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長崎県生月島における地すべりの構造特性について

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551・243:500.8:551.3(522.2)

長崎県生月島における地すべりの構造特性について

安 藤 武・大久保太治

地質調査所応用地質部

On the Stractural Features of the Landslides on     lkitsuki1s1and,Nagasaki Prefecture

By

Takeshi AndoandTaiji Okubo Gω1o哀ω18〃〃εツoジ切刎,乃りo

      Abstract

  Lands1ides on Ikitsu㎞1sland were investigated as a part of the so−cal1ed Hokusho type 1a・ds1ides,・・dthei・feat・・esof・nde・g・ou・dprom・ar・d・s・・ib・dbyconsid・・i㎎thesliding surface and mechanism.

  (1) Geological features a了e composed of the P1iocene sedi^ents(ca11ed Hirado formation)

with plateau basa1ts covering it.The P1iocene main1y consists of the a1temation of mudstone,

sandy mudstone md tuffaceous sandstone,holding plant fossi1s and thin1{gnite seams.

  (2)  The1ands1ide zone on east seashore has an area of640ha,and the1andslides have been repeated partia11y fmm olden times.This1andslide zone is classi丘ed into three topograp㎞c zones of upper,midd1e and lower position.

  (3) Assumed underground profi1es which were compi1ed from仙e data of dri11ings for the study of1andslides are日1ustrated in several figures ofthe present paper−Crossings ofbed rock are regarded as the c1iffs by1andslides in olden times which were covered with couuvial soi1・E対stence ofburied cliffs was noted in the lands1ide area.

1.まえがき 2.地質と地すべり  2.1 生月島の概要  2.2 地   質  2.3 地すべり 3、地すべりの各論  3.1 松本地区  3.2 里堺目地区

25 26 26 26

26

29 29

31

 3.3 森岳崎地区  3.4 山固地区  3.5 佳路地区  3.6 有景田地区 4.地すべりの考察・…

 4.1 地すべり地形の特徴・

 4.2 地すべり機構

 4.3 滑落崖およぴ埋没崖・

 31

・37

・37

・38

・38

・38

・・40

・43

1 ま え が き

北松型の地すべり研究として,生月島の地すべ

りを調査し,ここでは生月地すべりの地質特性と 地下構造についてのぺた.北松型地すべりの佐世

(2)

北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号 1974

保北部地域卓1およぴ松浦〜伊万里地域ホ2について は地すべり層進の研究として報告した.地質的な 背景とこれに関連する地すべりの地下構造を明ら かにすることは,発生機構およぴ対策の基本的な

課題であるといえる.

 生月島の地すべりは長崎県耕地課の担当であり,

これまでに多くの調査と対策が行なわれている.

研究に際しては,これらのボーリング調査資料・

写真図化の地形図などを利用させていただいた.

県北開発振興局の耕地課およぴ生月の耕地事務所 からはいろいろの便宜をいただいた.なお生月町 役場の協力をいただいた 県の地すべり担当者な らびに関係各位にはここに深甚の謝意を表する.

2。地質と地すべり

2−1 生月島の概要

 生月島は平戸島の北西に位置し,南北約10㎞,

幅は南部で約4㎞,中央の壱部浦付近で約2㎞,

面積は約16.5㎞2の南北に長い孤島である.一島一 町の離島で,人口は11,000人,産業はおもに農業 と漁業である.対馬暖流の影響を受けて気温は一 年を通じて暖かく,平年の降雨量は約1,950mで ある、生月は「かくれキリシタンの島」あるいは

「地すべりの島」として著名である.前者は殉教 の歴史や遺跡で知られており,後者は島の地形・

棚田の発達・多くの湧水などで特色づけられてい る一島には溜池(約80個)が非常に多く,地すべ り地の棚田は溜池に依存しており,島の生活用水 はほとんど湧水あるいはこれに類する地下水でま かなわれている この島の特徴は多かれ少なかれ 地すべりに関連しているといえる.

 島のほぼ中央部は山稜が南北に走り,番岳(286 m)と山頭(258m)が島の最高峯となっている.

地形は稜線の東側と西側とではいちじるしく異な り、西側は急斜面で海に接しているのに対し,東 側はほとんど緩やかな傾斜で海におよんでいる.

