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目 次 1. 本事業の目的と概要 背景及び事業の目的 本事業の実施内容 本事業の実施方法 事業内容の詳細 なでしこ銘柄 選定基準検討委員会の設置 運営 委員名簿

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(1)

企業における女性活躍推進支援の

あり方に関する実態調査

報告書

平成29年3月

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目 次

1.

本事業の目的と概要

... 1

1.1. 背景及び事業の目的 ... 1 1.2. 本事業の実施内容 ... 1 1.3. 本事業の実施方法 ... 2

2.

事業内容の詳細

... 3

2.1. 「なでしこ銘柄」選定基準検討委員会の設置・運営 ... 3 2.1.1 委員名簿 ... 3 2.1.2 選定基準検討委員会開催概要 ... 5 2.1.3 業種区分・選定枠数 ... 5 2.1.4 実施手順 ... 7 2.1.5 スコアリング基準 ... 8 2.1.6 「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」の内容 ... 9 2.1.7 「準なでしこ」・「注目企業」 ... 12 2.1.8 説明会における公表 ... 13 2.2 「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」の実施 ... 14 2.2.1 調査の実施概要 ... 14 2.2.2 調査結果 ... 15 2.3. データ整理・選定候補の抽出・選定 ... 19 2.3.1 データ整理 ... 19 2.3.2 選定候補の抽出・選定 ... 29 2.4. 企業へのフィードバック ... 24 2.4.1 フィードバック雛形 ... 24 2.5. データ分析の実施 ... 25 2.5.1 「なでしこ銘柄」の特性分析 ... 25 2.5.2 「仮想なでしこ銘柄」の企業パフォーマンス ... 27 2.5.3 女性活躍推進と企業パフォーマンス ... 31 2.5.4 まとめ ... 34 2.6 「なでしこ銘柄」レポートの作成 ... 35 2.6.1 レポート概要 ... 35 2.7 次年度以降の選定に関する検討 ... 36 <参考資料> 参考資料A: 平成 28 年度 「なでしこ銘柄」 レポート 参考資料B:「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査 調査票 参考資料C:「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査 クロス集計結果

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1. 本事業の目的と概要

1.1. 背景及び事業の目的 女性活躍推進は、安倍政権においても「成長戦略の中核」と位置づけられているが、我 が国の管理職に占める女性比率は、11%と世界でも最低水準である。 こうした現状を踏まえ、女性活躍推進に向けた各社の取組を後押しし、そうした動きを 加速化させることが必要である。 そのため今回の調査では、企業における女性の活躍推進状況及びその情報開示の状況を 調査し、それらについて優れた企業を「なでしこ銘柄」として選定・発表することを通じ て、その経営戦略上の意義に対する認識を広く経営者層に浸透させるとともに、女性活躍 推進へのインセティブを強化し、積極的に取り組む企業の裾野を広げることを目的とする。 1.2. 本事業の実施内容 本事業の実施内容は以下の通りである。 (1) 東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQ 上場企業の中から、業種ごとに女性が働 き続けるための環境整備を含め、女性のキャリア促進に積極的に取り組んでいる企 業を選定・発表する。 (2) 女性活躍推進状況についてスコアリング基準を設定し、説明会等で今年度の事業方 針やスコアリングの枠組をあらかじめ公表するための支援を行う。 (3) 「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査を実施するとともに、(2)のスコア リング基準に従ってスコアリングを行う。 (4) 銘柄へ選定されることのインセンティブを高めるため、発表イベントを行うととも に、調査回答企業へのフィードバック資料の作成・伝達を行う。 (5) 企業の女性活躍推進にむけて、次年度以降の方針を検討し、取りまとめる。

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1.3. 本事業の実施方法 本事業は以下の10 点について実施した。 (1) 選定基準検討委員会の設置・運営 (2) 説明会の実施 (3) 各社の女性活躍度調査の実施 (4) 企業開示情報の調査の実施 (5) データ整理・選定候補の抽出 (6) 企業へのフィードバック (7) レポートの作成 (8) 「なでしこ銘柄」発表イベントの実施 (9) 広報 (10) 次年度以降の選定に関する検討

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2. 事業内容の詳細

2.1. 「なでしこ銘柄」選定基準検討委員会の設置・運営 「なでしこ銘柄」選定基準およびアンケート内容について議論・決定するために、有識 者等を委員とする「なでしこ銘柄」選定基準検討委員会(以下、選定基準検討委員会)を 設置・運営した。 2.1.1 委員名簿 選定基準検討委員会委員については、下記8 名に依頼し、任命した。所属等は平成 28 年 9 月 20 日時点のものである。 図表1 「なでしこ銘柄」選定基準検討委員会名簿(○:座長) 氏名 所属 井口 譲二 ニッセイアセットマネジメント株式会社 株式運用部担当部長 チーフ・コーポレート・ガバナンス・オフィサー 稲葉 章代 三井住友信託銀行株式会社 証券代行コンサルティング部 IR・SR チーム 主任調査役 ○北川 哲雄 青山学院大学大学院 教授 佐藤 博樹 中央大学大学院 戦略経営研究科(ビジネススクール) 教授 渋澤 健 コモンズ投信株式会社 取締役会長 高山 与志子 ジェイ・ユーラス・アイアール株式会社 マネージング・ディレクター、取締役 野村 浩子 淑徳大学 人文学部表現学科 学科長、教授 キャシー・松井 ゴールドマン・サックス証券株式会社 副会長、 マネージング・ディレクター、チーフ日本株ストラテジスト オブザーバー 株式会社東京証券取引所 (株式会社日本取引所グループ) 金融リテラシーサポート部 森元 憲介、冨髙 英弥 事務局 経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室 室長 藤澤 秀昭 室長補佐 坂井 萌 係長(男女共同参画・子育て担当) 関 万里 RIETI 調整二係長 島田 真知子 係長 眞家 恵美

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氏名 所属 事務局 みずほ情報総研株式会社 環境エネルギー第2 部 村上 智美 佐々木 奈月 氣仙 佳奈 みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社 投資技術開発部 伊藤 敬介 齋藤 哲朗 日尾 泰子 平成28 年 9 月 20 日時点

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2.1.2 選定基準検討委員会開催概要 選定基準検討委員会は、下記のとおり実施した。 図表2 選定基準検討委員会開催概要 日時・場所 審議・報告事項 平成28 年 9 月 20 日 (於:経済産業省) ・業種区分・選定枠の方針 ・選定手順とスクリーニング ・スコアリング基準 ・昨年度の「プレなでしこ銘柄」に関する今年度の方向性 ・裾野拡大に向けた新たな取組 ・女性活躍の経営効果に関する分析について 2.1.3 業種区分・選定枠数 「なでしこ銘柄」は、平成24~26 年度まで、東証一部上場会社を対象に選定を行ってき た。その後、女性活躍に取り組む企業の裾野が広がってきたことを受け、平成27 年度より、 東証一部だけでなく、東証二部、マザーズ、JASDAQ の上場会社も選定対象としている。 より広い母集団から銘柄選定を行うことで、企業の取組を後押しすることを意図している。 平成26 年度までは、選定を 33 業種区分ごとに行っていたが、業種別の企業数にばらつ きが大きいことから、企業数が 20 社を下回る業種については類似業種と合わせ、平成 27 年度より計28 業種で選定を行うことに変更した。 選定枠数については、各業種からそれぞれ 1~2 社(企業数が相対的に多い業種は 2 社 まで)選定することを基本としつつ、さらに各業種選定枠の次点の中で、一定程度の水準 の企業を+αとして選定する、昨年度の考え方を継続することとした。結果として、「なで しこ銘柄」選定企業数は、平成27 年度 45 社に対し、平成 28 年度は 47 社となった。 図表3 業種区分・選定枠数 平成28 年度 対象市場 ・東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQ:約 3,500 社 業種区分 ・28 業種 選定枠 ・各業種から1~2 社(企業数が相対的に多い業種は2 社) ・上記に加え、業種内で高スコア企業を+αとして一定程度選定

