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留 秀 一 鹿児島女子短期大学生物学研究室

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鹿児島女子短期大学紀要 199.2 年版第 27号 99~135

都 市 型 白 熱 公 闘 の 環 境 と ハ ナ パ チ 相

鹿児島市城山公園における調査結果一一 a 鹿児島県本土のハナパチ類改訂日

留 秀 一 鹿児島女子短期大学生物学研究室

The Environment and the  Bee Fauna of Natural Parlτin a City,  wIth the Result Taken at Shiroyama Park in  Kagoshima  Japan

and with the Appndixof a Hevised Bee List Recorded  from the Mainland of Kagoshima Prefecture 

(Hymenoptera, Apoidea) 

Shuichi IKUDOME 

Biology,  Women's Junior College,  890 

Abstract  The paper deals with the resu1t of a wild bee survey madinShiro  yama  Kagoshima  southern  Japan, during  the  bee  season  in  1980, in  order to  obtain 80me basic information upon the  faunal  makeup,  logy and flower visiting habits. Through the seasons, Halictidae  wref ound to  be  predominant both in  the number of specieandof individuals. Bees were abundant 

Hl  summer, summer and autumn in  the  number of  summer, summer and autumn in  the number of individuals.  attractiv tobes.

m spnng,  were most 

And further, thassessmntof natural environment in  Shiroyama Park is  tried  the result  of a wild bee survey taken at Shiroyama Park with that  at  Godaisan, Kochi  Shikoku and with the bee fauna in  Kagoshima Prefecture.  They showed good results. 

words:  Hymenoptera; Apoidea;  fauna;  phenology;  assessment  of  natural  envlronmnt; Shiroyama  III clty. 

99 

今日9 なしかも地球規模的な環境問題が深刻化するなかで,ごく身近な生活環境も c丈 孔 仇 乙 ム万円重点;1;.

(2)

100  鹿児島女子短期大学紀要第27 (1992)

遂げつつある。とりわけ,都市開発にともなう自然環境の悪化は日増しに増大していると思われる。人 口の過疎化が進行している地方といえども,その地方の中心となる都市では人口が集中・増加する傾向 にあり,そのような地域では自然が次第に失われつつある。地方都市鹿児島市もその例外ではない。

鹿鬼島市は,県内の各市町村の人口が近年軒並み減少していくなかで,人口増加傾向にあり (19;剖年:

約50.5万人, 1985年:約53.0万人, 5年間の増減:+2.5万人),現在九州では福岡市,北九州市,熊本 市についで4番目に人口の多い地方の中核都市である。他の都市におけると同様に鹿児島市においても,

人口の増加は旧市街地を取り巻くようにいわゆる新興住宅地のドーナツ化現象をもたらしている。これ にともなって山林が切り聞かれていることは言うまでもない。

だからと言って,このような都市で自然環境が完全に消失しているわけではない。街路樹や遊園地的 公園にみられるような人工的自然環境は除くとして,いわゆる自然環境保全地域として然るべき団体に よって管理されている区域も存在する。ただ,開発面積に対する残存するそのような保全地域の面積は,

決して広いとは言えない。

それでも,そのような区域が現実に存在するならば大変喜ばしいことである。幸いにして鹿児島市に は,市街地の中心部にごく隣接して自然林から成る自然環境保全地域があり,通称城山公園として古く から内外の人々の憩いの場となってきている。しかしながら,隣接地域の再開発が進む中で,城山公園 はますます陸の孤島化が進んでいることも事実である。

そこで,このような都市型自然公園としての城山公園におけるハナパチ相を調査し,その結果の分析 とあわせて自然環境の評価を試みてみたい。そして自然公園の管理上の課題について気付いた範囲で述 べてみたい。

調 査 方 法

ハナパチ相の調査方法は,それを生態学的に知るために,基本的には坂上ら (1974)による方法を用 いた。その詳細は上記に譲るが,この方法で得られた結果は,そのまま無作為抽出の標本値としてその 地区のハナパチ類の正確な種類構成を表わすとは限らないが,構成種の相対頻度をある程度見通すこと ができ,また優占種をその季節消長や訪花性とともにある程度量的にとらえることができる。

調査は1980年に実施し,各月を上・中・下旬に区切り,気象条件に左右されるものの可能な限り調査 日の間隔が10日となるように努めた。各時期の調査日と気象状況についてはTable1.に示した。また,鹿 児島地方気象台で観測された1980年の各月の平均気温と降水量並びにそれらの平年値をFig.1.に示した。

