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貨幣市場と証券信用

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(1)

通 貨安定 後 の ドイ ツにお け る 貨幣市場 と証券信用

じ め

貨 幣市場 と資本市場 を包摂す る金融市場 が十分 に機能す るか否 かは,金融資 本的蓄積 にとって きわめて重要 な事柄 といわねばな らない。 というのは,後述 す るよ うに, この金融市場 が十分 に俄能す るな らば, それは最終的に資本市場 (株式市場) の活況 を もた らし.銀行 によ る株式 の引受発行 が支持 ・促進 され ることにな るか らであ る

。1 9 2 4

年以降 の いわゆ る 相対的安定期 と呼ばれ る時 期, ドイツの金融市場 は, この点 か ら見 ると, きわめて高度 な機能展開をみせ た。 それ は,再 建の歩 みを始め, さらに ヨリ高度化 しよ うとす る ドイツの金融 資本的蓄積 の,金融機構上 における蓑現 であったC しか しなが ら, 当該期 にお いては.金融市場 の機能展 開か高度化 すればす るほど, その反面ではそれだけ 金融市場 の構 造的脆弱性は強 まって いった, とも思 われ るのであ る

ところで,金融市場 とい う場合, その部分市場 た る貨 幣市場 と賀木市場 は接 合 してい ると考えねばな らない。 そ して, この両市場 を接合 し, その籍節点 を な してい るのか証券信用 といえ るのであ るC 先 に述 べたよ うな金融市場 の高度 な機絶展開 とい うことも, この証券信用 によ って起動 されていたので ある。 す なわ も.証券信用 が資本市場 (株式市場) ‑ きわめて効果 的な作用 を及ぼ した のであ るO だが他 面 で, 証券信用 自体 の動向は貨幣市場 の状況 によ って規制を 受 けると考 え られ る。 したが って,証券信用 を貨幣市場 の状況 と関わ らせて把 握 す ることによって.高度に機能展開 した金融市場 の実態把握 もヨ tJ十全 にな しうると考 え るので あ る。構造的脆弱性 の深化 とい うことも明 らか に しうると 考 え るのであ るo 小稿 は, 邑このよ うな観 点 か ら, 通貨安定後 の ドイツにおい て,証券信用 か貨幣市場 の状況 によって どのよ うに規制 を受 けて いたか、 とい

(2)

うことを明 らかに しよ うとす るものであるⅠではまず,金融市場 における証 券信用 の位置を明 らかに し,証券信用 が貨幣市場 と資本市場 の結節点た ること を示 すでは, このよ うな意義 を有 す る証券信用 が, 貨 幣市場 の状況 といか なる関連 の もとにあったか, ということを検討す る。

Ⅰ 金融市場 におけるルボール ・ロンバー ト貸付 1. 貨幣市場と資本市場の結節点としてのルポール ・ロンバー ト貸付

通貨安定後,貨 幣市場 と資本市場 を包摂す る金融市場 の機能 は, きわめて効 果的 に働 いた。 ここでい う金融市場 の機能 とは, 短期資金 が容易 に 証券 ( 式)流通部面 に流れ, そ こで の取 引を活発化 させ,証券 (株式)価格 を高位 に 維持 し, そ して発行市場 を も刺激す る, とい う作用 の ことである。金融市場 が このよ うに機能す ることによって,高株価 の もとで発行活動 は活発 とな り,秩 式 の引受発行 をなす銀行 にとってはそれだけ利益が大 きくなることを期待 しう るのである。 ヨ リ一般的 にいえば,銀行 による産業株 の引受発行 は金融資本的 蓄積 に特有 な ものと考 え られ るか ら1㌧ 金融市場 の上記 の機能 は,金融資本的 蓄積 を推進せ しめ るもの, とい うことがで きる。

ところで,金融市場 のこのような機能 とは,貨幣市場 と資本市場 が接合す る ことによって上記 の作用が もた らされることを意味す るが, その場合,短期資 金 が証券 (株式)流通部面 に流れ出 るといって も,例 えば,銀行がその流動的 資産 を取 り崩 し,直接 に株式投資 へ と資産転換 を図るというのではない。一般 に株式 は市場 で売却可能であ り,随時 に現金化 しうるものだ と して も,相場変 動 の リス クを考 え ると,売却す る際の価格 の十全 な保証 はあ りえない。 したが って売却価格 の保全 を期 した うえでの売却 ・現金化 は,随時に可能 とな るわ け ではないのである。 このために, もし銀行 が短期資産を直接 に株式へ と転換 し

1) 銀行による産業株の引受発行は金融資本的蓄積に特有なもの,とここでいう場 合,通説的見解に見 られるように交互計算信用の流動化という点にその主要な意 義を求めているのではない。銀行の発行活動は,それ自体として独自な,銀行に よる新たな資本供給方式として措定されるべき,と考えられる。なお,この点に ついては別稿で論じる予定である。

(3)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 5 1

たな らば, それは もはや厳密 には短期性 を失 った, といわなければな らない。

貨幣市場 と資本市場 が按合 し,両市場間で資金交流が見 られ, そのよ うな状 態 の中で銀行 の短期資金 が証券 (株式)流通部面 に容易 に流れ るとい う場合, 問題 とすべ きなのは,常 に短期性が確保 されていて, したが って預金 に対す る 支払準備 とい う資格 を保持 したままで,証券 (株式)市場 に流れてそ こでの取 引を活発化 させ るような銀行貸付 なので ある。 このような銀行貸付 とは,第

2

線準備 の資格を有す るルボール ・ロ ンバー ト貸付 に他 な らない。

ルポール貸付 とロンバー ト貸付 は厳密 には区別 され るものであるが,銀行 の バ ランス シー トの資産 の側 に 「上場有価証券 に対す るルボール ・ロンバー ト」

とい う項 目で 一括 して 表示 されてい る。 ともに, 短期 的 ・流動 的な貸付 であ る2). 両者 は一括 されて証券信用

Ef f ekt enkredi t e

と呼 ばれているO この賃 付 は, 主 と して, 株式 を買 い入 れ るとい う形式で, あるいはそれを 担保 と し て,株式 の定期取 引に従事す る強気投機家 に与え られ るもので あ り,株式投機 を続行 ・助長 させ るとい う意義 を もつ。 つ ま り, 相場上昇 を 見込んで 先物買 いを した投機家 に,思惑 どお りの相場上昇 が生 じなか った場合 の清算繰延を可 能 にす るところの貸付 なのであるO 結局, 銀行 の ルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 は, 強気投機 を支 え,流通市場 における取 引をそれだけ活発化 させ るわけであ る.取 引量 は増大 し株価 は一般 に上昇傾 向を もた らされ る。 そ して,株価 が高 水準 に維持 され るな らば,銀行 による株式 の引受発行 も容易 な もの とな り,促 進 され ることにな るであろう3)0

銀行 のルポール ・ロンバー ト貸付 は,資産項 目の うえで頭金,手形, ノス ト ロ債権 の次 に位置す る第

2

次流動資産で ある4)この短期貸付 が投機 を媒介 と し

2 )

詳しくは拙稿

「1 92 0

年代におけるドイツの金融市場」 (商学論集』第

2 9

巻 第

3・4

合併号)参腰。

3 )

ルボール ・ロンバー ト貸付の役割 ・意義について 詳しくは前掲拙稿を参照 せ よ。

4 )

銀行流動性の測定には,必ずしも統一 した基準があったわけではないが,第

2

次流動性の計算の際にルボール ・ロンバー ト貸付が含められる,という点は共通 していた

。Vgl .Aus s c huBz urUnt er s uchungderEr ze ugungs = undAbs at 2 ; ‑

(4)

て証券 (株 式) 流通 部面 に流 れ るわ けで あ り, その結果 金 融市場 の扱能 が先 見 た よ うに働 く, とい うので あ る。 か く して, 銀行 のルボ ール ・ロ ンバ ー ト貸 付 は, 貨 幣市 場 と資 本市場 の結 節点 をなす ので あ る。

2.

