セラミック発振子(セラロック)
Application Manual
P60-24.pdf
2021.3.1
欧州RoHS指令対応について
・当カタログに記載の製品は、全て欧州RoHS 指令に対応した製品です。
・欧州RoHS指令とは、欧州の「電気電子機器 中の特定の危険物質の使用制限に関する 指令(2011/65/EU)」およびその修正指令を 指します。
・当社の欧州RoHS指令対応の詳細について は、当社Webサイト「欧州RoHSへの対応」
(http://www.murata.com/ja-jp/support/
compliance/rohs)よりご確認下さい。
はじめに
セラミック発振子(以下セラロックとする)は、多結晶 体である圧電セラミックスの機械的共振を利用した発振 素子です。
当社の長年にわたるセラミックフィルタ(セラフィル)
の量産技術が、セラロックの商品化を可能とし、時代の ニーズに合った商品として年々その市場を拡大してきま した。
集積回路技術の進歩は、従来大がかりなコンピュータシ ステム以外に処理できなかった各種機器の制御を1個の LSIで可能としました。また、その価格も大幅に低下し、
いまや産業用機器から民生用機器にいたるまで、1チッ プマイクロコンピュータが使用されるようになりまし た。この応用分野は今後もますます拡大されるものと思 われます。一方、これらの1チップマイクロコンピュー タに不可欠のクロック用発振子にも、さらに適度な安定 性と無調整化、小型化、低価格化が要求されています。
こうした要求を満足するものとして、セラロックが最適 であり、現在、TV、VTR、自動車電装品、電話機、複写機、
カメラ、音声合成機器、通信機、各種リモコン、ミシン、
玩具など非常に幅広い用途に応用されつつあります。
ここに、セラロックアプリケーションマニュアルをまと めましたので、セラロックを効果的に、また支障なくご 使用いただくために是非お役立てください。
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
お願い
Contents
記載内容は2019年10月現在のものです。
カタログに記載のない品番については、
ムラタウェブサイト
(http://www.murata.com/)
をご確認ください。欧州RoHS指令対応について
・当カタログに記載の製品は、全て欧州RoHS 指令に対応した製品です。
・欧州RoHS指令とは、欧州の「電気電子機器 中の特定の危険物質の使用制限に関する 指令(2011/65/EU)」およびその修正指令を 指します。
・当社の欧州RoHS指令対応の詳細について は、当社Webサイト「欧州RoHSへの対応」
(http://www.murata.com/ja-jp/support/
compliance/rohs)よりご確認下さい。
セラロックの特長と種類
1. セラロックの一般的特長 … ……… … p2 2. セラロックの種類……… … p3 MHz帯リードセラロック(CSTLSシリーズ)… ……… … p3 MHz帯チップセラロック
(CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズ)… ……… … p4
…
セラロックの原理
1. セラロックの等価回路定数……… … p6 2. 発振回路の原理……… … p9
…
セラロックの性能
1. セラロックの電気的性能……… … p12 MHz帯リードセラロック(CSTLSシリーズ)の電気的性能… … … p12 MHz帯チップセラロック
(CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズ)の電気的性能……… … p14 2. セラロックの機械的性能および耐候性能………… … p15
…
代表的な各種発振回路への応用
1. 発振回路設計上の注意点……… … p17 2. 各種発振回路への応用……… … p18 C-MOSインバータへの応用… ……… … p18 H-CMOSインバータへの応用… ……… … p19
…
セラロック発振回路の諸特性
1. 発振周波数安定性……… … p20 2. 発振レベル特性……… … p21 3. 発振立ち上がり時間(Rise Time)特性………… … p22 4. 発振開始電圧(Starting Voltage)… ……… … p23
…
各種IC/LSIへの応用例
1. マイクロコンピュータへの応用例……… … p24 代表マイクロコンピュータの推奨回路定数例… ……… … p25
…
使用上の注意……… … p27
…
付表 セラロックの等価回路定数一覧表……… … p28
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1.セラロックの一般的特長
セラミック発振子(セラロック)は、圧電セラミックス(通常 PZTと呼ばれるチタン酸ジルコン酸鉛が多い)の機械的共振を 利用したものであり、共振周波数によっていろいろな振動姿態
(モード)を使っています。その種類を右に示します。
このような発振子としては、従来から水晶振動子がよく知られ ています。また、電気的共振を利用したものとしては、CR発 振回路、LC発振回路があります。
セラロックの特長としては、以下のことが挙げられます。
①発振周波数の安定性が高い。
…水晶振動子とLCもしくはCR発振回路との中間に位置しま す。
…発振周波数の温度係数は、水晶振動子が10−6/℃以下であ り、またLCやCR発振回路が10−3〜10−4/℃程度であるの に対して、セラミック発振子は−20〜+80℃で10−5/℃
が得られます。
②小型、軽量である。
通常の水晶振動子の約1/2以下のサイズとなります。
③発振回路の無調整化、低価格化が可能。
