はじめに 2013-2014 年の年末年始は、日並びがよかっ たこともあり、9 連休となった企業が多かったよう です。休みが長かったためか、アベノミクスによる 景気回復の表れなのか、円安にもかかわらず、海外 への旅行者数も過去最大級となったようです。 さて、今回は年末年始のテレビの見られ方につい て取り上げたいと思います。既にタイムリーな話で はなくなってしまっているかも知れませんが、お許 しください。 テレビの話をする前に、皆さまはこの年末年始を どのように過ごされましたか。私は家電大好き人間 なので、年始から某家電量販店に連日通い、散財し てしまいました。私が学生の頃は、正月三が日は現 在よりも閉店しているお店が多く、街に出てもあま り人がいなかったような気がします。しかし、最近 は多くのお店が正月にもかかわらずこぞって営業し ており、どこに行っても多くの人で賑わっています。 そのためか、以前に比べると正月だという意識が薄 らいでしまい、普段の土日の延長線のような感覚に もなってしまう時すらあります。 昔は家族団らんで、テレビを囲んで年末年始を過 ごしていた人が多かったかと思います。では、現在 はどのようにテレビは見られているのでしょうか。 そこで、今回は関東地区の年末年始(12/31 ~ 1/1)の視聴動向をご紹介します。 年末年始は普段とは大きく異なる特別編成 最初に、どのような番組が放送されていたのか確 認してみましょう。年末年始は、普段のレギュラー 番組がほとんど放送されず、各局とも特別編成とな ります。昨年1年間に放送された番組と年末年始に 放送された番組のジャンル別の割合を見ると、年末 年始にはバラエティ番組が多く含まれる「その他の 娯楽番組」の割合が多くなります【グラフ1】。や (%) (%) ※関東地区データ ※対象局:民放5局+NHK総合 ※対象番組:15分以上の番組 5-29時1 14.6 4.2 42.5 25.2 2.8 8.0 9.4 11.3 3.3 2.7 1.6 3.1 5.8 10.5 20.0 35.0 凡例 報道 教育・教養・ 実用 音楽 ドラマ アニメ 映画 スポーツ その他の 娯楽番組 報道 教育・教養・ 実用 音楽 ドラマ アニメ 映画 スポーツ その他の 娯楽番組 年間 2013/1/1~ 2013/12/31 年末年始 2013/12/31~ 2014/1/3 19-23時1 13.2 2.4 27.6 16.1 4.7 14.4 11.0 14.3 1.4 * 2.7 2.2 4.7 14.4 34.8 36.2 凡例 年間 2013/1/1~ 2013/12/31 年末年始 2013/12/31~ 2014/1/3 【グラフ 1】ジャンル別シェア(放送分数) Writer ソリューション推進局 テレビ事業推進部 丁 慶明 Yoshiaki Tei
Video Research Digest 2014.3 はり、この期間は家族揃って見られる番組が多く放 送されているようです。また、「音楽」「スポーツ」 も普段に比べると多くなります。一方、「報道」「教 育 ・ 教養 ・ 実用」は逆に少なくなります。 年末年始で最もテレビが見られた日 2013-2014 年の年末年始で、5-29 時の 1 日 を通して最も HUT(総世帯視聴率)が高かった日は、 大晦日の 12 月 31 日でした【グラフ 2】。普段、 視聴の多い 19-23 時においても、大晦日の HUT が 70%を上回り、最も高くなっていました。大晦 日の夜に 70%を上回ったのは、2009 年以来 4 年ぶりでした【グラフ 3】。また、【表 1】の 1 日 に1分でもテレビを視聴した世帯の割合をみると、 91.4%もの世帯が大晦日にテレビをつけていまし た。こちらも 4 年ぶりに 9 割を上回る高水準となっ ており、2013 年の大晦日はここ数年と比べても テレビがよく見られた 1 日だったようです。正月 三が日も、約 9 割の世帯がテレビをつけており、 2013-2014 年の年末年始はテレビがよく稼動し ていたといえます。 年末年始でテレビがよく見られた時間帯 では、年末年始はどの時間にテレビがよく見られ ていていたのでしょう。また、大晦日と三が日では 視聴率が高くなる時間帯は異なるのでしょうか。 12/31 ~ 1/3 の毎 60 分の HUT の推移を見てみ ます。