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米 国におけ る学外学位制度 の現状

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(1)

学位研究 第

5

号 平 成

8

9

月 ( 論文)

〔 学位授与機構研 究紀要 〕

米 国におけ る学外学位制度 の現状

TheStatusQuooftheExternalDegreeSystemsintheUnitedStates

森 利 枝

RieMORI

ResearchinAcademicDegrees,No.5 (September,1996)lthearticle) TheJournalofNationalInstitutionforAcademicDegrees

(2)
(3)

米 国におけ る学外学位制度 の現状

森 利 枝*

は じ め に

本稿 は,米 国の学外学位 の制度 の実施状況の把握 のため に実施 された調査結果に基づ くもの であるO この調査 は,平成

6

年度 の未 に学位授与機構 の調査研究活動 の一環 として,館昭教授 に よって企画 され,池マ リ助教授 の協 力の許に実施 されたア ンケー トお よびカタログ調査 であ

り,筆者は平成

7

年度 に このプ ロジェク トに参加 した。

本稿 では まず学外学位 とい うこ とばの定義 を試み た うえで,今 回の調査結果 を基に米国の学 外学位制度 の現状 を分析 を交 えつつ概観 し, その概要 を理解す るこ とを目的 とす る。

Ⅰ 学外学位の定義

本稿 はア メ リカの学外学位制度 を扱 うものであ るが,論敦 を始め るにあた り, まず この学外 学位制度 をこ とばの うえで定義す るこ とが必要 となろ う。ただ し, ア メ リカにおけ る学外学位

(externaldegree)

の定義 につ いては,舘論文

(1994)

にす でにその制度の出現の経緯 と共に 紹介がな されてい るD ここでは過度 の重複 を避 け るために,今 回の調査 の台帳 とな ったア メ リ カ大学委員会

(CollegeBoard)

が発行 している大学案 内 『 大学‑ ン ドブ ック』 と,ダフ イー ( ∫. P.Duf f y) に よる 『 大学 に行かずに大学学位 を取得す る方法』の両書にみ られ る学外学位 の定義 を参照す る。

まず, 『 大学‑ ン ドブ ック』 には,学 外学位 プ ログラムが,「 学生が, 自立学習,大学授業, 実力試験,個 人経験 に よって クレジ ッ トを取得 し,学位 を取得す る学習 システム」 と定義 され てお り,「 一般 に学外学位大学

(externaldegreecolleges)

にはキャンパスや教皇設備等はな い

(TheCollegeBoard

,1

995

,p.

30)

とも記 されている。

この定義のなか で用 い られている用語の中では 「インデ ィペ ンデ ン ト・ス タデ ィ」 とい うこ とばに若干 の掘 り下 げが必要 であろ う。もっとも学 習 とい うものは畢寛 「 個 人的

(individual)

な ものだ といえる」 とい う指摘 の合理性 は認め られ るところだ ろ うが, ここでは この学習の原 則 ともいえる指摘 をふ まえた上 で, 「 教育の画一性 を打破す る

(Romiszowski

,

1995,p.2770)

方途 としてのインデ ィペ ンデ ン ト ・スタデ ィとは何か とい う問いに対す るプ ラクテ ィカルな答

*学位 授 与機 構 審査研 究部助 手

‑ 133‑

(4)

えの模 索 を試み たいo

インデ ィペ ンデ ン ト ス タデ ィにつ いて前掲の 『 大学‑ ン ドブ ック』 の解 説 を参照す ると,「 学 生 が,時間割 の定 まった講義 に出席 した りグルー プ研 究 を行 った りす るこ とな く,独 立 して学 習す るこ とに よって大学 におけ るい くつか の コース を修 了す るこ とを可能 にす る措置。一般 的 に,学生は フ ァカルテ ィー 内のア ドバ イザーや委 員会 と相談 して学 習 プ ログラム を計画す るo 学生 は このア ドバ イザーや委員会 に定期 的に レポー トを提 出 し, さ らに最 終 レポー トを提 出す

るこ とに よって評価 を得 るこ とか で きる

(TheCollegeBoard

,

1995

,

p.31)

とされて いる。

また,インデ ィペ ンデ ン ト ・ス タデ ィの具体 的な形態 を国際高等教育事典 に参照す る と,「 合衆 国では,通信教育

(correspondencestudy)

, 自宅学 習,遠 隔教育

(distancestudy)

, ラジ オ教育, テ レビ教育 等,広範 で包括 的 な クラスに属す るあ らゆ る形態 の間接 的 な教育 を,近年 イ ンデ ィペ ンデ ン ト ・ス タデ ィ と呼 びな らわす ようにな って きて い る

(Wedemeyer

,

1977

,

p.2114)

とされてい る。

これ らの記述か らは, イ ンデ ィペ ンデ ン ト ・ス タ

ディ

の特徴 として, ( ∋固定 された教室 での講義 に出席す るこ とが必須 とは されない ( 塾固定 された時 間内での学 習が必須 とは され ない

とい う, 時間 と空間の両 面 において柔軟 な学 習プ ログラム であ る とい うこ とが指摘 で きる。この 特徴 は換言す れば, イ ンデ ィペ ンデ ン ト ・ス タデ ィが,学 習 に時間 と空 間の規制 を設 け るレジ デ ンス

(residence)

の概 念か ら自由 であ る,す なわ ち ノンレジデ ンシャル

(nonresidential)