ルポール ・ロバンー ト貸付と株価動向

上述 の よ うにル ポ ール ・ロ ンバ ー ト貸付 は貨 幣市 場 と資 本市 場 の結節 点 をな すわ けで あ るが,次 に, この貸付 が通貨 安定 後 の時期 において実 際 に資本市 場

(株 式市 場) にいか に作 用 して いた か を確認 して お こう。

1

図 と第

2

図を見 ると,通 貨安 定後 は戦前 と比 べ て, ルポ ール ・ロ ンバ ー ト

出所 :

Vi er t e l j ahr s he f t ez urKonj unkt ur f or s c hung,Sonde r he f t e36,S.99.

1 0 3により作成。

bedi ngungenderde ut s c henWi r t s c haf t .De rBankkre di t ,1 9 3 0 ,S.1 3 7.

K.Nor dho f f ,Uberdi eLi qui di t at s f r age,i n:Unt er s uc hung de sBank‑

wes ens1 9 3 3

,

I .Te

i

】 ,Bd.I ,S.48 0.

なお,銀行流動性に関するライヒスバ ン クの基準は次のようなものであった。1.現金,外貨,利子 ・配当支払証,発券銀 行及び手形交換所銀行への預ケ金O これ らの資産の預金

Kredi t oren

に対する 比率‑現金流動性

。Ⅰ

.

上記 Ⅰの資産に,手形等,ノス トロ債権を加えたもの。こ れ らの資産の預金に対する比率‑第

1

次流動性

。Ⅰ Ⅰ

.

上記Ⅰの資産に,上場有価 証券に対するルポール ・ロン/ヾ‑ 卜,積み送 りあるいは蔵入 りされた商品に対す る前貸を加えたもの。 これ らの資産の 預金に対する比率‑第2次流動性。Nor

d‑

ho

f

E ,a.a.0. ,S.4 7 9 ‑4 8 0 .

(5)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 5 3‑

2

戦前におけるルポール ・ロンバー ト貸付と株価動向 百万

M

1 5 0 0

1 9 0 11 9 0 21 9 0 31 9 0 41 9 0 51 9 0 6】 9 0 71 9 0 81 9 0 91 9 1 01 9 日 1 91 ZL 9L 3

出所 :

De ut s c heBt ユ nde s bank,De ut s c he sGe l d ‑ und .Bankwe s eni nZahl e n 1 8 7 6 ‑ 1 9 7 5 ,S. 5 8.Ⅴ.Z . KリSonde r hef t e3 6,S,9 7

により作成。

貸付が株価 の動 向に決定的な影響 を与 えていた ことがわか る。 なお, ここで通 貨安定後 という場合,問題 と しうるのは

1 926

年以降である。とい うのは,それ 以前 はあま りに異常事態が支配 していた し, なによ りも,通常 の株式定期取 引 が見 られ るようになったのは 26年以降だか らである5'

0 26

年以降の 株価 の動 きは,景気動 向 とは一致 しない。 例えば

, 26

2

月か ら同年 10月 まで景気 は 低迷す るが, この時期相場 は喧線的 に上昇す る。 また

, 26

年 10月か らの 景気 の上昇 は

2

.

8

年初めまで続 くが,相場 はすでに

27

5

月 に反落す る6'。 株価 の 動 きは,景気動 向か ら独立 し. ルポール ・ロ ン/ヾ‑ ト貸付 の状況 によって強 く 規定 されていたといえよう。一般 に通貨安定後で は,株価 の規定要因 と して, 景気 の動 向や配 当の高 さなどはその意義 を後退 させ,証券信用が決定的な もの

と して前面 に出た, と指摘 され る7'

さて, ルポール ・ロンバー ト貸付 とい う証券信用が株価 の動 向に決定 的 に作 用 したわけであるが, その原因 と しては,何 よ りも,一般的に株式投資 目的 が 戦前 と比べて大 きく変化 した, とい うことが挙 げ られ る。株式 の買 い手であ る 5)

W.Pr i o

z

l ,Di ePr ei s bi l dung anderWer t papi er b 6r s e,ZWEI TE

AUF・

LAGE ,1 9 2 9 ,S. 2 3 2 .

6 ) Pr i on,a.a.0"S. 2 3 2 ‑ 2 3 4 .

7 ) Vgl .Pr i on.a.a.0. .S. 2 4 3.

(6)

戦前 か らの古 い レン トナー層 は イ ンフ レの時期 に 完全 に 投落 し, それ に代 っ て,投機利得 を 目的 と した広範 な買 い手層 が取 引所 に押 し寄 せ たので あ る。株 式投機 の盛行 で あ るこれ は戦前 と比 べて際立 った特質 と して指摘 され る8) このよ うな投機 の活発化 は,相場変動 の激 しさと して現 われ る。 この点 は第

1

図 と第

2

図の比較 か らも窺 われ るが,通貨安定後 における日々 の相場 の揺 れが

7‑1 0%

に も達 した, とい うことにい っそ うよ く現 われて いた。戦前 で は

, 1

日におけ る

4‑ 6

% の相場変動 で さえかな り大 きな もの とみ られた し

, 7‑1 0

% の変動 は危機 的状況 の表現 とみな された。 だが通貨安定後 で は

, 7‑1 0%

揺 れ は頻 繁 に生 じ, いわば常態で あ った とい う。

以上 のよ うな,株式投 機 の著 しい活発化 を背景 に して, また銀行 はその性格 か らして一般 に強気筋 で あ り取 引所取 引 の拡大 に関心 を もつ とい う事情 も加 わ っで ), ルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 は

2 6

年以 降積極 的 に拡大 された

。2 7

5

には ライ ヒスバ ンクの強 い指導 の もとで この貸付 は大幅 に削 減 され るが10), そ の後 28年末頃 まで は, その引 き戻 された水準 で はぼ安定 的 に推移 す る11'(

1

図)。 そ して株価 の方 は, このルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 の動 向 と完全 に見 合 った動 きを見せ, それ に強 い影響 を受 けて いた ことが確認 で きる。結局,銀 行 のルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 の展 開 によって,株価 の動 向は左右 された ので

8 ) Pr i on, a. a.

