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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

オープンエデュケーションの持続的発展に向けた学 習システムの研究 : オープン教材自動生成システム の開発と反転授業への展開

中島, 愛

http://hdl.handle.net/2324/1932013

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(芸術工学), 論文博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

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氏 名 : 中島 愛 論 文 名 :

オープンエデュケーションの持続的発展に向けた学習システムの研究:

オープン教材自動生成システムの開発と反転授業への展開 区 分 : 乙

論 文 内 容 の 要 旨

本論文の目的は、インターネットを介して教育への自由なアクセスを実現するムーブメント

「オープンエデュケーション」について調査を行い、その取り組みに寄与するオンライン学習 システムのデザインを検討するものである。

オープンエデュケーションでは、教科書、講義ビデオ、学習コンテンツなどの教材を Web 上 で共有し、それらのリソースを使用して誰もが自由に学び・教えることのできる教育環境を目 指している。学校現場においても、オープン教材(Open Educational Resources : 略称 OER)

や大規模公開オンライン講座(Massive Open Online Courses : 略称 MOOC)のメディア教材を、

授業へ導入する「反転授業」など、実践的な試みも始まっている。これらの流れは教育に於け る破壊的イノベーションとしてその発展が期待されているが、現状では OER の量と質は十分で はなく、また MOOC についても講義コンテンツの制作に莫大なコストがかかるなど、オープンエ デュケーションの教育基盤となる「教材」をいかに供給していくか、その持続性に大きな課題 を抱えている。また、オープンエデュケーションが盛り上がりを見せる一方で、オンライン学 習に於けるドロップアウト率の高さが指摘されるなど、学習者が自律的に学習を継続するため の、学習意欲の維持が課題とされている。

本研究ではこれら課題に対し、Web 上に無数存在する「クリエイティブコモンズ・ライセン ス」を付したオープンなコンテンツ(以下、CC コンテンツ)や、それらの情報資源を再利用し、

新しい価値を生み出す Web の技術的構造と共有文化に注目し、その情報環境から低コストで効 率よく OER を自動生成するシステムを提案する。Web 上の雑多な情報を素材として、魅力的な 教材と学習体験を提供するためには、生成される OER のデザインが重要となる。本研究では、

OER の自動生成プロセスに、ユーザ(学生や教師)個別の状態やニーズに応じて教材の内容や レベルを最適化するアダプティブラーニングの手法を導入し、意欲的な学習の持続を支援する OER と学習システムのデザインについて検討する。

本研究の目的を実現するため、Web 上の CC コンテンツを素材とした教材の自動生成システム のデザイン提案を行った。3 段階に設けたデザイン提案に対し、それぞれプロトタイプを開発 し、提案の妥当性について評価・検証を行った。

まず、第一の提案では、低コストで効率よく OER を生成する手法として、Web マイニングを 用い、CC ライセンスで公開された TED Talks や YouTube のストリーミング動画を、自動で外国 語のリスニング教材へ変換する OER 自動生成システムの開発を行った。映像視聴の目的で公開 された動画コンテンツを教材へ変換するためには、情報の再編集が必要となる。また学習者の 学習意欲を刺激する魅力的な教材を生成するためには、情報のデザインに工夫が求められる。

本研究では、Game Based Learning (略称 GBL)を教材のデザインに導入し、本システムが生成

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した教材に対する学生の関心を向上させることに成功した。

第二の提案では、ユーザ評価実験に於いて明らかとなった学習の効能感と達成感の課題に対 し、学習ログに基づいた教材の最適化と学習成果の可視化を行うことで改善を図った。プロト タイプでは、OER の自動生成プロセスにアダプティブラーニングの手法を導入し、システムが 学習者の学習中の行動から習熟度や状態を推定し、穴埋め問題を適切な難易度へ動的に最適化 する仕組みを実装した。加えて、学習活動を可視化し学習者のメタ認知に働きかける、学習ポ ートフォリオによって継続学習の動機付け促す仕組みを追加した。ARCS モデルを用いたユーザ 評価実験の結果、学習の継続の可能性を示唆する動機付けのサイクルが確認された。

第三の提案では、反転授業での学習システムの運用を想定し、教員が学生の自宅学習をコー チングするための、教員に向けたアダプティブラーニングシステムを構築した。教員は各クラ スの学生の習熟度や特徴を直感的に認識し、臨機応変に演習問題を編集しながら授業運営を行 っている。プロトタイプでは、深層学習を用い、教員の問題編集の行為から教授法(ノウハウ)

を表現学習し、その学習結果から教員らしい穴埋め問題を自動生成する手法の実験を行った。

実験の結果、深層学習によって高い精度で問題生成の再現が可能であることを示した。

本研究では、Web 上のオープンなコンテンツを活用して良質な教材を永続的に生み出す手法 と、学習者の動機付けを促す学習システムのデザインについて、様々な方向から提案と評価を 行った。以上のアプローチを統合し、人々の学習活動を持続的に支援するオープンエデュケー ションのモデルを提案した。

参照

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