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対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(3) : 幼少期の家庭環境と自己像に関する比較文化的検討

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Academic year: 2021

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(1)対人恐怖症者に認められる対人不安意識に 関する研究(3) 幼少期の家庭環境と自己像に関する比較文化的検討 小川捷之*・木村方夫**・林. A. 洋一***. Study. Self-Awareness in lnterper80nal of Negative Relationships, Characteristic Anthropophobics of (3) the Trans-Cultural Environment and. -from Family. Katsuyuki. OGAWA*,. Point. of View of Differences Self・Image during Cbildbood-. Masami. KIMURA**. Youichi. and. in. HAYASHI**. StJ A( A(ART Anthropophobia. is. show all Japanese Tbese symptoms than. the. among. Anthropophobia nese. a. netlrOSis. similar. symptoms. studies as. criptions data and. (Ogawa,. t・he. Hayasbi,. more. of antbropopbobics in diagnosed extreme. Almost. characteristic. degree.. some cases. of antbropopbobia,. have. carefully reexamined displayed in typical Japa・. relationships. proceed也e. possible. extract. investigated. Japanese. Therefore, Japanese we general public・ by observin・g are commonly anxieties which. interparsonal T血ree. typical. a. to. however,. are,. is. which. present. of commonly血eld. the. factors. common. factors. common. Nagai. and. Tbe触st. one・. anxieties・ found・. by. administring Shiraisbi, 1979).. step. The. (Ogawa a. to. vas. second. 1974) As. questionnaire. as. gather. step. to. was. a也ird to. a. many. step,. variety. dis・. analyse也is ve. of. have. subject. Thefirst. was to research on session of the present study supplementary anxieties was The to investigate factors second session the common wbic血were by the family stimulated during environment and self・image childhood. Two types of questionnaire in interpersonal entitled "self・Conciousness relations血ips・,. done. before・. and "Human They were. relationships given. to. during. Japanese. and. infancy American. and. childhoodvI. highschool. Were. and. employed. in this. study・. students. From the results of the scores in the questionnaire ”Self・Conscoius_ gained entitled ness in interpersonal the subjects vere into two relationsbips'', groロpS; classi鮎d those falling within lowest the higiest and ranges of the scale. The was to see next step if there is any between the relationship subject's score his family and environment From during and the self・image childhood. results. *心理学教室(Dept・ of Psychology) **本学大学院(学校教育専攻) ***本学非常勤講師(東京都立大学大学院博士課程,心理学専政). college.

(2) 61. 対人恐怖症老に認められる対人不安意識に関する研究(3) gathered which the was. from. it appeared. in. awareness. hood.. result had. true. a. by of. equally. scores was. questionnaire・ Ftlrthermore, affected. second session provided family atmosphere positive more. the. represented in. apparent. Japanese in. JaparleSe Sdf-awareness. their communication the American. with. patterns. factor. ・a. general. a. findings. the. as. same. ones. We in Call atension factor・ in partictllar・. a lower selr・ negative during child・ self-image Americans, a negative Japanese and the to than in Americans responding. the. and both. basically. were. Howeverl study・ to be is thought. in the. Although. self・avareness. factors. the. that. were the preceeding extracted interpersonal relationship''which in this found study・. The. be. one,. session. a. that. desirable. interpersonal their. parents・. to. seems. relationships This does. not. be to. seem. subjects・. 日本人ほ人間関係において他人を必要以上に意識し・またはそれにこだわるといわれて いる。我々ほこうした心性が対人恐怖症者と呼ばれる神経症老に著しいことに注目し・そ in interpersonalrelationships)+と考え,節 れを「対人意識(Negative self・awaveness 究を続けてきた。. (小川, 1974)そして,こうした意識がどのような背景から出現してくる. のか,比較文化的側面や地域性の 側面からさらに検討を加えた。そ. 7. れによると,こうした対人恐怖症. Score. 者の抱く対人意識ほ日本人一般に 共感しうるものであり,欧米人と. \xrxv/x\. 比較すると日本人ほ症着でなくと も対人不安償向が著しいことが証 明されている。. (小川ら,. 1979(a)). Figurelほこれらの様相を示す. ム. .4. ものである。 ここからもわかるように.日本. 人青年のもつ対人不安意識は欧米 人と対人恐怖症老のほぼ中間にな. A. 3. る。しかし,欧釆人にはこれらの. 心性が全く理解されないわけでは なく,なかにほ日本人と同様に高. i-x. い傾向を示す老もあるという「印. ムームJ日本人. 負+が報告されている。. ●--●. (星川,. P対人恐怖症者. JA在E[アメ')カ人. ○一一OAA在米アメワカ人. 1978)。. 全般的にみて対人不安意識の低 い欧楽人において,どのような者. Ⅰ. ⅠⅠ. ⅠⅠⅠ ⅠⅤ. Ⅴ. ⅤⅠ. ⅤⅠⅠ ⅤⅠⅠI F&ctor. が高い棟内を示すのだろうか。対 人関係における緊菜感・不安感は. Fig.. 1.因子ごとの得点の比較(小川ら,. 1979a).

(3) 62. 小川捷之・木村万乗・林 Table. l・対人不安意識の因子分析的研究によって抽出された因子. 国.・子■- 本研究,日本人学生 (悩み)・ (N-300) -■Ⅰ. 洋一. 撃琴芝誹重々恒星%,63,. 対人恐怖症者* (N-120). 集団に溶け込めない. 集団乾漆けこめなぃ. 多勢の人に圧倒され. 集団に溶け込めない. る .Ⅱ. 気分が動輸する.. 自分に満足できない. 自分に満足できない. 自分や他人が気にな る. Ⅲ. 自分や他人が気にな. 他人が気になる. 気分が動揺する. 気分が動揺する. 病む. ・くつろいで人とつき 合えない. ない. うまく'^とつき合え. 生きている充実感が. Ⅴ. 日が気になる. 自分が気になる. 気分のす(・れない・. Ⅵ. 集中刀のない. 気分のすぐれなし_、. 自分や他人が気にな. る Ⅳ. ささいなことを気に. ない. 多勢の人に圧倒され る. る Ⅶ. 多勢の人に圧画され 内気である. 自分に満足できない. 変な人に思われる. 人前に出ることので. る. Ⅷ. 親しくても緊張する. 目が気にな声. きない. *項目数117,他は100萌日の因子分析. 欧米人にも生起するものであり,ただそれが意識上に顔在化しないだけなのでほないかと 考えられた。 そこで本研究ではこうした自己意識の形成の基盤となる幼児・児童期の家庭状況に注目 し,家庭のどのような心理的環競がこうした対人不安意識の発生と関わっているのか,普 たこれが日本とアメリカではどのように異なっているのかを検討することにした。 方法としては,従来我々の用いてきた117項目による対人不安意識の因子構造を検討 し・そこで明確となった因子について上記の研究を行なうことにした。というのほTable lに示すように,従来の研究でほ抽出された因子が研究によってやや異なるからである. 本研究でほ・従来の研究よりもサンプル数を増大させ,それも年令幅を14才までに広 げることにより・この種の自己意識における一般因子とも考えられる債向を抽出してみよ うという試みもあわせて行うことであった。. ≪研 目. 究1≫. 的. われわれがこれまで行なってきた一連の困:子分析的研究でほ,データの中に神経症者と しての対人恐怖症者が含まれていた.健康成人のみを対象とした研究ほわずかに-篇で, それも全て一般大学生を対象としている.そこで本研究でほ,対人恐怖症者を除き,中学 生から高校生・大学生などの資料によって再度因子分析を試みることにしたoそして,こ う・した神経症的に悩んでいない者の対人不安債向の一般因子ともいえるものが存在するの か・また・これらのサンプ!レでも従来の研究で抽出してきた因子が認められるか検討して.

