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都市ごみ焼却施設EP灰中ダイオキシン類の連続処理

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Academic year: 2021

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(1)横浜国大環境研紀要16:43−47(1989).  報 呑 口附lll】糊縫ill川i目口ll目1. 都市ごみ焼却施設EP詩心ダイオキシン類             の連続処理 Continuous Treatment on Dioxins of EP Ash     from a MSW Incineration Plant.. 画. 論㌦花井 義道*・加藤 龍夫*. Gon OK, Yoshimichi HANAI a.nd Tatsuo KATou.                    Synops量s  The fact that the high temperature treatment of EP ash using the sもainless seal tube. was effective tQ control the chlorinaもed cQmpounds had been reported in the prece− ding paper,1988. On the basis of this result, the continuous treaもment system was designed and tested, and then its pQssibiliもy of the practical application in the MSW. incineration plant was invesもigated. The destrucむion efficiency of PCDD and PCDF in E P ash depended on the conditions of temperature and residual time.1もwas con−. firmedもhat in this equipmenもa}most 100%destruction was obtained at about 500℃ and for a few minutes.. 1.はじめに. しもd製アキューレートドライケミカルフィーダー). によって連続してステンレス管(60mmφ×1200mm).  現在都市ごみ焼却場から排出されている灰には衛害. に供給される。ヒーター(2.5kw)でステンレス管を. なダイオキシンが多量に含有されているにもかかわら. 加熱し,灰収集容器で処理灰を捕飽した。灰から発生. ずセメント,アスファルト固化程度,あるいは,無処. するガスは真空ポンプと積算流量計を用いて,トルエ. 理で廃棄されている。EP灰のダイオキシン類の処理. ンを入れたガス洗浄びんに捕集した。. として,Voggらは空気気流中での加熱処理の可能性 を示しておりD,当研究室においても密閉容器内での. 3.実験方法. 500℃以上の加熱処理によって灰中の塩素化合物を完.  3.1 灰の加熱滞留時間. 全に脱塩素化させる実験結果を得た。2)今回は実装置.  灰の加熱部の内容積からスクリュー部分の容積を減. として大型化可能な連続処理装置を作製し,実験した. じたEP灰の容疑は160gであり,実験における灰供. 結果を報告する。. 給量と灰供給時間より灰の加熱部での滞留時間Trは. 2.実験装置  今回用いた実験装置は図1に示す。都市ごみ焼却場. のEP灰はフィーダー(CUMA Engineering Co,. 次式のようになる。.         160(g)×〔灰供給時間〕(min).   Tr(min)篇.             〔灰供給量)(9).  本実験では滞留時間が2分と!0分になるようフェ リックス回転速度を設定した。. *横浜国立大学環境科学研究センター環境基礎工学研究  室  Deparもment of Bnvironmental Engineering Science.  3.2 灰加熱実験.  図1の実験装置において温度はTR3の部分のTIC.  and Technology, Yokohama National University. で舗御した。各部分の温度はTR!,TR2,TR3,.  (1988年9月14日受領). TR4,TR5,TR6で測定し,中心部の温度とし.

(2) 44. TR工. TR2TR3TR4. TR5. EP灰. アフロン管 フィルター. TR6 ’. 真空ポンプ. L・4 八. ガ  ⑭. 田収集容器 o.        冷却水 フェリックス. →. ‘  9. 氷水. 積算流量計 トルエン. 図q フィーダーによるEP灰の連続加熱実験装置. 表l JEOL DX−303HFを用いたGC/MS−SIM分析条件 分析対象物質. 3∼6CIBz. M/Z M,M+2,M+4. 1, 2CDD 1, 2CDF. GC/MS条件 flow:15ml/min. 〃. Inlect重on Temp.:250℃. 〃. 量nitial temp.:130。C (1min). 〃. rate;25℃/min. カラム.Sihcone OV−1012% Chromosorb WHP 100∼120 mesh ガラス製2.6mmφ×1.Om又は. final temp.:270℃. 〃 〃 ×0.6m. 〃. separator七emp.:250℃. 3∼6CDD 3∼6CDF. M,M十2. MS条件. flow:15ml/min. !ノ. Inlection Temp.:250℃. 〃. in重tial temp,:200℃(1rnin). resorutめn:1500. 〃. rate:25℃/min. ion source temp.:290℃. finaユtemp.:270℃. ionization current:300μA. separa七〇r 七emp..250。C. electrone energy:70ev. conversion dynode voltage:一10kv. 7,8CDD 7,8CDF. dibenzo dioxin. flow:15ml/min. M十2 M十4     ,. 〃. InlectiQn Temp.:280℃. 〃. oven temp.:270℃. ノノ. separator temp.:270。C. 128,184. flow:15ml/minanthracene. 178. initial temp.:130。C (1mfn). rate:25℃/min fluorantene py「ene. 101,202 ノノ. fina里temp.:270℃ separaもor temp.:250℃. ては,フェリックス中心軸内へ熱電対を挿入し,TR. 容器の重量を測定し,その差より求めた。. 6で測定した。排ガスは真空ポンプで吸引し,100ml.  3.3 分析方法. トルエンの入ったガス洗浄びんで揮発成分を捕集した。. 試料の分析方法は前報と同様の方法で灰20gをトル. ポンプによる捕集時間は実験開始の1分前から終了1. エン100mlで6時間ソックスレー抽出し,1mlまで. 分後までとした。実験終了後ガス洗浄びん内のトルエ. 濃縮し3),GC/MS(JEOL DX−303HF)を用い,. ンはガラスびんに移し,ガス洗浄びんはトルエンで洗. PCDD, PCDF, CIBz(chlorQbenzenes)をSIM. 浄し,洗浄液も同一のびんに入れた。灰試料について. 方法で分析した。分析条件を表1に示す。. は,灰収集容器内の灰を採取した。灰処理量は灰収集.

