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放射線と物質, 測定, 管理

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(1)

放射線と物質, 測定, 管理

雑誌名 放射能要覧 (解説付)

金沢大学放射性同位元素委員会(編)

ページ 33‑96

発行年 1980‑11

URL http://hdl.handle.net/2297/00051738

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

(2)

( M ) 放 射 線 と 物 質 , 測 定 , 管 理

18RS"Ha!lwachs 光電効果の発見

96FLBecquerel 放射線の写真作用、螢光作用、電離作用

19()るWCr'、okes;J.Elster,HGeitel・硫化亜鉛のうすい結晶のα線による発光 0 4 E S . L o n d o n R n に さ ら し た 蛙 の A u t o r a d i o g r a p h y 、

0 5 A F i n s t e i n 光電効果の量子論的説明

ZnS(Cu)膜と顕微鏡による「Spinthariscope」

08WCrookes,ERegener

の考案

8ERegener 夕・イアモンドのα線による発光

ThCのα線の粒子数をイオン効果の拡大により測定 8ERutherford,HGeiger

@roc・Roy.Soq481,14]J

1 9 1 0 木 下 季 吉 α 線 の ハ ロ ゲ ン 化 銀 に 対 す る 作 用 α飛跡の写真作用による検出 11MReinganum

Wilson霧箱の発明や雷。c.Roy・SOC・亜,28$

1 q n R . W i l s o n

電離パルス測定の改良(象限電気計のかわりに弦電気計使

12ILGeiger

用)

13J.Danysz,ERutherford9ILRobinson 180omagneticfocusing.̲

BSpectromete『睦Radiumlq,4J thi'・Mag亜ワユォ

1 9 2 ユ 清 水 武 雄 W i l s o n 霧 箱 測 定 の 自 動 化

22AKotzareffRaによるA11toradiography(Radiumgraphs, Curiegraphs)

Compton効果の発見(Phys・Revba,7'$

23ヘILCompion

24ALacassagne Po注射動物の組織切片のAutoradiographyb

2 5 M i s s e s B l a u 核反凧p)の研究に写真作用利用

Augereffectの鰯測tompt.rend.lgg'6j

5EAuger̲

2 8 I L G e i g e r G e i g e r ‑ M t i l l e r T u b e の 発 明

8ERegener CounterとRegister装置

ク懇の波長(エネルギー)の結晶解折による測定

8 M F r i l l e y

tompt.rend.186,137.…・・・'E'9

Klein‑Nishin・aの式厘Phys・聖,853

29QKleinnY:Nishina

1 9 6 0 S R o s e n b l u m ThCのαスペクトルのfineStructure

r。mpt.rend̲190.,1124)

OBRossiCoincidenceCircuit.bWature里且,"3

1930〜50 電離箱,比例計数管'G、M管など電子回路系測定器の進

Cerenkov光の発見[compt.Rend・Acad・Sci.

34P.A・Cerenkov

USSR245」]

数百Mevの陽子の原子核乳剤による記録 35A.Zhdanow.

(3)

3ワC、C・Lauritsen,T・Lauritsen石英糸検電器の考案

ワ A . T r o s t G . M . 管 に ア ル コ ー ル を 加 え 自 己 消 止 方 式 を 考 案 38C・Grovenetal. ろどPなどによるβAutoradio"raphy.

8 N ・ F e a t h e r . F e a t h e r 法 の 考 案

[Proc.CambridqePh!!.Soc.",591

」 9 4 0 C . F ・ P o w e l l 原 子 核 乳 判 に よ る エ ネ ル ギ ー 測 定 等 の 定 量 的 研 究 42G.Stever G.M・Coun・terのDe"time,recovertime

の観測法(ionsheathの移動)

thys,Rev・鰹,"]

44S.C・Curran,W.R・Bekerα線源のつよさ測定にZnSと光電子増倍管を利用して 電流測定

45P.J・▼anHeeden 結晶伝導計数器の発見

46E.Bleuler,W。ZUnti吸収にエるβ線最大エネルギー測定法の改良

bleiv.PhyS.ActaLg,3'79

4ワ』.W・COltman,F、W・Marshall個々の光のパルスの計数

ワH・Kallmann ナフタレン結晶のβ織てよる発光(Scintillation Spectrometryの端緒)