(4) 63. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(3) Table Age. 2.被験者の男女別,人数と年令 Total. 20-. 18-20. 12-14. 15-17. M. 155. 184. 169. 79. 587. F. 169. 119. 124. 12(). 532. Total. 324. 303. 293. 199. Sex. Table. みようとした.. 方. 3.抽出された因子. 示No・I寄与率l. 法. 1119. 名. 称. Ⅰ. 67. 4. Ⅱ. 12.6. 者に, 117項目よりなる対人不安. Ⅲ. 7.6. 他人が自分をどう思っているか気紅なる. 質問票を施行した。. ⅠⅤ. 4.5. 多勢の人に圧倒される. Ⅴ. 3.5. 自分に満足できない. Table. 2に示す1129名の被扱 〔質問続ほ,. 小川・永井・白石・林(1979b)の. 人間関係で緊張する 集団の中に溶けこめない. 研究に示したものである。〕被験 老は全て,神奈川県内の共学の国公立中学・高校・大学生である。■質問紙は各項目とも・ 「非常にあてはまる+ (+3)から「全くあてはまらない+(-3)までの7段階評定でおこな い,これに+-1の得点を与え,分析を行なった。 結. 果. 主因子法による因子分析の結果, 率と因子の命名はTable. 5因子を抽出した。. Varimax回転後の各因子の寄与. 3に示す。各因子に負荷の高い萌目番号と負荷量は'附表1を. 参考にされたい。 これら5因子のうち,第ⅠⅠ・ⅠⅠⅠ・ⅠⅤ・Ⅴ因子ははぼ従来の因子分析的研究において 抽出されているものであるが,第Ⅰ因子は「対人関係において緊張する悩み+と名づけら れるものである.そして,これは今回の研究で初めて抽出されたものであり,七うした債 向についての一般田子と考えられたo項目はTable. 4に示すとおりであるo. 項目からもわかるとおり,この因子はいわゆる対人緊張感一般を表わしているoこれは 対人恐怖症者のデータを除いたこと,および中・高校生のデータを多く含んでいることに ょるものと考えられた.すなわち,対人関係における不安ないし悩みがより一般的で未分 化な形で表現されている。われわれは今後,この種の研究を進めていく上で,ここで抽出 された第Ⅰ因子と対人不安嬢向一般を表現する因子として重視し,更に検討の対象としな ければならないと考えている*。 (因子負荷皇)。は ・本研究で第ⅠⅠ因子以下の因子頚目として抽出されたものの項目番早,境目内容, 57・集団の中に溶け込めない(・748) 以下に示すとおりである.第ⅠⅠ因子(集団紅溶けこめない) 53・多くの人と友だち 55.人との接触がうまくいかない(・714) 54.人との交際が若手である(.726) 102・多 58.人が多勢いるとうまく会話の中に入ってゆけない(・666) 紅なることができない(.696).

(5) 64. 小川捷之・木村方美・林 Table. 4.. Factor. 洋一. I対人関係で緊張する 負荷量. 項目No・l 98. 832. 92. つきあいの長い友人と話をするときも果菜がとれない 自分のことが皆に知られているような感じがして思うようをこ振舞えない 自分のことが他人に知られているのではないかとよく気にする. 94. 話をしているときに顔がこわばってイヤな表情になる. 762. 79. 友だちが自分を避けているような気がする. 719. 85. 向いあって仕事をしているとき,相手に顔を見られるのがつらい. 717. 72. 知らない人より知っている人と会うときの方が紫蘇する. 687. 80. 自分が不愉快な感じを与えているように思えて困ってしまう. 686. 91. ≪研 目. 776 768. 究2≫. 的. われわれほ研究1において,対人恐怖症着から収集した悩みの中から思春期・青年期の 青年が共通して持つ対人不安意識を見い出すことができた。そこで次に,こうした対人不 安意識を規定するものは何であるのか,その要因となるものを幼児・児童期における家庭 内の対人関係様式に求め検討をおこなうことにした。これは,対人不安債向を日本人大学 生の地域差との関係で追求した研究(小川・永井・白石・林,. 1979a)において示唆され たものである。本研究ではこうした要田の探求を,.比較文化的な側面をも加味しておこ なうことにした。つまり,日本人の抱く不安意識がアメリカ人のものと全く異なるとすれ ば,こうした意識を規定している要因もおのずと異質なものになるだろうと考えたからで あるo特に,日本人の対人意識の特徴として,. 「イェ意識+仲根, 1967)や「甘え+ (土居, 1971)などほ,根本的に幼少期での家庭の人間関係と結びついたも、のと考えられる。更に いえば,日本人的対人意識と西洋人のそれとの違いは,幼い頃の家庭での人間関係の中に 端的に示されるのではないか,また,これらの検討で本研究の新たな展望が得られるので はないかと考えたからである。 方. 法. 研究に用いた日・米の被験老の属性はTable. 5に示すとおりである。. 人数の雰囲気になかなか溶けこめない(・653)71・仲間のなかに溶けこめない(・638)101.グループの穿 国東になじめず,異和感を感じてしまう(・610)第ⅠⅠⅠ因子(他人が自分をどう思っているか気にな る) 64・人と会うとき自分がその人にどんなふうに見られているか気になる(.779) 66.職場,学校の クラス・近所の人に自分がどう思われているか気になる(.722) 84.他人が自分をどう患っているかと ても不安になる(・663) 3・まわりの人から見られていることを強く意識する。 (.574) 65.自分が相手 の人にイヤな感じを与えているように思ってしまう(.542)第ⅠⅤ因子(多勢の人に圧倒される) 105・人がたくさんいるところでは気はずかしくて話せない(.691) 106.会読などでの発言が困難であ るo (・668) 75・人前紅でるとオドオドしてしまう(.585) 81.多勢の人の中で向かいあって話すのが 苦手である(・556)第Ⅴ因子(自分に満足できない) 35.根気がなく何事も長続きしない(.714) 40・何をやる紅も集中できない(・617) 4.すぐ気持ちがくじける(.504).

