• 検索結果がありません。

学位論文題名Experimental studies on formation mechanism of clathrate hydrate crystals

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学位論文題名Experimental studies on formation mechanism of clathrate hydrate crystals"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

博 士 ( 地 球 環 境 科 学 ) 竹 谷    敏

     学位論文題名

Experimental studies on formation mechanism     of clathrate hydrate crystals

(クラスレート.ハイドレートの生成機構に関する実験的研究)

   学位論文内容の要旨

  分 子 が 作 る 篭 型 構 造 を ク ラ スレ ー ト構 造と 呼び 、物 質 名で ある ハイ ドレ ー ト( 水和 物)

と組み 合わせて、クラスレート・ハイドレート(包摂水和物)と呼ばれている。この篭型構造を形 成して いるのは水分子の水素結合であり、この中に他の分子を取り込むことにより、この結晶構造 が 安 定 化 する 。天 然に は、 炭 酸ガ スを 包接 するC02ハイ ド レー ト、 メタ ンガ ス や空 気を 包接 す るCH4ハ イ ド レ ー ト 、Airハ イド レ ー卜 の存 在が 知ら れ てい る。 しか し、 そ れら の存 在条 件 が 高 圧 条 件 下 に 限 定 さ れ る ため 、 結晶 構造 レベ ルで の 生成 機構 に関 する 研 究は あま り行 なわれ ていない。

  本 研 究 では 、ま ず、 低温 常 圧条 件下 でX線回 折法 を用 い るこ とに より 、′ フ ロリ ダ半 島沖 の 海 底 よ り掘 削さ れた メタ ン 含有 物がI型 の結 晶構 造のCH4ハイ ド レー トで あり 、粒 径 がImm 以 上 も あ る 大 き な 単 結 晶 が 存 在す る こと を明 らか にし た 。天 然の メタ ン含 有 物がI型 のCH4 ハ イ ド レ ー ト で あ る と 構 造 解 析に よ り同 定で きた のは 初 めて のこ とで あり 、 メタ ンガ スの よ り 正 確 な埋 蔵量 の見 積も り を可 能に する もの で ある 。ま た、 南 極氷 床よ り掘 削さ れ たAir ハ イド レ ート(N2/02混 合ガ ス のハ イド レー ト )の 格子 定数 の温 度 依存 性を明らかにする こと に よ り 、Airハ イ ド レ ー 卜 の 格 子 定 数 が 結 晶 毎 に 異 な る こ と を 明 ら か に し た 。   こ の 様 な 、 結 晶 粒 径 の 大 き なハ イ ドレ ート 結晶 の存 在 や格 子定 数の 結晶 毎 での 違い は、

今 ま で の 化 学 工 学 的 手 法 に 基 づぃ て 生成 され た他 のハ イ ドレ ート 結晶 では 報 告さ れて おら ず 、 天 然 の 環 境 下 に お け る 様 々 な 成 長 条 件 に 原 因 が あ る と 考 え ら れ る 。   そ こ で 、 天 然 の ハ イ ド レ ー 卜の 生 成環 境に 似た 、高 圧 、静 置条 件下 にお け るハ イド レー ト の 生 成 機 構 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し て 、X線 回 折法 の装 置開 発と 、 この 装置 を用 いたC02ハイドレー卜の生成実験を 行なった。

  Al合 金 製 の 円 筒 型 高 圧 容 器 とX線 光 学 系 を 開 発 し 、 高 工ネ ルギ ーX線発 生装 置(200kV、 90mA)を 用 い る こ と に よ り 、 実 験 室 レ ベ ル で の 回 折 法 を 用い た高 圧条 件下 で のそ の場 観察 を、可 能にした。

  その 場 観察 によ り、C02ハイ ドレ ー 卜の 液相 成長(水―C02)の核形成と成長に関して、 以下 のこと が明らかfこぬった。

  ・ 核 形 成 に は 、 数 十 分 か ら 数 百 分 以 上 のinduction time( 核 形 成 の 誘 導 時 間 )が 必要

1127

(2)

