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第  章

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外国旅行の動向

豪州 カナダ 米 国 ロシア ドイツ フランス 英 国 イタリア スペイン

2-1

外国旅行の現状と展望

フランス人の外国旅行者数は年々増加傾向にあ り、2014 年には 2,818 万人が外国(フランス海外領 土含む)へ旅行した*1 。フランス人は長期休暇を取 得できる環境にあるが、外国旅行志向が弱い。その 理由として「自国内に多くのリゾート地や歴史的建 造物などの豊富な観光資源を有している」ことや、 「フランス人は英語ではなくフランス語でのサービ スを求める傾向がある」点などが挙げられる。 2016 年夏のフランス人の外国旅行の人気渡航先 は、スペイン、イギリス、ポルトガル、イタリア、 ギリシャ、オランダ、アメリカなどで、ヨーロッパ 域内の国が多い*2 。これは、「EU 域内は身分証明書 さえあれば旅行ができて渡航手続きが不要である」 こと、「近距離であるため旅行費が安く抑えられる」 ことが理由として挙げられる。一方、アジア方面で は、タイ、中国、インド、ベトナム、インドネシア、 香港、カンボジア、シンガポールが人気の旅行先と なっている*3 。 フランスは、アフリカには火山地質で大自然が美 しいレユニオン、カリブ海では美しいビーチを有す るマルチニーク、グアドループなどを海外領土とし て有しており、それらの場所も外国旅行(実際は国 内旅行)の旅行地となっている。海外領土へは、身 分証明書さえあれば渡航でき、現地ではフランス国 内で使用される各種クレジットカードが使える。 2006 年以降、ヨーロッパからの訪日旅行におい て、フランスは英国に次ぐ第 2 位の送り出し国であ る。2003 年の訪日フランス人の人数は、SARS(新 型肺炎)の影響により前年比 2.1%の微減となった が、2004 年∼ 2008 年は毎年増え続け、9 万 6,000 人 (2004 年)から 14 万 8,000 人(2008 年)へと 4 年間で 54%の伸びを示した。その主な要因としては、日仏 観光交流年キャンペーンなどのビジット・ジャパ ン・キャンペーンの効果、フランス語版の訪日ガイ ドブックの相次ぐ発行による情報発信、日本文化に 対する関心の高まりなどが挙げられる。2009 年は、 2008 年後半の世界金融危機や円高基調の影響により 前年比 4.3%減となったものの、2010 年には経済の 緩やかな回復や継続して行ったキャンペーンの効果 などにより 2008 年の水準にまで回復した。 2011 年は東日本大震災が発生し、観光目的の渡航 についてはキャンセルが続出した。フランス外務省 からは渡航自粛勧告が、フランスのツアーオペレー ター協会からは訪日旅行の販売停止勧告が出され、 大きな打撃となった。原発大国フランスだが、過去 にチェルノブイリ原子力発電所事故の記憶があるフ ランス人(特に 40 代以上)にとって政府発表に対す る信頼度は低く、ドイツと同じく他の市場と比較し て回復が鈍い市場となった。 2012 年以降訪日フランス人は順調に増え続け、 2013 年には震災前の 2010 年の水準を回復した。2014 年、2015 年、2016 年と 3 年続けて前年比 15%以上の 増を記録し、過去最高を更新している。この理由と しては、閑散期の需要拡大を視野に継続的に多方面 で訪日旅行プロモーションを行ってきたこともある が、震災発生から 5 年以上が経過し、震災や原子力 発電所に関する不安が薄れたことで訪日旅行への意 欲が増加していることも考えられる。2016 年は一般 旅行者から水質汚染や食の安全性に関する問い合わ せはほとんど無くなっている。また近年のテロ行為 へのリスク回避から「安全性の高い国」として日本 を選ぶ旅行者も多い。 知的好奇心が旺盛で、これまで世界中の文化・文 明を幅広く吸収してきたフランス人にとって、「固 有の伝統文化」と「強い経済に裏打ちされた現代性」 の両面を持つ日本は、憧れの旅行地の一つである。 「伝統的な日本文化への関心」、「健康的で洗練され た日本食への興味」、「映画、漫画・アニメ」、「ゲー ムを通じた若者文化の流入」、「ビジネス交流の活性 化」といった訪日旅行にとってプラスとなる要素が 多く、今後も成長が期待される。特に日本食の人気 は高く、2012 年度に実施された KPI 調査(観光庁) でも、日本でやってみたいこととして、「自然・景 勝地観光」の次に関心を示している人が多かった (全体:66.9%、訪日興味あり:83.6%)。 2013 年 6 月には観光庁、日本政府観光局(JNTO)、 フランス観光開発機構(ATF)が日仏間観光協力に 関する「日仏共同声明」に調印し、関係者が観光分 野で協力していくこととなった。フランス人による 最近の日本への関心事は多岐にわたっており、「伝 統文化の紹介」だけでなく、「漫画・アニメの制作 現場探訪」、「現代建築やデザインをテーマとした観 光ルート」なども発展の可能性を秘めている。ツ アーオペレーターのヒアリングによると、最近は日