(6) 対人恐怖症老に認められる対人不安意識に関する研究(3) 日本人被験老ほ,神奈川県内の 国立大学及び公立短大に在学中の. 名. Table. 5.日米の被験老の人数と平均. 称. l性. 学生である。これらの被験老に,. 117項目の対人不安質問票及び 「幼児・児童期に関する調査+. N. N=404. A. N=156. (附. 表1)の二種の質問紙を同時に実. 別l年令幅l平均年令 男184. 18-30. 20. 3. 女220. 18-30. 19.4. 男. 16∼32. 21.7. 16-32. 20. 8. 79. 女77. 施した。 米国人被験老は, Santa. California州 City. BarbaraのCalifornia大学及び. 生である。上記二種の英語版を実施した。 柿(1979a)に示したものであり,. College学生と,. California在住の高校. 〔英語版対人不安質問票ほ小川・永井・白石・. 「幼児・犀童期に関する調査+の英語版ほ附表3に示. す。〕調査の実施ほ, California在住の研究者に依頼した。 結果と考察. 対人不安質問票の得点から,それぞれの田子ごとの得点を日・米両国の被験者から算出 した。各項目の評定値は,非常にあてはまる(+3)から全くあてほまらない(-3)までの 7段階である。各因子に所属する項目の内容ほTable Table. 均得点・標準偏差値は,. 4および註に示した。因子ごとの平. 6に示す。. 各国子の得点の平均の差を日米間で比較したところ,全ての因子において有意差が見出 Table. 因子No. 8. Ⅰ items. Ⅱ 8. 5. items. Ⅲ items. Ⅳ 4 items. V 3 items. 性. 6.日・米国人の各因子の平均とSD America M. SD. 696 -12. 15. 870. 7. 346. -14.. 263. 8. 850. -10.. 291. 10. 816. Japan. 別. M. SD. N. 男. 184. -. 9.842. 6. 725. 79. 女. 220. -. 10; 223. 6. 372. 77. 坐. 404. -. 10. 050. 6. 538. 156. 罪. 184. 女. 220. 坐. 404. 男. 184. 4.973. -. 6.375. -. 6. 375. -. -9.758 9.043 ,9.043. 79 77 156. 5.435. 9.758. 79. 女. 220. 1. 255. 5. 706. 77. 坐. 404. 0. 681. 6. 186. 156. 男. 184. 1.723. 5.266. 79. 女. 220. 1.523. 4.823. 77. 坐. 404. 1.614. 5.031. t56. 男. 184. 2.525. 3.289. 79. 女. 220. 2. 199. 3. 024. 77. 坐. 404. 2.322. 3. 144. 156. -. -. -. -. -. -. -. -. -12. -ll.. 94. 89. 324. 602. 10. 162. 5.379. -. -. -. 9. 854. 8.030. 5. 545. 7.095. 5.461. 7.584. 3.506. 6.326. -. 3.331. 6.911. -. 3.750. 6.394. 3.696. 4.056. 4.130. 3.209. 3.910. 3.666. -. -. -. -.

(7) 66. 小川捷之・木村万乗・林 Table. 7・. 洋一. High・Low両群の田子ごとの得点の平均 Japan. N High. 66. Low. Mean. 56(25). High. 68. Low. 70(31). Ⅱ. 63. Low. 65(36) 68(32). Low. 74(40). Hi曲. 77(33). Lov. 67(36). Ⅴ. Nの(. 3. 34. 24(16). 19. 27. 2. 32. 30. 8. 79. 4. 60. 23(13). 63. 2. 79. 22. 9. 56. 2. 81. 25 (13). 9. 49. 3.09. 24(12). 6. 01. 2. 16. 23(12). 74. 1. 64. 20. (13). 2. 42. 1. 85. 23. (10). 12. 0. 93. 25(13). -. -18.. (27). High Ⅳ. 0. 82. (35). 刀 igb ⅠⅡ. NL. (32). S D. -. -8.. -7.. (12). (10). A#eearica s, 3.20. -0.38 00. 0. 00. 6. 13. 5. 35. 00. 0. 01. 6. 48. 4. 07. -24.. -24.. -16.鴨. -. -. 1. 71. 7. 13. 1. 90. 12. 00. 0. 00. 2. 65. 2. 30. 8.54. 0. 50. )内は男子. された。これは・米国人学生に比べ日本人学生は明らかに対人不安意識が高いことを示し ている。. 次に・ Ⅰ-Ⅴまでの各々に・因子ごとの得点平均±1SDの範囲を越えるものを用いて,. 高得点群(以後Higb群・Lov群とする)を抽出したo の得点の平均値はTable. Higb・Low群の人数と因子ごと. 7に示す。. これからもわかるとおり・第Ⅴ因子のtligh群を除いてすべての群で米国人学生の得 点が低いことがわかる。ここでいうHigh辞とは対人閑尉こおける不安や緊張が著しいこ とを示し,. Low群はこの種の悩みや自己意識が少ないことを示す。そこで附表に示した. 質問項目について,両群に属するものの間では・幼児・児童期においてどのような差異が 認められるのかの検討をおこなった。以下・その結果を因子ごとに示していく。. 第Ⅰ因子. 第Ⅰ因子は「対人関係で著しく緊濃する+悩みを表わしているが,こうした億向をもつ もの(High群)とそうでないもの(Low群)との間で埠,幼少期の家庭生活において Table. 8に示すような点で差異が認められている。この裏は統計卸こ有意な差を示した項. 目だけ抽出して示したものである*。 Table. *. 8からわかることは,対人関係で著しく緊張する者(拝igh群)の家庭の雰囲気. High群のところで示したitemはこの群のものが′Low群に比べて有意に多くチェックしたもの であるo例えば家庭内の雰囲気のところで「暗い→とされているのは, fligh群では鼓当すると答えた 老は11%であるのに対し,JLow群は1名もいない(0%)ことを示している。.

