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∞ 松本奈緒

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(1)

秋田大学教育文化学部研究紀要教育科学部門 6 7  

pp. 

1  ‑8  2 0 1 2  

保健体育科教育学概論 Eにおける授業の工夫

一専門職就業への意識づけとデイスカッションを通じた

学習者の知識体系構築を目指してー 松 本 奈 緒

Effective Teaching Methods at Lecture of Sport Pedagogy: 

For Building Student's Motivation to be Physical Education Teacher and Student' Expertise through Discussion 

Naho MATSUMOTO 

The purpose of the present study was to investigate what were effective teaching methods for university  student learning knowledge of sport pedagogy and to make cIear how to teach using those methods at Akita  University. In this study, at this cIass which is  one of a required subject for physicaI education teacher Iicense,  students participate in learning knowledge of sport pedagogy through keywords, viewing DVD about PE cIass at  school, discussion about sport pedagogy topic and summarizing using three key words, intermediary check test,  lecture from expert inservice teacher. Student thought the most effective teaching methods was a lecture from  expert inservice teacher, and the second were discussion and viewing DVD about PE cIass at school.  A1though  there are opinions which it  was effective lecture using books and paper materiaIand intermediary check test, too.  The suggestion are balanced both type of teaching methods; input and output, student lead and teacher lead  knowledge from Iiterature and knowledge from real inservice teacher, must be effective. 

Key words : PETE, effective teaching methods, discussion, studnt'expertise 

1.はじめに

教師教育における身につけるべき知識とは何であろう か,またその知識習得にふさわしい教育方法とはどんな 方法であるのだろうか。体育科教育は専門職としての体 育教師養成と最新の研空成果を踏まえた知識体系を持つ 専門科学としての性格の両面を持つ。特に専門職者とし ての体育教師を定義するならば,専門的知識と実践力を 備え,かつ教育学に基づいた思考のできる者を示す(高 橋.22.  p.2)。実践力と専門的知識のバランスが重要 なのである。大学における教師教育において,模擬授業 を中心とした実践力形成についての論文は多くみられる (日野.2009;福ヶ迫.2007;米村.2011).  しかし,理論 科目である概論についての研究はほとんど存在しない。

模擬授業を通じての実践力育成は教育実習を視野に入れ た体育教師教育にとって不可欠であり,専門職として体 育授業を教える為のスキル習得という意味で大変重要で ある。一方で保健体育科教育学の概論科目において何を どのように教えるのか,模擬授業を行う演習科目や教育 実習とどう関連付けていくのかという問題も体育教師養 成を全体として考える意味で重要性があると考えるが,

ほとんど論議がなく研究としてまとめられたものは少な い。そこで本研究では,大学の体育教師教育において.

保健体育科教育学概論の効果的な方法に着目し,本研究 者の大学の実践を通じてよりよい体育教師養成に関わる 概論授業の方法について模索したい。具体的には,教師 教育における知識の習得を目指した授業での効果的な方 法を考察し,学生にとって効果的であると受け取られる 授業方法とは何か,その具体的な方法とはどのようなも のであるのかを明らかにすることを目的とする。なお,

方法については方法そのものが独立して存在するわけで はなく,内容や習得する知識と対応して存在すると捉え,

本研究ではその関連性についても論じることとする。

2.方法

対象となるのは平成23年度実施された保健体育科教 育学概論 Eであり,これは中学校,高等学校の保健体育 科教諭免許取得のための必修科目である。履修者は教育 文化学部所属学生10名であり,全員3年生である。調 査方法としては授業方法に関するアンケート調査を授業 全体の終了後に行った。また,学生の授業終了後に記

EA

(2)

