポートの概要、各課題の評価のポイント、ルーブリックに関する 説明を行った。さらに「文章診断」の演習、具体的にはルーブリックを使って評価を行う演習や コメントを付ける演習を、グループ・ワーク形式で行った。 なお、「文章診断」演習の際、教員から TA へは、診断手順の順守、返却前の TA 自身の誤字の 点検、返却期限の遵守という点について、とくに注意した。また、診断手順としては、レポート を読む前にルーブリックを確認し、ルーブリック評価を行ってからコメントを付けるよう伝えて いた。この手順を逆にし、先に学生のレポートを読み、コメントを付けたあとでルーブリック評 価を行うことは、TA の作業効率を下げるばかりか、コメント内容とルーブリック評価との間に 齟齬が生まれることになり、学生に混乱をきたしかねないからである。あくまでもルーブリック を評価の指針とし、それに基づいてコメントをつけることを TA には徹底させる必要がある。 一方、定例研修も、2、3 週間に 1 度のペースで行った。講義開始後、実際に「文章診断」TA として業務に携わってみることではじめて体感することになる難しさがあるからである。実際、 初回「文章診断」業務では、事前研修時に「文章診断」演習を行っていたとはいえ、TA 未経験 者の大半が予想以上の診断時間を要していたようだった。 定例研修では、TA が診断時に抱えた疑問や質問への対応、教員側で気になった TA の診断内 容への注意、次回「文章診断」にむけてのポイントの確認、より有効なコメントの付け方やルー ブリック評価にむけての演習を主に行っていた。 なかでも、定例研修で教員がとくに心掛けていたことは、「文章診断」を受けた学生の反応を なるべく TA に伝えることであった。「文章診断」は、「manaba+R」を使った顔の見えないやり とりである。そのため、TA は自分が下したルーブリック評価やコメントが学生にどのように受 け止められているのかを知ることができない。かりに課題がどんどん先へと進んでいくにもかか わらず学生が同じ誤りを繰り返している場合、TA には「文章診断」の結果を学生がきちんと確

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認しているものの、なお改善へと向かわないのか、それとも「文章診断」の結果をそもそも学生 がきちんと確認していないために同じ誤りを繰り返しているのか、その判断がつかない。そこで 2016 年度「論文作成の技法」では、学生に対して「文章診断」結果の確認を講義中に行わせる こととし、一方で定例研修の際は、教員から TA に学生の反応を極力伝えるよう努めた。 しかしながら、都合がつけられずに定例研修に参加できない TA が多く、研修参加者は 8 名の TA のうち毎回 2、3 名という状況であった。そのため、別途「manaba+R」上に TA と教員のみ閲 覧できるページを開設し、「文章診断」業務のなかで TA が抱えた疑問や質問に応じられるような 体制にした。また、経験豊富な TA の「文章診断」内容を他の TA が参照できるような体制も整え、 TA が学生の課題レポートを迷いながら診断しなくてはならない状況を少しでも軽減できるよう努 めた。