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旅行費用や物価が高いイメージが強いため、バカン ス大国のフランスにおいて日本は未だ旅行地として はメジャーな存在になっていない。訪日旅行の発展 の鍵としては、「旅行費用の低コスト化とその広報」、 「付加価値のある旅行提案」、「言語障壁への対応」 が挙げられる。また、団体旅行に参加するよりも、 趣味・価格・滞在期間に応じて個人が自由に旅行を 組み立てることが多いフランスでは、「個人旅行を 容易にする実用的な情報提供の充実」や「各種予約 の利便性向上」が不可欠である。訪日旅行に関して は、未だ情報が十分に行き届いているとは言いがた い状況であり、「ガイドブックの充実」、「インター ネットによるさらなる情報発信」などにより、個人 旅行を促進する環境整備を進める必要がある。 *1:  DGE 2015:

    http://www.entreprises.gouv.fr/fi les/fi les/directions_services/etudes-et- statistiques/stats-tourisme/memento/2015/2015-12-Memento-tourisme.pdf *2: APST:     https://www.apst.travel/2016/07/04/les-vacances-des-francais-moins-de-departs-en-2015-mais-plus-varies/ *3:  L’echo touristique:     http://www.lechotouristique.com/article/asie-pacifique-le-top-10-des-destinations-prefereesdes-francais,74105

2-2

外国旅行の旅行形態別特色

フランス人の外国旅行の大半は個人旅行(家族旅 行を含む)である。近年はインターネットの旅行サ イトで航空券やホテルの料金比較や予約が簡単にで きるようになり、その傾向にますます拍車がかかっ ている。DGCIS 統計(2015 年)によれば、フランス 人の私的旅行予約について、旅行代理店またはツ アーオペレーターを通したものは、国内旅行では 7.8%であるが、外国旅行では 39.5%と高い割合であ る*4 。 旅行形態としては滞在型が主流であり、2 週間か ら 1 カ月程度を別荘や貸別荘で過ごすフランス人は 少なくない。大手旅行会社などが運営するバカンス 村に数週間家族で滞在するスタイルにも人気があ る。他方、遠距離の異なる文化・言語圏への旅行に ついては、通訳ガイドや添乗員付きの周遊型団体旅 行も数多く造成・催行され、根強い人気がある。 *4: DGE 2015:

    http://www.entreprises.gouv.fr/fi les/fi les/directions_services/etudes-et- statistiques/stats-tourisme/chiffres-cles/2015-Chiffres-cles-tourisme-フランスからの訪日観光客のほとんどは個人旅行 者である。この人たちに航空券と宿泊のみ、あるい は航空券と宿泊と JR パスがセットになった個人旅 行向けパッケージツアーの利用者を加えれば、旅行 者の大多数が趣味・志向・予算に応じて旅程を自分 自身で組み立てている。従って、訪日フランス人数 の増加を図るためには、個人旅行を容易にしその満 足度を高めるための環境整備が必要である。このた め、「具体的な周遊コースを提示し、信頼できるホ テル・レストラン情報を掲載した実用的なガイド ブックの出版」や、「個人旅行の手配にあたって利 用されるインターネット上に、日本のホテルや旅館、 バスや鉄道の時刻・運賃などの交通情報の掲載を充 実させる」ことが求められる。 フランスのツアーオペレーターからのヒアリング によると、フランスにおいて個人旅行をより容易に するためには、様々な情報を英語(理想的には仏語) で紹介したサイトの整備が挙げられる。フランスに 限らず、インターネットが普及した現代では自分自 身で旅行の手配ができるため、外国語によるウェブ サイトがますます重要となってきている。 また、フランス人は他人とは異なった経験を求め る傾向にあるため、主要観光地以外の場所を訪問し て「普段の日本人がどのような所に住み、どのよう に生活をしているのかを知りたい」というリクエス トが年々増えてきている。そのようなニーズに対応 できる方法の一つとしてレンタカーが注目されてい るが、日本においてレンタカーを運転するにはフラ ンスの運転免許証原本と JAF による免許証の翻訳が 必要となり、その準備などに時間や手間がかかるこ とが課題となっている。

2.

