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プラズマ核融合学会誌1月【83-2】/講座2-3

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(1)

2.

3.

1 はじめに∼光のスペクトルによる流れの

計測∼

宇宙の膨張が遠い銀河から来る光の赤方偏移から発見さ れたことは有名であるが,このように光の中心波長のドッ プラーシフトを光学的に診断することによってプラズマの 流れを測定することが広く行われている. 発光種のスペクトルはドップラーシフトした中心波長に 対し広がりを持っている.発光線の広がりの要因は 1)自然幅, 2)シュタルク広がり(衝突広がり), 3)スピン−軌道相互作用(微細構造), 4)ゼーマン分裂, 5)シュタルク分裂, 等がある.なかでも,微細構造はスペクトル形状を非対称 にするため,見かけ上の波長シフトを引き起こす可能性が あり,注意が必要である.自然幅は近紫外より長い波長で は無視でき,シュタルク広がりは高電子密度でのみ効いて くる.強磁場条件下ではゼーマン分裂の影響が大きくな る.一方,シュタルク分裂は通常の実験室プラズマにおけ る電場(∼kV/m)では無視できる.ただし,高速ビーム粒 子からの発光に対する"!!誘導電場(1∼数十 MV/m)に よるモーショナルシュタルク効果を除く. これらは,単一粒子からのスペクトル線のシフトである が,熱運動している集団は速度分布をもっているため,粒 子集団は有限温度による, 6)ドップラー広がり をもつ.さらに,これらのシフトや広がりを引き起こすパ ラメータが空間分布をもつ場合, 7)視線方向の積分量 を観測することになる.観測装置には装置固有の応答関数 である, 8)装置関数 があり,デルタ関数の入力に対しても出力は広がりをもつ ため,真のスペク ト ル を 得 る に は 装 置 関 数 を デ コ ン ボ リューションしなければならない(ガウス分布同士のコン ボリューションはガウス分布であるので,ガウス分布につ いては単に広がりの2乗の差の平方根を取ればよい).装 置関数は低圧放電ランプを用いて得ることができる.した がって,これらの要因を分離することができれば,対応す るパラメータを計測することが可能となる.流れ計測は広 がったスペクトル全体のドップラーシフトを検出する.た だし,観測している系で流れ場に分布がある場合には,あ る種の重みつき平均を見ていることを忘れてはならない. 本講座では,スペクトル形状,および形状全体のドップ ラーシフトを計測するための分光システムの基礎知識と利 用方法,および既存の分光器の活用法を述べる.

2.

3.

2 反射型平面回折格子分光器の仕組み

2.3.2.1 光学系の構成 分 光 器 に は プ リ ズ ム 方 式,フ ァ ブ リ ペ ロ ー(Fabry-Perot)型等いくつかのタイプがあるが,プラズマの発光分 光(Optical Emission Spectroscopy: OES)に広く使用され

ている分光器は,反射型平面回折格子(グレーティング)を 用いたツェルニ−ターナー(Czerny-Turner)マウント(お よびその変型)といわれるものである[1‐3].検出器には光 電子増倍管(photomultiplier tube: PMT),あるいは CCD (charge-coupled device)が用いられ,出口スリットの手前 に設置されたミラーで両者を切り替えられるものもある.

講座

高速プラズマ流と衝撃波の研究事始め

2.プラズマ流計測の基礎

2.

3 プラズマ流の計測

∼分光法∼

門 信 一 郎

東京大学高温プラズマ研究センター (原稿受付:2007年1月22日) プラズマの流れを分光法によって計測する際に必要となる,平面回折格子分光器の基礎(逆線分散,スリッ ト像の曲がり,非点収差)について解説する.流れ計測を行う際の留意点を指摘し,様々な装置(東京大学ダイ バータ模擬装置 MAP-II,核融合科学研究所大型ヘリカル装置 LHD,九州大学トカマク装置 TRIAM‐1M)におい て流れ計測が実際にどのように行われているか,その具体例を示す. Keywords:

reciprocal linear dispersion, grating smile, astigmatism, fine structure, charge exchange recombination spectroscopy, Zeeman spectroscopy

2.3 Plasma Flow Measurements― Spectroscopic Methods ―

KADO Shinichiro author’s e-mail: kado@q.t.u-tokyo.ac.jp

!2007 The Japan Society of Plasma Science and Nuclear Fusion Research

(2)

図1に示すように,分光器の内部光学系は,光路の順に 入口スリット→コリメートミラー→グレーティング→カメ ラミラー(フォーカスミラーともいわれる)→(1)出口ス リットと PMTまたは(2)CCD検出器となっている.途中に 全反射ミラーを入れて光路を折り返すタイプのものもあ る. 2.3.2.2 光ファイバー入射系 光の入射は,以前はレンズを用いて入口スリットに光源 を結像させていたが,最近では光ファイバーを用い,片側 に対物レンズ(object/objective lens)を使ってプラズマか らの像をファイバー端面に結像させ,もう片方の端面を入 口スリット面に置く(接触するかしないかぐらい)ことが 一般的になってきている.直接入射の利点の一つは,後述 する F 値のマッチングが行いやすいことであるが,ファイ バー光学系の方が測定対象の空間スキャンや位置の較正が 比較的簡単にできる.ファイバーの逆側からレーザーを入 れ,そのスポットを確認すればよい. 光ファイバーを用いた光学系で留意する点は,開口数 (Numerical Aperture:NA)である.集光可能な半角を' とおくと, (&$'/,-' (1) である.'は屈折率で,空気中では1(正確には 1.00028)で ある.石英ファイバーの NA は 0.2∼0.23 程度であるので, (&#!!#に対し).*/,-%!!#&#11.5°より,23°の集光全角を もつ. 一方,カメラレンズによく記載されている F 値(F ナン バー)も明るさの指標として有用である.焦点距離$,レン ズの有効径! とすると '$ $! ##0)-'" (2) であるので.両者は互いに変換され,このファイバーの F 値は 2.45(F/2.45 と記す)である((&#!!#$なら F/2.12). この結果からわかるように,F/2 の光学系を理想として設 計することによって最大光量を得ることができる. 分光器の明るさも F 値で表される.グレーティングの面 積"と等価な円の直径を式(2)の!に代入したもので定義 され, '$$#!"& (3) である.例えば,グレーティングサイズ 102×102 mm2の 1 m 分光器の F 値は 8.7 であり,グレーティングに$100 mm のマスクをすると F/10 となる.実際は球面鏡の面積や,入 口スリットからみたグレーティングの射影が有効面積を規 定するので,この値はあくまで上限と理解するほうがよ い.波長シフトの計測に必要な高分解能の分光器の F 値は 8程度まで大きくならざるをえない(暗くなる)ので,光 ファイバーから入射された光がすべて検出されるわけでは ないことは気にとめておく必要がある. 2.3.2.3 平面回折格子型分光器の逆線分散 分光器の特性を決めるパラメータは,検出器面単位長さ あたりの観測波長を与える,いわゆる逆線分散(reciprocal linear dispersion)+%"+([nm/mm]である.図2のような 配位をとる通例に倣ってこれを導出する.このとき,入口 スリット上の任意の点の,検出器位置での像を求めるた め,光軸から溝の方向にずれた点からの光線を考えてお く.図の紙面に垂直方向のこの煽り角を#とおく. 焦点距離 $[mm],グレーティング刻線数%[grooves(gr, G)/mm, lines(L)/mm]グレーティング法線(grating normal: GN)に対するコリメータミラーからの入射角'"とカメラ ミラーへの出射角'#の絶対値の和を#'![rad],回折次数 &(0次光に対し図の左側,角度の正方向が+次数)とす る.格子定数#[nm]#""%%""!!%&である. グレーティング法線(GN)を基準として,図2の座標系 を採用すると一般的に扱える.分光器の構造で決まる角度 は分光器マウントの基準法線(mount normal: MN)を挟む #'!である.煽り角#を考慮すると(文献[2]p.408 にある 図1 代表的な Czerny-Turner 型分光器の内部光学系. 図2 グレーティング方程式,逆線分散導出に用いる角度の関係 を表す図.GN: grating normal,MN: mount normal,FN: facet normal.