4 講義時のルーブリック活用

続いて講義時の取り組みを紹介する。ルーブリックは高等教育の現場よりも、初等教育や中等 教育の現場での導入が進んでいる。とはいえ、2016 年度「論文作成の技法」第 1 回講義の際、 その日の出席者計 136 名(W1 クラス 71 名、W2 クラス 65 名)に対して「ルーブリック」を知っ ているかどうか尋ねたところ、「知っている」と答えた学生は両クラス合わせて 13 名、割合にし て全受講生中の 10%程度に過ぎなかった。 そこで第 1 回講義の際に演習問題に取り組み、それを「ルーブリック 1 」を使って学生同士に 評価させ、ルーブリックとは何か、どのように使うものかを経験させた。その後も開講期間中、 課題レポートのプレ演習を講義内で行うたびにルーブリックを用い、学生同士に互いの文章を評 価させた。的確な評価が可能か否かに関わらず、互いに評価しあうという営みを通して「読み 手」の視点を学生に養わせることや、課題レポートの評価に用いるルーブリックを学生に予め使 用させておくことで、課題の評価観点や到達目標を事前に学生に把握させること、また、TA が 行っている評価という行為がいかに難しいものであるかを学生自身に理解させることがその狙い であった。なお、「manaba+R」上に課題レポートのテーマや提出書式について記載する際にも 使用するルーブリックを学生に示し、自己点検用ツールとして活用するよう毎回指示した。 さらに、講義時に配布するコミュニケーション・ペーパー( 200 字原稿用紙付き)の使用方法 も工夫した。コミュニケーション・ペーパーを授業への質問や感想を学生に記入してもらうため の用紙としてのみ使用するのではなく、本講義目標のひとつでもあるパラグラフ・ライティング を意識して文章を作成する機会のひとつとして捉え、「文章診断」返却期限直後の講義において、 「文章診断」結果に関連するテーマの報告文を学生に書かせることにしたのである6 )。そのため、 学生は「文章診断」結果をプリントアウトしたうえで講義に参加するか、あるいは講義中にス マートホンを使って「manaba+R」にアクセスして診断結果を確認し、報告文を書いていた。こ のコミュニケーション・ペーパーを利用して行う学生から教員への報告文は、結果的には学生に 「文章診断」結果を意識的に確認させ、パラグラフ・ライティングで文章を書かせることに役立っ ていたのみならず、学生の学習理解度を教員が把握することや、教員から TA に「文章診断」結 果を受け取った学生の反応を伝えることにも役立っていたといえる(表 8 )。

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5 ルーブリックを用いて行う期末レポートの採点作業

TA が評価を行う課題レポートとは別に、「論文作成の技法」では期末レポート( 1600 字以内) も学生に課している。これについては当然、教員が評価・採点作業を行う。その際にもルーブ リックを使用した。 2016 年度「論文作成の技法」では、期末レポートの第 1 稿を課題レポートとして予め設定し ていた。それに対しては TA によるルーブリック評価が行われ、学生に返却されていた7 ) 。学生 は TA のルーブリック評価をもとに、その後の講義中に教員や他学生に質問や相談を行い、幾度 も推敲を重ねた。そして、より完成度を高めたうえで、それを期末レポートとして提出したので ある。 期末レポートの評価・採点に教員が用いるのは、TA が第 1 稿の評価に用いた「ルーブリック 5 」 である(表 2 )。「ルーブリック 5 」の評価観点ごとに、たとえば A 評価に当てはまるならば 5 点、 B 評価であれば 3 点、C 評価であれば 1 点、F 評価であれば 0 点などと予め担当教員間で点数を 設定しておき、ルーブリックに照らしてレポートをチェックした。なお、期末レポートの採点に 「ルーブリック 5」を使用すること、各評価観点ごとの獲得点数を期末レポートの点数とすること、 ただし書式が守られていない場合に限り、総得点を 2 分の 1 換算にするということについては、 初回講義時はもちろん、講義中も折に触れて学生に告知していた。 このようにルーブリックを用いて行うレポートの採点は評価項目・評価基準が明確であるため、 ルーブリックを使わずに行う採点作業よりもはるかに作業時間を短縮できる。また、学生に対し てより公平で厳格な評価を実現できることからも、教員にとっても学生にとってもルーブリック を使用する効果は大きいといえる。