なプ ログラム であ るこ とを指 し示す といえ よ う。

以上 の こ とをふ まえて,先述 した学 外学位 の定義 に立 ち戻 る と,学 外学位 を得 るため の学習 は 「自立学 習,大学授業,実 力試験,個 人経験」 とい う,従来 の リジ ッ ドな学 習形態 とイ ンデ ィペ ンデ ン ト ・ス タデ ィの よ うな柔軟 な学 習形態 をと りまぜ た,総体 としては弾力性 に富 んだ ものだ といえそ うであ るo

次 に, ダフ イー に よる学生 向けの学 習 ガイ ド 『 大学 に行 かず に大学学位 を取得す る方法』 に 見 え る学外学位 の定義 を参照 しよ う。 当該 書 では, それ ぞれの大学 が運営す る非伝統 的 プ ログ ラムの名称 として用 い る術語 は必ず しも明確 な基準 に基づ いて い るわけ ではない とい うこ とを 指摘 した うえで,学 外学位 プ ロ グラム に関 して次 の よ うに述べ てい る。「 本書 では,大学 の プロ グラムのなか で, 『 学 外学位 プ ロ グラム』の名 に相応す る もの と,非伝 統 的 ではあ るが厳密 には 学 外学位 とは呼べ ない もの との間に独 自の境 界 を設け る。 これ ら

2

種類 の ものの違 いは,参加 者が教室 で,あ るいは 『レジデ ンス して』過 ごす よ う求め られて い る時 間の総 量 であ る (中略 ) 0 学校 で過 ごす よ う求め られ る時 間が短期 であ るか, あ るいは働 きなが ら学 ぶ者 のスケ ジュール に あわせ て調 整可能 な もの であれば,本書 は そのプ ロ グラム を採録 した

。」(Duffy

,

1994

,

p.19)

このダフイーの手 綱 か らはふたつのことが読み とれる。 ひ とつは学外学位制度の基本には

residency

の概 念があ り, それの短 い もの を学 外学位 と呼 ぶ とい うこ とであ る。 ダフ イーが設定 した この 基準が,先 に見 た大学‑ ン ドブ ックで も学 外学位 の特徴 の ひ とつ として認識 されてい る とい う こ とは さきに検討 した。 そ して もうひ とつ は,学 外学位 を定義す るこ とは容 易 な命題 ではない

1 34

(5)

とい うこ とであ る。 この,定義が容易 ではない とい うこ とは,大学‑ ン ドブ ックにおけ る学外 学位の定義が,必ず しも 「 学外学位」 とい うことばの意味す る ところを厳密 に描 き出 してい る とは言いがたい とい うこ とに も見て取れ よう。この学外学位制度の定義 の困難 さは何 に起因す るのか。

学外学位 の定義が困難 であ る理 由につ いては, ひ とつの可能性 として,学外学位制度が, ほ ん らい非伝統的高等教育 システムの一環 であ り,伝統的な高等教育 に対す るオル タナテイヴな システムのひ とつ であ るとい うこ とが指摘 で きるだ ろ う。 ここにみ られ る 「 非」 あ るいは 「オ ル タナテ イヴ」 とい う形容詞が示す ように,学外学位制度の特色は,「‑・ である」 とい う肯定 形の言説ではな く,「‑・ ではない」,「‑・とは別の」とい う否定形の集積 で語 られ るこ とにな る。

「‑・ であ る」 とい う言説には事 象 を限定的に切 り取 って提示す るこ とが可能 だが,「‑・ ではな い

「・・・とは別 の」 とい う言説の指 し示す事 象は無 限の広が りをもつ可能性があるo このこ と が,「 学外学位」の こ とばの上 での厳密 な定義 を阻害す る主 た る要 因になっている とは考 えられ ないだろ うか。

この ような状況 をふ まえ,本調査 ではア メ リカの学外学位制度の現状 を調査す るこ とを試み た。

調査の実施

本調査は平成

6

年度 よ り実施 された。調査 の台帳には前述の カレッジボー ド 『 大学‑ ン ドブ ック

(1993

年度版 )を用 いた。調査 の方法は,同書 に学外学位 を授与す る大学 として記載 され た

170

校すべ てに対 して,質問紙の郵送に よ り,学外学位 の授与状況 を調べ るとい うもの であ っ た。今 回の調査対象 となったこれ ら

170

校 はすべて,米国内のいずれかのア クレデ ィテ‑ ション 団体 によって,正規 の学位授与機 関 として認定 された ものであ る。 また各大学に対 し,学外学 位 プ ログラムに関す る資料 を請求す るこ とも同時に行 った。なお この郵送調査 は,計画か ら実 施 まで,舘 昭教授 を中心 に して行 われた ものである。調査 の依頼状 は,資料

1

として稿 の末尾 に掲 げた。

質問紙の回収数 は

107

件 (回収率

62.9%)

, うち有効 回答数 は

74

件 ( 有効 回答率

43.5%)

であ った。回収総数 と有効 回答数 の差

33

件 の内訳は,学外学位制度 な しとの回答 を得 た ものが

30

件, 大学の資料のみが送付 された ものが

2

件,調査の段階 で大学か閉鎖 されていた ものが

1

件 であ

った。

‑ 135‑

(6)

