• 検索結果がありません。

医療・ヘルスケア領域におけるイノベーション源泉拡張と普及

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "医療・ヘルスケア領域におけるイノベーション源泉拡張と普及"

Copied!
13
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1. 医療分野でイノベーション源泉拡張が 求められる背景

1.1 3 方向による源泉拡張

社会の高齢化が進み,医療従事者・薬剤・医 療材料などの医療資源を必要とする層の拡大が 進む一方,医療技術の高度化により医療サービ スの提供に必要とされるコストが増加してい る。このような状況を少しでも改善し,かつ患 者の QOL を向上させるためのイノベーション に対する希求は強まる状況にある。

このような状況を打開するために,イノベー ションの源泉を多様化しようとする試みが医 療・ヘルスケア領域でも進んでいる。具体的に は,

1) これまで対患者向けサービスに専念して きた医療従事者によるイノベーション 2) 医療に直接関係しない隣接領域の専門家

によるイノベーション    (イノベーションコンテスト)

3)患者やその家族主体のイノベーション     (Patient Innovation:患者起点イノベー

ション)

といったものである。

医療・ヘルスケアとひとくくりにされること が多いこの分野だが,領域によって構造は大き く異なる。疾病と診断される以前,つまり未病 段階における健康促進と,難病の治療法開発,

癌や脳血管疾患における事後療養期の QOL

(Quality of Life:生活の質)向上とでは,ス テークホルダーの種別も,必要とされる経費や 財源も大きく異なる。

本論文ではこれまでひとくくりにされること が多かった医療・ヘルスケア分野におけるオー プンイノベーションの試みを分類し,分野ごと に進められてきた取り組みならびに研究につい て分析・整理する。また日本国内の最新事例の 紹介,分析を通じて残された課題を抽出する。

医療・ヘルスケア領域におけるイノベーション源泉拡張と普及

―コンテストの導入と患者起点イノベーション―

深 見 嘉 明

Extending sources of innovation in medical and healthcare field:

Innovation contest and patient innovation FUKAMI, Yoshiaki

医療資源逼迫状況の改善や,患者の QOL 向上に対する要請が強まるなか,それを実現するイ ノベーションの源泉を拡張する動きが盛んになっている。本論文では 1)医療従事者自身による イノベーション,2)イノベーションコンテスト,3)患者起点イノベーションという世界におけ る 3 つの潮流を紹介するとともに,日本国内における大学歯学部におけるアイデアソンと入院患 者向けカタログギフトという事例を紹介する。

キーワード: イノベーションコンテスト(Innovation contest),患者起点イノベーション(Patient  innovation),カタログギフト(Gift catalog)

(2)

2.先行研究

2.1 狭義のオープンイノベーション

(1)組織間移転によるシーズの有効活用 オープンイノベーションという言葉は,あ らゆる分野において一般的に用いられるよう になってきた。しかし具体的にどのようなプ ロセスでイノベーションが生じることがオー プンイノベーションであるのか定義が曖昧な ままであり,これがオープンイノベーション を標榜する取り組みの非効率性に繋がってい る。Henry Chesbrough は図 1 にあるように,

組織の垣根を超えたシーズの移転により成立し たイノベーションをオープンイノベーション と定義している。重要なのは組織の垣根を超 えることであり,そのため自社で活用できな い知的財産を社外に売却するアウトバウンド,

Not Invent Here 症候群を乗り越えて組織外か らシーズを獲得するインバウンドという 2 つの 方向性にオープンイノベーションを分類してい る(Chesbrough & Bogers, 2014)。つまり狭義 のオープンイノベーション,イノベーションの シーズとなりうる知的財産を組織間移転によっ て効率的に活用することを志向する,というコ ンセプトなのである。

(2)市場の限界

製薬業界がイノベーションの源泉を拡張する ためにまず取り組んだのは,知的財産権の購 入や資本提携・買収などによりイノベーショ ン,つまり新薬創出につながる素材を確保する という狭義のオープンイノベーションであっ た(Laroia & Krishnan, 2005;Melese et al.,  2009;Schuhmacher et al, 2013)。

製薬のプロセスは,その多くが製薬会社の社 内に設置された研究開発拠点において新薬候補 物質を探索し,治験などのプロセスを通じて効 能の確定と副作用のリスクを軽減させ,市場投 入に至るという手順をとる。しかし,新薬候補 物質(パイプライン)の発見そのものが困難で コストがかかるのみならず,その後の行程が長 期に渡り,かつ各国保険当局の認可を受けるに は更に莫大なコストがかかる。そのため製薬企 業はシーズを確保するための多様な試みを講じ てきた(Paul et al., 2010)。組織外からの技術 導入により,パイプラインのポートフォリオを 充足させようとしたのである。

2.2 イノベーションコンテスト

(1)製薬市場の特徴

知的財産権の売買,資本提携,買収といった 手法は,知的財産権が法制度により独占が認め

図 1 Chesbrough (2006, pp.3)の図より,筆者注記加筆 ライセンス供与

内部の 技術資源

技術資源外部の

技術導入

新規市場

既存市場 他社の市場

R(研究) D(開発)

組織間の技術 移転が前提

技術のスピンオフ

(3)

られ,市場取引により移転が可能であることが 前提とされて初めて機能する。イノベーション 実現のための投資は必ずしも充分な利益を回収 できるとは限らず,それ相応のリスクが伴うも のである。そのためイノベーションに対する投 資を誘引するために成果,すなわち特許などの 形で知的財産権の独占を認め,市場取引による 移転を通じた利益確定・回収の道が存在するこ とは重要である。