(3) 45. TR6. TR2. TR3. 600. τIC. TR6.      TR2  τR3600了           丁IC. TR4. TR4. TR5. TR5. 500. 500. 400. 400.          捧、        ,”. 弱∵=艶.               ,RUN.2              ,’. 300. 、. 、 “. RUN.4. 300.          ,▲一需脚. 、.        //. /O  /. 、. !      1. 200      //〆留\. 、. ’      !. 、. 200   !  、ρ!. 、.      ノ        ノ                 ヘ. RUN3.     ノ       ノ                     .    /  ム!            RUN,1. !!’.   ノ        ノ   ノ       ノ.  ,」ど ,/. 100. ’”  ,△’. 100. @          驚. ,”. ’. 0. 2. 望. 170. 0 60. 0 6    10  280 340  侮m). 280 340   (mr了{}. 5. 0. (m}n}. (a) R疑n1,2. 紛(min). (b) R.un 3,4. 図2 フィーダー内温度分布図.    一管壁,…管内中心部. 表2 実験条件と結果 灰. run. ガス. 加熱設定温度 (TIC). 封α. ℃. 滞留時間. 供給時間. 供給量. 滞留時間. 吸引時間. 吸引蚤. 設定値(分). (分). (藍9). 実測値(分). (分). (の 114.4. 1. 430. 2. 30. 2.33. 2.06. 41. 2. 525. 2. 30. 2.35. 2.04. 32. 80.7. 3. 430. 10. 60. 1.03. 9.32. 62. 168.9. 4. 525. 10. 60. 1.05. 9.14. 62. 117.9. 4.実験結果. ガス吸引時間,ガス吸引量の結果を示した。表3と図 3には無処理の灰と各実験条件における処理灰の灰中.  灰の実温度の直接測定はできないため,フェリックス. 濃度の分析結果を示す。表4には,ガス中濃度の分析. 中心軸内に熱電対を挿入し各実験条件における管壁と. 結果を灰lg当りから揮発する量に換算した値で示し. 中心部温度を測定し,その加熱部分の管の長さに対し. た。図3の各実験条件下でのPCDDs/PCDFs濃度. てプロットした結果を図2の(a),㈲に示した。すべて. 関係を比較してみるとRUN 2から脱塩素化が進行し,. の条件下で管壁と中心部には温度差が存在し,灰の処. RUN 4ではほぼ完全に脱塩素化されDD(ジベンゾ. 理温度は室温から昇馴するため熱移動に時間を要し,. ジオキシン)とDF(ジベンゾフラン)が生成された。. 加熱部の最後部付近で最大となる。表2には各実験条. RUN 4の条件(滞留疇間!0分TIC設定温度525℃). 件における灰供給時間,灰供給量,滞留時間(実測値),. では室温からの最:高温度までの加熱聴間であるため実.