(8) 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(8). 67. Tables.第Ⅰ田子. ほ「晴く+「緊張する+ところがあ り,その23%の者は「こわい+ と答えていることがわかる。それ. に比べ悩みの少ない者(Low群) の家庭の雰囲気は日米ともに「あ たたかい,. warm+と答えている。. このととは,こうした意識が幼少 期の家庭環境と密接に関係してい. 賠い11/0*. 霊High緊張する15/2*■ 寡. 慧Low. ろ=iを示唆してい草_ものと思わ. 両. れるoまた,両親のイメージにつ. 親. いていえば,日本人についてLow. イ. 群に特徴的な項目にのみ有意差が 認められている。つまり,対人関. 係での緊張の少ない日本人の両親 ほ「にぎやかな+ところがあるだ けでなく, 「あたたかく+ 「思いや. こわい23/7*. 内. の・ ̄ ̄■ ̄'■■'■■■■■. あたたかい26/50** 陽気な.14/30*. warm29/60* relaxed25/63. 楽しい24/46** 思いやりのある9/23*. の. Lov. あたたかい. 14/30*. メ. I. にぎやかな. ジ. 6/24**. 蛋High の・- ̄. #*. Low. りのある+者が多いといえる。. 次に両親の期待という観点から みると,こうした悩みの著しい老 の両親ほそうでない老の両親に比 べて「勉強がよくできる+ことを 期待していることがわかる。この 債向はアメ1)カの結果にも認めら れ, High群の母親はLow群の母. 父との対 話. 醍 謁筈*. 母との対 読. 近所の人 の出入り. 家族・兄 弟の出入 り. 親よりも"gentle''で``kind''で. あることを期待する老が多いとい える。また,対人関係で緊張を意 識しないLow群の場合,日本人 の両親ほ子どもに「明るい子+で あることを期待している老が多い が,アメリカの両親では``get alo・ng. with. friends''であること. 33/7* 幻 児 High 期. 33/7*. の セ ノレ フ. 活発な. イ. 明るい. 33/帥** 46/77*. 積極的. 21/57*. 陽気な. 1 3/43*. メ. I. ジ. Low. 1 7/67***. を望んでいることがわかる。これ. らのことから,対人関係におい て緊東を強く意識する老の両親は, 写?ntleでkind. 子どもに勉強がよくできること(日本)であるとか,. (アメ1)カ)であ卑ことを期待しているのに反し,この種の緊張をあまり. 意識しない衰の親は,明るい子(日本)であるとか友だちとうまくやる(アメリカ)とい.

(9) 68. 小川捷之・木村万葉・林. うsocial. 洋一 TabLle. skillを要請しでいると. 9.第Ⅱ因子. T 「. いえよう。.. 両親との対話についてみると, High. 日本人にのみ有意差が認められて いる.すなわち,技igh群の場合 父親とよく話した者は24%であ. り母親とほ77%であった*。日本 人の場合,アメリカ人に比べて両. 餐. 明るい あたたかい 陽気な 楽しい. 庭 内. 芸Lo☆にぎやかな 囲 気. 自由な 健康な 気楽な. 親との対話の要田が,こうした自. 己意識の発現とより関係している といえる。また,幼少期の家庭環 境にあって,近所の老とか兄弟の. 友人など身内以外の第三者ともい. さびしい. 両 親. 陽気な. 楽しい. の. イ. Low. 12/1* 4 9/ 80** 3 4/60** 1 2/ 41*** 3 1/61*** 2 4/63* 2 1/43* 3 1/56** 3 1/ 51*. brigbt. 19/39* 10/34**. talkative. 26/64* 17/59**. varm. 9/45*. cheerfu1. 15/55**. pleasant 1ively. 13/45*. relaxed. 13/55**. 36/4*. 明るい 16/34* きちんとした35/53*. 開放的な 7/21* 思いやりのある9/33* あたたかい15/40**. メ. I ジ. える人たちが出入りしていると, がまん強し・子18/37* 明るい子 24/59*** 友だちとう 漢. 自然に社交性が身について,こう. 両 親. した対人関係における緊蚤感に悩. 期. む者が少ないと考えられたのであ. 待. るが,ここでほ日米ともに,特に. 父との対 請. 畿***. 母との対 請. 欝. 強く意識する日本人のfligh群で. 近所の人 の出入り. は,自分がかって「ひっこみ思案+. …書f;f4*. 家族・兄. 有意差は認められなかった。 さらに幼少期のSelf・imageに ついて検討すると,対人緊張感を. で「内向的+. 「消極的+であったと. の. Low. くやってし ・く15/37**. 礼儀正しし・子18/37*. 弟の友人 の出入り. みなしていた老が多かったといえ. ひっこみ思案40/21*. る。アメリカ人でほ幼い頃の自分 を"timid”で"secretive''とみ. なしている。 以上,対人関係一般に緊束感の 強い老とそうでない者を比較した 結果判明したことは,対人関係に おいて緊張を強く意識するものは. 幼 児 期. fligh. の ・ヒ フ. イ I ジ. Lov. 幼少期の自己および自己の家庭を. 暗く否定的にとらえているという. *. 41/14*** 12/ 1*. 憶病な 無口な. 24/ 9* 24/ 4**. 明るい 活発な 社交的な にぎやかな. ′レ. メ. 内向的 閉鎖的 消極的. 34/16*. 22/67*** 21/43* 4/24**. 10/36** 陽気な 13/37** 責任感のある 25/46*. 思いやりのあ る9/24* 親切な 10/31** しっかりした 12/34**. bright active sociable lively cheerful extroverted. 35/73* 48/82*. 22/64* 22/59* 26/64* 22/55*. 4分割で示した数字ほ上段が父親と?対話をおこなっていたと答えた者を示L,下段ほ対話のな. かった者,-左行はHigh群,右赫まLow`群である。.