(3)

フェルマー(Fermat)の原理を利用した凹面グレーティン グの方程式等が参考になる),回折条件を与えるグレー ティング方程式は !',()'#",()'"(&*,$$$% (4) で与えられる.ただし,この配位では'"&!,'#%!と取っ ている.正の大きな回折角'#&!となっても一般性を失わ ない.ただし)'#)%&"#.'"!!の方向からの入射を考える 場合は,全体を GN に対し折り返せばよい. 分光器の配置においては,'!は固定で,グレーティング 回転角'+(今考えているグレーティングに乗った座標系で は分光器マウントの回転角と解釈できる)を外部から変化 させて'",'#を変え,抜き出す波長が決まる.そこで,回 折条件を'!,'+で表し,最終的には'+を%に変換して表現 しておくと直接的に扱える.0次項の出射方向と GN のな す角の大きさは入射角に等しく'"である.図2の配位で '!&!とおくと,角度の関係は #'!$'"!'# ! % " % $ (5) #'%$'""'# と表せ,これより, '"$'%"'! ! % " % $ (6) '#$'%!'! である.回折次数$として正を選ぶか負を選ぶかは'+の正 負と対応しており,グレーティング方程式は #!,()'%&*,'!&*,$$$% (7) と表すこともできる. '!の符号の物理的意味がやや理解しにくいが,図2で '##'"#!となる回折角のとき,'!!!を表すように決め ている,と解釈すると一連の式はそのまま使える. 出射角変化と波長変化の関係である分光器の角分散は $ '%'' #$!&*,'#&*,$

$!'&*,'!&*,'%",()'!,()'%(&*,$&! (8)

で与えられ(&*,'#&!),角分散と回折次数の符号は一致 している. 実際に分光診断に適用する場合,結像位置での波長とス ペクトル広がりとの対応関係は,逆線分散 '% '&$'''%# ''# '&$""'''%# (9) の絶対値で表すほうが実用的である.単位は通常,nm/ mm を用いる. ,()'%$#!&*,'$% !&*,$ ! % " # # # $ (10) &*,'%$!&*,'"

!&*,$ '!&*,'!&*,$( #! $% # " ## & より, $ '%'' #$ '!&*,'!&*,$( #! $% # " ## & "$%# -%)'! $ %. (11) グレーティングの刻線数#[G/mm]を用いて,最終的には '% '& ! ! ! ! ! ! ! !$)$)$ '%'& $"" &*,'!&*,$ $##"!!$ " ##! %" ### & " $)$)%#-%)'! $ %(12) を得る.'!#!のマウントでは負の回折次数を選ぶほうが 逆線分散が小さく(分解能がよい),逆に'!!!の場合は正 の次数を選ぶほうが逆線分散が小さい.このように,角度 の符号さえきちんと定義づけしておけばこの式は一般的に 成り立つため,数値を入れていくだけでよい.手持ちの分 光器の内部光学系がブラックボックスであっても,1点で 分散を求めて,'!$!の場合の理論値と比べてみると, -%)'!の項の前の符号と'!の大きさの見当がつく. 中心軸上の光線については$$!である.逆線分散の 「値」に与える$の効果は無視できるが,2.3.2.4節に示す よう,この$によって,収差とは別のスリット像の曲がり が引き起こされる. 右辺=0の場合は式(8)の'#$&"#に対応するので,こ れが適用限界を与える. 入射角がグレーティング法線方向となる特殊な場合に限 り,正負の次数は対称に現れるが,一般には,どちらの次 数を選ぶかで分光器の性能は変わってくる. 逆線分散を実測するには,'!と"をフリーパラメータと して'%のわかっている2重項(あるいは近接する2本の輝 線)に対する'&をいくつかの波長領域で測定しフィッティ ングを行えばよい.図3にその結果を示す.光源として Hg ランプおよび Ne ランプを用い,軸上の像について測定を 行った. フィッティングの結果,この分散特性を与える分光器の 実効的な焦点距離"$1000.69 mm,'!$6.77 °が求められ た.ほぼ対称なマウントにおいては,'!はカメラミラーに おける入射光と反射光のなす角でもあるので,2.3.2.5節 図3 逆線分散の実測,およびそれを用いたフィッティングに よって得られたフリーパラメータ(マウント基準角 '0,焦 点距離 f ). 178

(4)

に述べるよう,これから非点収差が推定できる. グ レ ー テ ィ ン グ に は 鋸 歯 状 の 断 面 を も つ「ブ レ ー ズ (blaze)」タ イ プ と 波 型 の「ホ ロ グ ラ フ ィ ッ ク(holo-graphic)」タイプがある.ブレーズタイプの溝の平面とグ レーティングの平面とのなす角はブレーズ角&'といわれ る.&",&#がこのブレーズ角に対して鏡面反射の関係,す な わ ち&'#&-の と き,回 折 効 率 が 最 大 に な る.特 に &!#!の と き,す な わ ち 入 射 方 向 に 回 折 す る 場 合

(&"#&##&')は回折条件を満たす波長%'が一意に決まる.