…量産性を考えた設計がなされています。セラミック発振子 はCR、LCなど電気的共振を応用したものと異なり、機械 的共振を利用していますので、基本的に外部回路や電源電 圧の変動などの影響を受けにくく、無調整で高安定な発振 回路が得られます。
各種発振素子の特長を簡単にまとめます。
各種発振素子の特長
セラロックの特長と種類
1 RoHS
7表面波
振動モードと周波数帯 周波数(Hz)
振動モード 1屈曲振動
2長さ振動 3拡がり 振動 4径方向振動 5厚みすべり 振動6 厚み縦振動
1k 10k 100k 1M 10M 100M 1G
[注]:←→は振動方向を示す
名 称 シンボル 価 格 形 状 調 整 周波数
初期精度 長期安定性
LC 安価 大きい 要 ±2.0% あまり
よくない
CR 安価 小さい 要 ±2.0% あまり
よくない
水晶振動子 高価 大きい 不要 ±0.001% 優れている
セラミック
発……振……子 安価 小さい 不要 ±0.5% 優れている
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
お願い
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1
2.セラロックの種類
MHz帯リードセラロック(CSTLSシリーズ)
CSTLSシリーズは、外付けコンデンサが不要ですので部品点数 の削減、セットの小型化が図れます。
右表に負荷容量内蔵型セラロック(3端子セラロック)の周波 数範囲および外形図を示します。
品番の読み方
❶識別記号
❷周波数帯/コンデンサ内蔵
❸構造・サイズ LS:丸リードタイプ
❹公称中心周波数
❺タイプ
G:厚みすべり振動、X:厚み縦振動(3rdオーバートーン)
❻周波数公差
1:±0.1%、2:±0.2%、3:±0.3%、5:±0.5%、
D:DTMF用、Z:その他
❼内蔵容量
1:5pF、3:15pF、4:22pF、5:30pF、6:47pF
❽個別仕様
…標準品の場合、「❽個別仕様」は適用されず、…「❾包装仕 様コード」が繰り上がります。
❾包装仕様コード −B0:バラ品、
−A0:ラジアルテーピング品……H0=18mm
… つづら折り梱包(標準品)
(例)
CS T LS
❶ ❷ ❸
4M00
❹
G
❺
5
❻
3
❼ ❽
-A0
❾
リードセラロック(CSTLSシリーズ)の種類と外形寸法
タイプ名 周波数 外形寸法(mm)
CSTLS G 3.40〜10.00MHz
CSTLS X 16.00〜70.00MHz
※ 16.00〜32.99MHzまでは「3.5」
2.5 2.5
5.53.5
8.0 3.0
2.5 2.5
6.53.5
5.5 3.0
※
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MHz帯チップセラロック
(CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズ)
電子機器のますますの小型・薄型化・高密度実装の要求に応え、
MHz帯チップセラロックのバリエーションを豊富に取り揃え ています。
3端子チップセラロック(負荷容量内蔵型)CSTCR/CSTNEシリー ズの外形寸法、および標準ランド寸法と、CSTCRシリーズのテー プキャリアの外形寸法を右表に示します。
品番の読み方
❶識別記号
❷周波数帯/容量内蔵・非内蔵 T:コンデンサ内蔵
❸構造・サイズ
CR/NR/NE:キャップチップタイプ
❹公称中心周波数
❺タイプ
G:厚みすべり振動、V:厚み縦振動
❻周波数公差
1:±0.1%、2:±0.2%、3:±0.3%、5:±0.5%、
H:±0.07%
❼内蔵容量
1:5pF…or…6pF、2:10pF、3:15pF、5:33pF…or…39pF、
6:47pF
❽個別仕様
…標準品の場合、「❽個別仕様」は適用されず、…「❾包装仕 様コード」が繰り上がります。
❾包装仕様コード B0:バラ品、
…R0:プラスチックテーピング品φ180mmリール梱包
(例)
CS T CR
❶ ❷ ❸
4M00
❹
G
❺
5
❻
3
❼ ❽
R0
❾
チップセラロック(CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズ)の外 形寸法、および標準ランド寸法
タイプ名 周波数(MHz) 外形寸法
標準ランド寸法(mm)
CSTCR G※1
CSTNR G※1 4.00〜7.99
CSTNE G※1 8.00〜13.99
CSTNE V※1 14.00〜 20.00
※1 …当製品は、密閉構造ではありませんので、洗浄および樹脂コーティン グすることは、お避けください。
2.6 1.6 0.8
0.4
1.5 0.41.5 0.4 0.80.70.8 0.7
1.2
2.0 4.5
0.4
1.90 ~ 2.10
0.4 0.8 0.4 0.8
1.2 1.2
0.8
1.3 3.2
0.4
1.90 ~ 2.10
0.4 0.8 0.4 0.8
1.2 1.2
1.0
3.2 1.3
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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1
チップセラロックのプラスチックテープの外形寸法
(in mm) 4.0±0.1
2.0±0.05
(9.5)
4.0±0.1
(3)(2)(1)
ø1.5 +0.1-0
ø1.5+0.1-0
12.0±0.2
5.5±0.051.75±0.1
4.7±0.10.3±0.05 1.25±0.05 (1.85 max.)
2.2±0.1
Direction of Feed (3̊)
10̊ Cover Film
The cover film peel strength force 0.1 to 0.7N The cover film peel speed 300mm/min.