しかし知的財産権の独占を認めることでイノ ベーションに向けた取り組みを促進するという 手法をとれば,知的財産の内容が秘匿される。

イノベーターは利益を護るために,イノベー ションの質的情報 / 評判をコントロールするこ とも可能となる。それにより情報の非対称性が 発生し,市場メカニズム機能不全が引き起こす という非効率が生じる場合がある。これを避け るためには懸賞/コンテストを用いることが 有効であると指摘されてきた(Taylor, 1995;

Kremer & Williams, 2010;Chari et al., 2012)。

研究成果が利益創出可能性のあるイノベー ションに繋がる学術領域では,ピアレビューに よる査読を通じた評価システムの他に,懸賞を 設けたコンテストが実施されてきた(Brunt et  al, 2012)。

特にマーケットの不確実性が低く,技術的不 確実性が高い領域ではトライアルアンドエラー を前提としたプロジェクトが適切であり,マー ケットの不確実性が高く,技術的不確実性が低 い領域ではアイデアコンテストが適切であると される(Terwiesch & Xu, 2008)。

製薬はマーケットの不確実性が低く,技術的 不確実性が高い領域であるため,コンテストと いう手法を用いることは合理的だといえる。

(2) メガファーマによるイノベーションコン テスト

主に学術コミュニティの中で実施されてき たコンテストという手法に企業が積極的に取 り組むようになった。さきがけとなった事例

がメガファーマの 1 つである Eli Lilly による Innocentive である(Sawhney  et  al.,  2005;

Huston and Sakkab, 2006)。

2001 年に Eli Lilley は創薬を目的としたコ ンテストを運営するプラットフォームである Innocentive を創設した。このプラットフォー ムはウェブ上に開設されており,Eli Lilley 社 ともともと関係があった薬学・化学系の大学や 研究機関のみならず,広く門戸が開かれてい た。不特定多数の研究資源との協働を狙ったこ の試みはクラウドソーシングと呼ばれるように なる。Eli Lilley 社のみならず,他にも Bayer が Grants4Targets initiative と呼ばれるコンテ ストを開始するなど,世界の大手製薬会社が創 薬にクラウドソーシングを活用するという試み を採用するようになる(Lessl et al., 2011)。

米ハーバード・メディカルスクールでは,

2010 年に 1 型糖尿病をテーマとしたコンテ ストを実施し,多様な参加者による貢献へと 繋がった。この事例は医療分野におけるオー プンイノベーションの先端的な事例とされ,

Guinan et al.(2013)によって分析されてい る。この事例では,医学/薬学系以外の分野 からの応募,貢献を誘発することに成功して いる。また Harvard Clinical and Translational  Science Center ではオープン・ユーザー・イノ ベーションの専門家である Kevin J. Boudreau, 

Karim R. Lakhani らと共同でコンテストを展 開してきた(Boudreau & Lakhani, 2015)。

(3)イノベーションコンテストの設計 Boudreau & Lakhani(2013)は,問題設定 の適切さ:極めて挑戦的な技術的,分析,科学 的な課題,デザインの問題,クリエイティブ もしくは審美的なプロジェクトがコンテストへ の参加者数増加,参加者の意欲的な貢献につな がる要素だとしている。Jeppesen and Lakhani

(2010)は課題から離れた分野の専門家や業界 外,もしくは非主流派がコンテストにおいては 貢献することができると指摘する。

(4)

イノベーションコンテストは課題のみを提示 するものもあれば,提供された資源(データ等)

を活用して課題解決や開発を行うものもある。

後者の場合提供資源へのアクセスをどのように コントロールするかが設計において重要な要素 となるが,Boudreau(2010)はアクセスへの コントロールを完全に放棄すると成果へ貢献す る割合は減少するとしている。

インターネットが普及する以前は,コンテス トへの参加に制限を無くすことは,競争が激し くなることによって参加者数が逆に減少すると いった分析もあった(Taylor, 1995)が,現在 では提供資源へのアクセスに制限をかけないほ うが参加者数は増大する(Boudreau, 2010)た め,オープンなコンテストが増加している。ま た,課題から離れた分野の専門家や業界外,も しくは非主流派がコンテストにおいては貢献す るといった分析も出されている(Jeppesen & 

Lakhani, 2010)。

なおコンテストのように開発の途中段階にお ける知的財産の開示は既存の手法を改善する形 態での開発を効率化するが,実験や新たな技術 の探索の幅を狭めるという傾向にあるとする分 析も存在する(Boudreau & Lakhani, 2015a)。

また,成功可能性と研究供給の弾性により,最 適なインセンティブは異なる(Wright, 1983)。

そのため,適切な課題設定,参加者の条件設定 や募集要領,インセンティブ設計が,コンテス トの成功に必要である。

2.3 医療従事者によるイノベーション

(1)薬剤の用途拡大における臨床医の貢献 医薬開発の多くは,専門知識やインフラ,更 には法手続が必要なことにより,製薬メーカー や化学メーカーが主導的な立場となることがほ とんどである。もちろん自家 iPS 細胞由来網膜 色素上皮シート移植1)など,臨床医と研究医 が中心となって新たな治療法が開発される場合 も多いが,薬剤や医療機器・材料の開発は企 業,すなわちプロデューサーが主体となること