Akita University Akita University

秋 田 大 学 教 育 文 化 学 部 研 究 紀 要 教 育 科 学 部 門 第

67

入した毎時間の感想,授業者が記録した授業日誌等も参 考とし総合的に考察を行った。

3.授業の概要

保健体育科教育学概論Eの授業内容に関しては表1 通りであり.教師論, 目標・内容論,授業評価法,事例 研究の紹介,教材づくり等幅広い内容を講義やデイス カッションを取り入れながら学習を行った。本研究者(授 業実施者)が目指すのは体育科教育学の専門的知識と実 践的な知識両面の習得,保健体育教諭という仕事に対し ての職業意識の形成である。本研究者が本学の専任教官 としてこの授業を担当するのは5年目であるが,授業評 価やアンケートを活用しながら毎年授業内容を振り返 り,授業改善を行っている。授業では,紙媒体の資料に よる説明,パワーポイントによる発表,映像を用いての 体育授業の観察・教材研究,図書館での調べ学習,デイ スカッシヨン,グループワーク等,多様な指導方法を用 いるよう心がけた。特に今年度はこれまで、行ってきた内 容に加え,ゲストティーチャーの活用やデイスカッショ ンの発表方法の改善,中間試験の導入等を新たに取り入 れ,授業を行った。

1 授業計画及び内容

時間数 授 業 内 容

‑オリエンァーション

‑教師論一体育教師という仕事一

‑体育科教育関連キーワード

1

学習者と運動欲求

‑デイスカッション「運動に積極的でない子へのアプローチ」

‑デイスカッションーめざす体育教師像ー

I

よい体育教師とは」という題で. K] 

i

去によって導き出した 概念図を作成一発表(グループワーク)

‑体育は何を形成してきたのか一体育の目標論・内容論ー

‑スポーツと子ども

‑体育科教育関連キーワード

2

目的論と手段論

‑授業の評価法一 ALT‑PE 法.形成的授業評価法一

‑中間試験

1

‑学習の視点ー動きのポイントを整理するー (図書館での調べ学習,グループ内での共有)

‑教材づくりの工夫 l ーデジタルコンテンツの活用ー

デイスカッション一発表

‑教材づくりの工夫

2

ー附中公開研,体ほぐしの運動を考察するー

‑体育科教育関連キーワード

3

インストラクション方略 9  ‑事例研究一運動の苦手な子どもの事例からー

‑デイスカッション一発表

‑体っくり運動の典型教材

10 

‑デイスカッション

‑ 3

つのキーワードで発表

‑中間試験

2

11 

‑陸上運動の典型教材 ‑デイスカッションー

3

つキーワードで発表

12 

‑現職保健体育科教諭の講話

‑デイスカッション

‑ 3

つのキーワードで発表

‑球技の典型教材

13 

‑武道の典型教材

‑デイスカッションー

3

つのキーワードで発表

14 

‑ダンスの典型教材 ‑デイスカッション

‑ 3

つのキーワードで発表

15 

‑最終試験 ‑講義のまとめ及び評価

4.キーワードを通じて体育科教育の知識を学ぶ これまで,体育科教育の学問的知識については,資料 を用いて講義を行うことを中心としてきた。しかしこ の方法では概論的.総合的な視野で対象事項について話 しができるが,学生の印象に残りにくいという反省点が あった。そこで今年度はこれに関して,項目を絞り,ひ とつの項目についての専門的名称をキーワードとして明 示しこれを通じて専門的な知識を学習することとした。