CSTCRシリーズ
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2 1.セラロックの等価回路定数
セラロックの基本的な使い方は、図2-1のように一対の電極を 設けた2端子型共振子としての応用です。2端子間のインピー ダンスおよび位相特性を測定しますと図2-2のようになります。
図2-2からインピーダンスが最小となる周波数Fr(共振周波数)
とインピーダンスが最大となる周波数Fa(反共振周波数)の間 の周波数帯でインダクティブとなり、その他の周波数帯でキャ パシティブとなるような動作をしていることがわかります。こ のことは2端子型振動子の機械的振動がコイルL、コンデンサC、
抵抗Rの直並列共振回路の組み合わせで等価的に置き換えて考 えられることを意味します。固有周波数(P.8、注釈1参照)の 近傍でのその電気的等価回路は、図2-3のようにあらわすこと ができます。
Fr、Faは圧電セラミックスの性能および形状により定まる周波 数で、等価回路定数も次式により一義的に決定できます。(P.8、
注釈2参照)
Fr=1/2π L
1C
1Fa=1/2π L
1C
1C
0/(C
1+C
0)=Fr 1+C
1/C
0―――――――――――(2-1)
―――――(2-2)
―――――――――――(2-3) Qm=1/2πFrC
1R
1(Qm:機械的Q)
いま、Fr≦F≦Faなる周波数帯のみを考えると、図2-4のように インピーダンスZ=Re+jωLe(Le≧0)となり、セラロックは 損失Re(Ω)を持つインダクタンスLe(H)として動作するこ とになります。
図2-1 2端子型セラロックの記号
2端子間インピーダンス Z=R+jX
(R:実数部、X:虚数部)
位相 φ=tan-1X/R 記号
図2-4 Fr≦F≦Faの周波数帯域でのセラロックの等価回路
Re Le
Re:実効抵抗 Le:実効インダクタンス
図2-3 セラロックの電気的等価回路
R1…:等価抵抗 L1…:等価インダクタンス C1…:等価キャパシタンス C0…:電極間容量
L1 C1
C0 R1
図2-2 セラロックのインピーダンスと位相特性
[Z]
104 103 102 10
90
0
-90 105
周波数
インピーダンス位相
Fr Fa
セラロックの原理
2 RoHS
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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7
2
下表にセラロックの代表的な等価回路定数値を水晶振動子のそ れと対比して示します。両者を比べると、容量およびQmに大 きな差があり、実際に発振させた場合の発振条件の違いはこれ らに起因します。セラロックの各品種(周波数)での等価回路 定数の標準値を巻末−付表「セラロックの等価回路定数一覧表」
−に示します。
なお、セラロックは機械的共振を利用しているため、目的の振 動モード以外にも奇数次高調波、あるいは他の振動モードが存 在します。その様子を図2-5に示します。
図2-5 セラロックのスプリアス特性
1
1M
100k
10k
1k
100
10
1 10 100 1k 10k 100k 1M
主振動
3次振動 厚み振動 主振動
周波数 (MHz)
周波数 (MHz)
10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0
40 30
20 10
0
インピーダンス
(Ω)[Z]
インピーダンス
(Ω)[Z]
CSTLS4M00G53-B0
セラロックと水晶振動子の等価回路定数例の比較(参考値)
発振子 発振周波数 L1(μH) C1(pF) C0(pF) R1(Ω) Qm dF(kHz)
セラロック 4.00MHz 0.46×103 3.8… 19.8 … … 9.0 … … 1220 350.9
8.00MHz 0.13×103 3.5… 19.9 … … 8.0 … … … 775 641.6 水晶 4.00MHz 2.10×105 0.007 2.39 … 22.1 240986 6
8.00MHz 1.80×105 0.002 4.48 154.7 … 59600 2
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(注釈1)
共振子の寸法と固有周波数についての関係をあらわします。
たとえば、長さ振動を利用した共振子では、図Ⅰのように波 長が共振子の長さ(厚み振動の場合は厚み)の2倍になりま す。共振子の長さℓ、共振周波数Fr、圧電セラミックスの中 を伝わる波の音速をC、波長λとすると、それぞれに次の関 係があります。
Fr・ℓ=Const.(周波数定数、厚みの場合はFr・t)
λ=2ℓ
C=Fr・λ=2Fr・ℓ
上式から容易に想像されるように、周波数定数は共振子の大 きさを決定します。
図Ⅰ
ℓ=λ/2
定在波の振幅分布
(振幅最小) (振幅最大)
(注釈2)
図2-3において、簡素化のため抵抗分R1を除いて考えると、
その2端子間インピーダンスZ(ω)は次式であらわせます。
jωC 1
0( jωL
1+ )
) Z (ω)=
ここで、ω=
jωC 1
1jωC 1
0+( jωL
1+ 1 )
jωC
1j (ωL
1-=
=ωrのとき、Z (ωr)=0 ωC 1
11+ C
0-ω
2C
0L
1C
11 L
1C
11 2π L
1C
1ω=
ω=2πFより、
Fr=ωr/2π=
1
2π C
0C
1L
1/(C
0+C
1)
Fa=ωa/2π= =Fr 1+
=ωaのとき、
1 C
0C
1L
1/(C
0+C
1)
C
1C
0Z (ωa)=∞ となります。
L1 C1
C0
注 釈
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2.発振回路の原理 2
発振回路には大別して、
①正帰還による方式
②負性抵抗素子を利用する方式
③伝達時間あるいは位相の遅延を利用する方式 があります。
この中で、セラロックや水晶振動子、LC回路の場合は①の方 式が応用されます。LCによる正帰還発振回路では、同調形反 結合発振回路、コルピッツ回路、ハートレー回路が代表的なも のですが、そのうちのコルピッツ、ハートレー両回路を図2-6 に示します。
図2-6では増幅器として最も基本的なトランジスタを用いてい ます。これらの発振周波数は近似的に、コルピッツ回路では、
L、CL1、CL2、ハートレー回路ではL1、L2、Cからなる回路の共 振周波数と同一となり、それぞれ次式であらわせます。(P.11、
注釈3参照)
fosc.≒
(ハートレー回路) 1
fosc.≒
(コルピッツ回路)
1
2π L・ C
L1・C
L2C
L1+C
L22π C (L
1+L
2)
―――――――――――(2-4)
―――――――――――(2-5)
セラロックを応用する場合は、Fr〜Fa間でインダクティブにな る性質を利用し、LC回路中のLをセラロックで置き換えます。一般にはコルピッツ回路のLと置き換える方法が採用されてい ます。
ここで、発振回路の動作原理について述べます。図2-7に示す ような帰還回路において、その発振条件は次のとおりとなりま す。