が多い。

そのような状況下においても薬剤の処方を決 定する臨床医,つまりユーザがイノベーション に貢献する場合もある。それが薬剤の認可外目 的使用,つまり特定の疾患や症状に対して使用 されるべきとされる薬剤の用途拡大である。特 に米国では 57%と,6 割近い認可外の効能発 見・使用を臨床の医師が担っているという調査 結果がある(DeMonaco et al, 2006)。

(2)イノベーションの適用範囲拡大の試み しかし臨床医の多くは多忙であり,コンプラ イアンスやインフォームド・コンセント順守の 要請に拘束される。そして臨床医に求められる のは第一に自身が担当する患者の治療である。

このような背景があることから,薬剤の用途外 利用を発見した医師が新たな用途での利用を広 める,つまりイノベーションの拡張を普及させ るためのインセンティブが存在しないことも指 摘されている(von Hippel et al., 2016)。

2.4 患者起点イノベーションとは

(1) 患者中心医療というコンセプトの確立まで の歴史

医療分野は医療従事者と患者間の情報の非対 称性が大きく,患者による自己決定権が優先さ れない場合がある,もしくは患者の感覚が尊重 されづらい領域である。また医療材料や製薬の 開発においても,高度な専門性が要求されるた め,患者のみならず,医療現場において処方・

操作する臨床医を含む医療従事者が開発に参加 しづらい状況にあった。

このような状況を改善し,医療行為の目標を 患者自身の Quality of Life(QOL)向上と定め,

実現を目指す動きが 20 世紀後半から出てきて いる。特に患者の主体性がより尊重される医療 サービス提供を目指す Patient-Centered (患 者中心)医療のコンセプトの導入が広がりを見 せている。医療現場における患者の権利確立な らびに主体性の獲得を目指した流れは,第二次

(5)

世界大戦後の戦後処理(主にナチスドイツの優 生学的人種迫害や人体実験に対する糾弾)の一 環として 1947 年に提示されたニュルンベルク 網領「被験者の承諾と選択」を受けて本格化し た。医療の当事者である世界医師会は翌年ジュ ネーブ宣言を採択し,その後も 1964 年のヘル シンキ宣言,1981 年のリスボン宣言などを通 じて患者の権利というコンセプトを確立させて いった(小林,2015)。

この患者中心医療というコンセプトをベース にしたイノベーション実現への試みの萌芽的 なものが,米国食品医療品局(U.S. Food and  Drug Administration:FDA) に よ る Patient- Focused Drug Development(PFDD)である。

PFDD では客観的な数値指標のみならず患者 報告アウトカム(Patient-Reported Outcome:

PRO)という患者自身の主観的な評価を新薬 の臨床評価の指標として重視するものである。

主観的ということは疾病の状態そのものよりも QOL の向上につながるかどうかがこれまでの 評価指標と比較して重視されることとなる。具 体的なアウトプットとしては,侵襲性の低い医 療技術や機器・材料の開発,病棟環境の改善,

更には慢性疾患の患者の場合日常生活の改善に 寄与するツール開発などが目指される。

(2) 患者中心医療から,イノベーションの源泉 としての患者へ

患者中心医療は,その成果を患者の主観的な 評価で測定する。QOL という定性的な指標で は,患者自身のニーズをいかに引き出すかが 重要なポイントとなる。このような観点から 患者をどのようにイノベーションに関与させ るかが重要な観点となってきた(Shaw, 1985;

Kuenne et al., 2013)。 主 観 的 な 評 価 で あ る QOL を高めるには,患者自身がイノベーショ ンのプロセスに関与することが必要となる。患 者のイノベーションプロセスへの関与形態に はその程度によってユーザ参加型デザインと Patient Innovation(患者起点イノベーション)

に分類される。

(3)ユーザ参加型のデザイン

患者の QOL 向上のために,多様な形態でイ ノベーションプロセスに患者を関与させる試 みが進められてきた(Alam, 2002)。開発を製 品・サービス開発の専門家が主導し,開発プ ロセスに患者=ユーザが参加する形のユーザ 参加型デザイン(Wu & Richards, 2005)が医 療従事者やツール等の設計者が注目しにくい日 常生活の問題を解決するために用いられてきた

(Kanstrup et al., 2008;Skeels et al., 2010)。こ の場合,新たな機器やソフトウェアなど専門家 の開発に患者が参加するというタイプ(Boyd- Graber et al., 2006;Piper et al., 2006;Wu & 

Richards, 2005)もあれば,糖尿病などの慢性 疾患(Kanstrup et al., 2008)や乳癌など予後 長期間 QOL 向上のために戦わなければならな い患者に対する支援(Ballegaard et al., 2008;

Skeels et al., 2010)などで活用されている。

(4)患者起点イノベーション

ユーザ参加型デザインが,専門家やメーカー が主導するプロセスにおいて患者の意見やアイ デアを反映させるといった側面が強いのに対 し,患者自らのアイデアや実践をイノベーショ ンとして普及させていこうとするものが患者起 点イノベーションである。

研究の文脈においては,患者起点イノベー ションはユーザーイノベーション(von Hippel,  1976)の一領域として分析されている。ユー ザーイノベーション研究においてはこれまで,