ワM・Deutsch. 同上の確認と発展

4 8 P . R ・ B e l l ア ン ト ラ セ ン 、 ナ フ タ レ ン よ り 大 き な パ ル ス を 与 え る ことの発見

8R・Hofstadter Nal(T1)結晶をγ線の検出に使用

1951E.C・Anderson"J.R.Arnold,W、F・Libby低BG・C‑14測定装置

tev・SCi・Tnstr…翌229

52W.F.HornyakZnSとLuciteをまぜた中性子辮置

医ev・Sci・Instr,23,

2D.A・Glaser BubbleChamberの発明

53J.W・Thoma8ノV、V.Verbinski,W、E・Stephen8

Pulse‑timeconversionによるmulti‑

channelPHA.@ev・Sci・Inst,24,1013 Harley法の考案[Nucleonics』且,34

55J.H.Harley,N、Hallden.

5ワT、E.Craushaw.J.F・DeBeerSparkChamberの発明

ibv。Cimento̲Q,ユユ03

59S・Fukui,S,Miyamoto 福井.宮本箱(DischargeChamber)の発明 GIuvoCimento型̲,''4

1962D.V.Freck,J・WakefieldGe(Li)アスペクトロメトリー [Naturelga,669]

63P.P.Webb,R.L.Williams [Nucl,Instr.Methods.̲22,361]

全般についてはP195上表参照.

34

(4)

(IIA)放射線の物質による吸収,減衰

Ⅱ−1荷電粒子が物質中を通過するとき原子との電気的な相互作用を起し独道

li塗̲L璽王迄原子から垂L出鼻土と迄」1二L型璽離作用)。

単位の長さ進行したとき電離作用で失うエネルギー,‑dE/dx,はこのBetheの式で 表わされる。E,Z,vはそれぞれ,荷電粒子のエネルギー(eV),核荷電,量,

速度で,Z,n,1は,物質の原子番号(単一元素でないときは平均値をとる), 原子密度(n原子/cc),平均イオン化ポテンシャルである。また9eは電子の電 荷(4.80298×10−1oeSU)でmはその質量,"=v/cである(cは光速)。この式の定 性的な意味は,‑dE/dxは物質の電子密度に比例し,荷電粒子の速度の二乗に逆比 例するということである。

II‑2物質に入射した荷電粒子が,物質の深さとともにそのエネルギーを相互 作用で失い,減少していくようすを示す図で,この曲線の接線の傾きがdE/dxとな

II‑3α粒子,重陽子,陽子,宛中間子,〆中間子,電子が,空気中で1cm"

たり失うエネルギー(比エネルギー損失)を,それぞれのエネルギーの関数として示 す。核荷電が大きく,重い粒子ほど物質と相互作用しやすく,比エネルギー損失は 大きい。また,粒子のエネルギーが低いほど相互作用でエネルギーを失いやすい。

II‑411‑3では空気層の厚さをc、単位でとったが,正確には空気の密度が問 題になり,g/函の単位で吸収行程の厚き(mx)を表わすのがよい。したがって,

この図はいかなる状態の空気についても適用できる。エネルギーが高くなると,軽 粒子の電子(e‑)では,エネルギー損失の諸過程の中で,制動放射による放射線の 放出によるエネルギー損失が大きくなる。なお,乾燥空気は15℃,760mmHg圧力

で1.226mg/cIIfである。

II‑5エネルギー損失の過程には,電離によるものの他に,放射線の放出(制 動放射)によるものがあり,電子について,そのエネルギーとともに,これらの過 程による質量阻止能の物質によるちがいを示す。電離によるエネルギー損失瓢は,原 子番号の小さい物質中ほど起りやすく,放射損失は原子番号の大きい物質中ほど大

きい。(瀬ただし単位表面密度あたりとして)

(5)

36

IIA放射線の物質による吸収,減衰

II‑1電離励起によるエネルギー損失

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空気の質量胴I卜能

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I I ‑ 3 各 種 粒 子 の 比 エ ネ ル ギ ー 損 失 11‑4

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II‑5空気,AI,Pbによる電子のエネルギー損失(質量阻止能)

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守 一 マ マ ロ マ ■ で 一

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(6)