ループゲインG=α・β≧1… (2-6)
移相量 θ=θ1+θ2=360°×n(n=1、2、…)
コルピッツ回路では、θ1=180°の反転増幅器を用い、帰還回路 にL、Cを用いてさらにθ2=180°の反転を行っています。セラロッ クを応用した場合もこれと同様です。
CL1 CL2
L
L1 L2
C
図2-6 LC発振回路の基本構成
… コルピッツ回路… ハートレー回路
増幅器 増幅率:α 移相量:θ1
帰還回路 帰還率:β 移相量:θ2
図2-7 発振の原理
発振条件ループゲインG=α・β≧1 移相量θ=θ1+θ2=360°×n
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セラロックを利用したコルピッツ形発振回路としては、イン バータを用いる方法が最も一般的であり、また容易です。図 2-8にその場合の基本回路構成を示します。この回路において、
Ⓐ点でループを断ち開ループとすることで、ループゲインGと 移相量θを測定することができます。この実際の測定回路を図
2-9に、また測定結果例を図2-10に示します。 A
CL1 CL2
Rf α(θ1)
β(θ2) セラロック
図2-8 インバータを用いた場合の基本発振回路
セラロック IC
Rf VinS.S.G
C1
C2 ベクトル
ボルトメータ
図2-9 ループゲインおよび位相測定回路
ループゲイン…:G=α・β 位 ……相…… 量…:θ1+θ2
位相 (発振可)
ゲイン
-40 -30 -20 -10 0 10 20 30 40
3.80
周波数 (MHz)
(deg)
位相 (発振不可)
ゲイン
-40 0 40
3.80 3.90 4.00 4.10
4.00 4.20
4.20
3.90 4.10
周波数 (MHz)
位 相
(deg) 位 相
(dB)
ループゲイン
(dB)
ループゲイン
-90
-180 0 90 180
-90
-180 0 90 180
セラロック CSTLS4M00G53-B0 VDD=+5V CL1=CL2=15pF IC:TC4069UBP (TOSHIBA)
セラロック CSTLS4M00G53-B0 VDD=+2V CL1=CL2=15pF IC:TC4069UBP (TOSHIBA)
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2
(注釈3)
図Ⅲにエミッタ接地形トランジスタ回路の等価回路を示しま す。ここでRiは入力インピーダンス、R0は出力インピーダン ス、βは電流増幅率をあらわします。
図Ⅲの等価回路を用いて、図2-6の発振回路をあらわすと、
図Ⅳのようになります。Z1、Z2、Zはハートレー形、コルピッ ツ形の回路に対しておのおの表のとおりとします。図Ⅳをも とに次の3式が得られます。
図Ⅲ
i1 R0
- +
βR0i1 Ri
図Ⅳ ハートレー /コルピッツ形LC発振回路 ハートレー形 コルピッツ形 Z1 jωL1 1/ jωCL1
Z2 jωL2 1/ jωCL2
Z 1/ jωC jωL
i1
i2 i3 i1
R0
Ri - +
βR0i1
Z
Z2 Z1
βR0i1+(R0+Z2)i2−Z2i3=0………(1)
Z1i1+Z2i2−(Z2+Z+Z1)i3=0………(2)
(Z1+Ri)i1−Z1i3=0… ………(3)
発振が持続するには、i1≠0、i2≠0、i3≠0であることが必要 ですから、(1)〜(3)式を電流について解くことにより次 の条件式が求められます。
βR0Z1Z2=(Z1+Ri)Z22−{Z(Z1 2+Z)+…
… (Z2+Z+Z1)Ri}(Z2+R0)………(4)
ここで、Z1、Z2、Zはいずれも虚数となることにより、式(4)
を実数部と虚数部に分けると次のとおりの条件式となりま す。
(虚数部)Z1Z2Z+(Z1+Z2+Z)RiR0=0… …………(5)
(実数部)βR0Z1Z2+Z(Z+Z1 2)R0+
… Z(Z+Z2 1)Ri=0………(6)
式(5)が位相条件、式(6)が電力条件をあらわします。
式(5)のZ1、Z2、Zに、左の表に示す素子をそれぞれ当てはめ、
それを各周波数ωについて解けば、発振周波数を求めること ができます。
(ハートレー形)
ω2osc=(2πfosc.) 2 = 1
(L1L2) C{1+ L1・L2 } (L1+L2) CRiR0
……(7)
(コルピッツ形)
ω2osc=(2π fosc.) 2= 1 ・ {1+
L CL1・CL2
CL1+CL2
L } (CL1+CL2)RiR0
……(8)
どちらの回路も、Ri、R0が十分大きければ{ }内の項は1 になり、発振周波数は、近代的に次式で与えられることにな ります。
……(9)
……(10)
注 釈
fosc.≒
(ハートレー形)
1 fosc.≒
(コルピッツ形)
1
2π L・ C
L1・C
L2C
L1+C
L22π (L
1+L
2) C
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3
1.セラロックの電気的性能
セラロックの周波数安定性は、水晶とLC、CR発振の中間にあり、
その温度安定性は−20〜+80℃で、±0.11〜±0.5%(初期値 に対し)です。また、周波数の初期精度は、標準品において±
0.5%程度となります。当社標準仕様のセラロックは標準測定 回路により周波数調整されますが、実際に使用されるICの回路 により発振周波数にズレを生じる場合があります。通常、1チッ プマイクロコンピュータの基準クロックに要求される周波数精 度は、使用条件下で±2〜3%程度ですので、この場合はセラ ロック標準品で十分対応できます。特殊用途により、正確な発 振周波数が必要な場合は、指定の回路により調整することも可 能です。
以下にセラロックの一般的な電気的性能について述べます。(発 振周波数標準測定回路については、次章「代表的な各種発振回 路への応用」をご参照ください。)
MHz帯リードセラロック(CSTLSシリーズ)の 電気的性能
CSTLSシリーズの電気的性能を次表にまとめて示します。
CSTLS□G56シリーズ(H-CMOS仕様品)の発振周波数測定回 路定数は周波数により異なりますのでご注意ください。MHz帯 3端子セラロック(CSTLSシリーズ)は、負荷容量が2個内蔵さ れており、回路図上のシンボルは、図3-1のようにあらわします。
CSTLSシリーズの一般規格を下表に示します。なお、3端子セ ラロックの端子には、先の第1章CSTLSシリーズの種類と外形 寸法図にも示しましたように入出力が定められています。ただ し、逆に接続されても周波数が多少ズレるだけで発振特性に何 ら影響はありません。
CSTLSシリーズの共振抵抗規格
タイプ 周波数範囲(MHz) 共振抵抗(Ω以下)
CSTLS□G
… 3.40〜… 3.99 50
… 4.00〜… 7.99 30
… 8.00〜10.00 25
CSTLS□X 16.00〜32.99 50
33.00〜50.00 40
CSTLSシリーズ
図3-1 3端子セラロックのシンボル
セラロックの性能
3 RoHS
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
お願い
13
3
CSTLSシリーズの一般規格 項目 シリーズ名
