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静岡市葵生涯学習センター・アンケート調査を手が かりに

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(1)

静岡市葵生涯学習センター・アンケート調査を手が かりに

著者 阿部 耕也, 望月 雄司

雑誌名 静岡大学生涯学習教育研究

巻 13

ページ 3‑12

発行年 2011‑03‑31

出版者 静岡大学生涯学習教育研究センター

URL http://doi.org/10.14945/00006718

(2)

『静岡大学生涯学習教育研究』第13号 2011年

*静岡大学生涯学習教育研究センター教授  **財団法人静岡市文化振興財団係長(事業担当)

1 問題設定

 本稿の目的は、平成20年度に静岡市葵生涯学習センターによって企画・実施され、静岡大学生涯学習教育 研究センターが分析に協力した「葵生涯学習センターに関する調査」において収集されたデータをもとに、

生涯学習センター(および前身である公民館)に対する利用実態、市民が抱くイメージについて検討するこ とにある。

2 静岡市葵生涯学習センターの概要と調査の経緯

 静岡市葵生涯学習センターの概要と平成20年度市民アンケート調査に至った経緯を以下にまとめる。

(1)静岡市葵生涯学習センターの概要

・昭和37年、静岡市中央公民館として開館。

・平成4年、静岡市女性会館との複合施設として新築し、一般公募により愛称を「アイセル21」とした。

・旧静岡市中央公民館は、市内29公民館の統括機能を担っていた。

・平成20年度機構改革により市長部局へ移管、静岡市葵生涯学習センターへと名称変更。

・平成21年度、生涯学習センター10館に指定管理者制度を導入。財団法人静岡市文化振興財団が運営するこ ととなった(参考:URL http://sgc.shizuokacity.jp/)。

(2)葵生涯学習センター運営協議会

・公民館時代は、静岡市公民館運営協議会を市全体として設置していた。

・生涯学習センターとなってからは、施設ごとに運営協議会を設置した。市全体では、静岡市生涯学習推進 審議会を別途設置している。

・目的は「より利用しやすい施設運営や地域のまちづくり活動に貢献できる事業展開を図ること」である。

・構成は、学識経験者、学校関係者、施設利用者および町内会などの地域づくりに関わる市民9人(無報酬)

で構成されている。

(3)平成20年度葵生涯学習センター運営協議会

・5回開催、施設紹介と意見交換を実施した。

・協議会での議論の中で、アンケート調査の実施を決定。

・「葵生涯学習センター施設アンケート」は、地域の声を聞くことで従来の利用者以外を取り込むことをねら いとして企画され、分析については、静岡大学生涯学習教育研究センターが協力することとになった。

公民館・生涯学習センターの利用実態とイメージ

──静岡市葵生涯学習センター・アンケート調査を手がかりに──

阿部耕也*,望月雄司**

論文

(3)

3 調査の概要

 平成20年度に行われた調査の概要を述べる。

(1) 調査方法と調査対象

 前節でふれたように、平成20年度葵生涯学習センター運営協議会にてニーズ調査の企画が持ち上がり、9 名の委員と事務局の共同作業により調査票が作成された。利用者だけでなく、若年層も含めた地域住民全体 から意見を聞くため、町内会・自治会、大学等で調査票が700部ほど配布され、420件の有効回答が寄せられ た(調査票と結果概要は章末に添付)。

(2) 調査内容

 調査では以下のような項目を尋ねた。

・回答者の属性に関する基礎項目[性別、年齢、住所、勤務地、職業・生活形態]

・葵生涯学習センター(旧中央公民館)について[利用歴、利用目的および未利用の理由]

・講座・サークル活動への参加時間帯

・興味のある学習分野

・生涯学習センター(公民館)のイメージ

(3) 回答者の属性

 図3-13-4に見るように、回答者の属性はおよそ以下のようになっている。

72.9%

27.1%

10代 13.5%

20代 26.9%

30代 16.1%

70代 1.2%

40代 30.0%

60代 5.0%

50代 7.2%

図3-1.回答者の性別

葵区 52.1%

駿河区 26.0%

清水区 6.0%

その他 15.9%

2.7 1.0

38.9 7.8

13.9 0.2

2.7 9.5

23.2

その他 無職 学生 専業主婦(主夫)