リードユーザー(von Hippel, 1988)と呼ばれ る特に先進的なユーザ層がユーザーイノベー ションの源泉として有力とされてきたが,採用 遅滞者(ラガード)も充分イノベーターとして の役割を果たすことが示されており(Essén & 

Östlund, 2011),患者自身によるイノベーショ ンの創出は,Patient Innovation(患者起点イ ノベーション)と呼ばれている。

(6)

患者起点イノベーションのメカニズム解明や 普及に向けた試みは各国に広がっている。ポ ルトガルでは大統領府と複数の大学によって 患者起点イノベーション振興のコンソーシア ムが設立されている2)。また,米国 University  of Pittsburgh Medical Center は Patient and  Family Centered Care Innovation Center を設 置している3)

2.5 各分野における構造の違い

製薬におけるイノベーション,つまり創薬は 化学物質を発見,もしくは合成し,その効果と 安全性を検証するというプロセスを踏む。物質 の発見・合成は臨床の現場から離れて実験室に おいて行われることが多く,従事することがで きる者も化学・生命工学分野の専門家に限られ る。

一方,臨床の現場で用いられる医療機器・材 料については,医師やコメディカルスタッフの 創意工夫が供給メーカーにフィードバックされ ることも多い。また,患者に対する侵襲性を軽 減したり QOL を向上させたりする手法や用具 の開発については,患者やその家族の意見や創 意工夫が重要視される傾向にある。

言い換えると創薬分野ではイノベーションに 携わるステークホルダーが狭い範囲に限定され るのに対し,それ以外の分野では広い範囲のス テークホルダーが関与することができる。す なわち,創薬分野ではイノベーションのシー ズを開発・保有する主体同士がそれを譲渡す るという狭い意味でのオープンイノベーショ ン(Chesbrough, 2003)における手法や関与主 体の探索が志向されるのに対し,他の分野では 医療従事者や患者とその家族といった機器や サービスの使用者・受益者自身によるイノベー ション,つまりユーザーイノベーション(von  Hippel, 1976)の創出が志向される傾向にある。

ユーザーイノベーションの領域では,財・

サービスの最終消費者 / 使用者を「ユーザ」,

財・サービスの量産を担う主体(主に企業)を

「プロデューサー」として規定している。また イノベーションの普及には,ユーザが生み出し たイノベーションがプロデューサーによって採 用され,ユーザ・プロデューサー間のインタラ クションによってブラッシュアップしていくこ とを想定している。

しかし,病室から外に出ることが困難な症例 に悩む患者や,自宅療養であっても対外的なコ ミュニケーションに制限がある患者も多い。ま た,症例数が少ない疾患である場合,市場規模 が小さいためにプロデューサーが積極的に商業 化に取り組まない,ターゲットに対するアプ ローチが困難であるなどという普及に対する障 壁が存在する。イノベーションの普及における 医療分野特有の障壁を解消することも求められ る。

なお Boudreau & Lakhani(2013)は,オー プンイノベーションを達成するための手法を大 きく 1)市場取引によるマッチング,2)イノ ベーションコンテスト,3)補完財供給者との 協業,4)(ユーザー)コミュニティによる協働 に分類している。本論文では日本国内における 2)〜 3)というオープンイノベーションの中で も新たな手法による試みを紹介・分析する。

3.日本における取り組み 3.1 日本の製薬企業の試みと課題

日本国内の製薬企業も,オープンイノベー ションに対する試みを活発に行っている。特 にイノベーションコンテストについては,多 くの大手製薬会社が毎年実施している(表 1)。

しかし,Guinan et Al.(2013)や Boudreau & 

Lakhani(2015b)によって分析されてきたよ うな,イノベーションの源泉をこれまで共同研 究を実施してきた大学の化学系研究室から積極 的に拡大するといった施策にはつながっていな いようである。

(7)

3.2 広島大学歯学部アイデアソン

(1)背 景

このような状況を打開すべく,臨床医発のイ ノベーションを促進するための試みが行われて いる。その 1 つに広島大学歯学部にて,「バイ オデンタル教育:多様な専門性を持つチームで の課題発見・解決型教育」というプロジェクト が実施されている。

このプロジェクトでは,歯学科,口腔保健学 専攻,口腔工学専攻の留学生を含んだ学部生を 対象に,4 日間にわたるアイデアソンを実施し ている。

(2)ハッカソン・アイデアソン

ハッカソンとは Hack と Marathon から創ら れた造語である。同じ場所に異分野のエンジ ニアやデザイナーが集まり共同作業すること により効率的に新たな解決策を生み出す手法

(Jones et al., 2015;Trainer et al., 2016)であ る。この手法はオープンデータ活用のような社 会課題(van Waart et al., 2015)やアートなど 文化的な課題(Briscoe & Mulligan, 2014)な ど,幅広い領域で用いられている。

ハッカソンは冒頭に,もしくは開催事前の参 加者募集段階で課題や,用いるべき言語・ツー ルなどが提示される。参加者は最初にチームを 組み,アイデアを出し合って開発する内容を定 め,分担して開発する。制限時間内で開発され たプログラムやアプリケーションの品質と,ア イデアの質で評価がなされ,表彰される。参加 するエンジニアやデザイナーは,優秀グループ

が受領する商品・賞金だけでなく,共同作業す るエンジニアやデザイナーとのコミュニケー ションや,共同作業を通じて得られる知見が参 加のインセンティブとなっている。