このキーワードに関しては学生に覚えてほしいことを強 調して伝え,試験範囲に含めることで復習を促し知識 が定着しやすいよう工夫を行った。

5.ディスカッションを通しての意見交換,考えの明確化 本授業では担当教官が話しを行う講義形式だけではな く,グループに分かれてのデイスカッションを多く取り 入れた。それは,一方的な知識伝達のみにとどまるので はなく.1.デイスカッシヨンを通じて自分なりの考え を持ち,解釈を行うこと. 2.他者と意見交換を行うこ とでその違いに気づき新しい視点を取り入れることを 行ってほしいという意図があった。米国での在外研究に おいて,大学での授業はデイスカッション中心で行われ ており ,学生の積極的参加が印象的で、あった。よって 本授業ではこの方法を用いることとした。方法としては 授業の前半には授業担当教官がその時間のテーマになる 資料や映像を提供し解釈を加えながら講義を行う,ま た学生が主体的に図書館でその設定テーマについて調 べる等の活動を行った。そして後半では,それらの材料 に誘発された自分の考えをグループで話し合った。グ ループのメンバーは毎回異なるように調整し,司会進行 役を1名グループ内で設けることとした。まとめの方法 としては単元はじめ (2/15時間目の「運動に積極的で ない子へのアプローチj.r動きのポイントを整理するj) に関しては,記録・発表を行う学生1名を決めその学生 に代表で論議した内容を発表してもらうこととした。し かしこの方法では,デイスカッションの内容を上手く 総括できず,他のグループとの共有化が行いにくいよう に感じた。そこで単元途中でまとめの方法を変更しデイ スカッション後に論議の内容を3つのキーワードに集約

して発表しそれについて説明を加えることとした。こ のことにより,スムーズにデイスカッションが進行する ようになり,他のグループの論議内容が発表時に分かり やすくなったと感じられた(あくまで授業者の指導実感

として)。デイスカッションに関する学生の感想として

「みんなで発表し合って,自分が気づかなかった点を知 ることは良いと思うし知識をみんなで共有し合うとい うことは非常に良いことだと思った。j.r他の人の発表 を聞き,違う視点から考えていた人もいて良い学習に

u

(3)

保健体育科教育学概論 Hにおける授業の工夫

なった。

J.r

陸上の授業づくりについて話し合い,キー ワードを出したが,あまり納得できるものではなかった。

もっと何を目的としているのか,指導要領ではどうなっ て い る の か な ど を 勉 強 し て 知 識 ・ 考 え 方 な ど を 深 め た い。 J .

r

講義後半のデイスカッションでは,どこのグルー プもダンスの学習では雰囲気が大切だと 言 っていたのが 印象的だ、った。 」等があった。

6.

試験を通じての獲得知識の確認

今回の授業では,最終試験の他に中間試験を

2

回設け ることで¥講義期間途中での知識の定着 を図ることとし

た。 また,最終試験前に広範囲な内容を一度に復習する のではなく,中間試験に向けて試験範囲がより狭い状態 での復習を行うことで知識が定着しやすいと考えた。在 外研修

1:1"

に米国で、の同種の講義を参観してきたが,米国 では中間試験を用いて学生の知識を定着させそれを評価 に加 えることを推奨しており ,その考え方を取り入れる 形での導入であった。 中間試験に関しては

5/15

時間 目

10/15

I 時間 目に行い.

30

分程度で行える分量とし,

講義 5 1 時間分の内容を出題範囲とした。 出題内容として は空所有

il

充で専門用語の知識を問う問題,デイスカツ ションの内容を元に自分の考えを述べる論述問題とし た。 また .

15/15

時間目に行った最終試験では講義期間 全部を出題範囲として,同様の出題内容で

60

分程度で 行える分量とした。

7.

教師論ーなりたい体育教師像を明確に

体育科教育学は学問としての体系を保ちながらも専門 職養成としての意味合いを強く持っている 。保健体育科 教諭と して の 仕 事 内 容 を 把 握 し 学 生 が 自 分 な り に 思 い 揃い た保健体育科教諭像を明械に描くことで保健体育科 教諭になるということが現実的にイメージでき,就業意 欲も増すと考えた。 と同時に先生になることの面白さと 責任の重さを学生に伝えたいという授業担当者の思いも あった 。 これに関しては次の

3

つのアプローチを具体的 に授業内容を設定した。 1 .

r

ある高校保健体育科教諭 の

1EJ

等事例を用いた資料(資料1)を通した学校で の業務の把握する.