(10) 69. 対人恐怖症者に認められる対人不宏意識に関する研究(3) Table. ことであった。つまり,彼らの多 くはすでに幼少期の頃から,自分. 10.第Ⅲ因子. ほ内向的で非社交的であったと考 えていたようであるoまた,日本. 家High. とアメリカを比較すると,日本人. 寓の. の抱く対人緊輩感は,家庭の雰囲. 35/55*. 冨L.中. 気・両親の期待・父母との対話な. 気. どによってかなり規定きれている が,アメリカ人の場合,それ程差. 両 演. が見い出されていない。これほ日. High. 24/0*. restrictive. 44/4*. relaxed. 12/71**. free. 24/58*. Warm. 23/68*. cheerful. 12/42* 36/4*. unhappy. の. 本とアメリカでは,対人不安意識. イ メ. を生起させる基盤が異なっている. I. Low. あたたかい14/40*. High. 勉強がよくで46/23**. qtliet. 52/17*. がまん強い子14/31*. independent. 24/58*. ジ. ことを示唆しているように思われ た。すなわち日本においてほ,こ. 両. のような意識の発生に幼少期の家. 演. 庭環境が大きな位置を占め,特に. 期 Lov 待. 父親や母親との人間関係が,. 楽しい. gloomy. の. きる. 27/48*. 明るい子. rその. 後の対人意識を規定する大きな要. 父との対 請. L2. 71***. 67. {8. 母との対 請. 欝*i. 因となっていると思われた。. 第ⅠⅠ因子. 近所の人 の出入り. この因子は「集団に溶けこめな. い+という悩みを表わす.その因 子で表わされる悩みを著しく持つ. 家族・兄 弟の友人 の出入り. 者(High群)とそうでない老. 也 児 期. (Low群)との比較はTable9に 示すとおりである。. の. Sigh. セ. これらの結果は第Ⅰ因子の結果. ′レ. 内向的な. 40/18**. ませた. 19/0***. おとなしい. 37/20*. 陽気な. 10/31*. 40/0**. timid. フ. とほぼ類似しているといえる。つ. イ メ. まり,これらの悩みを著しく持つ. I ジ. 者は,日本人の場合そうでない者. Low. a. 20/63**. teaser. に比べて幼少期や家庭の雰囲気を 「さびしい+と形容し,かつての自己のimageを「内向的+で「無口+,. 「ひっこみ思案+. アメリカ人の場合,. 「閉鎮的+などと否定的に評価していることであるo. 48/79*. brigbt. Higb群を特徴. づける項目は特に見出されていない。 集団-の不適応感をもたない老に日米ともに共通していえることは,これらの者は家庭 の雰囲気が「明るく,. bright+. 「あたたかく,. warmJ. 「陽気で,. cheerfulJ. 「楽しい・.

(11) 70. 小川捷之・木村方美・林. ,. 洋一 Table. pleasant+としていることである。. ll.第Ⅳ因子. また,■幼少期の自己像も「駒るく, brightJ. 「陽気, cheerfulJ. 「にぎ. やか, lively+であり,また「活発,. 家・ 庭. relaxed.22/25*. 内. free9/41*. active+で「社交的, sociableJ 「外向的, extroverted+であった. 寡. frank4/38*. と回想している。. 気. 1ively13/48*. 日米で異なるのほ両親の関係で 「あたたかく+. 「思いやりがある+. などの項目にも有意差が存在する が,アメリカ人では,. 両 の. 「明. るく+ 「陽気+ 「解放的+で「きち んとしていて+. 国. 親. ある。両親のイメージは,日本人 では「楽しく+. のLow. ``talkative''. イLow メ. にぎやかな7/28*. cheerfu117/62**. 明るい子. independent. I. ジ. 両. 演 の. Low. 期. 15/49**. の項目のみである。そして,両親. 待. の期待,両親との対話では有意な 項目がアメリカ人では皆無となっ. 父との対. 請. 療**f. ている。ここから言えることは,. 母との対 話. 喪. 集団への適合感の有無が,日本人 の場合アメリカ人に比べて,両親 との幼少期の人間関係が著しく反. 近所の人 の出入り. 映しているということである。日. 家族・兄 弟の友人. 本人においては,集団への適合感. の出入り. 6190 263* 73. をもつ者は不適合感を持つ者に比. 消極的な38/12***. べて,両親に「明るく+「がまん強 く+ 「礼儀正しく+ 「友達とうまく. ひっこみ思案44/19*** 内向的44/19***. やる+ことを期待されて育てられ, 父親や母親との対話がおこなわれ. 17/52*. 幼High. 児. おとなしい40/18***. 期. 無口な25/4***. negative59/22*. の. ていることである。興味のあるこ. 外向的な4/46***. ーヒ. とほ,父親との対話の項で,対人. 開放的4/23*. extroverted13/52** frank9/41*. ′レ. にぎやかな4/32** 明るい15/59***. stuqqorn17/48*. 関係で不適合感をもつHigb群 ほ父と対話をしなかったと答えた 者が62%もいることである。そ れに比べLow群でほ61%の暑 が父親とよく話し合ったと答えて いる。また,この因子で注目すべ きことほ,幼少期において家族以. フ. イ. メLow I. ジ′. 1ively17/52*. 一任感のある18/49***precocious4/34* いじめっ子1/18* quicktempered9/38* 積極的4/43*** 活発な10/42** 社交的な ̄1/27*** 陽気な10/38**.

(12) 71. 対人恐怖症老に認められる対人不安意識に関する研究(3) Table. 外の近隣の老の家庭への出入りと. 12.第Ⅴ因子. いう要因が関係しているというこ. とである。つまり,集団-の不適 合感をもつ者ほそうでない者むこ比 べて,幼少期家庭以外の第3者と. 緊張する 露Higb 内. の接触をより多く持つ機会に恵ま. 寡. れていたと推測される。. 気. 以上,集団に溶けこめないとい う自己意識の形成に関して幼少期 の家庭での環境的要因を検討した 結果,次のことが推潤された.. Low. 韓. 両. 落ち着いた. 9/1*. 22/49*. 思いやりの12/19*. 親. ある. の. イ. Low. メ. l. あたたかい16/38* おちついた. ジ. 9/26**. まず第一に,こうした悩みを持 つ者ほ幼少期の自己についてのイ メージを非社会的でnegativeな ものとして把えていることであるo. 勉強がよ・くで1/36*** getalongwith9/36* friend きる 健康匠なる13/70*** 人のいうこ. 両. とをよくき44/21**. 集団への不適合感がそのまま幼少. 親. 期でのnegativeなself・image. のLow. へと連らなる備向は,アメリカ人. 期. に比べ日本人に著しい。. 待. 第二に言えることは,こうした. 父との対. 己を極めて. 苗. ねばならないことほ,幼少期の家 庭の雰囲気が外向的でpositive であり,自分自身がまたこうであ ったから集団への適合感を持ち得 るようになったのか,また道に現 在,集団-の適合感を持っている. 自分で何でも5/30*** できる子. 芸詑島野書i334882;:.a 明るい子. 亨蛋三貴t5,芸3/30***. 定蔑艶吉子837404****・. 自己の家庭の雰囲気や幼少期の自 ることである。しかしここで考え. 母との対 読. …喜I管. 近所の人 の出入り 家族・只 弟の友人. 4;8;l8g4. の出入り. 泣きむし30/16*. が故に幼少期の自己および家庭の. 寛High甘えん坊29/18*. 環境についてこのようなimage. の. を抱いているかのかほ不明である。 第三に,日本人においてほ,ア メ1)カ人をこ比べこうした自己意識 が両親とのかかわり方と著しく関 係があることである。つまり,ア. well.mannered30/64*. 正直な子12/53***. 悩みをもたない者は日米ともに, positiveに把えてい. く子. 期セ )レ. Jf7Low メ. I. ジ. 活発な13/39*益. active48/60* frank13/48* 明るい29/58* 責任感のある17/49** patientO/24* 東榎的12/37** 1ively30/64* 親切な9/26* しっかりした5/25**.

