2. 事業内容の詳細
2.5. データ分析の実施
2.5.3 女性活躍推進と企業パフォーマンス
(1)女性活躍推進と株価パフォーマンス
本節では、「なでしこ銘柄」の選定基準の一つである女性活躍推進と企業パフォーマンス
(株価面、業績面)の関係について詳細分析を行う。分析対象銘柄を「女性活躍推進スコ ア」の水準で3つのグループに分け、各グループの企業パフォーマンス(株価面、業績面)
の比較を行なった。
図表 25、図表 26 は分析対象銘柄を「女性活躍推進スコア」の水準で分けた3グループ のそれぞれ1年間、3年間の事後のリスク調整済リターンについて集計したものである。こ こで、リスク調整済リターンはトータルリターンから一般にその変動要因として指摘され る企業規模とベータ要因、業種要因を除いた値であり、リスク調整済リターンの差はこの ような変動要因に起因しない差を見ていることとなる。1 年間、3 年間いずれにおいても、
女性活躍推進スコアが高いグループの方が、リスク調整済みリターンが高い傾向が確認さ れる。
図表25 「女性活躍推進スコア」別の事後的な株価パフォーマンス
( 1年累積リスク調整済リターン:対ユニバース平均値)
(注1)リスク調整済リターンは、企業規模、ベータ要因を調整したリターンについて業種平均値をマイナスしたもの
(注2)1年累積リターンは、スコア日付を基準として、2007年3月-2016年3月の10年間の平均値
ただし、 2016年3月のスコアに対応する1年累積リターンは2016年4月-2017年2月の11ヵ月リターン -1.68%
0.04%
1.60%
-5%
-4%
-3%
-2%
-1%
0%
1%
2%
3%
4%
女性活躍推進 スコア:低
女性活躍推進 スコア:中
女性活躍推進 スコア:高 1年累積
リスク調整済リターン
(対ユニバース平均値)
図表26 「女性活躍推進スコア」別の事後的な株価パフォーマンス
( 3年累積リスク調整済リターン:対ユニバース平均値)
(注1)リスク調整済リターンは、企業規模、ベータ要因を調整したリターンについて業種平均値をマイナスしたもの
(注2)3年累積リターンは、スコア日付を基準として、2007年3月-2014年3月の8年間の平均値
ただし、 2014年3月のスコアに対応する3年累積リターンは2014年4月-2017年2月の35ヵ月リターン
(2)女性活躍推進と業績パフォーマンス
図表27、図表 28 は分析対象銘柄を「女性活躍推進スコア」の水準で分けた3つのグルー プのそれぞれ1年後、3年後の売上高営業利益率について集計したものである。業績につい ても、売上高営業利益率からその業種平均を引いて業種調整を行った売上高営業利益率を 用いている。
1年後、3年後のいずれについても、女性活躍推進スコアが高いグループの方が、低いグ ループと比較して将来の売上高営業利益率が高い傾向が確認される。
-3.21%
0.66%
2.46%
-5%
-4%
-3%
-2%
-1%
0%
1%
2%
3%
4%
女性活躍推進 スコア:低
女性活躍推進 スコア:中
女性活躍推進 スコア:高 3年累積
リスク調整済リターン
(対ユニバース平均値)
図表27 「女性活躍推進スコア」別の1年後売上高営業利益率(対ユニバース平均値)
(注1)業種調整済売上高営業利益率は、売上高営業利益率から業種平均値をマイナスしたもの
(注2)1年後売上高営業利益率は、スコア日付を基準として、2007年3月-2016年3月の10年間の平均値 ただし、 2016年3月のスコアに対応する1年後売上高営業利益率は2017年2月末時点の値
図表28 「女性活躍推進スコア」別の3年後売上高営業利益率(対ユニバース平均値)
(注1)業種調整済売上高営業利益率は、売上高営業利益率から業種平均値をマイナスしたもの
(注2)3年後売上高営業利益率は、スコア日付を基準として、2007年3月-2014年3月の8年間の平均値 ただし、 2014年3月のスコアに対応する3年後売上高営業利益率は2017年2月末時点の値
-0.34%
0.01%
0.32%
-0.4%
-0.3%
-0.2%
-0.1%
0.0%
0.1%
0.2%
0.3%
0.4%
女性活躍推進 スコア:低
女性活躍推進 スコア:中
女性活躍推進 スコア:高 1年後業種調整済
売上高営業利益率
(対ユニバース平均値)
-0.21%
-0.02%
0.22%
-0.4%
-0.3%
-0.2%
-0.1%
0.0%
0.1%
0.2%
0.3%
0.4%
女性活躍推進 スコア:低
女性活躍推進 スコア:中
女性活躍推進 スコア:高 3年後業種調整済
売上高営業利益率
(対ユニバース平均値)