各日の HUT が普段とどれくらい違いがある のかを確認するため、2013 年の土日の年間平均 とも比較をしたいと思います【グラフ 4】(次頁)。 5-29 時の HUT が 4 日のうちで最も高かった大 晦日ではありますが、実は夕方近くまでは土日より も低く、土日の HUT を大きく上回り始めるのは夕 方以降になります。前述したように大晦日の夜は、 NHK の「紅白歌合戦」をはじめ、各局特番を放送 しているため、19 ~ 23 時台においては 70%を 超えていました。また、バラエティ番組、音楽番組、 お笑い番組など様々なジャンルの番組が深夜、また は翌朝まで続くため、新年を迎えた深夜になっても テレビは見続けられます。ちなみに新年を迎えた元 旦の 0:00(=12/31 24:00)の毎分視聴率は 62%もあり、多くの方が大晦日の夜を自宅でゆっ くりと過ごし、テレビを見ながら年明けを迎えたこ とがうかがえます。 【グラフ2】2013/12/31 ~ 2014/1/3 のHUT 【グラフ3】大晦日の夜のHUT時系列推移 【表1】12/31 ~ 1/3(5-29 時)テレビ接触世帯割合(%) 12/31 1/1 1/2 1/3 '13-'14 年 91.4 88.9 89.9 91.6 '12-'13 年 89.6 85.3 89.6 90.2 '11-'12 年 87.8 85.6 86.8 92.8 '10-'11 年 88.6 84.7 87.1 92.8 '09-'10 年 90.6 88.3 88.2 93.6 ※関東地区データ ※到達判定条件 : 1 分以上視聴 ※関東地区データ 19-23時 74.6 72.1 70.5 70.2 70.5 73.8 69.1 69.9 69.5 72.8 0% 25% 50% 75% 100% 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 (年) ※関東地区データ ※2013年土日平均:2013年1月1日~12月31日の土日の平均値 5-29時 41.3 39.4 38.6 39.7 36.3 0% 20% 40% 60% 12/31 1/1 1/2 1/3 2013年 土日平均 19-23時 72.8 63.6 60.7 62.1 63.8 0% 25% 50% 75% 100% 12/31 1/1 1/2 1/3 2013年 土日平均
一方、正月三が日はともに午前から日中の HUT が土日を大きく上回ります。やはり、正月は普段の 土日に比べ、外出を控え、お餅でも食べながら自宅 でゆっくり過ごす人が多いのでしょうか。特に 3 日は、箱根駅伝の総合優勝に注目度が高まるためか、 8-14 時の HUT が非常に高くなっています。しか し、普段、視聴が多くなる 19-23 時にかけては、 逆に土日とほぼ差が見られないか、それを下回って います。 各日で共通している点は、多くの人が普段よりも 遅くまで起きており、朝はゆっくり起きてくるため か、6-7 時台の HUT が土日に比べ低いといった特 徴がみられます。 大晦日と三が日のHUTの推移をみてみましたが、 大晦日と三が日では、午前中と夜~深夜でテレビの 見られ方には大きな違いがあることがわかりました。 年末年始によく見られた番組 では、12/31 ~ 1/3 に最もよく見られた番組 は何だったのでしょうか【表 3】。改めて確認する 必要はないかもしれませんが、最も見られた番組は NHK 総合の「紅白歌合戦」でした。2013 年は『倍 返し』という流行語を生み、社会現象ともなった、 「半沢直樹」(TBS)の最終回が 42.2%を記録し、「紅 白歌合戦」の視聴率よりも高くなるのではないかと 注目を浴びました。しかし、「紅白歌合戦」も『じぇ じぇじぇ』と言う流行語を生んだ「あまちゃん」の コーナーや北島三郎の紅白引退などで注目を浴び、 ここ 5 年では最も高い視聴率(第2部)を記録し、 2013 年で最もよく見られた番組となりました【表 2】。 「紅白歌合戦」の他にも、「箱根駅伝」の中継をは じめ高視聴率番組が多く、12/31 ~ 1/3 の 4 日間 で 20%を上回った番組は 6 本もありました【表 3】。 ※関東地区データ ※2013年土日平均:2013年1月1日~12月31日の土日の平均値 0% 10% 20% 30% 40% 50% 5時 6時 7時 8時 9時 10時11時12時13時14時15時16時17時18時19時20時21時22時23時24時25時26時27時28時 1/1 1/3 【表2】NHK 総合「紅白歌合戦」番組平均世帯視聴率 年 回数 放送時間 視聴率 (% )番組平均 2013 第 64 回 第 1 部 19:15-100 36.9 第 2 部 21:00-165 44.5 2012 第 63 回 第 1 部 19:15-100 33.2 第 2 部 21:00-165 42.5 2011 第 62 回 第 1 部 19:15-100 35.2 第 2 部 21:00-165 41.6 2010 第 61 回 第 1 部 19:30-115 35.7 第 2 部 21:30-135 41.7 2009 第 60 回 第 1 部 19:15-100 37.1 第 2 部 21:00-165 40.8 ※関東地区データ ※放送日は各年の 12 月 31 日 ※各回 2 番組に分かれている為、 便宜上第1部 ・ 第2部と表記しています
Video Research Digest 2014.3 どれくらいテレビを見る? 年末年始は普段と比べて HUT が高くなることが わかりましたが、視聴者はいったいどの位テレビを 見ていたのでしょうか。12/31 ~ 1/3(4 日間) の1人あたりの合計視聴分数は平均で 1,369 分(22 時間 49 分、1 日平均では 5 時間 42 分)になりま す【表 4】。2013 年の土日平均と比べると 1 日あ たり 1 時間も多く見ていたことになります。皆さま 年末年始は本当によくテレビを見ているのですね。 何チャンネル見ているのか さて、年末年始は 1 日平均 6 時間近く見られた テレビですが、ひとつのチャンネルをずっと見てい たのでしょうか。中にはそういう視聴者もいたかも しれませんが、多くの視聴者はチャンネルを変えな がら見ていたと考えられます。そこで、1日当たり 見られていたチャンネル数をみてみます。ここでは、 民放 5 局、NHK 総合、E テレ、その他の局の全 8ch とし、その中で 1 分以上視聴したチャンネル 数を算出しました。 12/31 ~ 1/3 各日の視聴チャンネル数をみる と、4 日間の平均は 4.6ch でした【表 5】(次頁)。 つまり、視聴者は 1 日あたり全 8ch 中半分の約 4ch 強にチャンネル数を合わせているということ になります。多少の差こそあるものの、4 日間では ほぼ違いは見られませんでした。参考までに、 2013 年 11/16 日(土)~ 17(日)の2日間と 【表3】年末年始(2013/12/31 ~ 2014/1/3) 高世帯視聴率番組一覧(全番組) 番組名 放送日 放送時間 視聴率 (% )番組平均 1 第 64 回 NHK 紅白歌合戦(第2部) 12/31( 火 ) 21:00-165 44.5 2 第 64 回 NHK 紅白歌合戦(第1部) 12/31( 火 ) 19:15-100 36.9 3 第 90 回東京箱根間往復大学駅伝競走復路 1/3( 金 ) 07:50-388 27.0 4 第 90 回東京箱根間往復大学駅伝競走往路 1/2( 木 ) 07:50-375 26.8 5 ゆく年くる年 12/31( 火 ) 23:45-30 25.4 6 NHK ニュース 7 12/31( 火 ) 19:00-15 22.4 7 ダウンタウンのガキの使いやあらへんで ! 大晦日年越し SP!・第 1 部 12/31( 火 ) 18:30-150 19.8 8 テレビ朝日開局 55 周年記念相棒 season12 元日 SP 1/1( 水 ) 21:00-150 19.6 9 ダウンタウンのガキの使いやあらへんで ! 大晦日年越し SP!