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清 水 宗 一 著 「 商 業 会 計 」

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Academic year: 2021

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全文

(1)

書       評

清水宗一著﹁商業会計﹂

佐 藤 好 孝

一 関 西 大 学 商 学 部 の 清 水 宗 一 助 教 授 が

︑ 多 年 に 亙 っ て 研 究 し て 来 ら れ た 財 務 会 計 上 の 主 要 問 題 の 研 究 に

︑ 一 応 の 区 切 り を つ け る 意 味 に お い て

﹁ 商 業 会 計

︵ 発 行 所

・ ミ ネ ヴ ア ァ 書 房

︶ な る 力 作 を 世 に 送 ら れ た こ と は

︑ 同 教 授 の た め に も ま た 会 計 学 界 の た め に も 誠 に 慶 賀 に 堪 え な い と こ ろ で あ る

︒ さ て

︑ 書 評 な ど

︑ と て も 私 の よ く す る 処 で は な い が

︑ 乞 わ れ る ま ま に

︑ 図 々 し く も こ こ に 本 書 の 紹 介 を 試 み

︑ あ わ せ て 簡 単 な 所 感 を 述 べ て み る こ と に す る

︒ こ こ で 本 書 の 内 容 の 紹 介 を 試 み る に 先 だ っ て

︑ ま ず 本 書 の 成 立 過 程 な ら び に 本 書 の 構 成 に つ い て

︑ 私 の 知 る 範 囲 の 知 識 を も と に し て 簡 単 に 触 れ て み る こ と に し よ う

︒ 既 に

︑ 片 野 一 郎 教 授 が リ ト ル ト ン の

﹁ 会 計 発 達 史

︵ L i t t l e t o n , A

. C . , A c c o u n t i n g E v o l u t i o n t o 1 9 0 0 , N e w Y o r k 1 9 3 3

︶ の 訳 の 序 文 に お い て 述 べ ら れ て い る 如 く

︑ 清 水 教 授 は

︑ 最 初 山 下 勝 治 博 士 の 研 究 室 に お い て リ ト ル ト ン 教 授 の

﹁ 会 計 発 達 史

﹂ の 研 究 に 精 進 き れ て い た こ と は わ れ わ れ の 清 水 原 一 著

﹁ 商 業 会 計

﹂                                           六 九

(2)

よく知る処である︒その後︑清水教授は︑同研究室より関西大学に赴任され︑以来今日に至るまで本書にもられてい

七三

る諸問題の研究に真撃な態度で取組まれてきた︒従って︑私の知り得る限りでは︑本書の成立過程は︑同教授が学界

に入られて以来の総ての研究に求められるように思う︒これは︑同教授がこれまでに発表して来られた諸論文よりも

明か

であ

る︒

次に︑本書は︑左掲の二編より構成されている︒

第一編

一般

問題

第一章棚卸資産会計

固定資産会計第二章

第三章資本会計

特殊問題第二編

第四章会計の公準

第五章メイ﹁棚卸資産会計論﹂

第六章メイ﹁価格変動会計﹂

ー特に固定資産会計との関連においてl

前掲の如く︑本書を構成する二つの編は︑内容的には六章より組織されており︑夫々の章は独立論文の形態を採っ

ているのがその特徴といえる︒

(3)