2. K]

法を用い.

r

めざす体育教師 像」というテ ーマで グル ープ毎に概念図を作成する

.3

ゲス トティーチ ャーとして現職教員を招聴 し話を聞く,

である 。

l

については.

r

ある高校保健体育科教諭の

1

J.r

学 校の仕事と保健体育科の仕事

(H

高校の例)

J.  r

教え子 がくれた手紙一教師冥利につきること一

J.r

児童生徒が

表 2 ディスカッション後に抽出された 3 つのキ

ーワー

1

1

奇 1 : : ] 数 ディスカッションのテ マ

3

つ の キ ワ ド 体力を高める運動の教材づく グループ

1

レクリエーション、継続的、仲間 1 0   グループ

2

節答物競走、グループ、自主性

りのポイント

グループ

3

・リレー形式 、

i

隊々な動きの鬼ごっこ、制跳び

│盤上運動の教材づくりのポイ グループ

1

楽しさ、闘争心(競争心)、リズム

11 

ント グループ

2

:点、チーム、競争

グループ

3

:達成!感、個々の目標、競争心 グループ

1

: 百 葉 、

l

徳 く 、 緒

12 

現職教員の講話から 学んだこ グループ

2

・熱心さ、臨機応変、言葉づかい と グループ

3

:共に、実態把握、 言葉づかい

グループ

1

パス、簡易化、ふりかえり

13 

球技の教材づくりのポイント グループ

2

:コート、全貝参加、ボール

グループ

3

:作戦 タイム、簡易化、特別ルール ダンスの教材づくりのポイン グループ

1

表現力、協調性、雰聞気

14 

グループ

2

:創造力、 ~I羽気、地域に,f~ざした

グループ

3

:ノリノリ、

24

阻気づくり、イマジネーション

内べυ

(4)

Akita University Akita University

秋田大学教育文化学部研究紀要教育科学部門

67

資料1 講義で用いた資料「保健体育科教諭の1J

6月後半のM先生の1日 6:00‑ 6:10

起床,洗顔

6:10‑ 6:30朝食,新聞チェック 6:30‑ 6:40歯 磨 色 着 替 え 6:40‑ 7:20 出勤,学校到着 7:20‑ 7:50体育教員室解錠.着替え 7: 50 ‑ 8: 15  プールチェック,プール薬品確認 8: 15 ‑ 8: 25 

朝の打ち合わせ

8:25‑ 8:35 朝礼,出席確認

8:40‑ 9:30 (1時間目〕体育実技授業準備 40 ‑10 : 30  ( 2時間目〕授業(体育実技・水泳) 10:40‑11:30  (3時間目〕授業(体育実技・水泳) 11:40‑12:30  (4時間目〕授業(体育実技・水泳) 12 : 30 ‑13 : 20 

昼食

13 : 20 ‑14 : 10  (5時間目〕保健授業準備

教えてもらいたいと思う教師とは」の資料(杉山他,

2010, p. v .ivii, 43)を用いて講義を行った。授業後の感 想として, ["今日は保健体育の授業の理想と現実を考え た。現実を捉えながら授業していくことが大切だと思 J,["児童・生徒が体育教師に求めているものは,ユー モア,幡広い教養などで必ずしも部活動だけが大切では ないということが分かった。」等の感想があった。

2につてはグループを2つに分け, ["よい体育教師と は」というテーマで

K J

法により概念図を作成した。具 体的な方法としては以下の通りである。まず,全員に付 筆を配布し,テーマに対し思いつくキーワードを記入し た。次にこのキーワードを同種類のものに分けグループ 化(島をつくる)を行い,その類似したグループが何を 示しているかタイトルをつけた。そして,これらを関連 性のあるものが隣り合うように配置し概念図を作成し た。その作成した概念図は資料2の通りである(資料2 参照)。授業後の感想として, ["体育教師として目指す像 を持つことは非常に大事だと感じた。人間性も教師には 絶対必要だと思う。J.["今日は保健体育の教師としてど のようなことが求められるのかというのを考えた。改め て思い浮かべることで,これからやるべきことが見えて くる気がした。J,["めざす体育教師像ということでグルー プワークをした。自分が思っている教師像を再確認し,