ハナパチの採集方法は,全ての開花植物の花上で採集し,見つけ採りとスウィーピングを併用した。

採集時間は各国9時から15時までとし,一つの開花植物について原則として15分間採集した。ただし,

その聞にハナパチの訪花を全く受けなかった開花植物については,採集の時間帯をずらして再度採集を 試みた。またApis (ミツバチ)属は人為的な影響を受けると思われるので,採集から除外した。

なお,このような(あるいは類似する)方法を用いて,近年日本各地でハナパチ相解明のための調査 が実施されている。それらのうち既に発表されたものを列挙すると以下のようである。札幌 (Sakagami et  al., 1967),函館山 (Matsumuraet  al., 1969),北海道大学雨竜・中川両地方演習林(坂上ら, 1972), 

(3)

都市型自然公園の環境とハナバチ相 幾 留 秀 一 10] 

(4)

27 (1992) 鹿児島女子短期大学紀要

102 

p h p c  

JE

23

﹃ は

600 

400 

200  30 

10  20  tJ 

館山︽

XII 

in climatic conditions at the Local Weather Bureau of Kagoshima. 

air  temperatur号:mean in  1980  (lin) ordinary yar (broken line) .  Monthly rainfall : 1980 (open histogram), ordinary year  histogram). 

XI  IX  VIII  V!!  VI 

iV 

i i 

北海道大学構内 (Sakagamiet  al., 1973),浜小清水(福田ら, 19'73),札幌市藻岩山(坂上ら, 1974),  et  al., 16), 北 海 道 教 育 大 学 構 内 ( 棟 方 ら 静 内 ( 棟 方 ら 霧 多 布

etα, 1979), 利 尻 島 ( 棟 方 ら 北 海 道 教 育 大 学 木 古 内 臨 海 実 験 所 付 近 ( 棟 方 ら , ヲ 鴨 川 1984), 栃 木 県 奥 日 光 ( 中 村 ら 茨 城 県 八 溝 山 麓 ( 石 井 ら , 1981),金沢大学構内(根来,

( 山 内 ら 岐 阜 県 美 並 村 ( 山 内 ら , 1974),京都市貴齢(lnoueetαl., 1990),  et  al., 1990),京都大学構内 etal., 1990),和歌山県吉備

兵 庫 県 篠 山 盆 地 ( 宮 本 高 知 平 野 ( 幾 留 , 1978), 高 知 県 土 佐 山 村 ( 幾 留 , 。 1980) , 

調査地?の概況

市街地の中心部 2.に示した。城山公開は鹿児島市の中北東部に位置し,

調査地の概略位置図を

比較的開けて日当たりが良く自然状態も良く維持されている公園内の東部で?遊歩道 A‑B‑Cの三角域である (Fig.2 I1)。ただし,現在A‑C間に隣接して設置されている鹿 ンター「禁明館lの敷地(約4ha)はヲ鹿児島大学医学部が1974年に移転して後当 時はまだ裸地のままであったので,ここも調査区域の中に入れた。

城山公閣の植生は大変豊かで、9 しかも暖帯雨部ないしは亜熱帯性森林の特徴をよく

!南九州の代表的森林の縮悶j とまで言われ,半くからその学術上の重要↑生が指摘されてきた。

iえ城山公園が1931年(昭和6年)に文部省から史蹟天然記念物の指定を受けていることからもわかる。

る約15.6haの自然林からなる標高109.3mの小高い丘で、ある

わしていて,

0)

(5)

都市型自然公園の環境とハナパチ相 幾 留 秀 一 103 

‑32

J[

J I  

200m  トー一ート一一→

arain  the Shiroyama Park, Kagoshima  ( apart  of  the  map  City for tourists)  and its  location in  Kyushu  (I). 

(6)

104  鹿児島女子短期大学紀要 第27 (1992)

城山公園の植物を調査した報告は,

るが,ニれによると,記録された植物は

によるものだけではないかと思われ にも及ぶ。これらの植物が今日如何ほど現存するか あるところではあるが,このことについてはここではふれない。

の森林は大部分が自然林である。鹿児島市役所建設局自

公園面積の 60~70% を Cinnαmomurn Siebold (クス/キ)

に よ る と , これにCαstαn var. sieboldii  akai (スダジイ), 

Thunb. (アラカシ), Pleioblastus simonii  Nakai (メ夕、、う)などカ汁愛市手重として1売く。

上 記 植 物 の ほ か , 仰αntheαspera Planch. (ムクノキ), Celtis  sinensis 

POfS̲  Nakai (エ/キ), Zelhoua serrαtα Makino (ケヤキ)など ガケ植物のPuerαrialobata  Ohwi (タズ), Clerodendron trichotornurn Thunb. 