パート・派遣社員等 家事手伝い 家業手伝い 自営業 会社員・公務員 図3-2.回答者の年代

図3-3.回答者の居住地 図3-4.回答者の職業・生活形態

(4)

阿部耕也・望月雄司「公民館・生涯学習センターの利用実態とイメージ」

 性別では、男性が3割弱、女性が7割強で、女性が圧倒的に多い。年齢別では、40代が3割で最も多く、20代・

30代がそれぞれ26.9%、16.1%と続き、10代も13.5%と多い。10代・20代が多いのは、学生の回答数が多かっ

たからだが、残念ながら50代以上のサンプルが少なかった。居住地は葵区が多く、過半数を占める。次いで 駿河区、清水区と続くが、静岡市以外の回答者も含まれている。

 職業・生活形態では、学生が圧倒的に多く(38.9%)、会社員・公務員が続く(23.2%)。以下、パート・派 遣社員等、自営業、専業主婦(主夫)と続くが、今回の調査では家業手伝い・家事手伝い、無職の層の回答 をほとんど得ることができなかった。

4 調査結果(1)─世代別の分析を中心に

 全体の調査結果については章末の結果概要にあるが、今回の調査のねらいはセンターを普段利用する層以 外の市民のニーズや意識を調べることだった。そこで本節では、生涯学習センターを利用する年代層とあま り利用しない年代層とのクロス集計を中心に分析を進める。

(1)利用歴と利用目的/未利用の理由  図4-1に見るように、10-30代(N=234)

の 利 用 歴 は19.7%と 低 く、40 代 以 上

(N=182)の62.1%と比べ、対照的である

(0.1%水準で有意)。

 利用目的は図4-2の通りだが、「サーク ル活動」「センター主催事業」が多い。年 代層別で特に有意差がみられる項目は「あ いせる喫茶」で、40代以

上の利用者の中には、生 涯学習センターを憩いの 場として市民がいるよう である。

 年代層別でみた「利用 しない理由」は図4-3の通 りで、「何をやっているの かわからない」という理 由がどちらの年代層とも 多い。有意差のある項目 は 以 下 の2点 で あ る。40 代以上の未利用者は「時 間がない」という理由を あげることが多く、10-30 代はそもそも「場所を知 らない」という理由でセ ンターを利用していない。

センターの広報を考える とき、現在行われている 様々な講座やサークル活 動の紹介とともに、どん

利用歴あり, 62.1 利用歴あり, 19.7

利用歴なし, 37.9 利用歴なし, 80.3

40代以上 10-30代

図4-1.年代別・利用歴

10.6 11.3 8.5

12.2 14.9

22.4 10.6

12.2 2.1

20.9

63.8 61.7 27.7

40.9

待ち合わせ 広報など市の情報を収集 図書コーナー トイレに立ち寄った あいせる喫茶 サークル活動 センター主催事業(講座)

40代以上 10代~30代

図4-2.年代別・利用目的

0.5 0 0.5

2.9 3.2

7.4

61.7 32.4

46.3 38.2 6.9

7.4 8

33.8

介護・託児を頼むことが出来ない 経済的に余裕がない 興味のある内容がない 場所を知らない 何をやっているのかわからない 遠い 時間がない

40代以上 10代~30代

図4-3.年代別・未利用の理由

(5)

なことが可能かを地域住民に知ってもらい、若い世代にはそもそもセンターの存在を知ってもらう手立てが 必要となってくるように思われる。

(2)利用しやすい日時・時間帯

 アンケートでは、「講座・サークル活動に参加するとしたら、どの曜日・時間帯がよいか」を尋ねた(問3)。

利用歴別に、「最も都合がよい」「ほぼ良い」を合計したパーセンテージを示したものが、表4-1である。

 この表が示すように、利用し たことがある群は、利用したこ とがない群に比べ、平日の午前・

午後は「都合がよい」と答えた率 が一貫して高い。それに対し、平 日夜ならびに土日(午前・午後・

夜とも)はこの関係が逆転し、未 利用者の方が利用者より「都合が よい」と答える率が高くなってい る。

 ちなみに、静岡大学が実施する

「サイエンス・カフェ」は理系の テーマを扱う市民講座で、高校 生を含む幅広い市民が参加する 人気講座であるが、平日夜に行 われている(会場は生涯学習セ ンターではなく静岡市産学交流 センターであるが)。これまで利 用したことのない層に生涯学習 センターを利用してもらうには、