周波数範囲
(MHz) 発振周波数 初期偏差
発振周波数 温度安定性
(−20〜+80℃)
発振周波数
エージング 発振周波数標準測定回路
CSTLS□G53/56 3.40〜10.00 ±0.5% ±0.2%※1 ±0.2%
CSTLS□X 16.00〜50.00 ±0.5% ±0.2% ±0.2%
※1 内蔵容量により変わります。
※2 逆に接続されても特性上何ら問題はありませんが、多少周波数がズレることがあります。
※3 G56/Xシリーズは、TC74HCU04(TOSHIBA)に変わります。
※4 G56シリーズのとき付加されます。
VDD
IC IC
X 1MΩ
Rd (3)
(2)
※2(1)
C1 C2
出力
… IC:TC4069UBP※3 (TOSHIBA)
…VDD:+5V
… X:セラロック
… Rd:680Ω※4
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3
MHz帯チップセラロック(CSTCR/CSTNR/CSTNE シリーズ)の電気的性能
チップセラロック(CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズ)の一般規 格を、それぞれの表に示します。
CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズの共振抵抗規格
タイプ 周波数範囲(MHz) 共振抵抗(Ω以下)
CSTCR□G CSTNR□G※1
4.00〜5.99 60 6.00〜7.99 50
CSTNE□G 8.00〜10.00 40
10.01〜13.990 30
CSTNE□V 14.00〜20.000 40
CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズの一般規格 項目
シリーズ名
周波数範囲
(MHz) 発振周波数 初期偏差
発振周波数 温度安定性
(−20〜+80℃)
発振周波数
エージング 発振周波数標準測定回路
CSTCR□G
(CSTNR□G)※1 4.00〜7.99 ±0.5%
(±0.07%)※1 ±0.2% ±0.1%
VDD
IC IC
X (3)
(2) (1)
C1 C2
出力
※2
… IC:TC4069UBP(TOSHIBA)※3
…VDD:+5V
… X:チップセラロック
CSTNE□G 8.00〜13.99 ±0.5% ±0.2% ±0.1%
CSTNE□V 14.00〜20.00 ±0.5% ±0.3% ±0.3%
※1 狭公差のみ対応します。
※2 逆に接続されても特性上何ら問題はありませんが、多少周波数がズレることがあります。
※3 Vシリーズは、TC74HCU04(TOSHIBA)に変わります。
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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15
3
2.セラロックの機械的性能および耐候性能
セラロックの機械的強度と耐候性についての標準的な試験条件 を下表にまとめます。各試験における発振周波数の変化の様子 を図3-2に、信頼性試験後の変化量を次頁に、またはんだ耐熱 性プロファイルを図3-3に示します。
セラロックの標準的信頼性試験条件
項 目 条 件
1.…耐 衝 撃 性
a
cmの高さから、b
床面に3回自然落下させた後測定する。2.…は ん だ 耐 熱 性
c
のはんだ槽に端子根元より、2mmの位置まで3秒浸した後槽より取り出し、1時間放置後測定する。※1 図3-3のプロファイルのリフロー炉に1回通して、常温に取り出し1時間後測定する。※23.…耐 振 動 性 振動数10〜55Hz全振幅2mmの振動をX、Y、Zの3方向に各2時間印加後測定する。
4.…耐 湿 性 温度
d
、湿度90〜95%の恒温恒湿槽中にe
時間保持し槽より取り出し、1時間放置後測定する。5.…高 温 保 持 特 性 温度85±2℃の恒温槽に
e
時間保持し、槽より取り出し、1時間放置後測定する。6.…低 温 保 持 特 性 温度
f
の恒温槽にe
時間保持し、槽より取り出し、1時間放置後測定する。7.…温 度 サ イ ク ル −55℃の槽に30分、室温に15分、+85℃の槽に30分、室温に15分それぞれ放置する。
以上を1サイクルとし、10サイクル加えた後、室温にて測定する。
8.…端 子 引 張 り 強 度 各端子に1kgの静荷重を垂直方向に加えた後測定する。※1
※1 セラロックリードタイプ
※2 MHz帯チップセラロック
1. CSTLSシリーズ
タイプ fosc. a b c d e f
G … 3.40〜10.00MHz 100 コンクリート 350±10℃ 60±2℃ 1000 −55±2℃
X 16.00〜50.00MHz 100 コンクリート 350±10℃ 60±2℃ 1000 −55±2℃
2. CSTCR/CSTNR/CSTNEシリーズ
タイプ fosc. a b c d e f
G … 4.00〜13.99MHz 100 木 板 − 60±2℃ 1000 −55±2℃
V 14.00〜20.00MHz 100 木 板 − 60±2℃ 1000 −55±2℃
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3
試験前 試験後(%) 0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
1. 耐衝撃性
試験前 試験後
(%) 0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
2. はんだ耐熱性
試験前 試験後
(%) 0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
3. 耐振動性 (%)
0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
4. 耐湿性
100 1000 (時間)
8. 端子引張り強度
(%) 0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
5. 高温保持特性
100 1000 (時間)
(%) 0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
6. 低温保持特性
100 1000 (時間)
(%) 0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
7. 温度サイクル
25 50 100
(周期)
試験前 試験後
(%) 0.1 0.05 fosc. 0 -0.05 -0.1
図3-2 各信頼性試験における発振周波数の一般的な変化(CSTLS4M00G53-B0)
150 180 220 245260
徐冷 ピーク
(150~180∞C)予熱
(220∞C以上)加熱部
60~120s (∞C)
温度
30~60s
図3-3 MHz帯チップセラロックはんだ耐熱性プロファイル 信頼性試験後の変化量
タイプ 項 目 発振周波数 その他
全シリーズ ±0.2%以内
(初期値に対し) 各品種での個別規格 を満足します。