(Ij) Mallotμs  な 丸 調 査 区 域 に 隣 接 す る

オン)の一大群落で覆われていたが, 一部

(アカメガシワ)なども比較的多く見られる。

αnnuus  Pers. (ヒメジョ αltissimαLinn. (セイタカアワダ、チソウ)と repens Linn. (シロツメクサ)の群落も見られた。

果 と 1. 

Table 2.及 び 附 録 上 に 示 し た よ う に ,Lα 属の 2

,雌と雄の性よじは jもそ4lで あ る 。 な お , 種 名 の を用い?これを以て仮の種名とした。

まず,ハナパチ相紹成の特i授を科のレベルでみると,総種数及び総侭体数に占める Halictidae(コハ の割合はそれぞれ約44%と約77%で圧倒的に優勢で、ある。種数では,次いで

(コシブトハナパチ科)と Machilidae(ハキリパチ科)が同数で約21%を占めるが, 1v可体数では,前 59 Anthophoridae カ~Halictidae 

メハナパヂ科)と Colletidae(ムカンハナパチ科)は,両者を合わせても ある。

Andrenida日(と

15%)及 び 伺 体 数

このように.Halictidae  している理由として

と開花植物の量の問 に適していたも 題(後i) と関連し

のと考ええ一られれ〆るO

このことは?属レベルに於いても反映されている。すなわち,最も優勢な属はl:‑Ialictida自に属する で,全体に占める割合は種数で約36%個 体 数 で 約50%で あ る 。 し か も 同 じ 科 に 属 す る

に鹿児島大学医学部跡地の環境が本科のハナパチ

Halictasは種数こそ l (3%)で、あるがヲ僧体数は全体の約26%を山め,

2位である。第 3位 以 下Tetralonia(種数約3%,個体数約 7%)  Chαlicodornα(種 数 約 5% , 個 体 , Andrenα(種数約10%ラ個体数約3%)と続くが,占める割合は小さい。

に,他の地域、での調査結果と比較して 2.からも半IJるように)Andre叩 属 の 割 合 が 著 し く

(7)

rJ υ

都市型向然公園の環境とハナパチ相

Tahle 2.  Number of spciesand individuals  collected  given  at  supraspecific  with  com‑

parison of relative  abundance to  the result  in  Godai nKochi.  SP: Shiroyama  GS . Godaisan 

In Shiroy5zkr‑rZEEZT

iFh

引むよ;官十苦

ι

QU1i9U1AA一一良

U 1

1i11111Aηム匂i

SP  GS  0.9  5.8 

5.8  0.9 ← 

ト一一一一一一一一…ー

76.(i 

26.0  11.3  4.0 

4E8  7.1 

Mm

945

川内一口鉱山泌

Family (Abbrev.)  Genus (Abbrv.) COLLETIDAE (COL) 

Colletes  (Cl.)  HALICTIDAE (HAL) 

Halictu.(Hl.)  (Lαsioglossu.rη) 

(Ev.)  NomiαVα)

(Sh.)  ANDRENIDAE (AND) 

Andrenα(Ad.)  (Pn.)  MEGACHILIDAE (MEG) 

Euαspis  Chαlicodom.α(Ch.)  Coelioxys  (Cx.) 

にひっムにひQdρ

ω

μ Q d 1i

ω

U 1 i l

A

斗 み

μ1

q a Q O Q d q J qqJhU

0 6 1  

112  14  36 

43  Osmiα (Os.) 

ANTHOPHORIDAE (ANT)  Nomαdα (Nm.) 

TetrαLoniα (Tl.)  Amegillα(Am.)  Anthophorα(At.)  Thyreus 

Ceratinα(Cι) 

小さいことは,当地に特徴的なことと言える。また?

に関連してである。筆者は1981年以降南西諸島のハナパチ類調査を実施してきたが,その 部の複数の烏で本属の l T. okinawαnα(オキナワヒゲナガハナパチ)が植え付け前のサトウキピ

ここで特記しておきたいことはTetralonia属の

された本属l准ー している。 T. okinaωαnαは?城山公開

(ニッポンヒゲナガハナパチ)とは近似種であるので,

鹿児島大学医学部跡地に比較的大きなコロニーを形成していた(あるい おそらく同 しているのを目

闘に大コロニーを の種である T.

の百分率 j去によって優占種を調べ,

α s p .  L,  sp. Jの5l' をもつことが予想され,

に拡大しつつあっ

3.に示しf

次に,

としで認められたの Lg. 

Halictμs 

いものからLαsioglossum

およびLg. その度合いの

Tetrαlαi

(8)

第27 (1992) 鹿児島女子短期大学紀要

106 

FREQUENCY 

@

@

、、、

、、

 

 

 

30 

25 

20 

守ー15 

寸ー10 

Lg.  (Ev.) sp. 

