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論 文 内 容 の 要 旨

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Academic year: 2021

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(1)

氏名・(本籍)

学位の種類 学位記番号 学位授与の口付 学位授与の要件 学位論文題目

論文審禿委員

重  安  邦  之(山口県)

工  学  博  士

工博乙第 15  号 昭和6 2年1月2 4日 学位規則第5条第2項該当

魚群探知機の画像処理に関する研究

(委員長)

教 授 阿 部 圭 一

教 授 鈴 木 久 喜  教 授 山lH   萎

教 授 水 品 静 夫  教 授 藤 安   洋

論 文 内 容 の 要 旨

今日超音波は魚群探知機(魚探)や超音波診断装置,超音波顕微鏡等に広く使用されている。本論 文では魚探において鮮明な画像を得るために開発した,新しい画像処理の方法について述べるもので ある。従来から魚探においては,浮遊物からの超音波の散乱や他の魚探からの干渉が雑音となり問題 となってきた。また船の振動により一様な物体からの反射波も変動するため,画面上で一様な物体と は見なせなくなるという難点があった。そこで,これらの問題点を解決するために,雑音除去や画像 の平滑化について検討した。特に魚探のように刻々と新しいデータが入力されこれらをリアルタイム に処理する必要がある装置では,従来のバッチ処理に適した画像処理の手法は使用できない。そこで,

新たな方法を試みた。

まず最初に魚探や海底等の有意データは「【jl一深さにおいて連続性があり,雑音にはそれがないとい う性質を用いた雑音除去の方法を考えた。この方法は同一深さにおける過去数回のデータがある牌値 以上であれば1,それ以下であれば0で記憶しておき,ある深さのデータを画面に表示するかどうか は同じ深さの過去のデータとの論理積によって決定する。すなわち,0であれば雑音として表示しな いという方法を提案した。そしてこの方法を実際の雑音に適用し,除去できることを確認すると共に,

乱数を用いて生成した雑音に対して適用し評価を行なった。その結果,通常の雑音密度であれば過去 2回との論理積によって完全に除去できることがわかった。

次にこの論理積による方法は,効果は大きいが有意データまで除去してしまう欠点があることがわ

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(2)

かった。そのために,平均化によって雑音を抑圧すること(平滑化)を検討した。平均法としては,

異常データに対する抑圧効果の大きい指数平滑法を用いることを提案した。この方法は表示に使用す るデータの平均値(期待値)Snを,現在のデータDnと同一深さにおける過去の期待値Sn」から 次式で求める。 Sn=αD。+(1−a)S。_l ここでαは現在のデータに対する重みである。こ の方法は過去の期待値を深さ方向のデータと同数記憶しておくだけで,過去のデータとの平均がとれ

る簡単な方法である。この一次元指数平滑法で処理した場合,平滑化のために処理方向に若干の立L りの遅れが生じたが,α=1/2で処理したものが雑音も抑圧され,画像も平滑化され鮮明な画像と なった。

次に原画像により忠実な平滑化された画像を得るために,二次元データとの相関がとれる二次元指 数平滑法を考え出した。すなわち,あるデータD(た)を平滑化する場合,まず同一深さ方向(時間的に は過去で画像では横方向)と,深さ方向(画像では縦方向)から期待値を次式を用いて別々に求める。

R(た、=aD(kl+(1・●−a)S告, C(ヒー=aDrと)+(1−α)S(と ̄‖ ここでS告 は同一深さ

における一つ過去の期待値,Srと ̄−)は深さ方向においてD(詫−より一つ上の期待値である。そして,別々 に求めた期待値の算術平均をとり,画面に表示する期待値S(ヒ)を次式で求める。

S誉)= R禁)+Cまk)

=αD禁)+(1−α)

S上皇+SJk ̄l)

この式はデータについて展開すれば,二次元に広がるデータの関数として表わされる。この式を用い れば,一次元と同様に期待値を記憶しておくだけで二次元の平滑化が容易に行なえ,従来のマスクに よる平滑化と同様な効果が得られる。この方法で処理した場合,一次元の方法と比較して立上りの速 い平滑化された画像が得られた。特にα=1/3で処f璧した画像が最も鮮明であった。

さらにこの方法を三次元に拡張し,超音波顕微鏡等に使用できる三次元の平滑化理論も導いた。

次に従来海底の包路線を表示する場合,最も強い反射波を海底として表示していたが,二次元指数 平滑法の期待値の差分がある閉倍以上であるならば,ここをエッジと考え海底の包絡線を表示する方 法を考え出した。この方法は従来のラプラシアン処理と近似的に等価な方法であり,処理が簡単でリ アルタイムのエッジ抽出が可能となった。この方法により,海底や魚群のエッジが鮮明に表示できる よう・になった。

最後に本論文で用いた一次元,二次元指数平滑法はデジタルフィルタであり,この理論を用いてこ れらの手法の特徴を明らかにした。まず一次元指数平滑法は一次元の巡回型デジタルフィルタであり,

この周波数特性,インパルス応答,電力相や平均振幅等を求めた。次に二次元指数平滑法についでも 同様にこれらを求め,雑音の抑圧や平滑作用の効果について両者を比較した。その結果,二次元指数 平滑法の方が優れていることが理論的にも明らかになった。

以仁のように,本研究では様々な処理を試みたれ二次元指数平滑法が雑音の抑圧や平滑化,ある いはエッジ抽出に対して最も有効であることがわかった。現在本理論は実際の魚探に適用され,その 効果が実証されている。

一一 58 −−

参照

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