パッケージツアー フランスのツアーオペレーター協会(CETO)の データによると、2014 年 11 月 1 日から 2015 年 10 月 31 日の間に CETO に加入しているツアーオペレー ターを通じて旅行予約をしたフランス人は 604 万人 (前年同期比 5.3%減)であり、このうちパッケージ ツアーを利用した人は 394 万人(同 3.1%減)となっ ている。フランスには訪日旅行を取り扱う旅行業者 が約 80 社あり、フランス発の訪日パッケージツアー は約 200 種類あると言われている。訪日ツアーのほ とんどで東京、京都、奈良が定番ルートに組み込ま れており、日程に応じて広島・宮島、姫路、倉敷、

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第2章 外国旅行の動向 豪州 カナダ 米 国 ロシア ドイツ フランス 英 国 イタリア スペイン さらに高山・白川郷、金沢などが加わることとなる。 フランスのメディアで度々紹介されている高野山も 人気が高まっている。北海道、九州、沖縄、四国な どが組み込まれたツアーも一部で造成されている が、これは旅行者のリピーター化に対応すると共に、 他社との差別化を図り競争力を強化するものとうか がえる。 今後は多様なツアールートの開発や旅行会社の販 売員の知識向上と共に、航空券、宿泊などの仕入れ を工夫することなどによりパッケージ商品の低コス ト化を図ることが重要である。

2-3

観光関連政策

1.

外国旅行関連規制 フランスには外国旅行に関する規制はない。 なお、フランスでは、1985 年に「シェンゲン協定」 が結ばれ、協定参加国間での国境検査が撤廃された。 2016 年時点で、26 カ国(EU 加盟国の 28 カ国のうち 22 カ国+ノルウェー、アイスランド、スイス、リヒ テンシュタイン公国)がシェンゲン地域圏内となっ ており(アイルランドと英国は特別事例、モナコ、 バチカン、サンマリノは、協定加盟はしていないも のの実質シェンゲン地域)、EU が承認した国の ID 所持者はパスポートの携帯が必要なく、ID のみで旅 行(電車、飛行機)が可能である。

2.

旅行業法 フランス観光行政の変遷と観光関連主要法令 フ ラ ン ス の 観 光 関 連 主 要 法 令 は、『Code du tourisme』(観光法典)といい、以下のように 4 冊に まとめられている。 Livre I 観光の全体の基本法(政府、自治体、公 共機関と組合) Livre II 観光関連の職業と活動について Livre III 観光設具/設備 Livre IV 国民のバカンス取得の権利、予算や税制 について ( 参 考:http://www.legifrance.gouv.fr/affi chCode.do ?cidTexte=LEGITEXT000006074073/) 財団法人自治体国際化協会(クレアパリ事務所) の「フランスの観光政策」によると、「フランスに お け る 観 光 政 策 の 歴 史 は、1910 年 の 全 国 観 光 局

(Offi ce national du tourisme)の設置およびその諮

問機関である高等観光評議会(Conseil supérieur du tourisme)の設立に始まる。 その後、2 つの世界大戦の間に、フランス政府は 観光業の重要性を認識し始め、ホテル業への融資機 関、商工・ホテル業中央信用金庫の設置などの政策 が取られた。ほぼこの時期に、フランスは観光目的 地第 1 位の地位を確立している。1935 年に全国観光 局が観光庁(Commissariat général au tourisme)と 全国観光発展委員会(Comité national d’expansion du tourisme)へと引き継がれ、観光業に関する法 規が徐々に制定され始める。

1964 年 に 観 光 庁 が 再 編 成 さ れ、 観 光 総 局 (Direction générale du tourisme)として生まれ変 わった。その後、観光が一般化するとそれに付随す る問題も出始め、それまでは公共事業や国土整備担 当の官庁が統括していた観光行政を、文化・環境省 が管轄するようになった。1980 年代以降、観光業が フランスの主要産業としての地位を本格的に確立 し、全国バカンス小切手局が設置されるなど、国、 地方団体、民間が協働でこの一大国家産業を発展さ せていくため尽力した。その後、文化・環境省管轄 に移った観光業は、再び産業・国土開発という枠組 みの中に納まるようになる」*5 。 *5: 一般財団法人自治体国際化協会(CLAIR)パリ事務所『フラ ンスの観光政策』

2-4

日本の競合旅行地

日本の主な競合旅行地は以下のとおりである。

1.

タイ ①日本との競合部分 2015 年の訪タイフランス人旅行者数は 68 万 1,097 人と*6 、アジア太平洋地域旅行者の 22%を占め*7 、 フランス市場においてアジアの旅行先ナンバーワン の国である。 バンコクなどの大都市で見られる「伝統と現代の コントラスト」や、南北に長い地理的条件から生ま れる「多様な風景や歴史遺産」、「スパや瞑想などの ヘルシーなイメージ」「予算・内容共に幅広く選べ る食文化」などが、日本との競合要素として挙げら れる。また、地元民の親しみやすさ、接客サービス の質の高さに「微笑みの国」という呼び名を与えて 観光魅力に昇華している点も日本の「おもてなしの 文化」と共通していると言える。