  ・ 核 形 成 直 後 の 急 速 な 成 長 、 そ の 後 の 非 常 に 遅 い 成 長 過 程 が あ る   lnduction timeの長さは、いったん凍結させた水(融解水)を使うことによって大幅に短縮 されること、水 中に溶存しているガス量と関係があること、を定量的に示した(Freezing‑

memory effect)。融解水中には、COっ注入前から前駆体が形成されていると考えてデー夕解 析を行なった。 その結果、液相中におけるCOっハイドレー卜の核形成では、前駆体の形成 がinduction timeを律速している、と考えることにより定量的に実験結果を説明することが 出 来た 。さ らに 、こ の際 の前 駆 体形 成の 活性 化エネルギーは、4.7 kj/molであった。

  核形 成直 後か ら数 時間で、液相中の結晶化度が15%程度までC02ハイドレー卜は成長 した。その後、10000時間においても結晶化 度に変化は無く、液相全体の結晶化には極め て長い時間を要することが明らかになった。この非常に遅い成長の原因は、核形成直後に、

水 とC02界面 に生 成さ れた ハイ ドレ ート 層が 反応に必要なC09分子および水分子の供給 を阻害している ためで、ハイドレート中の分子拡散が、ハイドレート成長の律速過程であ ると考えられる。そこで、固相成長(氷‑C02)のその場観察を行なうことにより、CO.?ハイ ドレー卜中の分 子拡散で律速された成長速度を求めた。氷粒子を用いた固相成長では、反 応表面積を大き くし、かっ、反応表面積を定量的に見積もることが出来る利点がある。氷 とC02からの生成過程では、水の場合のよう な長いinduction timeや初期の急速な生成は 存在せず、ほぼ 連続的に成長するのが観察され、数週間にわたって徐々に成長する過程を 観察した。その 結果、ハイドレート中のC09及び水分子が拡散する相互拡散係数は、263K では7.4xl0'16m2/Sで、拡散の活性化工ネル ギーは38 kj/molであること が明らかにされ た。この活性化 エネルギーは、氷中の自己格子間分子の拡散の活性化エネルギーと同程度 であった。

  以上 の結 果か ら、 水とC02の混合液中 におけるCO。ハイドレートの形成過程の律速過 程は、C02ハイドレート結晶中のCO。及び水 分子の拡散であることが明らかにされた。さ らに、得られた 相互拡散係数から見積もると、l mmのハイドレート層が 生成されるため には、年オーダーの時間が必要になることが明らかにされた。

‑ 1128

(3)

学位論 文審査の要旨 主査

副査 副査 副査 副査

教授 教授 助教授 助教授 教授

本 堂 武 夫 香 内    晃 古 川 義 純 成 田 英 器 市 川 和 彦

    学 位 論 文 題 名

Experimental studies on formation mechanism     of clathrate hydrate crystals

( ク ラ ス レ ー ト . ハ イ ド レ ー ト の 生 成 機 構 に 関 す る 実 験 的 研 究 )

  クラスレート・ハイド レートは、水分子の作るクラスレート構造の中に他の分 子(グ ス ト分子)を包接するこ とによりできる結晶であり、一般に低温・高圧力下で安 定な物 質 で あ る 。 自 然 界 で は 、 深 海 底 に 存 在 す るCH4ハ イ ド レ ー ト やC02ハ イ ド レ ー ト お よ び 極 地 氷 床 の 深 部 に 存 在 す るAirハ イ ド レ ー ト が 良 く 知 ら れ て い る 。 い ず れ も 、 地 球 環 境 科 学 の 立 場 か ら 興 味 深 い 物 質 で あ り 、 特 に 、CH4ハ イ ド レ ー ト は 炭 素 循 環 や エ ネ ル ギ ー 資 源 の 視 点 か ら 、 ま たC02ハ イ ド レ ー ト は 温 暖 化 防 止 と い う 視 点 か ら 、 最 近 注 目 を 集 め て い る 。 し か し 、 そ れ ら の 存 在 条 件 が 高 圧 条 件 下 に 限 定 さ れ る こ と と 反 応 が 極 め て 遅 い た め に 、 生 成 速 度 の 定 量 的 測 定 や 生 成 機 構 に関 する 研究 は ほと んど 行な われ てい ない 。