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
お願い
17
4
第2章でも述べたように、セラロックを用いた発振回路として は、コルピッツ回路のLをセラロックで置き換える方法が最も 一般的です。この際の回路設計は、用途、使用するICなどによ り異なります。また、基本的な回路構成方法は水晶振動子の場 合と同様ですが、その機械的Qの違いから回路定数は異なった ものとなります。ここでは、いくつかの代表的な発振回路例を 挙げながら、その特徴について簡単に説明します。
デジタルICで発振回路を構成する場合が増えていますが、イン バータ・ゲートを利用するのが最も容易です。図4-1にC-MOS インバータを利用した基本回路構成を示します。INV.1は、発 振回路の反転増幅器として働きます。INV.2は周波数カウンタ など接続のためのバッファおよび波形整形回路として用いま す。
1.発振回路設計上の注意点
帰還抵抗Rfは、C-MOSインバータを反転増幅器として活性領域 で動作させるバイアス用抵抗です。Rfが大きすぎると入力端に おける絶縁抵抗が何らかの要因で低下した場合に発振停止を引 き起こしやすくなり、またハムなどの影響も受けやすくなりま す。反対に小さすぎると反転増幅器としての増幅度が低下しま す。通常、セラロックでは、1MΩ程度を使用します。
次に、制限抵抗Rdは、省略される場合も多いのですが、その 役割はインバータと帰還回路の間を粗結合とし、インバータか ら見た負荷が軽くなるため、低消費電力化を図り、また帰還回 路の位相も安定させるためのものです。さらに、強制的に高域 でのゲインを低下させ、スプリアス発振などを防止する効果も あります。
負荷容量CL1、CL2は、位相反転するために使用されます。この 値は周波数により、また使用するICや用途などにより適当な値 を選択する必要があります。
図4-1 C-MOSインバータを利用した基本発振回路
CL1 CL2
X
Rd Rf=1MΩ
INV.1 INV.2
VDD 出力
IC IC
… IC:1/6TC4069UBP×2(TOSHIBA)
… X:セラロック
… CL1、CL2:外部容量
… Rd:制限抵抗
代表的な各種発振回路への応用
4 RoHS
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4
この回路における発振周波数fosc.は近似的に次式であらわさ れます。
fosc.=Fr 1+ C
1―――――――――――(4-1) C
0+C
Lただし、Fr=セラロックの共振周波数 C1:セラロックの等価直列容量 C0:セラロックの等価並列容量 CL= CL1・CL2
CL1+CL2
式(4-1)からもわかるように、fosc.はCLにより比較的大きく 変化しますので、周波数精度が要求される用途では注意が必要 です。
2.各種発振回路への応用
C-MOSインバータへの応用
反転増幅器に用いるC-MOS…ICは、通常4069系と呼ばれる内部 が基本インバータ1段構成のものが便利です。インバータの中 には、4049系のようにバッファを備えた3段構成のものもあり ますが、これは非常にゲインが高く、簡単にリング発振やCR 発振を引き起こします。したがって、回路マージンがかなり少 なくなり、使用条件が厳しくなります。
ムラタでは、C-MOS標準回路として東芝のTC4069UBPを採 用しており、その回路構成を図4-2に示します。セラロック
(C-MOS仕様)標準品の発振周波数は、図4-2の回路により調整 されます。
図4-2 C-MOS標準回路
VDD
14
IC : TC4069UBP (TOSHIBA)
1 2
Rf
3 4 7
Rd セラロック
CL1 CL2
出力
シリーズ名 項 目 周波数範囲 VDD 回路定数
CL1 CL2 Rf Rd CSTLS□G53 3.40〜10.00MHz +5V (15pF) (15pF) 1MΩ 0
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
・当カタログには、代表的な仕様しか記載しておりませんので、ご注文にあたっては詳細な仕様が記載されている納入仕様書の内容をご確認いただくか承認図の取交しをお願いします。
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4
H-CMOSインバータへの応用
最近、マイコンの制御を高速かつ低消費で行う傾向が強まり、
発振回路の増幅器に高速C-MOS(H-CMOS)インバータを用い る場合が急激に増えてきています。
H-CMOSインバータには、アンバッファタイプの74HCU系のも のと、バッファを備えた74HC系がありますが、セラロック発 振回路を構成するには74HCU系が最適です。
図4-3に、当社H-CMOS標準回路を示します。H-CMOSは、ゲイ ンが高く、また高域特性が良いため、通常のC-
MOSの場合よりも大きな負荷容量(CL)と制限抵抗(Rd)を 用いて発振特性の安定化を図っています。ここでは、東芝の TC74HCU04を採用していますが、74HCU04であれば、どのメー カー品でも図4-3の回路構成で使用できます。
H-CMOS仕様のセラロックの発振周波数は、図4-3の回路によ り調整されます。
図4-3 H-CMOS標準回路
VDD
14
IC : TC74HCU04 (TOSHIBA) ※
1 2
Rf
3 4 7
Rd セラロック
CL1 CL2
出力
※…60.01〜70.00MHzは、SN74AHCU04P
(TI)に変わります。
シリーズ名 項 目 周波数範囲 VDD 回路定数
CL1 CL2 Rf Rd CSTLS□G56 3.40〜10.00MHz +5V (47pF) (47pF) 1MΩ 680Ω
CSTLS□X
16.00〜19.99MHz
+3V (5pF) (5pF) 1MΩ 470Ω
+5V (15pF) (15pF) 1MΩ 220Ω
+5V (22pF) (22pF) 1MΩ 0
+5V (33pF) (33pF) 1MΩ 0
20.00〜25.99MHz
+3V (5pF) (5pF) 1MΩ 0
+5V (15pF) (15pF) 1MΩ 0
+5V (22pF) (22pF) 15KΩ 0
+5V (33pF) (33pF) 4.7KΩ 0
26.00〜32.99MHz
+5V (5pF) (5pF) 1MΩ 0
+5V (15pF) (15pF) 15KΩ 0
+5V (22pF) (22pF) 4.7KΩ 0
+5V (33pF) (33pF) 3.3KΩ 0 33.00〜50.00MHz +5V (5pF) (5pF) 1MΩ 0
+5V (15pF) (15pF) 15KΩ 0
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5
+1.0
+0.5
0
Temperature [℃]
-40 0 40 80 120
-0.5
-1.0
VDD = +5V
8 VDD [V]
+1.0 +0.5 0 -0.5 -1.0
2 4 6
+1.0
00.1
CL2/CL1
1 10
-1.0
VDD = +5V CL1=39pF Const.