平日夜および土曜・日曜に開催す る、例えば若者向けの講座や活動 を紹介し、あるいは新たに企画す ることを検討してもよいのでは ないだろうか。

 生涯学習センターや公民館に 限らず、生涯学習施設の利用者・

講座の参加者にアンケートを実 施しどの曜日・時間帯が望ましい かを尋ねると、現行の曜日・時間 帯が良いとする回答が多くなる が、今回の調査のように利用した ことのない住民層の意見を聞く ことは重要である。 

(3)興味のある分野

 次に興味がある学習・活動の分

利用歴あり 午前 30.6 29.2 29.5 33.9 31.1 33.3 28.4 利用歴なし 7.8 10.6 11.5 8.7 12.9 43.1 40.0 利用歴あり 午後 14.4 12.7 14.1 18.0 19.4 38.1 34.7 利用歴なし 8.7 8.3 12.5 9.7 9.3 46.8 43.1 利用歴あり 夜間 28.0 29.1 31.8 30.7 31.2 31.3 23.3 利用歴なし 34.4 31.0 33.9 32.5 32.4 36.0 30.5

表4-1.利用しやすい日時(利用歴別)

0 10 20 30 40 50 60 70

ガイドマップを見る

**計画し行く まちづくり 子ども会 町内会

***祭り サークル

*自分がする 観戦 薬のこと 病気のこと

**料理 運動

**観察

*散策

***好きな作家 ベストセラー 芸能 時事 安全

**食育 農業体験

***世界の料理

*日本の料理 クラシック

**ポピュラー

***音楽 映画 ドラマ

***風習・習慣

***世界遺産 語学 研究 鑑賞

**制作 基本的操作

**ゲーム

*文書入力

**ブログ メール 教育

**経済

*政治

**世界

**日本

***郷土

旅行地域活動健康・医学自然読書・新聞食文化音楽TV国際文化美術PC時事問題文学・歴史 40代以上 10-30代

  *** 0.1%、** 1%、* 5%水準でそれぞれ有意差あり 図4-4.年代別・興味のある分野

(6)

阿部耕也・望月雄司「公民館・生涯学習センターの利用実態とイメージ」

野についてみておく。文学・歴史、時事問題など15の領域の46項目に関する回答を年代層別にクロス集計し、

両者に有意差のある項目については*、**のマークを付したのが表4-4である。

 図4-4にみるように、「美術鑑賞」「映画」「ポピュラー音楽」「自然散策」「旅行の計画」等に興味を持って

いる回答者が多い。

 年代層別では、ほとんどの項目について若年層の方が壮年・高齢者層を上回っているが、「郷土」「PC・文 書入力」「語学」「食育」「食の安全」「病気」「薬」「地域活動・子ども会」については壮年・高齢者層の方が、

より高い関心を持っている。特に「郷土」「食育」については有意差がみられ、この年齢層の特徴を示している。

 逆に、若年層が有意差を示すほど高い関心を持っているのが、「経済」「国際文化」「音楽・ポップス」「好 きな作家」であり、また「ブログ・ゲーム」「料理」「世界の料理」「自然散策」「祭り」「旅行」といった項目 である。あまり公民館・生涯学習センターを利用しない若い世代に興味・関心を持ってもらうために、前者 の項目群については若者向けの講座として、後者の項目群については体験を伴う実習として企画したり、あ るいは外国人や留学生との交流会などのかたちで企画してみる価値があるかもしれない。

(4) 生涯学習センター(公民館)のイメージ

 調査票では、「生涯学習センター(公民館)についてどのようなイメージを持っているか」を11の下位項目 別に「とてもそう思う」から「まったくそう思わない」までの4件法でたずねた。「その他」を除く10項目に ついて、選択肢の度数に