$#!に対する式(7)より %'##!.*%+&' (13) である.%#""に対する%'をブレーズ波長といい,グレー ティングの仕様に記載があるので,利用する波長領域に近 いものを選択する.高次光を使う場合もこの考え方で最大 効率を与える波長がわかる.ただし,実際の分光器マウン トでは&!は0ではないので,式(7)により,最大効率を与 える波長は(,.&!倍,すなわち短波長側にわずかではある がずれる.グレーティングの側面に記載してある矢印は 「グレーティングの矢(grating arrow)」といわれるもので, ブレーズタイプの溝面の法線(facet normal: FN)が向かう 側を指し示してある(図2参照).ホログラフィックタイプ では最大反射率は落ちるものの,回折光の波長依存性がな めらかであり,広い波長領域にわたって適用しやすい. 回折次数は実効的には刻線数#が%倍になったものに相 当する.したがって,% 次回折光の重畳が予想される場合 には,注意が必要である.バンドパスフィルターを挿入す れば重畳を避けることができるが,感度較正の時も挿入し て確認しておくことが重要である. 2.3.2.4 スリット像のスマイル特性 煽り角$の効果は,実効的に,波からみると刻線数 # が増加したこと,あるいは「グレーティング」からみると 波長が実際よりも長いと錯覚(?)してしまったことに相当 する. これによって,スリット像の曲がりが生じ,スリット全 体を積分して PMT 等で測定する場合には分解能の低下を 引き起こす.これは「グレーティングスマイル(grating smile, spectral smile)」あるいは「包絡曲がり」として知ら れるものである.スリット方向の高さを制限する三角のア パーチュアが付属してある分光器があるが,これは高さを 制限することで分解能を向上させることを意図したもので ある. 波長を固定し,軸上の像を基準として,そこからスリッ ト方向の軸外光源の像がどのくらいシフトするかを,出射 角&#の変化#&#で表し,対応する波長の変化を$の関数と して求める.

!%.*+&#".*+&"&#%% (14a)

! $ " $

#!%.*+%&#"#&#&".*+&"&(,.$#%% (14b) より,軸外光のグレーティング方程式(14b)から軸上の方 程式(14a)の cos$倍を引くと,(,.#&#$",.*+#&#$#&#

と近似し,

%!(,.&#(,.$&#&##%%%"!(,.$& (15)

を得る.通常&#を見積もることはしないので,分光の際に は必ず評価するであろう逆線分散の表現(8),(9)を利用 すると簡単になり, !(,.&#(,.$#% )%)& ##"% )%)& (16) となる.したがって,結像面における煽り角$に対する波 長方向の変位#&は

#&#"#&##%%"!(,.$&%)%")&& (17)

と表される.$が小さいときは,さらに (,.$#"!"#$#"' (18) より #&$#"#%)%"")&&%$# (19) と近似できる.ここで,同じ角度で球面鏡に入射する平行 光線は,そのうち中心を通る直線と交わる1点に集光する ことを利用し,スリット上の高さ$のとき $$/&+$#$"" を用いた.すなわち,スリットの像の軸上からのずれは, 波長に比例し,高さの2次関数で近似することができる. 「スマイル」といわれる所以である.式(12)より,逆線分散 は"""の依存性を持つので,スリットの高さが共通であれ ば,このスマイル特性はグレーティング刻線数が多く,焦 点距離の小さい分光器の長波長領域で顕著である.CCD の画面に現れたスリット像が笑顔に見えてきたら,あなた はもう立派な分光屋さんの仲間入りである. 図4に示したHgランプ546.0750 nmにおけるスリット像 のスマイル[4]は単位をピクセル(pixel,pix)から mm に換算すると#&#!!!!"$%$#と表される.ここで,strip はファイバーに対応するピクセルをランダムビニング(文 献[5]付録参照)により抜き出したもので,strip 間の平均距 離は 12.333 pixel である.1,800 G/mm のグレーティングを 有 す る"#500 mm の分光器 の 逆 線 分 散 は 529.05 nm で 0.0186 nm/pixel=0.845 nm/mm(1 pixel=0.022 mm)と求め られているので,これから&!#11.5°(このとき 0.844 nm/ mm)と推測される.この値を式(19)に適用して 546.0750 nm におけるスマイルを求めると#&#!!!!"$"$#であるの で,違いは3%程度であり,この曲がりは大部分がスマイ ルによるもので,他の収差の影響は小さいと考えられる. スリット像スマイルが気になる場合には,もし波長領域 がある程度限定されていれば出口の像が直線となるような 入口スリットの形状を逆算して,そのような形のスリット (curved slit)を特注することが行われている.ただし,収 差補償光学系等,光学系が単純ではない場合は,そう単純 ではないかもしれない. 179

(5)

2.3.2.5 球面鏡分光器の非点収差 分光器はグレーティングの特性を最大限活かすため,分 光器への入射光をいったん平行光にして回折させた後,検 出器面に結像させる.一般に媒質の屈折率には波長依存性 があるため,波長によってレンズの焦点距離に差がでるこ とは周知のことであろう.これを色収差という.一般的な 分光器はこれを防ぐため,球面鏡が用いられている.アク ロマートレンズや市販のカメラレンズ等の色消しレンズを 用いれば可視光領域の色収差を低減できるが,使用波長が 可視光に限られる.単色光に対する収差は球面レンズも球 面鏡も同じであり,以下のザイデルの5収差といわれる分 類がある[6].レンズ系では低次の収差が補正されている ものもあるが,便宜上,ザイデルの5収差で分類されてい るようである. ・球面収差(spherical aberration):光軸に平行な光線の焦 点位置が光線の高さによって異なる.結果,像のボケに なる.光軸における装置関数を規定する. ・非点収差(astigmatism):斜め入射に対して,縦横の焦 点が異なる.光軸外での焦点が合わない.球面鏡分光器 をマルチチャンネルにして用いる場合,注意が必要であ る.レンズを用いた分光器では非点収差はなくすことが できる. ・コマ収差(coma):光軸外の像が彗星のような尾を引く. ・像面湾曲(field curvature):像面が光軸方向に歪む.結 果平面で検出すると周辺がぼやける. ・歪曲収差(distortion):長方形の像が樽状や糸巻き状に 歪む. もちろん,これらの収差は独立ではない.一般的な分光 器は1枚,ないし2枚の球面鏡を用いてあり,特に重要と なるのは非点収差である. 非点収差を記述する座標平面には,光軸(座標系の基準 軸)と主光線(開口−ここでは球面鏡−の中心を通る光線)

