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九州大学学術情報リポジトリ

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

水素製造のためのヨウ素-硫黄法におけるHI分解触 媒に関する研究

ワシラパン, パンクラウイ

http://hdl.handle.net/2324/1931978

出版情報:Kyushu University, 2017, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:Public access to the fulltext file is restricted for unavoidable reason (3)

(2)

(様式6-2)

氏 名 Wachirapun Punkrawee

論 文 名 Study on HI Decomposition Catalyst for Iodine-Sulfur Method for Hydrogen Production (水 素 製 造 の た め の ヨウ 素

―硫黄法に おけるHI分解 触媒に関 する研 究)

論文調査委員 主 査 九州大学 教授 石原 達己 副 査 九州大学 教授 岡田 重人 副 査 九州大学 教授 田中 敬二

論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

現在、水素は再生可能エネルギーのキャリアーとして期待され、再生可能エネルギーから水素 を高効率に製造できる手法が求められている。種々の方式の中で熱化学法による水素の製造は、

熱エネルギーを用いて、化学反応と組み合わせることで、低い温度で水を分解して水素を得る方 法であり、効率が高く、大規模での水素製造に適する方法である。種々の熱化学サイクルプロセ スが提案されているが、硫黄とヨウ素の酸化・還元を組み合わせたSI法と呼ばれるプロセスは、

比較的、低温でも進行できる可能性のあるプロセスで、太陽熱を利用する水素製造への応用が期 待されている。本研究はSI法を構成する3つの素反応であるブンゼン反応、H2SO4分解、HI分解の 中で、平衡の制約の大きいHI分解に活性と耐久性の高い触媒の開発を行ったもので、主な成果に 以下のとおりである。

(1)種々の触媒について検討し、M563という名称で市販されている活性炭のHI分解活性が、特 異的に高いことを見出し、この活性炭への修飾効果を検討し、CeO2の活性が高く、さらにPtを担 持したPt/CeO2/M563の触媒では、HI分解において400℃で、90%程度の平衡達成率を示すことを見 出している。さらのCeO2への添加物を検討し、Cuの添加により、350-500℃においてほぼ平衡転化 率を反応初期に示すことを見出している。この触媒での活性の向上する機構を検討し、Cuによる Ptの凝縮抑制が重要な寄与をしていることを明らかにしている。100時間の活性の経時変化を行 い、CeO2担持量の減少を生じることを明らかにし、長期的な利用に向けての課題を指摘している。

(2)長期的に活性の高い触媒の検討を目的にCeO2に代わる酸化物の修飾効果を検討し、TiO2がヨ ウ素との反応性が低く、Ptを担持することで高いHI分解活性を示すことを見出した。反応後の触 媒のX線光電子分光測定からPtのヨウ化による揮散の可能性を示し、Rhの修飾により、HI分解活 性の向上とヨウ化によるPtの凝縮の抑制に有効であることを見出した。300時間にわたる長期評 価の結果、触媒組成の変化および活性の低下は観測されず、ほぼ平衡転化率を達成できることを 示した。水の共存効果も検討し、水の共存は負の大きな効果があるが、開発した触媒では活性の 低下は顕著ではないことを示している。

(3)M563と呼ばれる活性炭の活性が特異的に高いことから、炭素上のHI分解の活性点について 検討し、従来から指摘されてきた炭素(002)面の端面より、細孔構造とπ電子などの電子供与サ イト,つまり塩基点が反応の活性サイトとして考えられることを示している。活性はHIの吸着し

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やすい触媒ほど高く、HIの表面への吸着と活性化が重要な反応素過程であることを示している。

HI分解活性はHI分圧に0.8次、H2分圧に-0.4次で依存し、表面での反応律速を仮定したLangumui- Hinshelwood機構と良く一致することを示している。

以上、要するに本論文は、本論文はヨウ素―硫黄熱化学プロセスにおいて平衡の制約の大きい、

HI分解プロセスのために活性、耐久性に優れたHI分解触媒を検討し、M563と呼ばれる活性炭にPt とCeO2またはTiO2で修飾した触媒が優れた性能を有することを明 確にした もので 、ほぼ平衡転化 率の達成と長期的な活性の維持に関して多くの成果を挙げており、触媒化学の分野で寄与すると ころが大きい。よって、本論文は博士(工学)の学位論文に値すると認める。

最終試験の 結果の 要旨

調査委員から,①活性炭上の反応活性サイトの構造、②活性の低下する機構、③従来の触媒との 違い④添加物の設計指針などに関して質問があり、著者による説明により理解が得られた。 また、

公聴会においては多数の出席者があり、種々の質問がなされたが、いずれも著者の説明により質 問者の理解が得られた。

以上の結 果によ り、著者 は最終 試験に合 格した ものと認 める。

参照

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