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図表4 業種区分比較 28 業種 全上場 3,505 水産・農林業、食料品 137 鉱業、石油・石炭製品 20 建設業 166 金属製品 85 ガラス・土石製品 56 繊維製品 53 パルプ・紙 24 化学 209 医薬品 65 ゴム製品、輸送用機器 115 鉄鋼 45 非鉄金属 34 機械 229 電気機器 258 精密機器 50 その他製品 107 情報・通信業 383 サービス業 390 電気・ガス 23 陸運業 58 海運業、空運業 19 倉庫・運輸関連業 36 商社・卸売 320 小売 339 銀行 86 証券、商品先物取引業 42 保険業、その他金融業 41 不動産 115 (注)企業数等は、平成28 年 9 月末時点のデータをもとにしている。

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2.1.4 実施手順 選定基準検討委員会で決定された実施手順を図表5 に示す。「なでしこ銘柄」は投資家向 けの情報提供という側面もあることから、昨年同様、女性活躍に関するスクリーニングに 加え、財務指標によるスクリーニングを実施することとした。ただし、その基準について は変更を行った。スクリーニングの実施基準における変更点について図表6 に示す。 図表5 「なでしこ銘柄」選定の主な流れ 図表6 スクリーニングの実施基準における変更点 平成27 年度の スクリーニング基準 平成28 年度の スクリーニング基準 1 次スクリーニング 女性のキャリア促進に 関する実績のうち、 女性管理職比率を開示 ①行動計画を策定 ②厚生労働省「女性の活躍推 進企業データベース」に 「女性管理職比率」を開示 2 次スクリーニング 企業の公開情報をもとに スコアリング基準に従って 評価 女性活躍度調査回答企業に ついてスコアリングを 実施し、その結果を評価 財務指標による スクリーニング ROE の直近 3 年間平均が 8%以上、 あるいは業種平均以上 ROE の直近 3 年間平均が 8%以上、 あるいは各業種中央値以上

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2.1.5 スコアリング基準 選定基準検討委員会において決定された女性活躍に関するスコアリングの枠組みは、以 下のとおり、「女性のキャリア促進」と「仕事と家庭の両立サポート」の 2 つの視点から、 「マネジメント」と「パフォーマンス」の2 つの側面を評価対象としている。 女性活躍推進を企業の成長力につなげるためには、経営戦略への位置づけを含む「経営 層のコミットメント」が特に重要であることから、平成 27 年度に引き続き、「トップのコ ミットメント」や「経営方針における位置づけ」をスコアリング対象とした。さらに投資 家への情報開示を促す観点から、統合報告書やアニュアルレポートでの記載をより一層評 価している。これにより、「女性活躍推進」を経営の問題として認識し、トップダウンで取 り組みを推進している企業を高く評価することに取り組んでいる。 また、今年度からは「女性の活躍推進企業データベース」と整合させるため、「実労働時 間に関するデータの有無」についての設問に代わり、「一ヶ月あたりの平均残業時間」に関 する設問を設定した。 図表7 スコアリングの枠組み

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2.1.6 「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」の内容 選定基準検討委員会で決定された調査項目は以下の通りである。なお、実施したWEB 調 査内容については、参考資料B 「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査調査票を参 照されたい。 図表8 「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査 設問項目 (抜粋) 1 経営戦略における位置づけ 1-1 トップのコミットメント 1-1-1 貴社のトップは女性のキャリア登用への積極的な推進についてのコミットメントを貴社のステークホルダー 向け対外発信媒体で公開していますか 1-2 経営方針における位置づけ 1-2-1 経営ビジョン・経営方針に、女性活躍推進に関する内容を含めていますか 1-2-2 中期経営計画に、女性活躍推進に関する内容を含めていますか 2 女性活躍推進に係る方針・目標 2-1 女性活躍推進に係る方針 2-1-1 女性など多様な人材活躍促進に向けた方針の有無 2-2 仕事と家庭の両立に係る方針 2-2-1 ワーク・ライフ・バランス促進に向けた方針の有無 2-3 女性活躍推進に係る数値目標 2-3-1 女性のキャリア促進に向けた数値目標の有無 女性管理職比率 目標年度 目標数値 その他の目標内容 目標年度 目標数値 2-4 仕事と家庭の両立に係る数値目標 2-4-1 ワーク・ライフ・バランス促進に向けた数値目標の有無 目標内容 目標年度 目標数値 その他の目標内容 目標年度 目標数値 3 推進体制 3-1 推進体制 3-1-1 女性活躍推進のための組織体制の有無 独立した組織の名称・機能 横断組織の名称・機能 4 取組内容 4-1 女性活躍推進に係る取組 4-1-1 女性社員を対象としたキャリア研修の有無 4-1-2 女性社員のためのメンタ―制度や幹部との交流機会の設定の有無 4-1-3 その他、女性社員向けのキャリア促進に関する取組 4-1-4 管理職向けの意識啓発の研修の有無 4-1-5 役員・部長クラスの評価(昇進基準や報酬など)に、女性社員のキャリア促進のための取組度合い等が 反映される仕組みの有無 4-1-6 その他、女性社員のキャリア促進を目的とした管理職向けの取組 4-2 仕事と家庭の両立サポート 4-2-1 全従業員向けの柔軟な勤務場所を認める制度の有無 4-2-2 全従業員向けの柔軟な勤務時間を認める制度の有無 4-2-3 長時間労働の改善のための具体的取組の有無 ※育児・介護事由のみを対象とする制度は含めず、全従業員向けの取組について記載 4-2-4 ワーク・ライフ・バランス促進に向けた社内意識啓発の有無 ※育児・介護事由のみを対象とする制度は含めず、全従業員向けの取組について記載

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5 実績 5-1 (女性のキャリア促進に係る実績)女性管理職比率およびその伸び 5-1-1 全管理職数(国内) 女性管理職数(国内) ※「管理職」:基本的に課長ないし課長相当職以上のもの 5-1-2 部長職以上の管理職数(国内) 女性管理職数(国内) 5-1-3 その他の職種・職位階層別の女性管理職比率(国内) 5-1-4 5-1-1、5-1-2、5-1-3 の国内数値の集計範囲 5-1-5 全管理職数(海外含むグループ全体) 女性管理職数(海外含むグループ全体) 5-1-6 貴社において管理職として集計している職位・役職のうち、最も下位の職位・役職の名称 5-1-7 国内における年間の新規管理職登用人数 上記のうち女性の人数 5-1-8 2013 年度の全管理職数(国内)、女性管理職数(国内) 2015 年度の全管理職数(国内)、女性管理職数(国内) 5-2 (女性のキャリア促進に係る実績)女性役員比率 5-2-1 全取締役数(社外取締役も含む) 女性取締役数(社外取締役も含む) 5-2-2 全取締役数(社内) 女性取締役数(社内) 5-2-3 全監査役数 女性監査役数 5-2-4 全執行役員数 女性執行役員数 5-3 仕事と家庭の両立に係る実績 5-3-1 男性育児休業取得率(国内) (男性育児休業取得率=男性取得者数/男性取得対象者数×100) 5-3-2 有給休暇取得率 平均有給取得日数 5-3-3 柔軟な勤務制度<場所>、<時間>の活用率 (4-2 における回答に関連して、柔軟な勤務場所や勤務時間を選べる制度の活用率に関するデータがあ れば、それを記入) 5-3-4 平均勤続年数(男性/女性、国内) 5-3-5 一ヵ月あたりの平均残業時間 (国内) 5-4 雇用状況 5-4-1 2013 年度の全従業員数(国内)、女性雇用人数(国内) 2015 年度の全従業員数(国内)、女性雇用人数(国内) 5-4-2 2013 年度の新規採用人数(国内)、新規採用の女性の人数(国内) 2015 年度の新規採用人数(国内)、新規採用の女性の人数(国内) 6 競争力への影響 6-1 競争力への影響 6-1-1 女性活躍推進は貴社の競争力に対し、どのような影響を与えると考えるか(貴社の考えに近いものの番 号を最大 2 つまで選択) 7 今後の取組について 7-1 足もとの課題 7-1-1 女性のキャリア登用を進めるにあたって、一番切実な課題は何か(貴社の考えに近いものの番号を最大 2 つまで選択) 7-2 課題解決の取組 7-2-1 上記課題を解決するために、実施している取組があれば、記入 7-3 政府への要望 7-3-1 女性のキャリア登用をさらに進めるために、政府への要望があれば記入