(13) 72. 小川捷之・木村万葉・林. 洋一. メリカ人の場合,こうLた不適合感をもつ老とそうでない老との間でほ両親優に差異が認. められなかったのである方ミ,日本人でほ,届親像だ叶でほなく両親からの・「期待+および 「対話+の有無に有意差が認められているo自己意識の形成において,日本人の場合両親. との接触がアメリカ人に比べてより大きな意味をもつことが推測された。 第四に珪目すべきことは,日本人にあってほこうした集団-の不適合感と「う減+との 対話の有無が著しく関係していることである。これほアメリカ人に見出されなかったこと と対比して興味のあることと思われたo日本人の場合,集団への適合という. social. skill. は「父凱を媒介にして促進されるのでほないかと考えられた。 第五に注目されたことほ,こうした集団への適合という自己意識の有無が,幼少期での 第3老との捷触に関係していたということであるoこれほ家庭外の他者との接触経験が, こうした自己意識の形成に影響を及ぼしていることの証明とも考えられた(小川「永井・白 石・林,. 1979b)しかし,兄弟の友人や親せき.の出入りでほ特に差異は認められておらず,. この点,更に明確にする必要があろうoいずれにせよ,こうした集団への不適合感という 日本人の自己意識の形成には,父親および家庭以外の第三者との接触経験が何らかの形で 関係するといえるのでほなかろうか。. 第ⅠⅠⅠ因子. 第ⅠⅠⅠ因子ほ・ 「他人が自分をどう思っているか気になる+悩みを表わすものである。 この因子におけるHigh群とLow群を比較した結果をTable. lOに示すo日本人でほ,. このような悩みをもつ者ほ,幼少期に両親より「勉強のよくできる子+という期待をもた れ自己を「内向的+で「ませた+. 「おとなしい子+であったと把えている。一方,アメリ. カ人でほ,このような自己意識をもつ者ほ,幼少期の自己の家庭の雰囲気を・`gloomy”で. ``restrictive”であったと感C・両親を"unhappy'・と見ており,両親に`・quiet,,である という期待をされて育ち・幼少期のself-imageほ"timid,,となっている。. Low群に特. 徴的な項目を検討してみると,日栄ともにかなり共通して,楽しくくつろいだpositive な家庭のimageおよび,明るく陽気なself-imageを幼少期に抱いていると考えられ るoこの因子で注目されることは・日本人においてのみ,. 「父親+と「母親+との対話に有. 意差が認められることである.これらのことから考えて,他人が自分をどう見ているか気 にするという自己意識は・アメリカの場合,家庭の雰囲気が関係しているが,日本人には むしろ両親との対話と深く関連しているように思われたDつまり,日本人にあってほ,他. 人が自分をどう見ているか気にする老は,幼少期に「父親+や「母親+とあまり話しをし ていなかったと考えられるo. 第ⅠⅤ因子 この因子は,. 「多勢の人に圧倒される+悩みを表わすものである。この因子における. High群とLow群とを比較した結果は,. Tablellに示すとおりである.日本人で,こう. いった悩みを多く-もつものほ,幼少期より「消極的+で「ひっこみ思案+. 「内向的+. 「おと.

(14) 73. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(3) なしい+. 「無口な+といったSelf・imageをもうている.これに対し,このような悩みをあ. まりもたないものほ,. 「明るい子+という期. 「にぎやかな+イメージをもつ両親のもとに,. 「積極的+で「外向的+で. 待を抱かれて育ってきている。そして幼少期の自己を「明るく+ 「責任感がある+などpositiveに評価しているo. これに比べ,アメ.)カ人ではHigh群に有意差のみられた項目ほ,幼児期のself-image が"positive”な一語のみで,日本人のよう軒こ有意差のある項目は見出されていないo多. 勢の人に圧倒されるという意識を表わす第ⅠⅤ国子の得点についてHigh群とLow群を 比較してみると(Table7),日本人はHigh群の平均が6・01でアメリカ人は7・13と高 く, Low群もそれぞれ-8.74と-12・00と上・下のばらつきはアメリカのデータ-の 方が著しいことにもかかわらず,このような結果が見出されたことは興味があるoこれら. のことから,こうした集団不適応感は日本人にあっては,それが即self・imageにまで反 映するのに比べ,アメ.)カ人の場合はそこまでいかないことを示すものと考えられたo アメリカ人でこの国子の表わす悩みを持たない老(Low群)紘,ほぼ日本人と同様で・ "independent''な子になって欲しいという期待. ・cbeerful”なイメージの両親のもとで,. のもとに育てられ,幼児期の自己を``extroverted”で"frank''で"1ively''"stubborn” "precocions”などのイメージとしてとらえているo. 日本とアメリカでの差異は,日本では「父凱「母親+との対話に有意差がみられ,他 の因子同様,集団より受ける圧迫感を規定する要田においても,父母との関係が重要な要. 因と考えられた.また,アメ.)カ人では,身内以外の第三者-家族・兄弟の友人との接 紘-が,. Low群に比べ少ないという結果を示している.このことより,集団にEE迫され. るという自己意識の出現は,日本とアメリカでは多少異なるのではないかと考えられたo すなわち,.日本は,父母との親子関係がこうした対集団意識と関係しているのに対して,. アメリカでは,家族以外の親せきとか兄弟の友人などという第三者との個人的な関係のも ち方が関連しているということである。換言するとsocial. skill trainingを反映するこの. ような意識は,日本の方がアメリカより親子関係が影響していると考えられた○ 興味のあることは,こうした意識をもたない者の家族の雰囲気は日本でほ特にその傾向 が認められていないにもかかわらず,. "relaxed''"1ively''"free''``frank”となっている. ことである。. 第Ⅴ因子. 第Ⅴ国子は,. 「自分に満足できない+悩みを表わすものである。. 比較した結果はTable. High群とLow群を. 12に示したとおりである。日本人において,このような悩みを抱. いている者は,幼少期の家庭の雰囲気を「緊張する+ものとして感じ,自己を「泣き虫+で 「甘えん坊+ととらえていることがわかる。一方,この種の悩みをあまり持たない老は,家. 庭の雰囲気を「落ち着いた+と感じていて,両親に対して「思いやりのある+ い+ 「落ち着いた+といったイメージでとらえているoそして,両親からは, 示すとおり,大変多くの期待をもたれていたと感じているo彼らはHigh群に比べて両親. 「あたたか Table2に.

