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文教大学教育学部紀要NO49

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(1)

― 133 ―

小中連携からみる体育・保健体育のあり方について

─運動領域の系統性を中心に─

加藤 純一

A Study of Teaching Methods in Elementary School and Junior High School

Collaboration in Physical Education:

Focusing on the System of Sport Competence

Junichi KATO

要旨 平成 27 年 6 月に参議院本会議にて「小中一貫教育を行う新たな学校の種類の制度化」が盛り込 まれた「学校教育法の一部を改正する法律案」が可決,成立し,平成 28 年 4 月から「義務教育学校」 が新たな学校の種類として規定された.本稿ではまず,この法律案が成立するまでの過程について時系 列的に整理を行った.また,この小・中学校の一貫教育,あるいは連携といった視座は,今後より重視 されていくことが推察される.そこで,本稿では体育・保健体育の教科を取り上げ,そこにみる運動領 域が小学校から中学校へとどのように系統立てられて展開しているのかを明らかにした.小学校段階で 終わり中学校には続かない技,似たような表現ではあるが内容的には異なるもの,さらには中学校初出 の運動などは小学校段階でどのように対処すべきなのか,などについても言及した.今後の小・中学校 の連携が進む中で学習課題の共有という視座の一助になればと考えている. キーワード : 義務教育学校 小中の連携 武道的身体感覚 指導系統 中 1 ギャップの解消

1. はじめに

平成 27 年 6 月 17 日,参議院本会議において「小

中一貫教育を行う新たな学校の種類の制度化」と

「高等学校等専科修了生の大学への編入学」を骨

子とする「学校教育法の一部を改正する法律案」

が可決,成立し,平成 28 年 4 月から施行される

ことになった.この法案の成立により,現行の小・

中学校に加えて小学校から中学校の義務教育を一

貫して行う「義務教育学校」が新たな学校の種類

として規定されたことになる.

ところで,平成 24 年 7 月に開催された初等中

等教育分科会の第 80 回会議における配布資料「小

中連携,一貫教育に関する主な意見等の整理」の

なかに,学校現場での中 1 ギャップの実態があげ

られ,その原因として「小学校から中学校に進学

かとう じゅんいち 文教大学教育学部学校教育課程体育専修

する際の接続が円滑なものとなっていないこと」

や,学習指導面に関して「各児童生徒の小学校時

点における学習上の課題を中学校と十分に共有さ

れていない」ことなどが指摘されている

1)

.小学

校での学習が中学校のどこに繋がりどのように展

開していくのかを知っておくことは,小中一貫教

育や校種間での連携を行なっていく上では求めら

れるべきこといえる.小・中学校の円滑なる接続

と学習上の課題が共有できれば,自ずと学習指導

面で起こる中 1 ギャップは解消されていくだろう.

しかし,このような円滑なる接続や課題の共有

は,教員の前向きな取組があってこそである.同

資料によれば,小中連携を進めようとするねらい

として「学習指導上の成果をあげるため(95%)」

「教職員の指導力の向上につなげるため(82%)」

があげられているが,一方で取組の課題としては

「指導計画の作成が困難(30%)」「小中の教職員

間での打ち合わせ時間の確保が困難(75%)」「教

(2)

― 134 ―

を相互に共有するということになるからである.

そこで,本論ではこのような視点から小・中学

校における教科の 1 つである体育・保健体育がど

のような関連性をもち,系統立てられて学習が進

展していくのかを明らかにすることとした.これ

により,小中の一貫教育や連携といった視座から

の,学習指導上における系統性が明確になるもの

と考えている.

2. 文部科学省審議会ならびに

作業部会等の動き

ここでは,平成 27 年 6 月に参議院本会議におい

て可決,成立した「学校教育法の一部を改正する

法律案」に至るまでの審議会や作業部会等で,小

中一貫教育についてどのように取り扱われてきた

かという経緯をまとめることにする.本来であれ

ば,それぞれの会議において議論された内容にま

で踏み込んで考察すべきところではあるが,今回

はそれが本稿の主旨から外れると判断し,別稿に

譲ることとした.したがって,およそ時系列的に

どの会議でどのような内容の議論があり,それが

どういった形で結実していったかという会議の流

れの確認にとどめたことをあらかじめ断っておく.

平成 17 年 10 月,中央教育審議会の「新しい時

代の義務教育を想像する(答申)」を見ると,そ

こには「研究開発学校や構造改革特別区域などに

おける小中一貫教育などの取組の成果を踏まえつ

つ,例えば,設置者の判断で 9 年生の義務教育学

校を設置することの可能性やカリキュラム区分の

弾力化など,学校種間の連携・接続を改善するた

科会に「小・中学校の配置・運営の在り方等に関

する作業部会」が設置される(平成 20 年 7 月).

これは平成 20 年 6 月の初等中等教育分科会の第

61 回会議の「学校段階間の連携・接続等について」

において,「教育基本法及び学校教育法の改正に

より義務教育の目的や目標が規定されたことを踏

まえ,小学校と中学校の一貫教育等を含めた連携・

接続の在り方(後略)」

5)

を検討していくとしたこ

とを受けてのことである.同作業部会はその後会

議を重ね,第 12 回会議(平成 21 年,3 月)に「小

学校と中学校の連携など」として意見が整理され,

「市町村が適正配置について検討を行う上で,小学

校と中学校の連携・接続を円滑にするという観点

も重要なポイントである」「地域によっては,複数

の小学校・中学校でのつながりを強め,教育効果

を高めることをねらいとしたり,統合を機に小・

中学校を同一敷地内に建て替えることなどにより,

より緊密な連携・接続を可能としようとしている

こともある.このように,小・中学校それぞれの

規模を確保するための横の統合だけではなく,義

務教育の 9 年間全体を見通して,小学校と中学校

の連携・接続を改善することで,一定の規模を確

保し,教育効果を高める「縦」の統合を進めるこ

とも,一つの方策である」と述べるに至る

6)

.この

「小・中学校の配置・運営の在り方等に関する作

業部会」で集約された意見は,初等中等教育分科

会の第 66 回会議(平成 21 年 7 月)に「作業部会

からの報告」として上げられている

7)

ところで,平成 22 年 11 月に初等中等教育分科

会の中に「学校段階間の連携・接続に関する作業

(3)

― 135 ―

小中連携からみる体育・保健体育のあり方について

部会」が設置され,16 回の会議のなかで小中連携,

小中一貫教育について意見交換がおこなわれる.