東側の緩斜面は開懇の行き届いた耕地が開け,集 落が発達している.島の地形発達史は大きな興味

が持たれる、

2.2 地   質

 生月島は新第三系を基盤とし,その上に台地性 玄武岩類が被覆するという割合に単純な構成であ る一しかし,玄武岩類のいちずるしい風化と地す べり崩積層の広い分布によって,地質構造の詳細 は明らかでなかった.地すべり調査の多数のボー リングによって,地質構造・岩質・地すべりの地 下構造などがかなり明らかにされてきた一地質と 地すべり分布の概要は図一1のごとくである。

 この新第三系は鮮新世の平戸層群に対比される が,一部では中新世後期の野島層群(九十九島層 群とも呼ぱれる)に対比する見方がなされている.

新第三系の露頭は里堺目地区・松本地区およぴ有 景岡地区の海岸で僅かに認められるにすぎない.

しかし,地すべり調査のボーリングはほとんどが 新第三系に達している一泥岩・砂質泥岩およぴ砂 岩の互層であるが,一般に泥質の岩石が卓越して いる.泥質岩には植物化石を含有し,ときに薄い 亜炭層を挾在している.地層の一般的な走向傾斜

はN40㌻,5〜10,Eである・佳路地区から有景

田地区にかけた島の南部は酸性の凝灰岩ないし凝 灰質砂岩で構成されている.この凝灰岩類は灰緑 色であり,流紋岩礫・軽石塊およぴ緑色バッチを 含有する一

 玄武岩類は数枚の溶岩で構成され,玄武岩質の 凝灰岩およぴ凝灰角礫岩の薄層を挾在する.玄武 岩はいずれもかんらん石玄武岩であり,綴密なも のと多孔質のものとがある、凝灰岩はチョコレー ト色の粘土層をなしている.玄武岩類は島の稜線 を構成し,島の南部地区およぴ北部地区に広く分

布している。このほか,森岳崎地区の岳の平岳(115

m),南部海岸の日草鼻およぴ潮見鼻には独立した 玄武岩が分布する 日草鼻玄武岩の大部分は割合 に厚い表土ないし地すぺり崩積土におおわれてい る.この玄武岩は,ポーリングによると厚さ90m 以上,海水准下で約70mに達している部分がある・

2.3 地すべり

 生月の地すべりは東海岸地すべり地帯と西海岸 地すべり地帯とに大きくわけられる.前者は流れ 盤構造(Dip type)であり,後者は反流れ盤構造

(Anti−dip type)の地すべりである 両者の相 違は地すべり地形に特徴がよく現われている一

*1北松型地すべりの発生機構および予知に関する研究第1穀 緯合研究報告,第22号(1970)

*2北松型地すべりの発生機構および予知に関する研究第2報 総合研究報告、第27号(1971)

(3)

凡 例

o、

壁覇玄武岩

    新第 二系

      

【】地すべ/

[二]地す刈崩微土

山奇J也[え(139ha)

目土也Lえ(202ha)

赤r地区(13ha)

(166ha)

山旺j±也[え(99.3ha)

付路±也区(13 7h a)

・、  館

毛蜘1地区(20ha)

0      1000     2000m

    図一1 生月の地質と地すぺり

Fig.1 Distribution of landslide on the I㎞tsuki island。

(4)

北松型地すべりの発生機構およぴ予如に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号 1974

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(5)

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     ・。多1顯粘土二い繭・海

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  500         800m

20

 図一3 松本地区1967滑動地帯の断面(H:V=1:4)

Fig・3  Cross−section of the1andslide a正ea which occurred on Jul・1967・

 東海岸地すべり地帯は,防止指定地区として,

北から森岳崎地区(139.0ha)・里境目地区(202.0 ha)・松本地区(166.0ha)・山田地区(99.3ha)

・佳路地区(13I7ha)および有景田地区(20.0ha)

に区分されている、これらは一連の関係にあり,

総面積は640haにおよんでいる一この地すべり地 帯が生月の主要部である.西海岸地すべり地帯は,

幅は狭いが長さは5.6㎞にわたっており,ほぽ中 央部に防止指定の赤子地区(13.Oha)がある・西 斜面は急傾斜であり,窪地が所々に発達し,大部 分は林地ないし荒廃地である一

 地すべりは新第三系と玄武岩類との組み合わせ からなるいわゆる「北松型」である、しかし,地 すべりの基岩・地下構造・materia1の性質・地下 水のあり方などは「生月型」といえる多くの特徴

がみられる.

