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特殊シリカ系グラウトの目詰まり原因と浸透性向上方法

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Academic year: 2022

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(1)

特殊シリカ系グラウトの目詰まり原因と浸透性向上方法

清水建設  正会員  ○杉山  博一

1.

はじめに

 

特殊シリカ系グラウト 1) はナノサイズのコロイダルシリカ(以下、CS と記す)を主成分としたグラウト 材料であり、浸透性が良く、耐久性が高いため、微小な岩盤亀裂や、土丹(洪積粘性土層)中の介在砂層の ような細粒分の多い砂地盤の止水材料として期待されている。筆者らはこれまでに特殊シリカ系グラウト材 料の適用性を確認するための検討を行ってきた2) ,3) が、浸透性を評価する実験において

CS

の粒径よりも十 分大きな間隙内で目詰まりを起こす原因が未解明のままであった。そこで本報では、その原因と浸透性の改 善方法について検討したので、その結果を報告する。

2.

既往の実験結果の概要

 

表-1はこれまでの検討で共通して使用してきた特殊シリカ系グラウトの配合であり、

A

液(シリカ濃度

30%

CS)に B

液(無機塩をイオン交換水に溶解したもの)を少量ずつ添加、攪拌して作成するものである。

配合後約

120

分経過すると粘度が

20mPa・s

程度に達し、その時間をゲルタイムと設定している。

図-1は動的光散乱法による粒度分布測定器(測定レン

0.6nm~6 μ m)により特殊シリカ系グラウトの粒度分

布を測定した結果と、浸透実験 2),3) で用いた岩盤の亀裂 開口幅、あるいは模擬砂層地盤の間隙孔径を比較したも のである。特殊シリカ系グラウトの粒径は、

120

分後(ゲ ルタイム付近)のデータを除けば大部分は

1μm

以下であ る。しかし、岩盤亀裂を模擬した平行平板への浸透実験

2) では、

20 μ m

程度の亀裂に浸透させるとゲルタイム以前 に浸透が停止し、亀裂内部でゲル化した固形物が確認さ れた。また、土丹の介在砂層を模擬した地盤への浸透実 験3) でも、模擬地盤の間隙孔径は間隙体積の

95%以上が 1 μ m

以上の間隙であったが、目詰まりにより浸透性が低 下する現象が確認された。

3.

特殊シリカ系グラウトの目詰まり原因

 

10nm

オーダーの特殊シリカ系グラウトが

10 μ m

オー ダーの微小間隙で目詰まりする要因として、(a)CS 製品 の劣化による粒径増大、

(b)硬化促進剤に不純物が混入し

ている可能性、(c)グラウト配合時にできる部分的なゲル、

が考えられた。そこで表-2に示すものを対象に、より大 きな粒径が測定できるレーザー回折式の測定機により粒 度分布の測定を行った。図-3 に測定結果を示す。なお、

要因(a)については、CS 単体を浸透させた実験で目詰ま りが生じなかった3),あるいは図-4参照 ため、図-1に示したとお りの粒度分布になっているものとして今回の測定の対象 とはしなかった。

キーワード:特殊シリカ系グラウト、浸透、目詰まり

連絡先:〒135-8530  東京都江東区越中島

3-4-17 

清水建設(株)技術研究所 

TEL:03-3820-6978

表-1  特殊シリカ系グラウトの配合

A液 B液

合計 粘性 (mPa・s) CS

(Hi-30) 硬化 促進材

イオン 交換水 質量(g) 970.4 14.7 192.7 1177.8

2.0→20 体積(mL) 800.0 7.3 192.7 1000.0

図-1 特殊シリカ系グラウトの粒度分布と 亀裂開口幅2)、間隙孔径分布3)の比較

表-2  粒度分布の測定対象(○印)

粒度分布の 測定方式

(a)A (b)B液 (c)グラウト CS原液 B

(無処理)

A液+

B(無処理)

A液+

B(ろ過処理) 動的光散乱法 -1

参照-1

参照レーザー

回折式 ― ○ ○ ○ 0.0 4.7 9.4 14.0 18.7 23.4 28.1 32.7 37.4 42.1 46.8

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0.001 0.01 0.1 1 10 100

の間隙率(%)

体積(%)

グラウト粒径・間隙孔径(μm)