複数回のヒアリングを経て,第 13 回会議(平成

24 年,3 月)で「小中連携,一貫教育の成果と課

題について」として本部会での検討事項が確認さ

8)

,第 16 回会議(同,6 月)では最終意見調

整が行われ,議論に区切りをつける

9)

.この意見

書は初等中等教育分科会の第 80 回会議(平成 24

年 7 月)で取り上げられ,「小中連携,一貫教育

に関する意見等の整理」として「小・中学校間の

連携・接続に関する現状,課題認識」「小中連携,

一貫教育の推進について」

「義務教育学校制度(仮

称)創設の是非について」といった形で議論が展

開していく

10)

その初等中等教育分科会での第 81 回会議(平成

24 年,8 月)において,「小中一貫教育に関わる

教育課程の基準の特例について」

11)

ならびに「小

中連携,一貫教育に関する主な意見等の整理に関

する意見募集の結果」

12)

について報告がおこな

われる.また,第 92 回会議(平成 26 年 10 月)

では「小中一貫教育の制度化に関する審議経過と

今後のスケジュール」

13)

が示され,小中一貫教

育の制度設計の基本的方向性と総合的な推進方策

が「論点メモ」

14)15)

としてだされる.

一方で,教育再生実行会議の第 5 次提言(平成

26 年 7 月)には「今後の学制等の在り方について」

において「小中一貫教育を制度化するなどの学校

段階間の連携,一貫教育を推進する」とあり,学

力向上や中 1 ギャップの緩和などの効果を指摘し

た上で,この取組の検討を促している

16)

平成 26 年 8 月,初等中等教育分科会の下に「小

中一貫教育特別部会」が立ち上げられる.教育再

生実行会議の提言や学校段階間の連携・接続等に

関する作業部会の意見等を基に,同年 12 月まで

に 8 回の会議が開催さる.その第 7 回会議(同,

10 月)では「小中一貫教育の制度化及び総合的

な推進方策について」として議論さる

17)

.この「審

議のまとめ」は,初等中等教育審議会の第 93 回会

議(同,11 月)に諮られ,さらに同年 11 月に開催

された中央教育審議会の「初等中等教育における

教育課程の基準等の在り方について(諮問)」

18)

を経て,同年 12 月の「子供の発達や学習者の意欲・

能力等に応じた柔軟かつ効果的な教育システムの

構築について(答申)」の第 1 章に「小中一貫教

育の制度化及び総合的な推進方策について」とし

て結実する

19)

なお,学校施設の在り方に関する調査研究協力

者会議のなかの「学校施設の在り方に関する調査

研究協力者会議」の下に設置された「小中一貫教

育推進のための学校施設部会」は平成 25 年 2 月

に第 1 回会議を開催後,小中一貫推進のための学

校施設の在り方を検討してきている.その第 7 回

会議(平成 27 年 2 月)において「小中一貫教育

に適した学校施設の在り方について 〜子供たち

の 9 年間の学びを支える施設環境の充実に向けて

〜」

20)

を案としてまとめ,施設面からの一貫教

育に関する報告を調査研究協力者会議に対してお

こなっている.

3. 学習指導要領解説にみる

小学校・中学校の運動領域の系統性

ここでは,体育・保健体育に関する小・中学校

の『学習指導要領解説』

21)22)

に記載されている

各運動領域の内容と,それが小学校から中学校へ

とどのように系統立てられて展開いくのかをまと

めた.なお,『中学校学習指導要領解説 保健体

育編』の各運動領域には「動きの例」として「小

学校 5・6 年」「中学校 1・2 年」「中学校 3 年」に

わけて事例が挙げられている.本稿ではこれを参

考にしつつ,技の名称や用語,動作説明について

はそれぞれの『学習指導要領解説』にある文言を

そのまま取り上げた.そして,小学校から中学校

へとどのように技などが展開していくのかを示す

ために矢印を用いてその方向性を示した.また,

器械運動系の平均台ならびに武道領域は中学校初

出のため,中学校で学習する運動領域内の展開の

みを示した.以下に各運動領域ならびに保健領域

の系統図を示す.

(4)