6 ルーブリック活用による成果と課題

開講期間中に複数のレポート課題を課し、その都度ルーブリックを用いて TA による評価を フィードバックしていた結果、期末レポートでは提出者の 9 割以上が提出書式をきちんと守り、 適切な表記表現を用い、パラグラフ・ライティングを意識した文章を書き上げられるようになっ ていた。レポートの優劣が、あくまでもテーマ設定や資料の選択及びその解釈といった内容面で 表 8 教員に向けての報告文テーマ(「文章診断」に関わる部分のみ抜粋) 講義 テーマ 第 3 回 「第 1 回文章診断」を受けて―その成果と課題( 200 字・10 分) 第 5 回 「第 2 回文章診断」を受けて―その成果と課題( 200 字・10 分) 第 6 回 「第 1 回∼第 3 回ルーブリック」を比較して―その成果と課題( 200 字・10 分) 第 8 回 「第 4 回文章診断」を受けて―リライトに向けての課題( 200 字・7 分) 第 11 回 「第 5 回文章診断」を受けて―「第 4 回文章診断」との比較( 200 字・7 分) 第 13 回 「第 6、7 回文章診断」を受けて―期末レポート完成稿に向けての課題( 200 字・6 分) 第 14 回 「第 1 回∼第 8 回」文章診断を振り返って( 400 字・20 分)

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決まる状態になっており、レポートの基本の型はきちんとおさえられていた。 なお、2016 年度「論文作成の技法」最終講義の際、出席者計 116 名(W1 クラス 63 名、W2 ク ラス 53 名)を対象に、本講義におけるルーブリックの使用に関する無記名方式・任意回答のア ンケートを行った。質問内容は、1 )課題レポート作成時にルーブリックを役立てたか、2 )ルー ブリックを自身のレポートの到達点や弱点の把握につなげたか、3 )ルーブリックが学習意欲の 向上につながったと考えるか、4 )ルーブリックのよくない部分・改善すべき部分はどこにあるか、 以上 4 つである。質問 1 ), 2 ), 3 )に関しては、「あてはまる」から「あてはまらない」までの 5 件法で、質問 4 に関しては自由記述で回答させた。以下の表 9 ∼表 11 は、質問 1 ), 2 ), 3 )に関 するアンケート集計結果である。なおデータの本誌への記載に関しては、各関係者からの許諾を 得ている。 すべての質問項目で、「あてはまる」あるいは「ある程度あてはまる」と回答した割合が 70% を超えていた。とくにルーブリックを自身のレポートの到達点や弱点の把握に役立てていたと答 えた割合は、89.6%に上っていた。このことから、A4 用紙 1 枚に収まる程度の表 1・表 2 に示し 表 9 質問 1 の結果 課題作成時にルーブリックを役立てた 回答人数 割合(%) あてはまる 33 28.4% ある程度あてはまる 51 44.0% どちらともいえない 17 14.7% あまりあてはまらない 8 6.9% あてはまらない 7 6.0% 計 116 100.0% 表 10 質問 2 の結果 ルーブリック評価を到達点や弱点の把握につなげた 回答人数 割合(%) あてはまる 65 56.0% ある程度あてはまる 39 33.6% どちらともいえない 10 8.6% あまりあてはまらない 1 0.9% あてはまらない 1 0.9% 計 116 100.0% 表 11 質問 3 の結果 ルーブリック評価が学習意欲の向上につながった 回答人数 割合(%) あてはまる 39 33.6% ある程度あてはまる 50 43.1% どちらともいえない 21 18.1% あまりあてはまらない 5 4.3% あてはまらない 1 0.9% 計 116 100.0%