ハッカソンの前半部分,グループを組んでの アイデア出しまでの部分を切り出したものがア イデアソンである。コーディング等のパートが 除かれることにより,ソフトウェア開発以外の 領域にも適用可能となる。

広島大学歯学部の取り組みは,「歯科医療の 向上」というテーマでアイデアソンを実施して いる。参加者はチーム内でのブレインストーミ ングのみならず,市中のクリニックでのフィー ルドワークを実施し,臨床医やコメディカルス タッフに対して取材を行った上でアイデアを提 出している。

(3)今後の課題

広島大学歯学部の取り組みは,学部生を対象 としたものである。そのため,即座に臨床医に よるイノベーション創出に寄与するものとはい えない。しかし,将来臨床医として勤務する学 生に,イノベーション創出のためのアントレプ レナーシップマインドをもたせるという点で,

意義のある試みだといえよう。

今後はこのような試みが臨床医ならびにコメ ディカルスタッフへと適用されていくことが,

医療従事者起点のユーザーイノベーションの活 性化のためには重要である。

表 1 日本の製薬企業が実施するイノベーションコンテスト

企業名 プログラム名称

アステラス製薬 ・a-cube

塩野義製薬 ・FINDS

第一三共 ・TaNeDS

武田薬品工業 ・Co-Create Knowledge for Pharma Innovation with Takeda (COCKPI-T)

・ Recruit Innovative Ideas to Generate Original Targets Takeda(RINGO-T)

大日本住友製薬 ・PRISM

(8)

3.3  入院患者向けカタログギフトによるイノ ベーション普及に向けた試み

(1) QOL 向上の阻害要因克服のためのカタログ ギフト

患者起点イノベーション,特に難病患者や長 期療養中の患者に向けたイノベーションは,一 般的なオープンイノベーションと比較して 2 つ の障壁を抱えている。1 つは,イノベーション の便益を享受できる想定顧客の数が少なく,か つ経済的に厳しい状況にある場合が多いことで ある。小さなターゲットセグメントに特化する というプレミアム戦略は,特殊なニーズを満た すためにより多くの金額を支出するという顧客 が存在して初めて成立する。しかし疾患によっ て患者のニーズは多様である上に,患者自身が 就労できない上に医療費支出がもとより大きい という状況に陥っている場合が多い。もう 1 つ の障壁は,ターゲットセグメントが病院や自宅 から外出するのが困難であるなどの要因から,

イノベーションに関する情報流通が容易ではな いことである。

このような障壁を乗り越え,医療サービスの 最終的な受益者である患者起点イノベーション

(Patient Innovation)や,イノベーションを継 続して実現するスキームを確立することを目的 として開発が進められているのがお見舞用カタ

ログギフトである。

お見舞用カタログギフトには,ウェットスー ツ素材の低温やけどしにくい湯たんぽ(図 2)

や誤飲しても問題がない歯磨きペースト(図 3)

など,患者起点イノベーションによって生み出 された製品を含む患者の QOL 向上に寄与する 製品が収録されている。販売商品以外には,闘 病経験者の体験談など,入院患者や闘病中の患 者に役立つ情報記事も掲載されている。

(2) 患者起点イノベーションとしてのカタロ グギフト

このお見舞患者向けカタログギフトは,ガン 患者向けに闘病生活に必要な情報提供や,専門 家とのマッチング・患者間情報交換を支援する 非営利団体である,一般社団法人 CAN net の 事務局長である千葉直紀氏が入院中の 2010 年 9 月に着想した。当時千葉氏は心臓疾患で入院 しており,「どうしようもない葛藤,この先一 生病気と付き合っていく先の見えない不安,手 術の痛み,入院生活の不便さ」(千葉,2016)

を感じていた。また周囲の長期に渡り入院する 患者の生活を見て,不便さを解消するニーズを 痛感した。そのような経緯から,「病気経験を した人が『入院中,こんなものが役に立った』

という商品や,『つらいときにこんなことを考 図 2 ウェットスーツ素材の低温やけどしにくい湯たんぽ4)

(9)

えていた』という声を集めた,お見舞い用のカ タログギフト」(千葉,2016)というアイデア を思いつくに至った。つまり,カタログギフト はそれ自体が患者起点イノベーションなのであ る。

(3)商品選定基準

カタログに掲載する商品は,企画立案者であ る千葉氏自らがギフト製品の見本市に出向いて 選定したり,CAN net のメンバーに対するア ンケートやヒアリング(商品選定会)等を通じ て選定されている。商品選定会では評価のポイ

ント(表 2)が提示され,基本的には「入院経 験者や医療者(入院している人をたくさん見て いる)の視点から,入院したときにもらって嬉 しいもの,入院したときにあったらいいなと思 うもの6)」が選定基準とされている。また,

入院したときにあったらいいなと思うア イテムの中には,作り手ご自身や家族が病 気をされてその経験を活かしたものづくり をされている方たちがいますので,彼ら のアイテムなどは積極的に掲載していま 7)

図 3 誤飲しても問題がない歯磨きペースト5)

表 2 第 1 回商品選定会でのチェックポイント 用紙による

質問項目

あなたの大切な友人のお見舞いに,この商品を贈りたいと思いますか?(5 段階評価)

あなたが入院・自宅療養中,この商品をもらいたいですか?(5 段階評価)

モデレータに よる分析項目

贈りたい理由 贈りたくない理由 欲しい理由 欲しくない理由

お見舞い品として品質,素材,デザイン,使いやすさ,機能などについての意見 お見舞い品として価格イメージ的な満足感はあるか(安っぽくみえないか)

どんなシーンで使いたいですか?

