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博士学位論文

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Academic year: 2021

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博士学位論文

(内容の要旨及び論文審査の結果の要旨)

Kohtaro Asai 氏名 浅井 光太郎

学位の種類 博士(経営情報科学)

学位記番号 博 乙 第4号 学位授与 平成2995日 学位授与条件 学位規定第3条第4項該当

論文題目 画像符号化における信号の圧縮と表現に関する研究 論文審査委員 (主査) 教授 中條 直也1

(審査委員) 教授 森本 正志1 教授 田村 隆善2

論文内容の要旨

画像符号化における信号の圧縮と表現に関する研究 本論文は画像符号化における信号の圧縮と表現につい て、論文提出者自身が行った 3 つの研究を中心として考察 を行った結果をまとめたものである。本論文は全 5 章から 構成される。

第 1 章は研究の背景と目的について述べる。

画像は訴求力が強く、高度情報社会に必要なメディアで あり、画像符号化は画像信号を伝送・蓄積するために必須 の技術である。画像符号化において、圧縮は効率よい伝 送・蓄積のための機能であり、表現は圧縮状態で何らかの 情報の構造を表し、分析などの二次利用を可能とする機能 である。本章では準備として画像符号化の基本的な技術に ついて説明し、論文全体の構成と各章の要旨を述べる。

第 2 章はベクトル量子化を用いた画像符号化について 述べる。

ベクトル量子化は複数のサンプルをブロック化して、こ れを多次元信号空間における入力ベクトルとして、量子化 代表値である出力ベクトルに置き換える技術であり、画像 では 2 次元の画素ブロックを入力ベクトルとする。ベクト ル量子化は原理的には圧縮限界に漸近する性質を持ち、少 ない符号量での画像符号化に適している。画像のベクトル 量子化は 1980 年代に研究が本格化したもので、論文提出 者は初期から同技術に取り組み、ベクトルから平均値を分 離して正規化することで汎用的なベクトル量子化器を設 計できることを示した。また正規化されたベクトルが画像 の構造的なパターンを表し、画像を基本構造パターンの配 列で表現可能であることを示した。さらに同技術を動画に

適用し、64kbit/s の低ビットレートで動画の符号化伝送 が可能であることを実証し、実用化も行った。本章ではこ れらを実現した技術と結果について述べる。

第 3 章は動的適応ウェーブレットパケットによる画像 符号化について述べる。

ウェーブレット変換は信号を複数の周波数帯域に分割 して扱う技術であり、1980 年代終盤から画像符号化への 適用が本格化したものである。ウェーブレット変換では基 本的に低周波に信号電力が集中することを利用して効率 のよい符号化を実現する。しかし現実には入力画像の電力 分布によって効率が低下する。ウェーブレットパケットは ウェーブレットの一般化であり、入力信号に適応した帯域 分割を行うことが可能である。画像の場合にはさらにウェ ーブレットパケットを動的に適応させ、すなわち空間を分 割して分割ごとにウェーブレットパケットを選択するこ とで効率を最適化することができる。論文提出者は画像の 帯域-空間分割に対する最適化を行い、最適な分割が良い 画像符号化性能を与え、同時に信号電力の分布を可視化す ることを示した。本章ではこれらを実現した技術と結果に ついて述べる。

第 4 章は動き補償予測付き DCT を用いる画像符号化標準 について述べる。

動き補償予測付き DCT は、現在の国際標準動画符号化方 式に採用されている方式である。同方式は基本的枠組みと しては 1990 年発行のテレビ会議向け標準 H.261 に始まり、

世代進化を続けて 2013 年策定の HEVC|H.265 に到るまで使 われている。論文提出者は 1980 年代終盤から標準化活動 に参加して提案を行ってきた。例えば符号量の変動に対し て安定動作を確保するバッファ制御方式、インターレース

1愛知工業大学 情報科学部 情報科学科(豊田市)

2愛知工業大学 経営学部 経営学科(豊田市)

(2)

構造を持つテレビ信号の処理、低ビットレート向け動き補 償ブロックの設定などについて研究を行って、標準方式に 貢献してきた。本章では最新の HEVC|H.265 標準への提案 内容を中心にして、動き補償予測付き DCT の改善技術につ いて述べる。

第 5 章はまとめと今後の課題について述べる。

まず、第 2 章から第 4 章まで述べた技術について、現在 の視点から振り返って考察を述べる。特に、産業にとって 重要な国際標準について、現在も検討が続けられている符 号化方式の現状とこれから進むべき方向について論文提 出者の考えを述べる。最後に画像符号化技術の長期ビジョ ンについて、過去に提案された長期ビジョンや最近の研究 動向を参照しつつ考察を述べて論文の結びとする。

