薬物療法専門薬剤師の申請、及び
症例サマリーに関する
Q&A
注意:本
Q&Aの番号は独立したものであり、医療薬学会HPにある
「薬物療法専門薬剤師制度の
Q&A」の番号と関連性はありません。
薬物療法専門薬剤師認定制度の目的
高い水準の知
識、技術及び
臨床能力を駆
使
他の医療従事
者と協働して
薬物療法を実
践
患者に最大限
の利益をもた
らす
国民の保健・
医療・福祉に
貢献すること
を目的
幅広い領域の薬物療法
信頼される薬剤師を養成
臨床現場で専門的な知識と能力で薬物療法に貢献
日本医療薬学会 薬物療法専門薬剤師
アウトカムが期待される
臨床現場(薬局から外へ出て)で、薬剤師の職能を発揮する
薬学的観点からエビデンスに基づいた専門的介入を行う
一定水準以上の臨床能力が求められる
2012年5月に発足
Q1. 日本病院薬剤師会には全国大会がないが、ブロック大会は
認められるのか?
A1.認められる。
Q2. 複数査読性の論文とは、具体的にどの雑誌を示すのか?
A2. 委員会が個別に判断するが、日本医療薬学会の他の認定制度
と整合性をとることになっている。
Q3. 5年間の研修は、研修施設に勤務する必要があるのか?
A3. 研修施設での常勤は必須条件ではない。ただし、研修指導
薬剤師からコアカリに基づいた5年以上の指導を受けること、
及び、研修施設長の在籍証明が必要である。
Q5. 薬剤管理指導の要約で、疾患領域はどのように決めるのか?
A5. 関与した薬物療法の内容で判断する。(たとえば、がん患者であって
も、循環器の薬剤に関する関与であれば、心臓・血管系領域としてよ
い)
A4. 4領域の症例が各5症例以上あること、50症例全体の中で、外科、
内科を含むこと、入院と外来は問わないが、複数回の介入実績が
あることが必要。
Q6. 症例は日付をさかのぼって書くのか?
A6. 領域番号の小さい順にソートして記載する。日付は問わないが、
全体を通して一貫性があることが望ましい。
Q7. 症例のフォーマットは変えてよいのか?
A7. 症例フォーマットの変更は認めない。MSP明朝またはMSPゴシック
の10ポイントまたは11ポイントで、12行以内にまとめる。
Q10. 一つの症例にプロブレムを複数加えてもよいのか?
A10. プロブレムは一つに絞って記載する。薬剤師の介入がわかるよ
Q8. 治療内容は疾患名をかけばよいのか?
A8. 薬学的介入が行われた疾患に対するどのような治療が実施され
たかを記載する。その際、治療内容だけでなく、治療対象となる疾
患名も記載する。
Q9. 症例サマリーの書き方について教えて欲しい
A9. P:問題点、A: 問題点についての薬学的判断、P: 問題点への薬学
的介入、O: 介入による患者への利益(アウトカム)について、わかり
やすく簡潔に、客観的に(エビデンスを示して)記載する。
症例 1
症例番号 33 領域の分類番号 13 内科・外科の別 内科 患者年齢 25 歳 患者性別 女性 治療内容 強皮症に対する薬物療法 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 2016年6月30日~2016年8月2日 回数 5回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約 P:ステロイドパルス実施後、維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤(以下、ネオーラ ル)内服開始となった。ネオーラル140 mg内服で、トラフ値は35 ng/mLと低く、効果が不十 分であった。 A:ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが、食前服用に変更することで効果的 だったという報告(日児腎誌, 27, 137-140, 2014)があり、食事の影響を受けて、吸収が不十 分な可能性があると考えた。 P: AUC0-4の評価を行い、ピーク濃度が低いようであれば、食前投与に切り替えた方がよいこと を医師に提案した。測定の結果、食後投与のAUC0-4は784(hr・ng/mL)で、ピークも低かった ため、食前投与に変更となった。 O: 食前投与に変更後、AUC0-4は約3倍に増加し、皮膚のこわばりが改善、退院可能となった。症例番号 33 領域の分類番号 13 内科・外科の別 内科 患者年齢 25 歳 患者性別 女性 治療内容 強皮症に対する薬物療法 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 2016年6月30日~2016年8月2日 回数 5回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約 P:ステロイドパルス実施後、維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤(以下、ネオーラ ル)内服開始となった。ネオーラル140 mg内服で、トラフ値は35 ng/mLと低く、効果が不十 分であった。 A:ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが、食前服用に変更することで効果的 だったという報告(日児腎誌, 27, 137-140, 2014)があり、食事の影響を受けて、吸収が不十 分な可能性があると考えた。 P: AUC0-4の評価を行い、ピーク濃度が低いようであれば、食前投与に切り替えた方がよいこと を医師に提案した。測定の結果、食後投与のAUC0-4は784(hr・ng/mL)で、ピークも低かった ため、食前投与に変更となった。 O: 食前投与に変更後、AUC0-4は約3倍に増加し、皮膚のこわばりが改善、退院可能となった。 退院時には食前投与の意義を説明し、油が多い食物と一緒にとると吸収率が上がるため、 水で服用するよう指導した。