0

. , S. 2 4 4 ‑ 2 5 5 .なお,株式投資の目的がこのように配当収入ではな

く著 しく投機利得に傾斜 した根本的原因は,当時の経済秩序全体が磨償圧力のも とで不安定性を拭いきれなかった,という点にあったといえよう。経済秩序が不 安定なもとでは株価の評価基礎 (配当政策,金利の動向など) も揺 らぎ, したが

って投機の活躍する余地がより大きかった,と思われる。

9 ) VgLVi er t el j ahr s he f t e z ur Konj unkt ur f or s chung, Sonder he f t e 3 6

,

1 9 3 4,S.2 6.

1 0 ) 1 9 2 7

5

1 2

日,ベル リン印紙連合加盟の大銀行は,突然, ルポール貸付を 制限する旨を発表 した。そして

1

カ月以内に2

5%

が 実際に 削減された。この点

について詳 しくは前掲拙稿を参原のこと。

l l )

なお

,2 9

年からのルポール ・ロンバー ト貸付の減少は, 短期 外国信用の 流入 後退と深い関わりをもつ。短期外国信用の流入後退あるいは流出は

,2 9

年か らの 国際的な貨幣市場の逼迫,それにともなうドイツと外国の金利差の縮小によって もたらされた。Vgl

.DerBankkr edi t ,S. ・ 1 0 4 .

このような短期外国信用の動 向とルボール ・ロンバー ト貸付 との構造的関連については ⅠⅠで述べる。

(7)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場 と証券信用

‑ 5 5‑

1表 国 内 株 式 発 行 高1) (百万 RM)

6 5 6 1 98 8 1 1 4 3 8 1 1 3 3 9 1 9 7 9 1 )

相場価格による払込額

出所

. I St at i s t i s c hesJ ahr buc hf ardasDe ut s c heRei ch ,1 9 3 1 ,S. 3 4 9

あ り,26年以 降 はいわ ば銀 行 が株価 の動 向を必配 して いた,と もいえ るので あ る。 な お,市場 で の株価 の状 況 が,株式 発行 の動 向を規定 す る重要 な一 因で あ る ことはい うまで もな いで あ ろ う。26年後 半 か らの株価 上昇 が株 式発行 の増大 を もた ら した ことは,第1表 か ら窺 い知 れ る120

II 市 中割 引市 場 の縮 小 とル ボ ール ・ロンバ ー ト貸付

Ⅰで見 た よ うに, 銀行 のルポ ール ・ロ ンバ ー ト貸付 は, 貨 幣市場 と資 本市場 の結節点 をなす。 通 貨安定後, 銀行 は 投機 の盛行 とい う事情 を 背景 に して, このルポ ール ・ロ ンバ ー ト貸付 を積極 的 に展 開 したO そ して それ によ り,株価 の動 向を支配 しえた。 ところで, この よ うな意義 を有 す るルボ ール ・ロ ンバ ー ト貸付 は, 銀行 が 自在 に操 つれ る もので はな い。 い うまで もな くこの貸付 は, 貨 幣市場 全体 の資 金 の流 れ の中 に位 置づ いて い るはず だ し, したが って貨 幣市 場 全体 の状 況 によ って規 制 を受 け る, と考 えねば な らな い1㌔ そ こで問題 は,

1 2 ) 2 8

年頃までの 株価の高水準が発行を 刺激 した点について 詳 しくは,前掲拙稿

3 5 4 ‑ 3 5 6

貢を参頗せよ。

1 3

) ルポール ・ロンバー ト貸付はそれ自体で独立 した位置をもつのではな く,貨幣 市場の中で規制を受ける,ということは第

3

図か らも明らかである。ロンバー ト 貸付 (月末貸)の金利と市中割引率 との連動性が確認できようO通常,ロンバー

ト貸付の金利は,ライヒスバ ンク割引率より1‑ 2%高いライヒスバ ンクロンバ ー ト貸付金利に依存するのであり

( E.Bl um,Di ede ut s c henKr edi t m去r kt e

nac h derSt abi l i s i e r ung ,1 9 2 9,S.4 2 )

, したが って市中割引率 もライヒスバ ンク割引率によって規制される限りでは,ロンバー ト貸付の金利と市中割引率は 連動を 示すであろう. だが, 通貨安定後 ライヒスバ ンクロンバー ト貸付は, 担 保適格証券の範囲の 制限により著 しく縮小 し, その金利のもつ意義 も低下 した

( DerBankkr edi t ,S. 1 2 0 )

。しか しなが ら,それにもかかわらず,ロンバー ト貸 付の金利 と市中割引率 との間には連動関係が見 られたわけである。なお,ルボー

(8)

3

市中割引率とロン′ヾ‑ ト貸付 (月末貸)の金利

出所 :

Aus s c huBz urUnt e r s l l C hl l ngderEr z e ugungs ‑undAbs a t 2 be di ngungen derde ut s c henWi r t s c haf t

,Di

eRe i c hs bank,1 9 2 9 ,S.6 1 ‑ 6 2.St .J b.i . d.D.

. ,1 9 3 0 ,S.35 8 ‑ 3 5 9.1 9 3 1 ,S.3 7 8 ‑ 3 7 9

により作成。

通貨安定後 においてルポール ・ロンバ ー ト貸付 が貨 幣市場 か らの規制をどのよ うに受 けていたか, とい うことである。 ただ し通貨安定後 は, 後述す るよう に,貨 幣市場 は戦前 と比べて著 しく縮小す る。 したが って問題 は,改めて具体 的 にす ると,貨 幣市場 のそのよ うな変化 が,ルポール ・ロンバ ー ト貸付 の背後 にある資金的諸条件 にいかな る変容 を もた らしていたか, とい うことである。

なお,貨 幣市場 の変化を見 る場合,具体 的 には市 中割 引市場 を取 りあげる。 と い うのは, それが,戦前 の ドイツでは 「市 中割 引率 は,貨 幣市場 で生 じる変動 の最 も鋭敏な測定器 と して有効 だ った」14'といわれ るほどに代表的な ものだか

ル貸付の金利は,有力貸し手間の協定によってロンバー ト貸付の金利より若干高 めに決められるのであり

( Vgl ,DerBankkr edi t ,S.1 2 6.B】 um,a.a. 0. ,S.

4 2 )

,後者の金利を基準にしていたといえよう。

1 4 ) Pr i on,a.a. 0. ,S. 1 4 0.

(9)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 5 7‑

2

表 市中割引手形の流通額 (百万RM)

240

,

8 1 3

4 9 . 2

1

6 9 6 . 6 6 5 0 . 8

1

8 6 7 . 4 1 7 8 3 . 2

出所 :

E. Puhl , Wi e der auf b aude sGel d‑ undKapi t al mar kt e s

,

i n: Unt er s uchungdesBankwes ens1 93 3

,

Ⅰ .Te

i

l ,Bd.Ⅰ Ⅰ .S.2 2

1.