(4) 46. 表3. 表4. フィーダーによる加熱処理. フィーダーによる加熱処理 ガスへの揮発鼠  単位 ng/Ashlg.         灰ヰ…濃度   単位  ng/9. 無処理. DD. 41. ・PCDDs. 1CDD 2CDD 3CDD 4CDD 5CDD 6CDD 7CDD 8CDD. nd nd nd. Total PCDDs. nd nd nd. 96. 2.5. 120. 61. 54. 57. 180. 140. 100. 220. 140. 83. nd nd nd nd. 500. 380. 349. 31. nd nd nd nd nd nd nd nd nd. 31. 15. 26. 290. 470. DF. 3.8. 29. 1.2. 1.6. 0.20. 0β5 18. 2.0. 11. 55. nd. 27. 29. 47. nd. 1.5. 13. 110. 5.3. 7.8. 11. 48. 54. nδ. 26. 27. 120. 11. nd. 2婆0. 230. 540. 7.7. 3.7. 45G 950. 420. 560. 3.6. 810. 740. nd. 4100. 2800 900. 2000. 10. 1500. 560. nd. nd nd nd nd. 7270. 5200. 4580. 186. 9.0. 3CIB箔. 75. 150. 270. 710. 26G. 4ClBz. 220. 340. 610. 210. 55. 5CIB滋. 210. 620. 18. 13. Total PCDFs. RUN3. RUN.4. nd. 0.07. 0.09. o.94. nd nd nd nd nd nd nd nd nd. nd nd nd nd nd nd nd nd nd. nd nd nd nd nd nd nd nd nd. nd nd nd nd nd nd nd nd nd. 0.04. 0.37. 0.57. 6.4. nd nd nd nd nd nd nd nd nd. OJO. 0.04. 0.06 0.09. nd nd nd nd nd nd. nd nd nd nd nd nd nd. 0.14. 0.04. 0.15. 21. 190. 163. 82. 19. 180. 27. 17. 6.4. 57. 1.5. 4.6. 0.69. 5.6. 0.16. 王.0. 47. 433. 192. 105. 025. 0.13. 0.39. nd nd. nd nd. nd nd. 1)D. ・PCDDs. lCDD 2CDD 3CDD 4CDD 5CDD 6CDD 7CDD 8CDD. Total PCDI)s. DF ・PCDFs 圭CDF. ・PCDFs. lCDF 2CDF 3CDF 4CDF 5CDF 6CDF 7CDF 8CDF. RUN.2. RUN亙. RUN.1 RUN.2 RUN.3 RUN.4. 2CDF 3CDF 4CDF 5CDF 6CDF 7CDF 8CDF. Total PCDFs. ・CIBz. 0.04. nd nd nd nd nd nd. ・CIBz. 3CIBz 4CIBz 5CIBz 6CIBz. 6ClBz. 190. 380 170. 170. 1.5. 1.1. To宅ai CIBz. 695. 1040. 1670. 940. 330. Total CIBz. anthracene. 380. 240. 200. 180. 300. anthracene. 0.15. fluoranthene. 180. 120. 92. 110. 130. fluoranthene. 0.03. 52. 32. 9.4. 37. 59. py「ene. DD:dibenzo dioxin DF;d重benzo furan. CiBz :ch互orobenzene. nd:検出限界以下く0.1. nd. py「ene. CIBz:chlorobenzene nd:検出限界以下く0.01. DD:dibenzo dioxin DF:dibenzo furan. h8!9. 國・C・D瞬・CD・認・…. 穐i!〆ピ. 8000. 翻7G。D義4CDD□tCi)D. 5{1【}. 國8CDF睡5CDF翻2c:)卜 羅7CDF霧縮CDド〔⊃(;r)ド iiiiiii…i6CDF旧ilill:ユCDF睡D由醒幽…. liiiiiiiiiii 5CD州i灘3α)D麟眺…副。漁. 600G. .≡(沿. 幽?. でlljC. P. 4000  諄 騒呼. 匿〔,臼. .窒纈. .撃. 2000 1(lo.  9. 1. 0. o. 無処琢 RUNユ. RUN2  RUN3  RUNム. 無処理 RUN}. RU葭2   RUN3. 図3 処理条件によるPCDDs/PCDFS濃度の関係. RUN、4.

(5) 47. 際の脱塩素化は数分程度で終了していることになる。. クロルベンゼン類はRUN 2で増加し, RUN 3では. 脱塩素化反応が進行したがPCDDs, PCDFsとは異. 文 献 1). H.Vo99, L, Stieglitz:Thermal behavior. なり気相への揮発量も無視できない量であった。多環. of PCDD/PCDF in fly ash from munici−. 芳香族炭化水素(アントラセン,フルオランテン,ピ. pal incinerators, Chemosphere,15, Nos, 9−12, 1373−1378 (1986). レン等)の灰中濃度は変化が認められなかった。 2). 5.おわりに. 都市ごみ焼却施設の塩素化合物抑制技術,横浜 国大環境研紀要,15,17−27(1988).  都市ごみ焼却場の灰に含有しているPCDDs, PC DFs,塩素化ベンゼン等の無害化処理方法として,電. 花井義道・神田広興・高須賀玄太郎・加藤龍夫:. 3). 花井義道・加藤龍夫・井手敬善:ごみ焼却施設. 気集じん機の出口から排出されるEP灰を連続的に熱. における塩素化合物の生成過程に関する調査研. 処理する技術の有効性が示された。早急な防止対策が. 究,横浜国大環境研紀要,13,37−49(1986). 望まれる。. 謝 辞  本研究は焼却炉メーカーの方々の協力によって可能 となったものです。関係者の皆様に感謝します。.

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