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たようなシンプルなルーブリックを用いた評価であっても、TA による「文章診断」は学生のレ ポートに対するフィードバックの役割を果たしていること、また、それが学生の学習意欲の向上 にも一定程度寄与していることがわかる。なお、学習意欲の向上に関しては、図 1 に示す課題レ ポート提出率の高さにも表れていたといえる。複数回レポート課題を課していたが、終始 8 割程 度の提出率を保っていた。さらに、表 12 に示すとおり、大学が行った「授業評価アンケート」 でも、本講義はアンケートに設定されていた 6 つの質問項目すべてにおいて、分野平均と同じか、 あるいはそれ以上の高評価を得ていた8 )。なかでも授業外学習時間にいたっては、0.7 ポイント の差が確認できた。 通常、アカデミック・ライティング教育科目は 2、30 人規模の小集団クラスで運営されること が多い。少集団の方が、より丁寧に学生のレポートに対するフィードバックを行えるためである。 したがって、それが可能であるならば小集団が望ましい。1 クラス 70 名規模で、1 セメスター中 に計 10 本に及ぶレポート作成を学生に要求し、それに対するフィードバックを毎回行うなど、 一見無謀ともとれるだろう。しかしながら、e-learning システム上で、複数の TA を採用し、ルー ブリックを使うなどの工夫をすれば、学生が作成したレポートに対するフィードバックは一定程 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% ㄢ㢟1 ㄢ㢟2 ㄢ㢟3 ㄢ㢟4 ㄢ㢟5 ㄢ㢟6 ㄢ㢟7 ㄢ㢟8 W1 W2 図 1 2016 年度「論文作成の技法」課題レポート提出率 ※提出点の算出を行った課題のみ掲載。 表 12 2016 年度授業評価アンケートの結果 質問 内容 クラス 平均 分野平均 2016 年度前期 全学講義科目平均 Q1 シラバス遵守度 4.6 4.5 4.35 Q2 授業外学習時間 2.9 2.2 1.73 Q3 学習意欲の促進 4.0 3.9 3.82 Q4 能動的学習態度 4.1 4.1 3.93 Q5 到達目標達成度 4.0 3.9 3.72 Q6 学び役立ち度 4.4 4.4 4.1

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度は実現する。そして、度重なるフィードバックのなかで、学生の学びに対する能動性や学習意 欲を徐々に高めてゆくことは可能であり、最終的には「履修してよかった」と学生に思ってもら えるような講義につながることがわかる。 ただし、2016 年度「論文作成の技法」で使用したルーブリックやその使用方法等に問題がな かったわけではない。最後にその点について、先に取り上げた 2016 年度「論文作成の技法」最 終講義におけるアンケート調査の際の質問 4、すなわち、「ルーブリックのよくない部分・改善 すべき部分はどこにあると思うか」に関する学生の意見をもとに検討したい。 自由記述欄には、「なし」や「特になし」も含めて、アンケート対象者 116 名中 71 名の回答が あった。それらをすべてデータ化し、「KH Corder(ver.2.b.32c)」を利用して形態素解析9 ) を施し、 その共起関係を分析した(図 2 )10 ) 。すると、1 ) TA によって評価基準が曖昧、2 )返却が遅い、3 ) TA の指摘やコメントがなければ、ルーブリックだけでは具体的な間違い部分や改善方法がわか らない、以上 3 点に関する意見が特に多く寄せられていたことが判明した。 ルーブリックは評価観点ごとの達成度や不十分な点を、あくまでも端的に示すものである。そ のため、具体性に欠ける面があるという三つ目の指摘はある意味当然だろう。とはいえ、評価項 目の内容を、主な評価者たる TA の負担になりすぎない範囲でさらに具体化するなど11 ) 、ルーブ リック自体の改良は今後も必要だといえる。しかしながら、TA によって評価基準が曖昧と捉え ている学生が多いことや、そもそも返却が遅いと感じている学生が多いことに鑑みれば、むしろ より重要な課題としては、TA の評価スキル養成や、返却期限の設定の問題が挙げられる。 TA のスキル養成に関しては、本来であれば研修への参加を TA 採用の必須条件としたいとこ ろではある。だが、そのような条件下では必要十分な TA 数をとてもではないが確保できないと 図 2 質問 4 に対する共起ネットワーク 㒊ศ ලయ ᇶ‽ ホ౯ 䝁䝯䞁䝖 ᣦ᦬ 䛒䛔䜎䛔 㛫㐪䛔 TA ㏉༷ 㐜䛔