3.地すべりの各論

 地すべりの特徴を把握するため,それぞれの地 区にっいて地下構造を求め,崩積層のあり方・厚 さ・風化の状態,基岩の性状およびすべり面など を検討した.とくに,地形変換帯の下部に埋没崖 の存在が推定されたことは,生月の地すべりを理 解するヒで注冒に値する 地すべり現象の解明は むずかしいものであり,多くの仮定の上に立っお

それがあるが,地下構造をできるだけ明らかにす ることは地すべりの考察およぴ対策に大きな指針 を与える.

3.1松本地区

 生月島のほぽ中央部に位置し,北側は里境目地 区と,南側は山田地区と隣接している・図一2に 松本地区の概要を示した.この地区では。古くは

1910年5月や1914年6月に大きくすべった記録が あり,昭和にはいってからは1921年,1925年,

1945年,1951年,1953年,1959年などにいく度か 地すべりをおこしている一もっとも最近では,1967 隼7月10目に下部の約20haが急激に滑動し,農地 およぴ農業施設に大きな被害を与えた。

 (1〕 1967年の滑動地区

 これは馬蹄形の滑落崖から海岸までの約20haの 範囲である、明治以前の記録は明らかではないが,

小出博によると,大きな地すべりは40−50年周期 でおこっているようである 図一3に中央部の地

下構造断面を示した。

 頭部の滑落崖は新第三系で構成され,地すべり をおこしたときには,この崖の下に水溜り状の陥 没地を生じた.この崖はすでに明治以前にできて いたといわれるが,崖の高さの変化や後退などは 明らかでない.また,この崖の位置に断層などの 特別な地質構造は考察しがたい・

(6)

北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号

1974

A−Line

   道 B.12路

↓↓

B−17

 ↓

B−7  ↓

一、嚢萎整肇彗警

B・20     玄武岩

 ↓

B−4

墾彗……:;:■……

.二一一新第系 遥彗:三=一一二.二r一・

200m

150

lOO

50

200m

B.Line    B・9         ↓      B−6

B.2  1

B−15

 ↓

B−16 ↓

   ¢竺  ■

0      200

      一新第 系一」二

  400       600       800       1000

    図一4 松本地区の地下構造断面(H:V:1:2)

 Assumed diagr1ms of underground promes at the Matsumoto area.

  BV−6  BV−1  BV−2 BV−13

150

100

50

Fig.4

ト・・

ト80

一^^^ ^一^一

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一10m

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〕一〕

、圏

1200m

図㈱1

図玄武岩(硬質)

團風化玄武岩(礫混/土)

團強風化玄端 口砂岩

巨ヨ泥岩

     粘土質

   W.L水位

   S.L 享毎ノk準

Fig.5

  図一5 松本地区のポーリング

Drming phases at the Matsumoto1andslide area.

(7)

 流れ盤型の地すべりであり,すべり面の傾斜は 5^6。である.このすべり面は地層の傾斜とほぽ 一致し,いわゆる層すべりに相当する。崩積層は 2層構造にわけられ,上部崩積層(皿1)は玄武 岩礫混りの褐色土壌であ.り,下部崩積層(Dt2)

は地すべりによる新第三系のじょう乱層で軟質岩 片と粘土からなる 地すべり舌端部には,X−ray 解析によると,ほとんどモンモリロナイトからな る地すべり粘土が押し出されている・

 今回の地すべり運動は数10時間であったといわ れる.電柱の移動からみて,中央部で水平的に約 8m移動している一水田はほとんど全面的に荒廃 し、先端部では海岸堤防や護岸の破壌がおこって いる.地すべりの末端隆起が海中にあったといわ れるが,この実態は明らかでない一地すべり発生 前の降雨量は7月4日から9日までの連続で267.5

㎜である.すべった地区はほとんど水田であった から,亀裂発生などの前駆現象はわかりやすいも のと思われるが、このようなことは知られていな い.地すべりの前駆現象らしいものはほとんどお こっていないと云えよう.

