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奈文研ニュース No.74
公開された解体実験用石室
高松塚古墳
解体実験用石室の公開 キトラ古
飛鳥資料館の庭園に、高松塚古墳の石室の実物大 複製が登場しました。この石室は、平成18年から翌 年に実施された高松塚古墳の石室解体作業のために 製作されたものです。石材をつり上げる装置の開発 や、作業のシミュレーションのために、京都府加茂 町の実験場で使用された解体実験用の石室です。
実験用石室は実物と同じ16石で構成されていま す。石室内寸は実物にあわせていますが、外形は盗 掘孔のある南面だけ見えていた状態で全体を推定し て製作したため、寸法や形状が実際と異なる部分が ありました。そこで、実物の情報をもとに梃て こ あ な子穴や 相あいかき
欠といった特徴や、予想外の形だった一番北の天 井石を補足し、できるだけ実物に近い形状に整えま した。実物の石材は二上山産の凝灰岩ですが、現在 は入手困難なため、福島県産の凝灰岩(白河石)を使 用しています。
実験用石室は石室解体事業が終了した後、飛鳥資 料館で保管していました。その活用がながらく課題 でしたが、石工の左野勝司氏の協力を得て、石材の 加工と組み立てをおこない工事も完了し、公開する ことができました。
石室解体の現場では石室周辺に最低限の空間しか なかったので、石室の全貌を見通して眺めることは できませんでした。今回の展示によって、はじめて 床石から天井石まで全体を見渡すことができるよう になりました。
小さな古墳と言われることが多い高松塚古墳です が、この石室で、実物大の迫力を体感してください。
(飛鳥資料館 石橋茂登)