質問の内容

質 問紙 の 内容 は以下 に掲 げ る とお りであ るo なお原文 は資料

2

に示 し,各大学 の 回答 の うち 数 量的に処理 で きる ものは資料

3

として一覧 に示 した。

・学外学位 の授与 を管轄 して い る部局 の レベ ル 大学 ・学部 ・その他

・学 外学位 を管轄す る部局 につ いての詳細 を情報

・授与 して い る学位 の レベ ル

博 士 ・修士 ・学士 ・準学士 ・その他 の修 了証 明

・レベ ル ご との学位 に付 され る名称

・現在 の学 外学位 プ ロ グラムの登録 者数

・1993

年 か ら1

994

年 までの年 度 の学 外学位 の取得音数

学外学位 プ ログラムの名称

先 に も述べ た とお り,米 国におけ る学 外学位 の実施 状況 に関す る本調査 の有効 回答数 は

74

件 であったo ただ し. 冒頭 で考 察 した よ うに 「 学 外学位 」 とい うこ とばは必ず しも厳密 な定義 と ともに用 い られて い る とは言 い難 い。 したが って, これ ら

74

件 の 「 学 外学位 」 プ ログラム も, その内客 に 多様性 の あ るこ とが推 測 で きるC ここでは個 々の質 問に対す る回答 を取 り上 げ る前 に,各大学 が学 外学位 の授与 の ため に開設 して い るプ ログラムの名称 を概観 してお きたい。 こ れは,本稿 で扱 う学 外学位 プ ロ グラムの概容 を知 る手 がか りとす るため であ る。

これ らプ ロ グラムの名称 は,個 々の プ ログラムが設置 され た 目的 をあ る程度 反映 してい る と 考 え られ る。 したが って これ らの名称 それ ぞれの含意 の異同か らは, プ ロ グラムの内容 の異同 が推測 で きよ う。

1

は,今 回回答 の得 られた大学 の,学士 の学位授 与 プ ログラムの名称 の一覧 であ る。 これ は質 問紙 ではな く,各大学か ら質 問紙 と併せ て送付 された資料か ら作 成 された もので,

46

件 の プログラムの名称が確認 されている

46

件 中共通 に見 られた ものは「 学外学位 プログラム

(External DegreeProgram)

7

件, 「 成 人学位 プ ログラム

(AdultDegreeProgram)

5

件,「 継 続教育

(ContinuingEducation)

2

件 であ り,それ ら以外 の

32

件 はすべ て異 な る名称 をも って いた。

32

件 の 中にはプ ログラムの 内容 を直接指 し示す の ではない名称 も含 まれて い るOた だ し,多 くのケー スで,上記 の 「 学外

(external)

」 ,「 成 人

(adult)

」, 「 継続

(continuing)

のほか,

「 遠隔

(distance)

」 ,「 拡張

(extended)

」 了 自立

(independent)

」 ,「 学位完成

(degreecompletion)

守,非伝統型 の プ ロ グラム であ るこ とを示す キー ワー ドが兄 いだせ るこ とも指摘 で きよ う 。

1 3 6

(7)

1

プ ログラムの名称 件 数

EXternalDegreeProgram 7

AdultDegreeProgram

5

ContinuingEducation 2

AdultBachelor'sDegreeProgram 1 AlternatiVeandContinuingEducation 1 BachelorofⅠndependentStudyProgram 1 Bachelor'sDegreeataDistance 1 BoardofGoVernorsProgram 1 CareerDirectedProgram 1 CollegeofContinuingEducation 1 CollegeofProfessionalStudies 1 DegreeCompletionforWorkingAdults 1

DistanceEducation 1

DistanceEducationPrograms 1

DistanceLearning 1

DistanceLearningDegreeProgram 1 EXtendedDegreeProgram 1

EXtendedEducation 1

EXtendedStudies 1

EXternalDegree 1

EXternalDegreeCompletionProgram 1 EXternalStudentProgram 1

EXternalStudies 1

EXternalStudiesDiVision 1

ndependentStudies 1

LiberalStudiesProgram 1 OffCampusDegreeProgram 1

OpenProgram 1

OutreachProgram 1

Program forAdultCollegeEducation 1 Program forEXperiencedLearners 1

SaturdayProgram 1

SerVicemembersDegreeProgram 1 UniVersitywithoutWalls 1 Women'sEXternalDegreeProgram 1

ー 137 ‑

(8)

回答の集計

1

学外学位の授与 を管轄 してい る部局の レベル

学外学位 の授与 を管轄 してい る部局 の レベ ルは,表

2

の ような分布 を示 した。 この よ うに, 大半の大学 で学外学位 は学部

(school/college)

レベ ルで運営 されているこ とが見て取 れ る。なお, 合計件数

(75

件 )が有効 回答数

(74

件 )を上 回 るのは,大学 と学部の双方 を回答 して きたケー

スが

1

件 あったため である。

2

23 30.7%

学 部

50 66.7%

そ の 他

2 2.6%

2

授与 してい る学位の レベル

博士か ら修 了証 明 までの レベ ル ご とに, それ らの学位 ない し証 明 を学外学位 プログラム を通 じて授与 している大学数 をまとめ た ものが表

3

であ る。

表 3

1 1.3%

32 43.2%

63 85.1%

26 35.1%

3

か らも明 らか なように,学外学位 の中核 をなすのは学士 の学位 プ ログラム

(85.1%)で

ある。次 いで修士 のプ ログラム

(43.2%)が高率 を示 している。 その反対 に博士 の学位 を授与

す る大学は

1

校 のみで,オ‑ イれ ト ト l のユニ オン ・インステ ィテュー ト

(UnionInstitute)

が こ れに当たる。この機 関が授与 してい るのは Ph.D. であるoまた,

74

校 の 多 くが複数 の レベ ルの 学位 を授与 してい るO‑つの大学 で授与 され る学位 の組み合 わせ ご とに,授与す る大学数 をま

とめ た結果は表

4

に示 した。

4

か らは,学士 の学位 のみ を授与す る大学

(27.0%)

と,修士 と学士 の学位 を授与す る大 学

(19.0%)の件数 が特徴的に高率 を示す こ とが見て取 れ るO また,博 士の学位 のみ を授与す

る大学は,今 回の調査 では確認 されなか った。

‑ 138‑

(9)

博 士

0 0.0%

博 士 .