 このような地形の発達およぴ地すべり運動は生 月における1っの特徴であるとみなされる・これ

と類似した地すべり地形が里堺目地区およぴ森岳 崎地区でみられる.しかし,滑落崖は上からの崩 積土におおわれ,現在は,急斜面の地形変換帯と して存在するにすぎない・地下構造の解析ではこ れと類似した埋没崖の存在が推測された・

 (2〕松本第2地区

 1967年の滑動地区を除いた周辺を第2地区とす る、この地区のB−1ineおよぴC−1ineの地下構 造断面を図一4に現わした。なお,代表的なボー

リング柱状を図一5に示した.上位地すべり帯で は玄武岩系の崩積層が厚く,かっ地下水位が割り 合いに深い.この特徴はボーリンゲや集水井によ く現われ.ている・もっとも南側はC−1ineに示し たが・B16地点には厚さ70m・Bg地点には厚さ72 mの玄武岩が存在する.これは移動層とは考えが たい伏在玄武岩である.なお,これらの玄武岩は かなり多くの地下水を包蔵している。このため,

この地区では地形およびすべりの方向が複雑にな つている.後背地の玄武岩台地急斜面下部,B19地 点付近には「ウソの湧水」がある.これはどこか

らともなく湧き出してくるものであり,総湧水量

はl00〜3002/minの島で大きい自然湧水であ

る.

3.2 里堺目地区

 南の松本地区と北の森岳崎地区とに挾まれた典 型的な地すべり地帯である・きわめて古い時期の 地すべりは別として,記録によると1935.1951年,

1953年,1955年およぴ1959年に発生している・と くに1959年の地すべりは数カ所で発生し,規模も かなり大きかったようである.この地区ではいた る所で小規模な地すべりが現われており,これに よる被害を受けている.集中的に地すべりがおこ っている所は,中位地すべり帯から下位地すべり 帯にかけた傾斜地である.図一6に堅堺目地区の

概要を示した一

 地区のほぽ中央部には,海に向かって開いた馬 蹄形の低地部がある.この周辺はやや急な斜面を なしている.松本地区の低地部(1969年滑動地区)

と類似した地すデり現象によるものとみなされる が,これがいっ頃におこったものであるかは明ら かでない.この部分は一応の安定を保っているよ うであり,目立った地すべり現象はほとんど認め られない.

 この地区の地下構造断面を図一7に現わした・

地すべり地区内における57本のボーリング調査資 料を検討し,ポーリング地点を結ぶ南北の断面を

示したものである一

 なお,代表的なポーリング柱状を図一8に示し た.ボーリングでは,いずれも崩積層の下に直接

平戸層が伏在する.基盤の新第三系は4〜ポの

緩やかな傾斜で海岸線に向かっている・断面図で

は所々に埋没崖と考えられる基盤の食い違いが認 められる、崩積層は玄武岩起源の礫混り土ないし 土混り礫である.上位地すべり帯では厚い風化〜

強風化玄武岩層であるが,これらはいろいろの点 からみて地すべり移動層とみなされる.

3.3 森岳崎地区

 東海岸地すべり地帯のもっとも北側の部分であ る.この地区でも,古くから地すべりを繰り返し てきたことは明らかであるが,知られているもの では,一般に地表に亀裂を生じ,水田が変形する ような局所的なものが多い.地区のほぽ中央部に は玄武岩で構成される岳の平岳(110m)が存在 する.岳の平岳の南部地区と北西部地区とに大き く分けられ,南部地区はさらに低地部と壱部浦後 背地とに分けられる.低地部は松本地区およぴ里 堺目地区と同じように海に向かって開いたもので あり,その周辺は馬蹄形のやや急な斜面にかこま

(8)

北松型 地すぺりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号 1974

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(9)

 下位地すぺり地帯     道     路     ↓

  A−Line

  中位地すベリ地帯道

      B−28

  B.39  B 29路  1

    小中学校↓  

  ↓         ・ま暖  Dt  一二一■_一三一

㍗  一二=i新第二系二■ 一

上位地すベリ地帯

 遺

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一埋二二I

玄武岩

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一200m

一150

一100

一50

■200m

   道     B−2 B−4  路

    ↓

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  ・一11  1 ↓、,整率1讐……二_一=

  ↓。一ト_撃讐1讐≡≒・・二=

       _一三二_一新第二系

玄武岩 一150

一100

一50

一・一200m

       C・Line  下位地すべり地帯

道B.47B−48 B−6   1  ↓

B−33

上位地すべり地帯

  幸 B.13

  四

±二■;新第.{系_一一一

玄武岩

一150

一100

一50

一200m

道 路

0      200

D−Line

       B−34        ↓

     B−41

B−46

     ↓    _

400     600

       有      B・18田

B−31

新第三系=

玄武岩

    一150

800        1000       1200m

一100

一50

Fig.7・a

   図一7a 里堺目地区の地下構造断面(I)

Assumed diagrams of underground promes at the Sato−Sakaime1ands1ide area.