らである。以下で はまず,通貨安定後 における市 中割 引市場 の変化 を追 い, そ れがいかな る内容を もつ ものであったか, とい うことか ら検討 してい く。

1. 市中割引市場と銀行引受手形

通貨安定後,市 中割 引市場 は著 しく縮小 した。市 中割 引手形 の流通額 は,罪

2

表 に見 られ るように,最大 であった

1 929

年で も

9

RM

以下であった。戦前 の流通額 は少な くとも

22

5000

万 マルクはあった15', とい うか ら, その激減 ぶ りは明 らかである。 そ して この激減 は,何 よ りも, ドイツの銀行 の引受手形 流通 の著 しい後退 によるものなのであった1㌔ ところで, このよ うな市 中割 引 手形流通 の縮小 の原因 は,市 中割 引手形 に対す る需要 の大幅な低下 に求 め られ

る。戦前 に存在 していた 広範 な 買 い 手層‑ 大銀行や 個人銀行商会 など‑

は, もはや買 い手 と して現 われな くな り, もしくは全 く小規模 にだけ買 い入れ るにすぎな くな ったのである17'。市 中割 引市場 の吸収力 の際立 った低下 は,第

3

表 か らも窺 い知れ る。通貨安定後, ドイツの市 中割 引率 は他 の主要諸 国のそ れ よ りも常に高か った。酉 ヨー ロッパ諸国や アメ リカとの差 は

5%

にまで達す ることがあ り

, 2%

以下 にな ることはほとん どなか った。 ドイツの市 中割 引市 場 の吸収力 の相対的弱化 が窺 い知れ る。 なお,戦前で も ドイツの市 中割 引率 は 他 国よ りも高めであったが, その差 はさ した るものではな く,例えば, ロン ド

ンとの差 は%% を超 えは しなか った18)0

さて, ドイツの市 中割 引市場 の吸収力 は戦前 と比べて大幅 に低下 し,そのた

1 5 )1 6 ) DerBal l kkr edi t , S. 1 2 7.

1 7 )

市中割引手形の買い手について詳 しくは

, Vgl .Der Bankkredi t ,S.1 2 7 ‑ 1 2 8 .

1 8 ) DerBankkr edi t ,S.9 3 1 9 4・

(10)

3

蓑 主要諸国における市中割引率 (%)

I )1 9 2 4

1 2

月 の数倍

出所 :

Aus s c hu6z urUnt e r s uc hungde rEr z e ugung‑undAbs at z be di ngungen de rde ut s c he nWi r t s c haf t , De r Bankkr e di t ,S. 9 3.

4

表 ベル リン大銀行の引受信用と外国銀行の引受信用 (百万

RM,%)

1 ( f

a

g )l ( 苧 a s )r ( 冒 6 g )l ( 雪 6 7 . )l1 ( 2 3 3 )11 ( 至 3 3 )J等 2 3 3 )l1 ( Y Z S )

出所 :

De rBankkr e di t ,S. 9 0.

め ドイツの銀行 に とって は 自行 引受手形 の使用 の抑 制 を余儀 な くされた ので あ り, その流通額 は著 しく後退 したので あ る0第

4

表 は, ドイツの顧客 に対 して 与 え られた, ベル リン大銀行 の引受信用 の規模 を表 わ して い る「自行 引受手

形」 はベル リン大銀行 の引受手形 の流通額 を表 わす「顧客 のための第

3

着 か らの借入金」 は,外 国銀行 の引受信用 が ドイツの銀行 に仲 介 されて ドイツの顧 客 (輸 出入業者) に対 して与 え られ る際, ドイツの銀行 が外 国銀行 に対 して負 う負債項 目で あ り,利用 された外 国銀行 の引受手形 の額 を表 す もので あ る1 この裏 に見 られ るよ うに,1

91 3

年 末で は ベル リン大銀行 の 引受手形 の 流通額 はおよそ

1 2

億 マル クで あ り,外 国銀行 のそれ は

2, 600

万 マル クに す ぎな か っ

1 9 ) De rBankkr e di t ,S. 8 9 1 9 0.

(11)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 5 9

た。だが,両者の比率 は通貨安定後 に逆転する。 ドイツの引受手形は,24年 に はおよそ

2 . 0 0 0

R

M までに減少 し,その後ただゆっくりと,そ して僅 かな規 模でだけ回復するにすぎない。なお,第 4表 の 「自行引受手形」 には金融引受 手形

Ei gene Fi nanz akzept e

がかな り含まれているOこれを除いて,純然た る貿易金融に用い られた引受手形 (ランプール引受手形

Ei geneRembour s

akz ept e )

だけに限ってみると

,1 9 1 3

年末では貿易金融のおよそ

9 5%

が ドイ ツの銀行 の引受手形 によって行われ,残 り

5%

だけが外国銀行の引受手形 によ るものであった。 そ して

1 9 3 0

年央 にはこの比率は正反対 とな り, ドイツの銀 行の引受手形 の利用 は僅か

6%

とな り,外国銀行の外貨建引受手形の利用が

9 4

%にまで達 したのである20)0

以上 のように, 通貨安定後, ドイツの 市中割引市場の 吸収力 は 大幅 に弱 ま り,そ してそのことが ドイツの銀行 の引受手形流通 を困難 にさせ, ドイツの銀 行 の引受信用を著 しく後退 させたのである。戦前 には市 中割 引市場が十分に機 能 し, それが ドイツの銀行の引受信用 の拡大 の条件 となっていたのだが, その ような構造が完全 に崩れたわけである。その結果,主 と して ドイツの貿易金融 に役立 っていた ドイツの銀行 の引受手形は,外国銀行 のそれにすっか り取 って 代 られたのである。 ドイツの市中割 引率 は外国のそれより常 に高かったので, 当然なが ら外国の割引市場で安価 に割 引かれ る外国銀行の引受手形が代 って用 い られるようになったのである。市中割 引市場 の縮小は,か くして,何 よりも

ドイツの銀行の引受信用を直撃 し, その著 しい後退 という事 態を もた らしたの である。

2.

ルポール ・ロンバー ト貸付の資金的基盤

道化安定後, ドイツの市中割 引市場は 著 しく縮少 したO その結果, 何 よ り ち, ドイツの銀行の引受信用 は,貿易金融 に関す る限 りでは,外 国銀行の引受 信用 にはぼ完全 に取 って代 られたp さて問題は, このような市 中割引市場 の縮 小 による ドイツの銀行の引受信用 の際立 った後退 は,ルボール ・ロンバー ト貸 付を支える資金的諸条件の内部にいかなる変容をもた らす ことになったか' と

2 0 ) pe rf ‡ ank kr e d i t . S.9 1 ‑ 9 2 .