この商品の一番評価するポイント

この商品の一番問題・課題と感じるポイント

「同じアイテムでももっとこういう商品だったら,欲しくなる,贈りたくなる」という ポイント

(10)

と千葉氏が語るように患者起点イノベーション による製品を積極的に取り上げる方針となって いる。

(4) 患者からのフィードバックメカニズムの 形成

これまでも千葉氏が所属する CAN net では,

患者に対する情報提供を続けてきたが,カタロ グギフトの発行に乗り出すことによってメー カーと直接コミュニケーションできるチャネル が創出されたことにより,ユーザのアイデアや 評価をメーカーに届けることができるように なった。例えば以下のようなフィードバックが 実際になされている。

営業の時に,「御社のアイテムをこのよ うに使ったら便利だった」(例:タオル メーカー営業時は,体に巻くタイプのタオ ルが病室での着替えに重宝したという声),

「病気経験者の声を聞いていて,こんなも のがあったら良いかもしれない」(例:ス トマ(人工肛門)のカバーがおしゃれだっ たらいいという声)などはお伝えしていま 8)

このように,定例的なフィードバックメカニ ズムが形成され,メーカーの製品開発・改良が 促進されるという効果が現れている。

(5)今後の可能性とクリアされるべき課題 エンドユーザー同士の自発的なイノベーショ ンの共有は普及に大きな影響を与える(Franke 

& Shah, 2003)が,入院中の患者間でそれは難 しい。普及に必要となる分断された市場を統合 し,製品とニーズとをマッチングする手法とし て,入院患者向けカタログギフトは有力な解決 策といえよう。また,入院患者向けカタログギ フトは,それ自身が患者起点イノベーションで もある。

商品選定に患者が参加し,患者によるニー

ズや創出された新たな用途がフィードバック されるなど,カタログギフトはユーザと企業 との協働による Open Collaborative Innovation

(Baldwin & von Hippel, 2011)の実現にも寄与 している。

カタログギフトは 2016 年 9 月に第一号が刊 行されたばかりである。患者支援団体による企 画・制作ということで,闘病患者のニーズを踏 まえた商品選定とメーカーに対するフィード バックは実現できているものの,イノベーショ ンの普及に貢献するという試みとしての成否は まだ判別できない。患者向けカタログギフトと いう試みがどのような帰結を迎えるのか,また 結果に導いた要因を継続的に分析することによ り,患者起点イノベーションの普及を実現する 要因の抽出が実現可能になると考える。

4.結論と今後の課題

日本における医療・ヘルスケア分野でのイノ ベーションの源泉を拡張する試みは,製薬企業 におけるイノベーションコンテストの導入,大 学薬学部における医療従事者向けイノベーショ ン教育の実施,患者起点イノベーションによる イノベーション普及障壁解消に向けた試みと,

多様な展開がなされている。特に製薬企業にお けるイノベーションコンテストは,多くの大手 企業が定例的に実施しているなど,日本におい ても定着したといってよいであろう。しかし,

参加者の多様性を高める試みが活発に行われて いるというわけではなく,イノベーションの源 泉を拡張しているというよりは,イノベーター に対するインセンティブ設計を改めているとい う側面が強いと考えられる。今後コンテストの 実施形態や設計の変革を通じた参加者の多様化 に取り組まれることが期待される。

医療従事者自らをイノベーションの源泉とす る試みは,医療従事者の業務が多忙かつミッ ションクリティカルであることから,なかなか 取り組まれてこなかった。学部学生向けとはい え,大学病院が関与する形で教育を目的とした

(11)

イノベーションコンテストの実施は革新的なこ とである。プログラム参加者が卒業後,医師と して業務を担うようになってから,イノベー ションの源泉として活躍できるかどうか,取り 組みの成果と促進・阻害要因抽出のための追跡 調査分析が求められる。

入院患者向けカタログギフトは,患者起点イ ノベーションの普及を目指す患者起点イノベー ションであり,画期的な試みであるといえる。

しかし,患者起点イノベーション普及のハード ルは高く,この試みがどこまで成功するかは未 知数である。引き続きプロジェクトの分析を行 い,患者起点イノベーション普及のための要因 抽出に努めたい。

謝 辞

本研究は,一般財団法人島原科学振興会の研 究助成にて実施された。財団ならびに関係者の 皆様に深くお礼申し上げたい。また調査に協力 いただいた一般社団法人 CAN net 代表理事の 杉山絢子先生,理事・事務局長の千葉直紀様,