+1.0
00.1
CL1/CL2
1 10
-1.0
VDD = +5V CL2=39pF Const.
+1.0
01.0
CL [pF]
100 1000
-1.0
VDD = +5V
発振周波数変動
(%)
発振周波数変動
(%)
発振周波数変動
(%)
発振周波数変動
(%)
発振周波数変動
(%)
周波数温度特性 電源電圧特性
CL2(CL1= 一定)特性
CL(CL1= CL2)特性
CL1(CL2= 一定)特性 ここでは、図4-1(P.17)の基本回路における一般的な発振特
性について説明します。
なお、種々のICやLSIにおける詳細な発振特性については、個 別にセラロックアプリケーションデータを用意していますので お問合せください。
1.発振周波数安定性
図5-1に発振周波数の安定性についての実測例を示します。温 度変化に対する安定性は、セラミック材料などにより多少異な りますが−20〜+80℃の範囲で、±0.1〜±0.5%となります。
発振周波数の負荷容量(CL1、CL2)依存性は、式(4-1)(P.18)
からもわかるように比較的大きく、±10%の容量偏差に対し、
約±0.05%変動します。電源電圧に対する安定性は、ICの特性 により異なりますが、通常は使用電圧範囲で±0.05%以内とな ります。
セラロック発振回路の諸特性
5 RoHS
・製品によっては、お守りいただかないと発煙、発火等にいたる可能性のある定格や 注意(保管・使用環境、定格上の注意、実装上の注意、取扱上の注意)を記載しておりますので、必ずご覧下さい。
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5
2.発振レベル特性
発振レベルの温度特性、電源電圧特性、負荷容量(CL1、CL2) 特性の実測例を図5-2に示します。発振レベルは広い温度範囲 で安定であることが必要であり、温度特性はできるかぎり平た んであるのが望ましいといえます。また、ICが内部に定電圧電 源を持っていない限り、電源電圧に対してはリニアに変化しま す。
図5-2 発振レベル特性の実測例(IC:TC74HCU04(TOSHIBA)、セラロック:CSTCR4M00G55-R0)
+6 +5 +4 +3 +2 +1 0
-1 -40 0 40 80 120
VDD = +5V
V2H
V2L Tempareture [℃]
V1H
V1L
+8
+6
+4
+2
0
2 4 6
-2
8 VDD [V]
0
V1LV2L V2HV1H
+6 +5 +4 +3 +2 +1 0
0.1 1 10
-1 CL2/CL1
VDD = +5V CL1 = 39pF Const.
V2H V1H
V2LV1L
+6 +5 +4 +3 +2 +1 0
0.1 1 10
-1 CL1/CL2
VDD = +5V CL2 = 39pF Const.
V2H
V1H
V2L V1L
+6 +5 +4 +3 +2 +1 0
1 10 100 1000
-1
CL [pF]
VDD = +5V V2HV1H
V2LV1L
発振レベル
(V)
発振レベル
(V)
発振レベル
(V)
発振レベル
(V)
発振レベル
(V)
周波数温度特性 電源電圧特性
CL2 (CL1= 一定)特性
CL (CL1 = CL2)特性
CL1 (CL2 = 一定)特性
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3.発振立ち上がり時間(RiseTime)特性
発振立ち上がり時間(Rise…Time)は、ICの電源起動時、発振 が過渡領域から定常領域へ移行するまでの時間ですが、セラ ロック発振回路においては、図5-3に示すように定常状態の発 振レベルの90%に達するまでの時間として規定しています。
立ち上がり時間は、発振回路に使用される全素子が影響します が、一般には負荷容量が小さく、周波数が高く、かつ発振子の Qmが低くなるほど発振は速く立ち上がります。負荷容量の影 響は発振子の容量が小さいほど顕著になります。立ち上がり時 間の電源電圧特性と負荷容量(CL)特性の実測例を図5-4に示 します。
なお、水晶振動子と比較すると、セラロックの方が1桁から2 桁速く発振が立ち上がります。その様子を図5-5に示します。
図5-3 Rise…Timeの規定
t=0 0.9xVp-p
0V
ON VDD
Vp-p
Rise Time 時間
図5-4 発振立ち上がり時間特性の実測例
… (IC:TC74HCU04(TOSHIBA)、
… セラロック:CSTCR4M00G55-R0)
[ms]
発振立ち上がり時間
[ms]
発振立ち上がり時間
2 00
0.25 0.50
4 6 8
VDD [V]
010 0.25 0.50
100 1000
CL [pF]
VDD=+5V 電源電圧特性
CL (CL1 = CL2)特性
図5-5 発振立ち上がり特性の比較
水晶発振子
(4MHz)
CSTCR4M00G55-R0
IC:TC74HCU04AP VDD=+5V,…CL1=CL2=39pF, Rf=1M Ω ,…Rd=680 Ω
↑:1.0V/Div.
→:0.5ms/Div.
