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準天頂衛星の LEX 信号受信による低速移動時の RTK 測位実験

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). Ⅵ‑127. 準天頂衛星の LEX 信号受信による低速移動時の RTK 測位実験. 1.はじめに. 日本大学. 学生会員. ○棚橋. 知世. 日本大学. 正会員. 佐田. 達典. 日本大学. 正会員. 石坂. 哲宏. 日本大学. 学生会員. 池田. 隆博. 100m. B. A. 現在,衛星測位システムとしてアメリカの GPS,ロ シアの GLONASS が運用されており,わが国でも準天 頂衛星初号機「みちびき」が 2010 年9月に打ち上げら. 基準点. れた.. C. 本稿では,財団法人衛星測位利用推進センターが主 催する「準天頂衛星初号機を用いた民間利用実証実験」 に参加し実施した実験結果の一部について報告する.. 図-1 実験位置図. 本実験では,低速移動体を対象として LEX 信号を用い た高精度測位(以下 LEX)とローカル基準局を用いた RTK 測位(以下 RTK)との比較を行った. 2.準天頂衛星システムとは 準天頂衛星システムは,日本の天頂付近を通る軌道 を持つ衛星を複数基組み合わせた衛星測位システムで. 写真-1 実験状況(左:コース B 右:コース C). ある.既存の GPS 衛星と組み合わせることで,測位に. なお,本稿では実験データの解析についてはコース B. 必要な衛星数が増加し,観測できない山間部や都心部. と C(写真-1)のデータを使用し,これ以降,コース. の高層ビル街などにおいても測位できる場所や時間帯. B の1回目を「B-1」,2回目を「B-2」,コース C の1. の拡大が期待される.. 回目を「C-1」,2 回目を「C-2」と示す.. 3.LEX 信号の概要. 5.解析結果. 準天頂衛星で放送される衛星電波は,GPS と同様に. コース B における測位解の軌跡について「B-1」を図. L1,L2,L5 等の搬送波に加えて,測位補強信号である. -2, 「B-2」を図-3に示し,それぞれの Fix 解取得時. L1-SAIF、LEX から構成される. 1). .本実験で使用する. LEX 信号とは,電子基準点の観測データから作成され. の受信衛星数の割合を表-1,測位解の割合を表-2 に示す.. た補正情報であり,これを利用者が受信することでセ. 図-1よりコース B は西方向に遮蔽物が常にある状. ンチメートルオーダーの測位精度が可能となる.. 態であり,図-2および図-3より十字路付近などの. 4.実験概要. 天空が開けている場所では Fix しているが,それ以外の. 本実験では,図-1に示す日本大学理工学部船橋キ. 場所では RTK の場合 Fix していないことがわかる.し. ャンパス内に移動測位用のコースを3つ(A、B,C). かし,LEX に関しては西方向に遮蔽物がある状態でも. 設置し,2011 年1月 27 日 14:00~16:00 に実施した.. Fix 解が得られている.. 観測データの取得間隔を5Hz に設定して約4km/h の. また, 表-1より RTK では初期化に必要な衛星数(5. 速度で各コースを往路と復路でそれぞれ測位を2回行. 基以上)を満たしているが,LEX よりも Fix 率が小さ. った.RTK と LEX は,移動局の GPS アンテナケーブ. いことがわかる(表-2) .. ルを分岐させて同時に実施した. キーワード 準天頂衛星,LEX 信号,RTK 測位,移動観測 連絡先 〒274-8501 千葉県船橋市習志野台 7-24-1 日本大学理工学部社会交通工学科 空間情報研究室 TEL047-469-8147. ‑253‑.