II‑6α粒子の飛程は一般に吸収法で測定され,気体の吸収体が用いられる。

その測定装置の概略を示すと,α線源を移動可能な台の上に固定し,コリメーター,

しぼりを通した一定方向のα線のみを電離箱で検出する。検出器と線源の間の距離 を精密に調節変化させながら検出されるα線の数をしらべていくと,II‑10図のよ うな曲線が得られ,飛程を精密に測定できる。

II‑7乾燥空気中でのα粒子の飛程(cm単位)を,その運動エネルギーの関数 として示す。ここに考慮したエネルギー損失はもっぱら電子との衝突によるものでゥ 曲線Iは左軸,IIは右軸を見る。

II‑8Al中でのα粒子の飛程をII‑7と同様にして示すが,飛程は,吸収行程 中の毎平方センチメートルあたりのmg数で表わしてある。Alの比重2.702を用いて,

容易にcm単位の飛程が得られる。

II‑9荷電粒子の進路lcmあたり生成するイオン対の数を比遜離度とよぶ。こ の図では,標準状態の空気中で,21op。(E"‑g‑aQ型型)と2'4P。(E"=Z畠鎚MaY) のα線の相対的な電離度を,線源からの距離に関して示す(Bragg曲線という)。β 線と同様,停止する直前で大きな電離度を示す。α粒子の比電離度はβ線の約103 倍である。なお,電離度の極大は飛程の末端から3mmのところにあり,そこでのα 粒子のエネルギーは0.37MeV,速度は4.2×lOscm/secである。

II‑1011‑6に示すような装壷で,α線源からの距離rのところで見出される α粒子の数を,rに関してプロットすると実線の曲線が得られる。この曲線の微分 曲線(破線)は,飛程の分布を与える。飛程は統計的変動によって,3〜4%の小

さな広がりをもつことがわかる。Rは平均飛程,Rexは補外飛程(extrapolated range)

II‑14重荷重粒子を白雲母(その他,絶縁性固体なら可)に入射させると,そ の通過した道すじの部分が損傷を受け,飛跡となって残る。これをフシ化水素酸な どの試薬で処理すると拡大され,光学顕微鏡でも観察できる(付6(P135)参照)。ただし dE/dxが,その絶縁性固体特有の値以上でないと観察可能な飛跡は残らないことを この図は示すbll‑15〃‑26,27,28,(いずれもP100)Ⅵ‑13,14も関連するから参照せよ。

なお荷遜粒子飛跡については阪上著「粒子トラックとその応用」(南之工堂1973)に 詳しい。

(7)

38

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n ‑ 6 鉄 粒 子 飛 程 の 精 密 測 定

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II‑7〆粒子飛程(空気中)

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8 9 1 0 1 6 旧

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Ener9y,Mev

n ‑ 8 銭 粒 子 飛 程 ( A I 中 ) 1 1 ‑ 1 4 白 雲 母 検 出 器 に よ る 粒 子 飛 跡 の 記 録

(8)

II‑11写真乳剤に荷電粒子が入射すると,その通過した跡が感光し,現像処理 によって図のような飛跡が観察される。軽い電子は衝突による散乱が大きく,飛跡 は真直にはならない。また,中性子は,それ自身は飛跡を残さないが,乳剤層中で 相互作用を起して荷電粒子(反跳陽子など)が運動した場合,その飛跡が残る。な お右図のように原子核乾板に232Th系列(I‑40参照)を含む試料があると,ThXと それ以下の短半減期核種がつぎつぎに壊変するため,4種のα線(放射状の飛跡と して現われ,スターとよぶ)と,1種のβ線による飛跡が生成し,Thの存在が証明 される。なお,現像処理によって乳剤層が収縮するので,飛跡の真の長さは,観測 された長さに収縮係数の補正を行って得られる。付5(P135)には23'Paのα線の飛

跡の写真を示す。

II‑12α粒子のエネルギーと原子核乾板中での飛跡の長さの関係を示す。この 図の下に示したような原子核乾板を使っての実験結果をもとにしたもので,飛程か らα線エネルギー,ひいてはそういうエネルギーのα線を放出する核種がこの図の 上から同定される。

11‑13α粒子,重陽子,陽子,兀中間子,郷中間子の原子核乾板中での飛程が,

そのエネルギーの変化とともにどのように変わるかを両対数のグラフで示す。同じ エネルギーでも,相互作用の大きい粒子ほど飛程は短い。なお,粒子の同定は,飛 跡の太さなど種々の特徴からもなされる。