― 136 ―

・簡単な繰り返しのリズムで踊る ・リズムをとらえて自由に踊ったり,相手と 対応して踊る ・リズムに変化を付けて踊る ・リズムに乗って続けて踊る  器械運動系の領域は,低学年では「器械・器具を使っての運動遊び」,中・高学年では「器械運動」となる.中学校 ではマット運動,鉄棒運動,跳び箱運動と細分化され,さらに平均台運動が加わる. ・体を移動する運動遊び ・用具を操作する運動遊び ・力試しの運動遊び 体力を高める運動 ・体の柔らかさを高めるための運動 ・巧みな動きを高めるための運動 ・力強い動きを高めるための運動 ・動きを持続する能力を高めるための運動 多様な動きをつくる運動 ・体のバランスをとる運動 ・体を移動する運動 ・用具を操作する運動 ・力試しの運動 ・基本的な動きを組み合わせる運動 体力を高める運動 ・体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動 ・力強い動き及び動きを持続する能力を高めるための運動 小学校 中学校 体ほぐしの運動 〈体つくり運動の展開〉 〈マット運動の展開〉 【体ほぐしの運動】 小学校 ・のびのびとした動作で用具などを用いた  運動 ・リズムに乗って心が弾むような動作で運動 ・ペアでのストレッチ ・動作や人数などの条件を変えて歩いたり 走ったりする運動 ・伝承遊びや集団による運動遊び 【多様な動きをつくる運動遊び】 ・体のバランスをとる運動遊び ・体を移動する運動遊び ・用具を操作する運動遊び ・力試しの運動遊び 【体力を高める運動】 ・体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるため の運動(短なわや長なわ跳び,投げ上げた ボールの捕球,障害物走など) ・力強い動き及び動きを持続する能力を高め るための運動(腕立て伏臥腕屈伸,押し, 寄りを用いてのすもう,無理のない速さで 5∼6分程度の持久走など) 器械・器具を使っての運動遊び(支持,ぶら下がり,振動,手足での移動,逆さ姿勢,回転) ・固定施設を使った運動遊び ・マットを使った運動遊び ・鉄棒を使った運動遊び ・跳び箱を使った運動遊び 器械運動 小学校 中学校 ・マット運動 ・鉄棒運動 ・跳び箱運動 器械運動 ・マット運動(回転系〈接転・ほん転〉・技巧系〈平均立ち〉) ・鉄棒運動(支持系〈前方支持回転・後方支持回転〉・懸垂系〈懸垂〉) ・平均台運動(体操系・バランス系) ・跳び箱運動(切り返し系・回転系) 【多様な動きをつくる運動】 ・体のバランスをとる運動(平均台を渡る, ケンケン相撲など) ・体を移動する運動(スキップやギャロップ をしてはねる,無理のない速さでのかけ足 を3∼4分程度続けるなど) ・用具を操作する運動(短なわ跳び,長なわ 跳びなど) ・力試しの運動(押し合いずもう,おんぶ, 手押し車など) ・基本的な動きを組み合わせる運動(走り縄 跳び,ボールの操作など) 【体力を高める運動】 ・体の柔らかさを高めるための運動 ・巧みな動きを高めるための運動 ・力強い動きを高めるための運動 ・動きを持続する能力を高めるための運動 ・健康に生活するための体力を高めるための 運動と計画の実践 ・運動を行うための体力を高めるための運動 の計画と実践 【体ほぐしの運動】中学校 ・のびのびとした動作で用具などを用いた  運動 ・リズムに乗って心が弾むような動作で運動 ・ペアでのストレッチ ・緊張を解いて脱力したりする運動 ・いろいろな条件で歩いたり走ったり飛び跳 ねたりする運動 ・仲間と動きを合わせたり,対応したりする 運動 ②器械運動系 【回転系】 小学校 回転:ゆりかご,前転がり,後ろ転がり,丸太転がり 倒立前転 大きな前転 跳び前転 前転 開脚前転 回転技 連続 開脚後転 伸膝後転 後転 連続 【接転】 中学校 [前転] 倒立前転 跳び前転 開脚前転 伸膝前転 [後転] 開脚後転 伸膝後転 後転倒立 【倒立系】 支持: 背支持倒立(首倒立),かえるの足打ち, 壁登り逆立ち,川跳び 補助倒立 倒立 壁倒立 頭倒立 倒立技 ブリッジ 倒立ブリッジ 腕立て横跳び越し 側方倒立回転 ロンダート 【ほん転】 [はねおき] 頭はねおき [倒立回転・倒立回転跳び] 倒立ブリッジ 前方倒立回転 前方倒立回転跳び 側方倒立回転 ロンダート 【技の組み合わせ】 回転技,倒立技やすでにできている技を選び,それら にバランスやジャンプなどを加えて組み合わせる 【平均立ち】 [倒立] 倒立  倒立ひねり [片足平均立ち] 片足正面水平立ち 片足側面水平立ち Y字バランス 〈鉄棒運動の展開〉 逆上がり 補助逆上がり 【前方支持回転】 【上り技】 小学校 中学校 [前方足かけ回転] 膝かけ上り 膝掛け上り もも掛け上り 膝かけ振り上り ももかけ上り け上り 前方膝かけ回転 前方ももかけ回転 [前転] 前方支持回転 前方伸膝支持回転 踏み越し下り 支持跳び越し下り 【支持回転技】 前方支持回転 かかえ込み回り 後方支持回転 後方片膝掛け回転 前方片膝掛け回転 【下り技】 前回り下り 転向前下り 片足踏み越し下り 両膝掛け倒立下り 両膝掛け振動下り 【後方支持回転】 [後転] 後方支持回転 後方伸膝支持回転 後方浮き支持回転 後ろ振り跳びひねり下り 棒下振り出し下り [後方足かけ回転] 後方膝かけ回転 後方ももかけ回転 【技の組み合わせ】 上り技,支持回転技,下り技やすでにできている技を 選んで組み合わせる 【懸垂】 [懸垂] 懸垂振動 後ろ振り跳び下り 懸垂振動ひねり 前振り跳び下り 〈跳び箱運動の展開〉 【切り返し系】 小学校 大きな開脚跳び 開脚跳び かかえ込み跳び 【切り返し系】 中学校 [切り返し跳び] 開脚跳び 開脚伸身跳び かかえ込み跳び 屈伸跳び 【回転系】 台上前転 大きな台上前転 首はね跳び 頭はね跳び 【回転系】 [回転跳び] 前方屈腕倒立回転跳び 前方倒立回転跳び 側方倒立回転跳び 〈平均台運動〉 【体操系】 [歩走] 前方歩 前方ツーステップ,前方走 後方歩 後方ツーステップ [跳躍] 伸身跳び(両足踏切) かかえ込み跳び 開脚跳び下り,かかえ込み跳び下り 開脚跳び(片足踏切) 後方開脚跳び 片足踏み切り跳び上がり 【バランス系】 [ポーズ] 立ちポーズ(両足,片足) 片足水平バランス 坐臥・支持ポーズ V字ポーズ,片膝立ち水平支持ポーズ [ターン] 両足ターン 片足ターン(振り上げ型,回し型) 中学校 ③陸上運動系 陸上運動系の領域は,低学年では「走・跳の運動遊び」,中学年では「走・跳の運動」,高学年では「陸上運動」とな る.