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税理士法人トーマツ Newsletter

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税理士法人トーマツ Newsletter

2013 年 11 月 1 日号(Vol.36) CONTENTS 1. 教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について 名古屋事務所 樋口 亮輔(税理士) 2. 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税について 名古屋事務所 柴崎 正雄(税理士)

教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置について

1 はじめに 従来、扶養義務者間(親子間等)で必要の都度支払われる教育資金は贈与税が非課税とされてきたが、将来 にわたり必要となる教育資金を一括で贈与した場合には贈与税が課税されていた。 しかし、多額に生ずる教育資金を一括で贈与するニーズも高く、高齢者世代の保有する資産の若い世代への 移転を促進することによって経済活性化を図ることなどを目的に平成 25 年度税制改正において教育資金を一 括で贈与した場合の非課税措置が創設された。 ここでは平成 25 年 4 月 1 日より適用が開始された教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置について 解説する。 2 制度の概要 (1) 教育資金一括贈与時の非課税 平成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年 12 月 31 日までの間に、祖父母等の贈与者が、子・孫等の受贈者に下記 ①から③に該当する方法により教育資金を一括して贈与した場合、子・孫 1 人につき 1,500 万円までが非課税 となる。(措法 70 の 2 の 2①) ① 直系尊属と信託会社との間の教育資金管理契約に基づき信託の受益権を取得した場合 ② その直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭を教育資金管理契約に基づき銀行等の営業所 等において預金もしくは貯金として預入をした場合 ③ 教育資金管理契約に基づきその直系尊属からの書面による贈与により取得した金銭等で証券会社の営 業所等において有価証券を購入した場合

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受贈者の要件 教育資金管理契約を締結する日において 30 歳未満の個人 贈与者の要件 受贈者の直系尊属(曾祖父母、祖父母、父母等) 対象となる金銭 入学金等の教育資金に充てるために拠出した金銭 非課税となる金額 受贈者 1 人につき、1,500 万円まで(学校等以外の者に支払われるものは 500 万円) 非課税となる期間 平成 25 年 4 月 1 日から平成 27 年 12 月 31 日までに拠出されたものに限る (2) 教育資金管理契約終了時の課税 下記①または②の事由により教育資金管理契約が終了した場合に残額がある場合には、当該年度に残額に ついて贈与があったものとして贈与税が課されることになる。(措法 70 の 2 の 2⑩⑪) ① 受贈者が 30 歳に達したこと ② 口座等の残高がゼロになり、かつ、教育資金口座に係る契約を終了させる合意があったこと 3 手続の概要 (1) 一括贈与時における手続き 贈与者は、適用を受けようとする旨、受贈者の氏名および住所その他一定の事項を記載した下記の申告書を、 取り扱い金融機関の営業所等を経由して受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。(措法 70 の 2 の 2③④) 教 育 資 金 非 課 税 申告書 信託がされた日、預金もしくは貯金の預入日、有価証券の購入の日までに提出する必 要がある。 追 加 教 育 資 金 非 課税申告書 すでに上記教育資金非課税申告書を提出している(記載金額が 1,500 万円未満の場合 に限る)場合において、新たに贈与資金の預入等をしたときに、その新たに信託がされ た日、預金もしくは貯金の預入日、有価証券の購入の日までに提出する必要がある。 (2) 教育資金の払出時および支払時における手続き 教育資金口座からの払出しおよび教育資金の支払いを行った場合には、その支払いに充てた金銭に係る領 収書などその支払いの事実を証する書類等を、次の①または②の提出期限までに教育資金口座の開設等を した金融機関等の営業所等に提出する必要がある。(措法 70 の 2 の 2⑦一二) ① 教育資金を支払った後にその実際に支払った金額を教育資金口座から払い出す方法を教育資金口座の 払出方法として選択した場合 → 領収書等に記載された支払年月日から 1 年を経過する日 ② ①以外の方法を教育資金口座の払出方法として選択した場合 → 領収書等に記載された支払年月日 の属する年の翌年 3 月 15 日 (3) 教育資金管理契約終了時の手続き 教育資金口座に係る契約は、下記の①~③の事由に該当したときに終了する。(措法 70 の 2 の 2⑩⑪) ① 受贈者が 30 歳に達したこと ② 受贈者が死亡したこと