そ れ ぞ れ+2、+1、-1、-2 のポイントを与え、その 項目のイメージ合致度を 算出した。図4-5、図4-6 は、この「イメージ合致度」

が大きい項目順にならべ たものである。

 どちらの年代層も、「い ろいろな人と交流ができ る」「仲間といろいろな活 動ができる」「いろいろな 事柄を学ぶことができる」

「いろいろな情報を知るこ とができる」という項目 が上位にきており、多様 な学習・交流の拠点とし てイメージをもたれてい るといえる。

 年代層別では、若い年 代で「どちらかといえば 年齢の高い人向けである」

が上位にあり、かつ「子 ども向け・若者向けの講 座や活動もある」が最下 位になっており、これら は高い年齢層の順位と異

7.8 9.1 10.9 6.6

23.5 16.9

19 24.3

34.6 30

43.7 45.9 42.8 50.9

42.6 55.8 58.9

57 45 52.2

39.4 36.8 39.7 36

28.3 24.7

19.5 15.7 16.9

15.2

9.1 8.2 6.6 6.6 5.7 2.6 2.6 3 3.5 2.6

⑨子ども向け・若者向けの講座や活動もある

⑤地域の課題などの解決法を考えることができる

④自分の学びや経験を人に伝えることができる

⑩利用者の意見や要望によって変えることができる

⑧リピーターでないとなかなか使えない

⑥いろいろな情報を知ることができる

①いろいろな事柄を学ぶことができる

②仲間といろいろな活動ができる

⑦どちらかといえば年齢の高い人向けである

③いろいろな人と交流ができる

とてもそう思う まあまあそう思う あまりそう思わない まったくそう思わない

図4-5.生涯学習センター・公民館のイメージ(10-30代)

7.6 10.1 7.1

14.6 12.3

13.9 24.1

28.7 25.3

28.9

34.3 41.1 47.6

42.7 47.4

53.2 42

57.5 63.2 63

49.4 42.3

43.5 36.3

37.4 31.8 28.7

13.2 11.5

8.1

8.7 6.5

1.8 6.4

2.9 1.2 5.2

0.6 0 0

⑤地域の課題などの解決法を考えることができる

⑩利用者の意見や要望によって変えることができる

⑨子ども向け・若者向けの講座や活動もある

⑧リピーターでないとなかなか使えない

④自分の学びや経験を人に伝えることができる

⑥いろいろな情報を知ることができる

⑦どちらかといえば年齢の高い人向けである

③いろいろな人と交流ができる

①いろいろな事柄を学ぶことができる

②仲間といろいろな活動ができる

とてもそう思う まあまあそう思う あまりそう思わない まったくそう思わない

図4-6.生涯学習センター・公民館のイメージ(40代以上)

(7)

なっている。こうしたイメージが、若い年代を生涯学習センター(公民館)から遠ざけ、利用者が増えない 要因の一つとなっていそうである。

 壮年・高齢者層では、「自分の学びや経験を人に伝えることができる」という項目が比較的上位に来ており、

同年代あるいは若い世代への伝達・交流の機会があること、特に若い世代がかかわれば交流の場としてのセ ンターの機能がより発揮しやすい環境となりうることを示していると思われる。

 反面、「地域の課題などの解決策を考えることができる」「利用者の意見や要望によってセンターを変える ことができる」という項目は若年層より低い位置づけとなっており、センターを地域づくりの拠点、柔軟で 市民にとって使いやすい施設となる可能性を狭めているとも考えられる。

 センターとしては、若年層に対しては、幅広い年齢層を対象にした活動が行われていること、交流の場と して若者の参加が待たれていることを知ってもらい、壮年・高齢者層に対しては、地域づくりの拠点として の側面もあること、利用者の意見や要望に応じて変えていく場であることを認識してもらうことが大事だろ うと考える。市民の中には、自分たちの意見や要望に対応してくれるかどうか懐疑的な人もいるかもしれな いが、そもそもこのアンケート調査が企画された理由は、「地域の声を聞くこと」「いままで利用しなかった 層をも取り込むこと」であり、生涯学習センター自身による企画・実施であったということを想起したい。