(12)

い うことで あ る。 この点 を明 らか にす るため には, まず, ドイツの銀行 の引受 信用 が十 分 な展 開を遂 げた戦前 の場合 を取 りあげ, その構造 とルポール ・ロン バ ー ト貸付 との間 にどのよ うな資金 的脈箔 が存在 していたのか, とい うことを 探 らねばな らない。以下 で は この点 か ら検 討 して い くが, ドイツの銀行 の引受 信用 の構造 とい う場 合,貿易金融 と関わ るそれを取 りあげる21'。

(1) 戦前 で は, ドイツの銀行 の引受信用 は, かな りの程度, そ して不 断に 増大 す る傾 向を もって, ドイツの貿易金融 を担 って いた。 と りわ け, ドイツの 輸入 に際 して, マル ク建 の ドイツの銀行宛手形 が海外 の輸 出者 によ って大規模 に振 り出 された22)。 そ こで, 戦前 において ドイツの銀行 の引受信用 が ドイツの 輸入 に際 して利用 された場合 を取 りあげて み ると, その構造 は大略次 のよ うな

もので あ った23)O

① ドイツの輸入 商 は外 国か らの輸入 に際 して, ドイツの取 引銀行 に商業信用 状 の発行 を依顛す る。 ② ドイツの輸入面 は, 発 行 された 商業信用状 に もとづ き,外 国輸 出商 に, この ドイツの銀行宛 の手形 を振 り出 させ る。㊥外 国輸 出商 は手形 を摂 り出 し,船積 み書類 を添 えて この手形 を外 国銀行 に売却 す る (輸 出 代金 の受 け取 り)0 ④外 国銀行 は買 い取 った手形 と船積 み書類 を ドイツの銀行

21 )

ドイツの銀行の引受信用が,戦前において貿易金融のみならず国内の産業金融 などに多様に利用されたことは, Ri

es s er

の研究にもとづいてつとに指摘され ている (斎藤晴造 『ドイツ銀行史の研究』

,1 9 2

頁,居城弘 「

1

大戦前 ドイツ信 用制度に関する覚え書き」 静岡大学 『法経研究』第

2 7

巻第

4

号, 1

0 2‑1 0 3

頁参 臓)。このような引受手形の多様な利用にもかかわらず,小稿で引受信用を貿易金 融だけに関わらせて考察するのは,元来 ドイツの引受手形はランプール業務,す なわち貿易金融において発展 したものであり (斎藤,前掲書,1

9 2

頁), したがっ て引受信用の本来的な意義は貿易金融にある,と考えるか らである。さらに,磨 述のように,市中割引市場の著 しい縮小によって もたらされた最 も際立った変化 は, ドイツの貿易金融に利用される引受手形のうえに表われていたか らである。

2 2 )

なお, ドイツの銀行の引受手形が ドイツの輸出に際して利用されたのは,小規 に留まっていた

cDerBankkr edi t ,S.8 8 1 8 9.

23 )

戦前における ドイツの銀行による貿易金融については,居城弘 「ドイツ金融資 本と国際的信用制度の展開

H 」

(法経研究EI第30巻 第3・4号) が詳 しい。 以 下の引受信用の構造は居城論文による。

(13)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 6 1

4

決済資金の流れ (独銀引受手形の利用の場合)

に送付 し,手形 は ドイツの銀行 によって引受 けを与 え られ,船積 み書類 は ドイ ッの銀行か ら ドイツの輸入商 に貸渡 され る (ドイツの銀行 による商品担保貸付

積 み送 りあるいは蔵入 りされた商品 に対す る前貸

〕 ) 0

⑤ 引受 けを与え られた 手形 は ドイツの市 中割 引市場 で割 引かれ,外 国銀行 の債権 は現金化 し, それが ドイツ国内に預金 を形成す る.他方,手形 自体 は満期 まで流通す るO⑥ ドイツ の輸入商 は, 手形 の満期 日まで に, ドイツの 銀行 に対 して 輸入代金 を支払 う (ドイツの銀行 は商品担保貸付 を回収)。 ⑦ ドイツの銀行 は満期 となった 自行 引受手形 に対 して支払 いをなす (引受債務 の返済)0

さて, ドイツの銀行 の引受 手形 が ドイツの輸入金融 に利用 された場合 の構造 は大略以上 のような ものであったが,行論 との関わ りで ここで と くに注 目 した いことは,上記⑤ に見 られ るように, ドイツ国内に外国銀行 の預金 が形成 され る, とい う点である。 この預金形成 は, ドイツに送 られた ドイツの銀行 引受手 形 が ドイツの割 引市場で割 引かれて現金化 し,それが ドイツ国内に留 まること によって もた らされ る。 この銀行 引受手形 の現金化 は, 当面 はそれを割 引いた 銀行 の資金 によってなされ るが,結局 は, 引受銀行が満期 とな った 自行 引受手 形 に対 して支払 いをなす ことによって完遂 され る。 そ して この支払 いは' ドイ

(14)

ツの輸入者 か ら商品担保貸付 を回収 して行 われ るので あ る。 以上 の よ うに, ド イツの市 中割 引市場 の十 全 な洩 能 を前 提 に して, ドイツの銀行 の引受手形 が ド イ ツの輸入金 融 に利用 され る ことによ って, ドイツ国 内 に全 く新 た に外 国銀行 の預金 が形成 され る ことにな るZ'(

4

図参 照)O この預金 は,上 記 の よ うにマ ル ク建 手形 が 割 引かれ る ことによ って (あ るいは, 引受銀行 の 支払 い に よ っ て) 形成 され るのだ か ら, マル ク建 で あ る。 そ して それ は,通 貨安 定後 で は,

ドイツに対 す る外 国現金信用

Di eaus l andi s c henBar kr edi t e

流入 の一形態 で あ る と ころの 即 日払 ライ ヒス マル ク預 金

Di e t agl i c h f al l i gen Rei chs一 mar kgut baben

を なす もの25㌧ といえ よ う。

さて, このよ うな形態 で ドイツ国 内 に新 た に形成 され る外 国銀行 の預金 は, どの よ うに利用 され るで あろ うか。 この預 金 の短期 性 を考慮 す るな ら, それ を 受 け入 れ た ドイツの銀行 に とって も, そ の資 産運用 は短期 的 な もので行 わ ざる を えな いで あろ う。 短期 的 な資 産 運用 とは,現 金準備 を別 とす れ ば, 手形, / ス トロ債権, ル ポール ・ロ ンバ ー ト貸付 で あ る26㌧ そ して, これ らの資 産 のな かで も, ル ポール ・ロ ンバ ー ト貸付 へ の運用 が ヨ リ適 合 的 と考 え られ る。 とい

24 )

ドイツの銀行の引受手形が ドイツの輸出金融に利用された場合,このような預 金形成が ドイツ国内に新たに生 じるとは必ず しもいえないであろう。 というの は,この場合,次のような成 り行きとなるか らである。 ドイツの輸出者は ドイツ の引受銀行宛に手形を振り出すOこの引受銀行は外国輸入者か ら商品担保貸付を 回収 し,それによって, ドイツの割引市場を経由して満期とIi:った自行引受手形 に対 して支払いをなす。このようにして支払われた資金は,結局は. ドイツの輸 出者の外国輸入者に対する輸出代金を現金化 しているわけである。そして. ドイ ツの輸出者は,現金回収 した輸出代金を,その性格上必ず しも預金するとは限ら ないであろう。

2 5 )

なお, ドイツの銀行のバランスシー トでは, これは,預金

Kr e d i t o r e n

の中 の手数料不用勘定に記入される。外国現金信用に関 して 詳 し くは

,Vg l .De r Ba nk kr e di t ,S.8 3 .