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いう厳しい状況にある。そのため、まずは研修に足を運べない TA に対してどのようなフォロー が可能かを考える方がよい。 2016 年度は、「manaba+R」上に、TA 間あるいは TA と教員との間で質問や相談ができる仕組 みを整えた。とはいえ、積極的に質問や相談をしてくるのはむしろ経験豊富な TA や比較的評価 力のある TA であり、経験の未熟な TA は、「manaba+R」上でのやりとりにほとんど参加しなかっ た。また、研修参加者以外の TA には学生の反応を十分に伝えきることができなかったことにも 問題があったといえる。「文章診断」という一定のスキルを要求する業務に携わる者に対し、た んに教員の肩代わりをさせるばかりで業務にやりがいをもってもらえるような仕組みを整えられ なければ、なかなか次の成り手は育たない。今後は「manaba+R」上に TA が診断演習できるよ うな素材を用意するとともに、TA による診断結果を学生が受け取った際の反応について、より 効率よく TA に伝える仕組みを充実させるなど、多少なりとも状況の改善を図る必要がある。 また、返却期限を過ぎて学生に課題返却をしていた TA はひとりもいなかったにも拘らず、学 生からは「返却が遅い」という声が多々寄せられていたことから、提出期限から一週間以内とい う返却期限の設定自体にも問題があったといえる。学生の声には、「講義前夜に返却されてもプ リント・アウトする時間がなく、それでは十分な確認ができない」というものや、TA 間で返却 のタイミングにばらつきがあることを指摘するものがあった。これらに関しては、オンデマンド 型のアカデミック・ライティング授業を展開しており、院生によるフィードバックシステムをす でに十分に構築している早稲田大学でも同様のケースが確認されている(武谷・渡 2015 )。現状 の「論文作成の技法」に携わる TA の数、業務の負担、それぞれのスキルなどを考えると、返却 のタイミングを早めることは難しい。できたとしても、せいぜい半日か 1 日程度のことだろう。 しかし、返却のタイミングを今よりある程度統一させることは実現可能と考えられる。 いずれにせよ、アカデミック・ライティング講義科目に対する学生の需要は大きく、本講義に 対する学生の満足度も高い。社会人基礎力のひとつとして「書く力」が求められている昨今、本 講義のようなライティング教育系科目は今後ますます重要になってゆくだろう。それにもかかわ らず、ライティング教育の円滑な講義運営にとって必要不可欠ともいえる、「文章診断」能力を 有する人材を確保・養成する仕組みが組織として十分には整っていないことこそが、「論文作成 の技法」が現状抱えている最大の問題だといえる。人材養成は早急にできることではないとはい え、その仕組み自体がそもそもなければ、今後も状況は変わらない。早稲田大学をはじめ他大学 には成功事例もある。それらを参考に、他の組織との連携も密にしながら、この問題に早急に対 処してゆく必要がある。

7.おわりに

以上、本稿では立命館大学映像学部開講科目「論文作成の技法」における、2016 年度のルー ブリック活用事例を報告した。本講義は 1 クラス 70 名規模であるため、学生のレポートに対す るフィードバックには TA の協力が欠かせない。その際、ルーブリックは学生にも TA にも効果 を発揮する。学生にとっては課題の達成度や不十分な点を把握するためのツールになる。一方、 TA にとっては評価の指針及びコメントを付ける作業負担の軽減化に役立つ。実際、本講義では

