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k-cyclinトランスジェニックマウスにおけるアルサス反応の解析

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Academic year: 2021

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[課程—2] 審査の結果の要旨 氏名 蒲澤 美代子 本研究はリンパ灌流障害が血管炎に与える影響を検討するために、リンパ灌流 が先天的に障害された k-cyclin トランスジェニック(kCYC+/-)マウスにおいて 免疫複合体沈着による血管炎モデルである皮膚逆受動アルサス反応の解析を試 みたものであり、下記の結果を得ている。 1. kCYC+/-マウスと野生型マウスに皮膚逆受動アルサス反応を起こし、浮 腫と出血を評価したところ、皮膚逆受動アルサス反応の初期では、kCYC +/-マウスにて野生型マウスより反応が減弱していたが、時間の経過とともに kCYC+/-マウスで増悪し、逆転することが示された。 2. 皮膚逆受動アルサス反応における組織切片中の浸潤細胞数を検討した ところ、好中球数、マスト細胞数はともに4 時間後では kCYC+/-マウスにお いては野生型マウスに比べて少なかったが、12 時間後では kCYC+/-マウス で野生型マウスに比べて多かった。kCYC+/-マウスでは、野生型マウスと比 較して、病変局所への浸潤好中球数、浸潤マスト細胞数が、逆受動アルサ ス反応初期では少なく、後期において多くなるということが示された。 3. 皮膚逆受動アルサス反応 4 時間後、8 時間後および 12 時間後の皮膚に おけるIL-6、TNF-α、CXCL1 および CXCL2 の mRNA 発現を定量的 PCR で検討したところ、IL-6 および TNF-α、CXCL1、CXCL2 の発現は 4 時間 後ではkCYC+/-マウスにおいて野生型マウスに比して低下していた。皮膚逆 受動アルサス反応の早期において、kCYC+/-マウスでは炎症性サイトカイン の IL-6、TNF-α、好中球を遊走するケモカイン CXCL1 および CXCL2 の 発現が低下していることが示された。 4. アルサス反応における免疫複合体の認識において重要な役割を果たし、 CXCL1、CXCL2 の重要な産生源であるマクロファージを腹腔より分離し、 CXCL1 と CXCL2 の mRNA 発現を定量的 PCR で検討したところ、CXCL1 およびCXCL2 mRNA の発現は kCYC+/-マウスの腹腔マクロファージでは

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野生型マウスと比較して低下していた。腹腔マクロファージにおける CXCL1、CXCL2 の発現をフローサイトメトリー法にて蛋白レベルで解析 したところ、CXCL1、CXCL2 の産生は kCYC+/-マウスの腹腔マクロファー ジにおいて野生型マウスに比して低下していた。 5. ヒトの免疫複合体沈着による血管炎である結節性多発動脈炎患者の血 清を用いて CXCL1 と CXCL2 の濃度を ELISA 法にて測定したところ、 CXCL1 および CXCL2 の濃度は結節性多発動脈炎患者において上昇してい た。血清 CXCL1 値は、潰瘍形成群では有意に上昇しており、CRP と相関 していた。血清CXCL2 値は CRP、末梢血白血球数と有意に相関していた。 以上、本論文はkCYC+/-マウスにおける皮膚逆受動アルサス反応の解析から、 kCYC+/-マウスでは、好中球やマスト細胞といった炎症細胞の遊走に関与するマ クロファージ由来のCXCL1 と CXCL2 の発現が低下していることで炎症局所へ の好中球の遊走が低下し、好中球やマスト細胞の産生する、炎症性サイトカイ ンTNF-α、IL-6 の発現が低下することにより、アルサス反応早期の反応が減弱 する可能性が示唆された。また免疫複合体沈着による血管炎である結節性多発 動脈炎患者では血清CXCL1 値、血清 CXCL2 値ともに上昇していた。免疫複合 体沈着による血管炎に対してCXCL1 や CXCL2 を標的にすることが、新たな治 療に繋がる可能性が示され、学位の授与に値するものと考えられる。

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