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チックな文化が融合したアジアのリゾートとしても 知名度が高い。また、人々が親切で食事が美味しい ことでも知られる。国内移動費および滞在費が安く、 子ども連れの家族でも総費用が安く抑えられるた め、コストパフォーマンスが高い。温暖な気候であ るため、冬場の避寒地としても好まれている。 ③観光インフラ バンコク都市部の高架鉄道(BTS)や主要観光地 (バンコク、チェンマイ、プーケット)の国際空港 など既存の交通インフラの拡大に加えて、高速鉄道 の建設計画が進行しており、近い将来に旅客運輸能 力の大幅な向上が期待される。また、ホテルのコス トパフォーマンスが高く、広いスペース、ダブル ベッド対応、アメニティやカップル優待プラン (ウェルカムドリンクやサービスクーポンなど)の サービスも充実している。 ④マイナス要素 外国人旅行者をターゲットにした犯罪(盗難、ホ テルや市場での強盗、詐欺など)と安全性があまり 確保されていない点(夜間の外出、女性の一人旅行 への不安)が挙げられる*8 。 ⑤政府観光局による外客誘致活動 タイ国政府観光庁はパリに事務所を置いており、 大規模な活動を活発に展開している。一般消費者向 けにウェブサイトを充実させ、メディアを活用した 広報活動も積極的に行っている。主要な旅行博への 継続的な出展はもちろんのこと、2013 年 9 月にはパ リ・トロカデロ広場で一般向けの屋外イベントを開 催するなど積極的な露出を図っている。旅行業界向 けにはセミナーやファムトリップ(視察旅行)の開 催、見本市への出展に力を入れている。見本市では かなり大きなブースを出展し、事業パートナー(航 空会社や旅行会社)との共同運営を行ったり、ブー スで音楽やダンス、試食などのアトラクションを実 施したりするなど積極的な広報活動を行っている。 ⑥旅行業界などによる外客誘致活動 フランス人の旅行先としてはアジア最大で、安定 した需要があるため、旅行商品も低価格で充実して いる。アジアの中では売れ筋ということもあって、 旅行会社各社が作成するカタログや店舗での広告な *7:  Echo touristique:     http://www.lechotouristique.com/article/asie-pacifique-le-top-10-des-destinations-preferees-des-francais,74105 *8: フランス外務省渡航危険情報ウェブサイトによる

2.

中国 ①日本との競合部分 タイに次ぎ 2 番目にフランス人が多く訪問する国 であり、アジア太平洋地域旅行者の 20%を占める。 中国政府観光局によると 2014 年の訪中フランス人旅 行者数は 51 万 7,200 人となった*9 。JNTO パリ事務 所が実施した 2012 年度の個人旅行市場調査において も、アジアでの休暇を考えた時に常に頭に思い浮か ぶ先として中国は 2 位(53%)を占め、タイと同じ く休暇の際の旅行先として認知度が高い。フランス 人がアジアの国に求めるエキゾチックさと、文化や 訪問地の多様性、価格が人気である。 ②主な観光魅力 北京、上海、香港など、一般的に認知度の高い大 都市を有し、「万里の長城」や「兵馬俑」、「京杭大 運河」などイメージが浮かびやすい観光資源がある ことが強みである。国内移動費および滞在費が訪日 旅行に比べ安いことも魅力の一つである。 ③観光インフラ 主要観光地が広大な国土に点在しているため、旅 行の計画を立てる際には各地の空港、高速鉄道の駅 の把握は不可欠であると言える。また、言語障壁が 高く、北京や上海などの大都市以外は依然として個 人旅行には困難を伴うものと見なされている。 ④マイナス要素 一般的に現地サービスの正確性や品質に難がある とされており、顧客の満足度が相対的に低い。特に トイレなどの衛生面のインフラの不備は旅行業界で 以前から問題点として取り上げられている。頻繁で はないものの断続的に取り上げられる大気汚染など の環境問題、マナーの悪さもネガティブな印象を与 えている。観光客もビザの取得が必要。 ⑤政府観光局による外客誘致活動 中国国家旅遊局はパリに事務所を設置している が、あまり積極的な誘致・宣伝活動は行っていない。

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第2章 外国旅行の動向 豪州 カナダ 米 国 ロシア ドイツ フランス 英 国 イタリア スペイン 2010 年夏に開催された上海万博を始めとして、中国 関連の情報が各メディアへ露出していることや、ア ジアを扱う旅行会社のほとんどが独自に中国行きの 旅行商品を造成して販促活動を行うため、政府観光 局としてさらに対応する必要があまりない模様であ る。事務所の活動は情報提供業務が中心で、旅行会 社とのタイアップなどは行っていない。見本市では 「中国」としてまとまった形で出展しているが、実 際のブース運営は中国の地方自治体や中国旅行を扱 う主要旅行会社などに任せている場合が多い。テレ ビ広告についても中国国家旅遊局としてよりは、中 国国内の自治体が行っている場合が多い。 ⑥旅行業界などによる外客誘致活動 アジアを扱う旅行会社は、人気があり売れ筋でも ある中国旅行に関する広告宣伝や販促活動を、独自 で実施している。 *9: 中国国家観光局: http://www.cnta-osaka.jp/data/visitors/?year=2014

3.