1 1.3%

修 士

4 5.4%

修 士 . 学 士

14 19.0%

修 士 .学 士 .準 学 士

4 5.4%

修士 .学士 .準学士 .その他

5 6.8%

修 士 .学 士 . そ の 他

5 6.8%

20 27.0%

学 士 . 準 学 士

5 6.8%

学 士 .準 学 士 .そ の 他

5 6.8%

士 . そ の 他

4 5.4%

準 学 士

5 6.8%

準 学 士 . そ の 他

2 2.7%

3

レベルご との学位 に付 され る名称

各学位 あるいは証 明に付 され る名称 は,各種証明か ら先述 したユニオ ン ・インステ ィテュー トが授与す る Ph.D. まで.きわめて 多岐にわた ってい る。そのため,ここでは網羅的に紹介す るこ とは避け るが,学芸学士

(BA)

,科学学士

(BS)

,あ るいは 自由学芸準学士

(AA inLiberal Arts)

等の伝統的 な高等教育 プログラムで用 い られ る名称が ここで も多 く見 られ るほかに,自立 学習学士

(BachelorofIndependentStudy)

, 個 人学習準学士

(AJssociateofIndividualized Studies)

等が散見 され るこ とが,学外学位 の特徴 として注 目され る。また,修士 レベ ルの学位 に付 される名称の多 くは伝統的なプ ログラムで も見 られ るものであ り, 今 回の調査 では唯一アン テ ィオー ク大学

(AntiochUniversity)

で授与す る個 人学習学芸修士

(IndividualizedMaster ofArts)

のみが,非伝統的プ ログラムの特色 を明確 に反映 した名称 として確 認 されたのみであ

った。ただ しこのア ンテ ィオー ク大学 の場合 も,大学の資料には「デ ィプロマには学芸修士

(MA)

として記載す る」 こ とが明記 されてい る。

4

学外学位 プログラムの董銀者数

学外学位 プ ログラムに登録 している人数 を,学位 の レベ ル別 に ま とめ た結果が表

5

である。

ここでは各 レベ ルの学位 プログラム をもっていると回答 した大学 を,登録者数 を回答 した もの としなか った ものに分 け, レベ ル ご とに

1

校 あた りの平均登録者数 もあわせ て表示 した。 これ に よると,登録者の絶対数が 多いのは学士のプ ログラムであ り

(55,618

人) ,次いで準学士

(23,844

人) ,博士

(1,ZO

O人) , その他 の修 了証 明

(2,037

人) ,修士

(1,089

人) となっている。 また

1

校 あた りの平均登録者数 では準学士のプログラム(

1,490.3

人) が もっ とも多 く,次いで博士

(1,200

人) ,学士

(1,011.2

人) , その他 の修 了証 明

(156.7

人) ,修士

(45.4

人)の順 に減少 している。

‑ 139‑

(10)

回答/非回答数( 校) 登録者数( 人)

1

校あた り平均( 人)

博 士

A 1 1,200 1,200.0

NA 0

修 士

A 24 1,089 45.4

NA 8

A 55 55,618 1,011.2

NA 8

準 学 士

A 16 23,844 1,490.3

NA 1

0

その他 の

修 了証 明

A 13 2,037 156.7

5 学外学位の取得者数

学外学位 の取得者数 を,学位 の レベ ル ごとにま とめ た結果 は表

6

に示 した。 ここで も,先 に 集計 した登録者数 に見 られ るの と同様 の特徴が見て取 れ る。す なわち学位取得者の絶対数 は学 士のプログラムに もっ とも多 く

(10,417

人) ,次 いで準学士

(3,662

人) ,修士

(2,559

人) ,博士

(227.0

人) , その他 の修 了証 明

(581

人)の順 に少 な くなっている。

1

校 あた りの取得者数が も っとも多いのは準学士 のプ ログラム

(288.9

人)で,次いで博士

(227.0

人) ,学士

(186.0

人) , 修士

(111.3

人) , その他 の修 了証 明

(48.4

人)の順 に減少 してい る。

また,取得者/登録者のおお よその比率 は,博士が約

19%

,修士が約

24%

,学士が約

19%

, 準学士が約

15%

, その他 の修 了証 明が

28%

となってい る。ただ しこれ らの比率 を示す数字 は,

1

年 間に登録 していた人数 に対す る修 了者数 であって,

1

年 間の新規登録者に対す る取得者数 ではないため,学外学位 の 「 取得率」 と考 え られ るものではない。 したが って, これ らの数字 か らは, 年 間で全登録者数 の うちの

1.5

割か ら3 割程度の取得者が出 る とい うこ とをうかが い知

ることがで きる。

6

回答/非回答数( 校) 取得者数( 人)

1

校あた り平均( 人)