を 含 む メ リ ジ オ ナ ル 面(meridional plane, tangential plane:子午面とも)と,入射点(反射点)におけるメリジ オナル面に垂直なサジタル面(sagittal plane)がある.分光 器は通常メリジオナル面に分散方向をとるマウントであ る.導出は省略するが,球面鏡の光線の軌跡にフェルマー の原理を用いると,いわゆるレンズの結像式の球面鏡版 は,お互いに結像関係にある共役な像1,2と曲率半径 "の球面鏡の距離それぞれ L,L2とすると,メリジオナル 面(&)について, $&%$"! "" "!## # "&)*$$"#%#$&)*$$"" #%, (20) 座標成分#%#!%&)*$$"#%,(%#"!#)で表すと $&%$"# "" "### # "&)*#$$"#%#$&)*#"$$"#% (21) である.ここで$は入射光と反射光のなす角)であり.多 くの分光器では前節の$!にほぼ一致するような対称なマ ウントになっている(図1参照).一方このとき,サジタル 面(')については, $'%$"! "" "!###&)*$$" #% " #&)*$$"$#%, (22) 座標成分で表すと $'%$"# "" "### #" # " $ (23) である.平行光線の場合,(&)に関してはメリジオナル焦 点,(')に関してはサジタル焦点といわれる.これらは横 焦点,縦焦点ともいわれているが,縦横はマウントにもよ るので,あくまで俗称としておくほうがよさそうである. 平行光線が集光される点の光線方向の差#!,光軸方向 の差##は入射側を無限遠として #!#!#$'%!!#$&%#$+%($$"#%*'($$"#% (24) #####$'%!##$&%#$*'(#$$"#% (25) で表される.これを非点隔差(astigmatic difference)と呼 ぶ[7].分光器は球面鏡が2枚あるので,それぞれの値の和 が分光器のもつ非点隔差となる.分光器に採用される程度 の小さい角度では,#!と ##の差はほとんどなく, $#1 m,$#7°とすると,7.5 mm 程度の非点隔差である.サジ タル焦点の座標位置は角度に依存せず,メリジオナル焦点 が球面鏡側に移動するが,分光器の出口スリットは分散方 向の焦点であるメリジオナル焦点に合わせて波長分解能を 最大にするので(縦長の像になる),サジタル焦点が外側に 存在する. 以前はスリット高さの分を積分していたので,メリジオ ナル焦点を分光器の焦点とすれば事足りた.しかし,近年 では CCD 検出器を用いたマルチチャンネル分光が主流と なってきているので,その利点を活かしきることができな い. 新たに分光器を用意する場合であれば,非点隔差を曲率 図4 グレーティングスマイル(文献[4]Fig. 3 より転載). 180

(6)

の差で解消したトロイダル鏡が採用されているものや,軸 外し放物面鏡を用いたものを選べばよい.後者は,光軸上 における非点収差および球面収差,コマ収差がほぼ解消さ れているため,良好な分解能を得るが,軸外の像について は収差が大きい. なお,グレーティングにマスクをする等をして(マスク は平行光部分であればよいが,グレーティングホルダに被 せるのが通例),周辺からの回折光をカットすれば収差を 低減することができる.特にコマ収差は装置関数が非対称 になってしまうのであまり好ましくないが,グレーティン グの片側にマスクをすることで軽減される.ただし,これ らは諸刃の剣であり,分光器の実効的な F 値が大きくなっ てしまう(暗くなる). 2.3.2.6 非点収差の補償 高分解能の収差補正分光器を新規に購入するのはコスト がかかるので,現有あるいは調達可能な,球面鏡を利用し た分光器が活用できれば好都合である.その方法をいくつ か述べる. (1)入射ファイバーを少しスリットから引き離して,検出 器のメリジオナル焦点は入口スリットのままであるが,サ ジタル焦点がファイバー位置にくるようにする.自走(フ リーラン)モード([5]付録)で像を見ながら調整を行えば よい.この方法は簡便でコストもかからないが,ファイ バーの開口数によってかなりの光量の損失が懸念される. 具体例として分散方向で比較すると,('#!!#,コア径200 μm のファイバーが入口スリットから 7 mm 離れたとする とスポット径が 3 mm 程度にまで広がってしまうので,例 えば 100μm のスリットで切り取られるとメリジオナル面 上で光量が約 1/30 にまで落ちることになる.F/8 の暗い分 光器であっても,F/2 のファイバーの 1/4 が利用され(ス リット方向は同等に 1/4 に落ちる),その半分がスリットで 切られると考えると光量が 1/8 程度であるのでその差は少 なくない.明るい分光器であればそれだけ顕著になる. 入口スリット上にレンズで集光させれば,その分だけ光 子数が増えるのでは,と考えてはいけない.光ファイバー を2:1に集光しても,入射が F/1 になるため,大部分は 迷光になるだけである.逆に拡大させて F をマッチングさ せるほうがよい場合もあり得る.スリット幅やスリット方 向の空間チャンネル数,レンズを挿入することによる色収 差等を十分検討して判断すべきである. (2)入口スリットとファイバーとの間に球面鏡を用いた補 償光学系を挿入する.分光器のメリジオナル面が補正光学 系のサジタル面となるように,90°回転させ,球面鏡の曲率 半径と入射角を調整して差を元に戻す. この方法は次項のような波長依存性も考えなくてよい が,ややコストがかかる上,調整が困難であり,専門業者 に依頼しないかぎり,あまり気軽に手をだせるやり方では ない. (3)出口スリットと検出器の前に円筒レンズを組み合わせ た収差補償機能付き拡大光学系を挿入する[8].円筒レン ズを縦と横に用いるので,縦横等倍にはできないが,横(波 長方向)を拡大することにより,スペクトルあたりのピク セル数(データ数)を増加させることができる.これはス ペクトル形状や微少なシフトの計測に適している.欠点 は,色収差のため,波長を変えるとピントをあわせ直さな ければならず,その時,倍率もわずかであるが変化するこ とである.測定ラインが固定されている場合は問題ない が,複数波長を in-situ に選択したい場合には,拡大光学系 のレンズホルダにリモートコントロール機構を組み込み, 補償光学系を開放しなくてもピント調整ができるようにし ておけば使いやすい.ただし,対象とする波長近くに,波 長基準となる光源があることが望ましい.図5にその光学 配置例を示す. (4)球面鏡の交換 著者らは試したことがないが,分光器の球面鏡の少なく とも1枚をトロイダル鏡に交換する,分光器内部に平面鏡 部分のある配位であれば,それを円筒鏡に交換する,等の 方法もあり得る.(2)に比べてコストはかからないが,(2) 同様,ユーザ側で行うのは困難であろう.

2.

3.