中学校では「陸上競技」となり,短距離走・リレーやハードル走,走り幅跳び,走り高跳びが継続され,さらに 長距離走が加わる. 走・跳の運動遊び ・走の運動遊び ・跳の運動遊び 走・跳の運動 ・かっけこ・リレー ・小型ハードル走 ・幅跳び ・高跳び 陸上運動 ・短距離走・リレー ・ハードル走 ・走り幅跳び ・走り高跳び 小学校 中学校 陸上競技 ・短距離走,リレー ・長距離走 ・ハードル走 用いての リレー遊び 周回リレー いろいろな距離 でのリレー いろいろなリズムでの 小型ハードル越え 40∼60m程度の ハードル走 40∼50m程度の 小型ハードル走 一人50∼100m 程度のリレー 一人100m程度のリレー 【ハードル走】 50∼80m程度,5∼8台程度置いたハードル走 50∼100m程度,5∼10台程度置いたハードル走 【長距離走】 1000∼3000m程度の長距離走 【跳】 小学校 幅跳び遊び 短い助走での幅跳び 15∼20m程度の助走での 走り幅跳び ケンパー跳び遊び 短い助走での 高跳び   ゴム跳び遊び 5∼7歩程度の 助走での 走り高跳び 【走り幅跳び】 中学校 自己に適した距離,または歩数の助走で踏み切り 線に合わせて踏み切り,かがみ跳びなどの空間動 作を伴う走り幅跳び 踏み切り前3∼4歩からリズムアップして踏み切 り,かがみ跳びやそり跳びなどの空中動作を伴う 走り幅跳び 【走り高跳び】 リズミカルな助走から力強い踏み切りに移り,自 己に合った踏み切り位置で踏み切り,大きなはさ み動作を伴う走り高跳び リズミカルな助走から真上に伸び上るように踏み 切り,はさみ跳びや背面跳びなどの空中動作を伴 う走り高跳び 踏み切り3∼5歩で弧を描くように走り,体を内側 に倒す姿勢を取るように踏み切る背面跳び ④水泳系 水泳系の領域は,低学年では「水遊び」,中学年では「浮く・泳ぐ運動」,高学年では「水泳」となる. 中学校では「水泳」で,泳法に背泳ぎとバタフライが加わり,さらにスタートとターンの技術が加わる. 水遊び ・水になれる遊び ・浮く,もぐる遊び 浮く・泳ぐ運動 ・浮く運動 ・泳ぐ運動 水泳 ・クロール ・平泳ぎ 水泳 ・泳法(クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライ) ・スタート及びターン(スタート・ターン) 小学校 中学校 〈水泳系の展開〉 【水慣れ】 小学校 まねっこ遊び,水かけっこ 電車ごっこ,リレー遊び,鬼遊び 【浮く・もぐる】 伏し浮き, 背浮き, くらげ浮き 壁をつかまっての 伏し浮き け伸び 補助具を使っての 浮く遊び 水中じゃんけん,にらめっこ,石ひろい,輪くぐり 【泳ぐ】 連続したボビング バブリング,ボビング 呼吸をしながらの 初歩的な泳ぎ ばた足, 補助具を使った クロール 25∼50m程度を 目安にした クロール 面かぶりクロール かえる足, 平泳ぎのストローク 25∼50m程度を 目安にした 平泳ぎ 面かぶり平泳ぎ 中学校 【泳法】 [クロール] 25∼50m程度を目安としたクロール 50∼200m程度を目安としたクロール [平泳ぎ] 50∼100m程度を目安とした平泳ぎ 50∼200m程度を目安とした平泳ぎ [背泳ぎ] 25∼50m程度を目安とした背泳ぎ [バタフライ] 25∼50m程度を目安としたバタフライ 【スタート及びターン】 [スタート] 壁に足をつけた姿勢からのスタート 両手でスターティンググリップを つかんだ姿勢からのスタート [ターン] 片手で壁にタッチし膝を横向きに抱え込み 蹴りだす(クロール・背泳ぎ),クイックター ン(クロール) 両手で同時に壁にタッチし膝を抱え込んで 蹴りだす(平泳ぎ・バタフライ) 壁から5m程度離れた場所からタイミング を図りスピードを落とさずにタッチして折 り返す ⑤ボール運動系 ボール運動系の領域は,低・中学年では「ゲーム」,高学年では「ボール運動」となる.中学校では「球技」となり, 内容構成の「ゴール型」「ネット型」「ベースボール型」は変わらないが,新たな種目が追加される. ゲーム ・ボールゲーム ・鬼遊び ゲーム ・ゴール型ゲーム(ハンドボール・ポートボール・ラインサッカー・ミニサッカー・ タグラグビー・フラッグフットボール) ・ネット型ゲーム(ソフトバレーボール) ・ベースボール型ゲーム ボール運動 ・ゴール型(バスケットボール・サッカー・ハンドボール・タグラグビー・ フラッグフットボール) ・ネット型(ソフトバレーボール・プレルボール) ・ベースボール型(ソフトボール・ティボール) 小学校 中学校 球技 ・ゴール型(バスケットボール・ハンドボール・サッカー) ・ネット型(バレーボール・卓球・テニス・バドミントン) ・ベースボール型(ソフトボール) 〈ボール運動系の展開〉 【ゴール型】 小学校 ボールゲーム(ボール遊び,ボール投げゲーム, ボール蹴りゲーム),鬼遊び ハンドボール,ポートボール,ラインサッカー,ミ ニサッカー,タグラグビー,フラッグフットボール バスケットボール,サッカー,ハンドボール,タグ ラグビー,フラッグフットボール 【ゴール型】 バスケットボール,ハンドボール,サッカー [ネット型】 中学校 ボールゲーム(ボール遊び,ボール投げゲーム, ボール蹴りゲーム) ソフトバレーボール,プレルボール ソフトバレーボール,プレルボール 【ネット型】 バレーボール,卓球,テニス,バドミントン 【ベースボール型】 ボールゲーム(ボール遊び,ボール投げゲーム, ボール蹴りゲーム) ボールを蹴る,打つなどにより攻撃をしたり,捕 る,投げるなどにより守備をしたりして,攻守を交 代するゲーム ソフトボール,ティボール 【ベースボール型】 ソフトボール ⑥武道 小学校にはなく中学校から始まる運動領域.