ジョン・デューイの経験主義哲学における思考論
-知性的な思考の構造的解明-
藤 井 千 春
ジョン・デューイの経験主義哲学における思考論
―知性的な思考の構造的解明―
序 論 1
1.本研究の構想 1 2. 先行研究の展開 9 3.本研究の構成 18
第1章 デューイの経験主義哲学の柱立て 23
第1節 デューイの経験主義哲学の主題 25 はじめに/ 1.デューイ哲学の主題とその背景/2.「伝統的な哲学」に対するデ
ューイの検討/3.哲学の現状批判と実験的方法の採用/4.デューイの哲学に対 する同時代の評価/まとめ
第2節 実験主義と経験概念 39 はじめに/1.「伝統的な哲学」における経験概念に対するデューイの検討/2.経
験概念と認識/3.思考における意味の認知・使用/4.評価的言明と経験的言明の 一元的・連続的関連づけ/まとめ
第3節 自然主義の方法的特質 51 はじめに/1.経験およびその連続的再構成における意味の認知・使用/2.知性お
よび知性的な思考についての把握の方法/3.自然主義の方法的特質/4.非知性 的な要素と知性的な要素の包括的把握
第2章 知識と思考 66
第1節 道具としての知識 68 はじめに/1.問題解決における思考/2.デューイの知識観に対する伝統的な立
場からの批判/3.バークによるラッセルへの反論/4.バーンスタインの「主観主
義ではない相対主義」/まとめ
第2節 思考に対する概念の役割 81 はじめに/1.「参照の標準」としての概念/2.概念と選択的強調/3.概念の適用
の過程/まとめ
第3節 概念の成立と発展 89 はじめに/1.概念における諸意味の構成/2.概念の発生および発展と経験の構
成/3.概念の精緻化と知性的な思考の水準の向上/まとめ
第3章 示唆と反省 98
第1節 示唆と反省の連続的関係 100 はじめに/1.思考の本質/2.示唆の特質と反省の役割/3.示唆と知性的な思考
/4.知性的な思考に関する個人差/まとめ
第2節 状況の詳細な明確化と指導観念の確実化・現実化 112 はじめに/反省に必要な要素と思考による操作/2.推理と推論/3.牧野宇一郎
による研究とそれに対する検討/4.状況の使用さ異な明確化と観念の現実化・確 実化の相関的な同時進行/まとめ
第3節 示唆のタイプの分類 122 はじめに/1.示唆の三つのタイプ/2.Cタイプの示唆の分析/3.Bタイプの示
唆とCタイプの示唆の比較・検討/4.それぞれのタイプの共通性/まとめ
第4章 探究と思考 134
第1節 「反省的思惟の五つの側面あるいは局面」の意味 136 はじめに/1.デューイの探究についての捉え方/2.「反省的思惟の五つの側面あ
るいは局面」をめぐる論点/3.「反省的思惟の五つの側面あるいは局面」につい てのデューイの説明、およびそれに対する検討/4.『思考の方法』(1933 年改訂 版)におけるデューイの補足説明/まとめ
第2節 反省的経験あるいは探究に過程についてのデューイの分析の変化 153 はじめに/1.中期の著作におけるデューイの分析/2.後期の著作『論理学』(1938
年)における分析/3.反省的思惟に見られる特質的機能としての「五つの側面あ るいは局面」/4.実験主義から自然主義への把握の重点の移動/まとめ
第3節 思惟の反省のための五つの観点 167
はじめに/1.思考を「機能させる」方法という理解の問題点/2.思惟の展開過程 と反省するための観点/3.反省的に点検眼確認することの意義/まとめ
第 5 章 コミュニケーションと思考 176
第1節 教育についての自然主義的考察 180
はじめに/1.デューイの教育論についての伝統的な理解とその限界/2.「コミュ ニカティヴな教授学」における自然主義的アプローチ/3.デューイの教育論にお けるアプローチ/まとめ 第2節 コミュニケーションのシステム 189
はじめに/1.デューイの民主主義についての捉え方/2.協同的活動への「参加」 の意味/3.「取引行為」(transaction)としてのコミュニケーション/4.行為や 言語のシンボルとしての機能/まとめ 第3節 協同的探究におけるコミュニケーション 201
はじめに/1.教育の目標としての「成長する能力の増大」/2.独力での探究能力 とその協同に関する問題/3.協同的探究への参加資格/4.普遍的な規準の超越 的な設定の拒否/まとめ 第4節 教授学習活動と探究的コミュニケーション 212
はじめに/1.教授学習活動の典型的な事例/2.教授学習活動におけるコミュニ ケーションの分析/3.コーチングとしての教授学習活動/4.コーチングにおけ る教師の指導性/まとめ
結 論 226
1.本研究における各章の論点 226
2.合理的な思考に替わる知性的な思考 228
3.同時代における理解を阻んだ潜在的要因 230
4.デューイの経験主義哲学から引き出すことのできる現代的論点 233
5.総 括 241
引用および註 244
参考文献 282