・第 2 部 12/31( 火 ) 21:00-210 17.2 10 芸能人格付けチェック ! これぞ真の一流品だ !2014 お正月 SP 1/1( 水 ) 18:00-180 16.6 10 ぐるナイ新メンバーお披露目 W ゴチお年玉で運だめし新年おめでとう 5 時間 SP・第 2 部 1/2( 木 ) 19:00-258 16.6 12 鍵のかかった部屋 SP 1/3( 金 ) 21:00-150 15.9 13 元日は TOKIO ×嵐ウルトラマン DASH・第 2 部 1/1( 水 ) 19:00-120 15.8 14 元日は TOKIO ×嵐ウルトラマン DASH・第 1 部 1/1( 水 ) 18:00-60 15.7 15 VS 嵐 2014 賀正新春豪華 2 本立て SP 1/3( 金 ) 19:00-120 14.7 16 年またぎスポーツ祭り !KYOKUGEN2013 12/31( 火 ) 20:31-59 14.5 17 マツコ & 有吉の怒り新党お正月スペシャル 1/3( 金 ) 20:54-136 13.6 18 年またぎスポーツ祭り ! ニューイヤー駅伝 2014 第 58 回全日本実業団駅伝 1/1( 水 ) 08:50-315 13.4 18 テレビ朝日開局 55 周年記念とんねるずのスポーツ王は俺だ !15 回記念 5時間スペシャル 1/2( 木 ) 19:00-270 13.4 20 ダウンタウンのガキの使いやあらへんで ! お見逃し & 未公開一挙公開 SP!・第 2 部 1/3( 金 ) 19:00-114 13.2 ※関東地区データ ※集計対象局 : 民放5局+ NHK 総合 ※放送分数15分以上の全番組を対象 【表4】2013/12/31 ~ 2014/1/3 の視聴分数 合計視聴 分数 一日あたり ~ 参考 ~ 2013 年土日の 一日あたり 1,369 分 342 分 288 分 (22 時間 49 分) (5 時間 42 分) (4 時間 48 分) ※個人全体の視聴率データ (関東地区) より算出
「紅白歌合戦」の見られ方 では、1 年を通じて最も多くの人に見られ、放送 時間も長い「紅白歌合戦」はどのように見られてい たのでしょうか。NHK の「紅白歌合戦」を視聴し た人は、「紅白歌合戦」だけを見たのでしょうか。 もしくは、他のチャンネルも見ながら「紅白歌合戦」 を見ていたのでしょうか。「紅白歌合戦」を 15 分 以上視聴した人が、紅白の放送時間に少しでも他の チャンネルを見ていたのかどうか確認したいと思い ます。 「紅白歌合戦」視聴者が紅白の放送時間に視聴し たチャンネル数を見ると、約 4 割が他のチャンネ ルに浮気せず、紅白のみを視聴したという結果にな りました【グラフ 5】。これを多いと捉えるか、少 ないと捉えるかは、それぞれだと思いますが、私個 手やグループの出場や、様々なコーナーを用意する など工夫がこらされ、他の番組(チャンネル)を見 に行く行為に繋がりにくかったのかもしれません。 最後に 家族で楽しめる番組が多く放送されたためか、こ の年末年始の視聴量は普段よりも多くなっていまし た。また、視聴の仕方にもそれぞれ特徴がありまし た。特に、視聴の多かった大晦日の夜は自宅でテレ ビを見ながらゆっくり過ごし、テレビとともに年越 しのカウントダウンをしていた世帯が多かったので はないでしょうか。また、正月三が日においても、 以前に比べ初売りなどで外出する人の数も増加し、 日中にテレビに向き合う世帯の数も減っているのか と思いきや、多くの世帯でテレビが見られていたこ とが確認できました。 テレビは他者と同時に共有することのできるメ ディアであるため、年末年始のように家族や親戚な ど多くの人が集まると、普段以上にテレビの視聴も 多くなるようです。 今回は年末年始のテレビの見られ方について確認 してきましたが、今年はソチオリンピックや、ブラ ジルワールドカップといったビッグイベントがふた つもあるので、これらのイベントの視聴状況につい ても、またレポートしたいと思います。 【グラフ5】 「紅白歌合戦」視聴者の紅白放送時の 視聴チャンネル数 (%) ※関東地区データ ※母数:各部15分以上視聴者 ※他局の視聴判定:1分以上視聴 紅白+7ch 紅白+6ch 紅白+5ch 紅白+4ch 紅白+3ch紅白+2ch 紅白+1ch紅白のみ * 0.1 0.9 0.8 2.0 3.8 5.6 6.5 9.8 15.6 11.8 12.9 26.7 20.9 43.1 39.4 凡例 第1部 19:15~20:55 第2部 21:00~23:45 【表5】平均視聴チャンネル数(8ch 中) ~ 参考 ~ 日 チャンネル数視聴 日 チャンネル数視聴 12/31 4.8 ch 2013/ 11/16(土) 4.5 ch 1/1 4.7 ch 1/2 4.4 ch 2013/ 11/17(日) 4.6 ch 1/3 4.4 ch 平均 4.6 ch 平均 4.6 ch ※関東地区データ