3 流れ計測の実際

2.3.3.1 流れ計測へ要求される仕様 関数フィットでドップラーシフトを求める場合,速度0 点の評価が正確にできれば,1/2 pixel 程度の流れ速度を フィッティングで得ることはさほどむずかしくない. 近年の標準的な CCD 素子サイズ 20μmを例にとり,一つ の目安として,$#1 km/s の流れを素子上で 10 μm のシフ トとして検出するための分光器の仕様を見積もってみよ う.ただし,フィッティング精度向上のため,単一温度の ガウス分布をしている線スペクトルプロファイルは 10 pixel 以上で検出したい.光速!,輝線の波長 #!#500 nm におけるドップラーシフト, "###!$!$%!!"%$""!!&&#"!%""!!$*) (26) より,0.15 nm/mm の逆線分散が要求される. 通常の用途として想定される高分解能分光器("#1 m, ##2,400 G/mm,#$!#15°)を想定すると式(12)から 0.296 nm/mm であるので,ほぼマージナルであり,できればも う少し向上させたい.分解能はスリット幅にもよるが, 図5 非点収差補償付き拡大光学系. 181

(7)

0.03 nm(FWHM)程度と想定できるので,装置幅は 5 pixel 程度である. 例えば,4倍程度の拡大光学系を採用すると,0.074 nm /mm となり,装置幅を 20 pixel 程度にまで向上できる.こ のような拡大光学系を用いると,($1,200 G/mm ないし, '$0.5 m 程度でも計測可能である.拡大光学系を用いない 場合,1 km/s の流れを測定するには,検出器の素子サイズ の小さいものを用い(9∼13μm のものがある), '$1 m, ($1,800−2,400 G/mmはほしい.4−5 km/s程度の流れが あれば,この条件はかなり緩和される. 拡大光学系は逆線分散[nm/mm, nm/pixel]を減少させ, データ点を増やすことができるが,波長分解能(wave-length resolution)が向上するわけではない.あくまで波長 分解能はグレーティングと焦点距離と光学配置できまる. 画素の細かい CCD を用いる場合も同様で,逆線分散[nm/ pixel]を減少させるだけである.「分解能」というと語弊が あるので,「(像)解像度(image resolution)」の術語使用を 推奨する. 2.3.3.2 速度0点の評価 前述のように,プラズマの流れ計測は 1 pixel 以下の波長 のドップラーシフト量をその数分の1の精度で測定する必 要がある.そのため,速度0に対応する波長基準を高精度 に求めることが死活問題といっても過言ではない.波長を 掃引して PMT で記録する方法は機械的なジッターがある ため,いまの要求を満たす精度で波長を特定するのは困難 である.分光器の波長を固定して,CCD 検出器で測定する ことが第一選択である. 測定機器の波長較正には,低圧水銀ランプ,ネオンラン プ,重水素ランプ等が用いられる.測定対象とする波長の 両側で CCD の1画面に収まる都合のいいラインペアがあ れば言うことはないが,必ずしもそのような輝線スペクト ルが存在するとは限らない.加えて,マルチチャンネルで はスリット像のスマイルがあり,画面の周辺片側に波長基 準がある場合は,歪曲収差(distortion)の逆線分散への影 響も懸念される. 測定対象側についても,スペクトルの微細構造や分裂を 正しく評価せずにガウス分布でフィットすると見かけ上の シフトとなって検出されてしまう可能性もある. もっとも効果的な方法は,流れの上流(赤方シフト)と 下流(青方シフト)の両方から対称な測定視線を取り,両 者の平均を0点とすることである.この際,上流と下流の 視線を画面の上下にわけてしまうと,結局収差等の影響が ぬぐえないので,同じCCD位置にチャンネルを入れ替えて 測定するか,あるいは上流と下流のチャンネルと互い違い に並べて,その平均曲線をフィッティングして求めるのが 好ましい[4].逆に,上流と下流の視線が確保できない場合 には,波長に依存するスリット像のスマイルや収差,スペ クトル線の分裂を精密に評価して解析に取り入れなければ ならない.これらが精度良く評価できれば,概算値や相対 変化としては使えるであろう.トーラスプラズマのポロイ ダル回転の分光計測では,プラズマ中心の回転速度が0と なるように補正することも考えられるが,磁気軸は有限& 効果等でその位置が動くため,曖昧さは残る.

2.

3.

4 流れ計測の例

2.3.4.1 エネルギー準位と波長 歴史的に,分光学におけるエネルギー準位は1 cmあたり の真空中の光の波の数(波数:wavenumber,カイザー, cm−1)で表すことが多い.エネ ル ギ ー 準 位 の 差 を と っ て,その逆数を空気中の屈折率で割ったものが,観測され る波長に対応するからである.cgs 単位系の頃は長さを cm で表していたのでまだよかったが,SI 単位系だとやや直感 が狂ってきそうである.今日ではコンピュータプログラム に書いておけば変換が容易であるので,エネルギー"を [J]や[eV]等で表しておくと教育現場との対応がついてよ いかもしれない.とくに, "[eV]$"!! )% & ! ""[cm−1=1.23984×10−4"[cm−1 (27) '-/[nm]1 $ )%! " "!& * $"(.,),"-/1$"#$*!&!#$"[eV](28) は有用である.ただし)はプランク定数(6.6260693×10−34 Js),%は真空中の光速(2.99792458×108m s−1&は電荷 素量(1.60217653×10−19c)である.波長測定の精度は5∼ 6桁にもなるので,物理定数はそれに見合う精度のものを 採用しなければならず,古いテキストの値を使うと,若干 誤差が生じる場合があることに注意する. ここで,空気の屈折率は,0.20∼1.35μm で使える公式と して,'を[μm]単位として ,-/1$"" '%$#!! )" #*%*)"!"%'!'!#" #&&%!%"!'!#"#"!!)(29) で与えられ,可視光全体(370−800 nm)にわたり 1.00028 を用いてよい. 2.3.4.2 微細構造を考慮した流れ計測 歴史的には,1本に見えていたスペクトルが,分解能の よい分光器で見ると複数のスペクトルからなっている場合 があることから,微細構造(fine structure)とよばれ,ゾ ンマーフェルトらは,当初ボーアの前期量子論に楕円軌道 を導入することで説明を試みようとしていた(失敗におわ る).非相対論的波動力学によると,スピンを天下り的に与 えたスピン‐軌道相互作用(SO-interaction, LS-coupling等と いわれる)と相対論効果の和として記述され,ディラック の相対論的量子力学では厳密に導出される. 微細構造による主量子数,のエネルギー準位は波数単位 [cm−1 "&,"*'$!$,###- ""&%$' # , !*""#"#!%,$" # $ (30) で 与 え ら れ る.#2$#%#&""+.#!+0'$"!*($(!$!$(#+. [cm−1:リドベルグ定数,($+ .++0#&+."++0':電子 換算質量,%:ゾンマーフ ェ ル ト 微 細 構 造 定 数 7.2977× 10−3$:原子核電荷数,!:質量数.*は全角運動量に対 182

(8)