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8 本事業について 8-1 本事業についての意見 8-1-1 本事業について、コメントがあれば記入 9 女性の活躍推進に向けた戦略的な取組事例について 9-1 女性の活躍推進に向けた戦略的な取組事例について 9-1-1 平成 29 年 3 月 23 日の「なでしこ銘柄」発表時にリリースされる冊子「平成 28 年度『なでしこ銘柄』」におい て女性の活躍推進に戦略的に取り組むベストプラクティスの共有を図る観点から、「注目企業」として特集 を組むことを予定しております。この特集において、自社の取組の掲載を希望される場合、貴社の取組事 例についてご紹介ください。

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2.1.7 「準なでしこ」・「注目企業」 選定基準検討委員会では、「なでしこ銘柄」選定基準およびアンケート内容について議論 し、その中で昨年度の「プレなでしこ銘柄1」の扱いも含めて今年度の方向性について審議 を行った。検討の結果、とりわけ企業の成長性を期待する観点から、より女性の活躍推進 状況を重視した「なでしこ銘柄」に準ずる企業として「準なでしこ」を選定することとし た(「準なでしこ」の選定結果はp.20-23 参照)。「準なでしこ」では、業種ごとに「なでし こ銘柄」を除いたスコアリングの高い企業を選定しており、スクリーニング基準における 財務指標要件(ROE 直近 3 年間平均が 8%以上、あるいは業種中央値以上)を問わないこ ととしている(ただし、赤字企業は除く)。 また、なでしこ銘柄の更なる裾野拡大及び、女性の活躍推進に戦略的に取り組むベスト プラクティスの共有を図る観点から、女性の活躍推進に向けた企業の具体的取組を「注目 企業」として紹介することとした。「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査に「注目 企業」選考のための「自由記述欄」を用意し、取組事例についてご回答頂いた企業の中か ら、特徴的な取組を選び、「なでしこ銘柄」レポートで掲載した(平成28 年度「なでしこ 銘柄」レポートp.92-93 参照)。「注目企業」の選定結果については、以下の通りである。 図表9 注目企業 【(1)女性リーダーの育成強化】 業種 企業名 建設業 積水ハウス㈱ その他製品 トッパン・フォームズ㈱ 電気機器 富士通㈱ 【(2)男性から変える働き方】 業種 企業名 電気機器 富士電機㈱ ガラス・土石製品 TOTO㈱ サービス業 ㈱リクルートホールディングス 【(3)子育て支援:企業内保育所の取組】 業種 企業名 情報・通信業 ㈱野村総合研究所 化学 ㈱資生堂 1「プレなでしこ銘柄」とは、新規登用管理職に占める女性比率が30%を上回っている企業のうち、社名の公表について 同意のあった企業であり、昨年度、新たな取組として実施したものである。

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2.1.8 説明会における公表 選定基準検討委員会における決定事項については、経済産業省および東京証券取引所 主催の「平成28 年度『なでしこ銘柄』の選定方法に関する説明会」において公表を行った。 昨年度は、企業における女性活躍推進に係る情報の開示状況が必ずしも十分ではないと いう課題があった。「なでしこ銘柄」の選定において、開示情報に基づきスクリーニング・ スコアリングを行っていることを企業に十分周知を図り、企業の情報開示の一層の促進と 充実を図るために、今年度の説明会では、女性活躍度調査の回答方法について説明を実施 した。 図表10 「平成 28 年度『なでしこ銘柄』の選定方法に関する説明会」開催概要 日時・場所 主な参加対象 平成28 年 10 月 19 日 13:00~14:15 (於:東京証券取引所) 東証一部、東証二部、 マザーズ、JASDAQ 上場企業 説明会プログラム 13:00~ 開催挨拶 株式会社東京証券取引所 執行役員(金融リテラシーサポート担当) 田端 厚 13:05~ 基調講演 「女性活躍推進と企業の価値創造」 コモンズ投信株式会社 取締役会長 渋澤 健 13:35~ 平成 28 年度「なでしこ銘柄」について 経済産業省 経済産業政策局 経済社会政策室長 藤澤 秀昭 13:50~ 女性活躍度調査について 事務局:みずほ情報総研株式会社 環境エネルギー第 2 部 環境ビジネス戦略チーム コンサルタント 佐々木 奈月 14:10~ 質疑応答

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2.2. 「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」の実施 2.2.1 調査の実施概要 2.1.6 に記載した調査項目に基づき、「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」を 実施した。平成28 年 9 月末時点における東証一部、東証二部、マザーズ、JASDAQ 全上 場会社3,505 社を対象とし、うち 489 社より回答を得た。 図表11 対象企業数、調査回答企業数 対象企業数 調査回答企業数 3,505 社 (平成28 年 9 月末時点における東証一部、 東証二部、マザーズ、JASDAQ 全上場会社) 489 社 (回答率14.0%) 図表12 市場区分毎の回答率 市場区分 発送企業数 回答企業数 回答率 東証一部 1,973 社 400 社 20.3% 東証二部 538 社 32 社 5.9% マザーズ 231 社 17 社 7.4% JASDAQ 763 社 40 社 5.2% 総計 3,505 社 489 社 14.0%

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2.2.2 調査結果 各調査項目の結果を導出するにあたり、製造業・非製造業・金融業という 3 つの業種区 分に分けて集計を行った。当該業種区分については、以下のとおり定義している。 図表13 業種区分 業種区分 なでしこ 28 業種 有効回答企業数 製造業 (15 業種) 「水産・農林業、食料品」、「鉱業、石油・石炭製品」、 「金属製品」、「ガラス・土石製品」、「繊維製品」、「パル プ・紙」、「化学」、「医薬品」、「ゴム製品、輸送用機器」、 「鉄鋼」、「非鉄金属」、「機械」、「電気機器」、「精密機器」 又は「その他製品」のいずれかに該当する企業 192 非製造業 (10 業種) 「建設業」、「電気・ガス業」、「陸運業」、「海運業、空運 業」、「倉庫・運輸関連業」、「情報・通信業」、「卸売業」、 「小売業」、「不動産業」又は「サービス業」のいずれか に該当する企業 217 金融業 (3 業種) 「銀行業」、「証券、商品先物取引業」、「保険業、その他 金融業」のいずれかに該当する企業 54 (注1)「水産・農林業」及び「鉱業」については、非製造業と分類されることもあるが、平成 27 年度に行ったなでし こ銘柄選定の業種区分の再編により、ここでは製造業に分類している。 (注2)調査回答企業のうち、調査の回答にあたって、回答を統計対象とすることに同意した企業のみを有効回答企業 としている。

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調査結果のうち、スコアリング対象外の項目の主な結果は以下のとおりである。 ①競争力に与える影響 女性活躍推進が「(企業の)競争力に与える影響」について、企業側の認識を調査した。 調査にあたり、「企業経営における女性活躍推進の4 つの意義」および「競争力に与える 影響」に関して、次のとおり整理した。 図表14 競争力に影響を与える要因 企業経営における 女性活躍推進の4 つの意義 競争力に与える影響 多様な市場ニーズへの対応 ・プロダクト・イノベーション上の影響 (顧客ニーズ等の適切な把握、製品・サービス開発・ 改良に対するイノベーション効果) ・プロセス・イノベーション上の影響 (生産性・創造性にかかる効果、業務効率化等) ・顧客・消費者等の評価への影響 リスク管理能力や変化に対する 適応力の向上 ・取締役会のガバナンス機能の改善に係る影響 資本市場における評価の獲得、 長期・安定的な資金調達 ・投資家等からの評価に係る影響、資金調達に係る 影響 労働市場における評価の獲得、 優秀な人材の確保・維持 ・採用活動上の影響 ・従業員のモチベーション・満足度、離職防止等に 係る影響 回答企業に、「競争力に与える影響」として、2 つまで回答してもらったところ、「従業員 のモチベーション・満足度、離職防止等に係る影響」(43%)、「プロセス・イノベーション 上の影響(生産性・創造性にかかる効果、業務効率化等)」(42%)、「プロダクト・イノベー ション上の影響(顧客ニーズ等の適切な把握、製品・サービス開発・改良に対するイノベ ーション効果)」(41%)と回答した企業が多かった。この結果から、企業は、女性活躍推進 が「イノベーション」や「従業員のモチベーション」に影響を与えうるとの考えをベース に取組を進めているといえる。 また、「採用活動上の影響」を選んだ企業も昨年度とほぼ変わらず、29%となった。「従 業員のモチベーション」と合わせて、労働市場における評価の獲得や優秀な人材の確保・ 維持に女性活躍推進が一定の影響を与えうると認識されていることが読み取れる。 また、「投資家からの評価・資金調達」、「取締役会等のガバナンス機能改善」と回答した 企業も見られる。昨今、日本におけるESG 投資に関する議論が活発化してきている状況で あり、今後の変化が注目される。