ベトナム ①日本との競合部分 2015 年の訪越フランス人旅行者数は 21 万 1,636 人 (前年比 1% 減)*10で、アジア太平洋地域旅行者の 10%を占める。 JNTO パリ事務所が実施した 2012 年度の個人旅行 市場調査においても、アジアでの休暇を考えた時に 常に頭に思い浮かぶ旅行先として日本に次ぐ 4 位 (40%)を占める。エキゾチックさ、価格帯、地元 民の親しみやすさが人気である。フランスが旧宗主 国だったこともあって心理的な親近感もある。 ②主な観光魅力 ホーチミン市に代表されるような歴史的な街並 み、メコン川でのリバークルーズ、ハロン湾などの 風光明媚な景色など歴史・文化的な旅行地が充実し ている。旧宗主国フランスの文化の影響も受けたエ キゾチックさも魅力となっている。国内移動費およ び滞在費も安い。フランスの旅行会社によれば、タ イと同じく人々が親切で食事が美味しいことでも知 られている。 ③観光インフラ 観光地では英語の普及率が高く、日本と比べて言 語障壁は低い。フランス語も年配層を中心に話せる 人が少なくない。主要観光地では、ホテル・レスト ランの施設やサービスも充実している。 ④マイナス要素 特になし。 以前は渡航の際ビザの取得が必要であったが、 2015 年 7 月以降 15 日を超えない観光滞在についてフ ランス人はビザが免除となった。 ⑤政府観光局による外客誘致活動 ベトナム政府観光局はパリに事務所があるが、独 自のホームページを持っておらず、あまり積極的な 活動はしていない。(2016 年時点) ⑥旅行業界などによる外客誘致活動 ベトナム航空および旅行会社が独自に販促支援活 動を通じた外客誘致活動を行っている。アジアを扱 うフランス系旅行会社の多くはベトナムのツアーを 造成・販売している。(ベトナムに加えて、最近少 しずつ人気が高まっているカンボジアとの組み合わ せツアーを扱うところもある。)

*10:  Vietnam Tourism.com:http://www.vietnamtourism.com/fn/index. php/news/items/11014

4.

その他

フランス人旅行者の受け入れ規模はまだ少ない が、近年では韓国観光公社が非常に積極的な誘致・ 宣伝、販促活動を展開している。トップ・レサ(TOP

RESA)、MAP(Le Monde à Paris)といった主要

な旅行見本市だけではなく、様々な分野のイベント などにも積極的に政府観光局として参加しているほ か、雑誌などへの広告掲載、さらには招請事業や共 同セミナーの開催、旅行会社のカタログへの広告掲 載などの販促支援も実施しており、ツアーオペレー ターの間には「今後、日本の主要競合旅行地になる のではないか」との意見も多く出ている。

2-5

訪日旅行の価格競争力

訪日旅行は、中国、タイ、香港、ベトナムといっ たアジアの他の国々と比べると国内移動費、滞在費、 ガイドの手配費などを含む地上経費が高いため、フ ランス発の外国旅行の中では高額ツアーの部類に入 る。2012 年終盤以降円安傾向に転じ環境が改善した 後も、この状況は変わっていない。2016 年時点では、 カタログ更新時期の関係(年末、または 3 月が多い) で、英国の EU 離脱を問う国民投票結果によるユー