(10)

北松型地すぺりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号 1974

一200m

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E−Lj爬       j立

   B−24  略

B・1   ↓   1

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B−19

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B・7

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F−Line

 道 一   B・44 B・39賂  /

い.、、.、..、.

巾位地すべり地侃:

 脇B・37

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一150m

一100

一50

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   ・…淋 1二〆π     〆万汀■

、、.、、、、....…苧I二..

  1・B−45班

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    路1

      鯉瞥二=

一150m

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200 400      600

800    1000    1200m

Fig,7・b

図一7b 里堺目地区の地下構造断面(皿)

Assumed diagrams of underground promes at the Sato−Sakaime lands1ide area.

れている.図一gに森岳崎地区の概要を示した.

 この地区の地下構造断面を図一10に現わした.

地すべり地区内における33本のボーリング調査資 料を検討し,ボーリング地点を結ぶ断面図を作成 した・なお代表的なボーリング柱状を図一11に示 した・A・lineは南部地区のほぽ中央,B−1ine は低地部の中央,C−1ineは壱部浦の後背地を示 した断面である。中位と下位地すべり帯の地形変 換帯では,その下で埋没崖の存在を示唆する大き

な基盤の食い違いが認められる.D−lineおよぴ E−lineは北西部地区の断面を示したものである.

厚さ20〜30mの風化玄武岩が基盤の上を緩慢に移 動しているようである.新第三系の基盤と玄武岩 質移動層との間には,すべりによるものとみなさ れる礫混り粘土層が発達している.移動層とみな される玄武岩中にも,凝灰岩ないし凝灰角礫岩の 風化した礫混り粘土層を挾在する.広い棚田地帯 は明らかに地すべりであり,基岩と玄武岩との境

(11)

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一■黎餌怠〜

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(12)

北松型地すべりの発生機構およぴ予如に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究織告 32号 1974

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(13)

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Fig.10

図一10 森岳崎地区の地下構造(H:V=1:2)

Assumed diagrams of un(1erground promes at the Moritakezaki三andsiide area一

に主すべり面があり,なお,玄武岩質移動層中に 副すべり面が存在するものとみなされる.

3.4山田地区

 松本地区と佳路地区との間に以置する部分であ る.顕著な地すべりは知られていないが,水田に おける亀裂など地すべりによる被害が局所的に発 生している一古くからの地すべり地形であり,山 田・佳路地区の概要を図一12に示した.日草鼻地 区の海岸台地には厚い玄武岩が伏在するが、この 玄武岩類の状態を図一13に示した.この伏在玄武

岩のため、おもなすべりは南〜南東であり、複雑 な地すべり地形が発達している、この地区の地下 構造断面を図一14に現わした.なお代表的なポー リング柱状を図一15に示した.A・B・C−lineは

ほぽE−W右向,D1ineはNW−SE方向の断面

であり・E−1inCは山田地区と佳路地区との境付 近の断面である一この地区では.厚さ20〜40mの 玄武片質崩稿膚が基盤σ)上をすべっている.すべ

り面の傾斜は6〜7。である一松本・里堺目・森岳 崎地区で現わしたような推定埋没崖は認められな

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(14)

北松型地すべりの発生機樽およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号 1974

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  図一11 森岳崎地区の地下構造断面図

Fig.1l Drming phases at the Moritakezaki Iands1i(1e area.