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図表15 競争力に影響を与える要因(2 つまで選択回答) 40.6% 50.0% 5.7% 30.7% 6.3% 1.0% 44.3% 1.6% 41.0% 33.2% 6.9% 30.9% 2.3% 0.9% 38.7% 4.6% 46.3% 53.7% 3.7% 22.2% 3.7% 5.6% 59.3% 0.0% 41.5% 42.5% 6.0% 29.8% 4.1% 1.5% 43.4% 2.8% プロダクト・イノベーション プロセス・イノベーション 顧客・消費者等の評価 採用活動 投資家等からの評価・資金調達 取締役会のガバナンス機能改善 従業員のモチベーション等 その他 N=463 製造業 非製造業 金融業 全業種

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②足元の課題 女性活躍推進に向けた「足元の課題」に関する企業側の認識についても調査を実施した。 その結果、「女性管理職候補者の不足」(44%)、「女性のキャリア意識の不足」(35%)、「男 性管理職による理解不足」(29%)を課題として挙げた企業が多く、「経営トップ等による理 解不足」(3%)を挙げた企業はごくわずかであった。 長時間労働を課題として挙げた企業は昨年度に比べて若干減少傾向にあり、特に製造業 で顕著に減少している(28.6%→19.8%)。また、「女性管理職候補者の不足」については、 製造業で課題認識が増加(44.6%→51.0%)しているが、非製造業では減少している(46.9% →37.3%)。 図表16 足元の課題(2 つまで選択回答) 2.6% 37.0% 31.3% 51.0% 19.8% 9.9% 7.3% 12.0% 3.7% 23.5% 37.3% 37.3% 21.2% 12.4% 4.1% 10.6% 1.9% 27.8% 46.3% 48.1% 25.9% 13.0% 3.7% 11.1% 3.0% 29.6% 35.9% 44.3% 21.2% 11.4% 5.4% 11.2% 経営トップ等による理解不足 男性管理職による理解不足 女性のキャリア意識の不足 女性管理職候補者の不足 長時間労働 柔軟な勤務場所・時間を認める制度不足 人事評価に関する制度等の見直し その他 N=463 製造業 非製造業 金融業 全業種

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2.3. データ整理・選定候補の抽出・選定 2.3.1 データ整理 今年度からは「なでしこ銘柄」選定におけるスクリーニングの基準を変更した。平成28 年 4 月の女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、「女性活躍推進法」)の 施行を受け、行動計画を策定していること(従業員数300 人以下の企業を除く)、厚生労働 省の「女性の活躍推進企業データベース」に「女性管理職比率」を開示していることを一 次スクリーニングの基準としている。これらの基準を通過した企業について、女性活躍度 調査のスコアリング結果や、財務指標(ROE)によるスクリーニング等を実施し 28 業種ご とに「なでしこ銘柄」を選定している。各業種からそれぞれ1~2 社(企業数が相対的に多 い業種は2 社まで)選定することを基本としたが、平成 27 年度より、さらに各業種選定枠 の次点の中で、一定程度の水準の企業を、+α として選定することとした。 スコアリングにあたっては、透明性を高める観点から、投資の実務家や人材活用に関す る専門家からなる「『なでしこ銘柄』選定基準検討委員会」を設置し、具体的な評価基準等 について検討を行った上で決定している。 2.3.2 選定候補の抽出・選定 上記の手順に従い、選定候補を抽出した。ただし、重大な法令違反等がある場合には選 定しないこととした。 この結果、次の47 社を平成 28 年度「なでしこ銘柄」、25 社を「準なでしこ」として選 定した。

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図表17 平成 28 年度 「なでしこ銘柄・準なでしこ」選定企業一覧 (なでしこ銘柄については証券コード順) 証券 コード 企業名 市場区分 業種 なでしこ銘柄 準なでしこ H24 H25 H26 H27 H28 H28 2229 カルビー株式会社 東証一部 水産・農林 業、食料品 ● ● ● ● 2502 アサヒグループホ ー ル デ ィ ン グ ス 株式会社 東証一部 水産・農林 業、食料品 ● ● ● 2503 キリンホールディ ングス株式会社 東証一部 水産・農林 業、食料品 ● 1662 石油資源開発 株式会社 東証一部 鉱業、石 油・石炭製 品 ● ● 1803 清水建設株式会社 東証一部 建設業 ● 1925 大和ハウス工業 株式会社 東証一部 建設業 ● ● ● 1928 積水ハウス 株式会社 東証一部 建設業 ● ● ● ● 1911 住友林業株式会社 東証一部 建設業 ● ● 3591 株式会社ワコール ホールディングス 東証一部 繊維製品 ● ● 3401 帝人株式会社 東証一部 繊維製品 ● 3880 大王製紙株式会社 東証一部 パ ル プ ・ 紙 ● ● 3941 レンゴー株式会社 東証一部 パ ル プ ・ 紙 ● 4185 JSR 株式会社 東証一部 化学 ● ● 4204 積水化学工業 株式会社 東証一部 化学 ● 4217 日立化成株式会社 東証一部 化学 ● 4926 株式会社シーボン 東証一部 化学 ● 4519 中外製薬株式会社 東証一部 医薬品 ● ● ● 4151 協和発酵キリン 株式会社 東証一部 医薬品 ● 5332 TOTO 株式会社 東証一部 ガラス・ 土石製品 ● ● ●

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証券 コード 企業名 市場区分 業種 なでしこ銘柄 準なでしこ H24 H25 H26 H27 H28 H28 5334 日本特殊陶業 株式会社 東証一部 ガラス・ 土石製品 ● 5411 ジ ェ イ エ フ イ ー ホ ー ル デ ィ ン グス株式会社 東証一部 鉄鋼 ● ● ● 5406 株式会社 神戸製鋼所 東証一部 鉄鋼 ● ● 5802 住友電気工業 株式会社 東証一部 非鉄金属 ● 5713 住友金属鉱山 株式会社 東証一部 非鉄金属 ● ● ● ● 5938 株式会社 LIXIL グループ 東証一部 金属製品 ● ● ● 6301 株式会社 小松製作所 東証一部 機械 ● ● ● 6326 株式会社クボタ 東証一部 機械 ● 6367 ダイキン工業 株式会社 東証一部 機械 ● ● ● ● 7013 株式会社IHI 東証一部 機械 ● ● ● 6501 株式会社 日立製作所 東証一部 電気機器 ● ● ● ● 6504 富士電機株式会社 東証一部 電気機器 ● ● 6786 株式会社RVH 東証二部 電気機器 ● 6702 富士通株式会社 東証一部 電気機器 ● ● 5108 株式会社 ブリヂストン 東証一部 ゴ ム 製 品、輸送 用機器 ● ● ● ● 7201 日産自動車 株式会社 東証一部 ゴ ム 製 品、輸送 用機器 ● ● ● ● ● 6201 株式会社 豊田自動織機 東証一部 ゴ ム 製 品、輸送 用機器 ● 7701 株式会社 島津製作所 東証一部 精密機器 ● 4543 テルモ株式会社 東証一部 精密機器 ● ● 7862 トッパン・フォーム 東証一部 その他製 ● ● ● ●