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ショッピング、ジャパンレールパスの活用による旅 行価格の低減など、国内で割安感を伝えられる項目 の情報を発信する必要がある。他方、物価水準も異 なる他のアジア諸国と単純に価格競争に陥ることは 得策とは言えず、治安の良さやサービスの正確性と いった付加価値を添えていくことにより差別化を 図っていくことも重要である。 ■フランス発外国ツアー価格比較表 旅行地 旅行日数 価格 (ユーロ) 価格 (日本円:千円) ヨーロッパ イタリア 11泊12日 1,625 183 スペイン 11泊12日 1,535 173 ポルトガル 10泊11日 1,525 172 クロアチア 7泊8日 1,019 115 ギリシャ 7泊8日 919 103 アメリカ アメリカ 9泊11日 2,619 295 カナダ 10泊12日 1,689 190 アフリカ モロッコ 7泊8日 705 79 アジア太平洋 オーストラリア 10泊14日 3,899 440 韓国 10泊12日 2,949 333 カンボジア 13泊16日 2,099 237 インドネシア 10泊13日 1,999 225 タイ 13泊16日 1,499 169 中国 7泊9日 1,349 152 ベトナム 8泊11日 1,299 146 インド 12泊14日 1,099 124 日本 8泊10日 2,999 338 注1:  2016年10月時点。大手ツアーオペレーターTUIの2017 年カタログを参照。 注2: 出発時期により価格は変動する。 1ユーロ=113円で 換算、千円未満切捨て(2016年10月中値月中平均、 日本銀行より)。 注3: 「旅行地」は、2016年のフランス人旅行者が多かった 主要旅行地と日本含むアジア競合旅行地を中心に記載 した。   旅行地 旅行日数 価格 (ユーロ) 価格 (日本円: 千円)   ベトナム 12泊15日 1,699 191   ブラジル 12泊15日 3,975 449   インドネシア 12泊15日 2,090 236   インド 11泊14日 1,289 145   中国 11泊13日 1,490 168   タイ 10泊13日 1,163 131   フィリピン 10泊13日 2,099 237   マレーシア 10泊13日 2,445 276   カンボジア 9泊12日 1,699 191   米国 (西海岸周遊) 9泊11日 1,680 189 ★ 日本 8泊10日 2,890 326   エジプト 8泊9日 1,199 135   カナダ(モントリ オール中心の東海 岸周遊) 7泊9日 1,390 157   モロッコ 7泊8日 675 76   イタリア (主要3都市周遊) 7泊8日 1,199 135   ポルトガル 7泊8日 1,099 124   ギリシャ 7泊8日 899 101   トルコ 7泊8日 700 79   チュニジア 7泊8日 519 58

2-6

評価の高い日本の旅行地

初めて日本を訪れるフランス人にとって欠かせな い旅行先は、やはり東京と京都である。JNTO パリ 事務所で最も頻繁に問い合わせがあるのも両都市で あり、団体パッケージツアーには例外なく組み込ま れている。訪日旅行ガイドブックも、両都市に多く のページを割いており、「東京のみ」および「東京・ 京都のみ」のガイドブックもある。 東京では銀座、新宿、渋谷(スクランブル交差点 が有名)といった近代的な大都市の雰囲気と浅草や 明治神宮、皇居など歴史のある観光スポットの人気 が高い。秋葉原や原宿などのポップカルチャー色の 強いエリアや、築地市場など食文化に結び付いたス ポットも認知度が高い。京都は金閣寺と伏見稲荷が 日本の象徴的なイメージとして知れ渡っている。東 京と京都以外では、広島、宮島、箱根、高野山、高山、 白川郷、金沢の認知度が高い。最近は地方への分散 も少しずつ進んでおり、北海道、沖縄、四国なども 認知をされつつある。 フランス人にとっての訪日旅行の魅力は、非西洋 文化(キリスト教やギリシャ・ローマ文化に影響さ れていない固有の文化)の要素である。寺社・仏閣、 城、皇居などの歴史的建造物、日本庭園、仏像、伝 統的な祭りは人気がある。美しい自然や日本人の伝

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第2章 外国旅行の動向 豪州 カナダ 米 国 ロシア ドイツ フランス 英 国 イタリア スペイン 統的なライフスタイルなども訪日旅行の魅力の一つ となっており、富士山、阿蘇山、釧路湿原といった パノラマ風景や、囲炉裏のある民宿、静かな温泉宿 での団欒、朝市、生鮮市場なども評価が高い。近年 では、アウトドアへの関心や問い合わせも増えてき ており、日本に行ってハイキングを楽しみたいと考 えるフランス人旅行者も増えてきている。 フランス人は、一般に東京ディズニーリゾート® ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、ハウステンボ スなどのテーマパークには興味を示さないが、フラ ンス人が日本に対して持っている日本らしいイメー ジを表している東映太秦映画村や伊賀流忍者博物館 などには関心を示している。

2-7

訪日旅行の有望な旅行者層

フランスで有望な訪日旅行者層は、① 30 歳∼ 40 歳代個人旅行層、② 50 歳∼ 60 歳代グループ層、③ ポップカルチャー愛好層である。 ①

30

歳∼

40

歳代個人旅行層 【最大ボリューム 層】 属性 ・夫婦、カップル、家族 ・高学歴・高収入 ・他言語、インターネットに堪能で、個人での 旅行、予約手配が可能。 旅行形態 ・夫婦、カップル。低学年の子どもと一緒のこ ともある。 ・家族・親族あるいは知人などからなる数人単 位の個人手配旅行。 ・ビジネス旅行。その機会を利用し、家族も連 れて観光も楽しむ。 訴求ポイント ・伝統文化(神社仏閣、伝統工芸)と現代文化 (近代的都市景観、ハイテク)の融合、まだ 知られざる魅力。 旅行日数、 費用など ・10日∼2週間程度。 選定の背景 日本に高い関心を持っている。 効果的な 宣伝方法 ・メディアを通じた情報の露出、旅行会社と連 携した誘致宣伝活動。 ・ソーシャルメディアを利用した情報発信。 ②