応 す る 内 部 量 子 数 で あ り,あ る 方 位 量 子 数*に対して (*!-(から *"-まで#-""個の整数をとる.水素様イオンは -$"##であるので #-""$#すなわちスピン2重項であり, こ れ 以 外 の 多 重 項 は な い.し た が っ て,選 択 規 則 は $*$%",かつ $($!"%"(ただし (,$($!は除く)のみ である. 式(30)からわかるよう,微細構造は(の値にのみ依存し ているため,例えば($"""##と ($#!"##は縮退すること になる.,$$の準位を例にとると,LS 結合による2S 1/2, 2P 1/2,2P3/2,2D3/2,2D5/2の5つの準位が相対論効果によっ て($1/2,3/2,5/2 の3準位にまとめられる(実際には Lamb シフトといわれる量子電磁力学(QED)効果により 微少量の差がある). この選択則によって考慮すべき,%線($,$#!$)の微 細構造は7本,Paschen-%($,$$!%)は13本に限られる. 輻射遷移による発光強度の計算を行う場合はこれらをすべ て加える必要があるので,相対論効果による同一(への縮 退にこだわらない方が混乱がなく,実際,インターネット 経由で参照可能な原子分子データベース[9]には QED 効果 も考慮され,独立した輻射遷移として記載されている(同 一波長になっているものもある). 図6は東京大学の直線型ダイバータ模擬装置 MAP(ma-terial and plasma)‐II[10]における He II($,$$!%の Paschen-%に相当)の微細構造とそれを考慮したイオン温 度,流れ速度の観測結果である[11].2,400 G/mm のグレー ティングを用いた 1 m の Czerny-Turner 型分光器の出口ス リット位置に図5のシリンドリカルレンズを用いた拡大光 学系を挿入し,非点収差の補償も行っている.26.5 度の角 度を持って上流と下流からドップラーシフトを測定し,速 度の 0 点と流れの絶対値を求めている. 強度比の計算では後述する自然放出係数と統計重率の データベースが必要である.著書[12]にあるような分岐比の 表現を利用してもよいが,数値データが存在すると便利で ある.NIST のデータベース[9]には,He+からの発光(He

II)のデータセットはないが,水素原子(H I)の Paschen-%の

微細構造については13本の遷移波長について同じ遷移項に 対応する自然放出係数が得られるので,縮退度との積を規 格化して分岐比とした.すると微細構造を含めたスペクト ル形状を与えるフィッティング関数として "&&'$"!% '$" "$

&#('""'!'165! &!&&!!&' "#1 ! "# # $ (31) と表すことができる[8].スペクトル線の 1/e 幅&"#1はドッ プラー広がりである.各微細構造の波長の差はわずかであ るので,これらに共通する温度を与えるものとしてよい.

&"#1$&%!(#)$#22$&%!(#&$!+2)1.*5

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!&$2!01.* (32)

$2)1.*$ )$! "$ %&&2 &"#1 !

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&! ! "# (33) が成り立つ.半値全幅&+/,-$#3+ &4#"#1を用いて表した & +/,-&! $ "! !% "!$!"'$2)1.*! (34) $2)1.*$"!'*#"!)! &+/,-& ! ! "# (35) も使いやすい. 装置関数をデコンボリュートして得られる真のドップ ラー広がりから,これらの式を用いてイオン温度が出せ る.ガウスフィッティングプログラムで求める場合,1/e 幅のほうが直接的であるが,広がりの表現,分光器の分解 能の表現として半値全幅がまだ一般的に使われている. 全体のシフト量&!が流れ速度のドップラーシフトであ り,図6のスペクトルから得られる流れ速度は 1.38 km/s である.励起係数の方位量子数*への依存性はない,ある いは上準位サブレベルの占有密度が統計重率にしたがって いる(衝突緩和している)とした場合に相当する.この仮 定下においても,スペクトルを非常によく再現しているこ とがみてとれる. 仮に微細構造を考慮せずに右の山の単一ガウス関数でイ オン温度を求めると有意な過大評価となることが予想され るであろう.分解能の悪い分光器なら,さらに左の山もス ペクトルの広がりに入り,非対称性が増大してしまう.0.5 eV の He II($,$$!%)では右の山だけでも 1 eV の広が りを超えてしまう. イオン温度によるドップラー広がりがこの微細構造より も十分大きければ,単一ガウスを用いた場合の見かけ上の シフトを認識することがむずかしくなるであろう.表1に 示した He II の微細構造にはおおよそ 0.04 nm 程度の分裂が あるので,例えば,半値全幅が 0.1 nm の He II に対応する ドップラー広がりを見積もると 30 eV である.したがって これよりも低い温度の評価には微細構造を考慮に入れない とスペクトル中心の特定が困難であり,これより高い温度 の場合のドップラーシフト計測には,微細構造による疑似 シフトに注意しなければならない. 図6 微細構造を考慮した He II($n = 3 ‐ 4)のドップラープロ ファイル.流れに垂直な方向から±26.5°傾け,赤方シフ ト,青方シフトを測定して速度0点を決めている(文献 [11]Fig. 5 より転載). 183

(9)

2.3.4.3 荷電交換分光法によるプラズマ回転計測 荷電交換分光法(charge exchange recombination spec-troscopy: CXRS,CXS,CER,CHERS 等と略される)[13] は入射した中性粒子ビームと完全電離不純物イオンとの荷 電交換に続く発光のドップラー広がりからイオン温度を, ドップラーシフトから流れ速度を計測する.その原理を図 7に示す.CXS に利用される不純物ラインは,閉じ込めプ ラズマ中に一般的に存在する He,C,O や,外部から導入 した Li,Ne 等である: H0(NB)+ C6+→ H++ C5+"=8) → H++ C5+"=7)+ !"(529.05 nm) 他のラインを輻射遷移のみ記すと C VI:C5+"=7)→ C5+"=6)+ !"(343.37 nm) Ne X:Ne9+("=11)→ Ne9+("=10)+ !"(524.90 nm) He II:He+"=4)→ He"=3)+ !"(468.60 nm) 等がある.荷電交換断面積は"が小さいほうが大きい反 面,"の小さい準位からの発光は軟X線や紫外領域にある. 平面回折格子分光器の適用範囲は紫外よりも長い波長領域 であるが,紫外領域は光ファイバー中の減衰が大きいう え,様々な不純物ラインが混在している領域であるため, 可視光の遷移を好んで利用する傾向にある. CXS はビームと視線の交点で観測位置が決まるため,空 間分布計測が可能な強力なツールである.ただし,ビーム ラインからの発光を見込む視線にはプラズマ周辺の中性粒 子からの荷電交換や水素様イオンへの電子衝突によりこの ラインと同じ量子数に励起する成分(これらを低温成分と いう)が重畳しているので,ビームを見込まない視線から の発光を差し引く,ビームにモジュレーションをかける等 の方法がとられる.荷電交換を利用すると完全電離イオン が電荷をもらって水素様になるため,水素様イオンの知見 が活用できる.ただし,水素イオンは荷電交換すると水素 原子となり,磁力線の拘束から逃れるため,どの磁気面か らの発光かが自明ではなくなる.したがって,特定の用途 [14]でない限りあまり好まれない.完全電離不純物イオン を測定する利点は,プラズマ中心まで存在していること, バルクイオンと熱平衡条件を達成しやすいことである.不 完全電離イオンは温度の高い中心領域では電離によって失 われるため発光が弱くなる.高温プラズマ中の完全電離イ オンの損失はエネルギー閉じ込め時間で決まるので,「不 純物イオンの温度」=「プラズマのイオン温度」と考えら れるには,エネルギー閉じ込め時間よりもイオン−イオン の温度緩和時間が短いことが必要である.不完全電離イオ ンの場合は,電離に要する時間が温度緩和時間よりも長 い,という条件が加わる.したがって,これら素過程の オーダーを見積もっておくことが重要である. 微細構造分裂の Z4への依存性のため炭素では微細構造 の広がりが大きくなるが,主量子数の大きいものを使うこ とでやや小さくなる.水素様炭素イオン(Δ"=8‐9;529.05 nm air)の 微 細 構 造 分 裂 に 相 当 す る お よ そ 0.15 nm の