博 士

A 1 227 227.0

NA 0

修 士

A 23 2,559 111.3

NA 9

学 士

A 56 10,417 186.0

NA 7

準 学 士

A 16 3,662 288.9

NA 1

0

その他 の

修 了証 明

A 12 581 48.4

‑ 140‑

(11)

学位取得の ための要件

ここまで,質問紙に対す る回答 をま とめて分析 して きた。次に各大学か ら送付 された資料に 基づ いて,学外学位取得 のための要件 を扱 うこ とにす る。 ここでは博士 ・修士 ・学士 ・準学士 の学位 プログラムに限 り,

1.入学要件,2.卒業要件 の二つの要件 にわけて分析す る。

1 入学要件

学外学位 を得 るために学外学位 プ ログラムに登録す るこ とを,ここでは入学

(admission)

と 呼ぶ ことにす る。高校卒業か それ と同等の学力が証 明 され るこ と以外に,学外学位 の入学要件

としては主に以下の

3

種類の条件が課 され る場合が あ る。

① 年齢

② 既得 クレジ ッ ト ・学位

③ 職業 ・職業経験

以下, これ ら

3

つの要件 に関 して現状 を概観 してゆ く。

( 9 年齢

学部

(undergraduate)

レベ ル,す なわち学士 と準学士 のプ ログラムには入学 で きる最低年 齢が設定 されているこ とが ある。

学士のプ ログラムで最低年齢 を設定 しているケースは合計

12

件確認 された。その内訳 は次の 表

7

に示す とお りである。

7

21

歳以上

22

歳以上

23

歳以上

25

歳以上

2 4

件 3

3

12

準学士 のプ ログラムで最低年齢 を設定 しているケースは

4

件確認 された。その内訳は次の表

8

に示す とお りである。

8

21

歳以上 1

22

歳以上

1

23

歳以上

2

4

ここで確認 された年齢制 限の平均 は,学士 レベ ルで22.

8

歳,準学士 レベ ルで2

2.3

歳 と,学士 レベ ルの方が若干高 くなっている。 これは伝統的プログラムの平均 的入学年齢 を反映 した もの である・ と考 えることがで きるだろ う。なお,大学 院

(graduate)

レベ ルのプログラムで,入学 者の年齢に制 限 を設けているケースは確認 されなか った0

‑ 141‑

(12)

② 既得 クレジッ ト ・学位

修士 レベ ルの学 外学位 プ ロ グラムでは,ほ とん どの場合学士 ない しそれ と同等 の学 力 を有す るこ とを入学要件 とす るこ とが 明記 されてい る。 それ とは別 に,学 外学位 プ ロ グラムに参加 す る時点 で,す でに い くらか の クレジ ッ トを得 てい るこ とが入学 の要件 とな るこ とが あ る。 ここ で求め られてい るのはすべ て, ア クレデ ィテ‑ シ ョンを受 け た機 関で取得 した クレジ ッ トであ る。 この要件 は修士 と準学士 のプ ログラム には見 られず,学士 のプ ロ グラム にお いてのみ確 認 された。

この要件 を課 して い るケー スは

7

件確 認 されたO大学 の クレジ ッ トの計算方法 は,学期 の シ ステムの違 い等 に よ り,大学 に よってセ メス ター クレジ ッ ト, クォー ター クレジ ッ ト等 と異な るため に, クレジ ッ トに関す る規定 につ いては, 資料 に も唆味 な記述が い くつか見 られ るが, 既得 の1

2

セ メス ター クレジ ッ トを要件 とす る もの と

50

セ メス ター クレジ ッ トを要件 とす るもの が各

1

校,6

0

セ メス ター クレジ ッ トを要件 とす る ものが

2

校,62 セ メス ター クレジ ッ トを要件 とす るものが

1

校 ,単 に3

0

クレジ ッ ト,60 クレジ ッ トの既得 を要件 とす る とした ものが各

1

校 あった。

また既得学位 に関 しては,既得 クレジ ッ トの場合 とは反対 に,既得 の学位 が ないこ とを入学 要件 として い るケー スが

2

件 見 られた。 いず れ も学士 レベ ルの プ ログラム で, その うちの

1

件,

オ‑ イオ大学 メイ ンキャンパ ス

(OhioUniversityMainCampus)

では 「 伝統 的

4

年制学位 をもって いない こ と」を要件 に掲 げ,もう

1

件 のア ラバマ大学

(UniversityofAlabama)

で は 「 学部 レベ ルの学位 をもって いないこ と」 を要件 に して い る。

③ 職業 ・職業経験

学部 レベ ルのプ ログラムには,職業経験 に関す る要件 が課 されて い るこ ともあ る。本調査 で は入学要件 として有職 者

(worker)

であ るこ とを課 したケー ス (カンザ ス市 カンザ ス コ ミュニ テ ィカ レ ッジ

(KansasCityKansasCommunityCollege)

・セ ン ト ・メ リー ズ ・カ リフ ォ ルニア大学

(SaintMary'sCollegeofCalifornia))

2

件 ,

2

年 以上 の フル タイム での職 業経験 を要件 としたケー ス ( 南 ウェゼ リア ン大学 (

Southern Wesleyan College))

1

件,

7 年以上 の職業経験 を要件 としたケー ス ( ェ リザベ ス タウン大学

(ElizabethtownCollege))

1

件確 認 された。

これ ら以外に, 入学者 の職 業 を限定 して い るケー スが

2

件確 認 され たO グレー ス ラン ド大学

(GracelandCollege)

の学 外学位 プ ロ グラム

(OutreachProgram)

