• 検索結果がありません。

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 報告番号

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 報告番号"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

報告番号

博(生)甲第207号

氏 名 池 田 光 壱

学 位 審 査 委 員 会

主 査 荒 川 修 副 査 工 藤 俊 章 副 査 石 橋 郁 人 副 査 高 谷 智 裕

・論文審査の結果の要旨

池田光壱氏は、2002 年

3

月に長崎大学水産学部を卒業し、同年

4

月に長崎大学大学院 生産科学研究科博士前期課程に入学後、2005 年

3

月に同課程を修了して水産学修士を取 得した。さらに同年

4

月に同研究科博士後期課程に進学し、現在に至っている。同氏 は、博士後期課程進学以降、海洋生産科学を専攻して所定の単位を修得するとともに、

フグにおけるフグ毒蓄積機構に関する研究に従事し、その成果を

2009

12

月に主論文

「フグ生体内におけるフグ毒テトロドトキシンの動態に関する研究(

Studies on the Transfer/Accumulation Profile of Tetrodotoxin in Pufferfish

)」として完成させ、参考論文とし て学位論文の印刷公表論文

2

編(うち審査付き論文

2

編)、学位論文の基礎となる論文

1

編(うち審査付き論

1

編)を付して、博士(水産学)の学位を申請した。長崎大学大学 院生産科学研究科教授会は、2009 年

12

16

日の定例教授会において論文内容等を検討 し、本論文を受理して差し支えないものと認め、上記の審査委員を選定した。委員は主 査を中心に論文内容について慎重に審議し、公開論文発表会を実施するとともに、最終 試験を行い、論文審査および最終試験の結果を

2010

2

17

日の生産科学研究科教授 会に報告した。

提出論文は、フグの体内に取り込まれたテトロドトキシン(

TTX

)の吸収・代謝・蓄 積・排出機構解明に資するため、無毒養殖トラフグの腹腔ないし筋肉内に投与した

TTX

の体内動態やそれに及ぼす雌性ホルモン投与の影響、ならびに天然コモンフグにおける 体内毒分布の性成熟依存的な変動に検討を加えたものである。

まず、養殖トラフグ

8

ヶ月齢魚を

2

区に分け、それぞれ精製

TTX

PTTX

)およびナシ フグ卵巣抽出液粗毒(

CTTX

)を

300 MU/

個体の用量で腹腔内投与後、マウス毒性試験に より各部位への毒の移行・蓄積状況を調べたところ、両区間で顕著な相違がみられた。

即ち

PTTX

区では投与1時間後に既に毒が肝臓に移行していたが、CTTX 区では

4

時間後 に初めて同様の移行が確認された。その後肝臓毒量は

PTTX

区では漸減したのに対し、

CTTX

区では逆に増加した。 皮では、

PTTX

区で

24

時間後、

CTTX

区では

72

時間後から

(2)

低いレベルの毒の移行が認められた。

次に、養殖トラフグ

4

ヶ月齢魚を

2

区に分け、それぞれ

PTTX

および

CTTX

50 MU/

個体の用量で筋肉内投与後、ELISA により血漿と各部位の

TTX

量を調べた。その結果、

両区ともに

TTX

は血液を介して速やかに筋肉から他の部位へ移行することがわかった。

投与

4

時間後から

72

時間後にかけての毒の移行様式は、腹腔内投与試験同様

PTTX

区と

CTTX

区で異なり、前者の場合、肝臓には

TTX

があまり保持されず、

12

時間後以降は体 内に残存した毒ほとんどが皮へ移行・蓄積したのに対し、後者の場合、24 時間後までは 相当量の毒が一旦肝臓に移行・保持され、その後、体内に残存した毒の大部分が皮に移 行・蓄積した。各部位の毒量の総和は、両区ともに