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TA の活用とルーブリックの使用によって、学生の課題レポートに対するフィードバックが実現 している。そして、それが学生の「書く力」や学習意欲の向上に寄与している。ただし、ルーブ リックを使用すること自体を目的化してしまうと、ルーブリック返却後の学生への働きかけがお ざなりになったり、ルーブリックと課題内容がそぐわなくなったりする事態が生じる。それでは わざわざ TA を採用し、ルーブリックを使って課題の評価を学生にフィードバックする意味はな い。したがって、常によりよいルーブリックを開発する努力や、その効果的運用方法を教員が模 索することは重要である。また、「論文作成の技法」の講義運営についていえば、何よりもルー ブリック評価を行うことにより学生の学習過程を支援する重要な役割を担う TA の確保や評価能 力養成の問題が、今後に向けての最重要課題として挙げられる。 1 ) 「論文作成の技法」の講義モデルである、教育開発推進機構が開発した「日本語の技法」講義科目の 内容及びその教育効果に関しては、薄井( 2015 )を参照のこと。 2 ) 「論文作成の技法」では、TA が課題レポートの「文章診断」を行っているとはいえ、それは成績には 影響しない。成績に影響するのは、期限までに課題レポートが提出されたか否かであり、その管理は教 員が行っている。 3 ) そもそも「文章診断」TA になりたいと希望する院生自体が少ないため、TA の確保には例年苦労して いる。一方で、TA 経験者のなかには「大変だったが自分の勉強になった」と感じ、継続して TA になる 者もいる。 4 ) このような院生が「文章診断」TA になることを希望するケースはしばしば見られる。アカデミック・ ライティング教育が多くの場合、初年次生のみを対象としており、その機会を逃した場合、その後学べ る機会がほとんどないためである。「論文作成の技法」ではこのような院生も TA として採用し、TA 業 務を通じて学び直す機会に役立ててもらっている。 5 ) これは 2013 年度「日本語の技法」TA の中心メンバーが作成したものである。 6 ) あくまでも TA による「文章診断」結果を学生に確認させることと、パラグラフ・ライティングさせ る訓練のひとつであったため、この報告文の出来栄えや内容に関する採点や評価は行っていない。制限 された時間のなかで書ける範囲で書いたらよいと指示している。なお、コミュニケーション・ペーパー には、原稿用紙仕様の箇所とは別に、講義内容に関する質問や感想を記入する欄も設けている。毎回、 原稿用紙仕様の箇所に書くべきテーマを設定して文章を書かせることが影響したのか、質問欄や感想欄 への記述も多く見られた。何もテーマを与えなければコミュニケーション・ペーパーを使ってみようと する学生数は限られる。しかし、なにかテーマを与えてコミュニケーション・ペーパーに文章を書かせ ると、そのついでに講義に関する意見や感想、質問を書く学生が一定数いた。 7 ) 期末レポート第 1 原稿にあたる課題 8 に対して TA にコメントを付けてもらわない理由は、TA のアド バイスが期末レポートの成績に影響しすぎないようにするためである。 8 ) ここでいう分野平均は、映像学部キャリア形成科目、クラス平均は筆者が担当した「論文作成の技法」 W1 クラスを指す。 9 ) 抽出語は 539 語であった。なお、主観を極力排除するため類義語の処理は行っていない。 10 )最低登場回数を 5 回に設定して共起ネットワーク分析を行った。 11 )あまり細かく基準や観点を分けすぎては、評価にかかる時間をかえって要してしまうことになる。

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参考文献 薄井道正「初年次アカデミック・ライティング科目における指導法とその効果―パラグラフ・ライティ ングと論証を柱に」『京都大学高等教育研究』第 21 号、2015 年、15-25 頁。 沖裕貴「大学におけるルーブリック評価導入の実際―公平で客観的かつ厳格な評価をめざして」『立命 館高等教育研究』第 14 号、2014 年、71-90 頁。 沖武谷慧悟・渡寛法「オンデマンド型ライティング授業の改善に向けた授業評価分析―顧客満足分析に よるテキスト・マイニング」『京都大学高等教育研究』第 21 号、2015 年、1-14 頁。 ダネル・スティーブンス、アントニア・レビ『大学教員のためのルーブリック評価入門』佐藤浩章監訳、 多摩川大学出版部、2015 年。

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Achievements and Issues in the Application of Rubrics in Academic Writing:

A Case Study of the College of Images Arts and Sciences

NAKAJIMA Azusa(Lecturer, College of Image Arts and Sciences, Ritsumeikan University)

Abstract

This paper describes the usefulness of rubrics as a tool for evaluation. It is based upon data collected in Academic Writing classes aimed at first year students from the College of mage Arts and Sciences at Ritsumeikan University. These classes have been conducted every year since 2012 and assemble about 70 students at a time. The implementation of rubrics-based assessment in the arsenal of teaching assistants has proven effective in order to communicate feedback to students on their performance, as well as facilitating and harmonizing the evaluation process. This report describes the objectives and results of the application of rubrics in this class and discusses future challenges.

Keywords

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参照

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