広島大学産学・地域連携センター三好健一先 生,川瀬真紀先生,鈴藤正史先生,広島大学大 学院医歯薬保健学研究院の古庄寿子先生にもお 礼申し上げたく思います。

1) 理化学研究所と先端医療振興財団,神戸市立医 療センター中央市民病院によるプロジェクト は,既に治験を実施している。(参照:「滲出型 加齢黄斑変性に対する自家 iPS 細胞由来網膜色 素上皮シート移植に関する臨床研究」における 第一症例目の移植手術の経過について:理化学 研究所プレスリリース http://www.riken.jp/pr/

topics/2015/20151002̲1/ 2016 年 6 月 10 日閲覧)。

2) コンソーシアムのウェブサイト:https://patient- innovation.com/(2016 年 6 月 10 日閲覧)。

3) センターのウェブサイト:http://www.pfcc.org/

(2016 年 6 月 10 日閲覧)。

4) ヘルメット潜水株式会社ウェブサイトの製品紹 介 ペ ー ジ http://www.cloz.co.jp/yutanpo.html

(2016 年 9 月 17 日閲覧)。

5) オーラルピース製品紹介ウェブサイト http://

oralpeace.com/lineup(2016 年 9 月 17 日閲覧)。

6) 千葉氏メールインタビュー(2016 年 5 月 11 日)。

7) 千葉氏メールインタビュー(2016 年 5 月 11 日)。

8) 千葉氏メールインタビュー(2016 年 5 月 11 日)。

参考文献

Alam, I (2002) “An exploratory investigation of user  involvement  in  new  service  development,” 

Vol.30, No.3, pp.250-261.

Ballegaard, S. A., T. R. Hansen & M. Kyng (2008,  April). 

“Healthcare in everyday life: designing 

healthcare services for daily life,” In Proceed- ings of 

, pp.1807-1816.

Boudreau, K. J., & K. R. Lakhani (2013). 

“Using the 

crowd  as  an  innovation  partner,” 

, Vol.91, No.4, pp.60-69.

Boudreau, K. J., & K. R. Lakhani (2015a). ““Open” 

disclosure of innovations, incentives and follow- on  reuse:  Theory  on  processes  of  cumulative  innovation and a field experiment in computa- tional  biology”.  ,  Vol.44,  No.1,  pp.4-19.

Boudreau, K. J., & K. R. Lakhani (2015b). “Innovation  Experiments: Researching Technical Advance,  Knowledge Production and the Design of Sup- porting Institutions,” 

, 16-001.

Boyd-Graber, J. L., S. S. Nikolova, K. A. Moffatt, K. C. 

Kin, J. Y. Lee, L. W. Mackey, M. M. Tremaine & 

M. M. Klawe (2006, April) “Participatory design  with proxies: developing a desktop-PDA system  to support people with aphasia”, In Proceedings  of   

, pp.151-160.

Briscoe, G. & C. Mulligan (2014) “Digital Innovation: 

The Hackathon Phenomenon,” 

, No.6.

Brunt, L., J. Lerner & T.Nicholas (2012). “Inducement  prizes  and  innovation”

, Vol.60, No.4, pp.657-696.

Chari, V. V., M. Golosov & A. Tsyvinski (2012) “Prizes  and patents: Using market signals to provide  incentives for innovations,” 

, Vol.147, No.2, pp.781-801.

Chesbrough,  H.  (2003) 

, Harvard Business Press.(大前恵一朗訳

(2004)『OPEN INNOVATION ―ハーバード流

(12)

イノベーション戦略のすべて』産業能率大学出 版部)

Chesbrough, H. (2006) “Open innovation: a new para- digm for understanding industrial innovation”, 

pp.1-12.

Chesbrough,  H.,  &  M.  Bogers  (2014) “Explicating  open innovation: Clarifying an emerging para- digm  for understanding  innovation,”  In  Ches- brough, H. and Bogers, M. (Eds.) 

, Oxford University Press.

DeMonaco, H. J., A. Ali & E. von Hippel (2006) “The  Major Role of Clinicians in the Discovery of Off

‐Label  Drug  Therapies,” 

, Vol.26, No.3, pp.323-332.

Essén, A., & B. Östlund (2011). “Laggards as innova- tors? Old users as designers of new services & 

service systems”,  , Vol.5, No.3, pp.89-98.

Franke,  N.,  &  S.  Shah  (2003) “How  communities  support innovative activities: an exploration of  assistance and sharing among end-users.” 

, Vol.32, No.1, pp.157-178.

Guinan, E., K. J. Boudreau & K. R. Lakhani (2013) 

“Experiments in Open Innovation at Harvard 

Medical School,” 

, Vol.54, No.3, pp.45-52.

Huston, L., and N. Sakkab (2006) “Connect and de-

velop,”  , Vol.84, No.3, 

pp.58-66. 

Jeppesen, L. B., & K. R. Lakhani (2010) “Marginality  and problem-solving effectiveness in broadcast  search,”  ,  Vol.21,  No.5,  pp.1016-1033.

Jones, G. M., B. Semel & A. Le  (2015) “There’s no  rules. It’s hackathon: Negotiating Commitment  in  a  Context  of  Volatile  Sociality,” 

, Vol.25, No.3, pp.322-345.

Kanstrup,  A.  M.,  P.  Bertelsen,  M.  Glasemann  & 

N.  Boye  (2008) “Design  for  more:  an  ambient  perspective on diabetes.” In Proceedings of

, pp.118-127.

Kremer, M. & H. Williams (2010) “Incentivizing in- novation:  Adding  to  the  tool  kit,”  In  Lerner,  J., & S. Stern (Eds.), 

  (pp.1-17).  University  of  Chicago Press.

Kuenne, C. W., K. M. Moeslein & J. Bessant (2013) 

“Towards Patients as Innovators: Open Innova-

tion in Health Care,” In Mukhopadhyay, C., K.B. 

Akhilesh, R. Srinivasan, A. Gurtoo, P. Ramach- andran, P.P. Iyer, M. Mathirajan, & M. B. Sub- rahmanya (eds.) 

,  pp.315-327,  Springer Science & Business Media.

