• 検索結果がありません。

無線メッシュネットワーク向けのルーティングプロトコルの検討 森崎 明

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "無線メッシュネットワーク向けのルーティングプロトコルの検討 森崎 明"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

無線メッシュネットワーク向けのルーティングプロトコルの検討 森崎 明,伊藤 将志,渡邊 晃(名城大学)

A Study on a Routing Protocol for Wireless Mesh Networks Akira Morisaki, Masashi Ito, Akira Watanabe (Meijo University)

1.はじめに

これまで有線で接続されていたアクセスポイント(AP)間 を,アドホックネットワークによって接続する無線メッシ ュネットワークの研究が注目されている.無線メッシュネ ットワークのルーティングプロトコルはアドホックルーテ ィングプロトコルや,それを改造したものが使用される.

しかしながら,従来のアドホックルーティングプロトコル では経路選択にトラヒック状態が考慮されていない.

本 稿 で は ア ド ホ ッ ク ル ー テ ィ ン グ プ ロ ト コ ル OLSR(Optimized Link State Routing)を拡張することにより,

トラヒックを考慮した経路選択ができる無線メッシュネッ トワーク向けのルーティングプロトコルを提案する.

2.従来の OLSR

OLSRのルーティングテーブル(RT)は,宛先ノード(Dest),

Destへの次ホップノード(Next),Dest までのホップ数(hop) から構成され,Destに対して1つの経路を保持する.Fig.1.

OLSRにおける,ノードsからノードeへの経路生成の 方法を示す.Fig.1.ではsが持つノードa~dまでの経路が作 成された状態から,ノードe への経路を作成する過程を示 している.新しく作るRTDestにはeが新たに生成され る.RTNextにはeの隣接ノードであるc,dのうち最初 に見つかる方のノードcNextの値(a)が設定される.ノー a~dRTでも同様にeへの経路が決り,Fig.1.右のよう 1つの経路が完成する.

しかし,任意に経路が選ばれるため,トラヒックが多く,

状態の悪いリンクからなる経路が選択され,スループット の低下やリンクの切断を引き起こす可能性がある.

3.提案方式

本稿ではOLSRを拡張することにより,トラヒック状態 を考慮した経路生成方法を示す.Fig.2.に提案方式によるノ ード e への経路生成を示す.各ノードは経路計算を行うた めの経路計算テーブル(RCT:Route Calculation Table)を保持 する.RCTは,Dest,Destへの経路(Route),hop,Destまで の経路の合計トラヒック(Traffic)から構成される.

Fig.2.左のように RCT に可能な限り最短経路候補を複数

生成する.次に,それらの同一ホップ数の経路同士でトラ ヒック量を比較し,最小トラヒックの経路以外を削除する.

さらに,RouteからNextを取り出してRTを生成する.こ の方法により,Fig.2.右のようにトラヒックの高いリンクを 避けた経路が完成する.

複数の経路候補を作るため,従来のOLSRよりノードに 負荷がかかることになる.しかし,無線メッシュネットワ ークでは負荷に耐えられる AP を利用することができるた め,本提案方式は無線メッシュネットワーク向けのルーテ ィングプロトコルと言える.

4.むすび

OLSR を拡張し,トラヒックを考慮した無線メッシュネ ットワーク向けのルーティングプロトコルを検討した.今 後は検討結果に基づきシミュレーションを実施し,動作検 証を行う.

文 献

(1) P. Jacquet, Ed.:RFC3626(OLSR),October 2003 Fig.2. RT generation method with extended OLSR

Traffic in each Node c

b d a

e

s

c b

d a

e

s

High Traffic Link

node(AP) RT in node s

Dest Next hop

a a 1

b b 1

c b 2

d b 2

e b 3

Dest Route hop Traffic

a a 1 10

b b 1 3

c a 2 15

c b 2 8

d b 2 5

e c,a 3 16

e c,b 3 9

e d,b 3 6

Node Traffic

a 10

b 3

c 5

d 2

e 1

RCT in node s

RT in node s RT in node s

Fig.1. RT generation method with the conventional OLSR c

b d a

e

s

Dest Next hop

a a 1

b b 1

c a 2

d b 2

Dest Next hop

a a 1

b b 1

c a 2

d b 2

e a 3

c b

d a

e

s

High Traffic Link

node(AP)

New

(2)

無線メッシュネットワーク向けの ルーティングプロトコルの検討

名城大学理工学部 森崎明 伊藤将志 渡邊晃

(3)

はじめに

z 無線LANの普及

- 配線の除去による自由なレイアウト

- 移動性

z 無線LANの動作モード

- インフラストラクチャモード

- 端末がアクセスポイントを介して 通信を行なう

- 一般な無線ネットワークで用いられる

- アドホックモード

- 端末がアクセスポイントを介さず に端末同士が直接通信を行なう

- 遠くの端末とはパケットを中継す ることにより通信を行う

→アドホックネットワーク

一般な無線ネットワーク

アドホックネットワーク インフラストラクチャモード

アドホックモード

(4)

z 更なる通信範囲拡大の要求

z 有線では採算があわない地域にもブロードバンドを提供

z 無線メッシュネットワーク

- アクセスポイント(AP)は移動しない

- AP間をアドホックモード,APと端末間はインフラストラクチャモードで接続

- AP間をアドホックルーティングで繋ぐことによって,容易かつスケーラブル な無線ネットワークの構築が可能

無線メッシュネットワーク 従来の無線ネットワーク

有線

無線

研究背景 -無線メッシュネットワーク-

(5)