他の人がどのように思っているのかを発見することがで きた。充実した授業だったと思う。J.["自分が思い描い ていた教師像と他人のを比べると参考になることが多く あったし別のグループの発表を聞いて新たな発見が あった。」等の感想があった。

8.  ゲストティーチャーの活用一教育現場でのリアルな 教師体験を聞く

前項3に関連して,今年度は秋田大学附属中学校,保 健体育科教諭のK教諭にゲストティーチャーとして招

司句

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∞ 目 白 羽 田 却 お 日 初 一 峨 回 目 白 鴎 m

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∞ 日 開 初 回 却 お 日 一 日 目 白 山 M

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30分程度の時間でこれまでの教師としての経験や 教育現場実感について講話を行っていただいた (K教諭 を大学の講義で招くにあたり,学部の制度である教員養 成実地指導講師制度を利用した。)0K教諭は教師経験

10年以上のベテラン教師である。講話の内容としては,

教師という職についた契機,これまでの勤務校(小学校 と中学校での勤務経験がある。)での経験,現在保健体 育科教諭として勤務するにあたり心がけていること,体 育授業においての安全管理,保護者への対応,部活動指 導等であった。講話終了後には質疑応答を行い,デイス カッションを行った。質疑応答の内容としては「小学校 と中学校の勤務経験が有札中学校の方が忙しいのにそ れでも中学校勤務がよいと考えているという発言があっ たが,その理由は何か。J,["保護者との対応で電話がかつ てきた場合,どのように上手く対処すればよいか。J,[" 活動指導で一番気をつけていることは何か。 j等があっ た。デイスカッションではグループに分かれ,ゲスト ティーチャーの講話の中で学んだことというテーマで論 議した。デイスカッションのまとめとしてデイスカッ ションでの論議内容について3つのキーワードを抽出し グループ毎に発表してもらった。抽出されたキーワード はグループ1については「言葉J,["J.["一緒J. ループ2については「熱心さJ,["臨機応変J,["言葉づ

かいJ.グループ3については「共にJ,["実態把握J,[" 葉遣い」であった(表2参照)。

9.学生に評価された授業方法ー授業後のアンケー卜から 授業実施後に,授業方法についてのアンケート調査を 行った(表 3)。学生からの評価が最かったのはゲスト デイーチャーによる講義であり.90%の学生が複数回答 で効果的と思える方法であったと答えている(複数回答 可)。理由としては「実際に現役で教師をしている方の お話を聞けたのはとてもプラスになった。J.["現場の生

‑4‑

(5)

‑運動が好き

・運動神経抜群な先生

・生徒と一緒に体を動かす先生 .スポーツなら何でもできる

‑何のスポーツもできる

‑頼りになる→生徒に相談される

‑何でも相談したくなるようなオーラ を持っている

生徒に対する対応

・仕事を生徒だけにやらせない先生

・遅刻しない先生(生徒を呼び出して おいて自分は遅刻

Ux)

‑ねちねちしてない先生 .やつあたりしない

・テーピングの巻き方が上手

保健体育科教育学概論

H

における授業の工夫

資料2 グループでの KJ法により作成された概念図 よい体育教師とは(グループA)

‑指導力のある先生 .いろいろな知識のある .的確な指導ができる

‑子どもの立場に立てる

・アドバイスをしてくれる

‑知識も技能もたくさん持っている

‑授業がワンパターンじゃない .授業が面白い

・スポーツしかできないと思いき や他の教科も得意

‑部活、行事に熱心 .部活を指導

("