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4.発振開始電圧(StartingVoltage)
発振開始電圧は、発振回路が動作を始める最低電源電圧です。
これも立ち上がり時間と同様に使用する全回路素子の影響を 受けますが、実力値はICの特性によりほとんど決まります。図 5-6に、発振開始電圧の負荷容量特性の実測例を示します。
図5-6 発振開始電圧のCL(CL1=CL2)依存性実測例
… (IC:TC74HCU04(TOSHIBA)、
… セラロック:CSTCR4M00G55-R0)
1 10 100
0 1 2 3 4 5
CL [pF]
[V]
発振開始電圧
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以上のような特長を生かしセラロックは各種のIC/LSIと組み合 わされ、非常に幅広い用途に応用されています。
以下、実際の応用例の一部を紹介します。
1.マイクロコンピュータへの応用例
セラロックは、4bit/8bit/16bit/32bit各種マイクロコンピュー タの安定した発振素子として最適です。通常、マイクロコン ピュータの基準クロックに要求される周波数精度は±2〜3%
程度ですので、セラロック標準品で十分対応できます。発振回 路定数は、使用するICや周波数により異なりますので、回路設 計の際は当社、あるいはICメーカーにご相談ください。
当社では、各種マイクロコンピュータとセラロックとの組み合 わせで、発振回路評価を実施しております。次項に代表的なIC と各種周波数との組み合わせにおける最適な回路定数例を示し ます。
その他、IC毎の最適回路をムラタホームページに多数掲載して おります。詳しくは下記URLを参照下さい。
http://www.murata.com/ja-jp/simsurf/ic-td/ 図6-1 代表回路図
Xin Xout
C1 C2
(1)
(2) (3) IC
GND V
Rd Rf
CERALOCK
各種IC/LSIへの応用例
6 RoHS
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代表マイクロコンピューターの推奨回路定数例
IC品名 ICメーカ 品番 周波数
(MHz) C1 (pF) C2
(pF) Rf (ohm) Rd
(ohm) IC電圧 (V min.) IC電圧
(V max.) 用途 形状 RL78/G13
(LV,AMPH=0) Renesas…Electronics CSTCR4M00G55-R0 4.00 39 39 open 0 1.6 5.5 Consumer SMD RL78/G13
(LV,AMPH=0) Renesas…Electronics CSTLS4M00G53-B0 4.00 15 15 open 0 1.6 5.5 Consumer リード RL78/G13
(LS,AMPH=0) Renesas…Electronics CSTNE8M00G550000R0 8.00 33 33 open 0 1.8 5.5 Consumer SMD RL78/G13
(LS,AMPH=0) Renesas…Electronics CSTLS8M00G53-B0 8.00 15 15 open 0 1.8 5.5 Consumer リード RL78/G13
(HS,AMPH=1) Renesas…Electronics CSTNE12M0G550000R0 12.00 33 33 open 0 1.8 5.5 Consumer SMD RL78/G13
(HS,AMPH=1) Renesas…Electronics CSTNE16M0V530000R0 16.00 15 15 open 0 2.4 5.5 Consumer SMD RL78/G13
(HS,AMPH=1) Renesas…Electronics CSTNE20M0V510000R0 20.00 5 5 open 0 2.7 5.5 Consumer SMD RX210 Renesas…Electronics CSTCR4M00G55-R0 4.00 39 39 open 0 1.62 5.5 Consumer SMD RX210 Renesas…Electronics CSTLS4M00G56-B0 4.00 47 47 open 0 1.62 5.5 Consumer リード RX210 Renesas…Electronics CSTNE8M00G550000R0 8.00 33 33 open 0 1.62 5.5 Consumer SMD RX210 Renesas…Electronics CSTLS8M00G56-B0 8.00 47 47 open 0 1.62 5.5 Consumer リード RX210 Renesas…Electronics CSTNE16M0V530000R0 16.00 15 15 open 0 1.62 5.5 Consumer SMD RX210 Renesas…Electronics CSTNE20M0V530000R0 20.00 15 15 open 0 1.62 5.5 Consumer SMD S6J342A
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(amplifier=on) Cypress CSTNR4M00GH5C000R0 4.00 39 39 open 1.5k 2.7 5.5 Automotive SMD S6J342A
(amplifier=on) Cypress CSTNE8M00G55A000R0 8.00 33 33 open 680 2.7 5.5 Automotive SMD S6J342A
(amplifier=on) Cypress CSTNE8M00GH5C000R0 8.00 33 33 open 680 2.7 5.5 Automotive SMD S6J342A
(amplifier=on) Cypress CSTNE16M0V53C000R0 16.00 15 15 open 330 2.7 5.5 Automotive SMD S6J342A
(amplifier=on) Cypress CSTNE16M0VH3C000R0 16.00 15 15 open 330 2.7 5.5 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTCR4M00G55-R0 4.00 39 39 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNR4M00GH5L000R0 4.00 39 39 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTCR4M00G55B-R0 4.00 39 39 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNR4M00GH5C000R0 4.00 39 39 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE8M00G550000R0 8.00 33 33 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE8M00GH5L000R0 8.00 33 33 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE8M00G55A000R0 8.00 33 33 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE8M00GH5C000R0 8.00 33 33 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE16M0V530000R0 16.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE16M0VH3L000R0 16.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE16M0V53C000R0 16.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE16M0VH3C000R0 16.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE20M0V530000R0 20.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE20M0VH3L000R0 20.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Consumer SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE20M0V53C000R0 20.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD STM32F1xx STMicroelectronics CSTNE20M0VH3C000R0 20.00 15 15 open 0 2.0 3.6 Automotive SMD PIC16F1824(XT) Microchip CSTCR4M00G53-R0 4.00 15 15 1M 0 2.0 5.5 Consumer SMD PIC16F1824(XT) Microchip CSTLS4M00G53-B0 4.00 15 15 1M 0 2.0 5.5 Consumer リード PIC16F1824(HS) Microchip CSTNE8M00G520000R0 8.00 10 10 1M 330 2.0 5.5 Consumer SMD PIC16F1824(HS) Microchip CSTLS8M00G53-B0 8.00 15 15 1M 330 2.0 5.5 Consumer リード PIC16F1824(HS) Microchip CSTNE16M0V510000R0 16.00 5 5 1M 0 2.0 5.5 Consumer SMD PIC16F1824(HS) Microchip CSTNE20M0V510000R0 20.00 5 5 1M 0 2.0 5.5 Consumer SMD
P60-24.pdf
2021.3.1