論文審査結果の要旨

浅井光太郎君の提出した博士論文「画像符号化における 信号の圧縮と表現に関する研究」は、画像符号化における 信号の圧縮と表現について、論文提出者自身が行った 3 つの研究を中心として考察を行った結果をまとめたもの である。本論文は全 5 章から構成されている。

第 1 章は研究の背景と目的について述べられている。

画像は訴求力が強く、高度情報社会に必要なメディアで あり、画像符号化は画像信号を伝送・蓄積するために必須 の技術である。画像符号化において、圧縮は効率よい伝 送・蓄積のための機能であり、表現は圧縮状態で何らかの 情報の構造を表し、分析などの二次利用を可能とする機能 である。本章では準備として画像符号化の基本的な技術に ついて説明し、論文全体の構成と各章の要旨が述べられて いる。

第 2 章はベクトル量子化を用いた画像符号化について 述べられている。

ベクトル量子化は複数のサンプルをブロック化して、こ れを多次元信号空間における入力ベクトルとして、量子化 代表値である出力ベクトルに置き換える技術であり、画像 では 2 次元の画素ブロックを入力ベクトルとする。ベクト ル量子化は原理的には圧縮限界に漸近する性質を持ち、少 ない符号量での画像符号化に適している。画像のベクトル 量子化は 1980 年代に研究が本格化したもので、論文提出 者は初期から同技術に取り組み、ベクトルから平均値を分 離して正規化することで汎用的なベクトル量子化器を設 計できることを示した。また正規化されたベクトルが画像 の構造的なパターンを表し、画像を基本構造パターンの配 列で表現可能であることを示した。さらに同技術を動画に 適用し、64kbit/s の低ビットレートで動画の符号化伝送 が可能であることを実証し、実用化も行った。本章ではこ れらを実現した技術と結果について述べられている。

第 3 章は動的適応ウェーブレットパケットによる画像 符号化について述べられている。

ウェーブレット変換は信号を複数の周波数帯域に分割 して扱う技術であり、1980 年代終盤から画像符号化への 適用が本格化したものである。ウェーブレット変換では基 本的に低周波に信号電力が集中することを利用して効率 のよい符号化を実現する。しかし現実には入力画像の電力 分布によって効率が低下する。ウェーブレットパケットは ウェーブレットの一般化であり、入力信号に適応した帯域 分割を行うことが可能である。画像の場合にはさらにウェ ーブレットパケットを動的に適応させ、すなわち空間を分 割して分割ごとにウェーブレットパケットを選択するこ とで効率を最適化することができる。論文提出者は画像の 帯域-空間分割に対する最適化を行い、最適な分割が良い 画像符号化性能を与え、同時に信号電力の分布を可視化で きることを示した。本章ではこれらを実現した技術と結果 について述べられている。

第 4 章は動き補償予測付き DCT を用いる画像符号化標準 について述べられている。

動き補償予測付き DCT は、現在の国際標準動画符号化方 式に採用されている方式である。同方式は基本的枠組みと しては 1990 年発行のテレビ会議向け標準 H.261 に始まり、

世代進化を続けて 2013 年策定の HEVC|H.265 に到るまで使 われている。論文提出者は 1980 年代終盤から標準化活動 に参加して提案を行ってきた。例えば符号量の変動に対し て安定動作を確保するバッファ制御方式、インターレース 構造を持つテレビ信号の処理、低ビットレート向け動き補 償ブロックの設定などについて研究を行って、標準方式に 貢献してきた。本章では最新の HEVC|H.265 標準への提案 内容を中心にして、動き補償予測付き DCT の改善技術につ いて述べられている。

第 5 章はまとめと今後の課題について述べられている。

まず、第 2 章から第 4 章まで述べた技術について、現在 の視点から振り返って考察を述べる。特に、産業にとって 重要な国際標準について、現在も検討が続けられている符 号化方式の現状とこれから進むべき方向について論文提 出者の考えを述べている。最後に画像符号化技術の長期ビ ジョンについて、過去に提案された長期ビジョンや最近の 研究動向を参照しつつ考察を述べて論文の結びが述べら れている。

以上に述べたように,審査委員会の委員 3 名が論文執筆 者から提出された論文原稿の内容を詳しく審査した結果、

本論文は博士(経営情報科学)の学位を受けるに十分な内 容を持ち、博士学位論文として受理するに値するものであ るとの結論に達した。

参照

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