U

、指導)

‑元気

・ユーモアのある 先生

‑健康的

・さわやか .雨にも負けず風

にも負けず雪に も夏の暑さにも 負けないくらい 元気

‑面白い

・他教科の先生と は違うオーラが ある

・よく笑い, よく 怒り,よく泣く

‑子どもから信頼があ る

‑時にはきびしく時に は優しく

‑教師としての威厳に 満 ち あ ふ れ て い て と ても優しい人

‑尊敬される

合 似

・ 刀

ヤ 日 ン

︑ つ

~技γ 体「

‑善悪をはっきり

・けじめがある

・メリハリがある

・信頼を持っている

.真剣

・熱血教師

・時に優しく時に厳しく

1

に生徒

2

に自分 専門的知強・技能

・保健の知識が、 ,・専門の種目を

豊富 ¥ ・ 知 識 と 技 能 が / 極めている / 伴 っ て い る ¥ 

・ 専 門 の 知 識 が / ¥ あ ら ゆ る ス ポ

豊富 一ツに精通し

ている

I~ラメーター

いる

・運動の楽しさ を伝える

‑部活動の指導力がある (豊富な経験を生かす) .指導が上手

・スポーツ初心者への指導 力がある

・肥満ではない

・爽やかな健康体 .救命技能

・ほめる

‑マッチョ

・肥満ではない

‑爽やかな健康体

‑5‑

(6)

Akita University Akita University

秋田大学教育文化学部研究紀要教育科学部門

67

資料3ゲストティーチャー講話後の学生の感想

‑今日はK先生のお話しを聞いて.8月の教育実習に役立つような知識を得ることができた。今後活かしていけるようにもう一度 見直していきたい。

‑現場の話しを聞くことができて良かった。どんなことが大切なのか,改めて知ることができた。

‑現職の先生の話を聞くことで,今の子ども遠の具体的な様子が聞けたので.II期実習にも活かしていきたいと思った。

・現役の中学校教師の非常に生キしいお話しを開くことができ,驚いた話,ためになった話がたくさんあった。今度の教育実習 にぜひ活かしたい。

‑実際に現場で働いているK先生の話しを聞いて,とても良い勉強になった。教師というものはやりがいのある職業だと改めて感 じた0

・現場の先生の話しを聞くという機会はなかなかないので,とてもいい話しを聞けたと思う。大学などで教えられる理想の型だ けでなく実際の型も知るのはとても大事だと思った。

‑今日はK先生の話を聞き,学校教育現場の実態を生の声で聞くことができた。教育実習も近くなってきたので自分の中でもっと 煮詰めていきたい。

‑今日は現場の先生の生のお話しが聞けてよかった。特に,部活動の話が印象的で.共に汗を流すことの大切さを知った。

‑附属中の先生の話しを聞いて,部活動や授業の話しなどいろいろな話しを聞くことができてよかった。部活動では生徒と一緒 に汗を流すということが大事だということを学んだ。

‑現場の生の声を聞くことができ,たくさん勉強になった。部活動を指導する楽しさを強く感じることができた。

の声をきけたから」等が挙げられた(表 3)。授業に対 しての感想(資料4) において「実際に中学校の先生の 話しを聞ける機会はあまりないので,その場を作ってい ただいてありがたかった。J.1体育教師になる上で様々な 有意義なことを聞くことができた。ゲストティーチャー の話しなど私達にはかなりの刺激になったと思う。教育 実習も近いのでこのような実践的な講義を受けることが でき,より自信がついた。」等,ゲストティーチャーに関 するものがあった。このことから,学生にとって現役の 現職教諭の話しを聞けることは最も印象に残り,効果的 であったと受け取られたことが分かつた。リアルな保健 体育科教諭のモデルに接することで,学生は教育現場を 身近に感じ,授業内容が実践的であると受け取ったようだ。