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証券 コード 企業名 市場区分 業種 なでしこ銘柄 準なでしこ H24 H25 H26 H27 H28 H28 8022 ミズノ株式会社 東証一部 その他製 品 ● 9531 東京ガス株式会社 東証一部 電気・ガ ス業 ● 9532 大阪ガス株式会社 東証一部 電気・ガ ス業 ● ● ● ● 9502 中部電力株式会社 東証一部 電気・ガ ス業 ● ● 9005 東京急行電鉄 株式会社 東証一部 陸運業 ● ● ● ● ● 9086 株式会社日立物流 東証一部 陸運業 ● 9201 日本航空株式会社 東証一部 海運業、 空運業 ● ● ● 9202 ANA ホールディン グス株式会社 東証一部 海運業、 空運業 ● ● ● 4307 株式会社 野村総合研究所 東証一部 情報・通 信業 ● 9433 KDDI 株式会社 東証一部 情報・通 信業 ● ● ● ● ● 9719 SCSK 株式会社 東証一部 情報・通 信業 ● ● ● 9613 株式会社エヌ・テ ィ・ティ・データ 東証一部 情報・通 信業 ● 2768 双日株式会社 東証一部 卸売業 ● 8002 丸紅株式会社 東証一部 卸売業 ● ● 8036 株式会社日立ハイ テクノロジーズ 東証一部 卸売業 ● 8031 三井物産株式会社 東証一部 卸売業 ● ● ● 2651 株式会社ローソン 東証一部 小売業 ● ● ● ● 3382 株式会社セブン& アイ・ホールディン グス 東証一部 小売業 ● 8251 株式会社パルコ 東証一部 小売業 ● 8308 株式会社りそな ホールディングス 東証一部 銀行業 ● ● ● 8316 株式会社三井住友 フィナンシャル グループ 東証一部 銀行業 ● ● ●

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証券 コード 企業名 市場区分 業種 なでしこ銘柄 準なでしこ H24 H25 H26 H27 H28 H28 8411 株式会社みずほ フ ィ ナ ン シ ャ ル グ ループ 東証一部 銀行業 ● ● 8601 株式会社大和証券 グループ本社 東証一部 証 券 、 商 品先物取 引業 ● ● ● 8604 野村ホールディン グス株式会社 東証一部 証 券 、 商 品先物取 引業 ● ● 8439 東京センチュリー 株式会社 東証一部 保険業、 その他金 融業 ● 8766 東京海上ホールデ ィングス株式会社 東証一部 保険業、 その他金 融業 ● ● ● 3003 ヒューリック 株式会社 東証一部 不動産業 ● ● 8905 イオンモール 株式会社 東証一部 不動産業 ● 8848 株式会社 レオパレス21 東証一部 不動産業 ● 2305 株式会社 スタジオアリス 東証一部 サービス 業 ● ● 2375 スリープログルー プ株式会社 東証二部 サービス 業 ● 2749 株式会社 JP ホール ディングス 東証一部 サービス 業 ● ● ● 2170 株式会社リンクア ン ド モ チ ベ ー シ ョ ン 東証一部 サービス 業 ●

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2.4. 企業へのフィードバック 回答企業を対象に、調査のフィードバックを行った。業種平均やベストプラクティスと の差、女性活躍に関するスコアリング基準に対する達成度の把握により、各社における今 後の取組への参考としてもらうことが目的である。 2.4.1 フィードバック雛形 次頁において、回答企業に対して行った調査のフィードバックの雛形を記載する。

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H24 H25 H26 H27 H28 N(全社)= 463 N(業種)= XX I.マネジメント 有 無 検討中 有 無 検討中 61.8% 30.7% 6.7% 53.1% 44.8% 50.8% 31.7% 15.6% 49.0% 31.7% 16.8% 独立した 方針 CSR方針等 に含む 現在策定中 無 独立した 方針 CSR方針等 に含む 現在策定中 無 50.3% 24.6% 7.1% 14.5% 36.7% 31.1% 11.0% 17.7% 有 無 現在策定中 有 無 現在策定中 72.6% 16.8% 6.9% 59.8% 22.9% 13.4% 目標平均 目標値の 全社最高値 左記の 目標年度 目標平均 目標値の 業種最高値 左記の 目標年度 目標値 目標年度 14.3% 89.0% 2017 独立した 横断的な 独立した 横断的な ・貴社回答欄は、貴社ご回答のまま掲載しています。回答の無い箇所は空白、無効回答は※としています。 ・女性管理職比率(国内)、男性と女性の平均勤続年数の差(年)、1ヵ月あたりの平均残業時間(国内)、  新規採用に占める女性比率(国内)は、貴社回答が優れている(全社平均と最高値の間の値)と認められる  場合、優れた取り組みであるとして◎を付してあります。 業種 証券コード 企業名 なでしこ銘柄選定状況

平成28年度 経済産業省「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査

フィードバックシート

・本フィードバック資料は、平成28年度に実施した「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査で  得られた489社の回答結果に基づき作成しています。 ・各取組状況・パフォーマンスデータの回答が該当する組織範囲や集計範囲等については、  各社、また回答によって異なっています。 経営ビジョン・経営方針に おける女性活躍推進の明示 中期経営計画における 女性活躍推進の明示 全社 貴社が属する業種 貴社回答 全社 貴社が属する業種 貴社回答 1.経営層の コミットメ ント 女性活躍推進にかかる トップコミットメント 統合報告書/アニュアルレポート等 におけるトップコミットメント ワーク・ライフ・バランス促進に向 けた数値目標 全社 貴社が属する業種 貴社回答 女性管理職比率目標 2.方針・目 女性など多様な人材の活躍推進 に向けた方針 ワーク・ライフ・バランス促進 に向けた方針 全社 貴社が属する業種 貴社回答 女性のキャリア促進 に向けた数値目標 全社 貴社が属する業種 貴社回答

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Ⅱ.パフォーマンス ID: 女性社員対 象の研修 女性の参加 を保障 現在策定中 無 女性社員対 象の研修 女性の参加 を保障 現在策定中 無 女性キャリア研修 53.3% 22.9% 7.1% 11.0% 女性社員の ための制度 女性の参加 を保障 現在策定中 無 女性社員の ための制度 女性の参加 を保障 現在策定中 無 メンター制度・幹部と の交流機会 35.0% 22.7% 11.4% 25.3% 有 無 検討中 有 無 検討中 管理職向け 意識啓発研修 68.7% 14.5% 11.2% 役員・部長クラスの評 価へ取組状況を反映す る仕組 11.7% 66.3% 16.2% 全従業員向け柔軟な 勤務場所を認める制度 33.7% 34.6% 25.9% 全従業員向け柔軟な 勤務時間を認める制度 60.3% 21.2% 12.7% 全従業員向け長時間 労働改善に向けた取組 76.7% 9.7% 7.8% 全従業員向けWLB促進 に向けた意識啓発研修 66.7% 13.8% 13.4% 女性管理職比率 (国内)

部長職以上の管理職 比率(国内) 女性管理職比率(海外を 含むグループ全体) 新規管理職登用に占め る女性比率(国内) 女性管理職比率(国内) 直近2か年の伸び 女性取締役比率 (社外取締役含む) 女性取締役比率 (社内) 女性監査役比率 女性執行役員比率 男性育児休業取得率 (国内) 有給休暇取得率 (国内) 有給休暇取得日数 (国内) 柔軟な勤務制度<場所> の活用率(国内) 柔軟な勤務制度<時間> の活用率(国内) 男性平均勤続年数(年) 女性平均勤続年数(年) 男性と女性の平均勤続 年数の差(年)(注6)

1ヵ月あたりの平均残 業時間(国内)(注7)

雇用状況 女性正社員比率(国内) 女性正社員比率(国内) 直近2か年の伸び 新規採用に占める女性 比率(国内)

4.取組内容 女性(全従 業員)向け キャリア サポート 施策状況 全社 貴社が属する業種 貴社回答 全社 貴社が属する業種 貴社回答 女性(全従 業員)向け キャリアサ ポート施策 状況 全社 貴社が属する業種 貴社回答 仕事と家庭 の両立サ ポート 全社 貴社が属する業種 貴社回答 平均値 最高値 平均値 最高値 5.実績 女性のキャ リア促進に 係る実績 9.0% 96.2% 12.3% 100.0% 仕事と家庭 の両立に係 る実績 11.1% 100.0% 11.0日 20日 16.0 24.0 18.6 14.9% 100.0% 5.7% 100.0% 6.0% 100.0% +1.1pt +46.1pt 6.4% 60.0% 3.0% 60.0% 56.4% 98.0% 4.4% 100.0% 28.3% 100.0% 55.8% 100.0% 12.6 23.0 3.4 -5.0 0.0 26.7% 93.9% +0.9pt +73.3pt 35.5% 100.0%