2 6 )

これらの資産は,預金に対する支払準備の性格をもつ。資産の短期性 とは,具 体的にはこのような意味を もっている (前注4)参照)。 なあ ここで 商品担保 貸付

(

積み送 りあるいは蔵入 りされた商品に対する前貸

」 )

を除いたのは,それ が,流入 した預金で新たに貸付けるというものではないか らである。それは,引 受銀行が自行引受手形の額だけ債務を負 うのに頗応して,輸入者への商品貸渡 し

という形態で生 じる債権である。

(15)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 6 3

うのは, 問題 とす る外 国銀行 の預金 は, ドイツの引受銀行 が商品担保貸付 を回 収 して 引受手形 に対 す る支払 いをなす ことによって生 じるか らであ り, そ して この商品担保貸付 とルポール ・ロンバ ー ト貸付 は同 じ

2

線準備 に属 す るか らで あ る。 す なわ ち,外 国銀行 の預金 がルボール ・ロンバ ー ト貸付 に用 い られた場 令,迂 回的で はあ るが,商品担保貸付 がルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 へ資産転換 した とみ ることがで きる し, そ して この資産転換 は同 じ

2

線準備 の枠 内の事柄 な ので あ り, ヨ リ容易 な転換 と考 え うるか らであ る。

ドイツの銀行 の引受手形 の利用 によ って形成 されて くる外 国銀行 の預金 は, 以上 のよ うに, ルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 へ ヨ リ容易 に流れ る, と考 え ること がで きるでのであ る. もちろん, この預金 が, ルボール ・ロ ンバ ー ト貸付以外 の他 の短期資産 に向 け られ ること もあ りうる。 だが,例 えば,手形 の買 い入 れ に用 い られた と して も, それか らルポール .ロ ンバ ー ト貸付 へ の転換 は容易 に 生 じるで あろ う し27), また /ス トロ債権 について も同様 の ことがいえ るで あろ

う 2

か くして, ドイツの銀行 の 引受信用 が ドイツの 輸入 に際 して 与 え られた場 令, その構造 とルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 との間 には, 以上 に見 た よ うな資金

2 7 )

割引手形の市中への供給は,月の2

5

日くらいまでは ほとんど弱 く,月末に強 くなる。銀行は月

に割引手形を売却 し,調達 した資金で月末需要に応えるわけ である

( Vgl .De rBankkr edi t .S.1 2 9 )

.結局,月末には,銀行は手形か らロ

ンバー ト貸付 (月末貸)へと資産転換を行 う,といえよう。

2 8 )

ノス トロ債権は,内外の銀行に対する短期債権であり,内外の銀行か ら受け入 れた短期信用の支払準備 という意義をもつ (c

f

.

P. B.Whal e, J oi ntSt oc kBank‑

i ngi n Ger many,1 9 3 0 ,pp.1 4 7 ‑1 4 8 ,Vgl .De rBankkre di t ,S.1 4 8 )

。とく に,外国銀行か ら短期信用を取 り入れた場合,貸 し手である外国銀行によって, 適度の水準でノス トロ債権を維持するように求められる

( Nor dho

f

E ,a.a.0.

,

S.4 8 8 )

。この場合, 流入した短期外国信用の一部が ノス トロ債権の積み増 しへ

と用いられるわけである。このようにノス トロ債権は他銀行に対する支払準備 と いう性格をもつが.この資産 もまたルポール ・ロンバ→ 卜貸付へと転換されるこ とがありうる。実際.後述するように,ライヒスバ ンクの信用制限により手形の 再割が制限される晩 手形の代りにノス トロ債権を取り崩 して資金調達し,月末 貸 (ロンバー ト貸付)を行 う,という事態が安定後に生 じたO

(16)

的脈啓を兄 い出す ことがで きるのであ り, その構造 の中に必然的に生 じる外国 銀行の預金 はいわばルボール ・ロンバー ト貸付を支える資金的基盤をな してい た, ということがで きるのである。 そ して, ドイツの銀行 の引受信用供与は, 市 中割引市場 の十分な展開を条件 とす るものであった。 ここで,諸関連 につい て要点を示 してお くと次 の ようになる。 十分 に 機能する市 中割 引市場 の存在 は, ドイツの銀行 の引受手形 の流通を可 能にする。 このことが, ドイツの銀行 の引受信用供与の条件をな していた。 ドイツの銀行 の引受信用供与の結果, 引 受手形 に対す る支払いは外国銀行の預金 として ドイツ国内に沈澱す る。 この預 金 は, その短期的性格のゆえに,ルポール ・ロンバー ト貸付,手形, ノス トロ 債権へ と運用 され る (

2

着 は, ルポール ・ロンバー ト貸付への転換可能)0 結局,市 中割引市場 の十分な展開は, このような諸関連 を通 じて, ルポール ・

ロンバー ト貸付を支 える重要な条件 となっていた, ということがで きるのであ ルポール ・ロンバ‑ ト琴付が貨幣市場 (市 中割 引市場)の動 向によって規 制を受 ける, というのは,具体的にはこのような意味においてである。

(2)

上述の諸関連 は,通貨安定後,決定的 に変化す る。既述 のように,戟 級, ドイツ の市 中割 引市場 は 「もはや存在 しなかった」29) といわれるほどに 縮小 し,漸次 に再建 されつつあったに して も全 く小規模で しかなかった。そ し て, ドイツの輸入 に際 して外国が振 り出す ドイツの銀行宛の手形 は著 しく減少

したO一般 に通貨安定後では,国際的取引においてマルク建の銀行引受手形 は その意義 を全 く喪失 し, アメ リカ, オ ランダ, イギ リスの銀行引受手形 によっ てはぼ完全 に取 って代 られたのである30'

このような状況のなかで ドイツの輸入者 は, ドイツの銀行 の引受手形を利用 するのではな く, ドイツの銀行 と取引関係を有す る外国銀行宛 の手形 を輸出者 に振 り出させ ることになる。ただ し, この外国銀行 の引受信用 は, ドイツの銀 行 に媒介 され ることによって与え られた。 この場合 の構造 について要点を示す と次のようになる。外国の輸出者 は,戦前 と異 って外国銀行宛の手形を振 り出 し, 引受けを与え られ る。そのためこの引受手形の満期 には,外国銀行 に支払

2 9 )3 0 ) De rBank kr e d i t ,S.8 9 .

(17)

通貨安定後の ドイツlこおける貨幣市場 と証券信用

‑ 6 5‑

い責任 が生 じるOか くして外 国銀行 は引受債務 を負 うが, それに対応 す る債権 は ドイツの銀行 に対 して もつO この外国銀行 の債権 は, ドイツの銀行 の側 で は

「顧客 のための第

3

着 か らの借入金」 という負債項 目で表 われ る。 ドイツの銀 行 は, この債務 に対応 す る債権 を, 商品担保貸付 と して もつ30。

さて, このよ うな構造 の もとでは事態 の成行 きは次 のよ うにな る。外 国銀行 の引受手形 は, もっぱ ら外 国の割 引市場 ITL割 引かれ, 流通 す る. 満期 には こ の外国引受銀行 が手形支払 いをなすが, そのため には,満期以前 に ドイツの銀 行 に対 す る債権 を回収せねばな らな いOす なわ ち. ドイツの銀行 は商品担保貸 付 回収 と同時 に外国銀行 に対 して 「顧客 のための第