transition line[nm, air] branching ratio 32P1/2D3/2 468.538 0.081566 32S1/2P3/2 468.541 0.042633 32P1/2S1/2 468.552 0.004254 32S1/2P1/2 468.557 0.021317 32P3/2D5/2 468.570 0.146823 32D3/2F5/2 468.570 0.268526 32D3/2P3/2 468.576 0.000483 32P3/2D3/2 468.576 0.016316 32D5/2F7/2 468.580 0.383628 32D5/2F5/2 468.583 0.019181 32D5/2P3/2 468.588 0.004351 32P3/2S1/2 468.591 0.008506 32D3/2P1/2 468.592 0.002417 表1 He II(!n = 3 ‐ 4)微細構造解析に用いたデータ.分岐比 は H I(!n = 3 ‐ 4)のデータベースと縮退度を採用した. 図7 荷電交換分光法による流れ計測の原理図.NB は中性粒子 ビーム. 図8 荷電交換分光法を用いて測定したポロイダル回転による波 長シフト(文献[4]図5(a)より転載). 184

(10)

FWHM に対するイオン温度は 200 eV であるので,それよ り高温のプラズマでは単一ガウス関数による温度評価に与 える誤差は小さいが,ドップラーシフトの計測には影響す る.前節同様,上流,下流の両方から観測することでこの 問題は解消される[4]. 図8は,核融合科学研究所 大 型 ヘ リ カ ル 装 置(Large Helical Device:LHD)における荷電交換分光法の計測例で ある.分光器は2.3.2.4節図4に取り上げたものであり,ト ロイダル鏡によって非点収差が補償されている. 上流と下流の視線を互い違いに並べているため,それら がスリット像のスマイルに対応する,フィッティング曲線 の青方シフト側と赤方シフト側に互い違いにシフトしてい るのがわかる. プラズマの流れが測定できると,径方向の運動量バラン スから径電場を求めることができる.イオンの流体運動方 程式は ()%!%,"$% %$'"$%%'&%)%(""$%#!)!'*%!'"%"# (36) と表される.ここで*," は圧力の等方,非等方成分であ る.$は外部から加えられた運動量(ビーム入射等)や内 部のクーロン摩擦力等を表している.詳細は文献[15]を参 照されたいが,径方向に着目すると,運動量入射はなく, 圧力は対角項のみなので,無衝突の定常解より,#をトロ イダル成分,$をポロイダル成分とすると,径電場 #'%! !'& %)% %*% %+!-$"#"-#"$ (37) を得る.なんらかの原因でイオンと電子の粒子束に差が生 じると,それを戻す方向の電場が自己形成されることが知 られているが,そうして生じた電場とバランスするよう に,圧力勾配やプラズマの流れ(回転)が生じる.ここで, 第1項は圧力勾配によるイオン反磁性項であり,価数が大 きくなると無視できる程度になる.したがって,完全電離 可能でかつ Z の大きい不純物イオンが,流れと電場の関係 が単純であるため本計測に適している.一般的に,トーラ ス装置では,トロイダル磁場がポロイダル磁場に比べて一 桁程度大きいので,第2項,すなわち,ポロイダル回転の 項の寄与が重要となる. 径電場による"#!ドリフトは,イオン種によらず共通 であり,反磁性項はイオン種によるため,回転速度はイオ ン種によって一般には異なっている.バルクプラズマの回 転速度を求めるには,本計測法で不純物イオンより得られ る径電場および,イオン温度に加え,他の計測法で得られ る電子密度(=イオン密度)の分布をあわせて評価する. 文献[16]等では,DIII-D トカマクの複数のイオン種に対 する CXS で得られたイオン温度,プラズマ回転速度から, 圧力勾配が小さい中心付近のトロイダル回転が,バルクイ オン(He2+)と不純物イオンでほぼ同程度(120 km/s),と の報告がある.イオン温度はどちらも同程度(3 keV)であ るので,バルクイオン(!%#)のマッハ数(% %-#!-($%)は 0.45 程度であるが,炭素イオン(!%!")だと,0.78 程度に までなる.このとき,反磁性項に対応して,ポロイダル回 転はイオン種で異なっている. 一般にポロイダル回転速度-$,および"#!回転速度 -##"はイオンの熱速度-($%に比べて小さいが,ポロイダル マッハ数といわれる物理量%&について, %&%--##" ($% " "$&! (38) であればある種のショック構造が形成され得ること("$ は一般に全磁場強度より1∼2桁小さい),さらにイオン の反磁性ドリフト成分が"#!流れを緩和する方向(具体 的には負電場)の場合,ショック形成が弱められることが 示唆されている[17](本講座4.2節で扱われる予定).した がって,ポロイダル回転計測は,イオンの熱速度よりも遅 い流れ場であってもトーラスプラズマのポロイダルショッ ク形成を規定するパラメータとして重要である. 2.3.4.4 ゼーマン分光法による流れの局所計測 中性粒子ビームがない装置や中性粒子ビームを見込む観 測ポートが確保できないとき,何らかの方法で温度や流れ 速度の局所値を得ることができないであろうか.強磁場の 閉じ込め装置では,磁場強度が大半径方向に依存性を持つ ため,ゼーマン分裂を利用することができる.通常,ポロ 図9 ゼーマン分光法による流れ計測の原理図.HFS は強磁場 側,LFS は弱磁場側の発光スペクトルを表す. 185

(11)