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2.5. データ分析の実施 本章では、「なでしこ銘柄」の特性把握と、女性活躍推進と企業パフォーマンス(株価面、 業績面)の長期的な関係について分析を行う。 2.5.1 「なでしこ銘柄」の特性分析2 (1)「なでしこ銘柄」の株価パフォーマンス 「なでしこ銘柄」の長期的な株価推移を図表18 に示す。これは、平成 28 年度選定企業 (47 社)の等金額ポートフォリオ(毎年 3 月末リバランス3)の時価推移を2006 年 4 月か ら2017 年 2 月末(2006 年 3 月末を 100)の約 10 年間について示したものである。比較の ためにTOPIX(配当込み)の推移(2006 年 3 月末を 100 として表示)も示している。同期間に おけるTOPIX(配当込み)のリターンは年率 0.79%であったのに対して、「なでしこ銘柄」の リターンは同6.26%であり、TOPIX を上回る株価パフォーマンスであった。経営戦略とし て女性活躍推進を図る企業は、競争力を高め、成長力が高い企業であることが期待される。 図表18 平成 28 年度選定「なでしこ銘柄」の株価推移(2006 年 4 月~2017 年 2 月) (注1)2006 年 3 月末を 100 として基準化 (注2)「なでしこ銘柄」の平均リターンは、各月末時点で上場していた銘柄のみで算出 (注3)毎年 3 月末に等金額ポートフォリオを作成し、ポートフォリオの時価推移を算出 40 60 80 100 120 140 160 180 200 平成28年度選定「なでしこ銘柄」 TOPIX(配当込) 株価 (2006/3末=100)

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(2)「なでしこ銘柄」の業績パフォーマンスおよびリスク 図表19 は平成 28 年度なでしこ銘柄選定企業(47 社)を対象に、2017 年 2 月末時点の 売上高営業利益率、実績配当利回り、株価変動リスクの平均値を算出したものである。比 較として東証一部銘柄の平均値も示している。売上高営業利益率(営業マージン)および 実績配当利回りは、「なでしこ銘柄」の方が市場平均値よりも高い傾向が確認できる。一方、 株価変動リスクについては、「なでしこ銘柄」の方が市場平均値よりも低く、相対的に株主 価値の時価が安定的である傾向が確認できる。これらの結果は、「なでしこ銘柄」の良好な 株価パフォーマンスの背景に業績面での裏付けがある可能性を示唆するものである。 図表19 平成 28 年度選定「なでしこ銘柄」の業績パフォーマンス (左上:売上高営業利益率 右上:実績配当利回り)およびリスク(下) (注)売上高営業利益率については2017 年 2 月に取得できた最新のデータより算出、実績配当利回りについては 2017 年2 月に取得できた最新のデータ、株価については 2017 年 2 月末日時点の値を用いて算出、 株価リターンボラティリティは、2012 年 3 月から 2017 年 2 月の株価リターンの 60 ヵ月標準偏差で算出(年率) 32.5% 36.3% 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% なでしこ銘柄 東証一部銘柄 株価リターンボラティリティ 株価リターンの 60ヵ月標準偏差 2.0% 1.8% 0.0% 0.5% 1.0% 1.5% 2.0% 2.5% なでしこ銘柄 東証一部銘柄 実績配当利回り 実績 配当利回り 10.4% 8.3% 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% なでしこ銘柄 東証一部銘柄 売上高営業利益率 実績 売上高営業利益率

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2.5.2 「仮想なでしこ銘柄」の企業パフォーマンス (1)女性活躍推進スコアの作成 前節では「なでしこ銘柄」の特性を確認したが、以降では、分析対象を時系列、銘柄ど ちらにも拡張し、女性活躍推進度と企業特性の関係についてみていくことにする。「女性活 躍推進スコア」の作成に際しては、「なでしこ銘柄」選定と同様の枠組みを用いており、具 体的には、所有データベースを元に「女性のキャリア促進」と「仕事と家庭の両立サポー ト」の 2 つの視点について、それぞれ「マネジメント」と「パフォーマンス」の両面から 女性活躍推進を評価している。2006 年度(2007 年 3 月末)から 2016 年度(2017 年の 2 月末)の期間で「女性活躍推進スコア」が算出可能であった全銘柄(2016 年度では 1,268 銘柄)について分析を行った。 図表20 は平成 28 年度「なでしこ銘柄」選定に用いられたスコアを縦軸に、実証分析の ために作成した「女性活躍推進スコア」を横軸にプロットして、その相関関係を確認した ものである。対象企業は平成28 年度「なでしこ銘柄」選定の際の調査回答企業である。両 者の相関係数は0.6 となっており、今回作成した「女性活躍推進スコア」は、「なでしこ銘 柄」選定と同様の観点から女性活躍推進に対する企業の取組みの差異を相応に捉えられて いると考えられる。 図表20 平成 28 年度「なでしこ銘柄」選定に用いられたスコアと 2016 年度「女性活躍推進スコア」のプロット図 (注1)平成 28 年度「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」回答企業かつ「女性活躍推進スコア」が算出可 能な銘柄を対象に散布図を作成 (注2)「女性活躍推進スコア」は同スコアが算出可能な銘柄を対象に、平均=0、標準偏差=1 となるように標準化して いる 0 10 20 30 40 50 60 -2.0 -1.0 0.0 1.0 2.0 3.0 「なでしこ銘柄」選定に 用いられたスコア 「女性活躍推進スコア」

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(2)「仮想なでしこ銘柄」の選定方法 本節では、「なでしこ銘柄」選定方法に準じて、「仮想なでしこ銘柄」を選定し、これら 女性活躍推進に優れた企業の企業パフォーマンス(株価面、業績面)の特性を長期で分析 した結果を示す。 図表21 は「仮想なでしこ銘柄」の選定方法について示したものである。女性活躍推進ス コアが算出可能な銘柄を対象に、第 1 段階では女性活躍推進に関するスクリーニングを行 い、第2 段階では財務指標によるスクリーニング行う。具体的には、第 1 段階では、女性 活躍推進スコア上位10%(2016 年度の場合 125 銘柄)の銘柄を選定し、第 2 段階では、 過去3 年平均 ROE の上位 1/3 を「仮想なでしこ銘柄」として選定する。なお、女性活躍推 進スコアは28 業種内で中立化を行っているため、同業種内で相対的に女性活躍推進に優れ た企業が選定される。 図表21 「仮想なでしこ銘柄」の選定方法 (3)「仮想なでしこ銘柄」の株価パフォーマンス 「仮想なでしこ銘柄」の長期的な株価推移を図表22 に示す。これは、毎年 3 月末時点の 女性活躍推進スコアと過去3 年平均 ROE から「仮想なでしこ銘柄」を選定し、その等金額 ポートフォリオ(毎年3 月末リバランス 4)の時価推移を2007 年 4 月から 2017 年 2 月末 (2007 年 3 月末を 100)の期間について示したものである。比較のために TOPIX(配当込 み)の推移(2007 年 3 月末を 100 として表示)も示す。 女性活躍推進スコアが高い銘柄(「仮想なでしこ銘柄」)の株価パフォーマンスは長期的 にTOPIX を上回る傾向が確認できる。 4 毎年 3 月末に「仮想なでしこ銘柄」に選定された銘柄へ等金額で投資し、組み入れ比率が選定銘柄で同様になるよう に作成したポートフォリオ。 女性活躍推進スコアが算出可能な国内上場企業 (1,200銘柄程度) 仮想 なでしこ銘柄 (40銘柄程度) 女性活躍推進スコア 上位10% (120銘柄程度) 1.女性活躍推進スコアによる選定 2.ROEによる選定 女性活躍推進スコアが高い上位10%を選定 過去3年平均ROEの上位1/3を 「仮想なでしこ銘柄」として選定 *同スコアは、28業種内で中立化しているため、 同業種内で相対的に女性活躍推進に優れた企業が 選定される