5 調査結果(2)─生涯学習センター(公民館)のイメージの構成要因

 調査では、市民が生涯学習センター(公民館)に対して抱くイメージについて、前節で示したような論点 をまとめたが、若い年代(10-30代)と壮年・高齢層(40代以上)それぞれの優先順位の違いに注目した分析 にとどまった。生涯学習センター(公民館)のイメージにかかわる10の項目が、それぞれどのような内的関 連を持ち、どのような軸があるのかを検討す

る必要がある。今回は、10項目について因子 分析を行うことによってこの課題に応えてい く。

(1)因子の抽出

 最初に生涯学習センターのイメージ10項目 の平均値、標準偏差を算出した(「とてもそう 思う」から「まったくそう思わない」までの 選択肢に、それぞれ4~1の数値を与えた)。

 次に10項目に対して主因子法・Promax 転による因子分析を行い、3因子構造を得た。

Promax回転後の最終的な因子パターンと因子 間相関を表5-2に示す。なお、回転前の3因子 で10項目の全分散を説明する割合は47.3% あった。

 第1因子は5項目で構成されており、「地域

課題の解決を考えられる」「学びや経験を伝え られる」「利用者の意見・要望で変えることが できる」「子ども・若者向けの講座もある」「い ろいろな情報を知ることができる」など、地 域および地域住民と密着し、老若男女が集い、

相互教育・相互学習ができる生涯学習施設と してのあり方にかかわる項目が高い負荷量を

項目内容 平均値 標準偏差

Q5_1いろいろな事柄を学べる 3.02 0.655 Q5_2仲間と活動できる 3.10 0.667 Q5_3人と交流ができる 3.11 0.703 Q5_4学びや経験を伝えられる 2.62 0.750 Q5_5地域課題の解決を考えられる 2.48 0.766 Q5_6情報を知ることができる 2.84 0.682 Q5_7高齢者向けである 3.00 0.829 Q5_8リピーター以外は使いにくい 2.76 0.839 Q5_9子ども・若者向けの講座もある 2.53 0.717

Q5_10利用者の意見・要望で変わる 2.55 0.733

表5-1.イメージの項目内容と平均値・標準偏差

第1因子 第2因子 第3因子

Q5_5地域課題の解決を考えられる 0.725 0.396 -0.069 Q5_4学びや経験を伝えられる 0.698 0.526 -0.133

Q5_10利用者の意見・要望で変わる 0.566 0.288 -0.150

Q5_9子ども・若者向けの講座もある 0.543 0.349 -0.323 Q5_6情報を知ることができる 0.466 0.352 -0.117 Q5_2仲間と活動できる 0.475 0.880 -0.141 Q5_3人と交流ができる 0.512 0.677 -0.075 Q5_1いろいろな事柄を学べる 0.397 0.664 -0.070 Q5_7高齢者向けである -0.141 -0.064 0.890 Q5_8リピーター以外は使いにくい -0.195 -0.143 0.542

固有値 3.507 1.487 1.118

因子間相関 1 2 3

1 - 0.600 -0.215

2 0.600 - -0.131

3 -0.215 -0.131 -

因子抽出法:主因子法 回転法: Kaiser の正規化を伴うプロマックス法 表5-2.生涯学習センターのイメージの因子分析結果

(8)

阿部耕也・望月雄司「公民館・生涯学習センターの利用実態とイメージ」

示している。いくつかの要素が入っているため、性格づけは難しいが、「地域密着型生涯学習施設としてのセ ンター」因子と命名しておく。

 第2因子は3項目で構成されており、「仲間と活動できる」「いろいろな人と交流できる」「いろいろな事柄

を学べる」など、交流の拠点としてのセンターにかかわる項目が高い負荷量を示しており、「交流拠点として のセンター」因子と命名する。

 第3因子は2項目からなり、「高齢者向けである」「リピーターでないと使いにくい」など、特定の層・対象 のためのセンターというイメージにつながる項目が高い負荷量を示しており、「特定対象のためのセンター」

因子と考えられる。

(2)因子と質問項目との相関  各因子の性格や背景を検討す るため、因子と質問項目との相 関をみることにする。因子分析 のさい、因子得点を算出し新た な変数として保存した。この3 因子に対応した変数と質問項目 のいくつかとの相関係数を示し たものが表5-3である。