50

歳∼

60

歳代グループ層 【準ボリューム層】 属性 ・中高年層 ・退職者 ・子どもが既に独立して手が離れている。 旅行形態 ・ガイド付き団体ツアーあるいはオーダーメイ ド型ツアー。 ・家族・親族あるいは知人などからなる数人単 位の個人手配旅行。 ・母国語以外の言語に自信がない、または効率 よく回りたいことから現地ガイドを求める。 訴求ポイント ・日本の象徴的な神社仏閣など歴史的建造物。 ・四季折々の魅力ある自然景観。 ・日本特有の文化体験(食、温泉、旅館)。 旅行日数、 費用など ・パ ッ ケ ー ジ ツ ア ー へ の 参 加。10日 間 で 約 3,000ユーロなど。 選定の背景 ・時間的、経済的に余裕がある。 効果的な 宣伝方法 ・メディアを通じた情報の露出、旅行会社と連 携した誘致宣伝活動。 ③ポップカルチャー愛好層 【潜在的ボリューム 層】 属性 ・学生、若者(18歳∼) ・アニメ、ゲームなど日本ポップカルチャーの ファン。 旅行形態 ・同じ趣味を持つ友人同士。 ・低価格の個人旅行向けパッケージツアー、イ ンターネットなどによる自己手配。 訴求ポイント ・アニメや漫画、ファッション、ライフスタイ ルなど、若者層に人気のコンテンツ。 ・日本語研修。 ・ J-POPのコンサートやアニメ・漫画関連のイ ベントへの参加。 旅行日数、 費用など ・学生の長いバカンスを利用し長期で旅行する ことが可能。 ・ユースホステル、深夜バスなど安価なサービ スを利用。 選定の背景 ・日本に高い関心を持っており、時間的に余裕 がある。 ・旅行・滞在費用を抑えるための情報収集に手 間をいとわない。 ・将来リピーターとなる可能性がある。 効果的な 宣伝方法 ・低価格で訪日旅行をする方法、または若者向 け安価なツアーの紹介。 ・学生向け割引の充実とその広報、ポップカル チャー関連のイベントの宣伝広報。

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訪日旅行の買い物品目

観光庁「訪日外国人消費動向調査(2015 年)」に よると、「食料品、飲料、酒、たばこ」の購入率が 最も高く、フランス人旅行者の 63.7%がこれらに該 当する品目を購入している。当該項目の購入者単価 は 1 万 2,541 円であった。続く「菓子類」の購入率は 42.2%、購入者単価は 6,175 円である。 フランス人は旅行先でお土産を購入するという習 慣はあまりないものの、訪日旅行の際には、東洋的 な情緒を感じさせる伝統工芸品やキャラクターグッ ズを購入する傾向がある。同じく「訪日外国人消費 動向調査(2015 年)」では、満足した購入商品とし て「和服・民芸品」、「服、かばん・靴」、「マンガ・ アニメ・キャラクター関連商品」が挙げられている。 電化製品は国内外価格差が縮小傾向にあり、修理な どのアフターサービスの問題や変圧器などのアダプ

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●簡易に着られる着物・浴衣・羽織 ●和風の図柄がプリントされた T シャツ ●箸 ●人形などの置物、だるま ●陶磁器、漆器 ●織物、藍染 ●骨董品(蚤の市) ●扇子、風呂敷 ● 和風の趣がある、あるいは洗練されたデザイン の文房具(ハローキティのボールペンのような キャラクターもの、フリクションボールペンの ような機能性の高いものなども人気である) ● 100 円ショップで販売されている各種日用品 ●煎餅 ●日本茶 ●アニメの原画、キャラクターグッズ