そ乙でまず第一編の各章にもられている問題について︑その配列の順序に従って︑各章において採り上げられてい

る問題が︑現代企業会計l財務会計上いかなる地位を占める問題であるかという事を中心に大略的に考察してみる︒

本書の第一一編﹁一般問題﹂の第一は︑棚卸資産会計の問題である︒棚卸資産会計は︑周知の如く︑現代財務会計上

ての地位を占めているものである︒ においては︑企業成果の確定の二大支柱をなしている期間収益ならびに費用の期間限定上の一つの重要な問題点とし

乙の

第一

章で

かかる関係にある本問題を︑教授は︑ペイトン教授(思え・当・

﹀・

JW

件︒ロ)の所説を実に克明に紹介しつつその検討を試みているが︑特にここでは︑上述の問題の内︑期間費用限

定上の問題が中心に説かれている︒

次に第二の問題として︑固定資産会計の問題が採り上げられている︒この固定資産会計は︑これまた現代財務会計

上においては︑企業損益計算における期間費用限定上の一つの重要な問題としての地位を占め疋いるものである︒か

かる関係にある本問題を︑教授は︑前章同様にペイトン教授の所説を中心に検討を試みている︒

次に第三の問題には︑上述の二つの問題に相対立する関係にある資本会計の問題が採り上げられている︒乙の資本

会計は︑現代財務会計上︑一般に︑自己資本の修正計算の問題として理解されているものである︒かかる関係にある

本問題を︑教授は︑乙の第三章において︑前二章同様にペイトン教授の所説を中心に検討を加えている︒

以上の如く︑本書に採り上げられている諸問題の現代財務会計上に占める地位を中心にみてきたのであるが︑教授

は︑第一編では﹁一般問題﹂として︑損益会計における一面の重要な問題点である期間費用限定にまつわる諸事項な

らびにこの損益会計に対立する資本会計の問題をペイトン教授の所説を中心に採り上げているといえる︒第一一編の考

察を通じて感ずることは︑欲をいえば︑もっと自己のよって立つ観点より問題を採り上げかつその観点よりする一貫

せる検討を提示してもらいたかったような感がしないではない︒

清水原一著﹁商業会計﹂

(4)

本書の第二編﹁特殊問題﹂の第一は︑会計の公準の問題である︒財務諸表は︑

﹁会

計慣

習﹂

( ω 2 2

ロ巴

ロ向

︒︒

Z

EZ

ロω )

︑﹁個人的判断﹂

G2 85

古品

開︒

B25の三者の総合的表現であ

るといわれる︒いま会計慣習ないし公準が︑財務会計上いかに重要な地位を占めるものであるかについて︑私がこ乙

でくどくどと説明する必要はなかろう︒かかる財務会計上非常に重要な地位を占める会計慣習ないし公準の問題を︑

﹁会

計事

実﹂

( ω

2 E

HZ

m

E2 ω)

教授

は︑

メイ

教授

(司

円え

・の

0・

ω可)の所説の紹介を中心に︑その検討を詰みようとしている︒

特殊問題の第二は︑第一編において採り上げられた棚卸資産会計の問題の内︑特に﹁後入先出法﹂ならびに﹁低価

乙れを詳細に紹介している︒

メイ教授の価格変動会計観が固定資産会計との関連において紹介されている︒損益計算におけ

る費用・収益の評量基準に動揺を与える要因は︑申すまでもなく︑貨弊価値変動である︒期間費用と期間収益の比較

にもと︐ついて計算される企業成果

11

純損益が正しく算定されるためには︑貨弊価値が安定していることが必要であ

る︒かかる意味において︑価格変動会計は︑財務会計上正しい期間費用ならびに収益の大きさの期間限定上重要な影

響を及ぼす問題としての地位を占めるものである︒本章では︑メイ教授の価格変動の問題に対する見解が浮彫にされ 法﹂についてのメイ教授の所説を歴史的に採り上げ︑

特殊問題の最後は︑

てい

る︒

これまでの考察を通じて本書の構成を全体的にみた場合︑第一編は︑ペイトン教授の財務会計上の主要問題たる﹁

棚卸資産会計﹂﹁固定資産会計﹂﹁資本会計﹂に対する諸見解が中心に構成されており︑第二編は︑メイ教授の財務

会計上のいくつかの主要問題に対する見解を抽出して構成されているといえる︒このようにみてくるとき︑本書は︑

(5)

米国の理論会計学の者宿としてその第一人者とみなされている両教授の企業会計上の主要問題に対する見解が︑歴史

的に克明に採り上げられている貴重な研究資料であるといえる︒

以上親しさに甘え勝手な紹介を誌みてきたが︑或いは著者の企図されていた意図に反した紹介をしている点があり

はしないかとも思う︒乙の点教授の御宥怒を乞う次第である︒最後に︑著者の真撃な研究が︑これらの諸問題を一層

深化・発展させ︑更に本書で取残されている諸問題にまでその研究が進められるであろうことを期待してやまない︒

清水原一著﹁商業会計﹂

参照

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