ー.... 

aeranus  HI 

Lg.  (Lg.) occidens  ー司・‑

ー.... 

TI.  nipponensis 

!

 

Lg.  (Ev.) sp. 

Xy.  appendicf.Ilata  Clfcumvolans  Lg.  (Ev.) sp. 

' sculpturalis 

Lg.  (Ev.) sp. 

Ch 

....1 

Ad.  knuthi 

10  Nm. sp.  A  .

11 

.

Lg.  (Lg.) scitulum 

12 

4w

Ch.  spissula 

.

  Ad.  minutula 

villosula  At.  pilipes 

Lg.  (Lg.)  mutilum 

14  15 

100 

80  .L 

60  .L 

40  ...L 

20  1.J 

PERCENTAGE 

Fig.  3.  Relative abundance of the predominant species shown by the occurrence probability  method. Percentage ratio  (the top scale)  of each species is given by a solid circle with  the fiduciallimits (bar). Cumulative percentage curve (the bottom scale)  is  given by  open circle. The verticalline is  the reciprocal of the 100 number of the sampled spe cies. Sex ratio in each species are shown in a pie graph on the right side  (white sector 

‑ female, black  male). Abbreviations of the genera or subgenera are shown in  Table 2. 

CUMULATIVE 

累積パーセントは約74%に達する。特に前2者は圧倒的に優勢であることが判る。

2.高知市五台山に於けるハナパチ相との比較

ここで,科及び属レベルに於ける種数と個体数について高知市五台山で(各月 2回)実施された調査 結果(幾留, 1978)と比較検討してみたい (Table2.)。ハナパチ相に影響する環境条件やその他の要

(9)

都市型自然公園の環境とハナパチ相 幾 留 秀 一 107 

因が必ずしも一致しているわけではないが,五台山も概してその立地条件は城山公園によく似ているの で,都市現自然公閣の範惇に入れることができる。五台山で得られたハナ

倍体である。

まず,科レベルで比較して特筆すべきことは,種数に於いて城山公園の方が五台L1Jより際立って多い のはHalictidaeでその比率は2倍を越えており,逆に少ないのはAndrenidaeでその比率は半分以下と なっていることである。個体数の割合で比較しでも同様の傾向が強まるばかりでなく,城11]公園では Halictid加の割合が突出して大きいので,このことが他の科の割合の減少を増長していると言える。な お , 城 山 公 園 で は ( ミ ツ バ チ 科 ) を 欠 い て い る 。 こ れ はBombus属の不在によるものである。

次に, ~罵レベルで比較してみると,種数及び個体数の割合に於いていずれも五台 LLiより城山ノム開 に大きい属はLasioglossum属で?逆に小さい属はAndrenαTetraloniα及 びNornαda3属が あげられる。また,種数の割合はほぼ同じで個体数の割合が五台山より城山公園の方が小さくなってい る属は ,Chalicodomα αchile及び、Nomiαの3属があげられる。なお,属の数は向調査地ともに 18属で同じであるが9 そのうちの存否を比較してみると,城山公園で採集されなかった属は

Osrniα及びBornbus4属 で , 五 台 山 で の そ れ はHylaeus Ceratinα4属である。

以上のような結果から次のことが考えられる。

及び

)種数について刷 城山公園に於けるHalictida自の17種は,多くの未分類種を含んでおり,分類が れば数的には若干少なくなる可能性も百定できないので,その分差し引き考慮しでも五台!ll けるより多いと思われる。この理由のーっとして,生息環境の安定度が考えられる。すなわち?

の方が安定の度合は高くヲむしろ城山公開では鹿思島大学医学部跡地が占時的に不安定要因ながらも Halictid加の生息環境にはプラスに作用した, と考えるほうが妥当であろう。

このことを除けば?城山公閣の種数は五台山よりむしろ少ない。その理由のーっとして,

よりもむしろハナパチの地理的系統要因があげられる。城山公園で特に種数の少ないのは北方系種を多 く含むAn紅白nidaeであり,これに属するハナパチーは南九州では低地部より山間部により多く iをする。

これにともなって,主にAndrnidaeを寄主とする労働寄生蜂のNomadα属のハナパチが少なくなるの は当然のことと思われる。

OsmiαBornbusのような属も北方系であって,南九州、│では比較的標高の高い山間部でしか発見さ れない。

いずれにしても城山公園で採集されでも不思議でないのは Colletes属であるが,その欠如に対寸る 理由として j~l理的系統要因をあげるのは不適当と思われる(後述)。