CS原液 3分後 30分後 60分後 90分後 120分後

模擬介在砂層地盤の 間隙孔径分布

23μm×、38μm△、50μm○

岩盤亀裂開口幅と浸透実験結果

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

‑645‑

Ⅵ‑323

(2)

図-3 から分かるとおり、まず

B

液<B(無処理)>から は溶液に溶け込んでいない物質の存在が確認できた。そ の

B

液を用いたグラウト<A+B(無処理)>にも

10 μ m

以 上のゲルの存在が確認できた。B液に含まれる物質の影 響を除去するため、あらかじめ

0.46 μ m

のフィルターで ろ過処理したものでグラウトを作成<A+B(ろ過処理)>

したところ、全体的に粒径が小さくなる方向にシフトし ているものの、依然として

10 μ m

以上のゲルが存在して いる。このことから、配合時に部分的にできたゲルが目 詰まりの原因であることが判明した。

なお、現在のところ、このようなワイドレンジの粒度 分布を一度に計測する手段がないため正確な粒度分布は 不明である。ただし、後述する

32 μ m

のメッシュでろ過 しても残留物はほとんどみあたらないことから、大部分 は動的光散乱法で得られた粒径が占めていると思われる。

4.

浸透性向上方法とその効果の確認

 

配合時にわずかに生じるゲルを注入前に取り除いてお けば、微小間隙への浸透性がさらに向上する可能性があ る。そこで、目開き

32 μ m

のメッシュでろ過処理を行っ たグラウトを浸透させる実験を行った。なお、グラウト をろ過処理しても粘度の上昇過程はこれまでの配合のも のと変わらず(図-4 参照)、また、数時間後にはゲル化 することも確認している。浸透実験装置の概要を図-3、

浸透実験の条件を表-3に示す。実験方法等の詳細につい

ては文献

3)を参照されたい。

図-4に浸透実験の結果を示す。地盤条件(密度、透水 係数)が異なるため一概に比較、評価しにくいが、少な くとも開始から

30

分間の浸透性が改善されていると思 われる。今後、さらに細かいメッシュを用いることによ って、さらなる浸透性の向上が期待できるものと思われ る。

5.

まとめ

 

特殊シリカ系グラウトが微小な間隙内で目詰まりする 現象を解明するため、粒度分布の再測定を行った。その 結果、配合時にわずかにゲル化し、それらが目詰まりを 生じさせている可能性が高いこと確認した。また、注入 前にそれらのゲルだけを取り除いておけば、グラウトの 浸透性がさらに改善されることを確認した。

参考文献:1)たとえば、米倉亮三他『恒久グラウト・本設注入工

  -薬液注入の耐久性と耐震補強の設計施工-』、山海堂、2007年、

2)川口昌尚ら:地層処分におけるグラウト技術の高度化開発(その2)グラウト材料の浸透特性に関する室内試験、土木学会 66回年次学術講演会、CS3-034、2011年、3)杉山博一ら:特殊シリカ系グラウトの低透水性地盤への浸透改良効果に関する 検討、第47回地盤工学研究発表会、2012年(投稿中)

図-2  レーザー回折式測定機による 粒度分布の測定結果

図-3  浸透実験装置の概要図

表-3  模擬砂層の条件とグラウト注入条件

試験名

地盤条件 グラウト条件 乾燥密度

ρd(g/cm3)

間隙率 n (%)

透水係数 k (m/s)

グラウト 種類

注入圧 p (kPa) G300-1 1.553 41.2 1.3×10-6

通常配合 G300-3 1.613 38.9 7.9×10-7 300

R300 1.561 40.9 1.2×10-6 CSのみ S300 1.554 41.2 6.1×10-7 ろ過処理

図-4  グラウト浸透実験の結果

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

0.001 0.01 0.1 1 10 100 1000

体積比(%)

グラウト粒径(μm)

A+B(無処理)(参考;動的光散乱法) B(無処理)

A+B(無処理) 配合直後 A+B(ろ過処理) 配合直後

動的光散乱法による測定機の 測定可能範囲;0.6nm~6μm

レーザー回折式測定機の 測定可能範囲;0.2~2000μm

0 2.5 5 7.5 10 12.5 15 17.5 20

0 5 10 15 20 25 30 35 40

0 30 60 90 120 150

の粘度(mPas)

グラ(cm)

経過時間(分)

G300-1 G300-3 R300 S300 粘度_S300

土木学会第67回年次学術講演会(平成24年9月)

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参照

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