II‑15原子核分裂によって放出される軽,および重核分裂片(Ⅲ‑42参照)が Alに入射し,その中を進んで行く場合,表面からの深さとともにdE/dxがどのよう に変化していくかを実線で右の縦軸のスケールで示す。軽い核分裂片は璽いものよ り相互作用が少なく,dE/dxの変化がゆるやかである。白雲母に核分裂片を入射さ せた場合,飛跡の数は深さとともに破線(右の縦軸のスケール)のように減少する。

斜線部以上のdE/dxでないと荷電粒子が通過しても飛跡は残らない。

II‑16Cf‑252自発核分裂によって放出される核分裂片を,雲母,硝酸セルロ ース(セルロイド),レキサン(ポリカーボネート)中に飛びこませつくられた飛 跡 の エ ッ チ ン グ に よ り 得 ら れ る ピ ッ ト の 長 さ の 分 布 に つ い て 示 す 。 プ ラ ス チ ッ ク ス 中の方が,雲母中より長い飛跡が残る。なお,プラスチックスおよび雲母中での軽 い核分裂片の飛程(LP,LM)と重い分裂片の飛程(HRHM)も示した。

(9)

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II‑11原子核乾板による飛跡

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II‑13各種粒子の飛程とエネルギー

(原子核乾板)

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Ed(MeV)

II‑12"粒子飛程とエネルギー(原子核乾板)

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II‑16Cf‑252の核分裂片の飛跡分布

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II‑15 核分裂片に対するAIの阻止能,

雲母検出器での飛跡分布

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(10)

(イ)鉱物中に入射した荷電粒子は,一次イオン化率がある値以上であればエッチ ング処理によって観察可能な飛跡(1解以上の長さ)を生成する。種々の鉱物につ いて,飛跡生成が可能となる一次イオン化率の値は,白雲母を1とすると,(II‑14 参照)この表の左側に示したような数になる。また,このようにして検出できる最

も軽い粒子の原子番号を右の欄に示す。

(ロ)粒子飛跡は,エッチングする前に熱が加わると消失して観察できなくなる。

この図は,限石櫛成鉱物のいくつかについて知られている熱アニーリングの特性を 示す。実線の部分が実験結果で,これを外挿したのが破線の部分である。温度ばか りでなく,時間も重要な因子で,低温であってもそれが長時間加わると,飛跡を消 失させてしまうことがわかる。また鉱物によるアニーリングの差異も重要である。

(ハ)粒子飛跡の由来については,いくつかの源が考えられており,それぞれにつ いて予想される飛跡の特徴をここに示す。実際に観測される飛跡の長さ分布,角度 分布,深度変化などを,この表とてらし合わせて,その由来が判別されている。(以 上トラック法についてはII‑14解説にあげた文献参照)

(11)

42 TEMPERATUREIcI

TEMPERATURE!IIOソK1

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(イ)粒子飛跡の生成

(口)粒子飛跡のアニーリング

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MagneticmolloPol" Slight 傘睦IIgthdiIitributionisQmiformfromOtoL,DQxunle"otherwiseno"d.

1AI'iSutr@pymayr"ultfrumnon"ntralsamplelocationinmet"rit"

(ハ)各種粒子飛跡の判別

(12)

n‑17荷睡粒子が気体中を通過すると,その通路に沿ってイオン対が作られる

(電離)。このイオン対には,荷電粒子が中性原子と衝突して直接電離により作ら れるものと,この電離で加速された電子が二次的につくったものがある。なお,荷 電粒子の電離作用で二次的に加速きれた電子を6線とよぶ。

Ⅱ−18砥子のような軽い粒子は他の電子と衝突すると,エネルギーを失うとと もに,進路が散乱により曲げられやすい。したがって,物質中での電子の進路は直 線的ではない。それゆえ,そのいわゆる飛程はみかけの飛程である。

Ⅱ−19種々の厚さの吸収体を通過したβ線の荊合を,吸収ゼロをlとして,吸 収層の厚さに対してグラフにしたものを吸収曲線という(測定の幾何効率は一定と して)。単色のβ線の場合(Ee=3MeVの図)方眼紙に図示すると直線になるが,