治療内容がわかるように
症例番号 33 領域の分類番号 13 内科・外科の別 内科 患者年齢 25 歳 患者性別 女性 治療内容 強皮症に対する薬物療法 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 20xx年6月30日~20xx年8月2日 回数 5回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約 P:ステロイドパルス実施後、維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤(以下、ネオーラ ル)内服開始となった。ネオーラル140 mg内服で、トラフ値は35 ng/mLと低く、効果が不十 分であった。 A:ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが、食前服用に変更することで効果的 だったという報告(日児腎誌, 27, 137-140, 2014)があり、食事の影響を受けて、吸収が不十 分な可能性があると考えた。 P: AUC0-4の評価を行い、ピーク濃度が低いようであれば、食前投与に切り替えた方がよいこと を医師に提案した。測定の結果、食後投与のAUC0-4は784(hr・ng/mL)で、ピークも低かった ため、食前投与に変更となった。1.投与量や血中
j濃度は、具体的に
記載する。単位もきちんと書く。
2.問題点が明らかになるよう注意
1.問題点に対する薬学的
考察をエビデンスに基づ
いて記載する。
症例番号 33 領域の分類番号 13 内科・外科の別 内科 患者年齢 25 歳 患者性別 女性 治療内容 強皮症に対する薬物療法 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 2016年6月30日~2016年8月2日 回数 5回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約 P:ステロイドパルス実施後、維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤(以下、ネオーラ ル)内服開始となった。ネオーラル140 mg内服で、トラフ値は35 ng/mLと低く、効果が不十 分であった。 A:ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが、食前服用に変更することで効果的 だったという報告(日児腎誌, 27, 137-140, 2014)があり、食事の影響を受けて、吸収が不十 分な可能性があると考えた。 P: AUC0-4の評価を行い、ピーク濃度が低いようであれば、食前投与に切り替えた方がよいこと を医師に提案した。測定の結果、食後投与のAUC0-4は784(hr・ng/mL)で、ピークも低かった ため、食前投与に変更となった。 O: 食前投与に変更後、AUC0-4は約3倍に増加し、皮膚のこわばりが改善、退院可能となった。 退院時には食前投与の意義を説明し、油が多い食物と一緒にとると吸収率が上がるため、 水で服用するよう指導した。
1.誰に、何をどのように提案した
のか、具体的に記載。
患者のアウトカムを、
わかりやすく記載
症例 2
症例番号 30 領域の分類番号 9 内科・外科の別 内科 患者年齢 83 歳 患者性別 男性 治療内容 膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 2016年2月3日~2016年2月15日 回数 3回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約
P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が、ALP 3500 IU/L、 AST 340 IU/L、 ALT 566 IU/L、γ-GTP 500 IU/L、 T-CHO 242 mg/dL、 TG 66 mg/dL、 AMY 129 IU/L、 T-Bil 7 mg/dLであった。持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが、主治医から持参薬継続の指 示が出された。 A: アトルバスタチンは、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、黄疸の患者に対し、肝障害を悪 化させる恐れがあり、禁忌である(添付文書)。 P: コレステロール値は高いが、軽度であり、食事等で、コントロール可能な状態と判断し、医 師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した。