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図表22 「仮想なでしこ銘柄」の株価パフォーマンス (トータルリターン:2007 年 4 月- 2017 年 2 月) (注1)2007 年 3 月末を 100 として基準化 (注2)「仮想なでしこ銘柄」は、毎年 3 月末に等金額ポートフォリオを作成してパフォーマンスを計測 (4)「仮想なでしこ銘柄」の業績パフォーマンス 図表23 は毎年 3 月末時点で選定した「仮想なでしこ銘柄」の 3 年後売上高営業利益率の 時系列推移を示したものである。全ての年で選定した「仮想なでしこ銘柄」の 3 年後売上 高営業利益率は同スコアが算出可能な全銘柄の平均値を長期的に上回っていた。図表24 は、 各年の結果について時系列方向に平均したものであるが、3 年後の営業利益率は 7 ポイント 程度「仮想なでしこ銘柄」の方が高いという結果となった。これは女性活躍推進に優れた 企業は、足元だけでなく将来の業績が良好である可能性を示している。 165.6 108.6 40 60 80 100 120 140 160 180 仮想なでしこ銘柄 TOPIX(配当込) 仮想なでしこ銘柄 TOPIX (配当込) 株価 (2007/3末=100)

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図表23 「仮想なでしこ銘柄」の 3 年後売上高営業利益率(時系列推移) (注1)グラフの横軸日付:2011 年 3 月は、2008 年 3 月末時点で選定した「仮想なでしこ銘柄」の 2011 年 3 月末時点 の実績売上高営業利益率を集計したもの (注2)2014 年 3 月末時点で選定した「仮想なでしこ銘柄」については、2017 年 2 月末時点の実績売上高営業利益率 を集計 図表24 「仮想なでしこ銘柄」の 3 年後売上高営業利益率(平均値) (注)図表23 の横軸日付を基準として、2011 年 3 月- 2017 年 2 月末の 7 年間の平均値 9.9% 9.7% 11.2% 9.1% 10.3% 11.1% 9.8% 1.4% 3.2% 3.2% 3.8% 3.9% 2.6% 1.5% 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 2011/ 3 2012/ 3 2013/ 3 2014/ 3 2015/ 3 2016/ 3 2017/ 2 仮想なでしこ銘柄 スコアが算出可能な全銘柄 (3年後) 売上高営業利益率 10.2% 2.8% 0% 2% 4% 6% 8% 10% 12% 仮想なでしこ銘柄 スコアが算出可能 な全銘柄 (3年後)売上高営業利益率

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2.5.3 女性活躍推進と企業パフォーマンス (1)女性活躍推進と株価パフォーマンス 本節では、「なでしこ銘柄」の選定基準の一つである女性活躍推進と企業パフォーマンス (株価面、業績面)の関係について詳細分析を行う。分析対象銘柄を「女性活躍推進スコ ア」の水準で3 つのグループに分け、各グループの企業パフォーマンス(株価面、業績面) の比較を行なった。 図表 25、図表 26 は分析対象銘柄を「女性活躍推進スコア」の水準で分けた 3 グループ のそれぞれ1 年間、3 年間の事後のリスク調整済リターンについて集計したものである。こ こで、リスク調整済リターンはトータルリターンから一般にその変動要因として指摘され る企業規模とベータ要因、業種要因を除いた値であり、リスク調整済リターンの差はこの ような変動要因に起因しない差を見ていることとなる。1 年間、3 年間いずれにおいても、 女性活躍推進スコアが高いグループの方が、リスク調整済みリターンが高い傾向が確認さ れる。 図表25 「女性活躍推進スコア」別の事後的な株価パフォーマンス ( 1 年累積リスク調整済リターン:対ユニバース平均値) (注1)リスク調整済リターンは、企業規模、ベータ要因を調整したリターンについて業種平均値をマイナスしたもの (注2)1 年累積リターンは、スコア日付を基準として、2007 年 3 月-2016 年 3 月の 10 年間の平均値 ただし、 2016 年 3 月のスコアに対応する 1 年累積リターンは 2016 年 4 月-2017 年 2 月の 11 ヵ月リターン -1.68% 0.04% 1.60% -5% -4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 女性活躍推進 スコア:低 女性活躍推進 スコア:中 女性活躍推進 スコア:高 1年累積 リスク調整済リターン (対ユニバース平均値)

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図表26 「女性活躍推進スコア」別の事後的な株価パフォーマンス ( 3 年累積リスク調整済リターン:対ユニバース平均値) (注1)リスク調整済リターンは、企業規模、ベータ要因を調整したリターンについて業種平均値をマイナスしたもの (注2)3 年累積リターンは、スコア日付を基準として、2007 年 3 月-2014 年 3 月の 8 年間の平均値 ただし、 2014 年 3 月のスコアに対応する 3 年累積リターンは 2014 年 4 月-2017 年 2 月の 35 ヵ月リターン (2)女性活躍推進と業績パフォーマンス 図表27、図表 28 は分析対象銘柄を「女性活躍推進スコア」の水準で分けた 3 つのグルー プのそれぞれ1 年後、3 年後の売上高営業利益率について集計したものである。業績につい ても、売上高営業利益率からその業種平均を引いて業種調整を行った売上高営業利益率を 用いている。 1 年後、3 年後のいずれについても、女性活躍推進スコアが高いグループの方が、低いグ ループと比較して将来の売上高営業利益率が高い傾向が確認される。 -3.21% 0.66% 2.46% -5% -4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3% 4% 女性活躍推進 スコア:低 女性活躍推進 スコア:中 女性活躍推進 スコア:高 3年累積 リスク調整済リターン (対ユニバース平均値)

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図表27 「女性活躍推進スコア」別の 1 年後売上高営業利益率(対ユニバース平均値) (注1)業種調整済売上高営業利益率は、売上高営業利益率から業種平均値をマイナスしたもの (注2)1 年後売上高営業利益率は、スコア日付を基準として、2007 年 3 月-2016 年 3 月の 10 年間の平均値 ただし、 2016 年 3 月のスコアに対応する 1 年後売上高営業利益率は 2017 年 2 月末時点の値 図表28 「女性活躍推進スコア」別の 3 年後売上高営業利益率(対ユニバース平均値) (注1)業種調整済売上高営業利益率は、売上高営業利益率から業種平均値をマイナスしたもの (注2)3 年後売上高営業利益率は、スコア日付を基準として、2007 年 3 月-2014 年 3 月の 8 年間の平均値 ただし、 2014 年 3 月のスコアに対応する 3 年後売上高営業利益率は 2017 年 2 月末時点の値 -0.34% 0.01% 0.32% -0.4% -0.3% -0.2% -0.1% 0.0% 0.1% 0.2% 0.3% 0.4% 女性活躍推進 スコア:低 女性活躍推進 スコア:中 女性活躍推進 スコア:高 1年後業種調整済 売上高営業利益率 (対ユニバース平均値) -0.21% -0.02% 0.22% -0.4% -0.3% -0.2% -0.1% 0.0% 0.1% 0.2% 0.3% 0.4% 女性活躍推進 スコア:低 女性活躍推進 スコア:中 女性活躍推進 スコア:高 3年後業種調整済 売上高営業利益率 (対ユニバース平均値)

(38)

2.5.4 まとめ 「なでしこ銘柄」に選定されている企業は過去の株価パフォーマンスは良好な傾向があ り、また、業績面も良好であり、相対的に株価変動リスクも小さい傾向が確認された。 本分析では、分析対象を時系列、銘柄どちらにも拡張し、2006 年度(2007 年 3 月末) から2016 年度(2017 年 2 月末)の期間で「なでしこ銘柄」選定の枠組みで定義した「女 性活躍推進スコア」を算出(2016 年度では 1,268 銘柄)し、より広範な銘柄を対象に同ス コアと企業パフォーマンス(株価面、業績面)の長期的な関係について分析を行った。 「なでしこ銘柄」と類似した選定方法で女性活躍推進に優れた企業を捉えた(「仮想なで しこ銘柄」)場合の企業パフォーマンス(株価面、業績面)との関係を確認したところ、「仮 想なでしこ銘柄」の株価パフォーマンスは長期的に市場平均を上回り、将来の売上高営業 利益率についても女性活躍推進スコアが算出可能な銘柄の平均値を長期的に上回る傾向が あった。 「なでしこ銘柄」の選定基準の一つである女性活躍推進と企業パフォーマンス(株価面、 業績面)の関係についての詳細分析では、女性活躍推進に優れた企業の方が、長期的に株 価は上昇し、将来の業績についても売上高営業利益率は高い傾向が確認された。

(39)