)個体数について Halictidaβはその生活様式に於いて集団性種を多く含んでおり,

えば集団営巣するので個体数は一般に多くなる。 鹿児島大学医学部跡地が本科のハナパチに していたことは否めない。

これ以外のイ同体数の変動には調査回数の差が最も影響を及ぼしていると思われる てし 2 れておきたしミ。

両調査地には竹林が存在する。筒営巣性の種を多く含むMegachilidaeのハナパチにとって

(10)

108  鹿児島女子短期大学紀要第27 (1992)

は似たような環境のはずであるが,個体数に若干の差がみられる。そのうち Chalicodomα属が城山公 園で多かったのは本属の種が南方系であることに,またMegachile属が少なかったのは本属には北方 系の種も多く含まれていることに起因すると考えられる。

Anthophoridaeの個体数は城山公園でより多い。なかでも造巣基を生木または枯木を問わず樹木の 材部に求めるXylocopa属は注目に値する。城山公園にはXylocopa属の造巣基に適した老木や立ち枯 れの枯木が多いので,城山公閣は本属の営巣環境として大変良好な環境を提供しているものと推察される。

 ) 2)より,城山公園に於けるハナパチ相は,市街地に至極隣接するからといって予想されるほ ど貧弱ではないと言える。このことは,城山公園が早くから長年に亙ってその自然環境の保持がなされ てきたことによる安定した環境と一応評価される。一方,鹿児島大学医学部跡地に見られたように,た とえ市街地であっても開花植物と関連して(後述)ハナパチの営巣に相応の裸地があれば,ハナパチの 生息環境となり得ることが判る。しかも, このようなケースでは真っ先にLasioglossumHalictus のようなHalictidaeに属するハナパチの侵入・繁殖が起こる可能性の高いことが示唆される。

3.季節消長

調査を実施した2月下旬から11月下旬までのうち,実際にハナパチが採集されたのは3月上旬から11 月中旬までであったので,この期間を通して開花植物とハナパチ類の各種の季節消長をFig.4.に示し Aは開花植物数と被訪花植物数の推移, Bは訪花ハナパチの科レベルにおける個体数と種数の推移,

C~G は訪花ハナパチの優占種 5 種に於ける l雌と雄の個体数の推移である。ただし, 7月上旬の調査日 は照度がかなり低いと思われるような曇天であったので,そのような天気がハナパチ類の訪花活動に明 らかに影響を与えている。また,前出のFig.l.から判るように, 1980年の各月の平均気温は2月と12 月が平年値よりも約2度低いものの,概して平年並みに推移している。一方,降水量は平年値より若干 少ない2 6月及び12月を除けば,比較的降水量の多い年といえる。なかでもハナパチの出現期間の うち 3月 5 7月及び10月が多く,特に 5月と 7月は平年の凡そ 2倍近い降水量を記録しており,

ハナパチの活動に多少の影響を与えたと思われるが,以下,気象要因の影響は一応除外して稿を進める。

まず,開花植物と被訪花植物についてであるが,前者の総数は47科101種,後者の総数は27科53種で あった。各時期の開花植物は3月中旬から 6月上旬までは20種前後で推移し,その後7月中旬までは10 種以下に減少するが, 7月下旬から次第に増加して8月下旬から10月上旬まで再び20種前後で推移して いる。すなわち, 20種前後で推移するこつの台地型を示している。これに対して,被訪花植物は初めの 台地に於いては開花植物の半数から徐々に減少して3分の1までに減り, 6月中旬を境に8月上旬をピー クとする第 i番目の山がみられる。その後9月上旬を境に多少歪ながらも10月中旬をピークとする第2 番目の山が読み取れる。すなわち,被訪花植物では春から初夏,夏季及び秋季の三つの山が認められる。

次に,訪花ハナパチの倒体数と種数の推移をみると,個体数では3月上旬から5月下旬までに各月ピー クがあるものの巨視的には一つの大きな山があり,その後被訪花植物数は極めて少ないにもかかわらず 6月中旬に2つ日の山がある。さらに, 7月下旬に三つ目の山が現われ, 9月上旬から11月中旬までの 聞に四つ目の山が認められる。種数は被訪花植物数の推移とほぼ平行して三つの山型を示している。

ここで特に言及しておきたいことは, 6月中旬に現れた二つ目の山の背景についてである。この山の

Table 3 .   Number of b e e  i n d i v i d u a l s  c o l l e c t e d  on folwers of various  of t h e  b 問 familva r e  shown i n  Table 2 , 
Table 5 .   S p e c i e s  number i n  t h e  rank o f  i n d i v i d u a l  f r e q u e n c y

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