我が国固有の身体運動文化を学ぶもので,柔道,剣道,相撲に よって構成されている. 武道 ・柔道(基本動作・受け身〈前回り受け身・横受け身・後ろ受け身〉・基本となる技〈投 げ技・固め技・投げ技の連絡・固め技の連絡・投げ技から固め技〉) ・剣道(基本動作・基本となる技〈しかけ技・応じ技〉) ・相撲(基本動作・受け身・基本となる技〈押し・より・前さばき・投げ技・ひねり技〉) 【柔道】 中学校 ・姿勢(自然体) ・進退動作(歩み足・継ぎ足) ・崩し ・前回り受け身 ・横受け身 ・後ろ受け身 投げ技(1・2年生) 体落とし,大腰,膝車,大外刈り 支え釣り込み足,小内刈り 背負い投げ, 払い腰 投げ技の連絡(3年生) 大内刈りから大外刈り,釣り込み腰 から払い腰,釣り込み腰から大内刈 り,大内刈りから背負い投げ 投げ技から固め技(3年生) 大外刈りからけさ固め,小外刈り から横四方固め 固め技(1・2年生) けさ固め,横四方固め,上四方固め 基本動作 受け身 応じ技(1・2年生) 抜き技(面抜き胴,小手抜き面) 応じ技(3年生) すり上げ技(小手すりあげ面) 【相撲】 基本動作 ・姿勢(蹲踞姿勢・塵浄水) ・四股,伸脚,腰割り,調体 ・体の移動(運び足・構え(中腰) 受け身 (相手の投げに応じて受け身をとる) 押し,寄り,前さばき(1・2年生) 押し−押っつけ 押し−絞り込み 寄り−巻き返し 押し,寄り,付き,前さばき(3年生) 押し−いなし 突き−いなし 突き−はねあげ 投げ技 上手投げ 下手投げ 投げ技(3年生) すくい投げー受け身 ひねり技(3年生) 突き落とし ⑦表現運動系 表現運動系の領域は,低学年では「表現リズム遊び」,中・高学年では「表現運動」となる.中学校では「ダン ス」と名称が変わる.小学校での「表現」は中学校において「創作ダンス」となり,さらにヒップホップなど の「現代的なリズムのダンス」が加わる. 表現・リズム遊び ・表現遊び ・リズム遊び 表現運動 ・表現 ・リズムダンス 表現運動 ・表現 ・フォークダンス 小学校 中学校 ダンス ・創作ダンス ・フォークダンス ・現代的なリズムのダンス 〈表現系の展開〉 【表現遊び】 小学校 特徴のある具体的な動きを多く含む題材 (動物や乗り物など) 【創作ダンス】 中学校 ・身近な生活や日常動作 ・対極の動きの連続 ・多様な感じ ・群(集団)の動き ・もの(小道具)を使う ・身近な生活や日常動作 ・対極の動きの連続 ・多様な感じ ・群(集団)の動き ・もの(小道具)を使う ・はこびとストーリー 【表現】 ・イメージがとらえやすく多様な感じの動 きを含む題材(「1日の生活」など) ・未知の創造が広がる題材(「○○探検」 など) ・2人組で対比する動きを含む題材(忍者 や戦い) ・「激しい感じの題材」(変化や起伏のあ る動きを含む題材) ・「群(集団)が生きる題材(特徴的な群 の動きや迫力のある題材) ・「多様な題材」(グループで選んだ関心 のある題材) 【リズム遊び】 ・軽快なリズムの曲 ・児童にとって身近で関心の高い曲 ・簡単なフォークダンス(ジェンカ,キン ダーポルカ,タタロチカ) 【フォークダンス】 ・日本の民謡(花笠音頭,春駒,炭坑節,鹿児 島おはら節) ・外国のフォークダンス(オクラホマ・ミク サー,ドードレブスカ・ポルカ,バージニ ア・リール) ・日本の民謡(よさこい節,越中おわら節) ・外国のフォークダンス(パティケーク・ポ ルカ,ヒンキー・ディンキー・パーリ・ ブー,ハーモニカ,オスローワルツ) 【リズムダンス】 ・軽快なテンポのロックやサンバのリズム曲 ・いろいろな速さや曲調の異なるロックやサ ンバのリズム曲 【フォークダンス】 ・ 日 本 の 民 謡 ( 阿 波 踊 り , ソ ー ラ ン 節 , エイサー) ・外国のフォークダンス(マイム・マイム, コロビチカ,グスタフス・スコール) 【現代的なリズムのダンス】 ・体感部を中心としたシンプルに弾む動きで自 由に踊る ・軽快なロックでは全身でビートに合わせて弾む ・ビートのきいたヒップホップでは膝の上下に 合わせて腕を動かしたりストップするように したりする ・動きに変化を付けて踊る ・独自のリズムパターンや動きの連続や群の構 成でまとまりを付けて踊る ⑧保健領域 小学校の体育科の領域のなかに,中・高学年で「保健」が位置づけられている.一方,中学校では体育分野 と保健分野に分けられる. 保健 毎日の生活と健康 ・健康な生活とわたし ・1日の生活の仕方 ・身の回りの環境 育ちゆく体とわたし ・体の発育・発達 ・思春期の体の変化 ・体をよりよく発育・発達させるための生活 心の健康 ・心の発達 ・心と体の相互影響 ・不安や悩みへの対処 保健 けがの防止 ・交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがとその防止 ・けがの手当て 病気の予防 ・病気の起こり方 ・病原体がもとになって起こる病気の予防 ・生活行動がかかわって起こる病気の予防 ・喫煙,飲酒,薬物乱用と健康 ・地域の様々な保健活動の取組 小学校 中学校 保健分野 心身の機能の発達と心の健康 健康と環境 ・身体の環境に対する適応能力・至適範囲 ・飲料水や空気の衛生的管理 ・生活に伴う廃棄物の衛生的管理 傷害の防止 ・交通事故や自然災害などによる傷害の発生要因 ・交通事故などによる傷害の防止 ・自然災害による傷害の防止 ・応急手当 健康な生活と疾病の予防 ・健康の成り立ちと疾病の発生要因 ・生活行動・生活習慣と健康 ・喫煙,飲酒,薬物乱用と健康 ・感染症の予防 ・保健・医療機関や医薬品の有効利用 ・個人の健康を守る社会の取組 ・身体機能の発達 ・生殖にかかわる機能の成熟 ・精神機能の発達と自己形成 ・欲求やストレスの対処と心の健康 ・走り幅跳び ・走り高跳び