Laroia, G. & S. Krishnan (2005) “Managing drug dis- covery alliances for success,” 

, Vol.48, No.5, pp.42-50.

Lessl,  M.,  J.  S.  Bryans,  D.  Richards  &  K.  Asadul- lah (2011) 

“Crowd sourcing in drug discovery,” 

,  Vol.10,  No.4,  pp.241-242.

Melese, T., S. M. Lin, J. L. Chang & N. H. Cohen (2009) 

“Open innovation networks between academia 

and industry: an imperative for breakthrough  therapies,”  ,  Vol.15,  No.5,  pp.502-507.

O’Mahony, S., & B. A. Bechky (2008) “Boundary or- ganizations: Enabling collaboration among unex-

pected allies”, 

Vol.53, No.3, pp.422-459.

Paul, S. M., D. S. Mytelka, C. T. Dunwiddie, C. C. 

Persinger, B. H. Munos, S. R. Lindborg & A. L. 

Schacht (2010). “How to improve R&D produc- tivity: the pharmaceutical industry’s grand chal-

lenge,”  ,  Vol.9, 

No.3, pp.203-214.

Piper, A. M., E. O’Brien, M. R. Morris & T. Wino- grad (2006, November) 

“SIDES: a cooperative 

tabletop  computer  game  for  social  skills  de- velopment,” In Proceedings of 

, pp.1-10.

Schuhmacher,  A.,  P.  G.  Germann,  H.  Trill  &  O. 

Gassmann (2013) “Models for open innovation in  the pharmaceutical industry,” 

, Vol.18, No.23, pp.1133-1137.

Sawhney, M., G. Verona and E. Prandelli (2005) “Col- laborating to create: The Internet as a platform  for  customer  engagement  in  product  innova-

tion,”  , Vol.19, 

No.4, pp.4-17. 

Shaw, B. (1985). “The role of the interaction between  the user and the manufacturer in medical equip- ment  innovation,”  ,  Vol.15,  No.4, pp.283-292.

Skeels, M. M., K. T. Unruh, C. Powell & W. Pratt  (2010) 

“Catalyzing  social  support  for  breast 

(13)

cancer patients”. In Proceedings of  , pp.173-182.

Taylor, C. (1995) “Digging for Golden Carrots: An  Analysis of Research Tournaments,” 

, Vol.85, No.4, pp.872-890.

Terwiesch,  C.,  &  Y.  Xu  (2008) “Innovation  con- tests, open innovation, and multiagent problem  solving”.  ,  Vol.54,  No.9,  pp.1529-1543.

Trainer,  E.  H.,  A.  Kalyanasundaram,  C.  Chai- hirunkarn,  &  J.  D.  Herbsleb  (2016). “How  to  Hackathon: Socio-technical Tradeoffs in Brief,  Intensive  Collocation,”  In  Proceedings  of 

pp.1118-1130.

van  Waart,  P.,  I.  J.  Mulder,  &  C.  De  Bont  (2015) 

“Participatory prototyping for future cities,” In 

Proceedings of 

, pp.337-343.

von Hippel, E. (1976) “The dominant role of users in  the  scientific  instrument  innovation  process,” 

. Vol.5, No.3, pp.212-239.

von Hippel, E. (1988)  , Ox-

ford University Press.(榊原清則訳(1991)『イ ノベーションの源泉』ダイヤモンド社)

von Hippel, E., H. J. DeMonaco and J.P.J. de Jong  (2016) “Market Failure in the Diffusion of User  Innovations: The Case of ‘Off-Label’ Innovations  by  Medical  Clinicians,”  (SSRN: http://ssrn.com/abstract=2275562).

Wright,  B.  D.  (1983) 

“The  economics  of  inven-

tion  incentives:  Patents,  prizes,  and  research 

contracts,” 

Vol.73, No.4, pp.691-707.

Wu, M., R. Baecker & B. Richards (2005) “Participa- tory design of an orientation aid for amnesics.” 

In Proceedings of 

, pp.511-520. 

小 林 和 道(2015)「Patient-Centered の 促 進 に 伴 う Patient Reported Outcome の 新 薬 開 発 へ の 適 用に関する研究」『医薬産業政策研究所 リサー チペーパー・シリーズ』No.64,医薬産業政策 研 究 所.http://www.jpma.or.jp/opir/research/

rs̲064/paper̲64.pdf. 

千葉直紀(2016)「『お見舞いギフトブック』開発も のがたり」『カタログギフト第 1 号』GIFTRee.

参照

関連したドキュメント

および皮膚性状の変化がみられる患者においては,コ.. 動性クリーゼ補助診断に利用できると述べている。本 症 例 に お け る ChE/Alb 比 は 入 院 時 に 2.4 と 低 値

ヒュームがこのような表現をとるのは当然の ことながら、「人間は理性によって感情を支配

ヨーロッパにおいても、似たような生者と死者との関係ぱみられる。中世農村社会における祭り

わかりやすい解説により、今言われているデジタル化の変革と

賞与は、一般に夏期一時金、年末一時金と言うように毎月

第一の場合については︑同院はいわゆる留保付き合憲の手法を使い︑適用領域を限定した︒それに従うと︑将来に

ご使用になるアプリケーションに応じて、お客様の専門技術者において十分検証されるようお願い致します。ON

ご使用になるアプリケーションに応じて、お客様の専門技術者において十分検証されるようお願い致します。ON