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③ 口座等の残高がゼロになり、かつ、教育資金口座に係る契約を終了させる合意があったこと ※上記①または③の事由に該当した場合は、非課税拠出額から教育資金支出額を控除した残額について贈 与税の課税価格に算入することになる。 非課税拠出額 教育資金非課税申告書または追加教育資金非課税申告書に教育資金の非課税の特 例の適用を受けるものとして記載された金額の合計額(1,500 万円が限度) 教育資金支出額 金融機関等において教育資金の支払いの事実が確認され、かつ、記録された金額の合 計額(学校等以外の者に支払われるものについては 500 万円が限度) 4 教育資金の範囲 (1) 学校等(注 1)に対して直接支払われる次のような金銭 (措法 70 の 2 の 2②一イ) ① 入学金、授業料、入園料、保育料、施設設備費または入学(園)試験の検定料など ② 学用品費、修学旅行費、学校給食費など学校等における教育に伴って必要な費用など (注 1)学校等とは具体的に以下のものが含まれる。  幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校  大学、大学院  高等専門学校  専修学校、各種学校  保育所、保育所に類する施設、認定こども園  外国の教育施設のうち一定のもの  水産大学校、海技教育機構の施設、航空大学校、国立国際医療研究センターの施設  職業能力開発総合大学校、職業能力開発大学校、職業能力開発短期大学校、職業能力開発校、職業能 力開発促進センター、障害者職業能力開発校 (2) 学校等以外に対して直接支払われる次のような金銭で社会通念上相当と認められるもの(措法 70 の 2 の 2②一ロ) イ) 役務提供または指導を行う者(学習塾や水泳教室など)に直接支払われるもの ③ 教育(学習塾、そろばんなど)に関する役務の提供の対価や施設の使用料など ④ スポーツ(水泳、野球など)または文化芸術に関する活動(ピアノ、絵画など)その他教養の向上のための 活動に係る指導への対価など ⑤ ③の役務提供または④の指導で使用する物品の購入に要する金銭 ロ) イ以外(物品の販売店など)に支払われるもの ⑥ ②に充てるための金銭であって、学校等が必要と認めたもの(注 2) (注 2)具体的には、学校等における教育に伴って必要であり、学校等が書面で業者を通じての購入や支払い を保護者に依頼しているものを指し、例えば下記のようなものが想定される

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 教科書、副教材費  教科教材費(リコーダー、裁縫セット等)  学校指定の学用品費(制服、体操着、ジャージ、上履き、通学鞄等)  卒業アルバム代  修学旅行、自然教室等の校外活動費  給食費 (措令 40 の 4 の 3⑥~⑧、措規 23 の 5 の 3②③、平成 25 年 3 月 30 日文部科学省告示第 68 号、平成 25 年 3 月 30 日文部科学省・厚生労働省告示第 1 号)

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非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の

非課税について

1 はじめに 平成 22 年税制改正で創設され、その後、適用開始時期の延長等の改正を経て、平成 26 年 1 月 1 日より適 用が開始される「非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税」(いわゆる NISA)について留意点を踏まえ解説する。 2 制度の概要 居住者または国内に恒久的施設を有する非居住者(以下「居住者等」)について、平成 26 年から平成 35 年ま での間に、年間 100 万円を上限として非課税口座内で取得した上場株式等の配当やその上場株式等を譲渡 したことにより生じた譲渡益について、最長 5 年間非課税となる制度である。 3 適用要件等 本制度の適用要件等は、以下のとおりである。 ① 対象者(措法 37 の 14⑤一) 非課税口座開設の年の 1 月 1 日において満 20 歳以上の居住者等 ② 対象取引口座(措法 37 の 14⑤一) 下記4.の口座開設手続きにより開設した非課税口座内の非課税管理勘定 ③ 非課税対象(措法 37 の 14⑤一) 非課税口座内で取得した上場株式等に係る配当等及び譲渡益 ④ 非課税投資額(措法 37 の 14⑤二イ) 1非課税管理勘定ごとに 100 万円が上限 平成 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 H26非課税管理勘定 投資 H27非課税管理勘定 投資 H28非課税管理勘定 投資 H29非課税管理勘定 投資 H30非課税管理勘定 投資 H31非課税管理勘定 投資 H32非課税管理勘定 投資 H33非課税管理勘定 投資 H34非課税管理勘定 投資 H35非課税管理勘定 投資 運用・譲渡 勘 定 設 定 期 間 4 年 間 5 年 間 で 、 最 大 5 百 万 円 ま で 設 定 可 4 年 間 2 年 間 運用・譲渡 運用・譲渡 運用・譲渡 運用・譲渡 運用・譲渡 非課税期間最長5年 運用・譲渡 運用・譲渡 運用・譲渡 運用・譲渡