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小中連携からみる体育・保健体育のあり方について ・簡単な繰り返しのリズムで踊る ・リズムをとらえて自由に踊ったり,相手と 対応して踊る ・リズムに変化を付けて踊る ・リズムに乗って続けて踊る  体つくり運動は,心と体の関係に気付くこと,体の調子を整えること,仲間と交流することなどの体をほぐし たり,体力を高めたりするために行われる運動である.内容は「体ほぐしの運動」と体力を高めるために行われ る運動とに分けられ,前者は低学年から高学年まで,後者は低学年では「多様な動きをつくる運動遊び」,中学年 では「多様な動きをつくる運動」,高学年では「体力を高める運動」となる.中学校でも名称は「体つくり運動」で, 「体ほぐしの運動」と「体力を高める運動」からなる.  器械運動系の領域は,低学年では「器械・器具を使っての運動遊び」,中・高学年では「器械運動」となる.中学校 ではマット運動,鉄棒運動,跳び箱運動と細分化され,さらに平均台運動が加わる. 体ほぐしの運動 多様な動きをつくる運動遊び ・体のバランスをとる運動遊び ・体を移動する運動遊び ・用具を操作する運動遊び ・力試しの運動遊び 体力を高める運動 ・体の柔らかさを高めるための運動 ・巧みな動きを高めるための運動 ・力強い動きを高めるための運動 ・動きを持続する能力を高めるための運動 多様な動きをつくる運動 ・体のバランスをとる運動 ・体を移動する運動 ・用具を操作する運動 ・力試しの運動 ・基本的な動きを組み合わせる運動 体力を高める運動 ・体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるための運動 ・力強い動き及び動きを持続する能力を高めるための運動 小学校 中学校 体ほぐしの運動 〈体つくり運動の展開〉 〈マット運動の展開〉 【体ほぐしの運動】 小学校 ・のびのびとした動作で用具などを用いた  運動 ・リズムに乗って心が弾むような動作で運動 ・ペアでのストレッチ ・動作や人数などの条件を変えて歩いたり 走ったりする運動 ・伝承遊びや集団による運動遊び 【多様な動きをつくる運動遊び】 ・体のバランスをとる運動遊び ・体を移動する運動遊び ・用具を操作する運動遊び ・力試しの運動遊び 【体力を高める運動】 ・体の柔らかさ及び巧みな動きを高めるため の運動(短なわや長なわ跳び,投げ上げた ボールの捕球,障害物走など) ・力強い動き及び動きを持続する能力を高め るための運動(腕立て伏臥腕屈伸,押し, 寄りを用いてのすもう,無理のない速さで 5∼6分程度の持久走など) 器械・器具を使っての運動遊び(支持,ぶら下がり,振動,手足での移動,逆さ姿勢,回転) ・固定施設を使った運動遊び ・マットを使った運動遊び ・鉄棒を使った運動遊び ・跳び箱を使った運動遊び 器械運動 小学校 中学校 ・マット運動 ・鉄棒運動 ・跳び箱運動 器械運動 ・マット運動(回転系〈接転・ほん転〉・技巧系〈平均立ち〉) ・鉄棒運動(支持系〈前方支持回転・後方支持回転〉・懸垂系〈懸垂〉) ・平均台運動(体操系・バランス系) ・跳び箱運動(切り返し系・回転系) 【多様な動きをつくる運動】 ・体のバランスをとる運動(平均台を渡る, ケンケン相撲など) ・体を移動する運動(スキップやギャロップ をしてはねる,無理のない速さでのかけ足 を3∼4分程度続けるなど) ・用具を操作する運動(短なわ跳び,長なわ 跳びなど) ・力試しの運動(押し合いずもう,おんぶ, 手押し車など) ・基本的な動きを組み合わせる運動(走り縄 跳び,ボールの操作など) 【体力を高める運動】 ・体の柔らかさを高めるための運動 ・巧みな動きを高めるための運動 ・力強い動きを高めるための運動 ・動きを持続する能力を高めるための運動 ・健康に生活するための体力を高めるための 運動と計画の実践 ・運動を行うための体力を高めるための運動 の計画と実践 【体ほぐしの運動】中学校 ・のびのびとした動作で用具などを用いた  運動 ・リズムに乗って心が弾むような動作で運動 ・ペアでのストレッチ ・緊張を解いて脱力したりする運動 ・いろいろな条件で歩いたり走ったり飛び跳 ねたりする運動 ・仲間と動きを合わせたり,対応したりする 運動 【各運動領域ならびに保健領域の系統図】 ①体つくり運動 ②器械運動系 【回転系】 小学校 回転:ゆりかご,前転がり,後ろ転がり,丸太転がり 倒立前転 大きな前転 跳び前転 前転 開脚前転 回転技 連続 開脚後転 伸膝後転 後転 連続 【接転】 中学校 [前転] 倒立前転 跳び前転 開脚前転 伸膝前転 [後転] 開脚後転 伸膝後転 後転倒立 【倒立系】 支持: 背支持倒立(首倒立),かえるの足打ち, 壁登り逆立ち,川跳び 補助倒立 倒立 壁倒立 頭倒立 倒立技 ブリッジ 倒立ブリッジ 腕立て横跳び越し 側方倒立回転 ロンダート 【ほん転】 [はねおき] 頭はねおき [倒立回転・倒立回転跳び] 倒立ブリッジ 前方倒立回転 前方倒立回転跳び 側方倒立回転 ロンダート 【技の組み合わせ】 回転技,倒立技やすでにできている技を選び,それら にバランスやジャンプなどを加えて組み合わせる 【平均立ち】 [倒立] 倒立  倒立ひねり [片足平均立ち] 片足正面水平立ち 片足側面水平立ち Y字バランス 〈鉄棒運動の展開〉 逆上がり 補助逆上がり 【前方支持回転】 【上り技】 小学校 中学校 [前方足かけ回転] 膝かけ上り 膝掛け上り もも掛け上り 膝かけ振り上り ももかけ上り け上り 前方膝かけ回転 前方ももかけ回転 [前転] 前方支持回転 前方伸膝支持回転 踏み越し下り 支持跳び越し下り 【支持回転技】 前方支持回転 かかえ込み回り 後方支持回転 後方片膝掛け回転 前方片膝掛け回転 【下り技】 前回り下り 転向前下り 片足踏み越し下り 両膝掛け倒立下り 両膝掛け振動下り 【後方支持回転】 [後転] 後方支持回転 後方伸膝支持回転 後方浮き支持回転 後ろ振り跳びひねり下り 棒下振り出し下り [後方足かけ回転] 後方膝かけ回転 後方ももかけ回転 【技の組み合わせ】 上り技,支持回転技,下り技やすでにできている技を 選んで組み合わせる 【懸垂】 [懸垂] 懸垂振動 後ろ振り跳び下り 懸垂振動ひねり 前振り跳び下り 〈跳び箱運動の展開〉 【切り返し系】 小学校 大きな開脚跳び 開脚跳び かかえ込み跳び 【切り返し系】 中学校 [切り返し跳び] 開脚跳び 開脚伸身跳び かかえ込み跳び 屈伸跳び 【回転系】 台上前転 大きな台上前転 首はね跳び 頭はね跳び 【回転系】 [回転跳び] 前方屈腕倒立回転跳び 前方倒立回転跳び 側方倒立回転跳び 〈平均台運動〉 【体操系】 [歩走] 前方歩 前方ツーステップ,前方走 後方歩 後方ツーステップ [跳躍] 伸身跳び(両足踏切) かかえ込み跳び 開脚跳び下り,かかえ込み跳び下り 開脚跳び(片足踏切) 後方開脚跳び 片足踏み切り跳び上がり 【バランス系】 [ポーズ] 立ちポーズ(両足,片足) 片足水平バランス 坐臥・支持ポーズ V字ポーズ,片膝立ち水平支持ポーズ [ターン] 両足ターン 片足ターン(振り上げ型,回し型) 中学校 ③陸上運動系 陸上運動系の領域は,低学年では「走・跳の運動遊び」,中学年では「走・跳の運動」,高学年では「陸上運動」とな る.