は,正看護婦 (

registered nurse)

を対 象 としたプ ロ グラム であ り,科学学士 ( 看護 草 )と学芸学士 (自由学芸 )が授与 さ れてい る。また,マーサー州 コ ミュニテ ィカ レ ッジ

(MercerCountyCommunityCollege)

の軍人学位 プ ログラム

(ServicemembersDegreeProgram)

は,現役 と予備役 の軍 人のため のプログラム で, ここでは学芸準学士,科学準学士,準学士 ( 応用化学 )の各学位 を得 るこ と

が できるO

また こ れは職 業 ではないが, 「 女性 であ るこ と」が要件 にな るケー スが

1

件 兄 いだ されたOセ ン ト ・メ リー ・オブ ・ザ ・ウ ッ ド大学

(SaintMary‑ofthe‑WoodsCollege)

は女子大学 であ

1 42

(13)

り,女性 のための学外学位 プログラム

(Women'sExternalDegreeProgram)

を通 じて学 芸修士 ( 牧舎神学 ) ,学芸学士,科学学士,学士 (ソー シャルワー ク) ,学芸準学士,科学準学 士の各学位 を授与 している。

また性別 に関 しては,メア リー ・ボール ドウイン大学

(MaryBaldwinCollege)

の成人学 位 プログラム と,ステフ ァンズ大学

(StephensCollege)

の学外学位 プ ログラムに も注 目して お くべ きであろ う. これ らの両大学 は,おのおの大学の伝統的セ クター は女子大学 である 。 し か し,学外学位 プログラムには男性 ・女性双方の入学 を認めてい る。 ここに も 「 非伝統的」 プ

ログラムの特徴が兄 いだせ る。

2

卒業要件

学外学位 のプ ログラムにおいて も多 くの場合,定め られた課程 を修 了 して学位 を授与 され る こ とを卒業

(graduation)

と呼 び,そのための要件 は卒業要件 と呼ばれている

学外学位 プ ロ グラムに特徴的な卒業要件 として共通す るのは主に以下の

3

種類の条件 である。

① レジデ ンス

② トランスファー ・クレジ ッ ト ( 卦 当該大学か らの クレジッ ト

ここでは入学要件 と同様 に これ らの

3

条件 につ いて も個別 に概観す る 。

① レジデ ンス

本稿 の冒頭 で引用 したタフ ィーに よる学外学位 の定義 は, レジデ ンスの時間,す なわち定め られた時間に定め られた場所で 学習す る時間が 「 短期 であ るか あ るいは働 きなが ら学ぶ者のス ケ ジュールにあわせ て調整可能 な もの」 であった。

本調査 の結果, この レジデ ンスの実態は,時間の点 で も空間の点で も様 々であるこ とが明 ら かになった。 まず空間に関 しては,学習のための定め られた場所 は 多 くの場合大学の キャンパ スであるが,大学が関連す る地域 の学習セ ンターが これに代 わ るよ うなケース も散見 される。

また時間に関 しては,定め られた学習の時間はさまざまであ るが, これ らを単純 に比較す るこ とは難 しい。 これは,要求 され るレジデ ンスが 日 単位,週単位 等の時間ベースで規定 されてい るケースや, 出席す るべ き科 目数, ミー テ ィング数 に よって規定 されているケース, 当該大学 で取得すべ きクレジッ ト数 に よって規定 されているケ‑ ス等 多様 であるためであるoた とえば 日単位 では もっ とも短 い ものが仝 プ ログラム を通 して 1日と規定 されているケースか ら, もっ とも長 く

9

日と規定 されているケース までの広が りを呈 してい る, またプ ログラム中

3

回の ミ ーテ ィングへ の出席が義務づ け られてい るケース,

2日の レジデ ンス と1回の ミー テ ィング,

とい う規定 もある。 クレジッ ト数 ではた とえば学士 プログラムでは1

2

クレジ ッ トか ら

32

クレジ ッ トまで, レジデ ンスでの取得が求め られている。

この よ うに レジデ ンス を規定す る要件 は大学に よって きわめて多様 であ り, ここか ら合理 的 な傾 向 を導 き出す ことは今 の段 階 では不可能 であ る。 したが って ここでは,要求 され るレジデ ンスの長 さは多様 であ り, レジデ ンスが全 く要求 されないケースか ら,毎週末の通学が要求 さ

‑ 143‑

(14)

れ るケース まで確認 で きたこ とを記すに とどめ るべ きであろ う。

② トランスファー ・クレジッ ト

学外学位 のプログラムでは, 当該大学以外の大学 で得 た クレジ ッ トを学位取得 のための クレ ジッ トとして算入す る事が認め られている場合 が多いo ただ し,入学要件 の中で検討 したよ う に,一定数 の既得 クレジッ トが入学の条件 となるの とは反対 に, この場合 は他大学か ら持 ち込 む クレジ ッ トの数 に上 限が設け られている場合がある。

今 回の調査か らは, トランスファー ・クレジッ トの数 の上 限は,修士 プ ログラムにおいて も っ とも厳 しいこ とが明 らかになった。修士 プログラムでの トランスフ ァー ・クレジッ トを認め ているこ とが確認 されたのは32 大学 中

4

大学 で,

6クレジッ トか ら13

クレジッ トまでの トラン スフ ァーが認め られている。

反対に, トランスファーの幅が広 く認め られているのは学士 プ ログラムに見 られ る傾 向であ る。今 回確認で きたなか で,学士 プ ログラムの クレジッ トの トランスファーに関 して もっ とも 厳 しい制 限 を付 していた南東バ イブル大学