(15) 74. 小川捷之・木村方美・林. 洋一. のこの種の膨大な期待に,負けなかったといってもよいのであろうか,また,幼児期の 「責任感のある+ 「積極的+などとしてとらえているoさらに身内 self・imageを「活発な+ 以外の近所の人の出入りの多い家族に育っている。 アメリカでは,. 老(Low群)紘,. High群に特徴的な項目は全くない.このような悩みをあまり持たない ``get. friend'=`well・mannered''であることを両親から期 待されていると感じていて,幼少期の自分を`・1ively'‥`active'‥・fran良,-・patient,・とし alorlgwith. てとらえている。彼らほ日本人の場合と異なり,近所の人よりは,親せきとか兄弟の友人 などが家に出入りしていたと答えているo. 考. 察. 本研究は,いわゆる対人恐怖症者の抱(対人意軌こ注目し,そこから出発して,青年た ちに共通する対人関係意識を探り,そういった意識を規定する要因を幼児・児童期の家庭 内の対人関係様式に焦点をあわせて,比較文化的な観点から明らかにしようとした。各因 子における結果と考察から全体を通していえることは,以下のとおりである。 1)日米両国における全般的債向として,対人不安意識のあまりない者は,幼少期の自 己の家庭環境や自己像を安定感のある親和のとれたpositiveなimageでとらえている が,対人不安意識の著しい者ほ,あらゆる面で自己や家庭をn喝ativeにとらえている. これまでの研究において,日本人は西欧人に比べ対人不安意識が高いことが報告されてい るが,この結果からほ,その要因となっているものが日本人と西欧人の間で基本的にほそ. れ程相違ないことを示しているように思われた。対人不安懐向の高い老を日本とアメリカ で比較してみると,家庭や自己に対する否定的イメージに質的にほ遠いはないと考えられ た。しかし,日本人ではその程度がより著しいといえた。このことより,日本人は対人関 係のあり方を非常に重要視していて,人間関係におけるさまざまな問題が,その人の自己 意識の否定的な評価に大きく影響を及ぼしているのでほないかと考えられた。日本でほ, 対人恐怖症的心性を意味する言葉が欧米に比べ,確かに分化・発達していると考えられ, そういった言語的背景が自己の悩みを対人関係に反映しやすくさせているのではなかろう か。. 2)特に,質的な相違はないとはいえ,アメリカに比べると日本でほ幼少期の家庭に対 人不安意識を育むさまざまの要田が存在するように思われた。ここでほ日本の求心的とも いえる家族機能が,対人不安意識の温床となっていることが考えられるのである。しか し・ここで考慮しなければならないことは,自分をnegativeにとらえる傾向を持つ者 は,幼少期の家族や親との関係のすべてに対して否定卸ことらえるのではないかというこ とである。そこで,もし,こうした推湘が可能としたら,次のような問題が出現してく るo「どのように育てられてきたか+などという事柄を問うても,そこではあまりにも主観 に彩られた答えが返ってくるだけで,客観的な主過程を把撞していないということにな る。今後さらにこの点を,検討が必要である。 最後に本研究において,国子ごとの項目の得点が日本人に比べアメリカが低かったとい.

(16) 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(3). 7S. ぅ問題があげられる。このことは,両国のHigh・Low群の同質性に影響し,日米の比較 に歪みが存在することを示唆しているともいえる。例えば日本人の得点のレベルまで・高 得点を示した者のみをアメ.)カ人のデータとして比較の対象にすれば・日本とアメ1)カで ほぼ同じ結果が見出されたかもしれないと考えられたoしかし,もしこのような操作をお こなうとしたら相当数の資料を集めなければならないことになると同時に・アメ7)カ人の ぅちでもかなり神経症的水準の高い老の資料を集めなければならないことになってしまう。 以上,本研究で明らかになった事柄やそれに伴うこれらの問題点をふまえ・今後さらに 検討を進めていく所存である。 文. 献. a) 「対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関す 小川捷之・林洋一・永井撤・白石秀人(1979 19・ 205-220・ る研究-「比較文化的観点から+横浜国立大学教育学部紀要・ 「対人恐怖症者に認められる対人不安意識紅関す b) 小川捷之・永井撤・白石秀人・林洋一(1979 る研究-地域性および幼少期における家庭以外の成員との接触・非接触の観点から-J横浜 国立大学教育学部紀要. 19, 221「田9・ 星)l儀子(1977) 「対人意識に関する比較文化的研究+横浜国立大学教育学蔀卒業論文・ 土居健郎(1971) 「甘えの構造』弘文堂・ 中根千枝(1967) 「タテ社会の人間関係』講談社・.