(2) 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度). LEX. 往路. Float -30560. Fix. -30560 -30600. LEX. -30520 RTK. LEX. RTK. 20260 20220 20260 東西方向(m). 東西方向(m) 東西方向(m). LEX. LEX(B-1) 45.4% 30.4% 15.0% 9.2% 6.1. -30600. RTK(B-1) 63.6% 18.6% 10.0% 7.9% 6.4. 20220. LEX(B-2) 24.7% 30.5% 34.8% 9.9% 5.7. 20260. LEX(B-1) 57.2% 37.6% 5.3%. RTK(B-1) 22.3% 55.7% 22.0%. LEX(B-2) 80.9% 19.1% 0.0%. 20140. -30620. 復路. 南北方向(m). -30580. -30600 -30620 20140 20180 20220 20180 20220 20260 -30480 20220 -3058020260 東西方向(m) 東西方向(m) -30620 東西方向(m) 20140 20180. -30520. 東西方向(m). 20260. 20220 20260. 東西方向(m). 図-5 コース C における測位解の軌跡(C-2) 表-3. RTK(B-2) 48.0% 20.5% 27.6% 3.9% 6.1. Fix 解取得時の受信衛星数の割合 (コース C) -30560. 受信衛星数(基) 7基 6基 5基 4基 平均衛星数(基). 表-2 コース B における測位解の割合 東西方向(m) Fix解 Float解 受信不可. -30580. -30620. RTK. Fix 解取得時の受信衛星数の割合(コース B) -30560. 受信衛星数(基) 7基 6基 5基 4基 平均衛星数(基). -30580. 20140 20180 20220 20260. 図-3 コース B における測位解の軌跡(B-2) 表-1. Fix. 往路. -30600 20220. 東西方向(m). -30560 Float. -30520 -30600 -3048020220 -3056020260. 20220 20260 20220 20260 東西方向(m) 東西方向(m). 20140 20180 20220 20260. 東西方向(m). 復路. 南北方向(m). -30520. -30620. -30520. 20140 20180 20220 20260. 図-4 コース C における測位解の軌跡(C-1). -30480. 南北方向(m). 南北方向(m). -30480. -30620. RTK. 図-2 コース B における測位解の軌跡(B-1) L. 20140 20180 20220 20260 -30580 東西方向(m). 南北方向(m). -30520 RTK. -30480. -30620. 20140 20180 20220 20260. 東西方向(m). 復路. -30580. 南北方向(m). RTK. 20220 20260 20220 20260 東西方向(m) 東西方向(m). 南北方向(m). -30600. 20220 20260 20220 20260 東西方向(m) 東西方向(m). LEX. -30580. 南北方向(m). -30600. -30480. -30620. -30560. 南北方向(m). -30560. LEX. -30520. -30580. 南北方向(m). 南北方向(m). -30520. Fix. 往路. -30480. 南北方向(m). 南北方向(m). -30480. Float. 復路. 南北方向(m). Fix. 南北方向(m). Float. 往路. 南北方向(m). Ⅵ‑127. LEX(C-1) 88.8% 11.2% 0.0% 0.0% 6.9. -30600. RTK(C-1) 75.6% 24.4% 0.0% 0.0% 6.8. 20220. LEX(C-2) 64.7% 35.3% 0.0% 0.0% 6.6. 20260. RTK(C-1) 82.6% 17.4% 0.0% 0.0% 6.8. 表-4 コース C における測位解の割合 東西方向(m). RTK(B-2) 15.7% 69.0% 15.3%. Fix解 Float解 受信不可. LEX(C-1) 11.4% 23.6% 64.9%. RTK(C-1) 14.0% 86.0% 0.0%. LEX(C-2) 6.2% 30.5% 63.3%. RTK(C-1) 12.5% 87.5% 0.0%. 次に,コース C における測位解の軌跡について「C-1」. 表-5. を図-4, 「C-2」を図-5に示し,それぞれの Fix 解取. コース. 南北方向(m). 東西方向(m). 鉛直方向(m). 得時の受信衛星数の割合を表-3,測位解の割合を表. B-1. 0.003. 0.011. 0.065. -4に示す.. B-2. 0.006. 0.018. 0.058. コース C では,図-4および図-5より LEX と RTK. LEX と RTK における Fix 解の較差平均. 6.まとめ. の双方において Fix 率は低いことが分かる.また,表-. 本実験では,低速移動時の既存の RTK 測位と,LEX. 3より初期化に必要な衛星数を満たしているにも関わ. 信号を用いた高精度測位との比較を行った.その結果,. らず,Fix 解が得られていないことが分かる(表-4) .. RTK では Fix 解が得られない場所でも LEX では Fix 解. LEX と RTK における Fix 解の較差を調べるため,コ. が得られたこと,Fix 解の較差は水平方向では 20mm 以. ース B より同時間帯で得られた LEX と RTK の Fix 解の. 内と RTK と同等の精度が得られることがわかった.. 較差平均を表-5に示す.なお,コース C では LEX と. 今後は,走行計測時の「みちびき」の可視性を周辺. RTK について同時間帯で Fix 解が取得できなかったた. 遮蔽物との関係から明らかにし,LEX 信号受信と測位. め解析対象から省いた.方向別に Fix 解の較差を求めて. に与える影響について検討する予定である.. 比較を行うと,南北方向,東西方向では「B-1」「B-2」. 参考文献. ともに較差は 20mm 以内におさまる結果が得られた.. 1) 高須知二,海老沼拓史,安田明生, 小暮聡,宮野智行: 「QNSS. 一方,鉛直方向については,南北方向,東西方向と比. LEX 信号の概要,評価と拡張」,http://gpspp.sakura.ne.jp/paper. 較する較差は大きくなる結果が得られた.. 2005/gpssymp_2009_revA.pdf. ‑254‑.

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