研究背景 -ルーティングプロトコル-

z 代表的なアドホックルーティングプロトコル

- AODV (Ad Hoc On-demand Distance Vector Routing)

- リアクティブ型(オンデマンド)

- 通信開始時にフラッディングにより最短経路生成

利点:トポロジー変化を意識しなくてよい 欠点:通信開始時に遅延が発生

- OLSR (Optimized Link State Routing)

- プロアクティブ型(テーブル駆動)

- 定期的なフラッディングによる経路情報の交換により最短経路生成 利点:通信開始時の遅延がない

欠点:トポロジー変化への対応に遅延が発生

(6)

アドホックルーティングプロトコルの課題

z ノードが移動する

z トラヒック状態が考慮されていない

トラヒックが多く状態の悪いリンクからなる経路が選択され,

スループットの低下やリンク切断を引き起こす可能性がある

(7)

提案方式

z 無線メッシュネットワークに適するルーティングプロトコルが必要

- OLSRでは定期的に交換される経路情報にトラヒック情報を付加し,随時 トラヒック状況に合わせて最短経路を更新できる

- 無線メッシュネットワークではAPは移動しないことが前提であるため,

OLSRの欠点であるトポロジー変化への対応の遅延が発生しない

OLSR(Optimized Link State Routing)を拡張

- トラヒックを考慮した経路選択をするルーティングプロトコルを 提案する

(8)

a:10

s

b:3

c:5 d:2

e:1

OLSRの動作

Dest Next hop

a a 1

b b 1

c a 2

d b 2

Dest Next hop

a a 1

b b 1

c a 2

d b 2

e a 3

RT in node s RT in node s

トラヒックが多く,状態の悪いリン クからなる経路が選択される可 能性がある

AP(node) High Traffic Link

同様に各APAPeへの経路が 生成され,一つの経路が完成

APsからAPeへの経路生成

New

Source

Destination

(9)

提案方式の概要

z トラヒック量の少ない経路を選択するようにOLSRを拡張

z 各ノードはルーティングテーブル(RT)とは別に経路のトラヒッ ク量を計算する経路計算テーブル(RCT:Route Calculation Table)をもつ

z RCTを基にして各ノードはルーティングテーブルを生成

(10)

拡張OLSRの動作①

Dest Route hop Traffic

a a 1 10

b b 1 3

c a 2 15

c b 2 8

d b 2 5

e c,a 3 16

e c,b 3 9

e d,b 3 6

RCT in node s

Dest Route hop Traffic

a a 1 10

b b 1 3

c a 2 15

c b 2 8

d b 2 5

同様に各APで経路計算 テーブル(RCT)を生成

New

複数の最短経路候補が完成

AP(node)

High Traffic Link

APsからAPeへの経路生成

RCT in node s

Source

Destination

a:10

s

b:3

c:5 d:2

e:1

(11)

拡張OLSRの動作②

Dest Route hop Traffic

a a 1 10

b b 1 3

c a 2 15

c b 2 8

d b 2 5

e c,a 3 16

e c,b 3 9

Dest Next hop

a a 1

b b 1

c b 2

d b 2

e b 3

RT in node s RCT in node s

RCTからTrafficの低い 経路を選択してルーテ イングテーブルを生成

AP(node)

High Traffic Link

トラヒック量の高いリンクを 避けた経路が完成

APsからAPeへの経路生成

Source

Destination

同様に各APでルーテイ ングテーブルを生成

a:10

s

b:3

c:5 d:2

e:1

(12)

拡張OLSRの特徴

利点:高トラヒック状態の経路を避けた最短経路ができる 欠点:RCTで複数の経路候補を作るため,従来のOLSRより

ノードに負荷がかかる

z 無線メッシュネットワークでは負荷に耐えられるAPを利用するこ とができる

z 本提案方式は無線メッシュネットワーク向けのルーテイングプロ トコルだと言える

(13)

むすび

z 本発表

- OLSRを拡張し,トラヒック状態を考慮した無線メッシュネットワーク向け のルーティングプロトコルを検討した

z 今後の課題

- 検討結果に基づきシミュレーションを実施し,動作検証を行う

参照

関連したドキュメント

金沢大学は学部,大学院ともに,人間社会学分野,理工学分野,医薬保健学分野の三領域体制を

We used the GANSEKI database to obtain submarine samples re- covered from various tectonic settings, such as mid- ocean ridge, back arc, and forearc, and here we report on the

存する当時の文献表から,この書がCremonaのGerardus(1187段)によってスペインの

ところが, [Taylor4] ( の最新版 ) に於いて改良されたテイラーのモジュラー性持ち上げ定理 ([Taylor4] 定理 5.4) に於いては, ρ v がスタインバーグ表現の際に

[CPS] Cogdell, J., and Piatetski-Shapiro, I., Remarks on Rankin-Selberg convolutions, in “Contri- butions to automorphic forms, geometry, and number theory,” Johns Hopkins Univ.

[CHT] Clozel, L., Harris, M., and Taylor, R., Automorphy for some ℓ-adic lifts of automorphic mod ℓ Galois representations, Publ.. A., and Levinson, N., Theory of ordinary

桑原真二氏 ( 名大工 ) 、等等伊平氏 ( 名大核融合研 ) 、石橋 氏 ( 名大工 ) 神部 勉氏 ( 東大理 ) 、木田重夫氏 ( 京大数理研

理工学部・情報理工学部・生命科学部・薬学部 AO 英語基準入学試験【4 月入学】 国際関係学部・グローバル教養学部・情報理工学部 AO