次 に 評 価 の 高 か っ た の は デ イ ス カ ッ シ ョ ン と 発 表

(50%). VTRDVDの視聴(50%)である。デイスカッ ションと発表については「自分の意見を言う機会が設け られたので良かった。J.1デイスカッションをして3 のキーワードを挙げることで講義のまとめができたか ら。」という理由で学生はこの項目を効果的な方法とし て選んでいる。アンケート調査以外の毎時の感想におい ても.1授業全体を通してグループワークが多く,みん なで意見を言い合える場が多かったのが良かった。自分 の意見を的確に伝える能力が養われた。」という感想が あり,参加型の方法で自分の意見をまとめ伝えていく方 法自体に魅力を感じていることが分かった。また,感想 において「ディスカッションをしてみてみんな考える活 動は違っても,協調性や楽しむという点では同じだと感 じた。J.1講義後半のデイスカッションではどこのグルー プもダンスの学習では雰囲気が大切と言っていたのが印 象的だった。」等の記述がみられ,デイスカッションを 通じて意見の違いや共通項に学生が気づいたことが分 かった。さらに,アンケート以外の毎時の感想において,

「デイスカッシヨンで体育が嫌いな子にどのような対応

をするかを考えたが,これだというものが見つからな かった。実際にどのような取り組みをしているのかを調 べて考察していく必要があると思った。」と記述しデイ スカッションで解決策が見つからないことでさらに学習 することの必要性を感じる学生もいた。このことから学 生はデイスカッションを用いた授業において,参加型で 意見を言い合える方法に魅力を感じ,考えの相違性や共 通項を認識し意見を伝える能力を養い,うまく解決策 が見つからないことで次への学習の意欲が増す等の有機 的な活動につながり,結果的に効果的な学習方法である と認識したことが推察できる。また,アンケートに選択 した理由として 13つのキーワードを挙げることで講義 のまとめができたから。」と解答しているように3つの キーワードを挙げて総括する方法についても評価された ことが分かつた。

また,後者のVTRDVDの視聴についても 50% 学生が効果的であると選択し「実際の授業を見ること ができて想像しやすい。J.

1

深く理解でき,授業例がた くさん知れた。」と選択の理由を述べている。体育授業 は実技を扱うことが多く,文字で表現する限界があるが,

映像を用いることでより具体的に理解できたことが分 かった。

次に効果的であると学生が受け取ったのは資料を用い た講義 (40%)とグループワーク (40%)である。資料 を用いた講義を選択した理由として「新しい知識の獲 J.1資料があれば何度でも読める」と回答しており,

知識を獲得し何度も読み返し復習できることが資料を用 いた講義の魅力であると学生が捉えたことが分かった。

この方法は伝統的な方法であるが.40%の学生が選択し ていることから学生にも効果的な方法として認識されて いることが分かつた。グループワークについては「みん なで考えを言い合える,新たな気づきJ.1他の人の意見 を聞くことができ,考え方が豊かになか知識も豊富に

‑6‑

(7)

保健体育科教育学概論Eにおける授業の工夫

3 事後アンケート調査

質問項目 解 答 理 由

本授業において,効果的│

1位

ゲストティーチャーによる講義~~,'-

卜実際γ現役で教師をしている方のお話を聞けたのはとてもプ であると思えるものはfI.LI..!L. 

/ , . . , , ,  

‑/ ~I   ''‑dooo'Q/P!"tof.lG1ラスになった。

(90%) 

ですか。群から選んで丸│ 卜現場の生の声をきけたから

をつけなさい(複数回答t‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑1 

・自分の意見を言う機会が設けられたので良かった。

I12r) 1:7  .デイスカッションと発表 (50%).:::s '"7 .+.  ." ~ ~ ̲ .. ~

t . .   a . . : = t : :  

Ir=f¥o/ ¥ I・デイスカッションをして 3つのキーワードを挙げることで講

│義のまとめができたから

│・実際の授業を見ることができて想像しやすい。

2位 VTRや DVDの視聴 (50%)