3

着 か らの借入金」 を返済

し,外 国銀行 は これ を引受手形 の満期 支払 いに用 い る, とい うわ けであ る。

ここに,戦前 と比 べて きわめて大 きな違 いが生 じることになる。 それは, ド イツ国 内に外 国銀行 の頭金が形成 されない とい う点 であ るC とい うのは,利用 された のが外 国銀行 の引受手形 で あ るか らで ある。すなわ ち, ドイツの銀行 は 商品担保貸付 を回収 して債務支払 をいをな し, この点で は戦前 の場合 と変 ると ころがないが (ただ し,戦前 の場合は 「引受手形」 に対 す る支払 いだが, それ が 「顧客 のための第

3

者 か らの借入金」 の返済 とい うよ うに変 る), 他方 で外 国銀行 は満期 となった引受手形 に支払 わねはな らず, そのため に ドイツの鋭行 に対 す るこの債権 を確実 に回収 す るか らで あ る。外 国銀行 の債権 は.務金 と し て ドイツ国内には もはや留 ま らないのであ る (

5

図参周)。 この 乙とは, ド イツに対す る外国現金信用 の一形態で ある即 日払 ライ ヒスマルク預 金 が通貨安 定後 には後退 した, とい うことに端的 に現 われて いた32'。以上 のよ うに, ドイ ツの輸 入 に際 して外国銀行 の引受手形 が用 い られ るよ うになった ことによ り, 以前に見 られた外 国銀行 の預金 は もはや形成 されな くな るのだが, この ことは 結局, ルポール ・ロ ンバー ト貸付 を支 えて いた重要 な資金的基盤 が崩れた とい

31 ) Vgl .De rBankkr e di t .S.8 9 ‑ 9 0.

3 2 )

このライヒスマルク信用は

,1 9 2 5

年と2

8

年には一時的増大をみるものの,外 国零金信用全体に占める割合はきわめて低 く,他方で外国現金信用のもう一つの 形嵐 すなわち,外貨での期限付資金

GeL derauff es tTer m i ne

は優勢であ

。DerBankkr e di t ,S.84 1 8 5.

(18)

5

決済資金の流れ (外銀引受手形の利用の場合)

独輸入者の 輸入代金

外匡l輸出者の

輸出代金

うことを意味す るで あ ろ う。

ところで,上記 のよ うに ライ ヒス マル ク信用 (預金) は後退 した と して も, 通通貨安定後 で は外 国現金信用全体 の流入 は著 しか った, とい うことはつ とに 指摘 され る。 それ は外貨建 の期 限付資金

Gel derauff estTermi ne

の著 し

い増大 によ る もので あった3㌔ この外貨貸付 は, ほとん どが

1‑3

カ月 の期 限 を もつ もので あるが, その利 子率 は一般 的約定 によるので はな く, ドイツと外 国の当該 銀行間 におけるその時 々の口頭で の諒解 によって決め られた。 ライ ヒ スマル ク信用 (預金) が外 国銀行 の ドイツ国内での業務‑ 手形 の現金 回収 な ど‑ によ って いわば 自然形成 的 に生 じるの と比 べ ると, この外貨建信用 の方 は, ドイツの銀行 が意識的 に取 り入 れを図 らね ばな らない もので あ り, きわめ

33 )

ドイツに流入 した外国現金信用の,ライヒスマルクでの信用 (預金)と外貨で のそれの構成比率は明白とはならない。というのは,これらは, ドイツの銀行の バランスシー トに

, Kre di t oren

の 「手数料不用勘定」 と 「その他の債権者勘 定」という項目に ドイツ国内の預金とともに無区別に記帳されるからである。だ が,前注で も触れたが,通貨安定後における外国現金信用流入の主要構成要素を なしたのは外貨建の期限付資金であったし

( Der Bankkr edi t ,S・8 3 )

, また, 外国の貸付のかなりの部分が外貨での貸付 であったことは確かである

( Whal e

,

op. c i t りp. 2 6 8 )

,といわれている。

(19)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 6 7

て浮動的な性格 を有す るものであった34)。通貨安定後, このよ うな外貨建信用 が著 しく流入 し, ライ ヒスマルク信用 の後退を埋 め合わせていたのであ る。

さて, ライ ヒスル ク信用 の後退 とは対称 をな して ドイツに流入 した外貨建 信用 は, ルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 を支 え る資金的基盤た る意義 を もライ ヒス マル ク信用 に代 って受 け取 ることにな る。 例えば

1 926

年 には, マルク釘付 に によって ドイツの銀行 は為替 リス クな しに安価 な外貨 を取 り入 れ, それを ライ ヒスバ ンクへ差 し出 してマル クを調達 し,月末金融35)を行 っていたo また, マ

ル ク釘付廃止以降で も, 同様 に外貨取 り入 れによって ライ ヒスバ ンクか らマル クを調達 し,月末金融を行 う, とい う状況が見 られた

027

年 後半 の 事態 がそ うで ある36'。両時期 ともライ ヒスバ ンク割 引率 は比率的高位 にあ り37), したが って月末金融のための資金 を手形 の再割 によって ライ ヒスバ ンクか ら調達す る ことは相対的に困難であった。 このよ うに保有手形残高 の利用 も相対 的 に困難 であ り,他方 では外 国銀行 の ライ ヒスマル ク信用 の流入 は後退 したのだか ら, この場合 ドイツの銀行 にとっては必然的 に外貨建 の短期信用 の取 り入 れを図 ら ざるをえなか ったわ けである。 同様 のことが,1

929

年 に ライ ヒス バ ンクが信 用制限 を行 った際に見 られた。 この場合,やは り手形 の再割 によるマルクの調 達 が困難 となったので, ドイツの 銀行 は外貨取 り入れの 必要性 を 強 く認識 し た38). このよ うに して, 取 り入れ られた外貨 が 月末金融 に 用 い られたので あ る。 ただ し, この外貨 は・直接 に月末黛へ と運用 され るのではな く, 当面 はノス

3 4 )

この外貨建信用は,繰延べや回収が頻繁に行われ,また,国際間の金利差を目 的とする純粋に投機的な性格を もつもので あった,と もいわれる。Vgl

.Der Bankkr e di t ,S.8 3.

生州栄治 『現代銀行論』

,6 6

貢参照。

3 5 )

月末金融もしくは月末責というのは,ある月末から次の月末までのロンバー ト 貸付である。それは,強気投機に,月末清算の繰延べを可能にするものであり, ルボール貸付と全 く同じ意義を有 した. この点について詳しくは

, Whal e,op.

c i t . ,pp.1 1 5 ‑ 1

1

6

,前掲拙稿参腰。

3 6 ) Vgl .DerBankkre di t ,S.1 4 9 ‑1 5 0.

3 7 )

ライヒスバンク割引率は

, 2 7

年前半が5%と最 も低 く

, 2 6

年 及び

2 7

年後半 は6‑ 7%であった。

3 8 ) Vgl .perBankkre di t ,S.1 4 5 ‑ 1 4 6.