連続スペクトルをもつβ線の場合(EPmax3MeVの図),近似的に指数関数的吸収 法則が成立する。Rは最大飛程である。片対数紙に吸収曲線をかくと,下の図のよ うに,(a)1種のβ線が出ている純β放射体の場合(R以上での寄与は制動放射に よるγ線のため),(b)γ線を伴う場合(バックグランドが高く尾を引<),(c) 2種のβ線が分岐して出ている場合(2種の吸収曲線の合成曲線)と,それぞれ特 徴的な様相を示す。さらにその右図には,2種のβ線が混合物の各核種から出てい

る場合の例を,goSrとgoYの平衡混合物について示した。

Ⅱ−20砥子は物質中での散乱が著しく,物質に衝突すると,その相当の部分は この過程の結果としてみかけ上反射されてくる。したがって,線源を種々の厚さの Al板上に置いて,Alの厚さによる計数率の変化をしらべると,この曲線のような結 果となる。この後方散乱の強さは,反射体の厚さが増すとともに増大するが,電子 の飛程の約汚程度以上の厚さになると飽和に達する(飽和後方散乱)。

II‑21飽和後方散乱によるβ線源の放射能の測定値の,反射体がないときの測 定値からの増加率を,反射体の原子番号を変え(横軸)β線源の種類のちがいをパ ラメーターとしてしらべると,この図のようになる。反射体の原子番号が大きく,

またβ線のエネルギーが高いほど,吸収の影響も少いため,みかけ上,後方散乱は 大きい。

Ⅲ−22左図は種々の後方散乱体について,その厚さが増すとともに増加する放 射能の割合を示したものである。反射体の原子番号が増すと電子密度が高くなるた め,散乱率が高くなって飽和後方散乱は大きくなる。なお,充分な厚みをもつ反射 体があるときのβ線源の飽和後方散乱の放射能測定値に反射体中での自己吸収につ いての補正を加えた値と,反射体がないときの測定値との比を後方散乱係数とよぶ が,種々の原子番号の反射体についてのこの比の値をとると右図のようになり,線 源の種類にはよらない。

(13)

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(14)

n‑23片対数紙の縦軸に放射能,横軸に吸収層の厚み(mg/dr)をとって吸収 曲線をえがくと,その形は直線に近く,すなわちほぼ指数関数的減少を示す。それ ゆえ,吸収係数(郷)と半減の厚み(dx)のあいだには,指数関数的減衰をなす放 射性壊変のさいの壊変定数と半減期の関係と同じ関係があるとしてよい。しかし吸 収曲線はβ線が連続スペクトルをもつことと,吸収体による散乱,吸収が重なった 複雑な過程の結果であるため,β線エネルギーおよびβ線放出体の原子番号が高く なるに従って吸収曲線は原点に対して凹になる。なお,吸収層の厚さとしては,線 源のカバー,線源と計数管の間の空気層,G.M・管の雲母など測定器の窓の厚さなど の考恵も忘れてはならない。

II‑24吸収体の原子番号の差はβ線の散乱の差となり,当然,吸収体の厚みを mg/"であらわしても吸収曲線の形状は異ってくる。原子番号が低いほど同じエネ ルギーのβ線に対して吸収曲線のはじめの部分から求められる半減の厚みは大きく

なる。

II‑25両対数紙の横軸にβ線の股大エネルギー(Emax),縦軸に最大飛程(Rmax) をとって,種々の核種についての実験結果をプロットするとこのような曲線が得ら れる。この曲線から,10KeV〜3MeVの間,および 〜20MeVの間の簸大エネルギ ーをもつβ線について,それぞれ図中の左上および右下に示したような経験式が提 示されている。この図は股大飛程の決定(II‑28)からβ線の最大エネルギーを求

めるさい重要である。

II‑26厚みをもつ試料の放射能は試料自体の中で吸収が起るため,放射能の測 定値は試料の厚さに比例しないで(表面欲一定とする)ついには飽和に達する。飽 和したときの厚みを無限厚みという。Amaxは吸収ゼロとしたときの放射能(穣算値),