1・深く理解でき,授業例がたくさん知れた。

4位 資 料 を 用 い た 講 義 (40%) ‑新しい知識の獲得

.資料があれば何度でも読める

‑みんなで考えを言い合える,新たな気づき

4 グループワーク (40%) ・他の人の意見を聞くことができ,考え方が豊かになり,知識

│も豊富になるから

│・内容を理解しやすくなるから 6佼 中 間 試 験 (30%) 卜知識の確認

6位 グループワークや発表、映像に 対する教師のコメント (30%) 8位 パ ワ ー ポ イ ン ト を 用 い た 講 義

(0%)  8位 そ の 他 (0%)

はい・H H .....H ..…80%

授業の内容は興味深いも│

│どちらでもない……20%

のでしたか │ 

'いいえ…...・H・‑…・ .0%

授業の内容は実習や教師│はい・H H .....H ..90%

を目指すにあたり,役に│どちらでもない……10%

立つものでしたか │いいえ...・H HH ..… 0%

│はい・H H .....H ..90%

こ の 授 業 に 対 し 積 極 的 │

│どちらでもない…..10% に参加できましたか

いいえ……...・H ..… 0%

授業全体に対する進め方│授業の中で用語を説明するだけでな や教授方法について意見│く、何か実際のものと絡めればもっと があったら書いて下さい│覚えやすいと,思った

‑知識を確実なものとできる

資料4 本授業に対する感想

・体育教師を目指すにあたって必要な知識をたくさん得られたと思う。また、デイスカッションの場を設けてくれたので、自分 の意見をどうしたらより伝わるか、そういった能力が養われた気がする。本授業で学んだことをそのままにするのではなく、

より自分のものにできるようにこれから頑張っていきたい。

・体育教師として必要な資質や理想の教師を考えることで、将来に向けての意欲が増したように思う。授業の準備の工夫や運動 が苦手な子どもへの接し方などの学ぶことができた。現場の生の声も聞くことができて良かった。

・体育教師になる上で様#な有意義なことを聞くことができた。ゲストティーチャーの話しなど私達にはかなりの刺激になった と思う。教育実習も近いのでこのような実践的な講義を受けることができ、より自信がついた。この授業を活かして教育実習 に臨みたい。

・実際に中学校の先生の話しを聞ける機会はあまりないので、その場を作っていただいてありがたかった。

・教材のレパートリーや各種目の知識がたくさん増えたので有意義な授業だったと思います。また、ゲストティーチャーによる 講義は教師のことを知るためにとても良かったです。

・自分の専門の種目だけでなく、色々な種目の知識を身につけることができた。また、現場の教締の声も聞くことができて、と ても勉強になったし、たくさんのことを学ぶことができた。グループワークでは、他の人の色#な考え方や意見を聞くことが でき、色今な知識を身につけることができた。

・この授業では分野毎に(球技、器械運動、ダンス、体っくり等)授業を行う工夫や授業例を学べてよかった。私は特に体つく りの分野が印象に残っている。公開研で附中の体っくりを見た後すぐだったので、特に興味深かったし、いろいろな工夫が参 考になった。また、それぞれの講義の終わりにデイスカッションを行い3つのキーワードを挙げることで講義の総括ができ

・ゲストを招いての授業やピデオ視聴など、学生の理解、意欲などを考えられた授業だと思った。体育に関する知識や、体育教 師自身の声を生で開くことができて良かった。

・今までの体育の概論と違い、具体的な指導法や体育教師のあり方が身につけられたと思うO また、グループワークやデイス カッションが多く、意欲的に取り組むことができた。これから教職を目指す上で、様々なことを考えることができたので良 かった。

・体育教師のあり方を考えさせられる場面が多かったです。知識のほうが自分の勉強不足であまり身についてません。

参照

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