(17) 76. 小川捷之・木村方美・林. 洋一. 附表1幼児・児童期に関する詞査(和文の下妃示すものが英語版) 家庭内の雰囲気 家族内について 小さい頃の家庭内の雰囲気は,どうでしたか。あてはまるものに○をつけて下さい。 ・結構です。) 明るい. (いくつでも. 暗い. くつろげる 緊張する やさしい こわい 自由な・ 健康的な 串たたかい 冷たい 不健康な 陽気な 陰気な 楽しい 開放的な つまらない 閉顔的な 気楽な 落ちついた にぎやかな わずらわしい さびしい 拘束的な. ATMOSPfIERE How. IN the. was. lowing. YOUR. atmosphere. Toerms. which. bright,. gloomy,. warm,. cold,. family were of your when you family's describe your atmosphere・. tense, relaxed, healthy, tlnhealthy,. lively,. calm,. secretive,. FAMILY. frightening,. gentle, cheerful,. free,. any. of. restrictive, dull,. the. fol. frank,. pleasant,. cheerless, lonely,. annoying,. easygoing,. Circle. young?. others,. 両親の+メ-ジ 御両親の人間関係について 御両親の夫婦としてのイメージで,当てはまるもの_に○をつけて下さい。 (いくつでも結構です.) 陽気な 陰気な 仲が良い 仲が悪い 誠実な 楽しい 不誠実な 酷い 明るい 責任のある きちんとした 無責任な つまらない だらしのない 開放的な 思いやりのある 閉鎮的な 自分勝手な あたたかい 冷たい 社交的な 人づきあいのない 無口な おしゃべりな 落ちついた にぎやかな THE. fIUMAN. Circle. RELATIONSHIP. any. cbeerful,. OF. following. the. of. cheerlessI血appy dull, gloomy,. pleasant,. t血oughtful・. secretive,. talkative,. calm,. YOUR. terms. PARENTS describe. which couple,. unhappy. parents・. couple. warm,. cold,. insincere,. sincere,. irresponsible,. responsible,. sel丘sb, lively,. your. neat,. sociable,. frank,. sloppy,. quiet,. unsociable,. 父母との対話 小学校卒業までの,両親やきょうだいなど家庭内での対話はどうでしたか。例に従って記入して 下さい。 「例+ あなたと. きょうだいの場合--兄とあまり話さなかった人 あまり話さなかった +む:よく話した ほとんど話さなかった あなたと 父親:よく話した あま り話さなかった はとんど話さなかった あなたと 母親: よく話した あま り話さなかった ほとんど話さなかった あなたと よく話した あま り話さなかった はとんど話さなかった あなたと よく話した あま り話さなかった はとんど話さなかった あなたと'あま り話さなかった よく話した 持とんど話さなかった あなたと よく話した あま り話さなかった ほとんど話さなかった. 全く話さなかった 全く話さなかった 全く話さなかった 全く話さなかった. -. 全く話さなかった 全く話さなかった. -. 全く話さなかった. -. I would uation. like from In. ex・. to. the. knov. w血etber. prlmary case. SCbool・ of. a. person. talked. you. Fill who. a. vith. suitable did. not. My. bro也er. and. I talked. very. often,. My. father. and. I talked. very. often. My. mother. and. I talked. very. often. a‡ld. I talked. very. often. ,. ,. ,. members. answer,. talkwith. of your follo∇ing. his/her. family. until. an. example・. elder. brother. so. your. grad・. Often.. did. not. talk. so. often,. did. not. talk. at. all.. did. not. talk. so. often.. did. not. talk. at. all.. did. not. talk. so. often.. did. not. talk. at. alュ.. did. not. talk. so. often,. did. not. talk. at. all..

(18) 77. 対人恐怖症者に認められる対人不安意識に関する研究(3) and. l talked. and、. I talk早d. very very. I talked. and. very. often,. did. often,. did did. often,. not. talk. so. not. talk. so. talk. n・ot. did. not. talk. at. all.. often,. did. not. talk. at. all.. often,. did. not. talk. at. all.. so. often,. 第三者との接触 どの程度のつきあいをしていましたか。小学校卒 あなたの家族は,家族以外のどのような人と, 業までのことを考えて,例に従って記入して下さいo. しrl@tJち*L芸う芸蒜孟・^苧誓冒今芸票芸訟,bミ霊笠. 1しょっちゅう(近所の人,きょうだいの友人,親せきの人,その他)が出入りしていたo 2時 々(近所の人,きょうだいの友人,親せきの人,その他)が出入りしていたo ま 3あ り(近所の人,きょうだいの友人,親せきの人・その他)は出入りしていなかった。 4はとんど(近所の人,きょうだいの友人,親せきの人,その他)は出入りしていなかったo did. How. 1.. memories Neighbors. 2.. My. family. your. before. with. associate. you. from. graduated. (often, sometimes. the. based. response・. suitabale. on. SCbool・. prlmary. occasionally,. ,. Circle. others?. seldom. family・. my. vith. rarely,) visited. ,. ∼. family's. (often, sometimes,. friends. seldom,. occasionally,. my. with. rarely,) visited. I∼. family・. 両親の期待 御両親は,あなたにどんな人間になってもらいたいと,期待していましたか。当てはまるものに. ○を?芸孟芸…t<、o{,きる子.健康な子・人のいうこと ・がまん強い子 ・正直な子. ・やさしく親切な子 ・自分でなんでもできる子 ・おとなしい子 .友達とうまくやっていける子 ・礼儀正しい子 。人助けのできる子 How/did and. your. triangle. a. child. a. 1isten a. you?. terms. Put. a. to. suitable. child. thoughtful,. a. a. child. who helps. who. child. is. quiet, others,. terms. is healthy,. vho. a. others,. who friends,. the. 丘t your. which. mother,. father・. your. a. grades,. gets酢)Od. to. next. circle. is independent, a c・hild who is cbeerful・ is patient, a child who. to. bis/her. to. next. vbo. child. rear. parent(s). ・明るい子. 思慮深い子. ・. child a. a. child. who. a. child. who. a. child. is gentle. vbo. child who is honest, is weu. who. gets a. to is ready kind・ and. with. alo喝∇ell child. is. who othrre,-. mannered・. 幼児期のself-image 小さい頃のあなたのイメージ(どういう子供であったか)で,当てはまるものに○をつけて下さ い。 (いくつでも結構です。) 無責任な 責任感のある 強情っばり ひっこみ思案 明るい 暗い 思いやりのある いじめっ子 泣きむし 外向的な 自分勝手な 内向的な いじわるな 憶病な 親切な 消極的な 積極的な 開放的な 閉鎖的な 活発な 無口な what. kind. bright,. おとなしい. おこりっばい. にぎやかな. 陽気な. were. of child gloomy,. extroverted,. you?. Circle. stubborn,. any. retiring,. kind,. sincere,. insincere,. a sel鮎h, ilトnatured, timid,. taciturn,. active, alive,. passive, cheerful,. まじめな. がまん強い さぴしがりや. 陰気な. thoughtful,. negative, sociable,. しっかりした. 甘えん坊. むじゃきな. ませた. of the. following. items which irresponsible,. responsible, blubberer, a teaser, precocious, quick-te皿Pered, cheerless,. ふまじめなノ. 社交的な 孤独な 泣き虫. innocent・. frank,. apply・. introverted, Secretive,. Spoiled,. patient・ 1orlely・ others・. alone. reliable・ a lot,.

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Table 4. Factor I対人関係で緊張する

参照

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