2.6 「なでしこ銘柄」レポートの作成 2.6.1 レポート概要 「なでしこ銘柄」に選定された企業の取組を紹介するとともに、女性活躍推進の実態を 俯瞰することを目的として、以下の構成によるレポートをとりまとめた。詳細な内容は、 参考資料A:平成 28 年度「なでしこ銘柄」レポートに記載している。 図表29 「なでしこ銘柄」レポートの構成 Ⅰ 平成28 年度「なでしこ銘柄」 1. 「なでしこ銘柄」とは 2. 企業経営における女性活躍推進の意義 3. 女性活躍推進の経営効果 4. 「なでしこ銘柄」のロゴマークについて 5. 平成 28 年度「なでしこ銘柄」の選定方法 6. 女性活躍に関するスコアリングの枠組み 7. 「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」の実施 8. 平成 28 年度「なでしこ銘柄」・「準なでしこ」の選定結果 9. 「なでしこ銘柄」選定企業の取組状況 参考 女性活躍度調査回答企業一覧 Ⅱ 日本企業における女性活躍推進の現状 1. 競争力への影響 2. 足元の課題 3. マネジメント 3-1. 経営層のコミットメント(経営戦略における位置づけ) 3-2. 方針・目標‐女性のキャリア促進 3-3. 方針・目標‐仕事と家庭との両立サポート 3-4. 体制の整備(女性活躍推進のための組織体制) 4. パフォーマンス 4-1. 取組内容‐女性のキャリア促進 4-2. 取組内容‐仕事と家庭との両立サポート 4-3. 実績‐女性のキャリア促進・雇用状況 4-4. 実績‐仕事と家庭との両立サポート 5. 注目企業

(40)

2.7 次年度以降の選定に関する検討 「なでしこ銘柄」の取組は、「女性活躍推進」に優れた企業を、「中長期の企業価値向上」 を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として紹介し、そうした企業への投資を促進し、 企業における取組の加速化を図ることを目的としている。 平成28 年度においては、より正確な実態把握につなげるため、選定対象を女性活躍度調 査への回答企業に限定したこと、そして「準なでしこ」および「注目企業」の選定を実施 したことが特筆すべき変更点といえるだろう。特に「準なでしこ」および「注目企業」に ついては、財務指標によるスクリーニング条件を考慮せず、「女性活躍推進」に優れた取組 を行っている企業に焦点をあてることができた。 一方で、今年度事業を通じて明確となってきた課題について、次年度に向けて以下のよ うに検討を行った。 <女性活躍推進情報の開示促進の必要性> 平成28 年度「なでしこ銘柄」選定に関する女性活躍度調査回答によれば、多くの企業が、 女性管理職比率を厚生労働省開設の「女性の活躍推進企業 データベース」において開示 している(平成28 年度調査の一次スクリーニング条件)という結果となった。昨年度の調 査において、自社発信の媒体上で当該指標を開示していると回答した企業の割合が 4 割程 度であったことと比較すると、本指標については一定の進展が見られたといえるだろう。 しかしながら、調査回答企業の「経営層のコミットメント」を読み解いていくと、「なぜ 女性活躍を進めるのか」といった経営上の課題認識まで踏み込んだ情報開示はまだ少ない というのが現状である。単に情報開示を進めるのではなく、その根本にどういった問題意 識が存在するのか、女性活躍の経営上の意義といったところまで検討し、その結果を開示 することがより一層求められる。 <「中長期の企業価値向上」に向けた「なでしこ銘柄」の在り方> 本事業は、「中長期の企業価値向上」を図ることが目的であるため、女性活躍そのものの 推進のみならず、その取組をいかに競争力に繋げていくことができるかが重要であろう。 それを踏まえると、今後は、競争戦略としてのダイバーシティ経営(ダイバーシティ 2.0) の在り方に関する検討会でとりまとめられた「ダイバーシティ2.0 行動ガイドライン」に おける論点やガイドライン実践に向けた7 つのアクションを中心に、「なでしこ銘柄」選定 方法や女性活躍度調査の設問等に反映していくことで、「中長期の企業価値向上」と「なで しこ銘柄」との関係性をより明確に打ち出すことが期待される。

(41)

参考資料 A: 平成 28 年度「なでしこ銘柄」レポート

次頁以降において、平成28 年度「なでしこ銘柄」発表時(平成 29 年 3 月 23 日 「平成28 年度 新・ダイバーシティ経営企業 100 選表彰式 なでしこ銘柄発表会」)に 配布した「平成28 年度「なでしこ銘柄」レポート」を記載する。

(42)

な で し こ

銘 柄

平成

29

3

経済産業省

経済産業政策局経済社会政策室

〒100-8901 東京都千代田区霞が関 1-3-1 電話:03-3501-0650

株式会社東京証券取引所

7

な で し こ

銘 柄

平成

27

3

平成

26

年度

7

28

28

(43)

Ⅰ平成  年度「なでしこ銘柄」               

1. 「なでしこ銘柄」とは

1

2. 企業経営における女性活躍推進の意義

1

3. 女性活躍推進の経営効果

4

4. 「なでしこ銘柄」のロゴマークについて

7

5. 平成 28 年度「なでしこ銘柄」の選定方法

10

6. 女性活躍に関するスコアリングの枠組み

13

7. 「『なでしこ銘柄』選定に関する女性活躍度調査」の実施

14

8. 平成 28 年度「なでしこ銘柄」・「準なでしこ」の選定結果

15

9. 「なでしこ銘柄」選定企業の取組状況

21

参考 女性活躍度調査回答企業一覧

47

Ⅱ 日本企業における女性活躍推進の現状          

1. 競争力への影響

55

2. 足元の課題

57

3. マネジメント

58

3-1. 経営層のコミットメント(経営戦略における位置づけ)

58

3-2. 方針・目標‐女性のキャリア促進

62

3-3. 方針・目標‐仕事と家庭との両立サポート

65

3-4. 体制の整備(女性活躍推進のための組織体制)

68

4. パフォーマンス

70

4-1. 取組内容‐女性のキャリア促進

70

4-2. 取組内容‐仕事と家庭との両立サポート

76

4-3. 実績‐女性のキャリア促進・雇用状況

81

4-4. 実績‐仕事と家庭との両立サポート

88

5. 注目企業

92

図表 4  業種区分比較  28 業種  全上場 3,505  水産・農林業、食料品 137  鉱業、石油・石炭製品 20  建設業 166  金属製品 85  ガラス・土石製品 56  繊維製品 53  パルプ・紙 24  化学 209  医薬品 65  ゴム製品、輸送用機器 115  鉄鋼 45  非鉄金属 34  機械 229  電気機器 258  精密機器 50  その他製品 107  情報・通信業 383  サービス業 390  電気・ガス 23  陸運業 58  海運業、空運業 19  倉庫・運
図表 15  競争力に影響を与える要因(2 つまで選択回答)  40.6%    50.0%    5.7%    30.7%    6.3%  1.0%    44.3%    1.6%    41.0%   33.2%   6.9% 30.9%   2.3%   0.9%   38.7%    4.6%  46.3%    53.7%   3.7%   22.2%   3.7%   5.6%    59.3%    0.0%    41.5%    42.5%   6.0%   29.8% 4.1%
図表 17  平成 28 年度  「なでしこ銘柄・準なでしこ」選定企業一覧  (なでしこ銘柄については証券コード順) 証券 コード 企業名 市場区分 業種 なでしこ銘柄 準なでしこ H24 H25  H26  H27  H28  H28  2229  カルビー株式会社  東証一部   水産・農林 業、食料品 ●  ●  ●  ●  2502  アサヒグループホ ー ル デ ィ ン グ ス  株式会社 東証一部   水産・農林業、食料品 ●  ●  ●  2503  キリンホールディ ングス株式会社 東証一部
図表 22  「仮想なでしこ銘柄」の株価パフォーマンス  (トータルリターン:2007 年 4 月-  2017 年 2 月)  (注 1)2007 年 3 月末を 100 として基準化  (注 2)「仮想なでしこ銘柄」は、毎年 3 月末に等金額ポートフォリオを作成してパフォーマンスを計測  (4) 「仮想なでしこ銘柄」の業績パフォーマンス  図表 23 は毎年 3 月末時点で選定した「仮想なでしこ銘柄」の 3 年後売上高営業利益率の 時系列推移を示したものである。全ての年で選定した「仮想なでしこ銘柄」の
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