  本 研 究 で は 、 ま ず 、X線 回 折 法 を 用 い る こ と に よ り 、 天 然 の ガ ス ハ イ ド レ ー ト の 結 晶 構 造 、 格 子 定 数 、 熱 膨 張 係 数 な ど の 測 定 を 行 な っ て い る 。 フ ロ リ ダ 半 島 沖 の 海 底 よ り 掘 削 さ れ た メ タ ン 含 有 物 がI型 のCH4ハ イ ド レ ー ト で あ る こ と 、 お よ び 格 子 定 数 を 初 め て 測 定 し た 。 ま た 、 南 極 氷 床 よ り 掘 削 さ れ たAirハ イ ド レ ー ト (N2/02混 合 ガ ス の ハ イ ド レ ー ト ) の 格 子 定 数 の 温度 依存 性を 測定 し、 小さ い 分 子 を ゲ ス ト と す る ハ イ ド レ ー ト の 熱 膨 張 係 数 を 初 め て 明 ら か に し た 。   次 に 、 天 然 の ハ イ ド レ ー ト の 生 成 過 程 、 生 成 機 構 を 明 ら か に す る た め に 、 高 圧 、 静 置 条 件 下 に お け るC02ハ イ ド レ ー ト の 生 成 実 験 を 行 な っ て い る 。 本 研 究 の 特 徴 は 、 高 圧 容 器 内 の ハ イ ド レ ー ト 生 成 過 程 をX線 回 折 法 で 観 察 す る 点 に あ り 、 高 工 ネ ル ギ ーX線 発 生 装 置 (200kV、90mA)と 新 た に 開 発 し たX線 光 学 系 を

(4)

用いて、高圧条件下でのその場観察を可能にした。

  この装置を用いることによって、氷粒子による固相成長過程(氷‑C02)におけ,る C02ハ イド レー トの成長過程を数週間にわたって観察し、その成長速度を初めて 測定 した 。この 成長速度データを解析することによって、C02ハイドレート中の 分子 拡散 係数お よぴ その 活性 化エ ネル ギー を導出した。さらに、この結果を用 いて 、自 然界に おけ るC02ハ イド レー トの生 成過 程を 定量 的に 議論 でき ること を示した。また、液相成長(水―C02)におけるinduction time(核形成の誘導時間)

が、 数十 分から 数百 分の 広い 範囲 に分 布す ることに着目して、同じ条件におけ る生 成実 験を繰 り返 し行 い、 核形 成頻 度を 求めた。その結果、一旦凍結させた 水(融解水)による核生成促進効果(Freezing―memory effect)および溶存ガスの 効果を初めて定量的に明らかにした。

  以 上の 結果は 、ク ラス レー ト・ ハイ ドレ ートの生成機構に新たな知見を与え ると 同時 に、天 然に おけ るガ スハ イド レー トの存在状態や生成過程を定量的に 議論 する ために 欠く こと ので きな い重 要な 基礎データを与えるものである。審 査員 一同 は、こ れら の成 果を 高く 評価 し、 また研究者として誠実かつ熱心であ り、 大学 院課程 にお ける 研鑚 や取 得単 位な ども併せ申請者が博士(地球環境科 学)の学位を受けるに充分な資格を有するものと判定した。

参照

関連したドキュメント

C−1)以上,文法では文・句・語の形態(形  態論)構成要素とその配列並びに相互関係

いかなる使用の文脈においても「知る」が同じ意味論的値を持つことを認め、(2)によって

このように資本主義経済における競争の作用を二つに分けたうえで, 『資本

成績 在宅高齢者の生活満足度の特徴を検討した結果,身体的健康に関する満足度において顕著

不変量 意味論 何らかの構造を保存する関手を与えること..

一階算術(自然数論)に議論を限定する。ひとたび一階算術に身を置くと、そこに算術的 階層の存在とその厳密性

次に我々の結果を述べるために Kronheimer の ALE gravitational instanton の構成 [Kronheimer] を復習する。なお,これ以降の section では dual space に induce され