中学校では「陸上競技」となり,短距離走・リレーやハードル走,走り幅跳び,走り高跳びが継続され,さらに 長距離走が加わる. 走・跳の運動遊び ・走の運動遊び ・跳の運動遊び 走・跳の運動 ・かっけこ・リレー ・小型ハードル走 ・幅跳び ・高跳び 陸上運動 ・短距離走・リレー ・ハードル走 ・走り幅跳び ・走り高跳び 小学校 中学校 陸上競技 ・短距離走,リレー ・長距離走 ・ハードル走 〈陸上競技の展開〉 【走】小学校 30∼50m 程度の かけっこ 40∼60m 程度の かけっこ 50∼80m 程度の 短距離走 折り返しリレー遊び 低い障害物を 用いての リレー遊び 周回リレー いろいろな距離 でのリレー いろいろなリズムでの 小型ハードル越え 40∼60m程度の ハードル走 40∼50m程度の 小型ハードル走 【短距離走・リレー】中学校 50∼100m程度 の短距離走 100∼200m程度の短距離走 一人50∼100m 程度のリレー 一人100m程度のリレー 【ハードル走】 50∼80m程度,5∼8台程度置いたハードル走 50∼100m程度,5∼10台程度置いたハードル走 【長距離走】 1000∼3000m程度の長距離走 【跳】 小学校 幅跳び遊び 短い助走での幅跳び 15∼20m程度の助走での 走り幅跳び ケンパー跳び遊び 短い助走での 高跳び   ゴム跳び遊び 5∼7歩程度の 助走での 走り高跳び 【走り幅跳び】 中学校 自己に適した距離,または歩数の助走で踏み切り 線に合わせて踏み切り,かがみ跳びなどの空間動 作を伴う走り幅跳び 踏み切り前3∼4歩からリズムアップして踏み切 り,かがみ跳びやそり跳びなどの空中動作を伴う 走り幅跳び 【走り高跳び】 リズミカルな助走から力強い踏み切りに移り,自 己に合った踏み切り位置で踏み切り,大きなはさ み動作を伴う走り高跳び リズミカルな助走から真上に伸び上るように踏み 切り,はさみ跳びや背面跳びなどの空中動作を伴 う走り高跳び 踏み切り3∼5歩で弧を描くように走り,体を内側 に倒す姿勢を取るように踏み切る背面跳び ④水泳系 水泳系の領域は,低学年では「水遊び」,中学年では「浮く・泳ぐ運動」,高学年では「水泳」となる. 中学校では「水泳」で,泳法に背泳ぎとバタフライが加わり,さらにスタートとターンの技術が加わる. 水遊び ・水になれる遊び ・浮く,もぐる遊び 浮く・泳ぐ運動 ・浮く運動 ・泳ぐ運動 水泳 ・クロール ・平泳ぎ 水泳 ・泳法(クロール・平泳ぎ・背泳ぎ・バタフライ) ・スタート及びターン(スタート・ターン) 小学校 中学校 〈水泳系の展開〉 【水慣れ】 小学校 まねっこ遊び,水かけっこ 電車ごっこ,リレー遊び,鬼遊び 【浮く・もぐる】 伏し浮き, 背浮き, くらげ浮き 壁をつかまっての 伏し浮き け伸び 補助具を使っての 浮く遊び 水中じゃんけん,にらめっこ,石ひろい,輪くぐり 【泳ぐ】 連続したボビング バブリング,ボビング 呼吸をしながらの 初歩的な泳ぎ ばた足, 補助具を使った クロール 25∼50m程度を 目安にした クロール 面かぶりクロール かえる足, 平泳ぎのストローク 25∼50m程度を 目安にした 平泳ぎ 面かぶり平泳ぎ 中学校 【泳法】 [クロール] 25∼50m程度を目安としたクロール 50∼200m程度を目安としたクロール [平泳ぎ] 50∼100m程度を目安とした平泳ぎ 50∼200m程度を目安とした平泳ぎ [背泳ぎ] 25∼50m程度を目安とした背泳ぎ [バタフライ] 25∼50m程度を目安としたバタフライ 【スタート及びターン】 [スタート] 壁に足をつけた姿勢からのスタート 両手でスターティンググリップを つかんだ姿勢からのスタート [ターン] 片手で壁にタッチし膝を横向きに抱え込み 蹴りだす(クロール・背泳ぎ),クイックター ン(クロール) 両手で同時に壁にタッチし膝を抱え込んで 蹴りだす(平泳ぎ・バタフライ) 壁から5m程度離れた場所からタイミング を図りスピードを落とさずにタッチして折 り返す ⑤ボール運動系 ボール運動系の領域は,低・中学年では「ゲーム」,高学年では「ボール運動」となる.中学校では「球技」となり, 内容構成の「ゴール型」「ネット型」「ベースボール型」は変わらないが,新たな種目が追加される. ゲーム ・ボールゲーム ・鬼遊び ゲーム ・ゴール型ゲーム(ハンドボール・ポートボール・ラインサッカー・ミニサッカー・ タグラグビー・フラッグフットボール) ・ネット型ゲーム(ソフトバレーボール) ・ベースボール型ゲーム ボール運動 ・ゴール型(バスケットボール・サッカー・ハンドボール・タグラグビー・ フラッグフットボール) ・ネット型(ソフトバレーボール・プレルボール) ・ベースボール型(ソフトボール・ティボール) 小学校 中学校 球技 ・ゴール型(バスケットボール・ハンドボール・サッカー) ・ネット型(バレーボール・卓球・テニス・バドミントン) ・ベースボール型(ソフトボール) 〈ボール運動系の展開〉 【ゴール型】 小学校 ボールゲーム(ボール遊び,ボール投げゲーム, ボール蹴りゲーム),鬼遊び ハンドボール,ポートボール,ラインサッカー,ミ ニサッカー,タグラグビー,フラッグフットボール バスケットボール,サッカー,ハンドボール,タグ ラグビー,フラッグフットボール 【ゴール型】 バスケットボール,ハンドボール,サッカー [ネット型】 中学校 ボールゲーム(ボール遊び,ボール投げゲーム, ボール蹴りゲーム) ソフトバレーボール,プレルボール ソフトバレーボール,プレルボール 【ネット型】 バレーボール,卓球,テニス,バドミントン 【ベースボール型】 ボールゲーム(ボール遊び,ボール投げゲーム, ボール蹴りゲーム) ボールを蹴る,打つなどにより攻撃をしたり,捕 る,投げるなどにより守備をしたりして,攻守を交 代するゲーム ソフトボール,ティボール 【ベースボール型】 ソフトボール ⑥武道 小学校にはなく中学校から始まる運動領域.