①回答者の属性項目との相関  性別と有意な相関がみられた のは第2因子で、男性より女性

の方が「交流の拠点としてのセンター」因子に関する得点が高い。年代は、第2因子に正の、第3因子に負の 相関が見られ、年代が高くなるほど「交流の拠点」因子の得点が高い傾向があり、また「特定対象のための センター」因子の得点は低くなる傾向がある。

 まとめれば、生涯学習センターや公民館を「交流の拠点」として考えるのは、男性より女性で、また年代 が上がるほどその傾向が強くなる。「特定対象のためのもの」というイメージは、若い年代ほど抱いていると 考えられる。

②質問項目との相関

 問2、問4のすべての項目について因子との相関を取ったが、有意差が見られたのは表5-3で示した6項目だ けであった。利用歴については、第2因子と負の、第3因子と正の相関が見られる。利用したことがない方が「交 流の拠点」因子の得点が低く、また「特定対象のためのセンター」因子の得点が高い。地域活動の3項目につ いてもふれておく。「祭り」は、第3因子と相関があり、「町内会」は第1因子、「まちづくり」は第1・第2因 子と相関がある。

 まとめれば、「地域密着型生涯学習施設」というイメージは、町内会活動・まちづくりに興味がある人ほど 強い。「交流拠点」というイメージは、実際にセンターを利用した人、また「まちづくり」に興味がある人ほ ど強い。「特定対象のため」というセンター・公民館のイメージは、「祭り」に興味がある人の方が強い。

(3)生涯学習センター・イメージの構成要因

 以上、因子分析を試みながら、生涯学習センター(公民館)のイメージの構成要因を見てきたが、いくつ か論点をまとめておこう。

 公民館あるいは生涯学習センターについては、高齢者・リピーター向けの施設というイメージは存在し、

分析結果からもそれは一つの因子として確かめられた。しかし、実際に利用したことがある人、また当の高 齢者にとってはそれほど強いものではなく、利用したことがない人の方が強くもつイメージだということも

第1因子 第2因子 第3因子

Q1_1性別 0.092 .130(*) -0.063

Q1_2年代 -0.005 .135(**) -.123(*)

Q2利用歴 (1.ある 2.ない) -0.048 -.183(**) .148(**)

Q2_2_1時間がない (0.該当しない 1.該当する) 0.073 .186(**) -0.033

Q2_2_4場所を知らない (0.該当しない 1.該当する) -0.112 -.139(*) -0.045

Q4_13_2地域活動・祭り (0.興味がない 1.興味がある) 0.072 0.047 .126(*)

Q4_13_3地域活動・町内会 (0.興味がない 1.興味がある) .138(**) 0.080 0.004

Q4_13_5地域活動・まちづくり (0.興味がない 1.興味がある) .107(*) .121(*) -0.061

数値はPearsonの相関係数 **. 1% 水準で有意 *. 5% 水準で有意 表5-3.回答者の属性・質問項目と因子との相関係数

(9)

わかった。「交流ができる場所・拠点」というイメージもあり、これも分析によってある程度確認できたが、

やはり実際に利用している人、年代が上の人ほど強く感じていることもわかった。

 ところで、第1因子として析出されたイメージ要因については、少し意外に感じた。「地域課題の解決」「学 びや経験を伝えられる」「利用者の意見や要望で変わる」「子ども・若者向けの講座もある」「いろいろな情報 を知ることができる」といった項目は、多様というかバラバラなものに感じられたにもかかわらず、回答者 の回答パターンとして相関が強く一つの因子としてまとめられたことが意外だったのである。しかし、逆に 言えば、多様な側面をもつ施設が生涯学習センターであり公民館だというイメージが共有されているのかも しれない。

 イメージはイメージに過ぎないが、同時に生涯学習センター(公民館)に関心をもつかもたないか、実際 に利用しようと思うか思わないか、またどのような活動ができ、どんな可能性があるかを試そうとする姿勢 に影響するものでもある。センターは、個々の講座・活動・事業を地域に広く紹介し、またその存在を様々 なかたちでアピールするとともに、センターがどんな場所で、どんなことができるのか、市民にとってでき るだけ魅力的なイメージで伝えることが今後ますます重要な課題となってくるのではないだろうか。