(SoutheasternBibleCollege)

は,

30

クレジッ ト の トランスファー を認めているD トランスファーに上 限 を設けない大学 も数枚確 認 された。

ただ し, 多 くの場合 クレジッ トの質は問われてお り, ほ とん どのプ ログラムが評価

C以上の

クレジッ トのみ を算入可 とす るこ とを明記 している。 また異なるレベ ルの機 関か らの トランス ファーにには,独 自の制 限 を設けているケース もあ る。た とえば南 コロラ ド大学

(University ofSouthernColorado)

等 では,

4

年制大学か らの トランスフ ァーは

96

クレジ ッ トに限 り,

2

年制大学か らの トランスフ ァー は6

4

クレジッ トに限る とい うよ うな制 限 を設けている。 またワ

シン トン州 の シテ ィ大学

(CityUniversity)

では,

4

年制大学か らの トランスファーは1

35

ク レジッ トに限 り,

2

年制大学か らの トランスファーは90 クレジッ トに限 り, また職業学校等 で 得 た クレジッ トは30 クレジ ッ トをもって シテ ィ大学 の

1クレジッ トとす るといった独 自の措置

を採 っている

( 勤 当該大学か らの クレジッ ト

学外学位 プ ログラムにおいて も, 当該大学か らの クレジッ トの取得が卒 業要件 とされている こ とがあ るCここでい う当該大学か らの クレジ ッ トの取得 とは,

a)

当該大学のキャンパ スでの コー ス履修 に よるクレジッ トの取得,

b)

当該大学が主催 ・共催 してい る学習プ ログラムの履修 に よるクレジッ トの取得, C) 当該大学の教員の指導 ・評価 に よるクレジッ トの取得 の

3

種類の 方途 を含む.

今 回の調査 では, この要件 を課 してい るケー スが修士 プ ログラムで

1

件,学士 プログラムで

l

ュ 件,準学士 プログラムで

4

件確認 された。修士課程 に この要件 を課 しているのはスキ ドモア 大学

(SkidmoreCollege)

で,

6

クレジ ッ トの取得 が求め られているOまた準学士 プ ログラム では

12

クレジッ ト,

15

クレジッ ト,

25

クレジッ トが それ ぞれ

1

校 で要件 とされ,

9

コースの履 修 を要件 としているものが

1

校確 認 されたoなお学士 プ ログラムにおいて, 当該大学か らの取 得が要求 され るクレジッ ト数 につ いては表

9

に示 した。

この, 当該大学か らの クレジッ トに関 しては, その取得 を要件 として課 さないこ とを明記 し

‑ 144‑

(15)

当該 大学 か らの クレジ ッ ト 設 置数 ( 校 )

15

ク レ ジ ッ ト

1 30

ク レ ジ ッ ト

3

32

ク レ ジ ッ ト

4

45

ク レ ジ ッ ト

1

48

ク レ ジ ッ ト

1

ている大学 もある。先に見 たよ うな, トランスファー ・クレジ ッ トに上 限 を設定 していない諸 大学が これに当たる 。 そのなか で もチ ャー ター ・オー ク州立大学, リー ジェン ト大学, トマス

・エ ジソン大学の各大学は独 自の教育 プ ログラム を持 たず,他 大学 で取得 された単位 をもとに 学位 を授与す る純粋 な評価機 関 として特筆 に催 しよ う。

お わ り に

以上,米国におけ る学外学位制度の現状 を,質 問紙 の分析 と取得要件 の分析か ら概観 して き た。 これ までみて きたよ うに, この制度の内容は実 に 多様 であ るが,本論 を閉 じる前に,三つ の点に言及 してお きたい。

まずひ とつめは,学外学位 に対す る社会的評価 の問題 であ る。 多 くの大学の資料が,学外学 位 は他の伝統的プログラムに よって取得 された学位 と同等 であ り,過去 の取得者は職場等で, 伝統的学位 を持つ者 と同等に扱 われてい ると記 してい る。 しか しこの ような記述か ら実態 をは か り知 るこ とはで きない。

学位の名称 を検討 した際に紹介 した よ うに,ア ンテ ィオー ク大学 で個 人学習学芸修士 を取得 す ると学芸修士

(MA)

として記載 されたデ ィプロマ を得 るこ とにな る。また他 の学部 レベ ルの 学位 プ ログラムで も,デ ィプ ロマには 「 学外」学位 であるこ とは記 さないこ とを銘記 してい る ケースが見受 け られた。ア クレデ ィテ‑ シ ョンを受 けた正規 の学位授与機 関が授与 した学位 な らば,取得形態の如何 に よらずその質は一定の レベ ル を保つ こ とが保証 されてい るとい うのが 学位制度 の建前 であるが, ここで 「 個 人学習」や 「 学外 プログラム」 な どの非伝統性 を表す こ とばが避 け られ るのはなぜ だ ろ うか。 ここには,学外学位 の社会 的信用 に関す る問題が兄いだ せ そ うであ る。ただ し,本稿 では問題点 を指摘す るに とどめ ざるを得 ない。