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日本の食に対する嗜好

1990 年代の寿司の流行から始まった和食ブームは 現在も続いており、日本食レストランの数は増え続 けている。2015 年時点でパリ市内に約 700 軒、イル・ ド・フランス圏で約 1,600 軒の日本食レストランが あるが、そのうちの 9 割程度は日本人以外のアジア 人が経営しているといわれている*11。 フランスでは、日本食は健康的でファッショナブ ルな料理として人気が高い。特にパリでは、「日本 食通り」と呼ばれるほど多くの日本食レストランが 軒を連ねた通りがあり、日本食に対する関心の高さ が伺える。その種類も寿司、刺身、焼き鳥、天ぷら などの代表的なものから、うどん、そば、ラーメン、 焼きそばなどの麺類、とんかつ、焼き魚、カレー、 お好み焼きまでと、幅広い料理が人気である。懐石 料理、精進料理は盛り付けも美しく、作法も異国情 緒があり非常に評価が高い。他方、元々フランス人 は生魚をほとんど食べないため寿司や刺身を苦手と する人も一部におり、日本食には生魚以外にも様々 な料理があることについて情報提供する必要もあ る。 箸の使用は、フランス国内で中華料理がよく食べ られていることもあり、問題のない人が多いが、念 のため箸とスプーン・フォークの両方を用意するこ とが望ましい。特にご飯と味噌汁は、箸では食べに くいようである。 しながら、日本人のように同じ鍋をつつきあう食べ 方に慣れていないため、料理を出す際には事前に説 明することが必要である。 留意事項として、フランスではパンは料理の値段 に含まれているため無料の感覚が強いので、パンの 追加料金をとるシステムの場合には事前の説明が望 まれる。 最近はグルテンフリー、ベジタリアン、ハラール 食に対する問い合わせも増えており、アレルギーや 宗教に考慮した対応、メニューの拡充や表記の工夫 も必要とされる。 *11: 日本貿易振興機構(JETRO)「パリスタイル」2016年3月

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接遇に関する注意点

①食 床で食事を摂る習慣や箸の使用、食器へ口を付け る作法、麺類をすする、などの食べ方には馴染みの 薄いものも多く、特に座敷などで床に座る(あぐら を含む)ことは人によっては膝に負担がかかるなど 身体的苦痛を伴うこともあるため、注意が必要であ る。従って、日本文化の体験を本旨とする場面以外 の食事では、テーブル席やスプーン、フォーク類な ども準備されていることが望ましい。 フランスでは、前菜、メイン、デザートが順番に 出てくるが、日本では汁物、おかず、メインが全て 同時に出てくるため、どの順番で食べれば良いか戸 惑う人が多い。 食事時間は日本と比較してやや遅い傾向にある (昼食 13 時、夕食 20 時)。基本的にこれが問題にな ることは少ないが、旅程を組む際に多少食事時間を 遅くできれば好印象を得られる。また食事および食 後の歓談をゆっくりと楽しむ傾向があるので、退店 や会計を急がすと不快に思われる恐れがある。 ②交通 フランスの交通機関の運賃は日本と比べると若干 安めである。高速道路も一部無料のところ(中∼大 都市の高速道路は無料)があるため、日本における 移動は割高に感じられる。「ジャパンレールパス」 や各都市の 1 日乗車券など、リーズナブルなチケッ トを事前に案内できることが望ましい。またバス停 や駅のホームで電車などの扉が開く位置に並ぶ習慣 がなく、順番を抜かしたり人の流れを阻害したりす

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第2章 外国旅行の動向 豪州 カナダ 米 国 ロシア ドイツ フランス 英 国 イタリア スペイン ることがある。基本的に悪意はないため、ガイドや 駅員がルールを説明し、注意を促せば大抵の場合は 納得してもらえる。併せて日本の交通機関の正確性 (時間、扉位置など)について認識を持ってもらう ことができれば、問題発生のリスクを訪日旅行の魅 力の一つに転化することも可能である。 ③宿泊 商習慣上、フランスのホテルが「1 名あたり」の 料金を表記することは基本的にない。宿泊料金の表 示は「1 室あたり」が大前提であるため、1 名あたり の料金を提示する場合はその旨、明記することが必 要である。税金やサービス料を含めた、最終価格を 提示できると分かりやすい。 旅館など伝統的な宿泊施設の魅力を伝えたい場合 は、「高級」という文言ではなく、「食事が付いてい ること」、「日本的な接客を体験できる」など、異文 化体験を楽しめることを強調した方が良い。 ④その他 ・ 和室などで履物を脱ぐ習慣についてはある程度 周知されているが、「汚れを室内に持ち込まない」 という履物を脱ぐ根本的な理由については知識 がなく、土間を素足で踏みながら履物を脱ぐ旅 行者が多い。駅の並び方同様、理由を説明でき れば、このことも旅行者にとって日本文化体験 の一つとなり得る。 ・ 温泉や銭湯などの施設における刺青(タトゥー) の入浴制限について、現地で制限を初めて知る といった事例は決して少なくないと予測される。 絆創膏やテーピングで対応できる場合はそれら のグッズを用意する、また近辺で購入できるド ラッグストアなどを案内できれば、これらの旅 行者の不満を軽減できると思われる。 ・ 全体的にフランス人は自国の言葉にプライドを 持っており、英語の使用は極力避ける傾向にあ る。英語による案内や情報提供の際は、安易な 「欧米人=英語」といった姿勢は避けるのが望ま しい。フランス語で案内や情報提供ができるの が理想的ではあるが、案内の際に「英語での対 応(文書)でも良いか」と尋ねるだけでも、印 象は大分変わると言える。

参照

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