6 おわりに

 静岡大学生涯学習教育研究センターではこれまで様々なかたちで調査研究を企画し進めてきたが、今回の 調査研究についてはこれまでと経緯が異なり、関わり方も違っている。葵生涯学習センター運営協議会の市 民委員から発案があり、事務局の尽力もあって、簡潔ではあるが大規模な調査が企画・実施された。われわ れのセンターは、葵生涯学習センターによる調査票の作成・配布・回収・集計が終わった後で分析に関わり、

これはこれまでにない連携・協力のあり方であった。

 単純集計およびいくつかの項目によるクロス集計結果は、平成20年度の葵生涯学習センター運営協議会に て報告されたが、委員からは追加の分析作業を行うようも求められるなど、意欲的な働きかけもあった。

 最後に、葵生涯学習センター運営協議会の委員および事務局の方々、また調査に協力された市民の方々に 謝意を表したい。

(10)

阿部耕也・望月雄司「公民館・生涯学習センターの利用実態とイメージ」

葵生�学�センター・アン�ート ��集��� ��420

� あなたのことについて教えてください。

①性別 男

27.1 ・ 女 72.9 (※数値は%)

②年齢 平均 31.1+α歳 10 代

13.5 20 代 26.9 30 代 16.1 40 代 30.0 50 代 7.2 60 代 5.0 70 代 1.2

③お住まいはどちらですか。 葵区

52.0 駿河区 26.0 清水区 6.0 その他( ) 15.9

④お勤めはどちらですか。 葵区

54.7 駿河区 33.2 清水区 3.5 その他( ) 8.6

⑤ご出身はどちらですか。 静岡市

40.9 県東部 9.9 県中部 9.6 県西部 7.1 県外 32.5

⑥職業を教えてください。

a.会社員・公務員

23.2 b.自営業 9.5 c.家業手伝い(家事手伝いは含まない) 2.7

d.家事手伝い

0.2 e.パート・派遣社員・嘱託・非常勤 13.9 f.専業主婦(主夫) 7.8

g.学生

38.9 h.無職 1.0 i.その他 2.7

� �までに葵生�学�センター(�中�公��)をご利用になったことはあ�ますか?

� 講座・サークル活動などに��するとしたら�どの時間が��しいですか。

回答用紙の該当する項目に○をつけてご記入ください。(複数回答可)

月 火 水 木 金 土 日

午前 好都合 8.8

ほぼ良い 7.6 不明 7.6 難しい 76.0

好都合 9.6 ほぼ良い 8.5 不明 6.0 難しい 76.1

好都合 9.6 ほぼ良い 8.7 不明 6.3 難しい 76.1

好都合 9.7 ほぼ良い 8.5 不明 4.8 難しい 77.0

好都合 7.9 ほぼ良い 11.8 不明 7.6 難しい 72.8

好都合 12.9 ほぼ良い 26.3 不明 15.2 難しい 45.6

好都合 10.3 ほぼ良い 35.5 不明 15.0 難しい 49.6

午後 好都合 0.9 ほぼ良い 10.1 不明 12.2 難しい 76.8

好都合 10.1 ほぼ良い 11.3 不明 0.0 難しい 78.5

好都合 2.4 ほぼ良い 10.8 不明 11.1 難しい 75.3

好都合 0.3 ほぼ良い 12.6 不明 12.9 難しい 74.2

好都合 1.2 ほぼ良い 11.9 不明 11.9 難しい 74.9

好都合 12.1 ほぼ良い 31.4 不明 15.6 難しい 40.9

好都合 9.6 ほぼ良い 30.1 不明 18.6 難しい 41.7

夜間 好都合 6.4

ほぼ良い 25.7 不明 13.4 難しい 54.5

好都合 6.1 ほぼ良い 24.2 不明 15.2 難しい 54.5

好都合 8.4 ほぼ良い 24.7 不明 12.4 難しい 54.5

好都合 6.1 ほぼ良い 25.8 不明 13.6 難しい 54.5

好都合 8.1 ほぼ良い 24.2 不明 14.1 難しい 53.6

好都合 10.0 ほぼ良い 24.0 不明 15.1 難しい 50.9

好都合 6.6 ほぼ良い 20.9 不明 15.2 難しい 57.3

� ご興味のある分�を教えてください。(複数回答可)