(20)

5

ベル リン大銀行の短期資産構成 (百万RM,%)

3 2

缶 0

4

)

I1 7 1 ( %S ) I2 2 6 ( i b a ) I

33%

e b S ) I

37%8

) I4 6 3 3 ) I4 8 5 ( e b S )I

391(ら喜) 出所 :

Di eBank

所収のバ ランスシー トにより作成O

トロ債 権 と して資 産 保 有 され, それ が月 末 に取 り崩 され て, す なわ ち ライ ヒス バ ンクへ の外 貨 差 し出 しによ ってル クが調 達 され, 月 末金 融 が行 わ れ て いた ので あ る。 この点 は, 通 貨安 定 後 に お け るノス トロ債権 の意義 の増 大 とい う形 で現 わ れ た39)O ドイ ツの銀 行 は, ノス トロ債 権 の積 み増 しを積 極 的 に行 い (

5

表参 照), 月 末金 融 に備 えた ので あ る。

か く して, ドイ ツの銀 行 は, 外 国銀 行 の いわ ば 自然 形 成 的 な預 金 (ライ ヒス マ ル ク信 用 ) の後 退 を埋 め合 わせ るた め に, 外 貨 建信 用 の取 り入 れ拡大 を意 識 的 に図 り, それ を も って月 末 貸 を行 った わ けで あ る。 外 国銀 行 か らの外 貨 建信 用 が, ライ ヒス マ ル ク信 用 に代 って ル ポ ール ・ロ ンバ ー ト貸 付 を支 えて いた と

い う こ とにな る。

以 上 で見 た よ うに, 通 貨安 定 後 , ドイ ツ国 内 にいわ ば 自然形 成 され る外 国銀 行 の ラ イ ヒス マ ル ク預 金 は後 退 し, そ の限 りで は, ル ポ ー ル ・ロ ンバ ー ト貸 付

3 9 )

ノス トロ債権は,戦前 と異 って,他銀行に対する支払準備 とい う役割に留ま ら ず,保有手形残高の利用が困難な場合 (ライヒスバ ンク割引率が高い, もしくは ライ ヒスバ ンクの信用制限が実施 される場合), それに代 って ライ ヒスバ ンクか らマルクを調達する手段 ともなった。 このような事情を背景 として,戦後 になっ て,ノス トロ債権が現金,手形 とな らんで第

1

次流通資産 として認め られるよう になったのである

。pe rBank kr e d i t ,S.1 4 8.

(21)

通貨安定後の ドイツにおける貨幣市場と証券信用

‑ 6 9‑

を支え る重要な資金的基盤 は崩れた といえ る。だがそれに代 って, ドイツの銀 行 は, きわめて浮動性 の強い外貨建信用 の取 り入れを意識的 に拡大 し, それ に よって月末金融を行 ったのである。外貨建期 限付資金 のルボール ・ロンバ ー ト 貸付への利用であった。 か くして, ルボール ・ロンバー ト貸付 は, それを支 え

る資金的基盤が大 きく変化 しなが らも

,26, 2 7

年 におけるよ うな 積極的な展 開 を見せたのである。

ルポール ・ロ ンバ ー ト貸付 は,貨幣市場 と資本市場 の結節点 をなす。 この貸 付 の資本市場 (株式市場)への影響 は,通貨安定後,決定的な ものであったO ドイツの大銀行 は, この貸付 を通 じて,株価 の動 向を支配 しえたのである。金 融市場 は, ルポール ・ロンバ ー ト貸付 ‑ 資本市場 (株式市場) とい う 部面 で は, きわめて効果的 に機能 し,銀行 による株式 の引受発行 が支 え られ, か くし て金融資本 的蓄積が推進せ しめ られた, とい うことがで きるのである。

しか しなが ら, このよ うな意義 を有 したルポール ・ロンバー ト貸付 は,銀行 が これを 自在 に操れ るものではない。 い うまで もな くそれは,貨幣市場全体 の 状況 によって規制を受 ける, と考 えねばな らない。 この規制関係 の把握 は,例 えば,貨 幣市場 における市 中割 引率 とロ ンバー ト貸付利率 との連動性 を指摘す る, といった表面的な ものでは十分でない。 ヨ リ構造的 に貨 幣市場 における資 金 の流れに着 目す る必要があったこのよ うな観点 か ら, ルポール ・ロンバ ー ト貸付 が貨幣市場 の中でどのよ うに規制を受 けるか, とい うことを問題 に した 場合, そ こには,市 中割 引市場 の十全 な展 開がルポール ・ロンバ ー ト貸付 の資 金 的基盤を も用意す る, といった関連 が兄 い出 されたのである。具体 的 にい う な らば次 のよ うな関連であった。すなわ ち,十全 に機能す る市 中割 引市場 の存 在 は,何 よ りも ドイツの銀行 の引受手形流通 を,したが って ドイツの銀行 の引受 信用供 与を可能 に していたのであ り, この引受信用 が貿易金融 に用 い られ る結 果, ドイツ国内に外 国銀行 のマル ク建 の預金がいわば 自然形成的 に生 じる。 そ して, この外国銀行 の預金 は, その性格上 ルボール ・ロンバ ー ト貸付へ と運用 され る, とい うのである。か くして,市 中割 引市場 の存在 は, このよ うな資金

(22)

的脈落 を もって, ルボール ・ロンバ ー ト貸付 を支え る重要な条件 ともなってい たのである。だが,通貨安定後, このよ うな諸関連 は大 きな変容 を余儀 な くさ れ る。市 中割 引市場 は 「もはや存在 しなか った」 といわれ るほどに縮小 し, ド イツの銀行 の引受信用 ははば完全 に外 国銀行 のそれ に取 って代わ られたO その 結果,外 国銀行 の預金 は形成 されず, この限 りでルポール ・ロンバ ー ト貸付 は その重要 な資金的基盤 を失 うことにな る。 そ して, このよ うな空隙を埋 め合わ せ るためには, ドイツの銀行 は,意識的 ・積極 的 にきわめて浮動的な外貨 の取 り入 れ (外貨建信用 の流入)拡大 を図 らざるをえなかったのである。結局,逮 貨安定後,市 中割 引市場 の機能喪失 の もとで, ルポール ・ロンバ ー ト貸付 はそ の資金 的基盤 を,外 国銀行 か らの ヨ リ浮動的な信用取 り入れ に求 めざるをえな か ったわけである ルボール ・ロ ンバー ト貸付 が貨 幣市場全体 の状況 によって 規制 を受 けるとい うことも,通貨安定後で は, その規制関係 は上記 のよ うに大

きく変化 していたのである。

以上 のよ うに,通貨安定後 における ドイツの金融市場 は, ルポール ・ロンバ ー ト貸付‑資本市場 (株式市場) とい う部面で は効率的 に機能 した とす ること がで きるが,他面でルボール ・ロ ンバ ー ト貸付 自体 を支 え る貨 幣市場 の状況 ・ 資金的基盤 とい う点 に注 目 してみると, きわめて脆弱な構造 であった といわね

ばな らないのである。金融市場 が効率的 に機能 したといって も, それは, 自然 形成的 に生 じる外国銀行 の預金 にで はな く,浮動性 の ヨ リ強い外国信用 の意識 的取 り入 れ に依存 していたか らである。 そ して,金融市場 の このよ うな構造 的 脆弱性 は

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年の 銀行恐慌 によ って露呈 され ることになるのである。

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