A*は実測値で,その関係式を図中に示す。郷を吸収係数,dを試料の厚さ,

a。を吸収ゼロのときの単位厚さの放射能とすれば,この式は,Amax=aod,A*=

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Ⅱ−27試料の厚さとともに自己吸収のため,放射能の実測値はⅡ‑26に示すよ うに真の穂算値Amaxより低く出る。この減少の程度はβ線のエネルギーによって 異る。32P,F・P.(核分裂生成物),およびn3'Iについての実測の結果を示すが,そ れぞれの試料の厚さに対応する縦軸の値で放射能測定値を割って自己吸収の補正を 行なうと吸収ゼロの値が求まる。Ⅷ−9には'4Cの場合の結果が,試料の厚さを対 数表示として示してある。

(15)

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(16)

II‑28(Feather法)吸収曲線からβ線の般大飛程を決定する一つの比較法で ある。標準β線源の吸収曲線(a)(この図ではRaEをとったが通常szP(最大飛程 760mg/cr)をよく用いる)と未知試料のそれ(b)はある意味で相似形で,最大飛程 に対する吸収体の厚みの割合(fraCtionofrange;f)が同じなら,測定放射能の,

吸収体ゼロのときの放射能(Ro>に対する割合(Transmissionfactor;T画は同 じであるという仮定にもとずく。標準体の各fに対するTFは計算する必要はなく,

縦軸の各R点の相対的位置を別紙にうつしとり(これをFeatherAnalyserという), これを未知試料の吸収曲線の縦軸にあてがい,各Rに対する吸収体の厚みを求め,

それを対応するf値で割ってそれぞれから般大飛程を計算する。この値を各fに対 してプロットすると(C)に示すような曲線が得られる。これをf→1.0のところ に補外すれば未知試料のβ線最大飛程に股も近い値が推定できる。未知試料と標準 のβ線スペクトルが理想的に前記仮定に従うなら(C)図のFeatherプロットは横

軸に平行な直線となるはずである。

II‑29(Harley法)標準試料および未知試料の同一吸収体厚みにおける透過率

(吸収体があるときとないときの放射能の比)を比較するため(a)のように縦軸に 標準試料,横軸に未知試料の透過率を両対数紙にプロットする。もしⅡ‑28でのべ たと同じような仮定が成立するなら,これらを結ぶ線は直線となるはずである。し かも,この直線の傾斜は標準および未知試料のエネルギーによって異る。標準試料 には,低エネルギーのものとしては"Ca,高エネルギーのものでは32Pなどを用い,

これら標準試料を対照としたときの傾斜とそのさいの未知試料のβ線最大エネルギ ーの実験的関係図(b)(c)から妓大エネルギーを求める。未知試料が二成分以上の

β線を出す場合,(a)に示す直線は屈曲を示し,それぞれの直線部分の傾斜より,

β線最大エネルギーをそれぞれ求めうる。

(17)

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(18)

Ⅲ−30(Bleuler,Zuntiの方法)β線スペクトルが般大エネルギーのみでなく,

それが同じでも(a)に示すように放出体の原子番号によっても,β−,β+粒子それ ぞれに応じて影響されることを考慮した方法である。すなわち(b)に示す吸収曲 線(Al吸収体を規蠣とする)から求められる半減の厚み(d,),÷の厚み(d2),

……等々のdnにつき,(d)図により,放出体のZ,放出粒子,大約のエネルギー値 に応じたZ=20に対する補正係数Cnをよみとり,これを乗じて規格化されたdnを求 める。この値から(C)図によI)直接最大エネルギーを求める。(C)図はI,II,m に応じ横軸の目盛が異ることに注意せよ。

Ⅱ−31(音在,林の方法)meuler,Zunti法は片対数プロットでとった吸収曲 線を使うが,これを完全に直線化するために,Bleuler,Zunti法における標準吸収 曲線を用いて方眼紙の目盛を変形して,ここに示すような解析紙を作る。これは初 期計数率を1万として作ってあり,直線を伸ばして計数率ゼロの横軸と交わるとこ ろが最大飛程(mgAl/cnf)であり,このAl吸収体の厚さを最大エネルギーに換 算するには上の横軸を用いればよいが,直接には初期放射能強度1万のときの股大 飛程をもとにしているので,その他のときは初期放射能強度に応じて補正曲線によ

り最大飛程を規格化して股大エネルギーを求める。

参照

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