①�学・�� a.郷土

28.6 b.日本 44.8 c.世界 34.0 d.( )

②時事�� a.政治

26.0

b.経済

33.6 c.教育 44.0 d.( )

ない 61.8

方にお尋ねします。

ご利用がない理由を教えてください

ア 時間がない

14.8

イ 遠い

7.0

ウ 何をやっているのか分からない

44.1

エ 場所を知らない

53.9

オ 興味のある内容がない

4.3

カ 経済的に余裕がない

1.2

キ 介護・託児を頼むことが出来ない

0.4

ク その他

5.9

ある 38.2

方にお尋ねします。

利用目的はなんでしたか?

ア センター主催事業(講座)

37.0

イ サークル活動

62.3

ウ あいせる喫茶

15.4

エ トイレに立ち寄った

11.7

オ 図書コーナー

20.6

カ 広報など市の情報を収集

11.1

キ 待ち合わせ

11.1

ク その他

8.6

(11)

③���ン・インター�ット a.メール

21.7

b.ブログ

28.6

c.文書入力

19.3

d.ゲーム

14.5

e.基本的操作

26.2 f.( )

④�� a.製作

32.6 b.鑑賞 55.6 c.研究 6.4 d.( )

⑤��文� a.語学

35.1

b.世界遺産

43.8 c.風習・習慣 34.8 d.( )

⑥���・ラジ� a.ドラマ

33.3 b.映画 55.7 c.音楽 41.7 d.( )

⑦音楽 a.ポピュラー

60.2 b.クラシック 33.1 c.( ) .

⑧食文� a.日本の料理

49.3 b.世界の料理 42.9 c.農業体験 18.4 d.食育 21.9 e.安全 14.5

f.( )

⑨�書・�� a.時事

29.8 b.芸能 19.5 c.ベストセラー 32.0 d.好きな作家 34.5 e.( )

⑩自� a.散策

60.5 b.観察 30.5 c.( )

⑪��・�学 a.運動

47.4 b.料理 42.9 c.病気のこと 36.2 d.薬のこと 19.0 e.( )

�スポー� a.観戦

45.0 b.自分がする 49.3 c.( )

�地域活動 a.サークル

28.8 b.祭り 39.8 c.町内会 8.8 d.子ども会 10.5 e.まちづくり 16.2

f.( )

��行・�� a.計画し行くのが好き

61.7 b.ガイドマップを見るのが好き 33.3 c.( )

��ジ�ー ( ) 例:つり ドライブなど

�.生涯学習センター(���)についてどのようなイメージを

��ちでし�うか。

①生涯学習センターではいろいろな事柄を学ぶことができる

21.7 60.4 16.0 1.5

②生涯学習センターでは仲間といろいろな活動をすることができる

26.3 59.6 12.4 1.7

③生涯学習センターではいろいろな人と交流ができる

29.5 54.5 14.4 1.7

④生涯学習センターでは自分の学びや経験を他の人に伝えることができる

11.5 44.8 38.8 5.0

⑤生涯学習センターでは地域の課題などの解決法を考えることができる

8.4 40.9 42.2 8.4

⑥生涯学習センターに行けばいろいろな情報を知ることができる

15.6 54.7 27.7 2.0

⑦生涯学習センターはどちらかといえば年齢の高い人向けである

30.1 43.7 22.0 4.2

⑧生涯学習センターはリピーターでないとなかなか使えない

19.7 42.6 31.7 6.0

⑨生涯学習センターにも子ども向け・若者向けの講座や活動がある

7.5 45.5 41.1 6.0

⑩生涯学習センターは利用者の意見や要望によって変えることができる

8.1 46.7 38.6 6.6

⑪上記以外にイメージがありましたら、ご自由にご記入ください

�.��、どのような講座に��したいか�えてください。 回答用紙にご記入ください。

以上で質問は終わりです。ご協力ありがとうございました。

参照

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