イダル断面の強磁場側と弱磁場側の2ヶ所からの光を観測 するため,発光位置がある程度局在していれば,2つの磁 場成分が重畳している.これを分離して対応する磁場強 度,すなわち空間位置を特定し,その位置のイオン・原子 の温度や流れ速度を測定する(図9). 全角運動量(対応する量子数()の場の方向成分に対応す る量子数$ は外場のない状態では#(""重に縮退している が,磁場があるとこの縮退はとけ,スペクトル線が分裂す る.磁場が弱い場合や,逆に強磁場の極限(Paschen-Back 効果)では,発光線の磁場に対する応答が線型であり,手 計算でもなんとか導ける.しかしながら,一般には,その 中間(不完全 Paschen-Back 効果)であることが多く,ハミ ルトニアンに摂動項を付与して対角化する,いわゆる「縮 退のある場合の摂動法」を適用して求めることになる[18]. 量子数$ に対する選択則は $$ $!"%"である.ゼーマ ン効果で$$ $!の発光は (成分(parallel)であり場の方 向に直線偏光している.$$ $%"は )成分(senkrecht)で あり,符号は右回り,左回り円偏光を与える.円の法線方 向が場の方向である.円偏光は円の側面から見ると,直線 偏光として見える.串のささった円盤をイメージすればよ い.右回り円偏光として観測されるか左回り円偏光として 観測されるかは,この円盤の表をみるか,裏を見るか,す なわち (光の傾く方向で異なることに注意する. 偏光を分離して計測する場合,対物レンズ位置に偏光素 子を設置しなければならない.なぜなら,通常用いられる マルチモードの石英ファイバーを通過すると偏光特性が変 わってしまうからである.ファイバーを使わず,直接入口 スリットに導く場合でも,分光器内のグレーティングの反 射率が偏光に依存するため,較正,解釈が複雑になる. モーショナルシュタルク効果(MSE)[19,20]を利用した計 測の場合でも状況は同じである. ゼーマン効果を利用して2ヶ所からの発光を分離するに は,両 者 の 磁 場 の 差$"に よ る ゼ ー マ ン 効 果 の 差 $#&&'&)$")に対応するゼーマン分裂がドップラー広が

りよりも大きいことが要求される(いわゆる ,因子は1の オーダーとして見積る).'&はボーア磁子('&$9.274× 10‐24J/T)である.式(28)の遷移エネルギー($#)[J] 異 な る 磁 場 強 度 に よ る ゼ ー マ ン 効 果 の 差 に よ っ て $'$#($$#&だけ微少分裂したとすると,遷移の中心波長 &!(真空中)におけるゼーマン分裂の差は SI 単位系で,お およそ

$&&$$ '&!$#"&'& $'$#(#'$#(#$$ &! # '& ! "$#& (39) と見積もれる.よって,式(34)と比べて, $"*)+#"!%$#"!!% " &!*(+ %-*+*+ ! % (40) である.ただし,イオン温度を別途評価したり,偏光の利 用によりこの条件は大きく軽減される. この原理を九州大学 TRIAM‐1M トカマクに適用した. 図3の逆線分散をもつ分光器で,文献[21]では ICCD の増 幅ノイズおよび像解像度の低さにより精度が悪かったが, その後,素子サイズ 13.5μm の冷却 CCD に交換し,精度が 上昇した[22].磁場のピッチ角が微少であるので,π 成分 は位置によらず,トーラス方向である.そこでフィッティ ング精度を上げるため,直線偏光子で中心部のπ 成分を カットし,σ 成分のみ計測している. '%(図10(a))は種々の原子分子過程により複数の温度成 分を持つことがわかっており,1つのガウス関数でフィッ トできることはまず望めないが,2温度ないし3温度分布 を仮定するとフィッティングできている.プロファイルの 左の山が分裂していることから,2ヶ所で発光しているこ 図10 TRIAM‐1M トカマクプラズマのゼーマンスペクトル.(a) H%,(b)He I:23P‐33D(587.6 nm).CH13,14 は磁気軸を

通るほぼ水平面上にある観測視線(文献[22]Fig. 2(a), Fig. 3(a)より転載). 図11 (a)磁気軸の大半径位置 Rax.ゼーマン分光により求められ た H%の(b)発光位置および(c)流れ速度.CH22 は下向きに ダイバータ板を臨む視線.負の速度は観測者方向への速度 成分による波長の青方シフトを示す.(文献[22]Fig. 8, 10 より一部転載). 186

(12)

とが目視でもわかる.He I は単一温度成分なので,スペク トルは単純である(図10(b)).TRIAM‐1M の放電におい て,磁気軸の位置の時間変化,およびその時ゼーマン分光 で測定した水素原子の発光位置とその位置における流れ速 度を図11に示す.特にハッチをかけた部分に顕著なよう に,磁気軸の変化に追従してこれらが時間変化しているこ とが検出できている. ヘリカル型 LHD においても,He I ゼーマン分光[23]や, Glan-Taylor 偏光プリズムを利用した!!の偏光分離計測 [24]等精力的に行われており,成果が公表されている.

2.

3.

5 おわりに

プラズマの流れを計測するための基礎知識として,通常 の文献にはあまり記載されない実用的な部分を取り上げて やや詳しく述べた.教科書と論文との溝が少しでも埋まれ ば幸いである. 本講座で紹介した受動分光のみならず,レーザー誘起蛍 光法(laser induced fluorescent spectroscopy: LIF)等,ドッ プラーシフトから流れ速度を導出する手法の特徴は,流れ の絶対値が出せることである.マッハプローブ計測はマッ ハ数が得られるので,イオン音速(ないしイオン熱速度)を 別途評価しなければならない. この特徴を活かし,本講座2.2節に示されたようにマッ ハプローブによる測定値の検証を行ったり,マッハプロー ブの較正値として採用することも行われている[25,26].

本講座に挙げた MAP-II,TRIAM‐1M の流れの受動分光 計測は四竈泰一君の東京大学大学院工学系研究科システム 量子工学専攻修士論文(2004年3月),および博士学位論文 (執筆中)の一環として,東京大学 MAP-II グループの学生 諸氏の協力のもとに行いました.ここに感謝するとともに ますますの研鑽を期待します.荷電交換分光については, 著者が核融合科学研究所在籍時に同研究所,居田克巳博士 と共同で開発を行ってきました.ゼーマン分光は九州大学 TRIAM‐1M グループとの双方向共同研究(NIFS04KUTR 001)にて行われました.MAP-II の実験は LHD 計画共同研 究(NIFS04KOAB009)により助成を得ています. 参 考 文 献 [1]藤岡由夫編:分光学(講談社,1967). [2]吉 永 弘 編:応 用 分 光 学 ハ ン ド ブ ッ ク(朝 倉 書 店, 1973). [3]日本化学会編:新実験化学講座 基礎技術3 光[I] (丸善,1976).

[4]K. Ida, S. Kado and Y. Liang, Rev. Sci. Instrum. 71, 2360 (2000). [5]門 信一郎,中西秀哉,居田克巳,小嶋 護,CHS グ ループ,LHD グループ:プラズマ・核融合学会誌 76, 1266 (2000). [6]テレビジョン学会編・龍岡静夫:光工学の基礎(昭晃 堂,1984). [7]工藤恵栄・上原富美哉:基礎光学〈光線工学・電磁工 学〉(現代工学社,1990).

[8]S. Kado and T. Shikama, J. Plasma Fusion Res. 79, 841 (2003).

[9]http://physics.nist.gov/PhysRefData/ASD/

[10]S. Kado, Y. Iida, S. Kajita, D. Yamasaki, A. Okamoto, B. Xiao, T. Shikama, T. Oishi and S. Tanaka, J. Plasma Fusion Res. 81, 810 (2005).

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参照

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