我が国固有の身体運動文化を学ぶもので,柔道,剣道,相撲に よって構成されている. 武道 ・柔道(基本動作・受け身〈前回り受け身・横受け身・後ろ受け身〉・基本となる技〈投 げ技・固め技・投げ技の連絡・固め技の連絡・投げ技から固め技〉) ・剣道(基本動作・基本となる技〈しかけ技・応じ技〉) ・相撲(基本動作・受け身・基本となる技〈押し・より・前さばき・投げ技・ひねり技〉) 【柔道】 中学校 ・姿勢(自然体) ・進退動作(歩み足・継ぎ足) ・崩し ・前回り受け身 ・横受け身 ・後ろ受け身 投げ技(1・2年生) 体落とし,大腰,膝車,大外刈り 支え釣り込み足,小内刈り 背負い投げ, 払い腰 投げ技の連絡(3年生) 大内刈りから大外刈り,釣り込み腰 から払い腰,釣り込み腰から大内刈 り,大内刈りから背負い投げ 投げ技から固め技(3年生) 大外刈りからけさ固め,小外刈り から横四方固め 固め技(1・2年生) けさ固め,横四方固め,上四方固め 基本動作 受け身 【剣道】 基本動作 ・構え(中段) ・体さばき(歩み足・送り足) ・基本打突(面・小手・胴) しかけ技(1・2年生) 二段の技(小手−面,面−胴) 引き技(引き面,引き胴) しかけ技(3年生) 二段の技(小手−胴,面−面) 引き技(引き小手) 出ばな技(出ばな面,出ばな小手) 払い技(払い面,払い小手) 応じ技(1・2年生) 抜き技(面抜き胴,小手抜き面) 応じ技(3年生) すり上げ技(小手すりあげ面) 【相撲】 基本動作 ・姿勢(蹲踞姿勢・塵浄水) ・四股,伸脚,腰割り,調体 ・体の移動(運び足・構え(中腰) 受け身 (相手の投げに応じて受け身をとる) 押し,寄り,前さばき(1・2年生) 押し−押っつけ 押し−絞り込み 寄り−巻き返し 押し,寄り,付き,前さばき(3年生) 押し−いなし 突き−いなし 突き−はねあげ 投げ技 上手投げ 下手投げ 投げ技(3年生) すくい投げー受け身 ひねり技(3年生) 突き落とし ⑦表現運動系 表現運動系の領域は,低学年では「表現リズム遊び」,中・高学年では「表現運動」となる.中学校では「ダン ス」と名称が変わる.小学校での「表現」は中学校において「創作ダンス」となり,さらにヒップホップなど の「現代的なリズムのダンス」が加わる. 表現・リズム遊び ・表現遊び ・リズム遊び 表現運動 ・表現 ・リズムダンス 表現運動 ・表現 ・フォークダンス 小学校 中学校 ダンス ・創作ダンス ・フォークダンス ・現代的なリズムのダンス 〈表現系の展開〉 【表現遊び】 小学校 特徴のある具体的な動きを多く含む題材 (動物や乗り物など) 【創作ダンス】 中学校 ・身近な生活や日常動作 ・対極の動きの連続 ・多様な感じ ・群(集団)の動き ・もの(小道具)を使う ・身近な生活や日常動作 ・対極の動きの連続 ・多様な感じ ・群(集団)の動き ・もの(小道具)を使う ・はこびとストーリー 【表現】 ・イメージがとらえやすく多様な感じの動 きを含む題材(「1日の生活」など) ・未知の創造が広がる題材(「○○探検」 など) ・2人組で対比する動きを含む題材(忍者 や戦い) ・「激しい感じの題材」(変化や起伏のあ る動きを含む題材) ・「群(集団)が生きる題材(特徴的な群 の動きや迫力のある題材) ・「多様な題材」(グループで選んだ関心 のある題材) 【リズム遊び】 ・軽快なリズムの曲 ・児童にとって身近で関心の高い曲 ・簡単なフォークダンス(ジェンカ,キン ダーポルカ,タタロチカ) 【フォークダンス】 ・日本の民謡(花笠音頭,春駒,炭坑節,鹿児 島おはら節) ・外国のフォークダンス(オクラホマ・ミク サー,ドードレブスカ・ポルカ,バージニ ア・リール) ・日本の民謡(よさこい節,越中おわら節) ・外国のフォークダンス(パティケーク・ポ ルカ,ヒンキー・ディンキー・パーリ・ ブー,ハーモニカ,オスローワルツ) 【リズムダンス】 ・軽快なテンポのロックやサンバのリズム曲 ・いろいろな速さや曲調の異なるロックやサ ンバのリズム曲 【フォークダンス】 ・ 日 本 の 民 謡 ( 阿 波 踊 り , ソ ー ラ ン 節 , エイサー) ・外国のフォークダンス(マイム・マイム, コロビチカ,グスタフス・スコール) 【現代的なリズムのダンス】 ・体感部を中心としたシンプルに弾む動きで自 由に踊る ・軽快なロックでは全身でビートに合わせて弾む ・ビートのきいたヒップホップでは膝の上下に 合わせて腕を動かしたりストップするように したりする ・動きに変化を付けて踊る ・独自のリズムパターンや動きの連続や群の構 成でまとまりを付けて踊る ⑧保健領域 小学校の体育科の領域のなかに,中・高学年で「保健」が位置づけられている.一方,中学校では体育分野 と保健分野に分けられる. 保健 毎日の生活と健康 ・健康な生活とわたし ・1日の生活の仕方 ・身の回りの環境 育ちゆく体とわたし ・体の発育・発達 ・思春期の体の変化 ・体をよりよく発育・発達させるための生活 心の健康 ・心の発達 ・心と体の相互影響 ・不安や悩みへの対処 保健 けがの防止 ・交通事故や身の回りの生活の危険が原因となって起こるけがとその防止 ・けがの手当て 病気の予防 ・病気の起こり方 ・病原体がもとになって起こる病気の予防 ・生活行動がかかわって起こる病気の予防 ・喫煙,飲酒,薬物乱用と健康 ・地域の様々な保健活動の取組 小学校 中学校 保健分野 心身の機能の発達と心の健康 健康と環境 ・身体の環境に対する適応能力・至適範囲 ・飲料水や空気の衛生的管理 ・生活に伴う廃棄物の衛生的管理 傷害の防止 ・交通事故や自然災害などによる傷害の発生要因 ・交通事故などによる傷害の防止 ・自然災害による傷害の防止 ・応急手当 健康な生活と疾病の予防 ・健康の成り立ちと疾病の発生要因 ・生活行動・生活習慣と健康 ・喫煙,飲酒,薬物乱用と健康 ・感染症の予防 ・保健・医療機関や医薬品の有効利用 ・個人の健康を守る社会の取組 ・身体機能の発達 ・生殖にかかわる機能の成熟 ・精神機能の発達と自己形成 ・欲求やストレスの対処と心の健康 ・走り幅跳び ・走り高跳び

参照

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