3.5 佳路地区

 館浦の後背地にあたっている。玄武岩台地の下 から港の低地にいたる地すべり斜面は平均20。前 後で割り合いに傾斜が大きい.この地区の地下構 造断面を図一16に現わした.基岩の新第三系は酸 性の凝灰岩類である.これより北側のほかの地区 とは地層がやや異なっている.南部の凝灰質岩相 と北部の砂泥互層岩相との関係は明確でないが,

ほぽ東西性の断層接触によるものではないかと推 測される.この地区の地すべり崩積層は2〜6㎜

程度であり,生月の地すぺりとしては、ほかの地 区よりきわめて薄いことが注目される一

3.6 有景田地区

 東海岸地すべり地帯のもっとも南側の部分であ り,大正の末期ごろから開田された広い棚田をな している.基岩は佳路地区と同じように酸性の凝

灰岩類からなり、また地すべり崩積層は同じよう に薄い一この地区は南〜南東に向つて局所的に緩 慢なクリープを行なっている.

4.地すべりの考寮

4.1 地すべり地形の特徴

 空中写真(1/2万)による地形判読およぴ地 形図(1/2千)の解析からみた生月の地形は,

地すべりによる局所的な陥没・亀裂落差などに基 因する凹凸が多く.きわめて複雑である.松本・

里堺目およぴ森岳崎地区における馬蹄形低地部の 存在,地形図をみられる2m等高線のいちじるし い乱れなどが注目される.玄武岩台地と地すべり 地帯との境には規模の大きい急斜面が存在するが,

これは生月地すべりの発達過程に おけるきわめて

(15)

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(16)

北松型地すぺりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号 1974

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  (石璽{貢〜蛆腫しfヒ)

  風化玄武岩

  (レキ混り土)

  強風化玄武む

  (小礫漉りの粘土〜砂質粘土)

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  水位  推定すべり面

  基岩と崩積層の境          ■

  図一13 山田地区東部海岸の玄武岩類

Fig−3 Basalts condition on the shore of Yamada area.

   (drin holes)

古い滑落崖とみなされた.地形ならぴに地下構造 からは.上位・中位およぴ下位の3段の地すべり 帯に区分される 上位と中位およぴ中位と下位の 境には,古い滑落崖から転移したものとみなされ

るやや急な斜面からO〜1OOmの幅をもって連ら

なっている・この斜面を地形変換帯と呼んだが,

地下構造とともに,生月地すべりの地形発達史と

して注目に値する一

4,2 地すべり機構  (1〕崩 積 層

 生月における地すべりの崩積層は,そのほとん どが玄武岩系のものである.崩積層の構成や風化 を受けた状態はかなり変化に富んでいる.おもに 玄武岩の礫混り土ないし土混り礫であるが,硬質 の玄武岩層あるいは凝灰岩〜凝灰角礫岩の風化に 由来する粘土質の層などを挾んでいる、ときに礫 層のようながさがさのものが挾まれる.一般に,

礫混りの土であり,また玄武岩の風化土であるた め。粘着力(C)や内部摩擦角(φ)などのカ学 的性質はかなり大きいことが予想される.

 (2〕すべり面

 大きくみた場合に,3種類のすべり面が存在す る。もっとも広く存在するすべり面は崩積層と基 岩との境である一基岩の表面が粘土化しているも のおよぴすべりによって礫混り粘土になっている ものである.これを基岩のすべり面(A)とした、

馬蹄形の低地でみられるものは基岩内に発生した すべり面である.基岩内のある深さ(数mから数

10mの深度)に風化粘土層を生成したものであり.

これを岩盤のすべり面(B)とした.このすべり 粘土はペントナイト質でCやφなどの力学的性質 は小さい.玄武岩質崩積層の内部で軟弱部が局所 的なすべり面となっているようなものを玄武岩の すべり面(C)とした.

 (3〕運動機構

(17)

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   図一14 山田地区の地下構造断面(H:V:1:2)

Fig.14 Assumed diagrams of undergromd promes at the Yamada lands工ide area。

 一般に,新第三系からなる基岩上を玄武岩質の 崩積層がA型すべり面によってクリープするもの

と考えられる.常に湿潤の状態にある基岩の表面 は軟らかくすべり面となる.このことは,多くの ボーリング調査資料から明らかであり,粘土層を 挾在する一生月の地すべりはいずれも豪雨時か長 雨のときに発生している.すなわち,急激な水位 上昇が大きな誘因である.崩積層の水位が上昇し,