ふたつめは, トランスファー ・クレジッ トに関す る問題 であ る 。 本稿 中で も触れたよ うに, 多 くの学外学位 プ ログラムにおいて, 当該 プログラム‑ の入学以前に他大学等 で取得 したクレ ジッ ト数 を当該 プログラムの修 了要件 として必要 とされ るクレジッ ト数 に算入す る, トランス ファー ・クレジ ッ トの制度が探 られてい るが, この とき トランスファーす るクレジ ッ ト数には 上限のあ る場合 と下 限のあ る場合 とがあった。すなわち既得 クレジ ッ トの うち一定数 までの ト

ー 14

5 ‑

(16)

ランスファー を認め る制度 と,一定数以上 の クレジ ッ トを既得 してい る者 に限 り入学 を許可す る制度 とい う正反対の制度があ るこ とが確認 されたのであ る。 ここには,学外学位 プ ログラム 自体 の性格 の ちがいがあ らわれている とい うこ とがで きるだ ろ う

D

すなわち前者の制度 には, 学外学位 プログラム参加者 も当該大学の カ リキュラムに沿 って学習 をすべ きである とい う考 え 方が指摘 で き, また後者の制度 は, それ までの学習の成果 を学位 に結実 させ るとい う学位完成 の思想に支 え られた ものである とい うこ とが指摘 で きるのであ る。

もうひ とつ,今 回の調査 の対象 となったすべ ての学外学位 プ ログラムに共通 して見 られ る特 徴 を一つ指摘 してお きたい。それは, 「 入学」の手続 きがあ る とい うこ とである。学位 の取得 を

目指す者 は,個 々のプ ログラムに対 して入学 の手続 きを行 う o そのの ち学生 ・学習者 ・参加者 と多様な呼称 を得 るが, いずれにせ よプ ログラムに登録 された者 として学位 の取得 に向けて学 習 を行 う。仮 に必要 とされ るクレジッ トをすべ て他大学か ら トランスフ ァー して, 当該大学 で 単位 を得 るために学習す るこ とがない場合 で も, クレジッ トの トランスフ ァー を行 う前に入学 の手続 きを経ているこ とは,他 のケース と同様 であ る。

この入学 の手続 きに よ り, プ ログラム登録者 は学生の身分 を得 てお り, 多 くの場合奨学金等, 学習のための資金援助 を受 け るこ とも可能 であるとされてい る。 もっ とも学外学位 プログラム の学生はその多 くが職業 をもってお り, したが って年収 が高 くな るため奨学金 の資格規定にそ わな くな るとい う点 も見落 とせ ない。 したが って実際には,少数 の学生が奨学金 を得 ているこ とが推察 で きるO

これ ら三点の うち,最後 に挙 げた,学生 としての身分 の有無の問題 は,米 国の学外学位 シス テム と,我が国の学位授与機構 が学校教育法第

68

条の

2

3

項の一 に もとづ き,短大 もしくは 高専 の卒業者等 で,大学 におけ る一定の単位 を修得 した者 に学士 の学位 を授与す るシステム を ● 比較 した うえでの大 きな相違点であ るといえよう。学位授与機構 の システム も学外学位 の授与 システムのひ とつ であ るが,学位授与機構 の システムでは,学位 を得 よ うとす る者は学位 を得 るために, まず学位授与機構が求めている学習 をお こない, そのの ちに学位授与機構 に対 して 学位 を 「申請」 し 「 審査」 を受 け る。学位授与機 関へ の登録 と学習の順序は, 日米の システム では逆になっているこ とが見て取れ る。 したが って学位 を得 るための学習の期 間, それぞれの 学位授与機 関 じたいが学生 としての身分 を保証す るか否かの違 いが生 じる結果 となるO

ここに挙 げた他 に,米国の学外学位 プ ログラムで要求 され るレジデ ンスの詳細 な実態 な ど, 本稿 のなか では明 らかにで きなか った点 もあ る

この残 された問題点に関 しては次稿 に侯 ちた い○

‑ 1 46 ‑

(17)

参 考 文 献

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号,

1994

年,

1

‑16

ー 147 ‑

(18)

資料1

依 頼状

NAT1 0NAL I NSTnUTt ON FOR ACADEM I C DEGREES

4259Nagatsut

a , Mi

doriku,Yokohatnaユ26,Japan

March 13. 1995

Pre

si

de n t

Phone:0459226441 Fax:045923‑02.58

Dear Dr.

I am a professor of the National lnstitution for Academic Degrees. The Institution was established in lggl. and its task is to award higher education degrees based on the idea of credit accumulat.ion and t.ranSfer and to do comparative research in higher education systems between various countries. As t.o more detailed information on the Institution please refer tb the enclosed copy of its brochure.

The institution has recently launched a research project on external degrees awarded by theUS.universities. and I am the head of the project team. As a preliminary work we are now looking into general conditions of awarding external degrees in leading universities. We are planning to deal with your university as part of our case study. I have found in the Index of Majors and Graduate degrees1993 that your university offers external degree programs.

I wonder if you would kindly send a copy of a bullet.in, Catalogues, Or any other related document on external degree programs offered by your university to me by air mail.Also. I should be very grateful if you could answer the questionnaire enclosed and send it back to me . For the success of our research projectwe need to obtain up‑to‑dated information on requirements of taking the degrees and programs for them. However. It. is rather difficult to find useful materials to obtain such information in our country.

I will reimburse any cost incurred. Please find enclosed a self‑

addressed envelop and InternationalReplyCoupons towardsmailing cost.

Thank you for your attention.

Yours‑Sincerely,

』 D^ 〆 L J

Akira TACHI Professor

National Institution for Academic Degree

‑ 148‑

参照

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