1-4

時間後は投与した毒量の

60%

前後 で、

8-12

時間後に一旦低下後、

24-168

時間後には

60-80%

程度となった。

次いで、2006 年

10

月〜2007 年

12

月に有明海産コモンフグ雌

93

個体、雄

45

個体を採 集し、マウス毒性試験で各部位の毒性を、ELISA で血漿中の

TTX

量を調べた。生殖腺体 指数(

GSI

)の変動から雌は

12

月から

3

月、雄は

11

月から

3

月を性成熟期、

4

月を産卵 直後、その他の月を通常期とみなし、毒性と生殖周期の関連について検討した。有明海 産コモンフグの毒性は、産卵直後の

4

月に大きく低下したのを除き、一年を通して雌雄 ともに非常に高く、精巣以外のいずれの部位も

1000 MU/g

を超えるものが多数みられ た。部位別毒力の周年変化のパターンは、雌雄で大きく異なっていた。雌の場合、通常 期は肝臓、性成熟期は卵巣の毒力が高く、皮の毒力も性成熟期に若干減少したのに対 し、雄では毒の体内分布に性成熟と関連した明瞭な変化は認められなかった。血漿中の 総

TTX

量は雌雄同レベルで、周年的に大きく変動したが、3 部位の毒力の変動に呼応す るものではなく、産卵直後の

4

月にも大きく低下しなかった。しかしながら、血漿

TTX

量に占める高分子物質に結合した

TTX

の割合(結合率)をみると、通常期は比較的低 く、かつ変動が大きいのに対し、性成熟期には安定して高かった。

最後に、無毒養殖トラフグに雌性ホルモン

Estradiol-17β(E2)を 0.35 mg/個体の用量

2

日おきに

3

回投与し、雌特異的な生理作用の誘導を試みた。

E2

投与後、試験魚の

GSI

および比肝重値(

HSI

)を測定したところ、前者については対照区と差がなかった が、後者は

E2

投与区の方が対照区よりも有意に高かった。次いで、これらの試験魚に

PTTX

35 MU/20 g(約600 MU/個体)の用量で投与後、LC/MS

分析により毒の移行・

蓄積様式を調べたところ、肝臓への移行毒量、ならびに血漿

TTX

濃度と結合率は

E2

投 与区と対照区で差がなかったが、卵巣への移行毒量については、

E2

投与区のみ経時的に 増加する傾向がみられた。

以上のように本論文は、フグの生体内における

TTX

の吸収・代謝・蓄積・排出機構に 関わる新たな発見と有意義な知見を含んでおり、関連分野に大きく寄与するものと考え られ、高く評価できる。

学位審査委員会は、海洋生産科学ならびに水産学の進歩発展に貢献するところが大で

あり、博士(水産学)の学位に値するものとして合格と判定した。

参照

関連したドキュメント

:In vitro では、哺乳類培養細胞の遺伝子突然変異試験で陽性、陰性の結果、哺乳 類培養細胞の小核試験で陽性、陰性の結果、染色体異常試験、姉妹染色分体交 換試験で陰性である

活性は前胸腺 を 培養 し,そ の後エ クダイ ソン 分泌量 を RIAで 測定.破 線 は,2日 の前胸腺を休眠蛹に移植 し, 1日

平成 26 年の方針策定から 10 年後となる令和6年度に、来遊個体群の個体数が現在の水

小学校学習指導要領より 第4学年 B 生命・地球 (4)月と星

海なし県なので海の仕事についてよく知らなかったけど、この体験を通して海で楽しむ人のかげで、海を

生物多様性の損失も著しい。世界の脊椎動物の個体数は、 1970 年から 2014 年まで の間に 60% 減少した。世界の天然林は、 2010 年から 2015 年までに年平均

私は昨年まで、中学校の体育教諭でバレーボール部の顧問を務めていま

線量は線量限度に対し大きく余裕のある状況である。更に、眼の水晶体の等価線量限度について ICRP の声明 45 を自主的に取り入れ、 2018 年 4 月からの自主管理として