荷重が増すときに,基岩との境で摩擦が減少して 移動をおこす.これは。礫混り崩積土の力学的性 質やすべり面の傾斜からみて,一般に規模の大き い地すべり運動には発展しがたいようである.あ ちらこちらで,小さい亀裂の発生・亀裂落差など による数多くのクリーブを局所的に繰り返してい ることは,多<はこのような機構によるものとみ なされる.上位地すべり帯およぴ中位地すべり帯        1

の大部分では通常の地下水位はかなり低い.しか し,雨期には水位が上昇しやすく,乾期と雨期と では10H20mの水位変動をみる例がある一  基盤内のB型すべり面によるものは,松本地区 の1967隼滑動で代表される一すべり面の傾斜は緩 いにかかわらず,地すべりの規模が大きく,かっ 割合に急激である・滑動後の崩積層はDt1とDt2 の2層構造になる、この種の地すべりは大きな被 害をもたらすおそれがあり,今後の調査において 注意せねぱならない問題点であるといえる.里堺 目地区およぴ森岳崎地区の低地部は松本地区の低 地部と同じような現象によって生成されたものと みなされる.しかし,これらの滑動時期にっいて は知られていない.なお,生月における埋没崖の 存在は,B型すべり面による古い大規模な地すべ

りを想定させる.

(18)

北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第3報)防災科学技術総合研究報告 32号 1974

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図一15 山田地区のポーリング

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図一16 佳路地区の地下構造断面(H:V=1:2)

Pig−6 Assumed diag胴ms of undergrouηd pro例es at the     Gam landslide area.

(19)

 上位地すべり帯の厚い玄武岩質崩積層は,A型 すべり面だけによるものではなく,C型すべり面 による局所的な移動が発生しているものとみなさ れる このことは,地すべりの微地形やボーリン

グ調査資料から推測される.A型・B型およぴC

型のすべり面と,これに関連する運動機構にっい てのべたが,これを裏付ける観測資料は不充分で ある.バイプひずみ計によるすべり面調査を実施 し,すべり面の深さと運動の形を知ることができ,

また雨量と水位変動の関係を求めることができれ ぱ,予知およぴ対策に有効な発生機構がより明ら

かになるであろう.

4.3 滑落崖および埋没崖

 北松型の流れ盤構造の地すべりでは,頭部に滑 落崖を生成し,新第三系を切る場合にはほぽ垂直 にせん断される.吉井町の平山地すべり・樽河内

地すべり・江迎町の鷲尾岳地すべりなどで新第三

系の垂直せん断が矢口られている.生月島の松本1967

滑動地区には,高さ30m以上に達する垂直せん断

崖が存在する.

 埋没崖は,地すべり頭部のせん断崖が,その後 の斜面崩壊や崩積土の上方からの押し出しによっ て,地下に埋没したとみなされるものである.松 本地区・里堺目地区および森岳崎地区では,地す べり帯の上位と中位およぴ中位と下位の地形変換 帯に,地下構造断面図に現わしたような,かなり 大きい埋没崖の存在が推定された・きわめて大き な周期で,規模の大きい地すべりを繰り返してき たことを考察させる.生月における地すべり発展 の歴史は注目される.今後,局所的な地すべりは 繰り返すが,大きな地すべりが発達する可能性の 有無は充分に検討されねばならない.

      参 考 文 献

安藤武(1967;1968);北松地域における地すべり層準について, 1・皿・1.地すべり,M11・

   12・13

北松型地すべり研究グループ(1969);北松型地すべり.地質ニュース,N皿175・180・181 長崎県農林部耕地課(1967・1968);生月島の地すべり防止対策工事調査報告書.

小出博(1960);長崎県北松浦郡生月町及ぴ平戸市の地すべり調査報告書.

小出博(1968);長崎県北松浦郡生月町松本地区地すべり調査報告書.長崎県農林部耕地課 鎌田泰彦(1966);生月町松本第二区地すべり調査報告書.長崎県農林部耕地課

鎌田泰彦(1969);生月町松本地区地すべり調査報告書。長崎県農林部耕地課

鎌田泰彦(1969);生月町山田地区地すべり調査報告書一長崎県農林部耕地課(43年度)

鎌田泰彦(1970);生月町里堺目地区地すべり調査報告書一長崎県農林部耕地課(44年度)

   このほかに,北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究第1報(1970)およぴ第2報    (1971)

参照

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