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G ボール上からの「コケ」動作に着目した運動プログラム試案に関する研究

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Academic year: 2021

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G ボール上からの「コケ」動作に着目した運動プログラム試案に関する研究

-桂文枝に学ぶ安全な転び方-

三浦 郁士(201312003、体操コーチング論)

指導教員:本谷 聡、長谷川 聖修

キーワード:転倒、運動プログラム、Gボール、「コケ」動作

【目的】

転倒は、頭部外傷や骨折など危険なけがの原因と なり、人の健康な生活にリスクを及ぼす。そのため、

転倒によるけがの予防策として、バランス能力や筋 力向上を目指した運動プログラムが多く実施されて いる。しかし、これらの効果によって、実際の転倒 時にどのように対応ができるのかについては多くの 課題があると考える。また、転倒時の身の守り方を 経験することは、健康生活を維持していくために必 要なものである。そのため、近年では「転ぶ経験」

を目的とするものが注目されている。

本研究では、桂文枝の「コケ」「転ける」からの 俗語で、衝撃的に面白い事態に出会った際に、座位 から地面に向かい、身体が前や後ろに滑り落ちる動 作)を安全な転倒動作の見本として、多様な「コケ」

を経験できるような運動プログラムの考案、実施す ることが必要であると考えた。その際、転倒誘発性 の高い G ボールの使用が有効ではないかと考えた。

そこで、本研究では、G ボールを使用した「コケ」

に関する多様な運動プログラムを考案・実施し、そ の前後における「コケ」動作の比較・検討し、考案 した運動プログラムの調査を行うことで、桂文枝の ような安全な転び方の習得についての基礎的知見を 得ることを目的とした。

【方法】

1.対象:T 大学に通う大学生 15 名(男性 10 名 女性 5 名 20±1.5 歳)

2.運動プログラム: マット上で安全を確保し、G ボ ール上から前にすべりこける「前いらっしゃい」、G ボールを抱えて横方向に転がる「横いらっしゃい」 後ろに転がりこける「後ろいらっしゃい(図1)」の 三つ運動課題を次の4つのバージョンで実施した。

①ノーマル②目隠し③BGM④発声

なお、③BGM④発声では、テレビ番組「新婚さんい らっしゃい」のテーマ曲を使用した。

図 1 「後ろいらっしゃい」の動きの様子

3. 「 コ ケ 」 動 作 の 分 析 : ビ デ オ カ メ ラ ( CASIO EX-ZR1000 : 240 コマ/秒)を用い、接地局面(身体 の一部が地面に接地した局面)と最終局面(最も身 体から地面への衝撃が加わった局面)について分析 した。その際、各局面の「腰の高さ」「地面に対する 上体の角度」「股関節角度」「上体に対する首の角度」

を測定した。また、各動作パターンの特徴を分類し、

類型化した。

【結果および考察】

1.運動プログラム実施前後における「コケ」動作の 調査の結果、各局面の全数値において統計的に有意 な差は認められなかったが、実施後に、「コケ」の衝 撃を緩和するような改善傾向が認められた。

2. 前方向への「コケ」動作を類型化すると、足着地 型と尻着地型の 2 つのパターンがあった。

運動プログラム実施前は足着地型の動作を行った 者が 12 名(80%)、尻着地型の動作を行った者が 3 名

(20%)であった。しかし、運動プログラム実施後に は足着地型の動作を行った者が 13 名(87%)、尻着地 型の動作を行った者が 2 名(13%)となった。

3. 後ろ方向への「コケ」動作を類型化すると、尻着 地型、手着地型、足着地型、背着地型の 4 つのパタ ーンがあった。

運動プログラム実施前は尻着地型の動作を行った 者が 5 名(33%)、手着地型の動作を行ったものが 5 名(33%)、足着地型の動作を行った者が 3 名(20%) 背着地型の動作を行った者が 2 名(13%)であった。

しかし、運動プログラム実施後には尻着地型の動 作を行った者が 13 名(87%)、手着地型の動作を行っ た者が 2 名(13%)、足着地型、背着地型の動作を行 った者はいなくなった。

【結論】

本研究で行った、G ボールを使用した「コケ」に 関する多様な運動プログラムが、衝撃を緩和させる 安全な「コケ」動作の習得において有効であった可 能性が推察できた。しかしながら、プログラムの安 全性や分析方法など、改善点は少なくない。本研究 で得られたことを生かし、今後さらなる工夫や改善 を加えて、転倒によるけがを減らすための研究を継 続していきたい。

参照

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