O: アトルバスタチンは中止指示が出された。2週間後に検査値は、ALP 1100 IU/L、 AST 29 IU/L、ALT 95 IU/L、γ-GTP 213 IU/L、T-Bil 1.3 mg/dLまで改善した。アトルバスタチンを中 止したことによるT-CHOやTGの上昇はなく、他院での手術目的に転院となった。 症例番号 30 領域の分類番号 9 内科・外科の別 内科 患者年齢 83 歳 患者性別 男性 治療内容 膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 2016年2月3日~2016年2月15日 回数 3回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約
P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が、ALP 3500 IU/L、 AST 340 IU/L、 ALT 566 IU/L、γ-GTP 500 IU/L、 T-CHO 242 mg/dL、 TG 66 mg/dL、 AMY 129 IU/L、 T-Bil 7 mg/dLであった。持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが、主治医から持参薬継続の指 示が出された。 A: アトルバスタチンは、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、黄疸の患者に対し、肝障害を悪 化させる恐れがあり、禁忌である(添付文書)。 P: コレステロール値は高いが、軽度であり、食事等で、コントロール可能な状態と判断し、医 師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した。
O: アトルバスタチンは中止指示が出された。2週間後に検査値は、ALP 1100 IU/L、 AST 29
がん患者だが、関与した疾
患は消化器領域
症例番号 30 領域の分類番号 9 内科・外科の別 内科 患者年齢 83 歳 患者性別 男性 治療内容 膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 2016年2月3日~2016年2月15日 回数 3回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約
P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が、ALP 3500 IU/L、 AST 340 IU/L、 ALT 566 IU/L、γ-GTP 500 IU/L、 T-CHO 242 mg/dL、 TG 66 mg/dL、 AMY 129 IU/L、 T-Bil 7 mg/dLであった。持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが、主治医から持参薬継続の指 示が出された。 A: アトルバスタチンは、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、黄疸の患者に対し、肝障害を悪 化させる恐れがあり、禁忌である(添付文書)。 P: コレステロール値は高いが、軽度であり、食事等で、コントロール可能な状態と判断し、医 師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した。
O: アトルバスタチンは中止指示が出された。2週間後に検査値は、ALP 1100 IU/L、 AST 29 IU/L、ALT 95 IU/L、γ-GTP 213 IU/L、T-Bil 1.3 mg/dLまで改善した。アトルバスタチンを中 止したことによるT-CHOやTGの上昇はなく、他院での手術目的に転院となった。
判断材料となる検査値は、
正確に記載
問題点に対する判断の根拠
を明確に
症例番号 30 領域の分類番号 9 内科・外科の別 内科 患者年齢 83 歳 患者性別 男性 治療内容 膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 自ら指導に関与した期間および回数 (開始年月日~終了年月日・回数) 期間 2016年2月3日~2016年2月15日 回数 3回 薬 剤 管 理 指 導 の 要 約P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が、ALP 3500 IU/L、 AST 340 IU/L、 ALT 566 IU/L、γ-GTP 500 IU/L、 T-CHO 242 mg/dL、 TG 66 mg/dL、 AMY 129 IU/L、 T-Bil 7 mg/dLであった。持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが、主治医から持参薬継続の指 示が出された。 A: アトルバスタチンは、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝癌、黄疸の患者に対し、肝障害を悪 化させる恐れがあり、禁忌である(添付文書)。 P: コレステロール値は高いが、軽度であり、食事等で、コントロール可能な状態と判断し、医 師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した。
O: アトルバスタチンは中止指示が出された。2週間後に検査値は、ALP 1100 IU/L、 AST 29 IU/L、ALT 95 IU/L、γ-GTP 213 IU/L、T-Bil 1.3 mg/dLまで改善した。アトルバスタチンを中