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⑤ 口座開設可能期間(措法 37 の 14⑤一) 平成 26 年 1 月 1 日から平成 35 年 12 月 31 日までの 10 年間 ⑥ 非課税期間(措法 37 の 14⑤二) 非課税口座内に非課税管理勘定を設けた日の属する年の 1 月 1 日以後、5 年間。 ⑦ 勘定設定期間(措法 37 の 14⑤三) 以下のそれぞれの期間をいい、それぞれの期間内に非課税口座を廃止した場合には、その期間内における 再度の非課税口座の開設はできないこととなっている。  平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年 12 月 31 日  平成 30 年 1 月 1 日から平成 33 年 12 月 31 日  平成 34 年 1 月 1 日から平成 35 年 12 月 31 日 4 口座開設手続き 本制度の適用を受けるための非課税口座を開設し、非課税管理勘定を設定する場合には、勘定設定期間の 開始の日の属する年の前年 10 月 1 日からその勘定設定期間の終了の日の属する年の 9 月 30 日までの間 に、金融商品取引業者等に以下の書類の提出及び提示することが必要である(措法 37 の 14⑤三、37 の 14 ⑥、37 の 14⑦、措令 25 の 13⑫)。 (注1) 金融商品取引業者等とは以下の者をいう。 金融商品取引法第 2 条第 9 項に規定する金融商品取引業者 (同法第 28 条第 1 項に規定する第1種金融商品取引業を行う者に限る) 金融商品取引法第 2 条第 11 項に規定する登録金融機関 投資信託および投資法人に関する法律第 2 条第 11 項に規定する投資信託委託会社 (注2) 基準日とは、勘定設定期間に応じ、それぞれ以下の日をいう。 非課税適用確認書の交付申請書 基準日における住所を証する書類 (住民票の写し(提出日前6ヶ月以内に作成されたもの)等) 提示書類 本人確認書類の提示(運転免許証、健康保険証等) 非課税適用確認書 非課税口座開設届出書 提示書類 本人確認書類の提示(運転免許証、健康保険証等) 提出書類 提出書類 非課税口座開設 ↓ ↓ 勘定設定期間 基準日 平成26年1月1日から平成29年12月31日 平成25年1月1日 平成30年1月1日から平成33年12月31日 平成29年1月1日 平成34年1月1日から平成35年12月31日 平成33年1月1日

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5 主な留意点 本制度の主な留意点は以下のとおりである。 ① 非課税口座の開設について(措法 37 の 14⑫) 非課税口座の開設は一人につき一口座となっている。従って、複数の金融機関等にそれぞれ非課税口座を開 設することはできない。 ② 非課税投資額について(措法 37 の 14⑤二イ) 非課税となる投資枠は非課税管理勘定ごとに 100 万円である。投資枠の未使用額の繰越及び非課税口座内 で上場株式等を取得後に譲渡した後の投資枠の再利用はできない。 ③ 一般口座や特定口座からの上場株式等の移管について(措法 37 の 14⑤二) すでに一般口座又は特定口座で保有している上場株式等を非課税口座に移管することはできない。従って、 非課税口座内であらためて上場株式等を購入する必要がある。なお、非課税期間経過後の非課税口座から 一般口座又は特定口座への移管は可能である。 ④ 非課税口座と他の口座に同一銘柄を保有している場合(措法 37 の 14③、措令 25 の 13②) 非課税口座と他の口座に同一の銘柄を保有している場合には、非課税口座の銘柄は他の銘柄を保有してい るものとみなして、取得費の計算をする。 ⑤ 移管時の上場株式等の取得価額について(措法 37 の 14④) 非課税口座から一般口座又は特定口座へ上場株式等を移管した場合には、移管した時における時価がその 移管した上場株式等の移管した後の取得価額となる。 ⑥ 配当所得について(措法 9 の 8、措令 5 の 2 の 2) 非課税口座内で取得した上場株式等の配当については、非課税口座で支払を受ける必要がある。郵便振替 や他の口座で支払を受ける場合には、非課税の適用はない。 ⑦ 譲渡損失について(措法 37 の 14②) 非課税口座内で取得した上場株式等の譲渡による譲渡損失はなかったものとされる。従って、他の口座等で 生じた譲渡益との損益通算及び繰越控除はできない。 6 適用時期 平成 26 年 1 月 1 日以後に支払を受けるべき非課税口座内上場株式等の配当等及び同日以後の非課税口座 内上場株式等の譲渡について適用される。なお、同制度の適用のために必要な非課税口座開設の申請手続 きは平成 25 年 10 月 1 日より開始している。(措法 37 の 14①、⑥)

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過去のニュースレター 過去に発行されたニュースレターは、下記のウェブサイトをご覧ください。 www.tohmatsu.com/tax/nl/japan 問い合わせ 税理士法人トーマツ 名古屋事務所 所在地 〒450-0002 愛知県名古屋市中村区名駅 3-15-1 名古屋ダイヤビルディング 2 号館 TEL 052-565-5533 email tax.cs@tohmatsu.co.jp URL www.tohmatsu.com/tax 免責事項 本資料に記載されている内容の著作権はすべてデロイト トゥシュ トーマツ リミテッド、そのメンバーファームまたはこれらの関連会社(税理 士法人トーマツを含むがこれに限らない、以下「デロイトネットワーク」と総称します)に帰属します。著作権法により、デロイトネットワークに無 断で転載、複製等をすることはできません。 本資料は、関連税法およびその他の有効な典拠に従い、例示の事例についての現時点における一般的な解釈について述べたものです。デ ロイトネットワークは、本資料により専門的アドバイスまたはサービスを提供するものではありません。貴社の財務または事業に影響を及ぼす 可能性のある一切の決定または行為を行う前に、必ず資格のある専門家のアドバイスを受ける必要があります。デロイトネットワークの各法 人は、本資料に依拠することにより利用者が被った損失について一切責任を負わないものとします。 トーマツグループは日本におけるデロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)のメンバーファームおよびそ れらの関係会社(有限責任監査法人トーマツ、デロイト トーマツ コンサルティング株式会社、デロイトトーマツ ファイナンシャルアドバイザリ ー株式会社および税理士法人トーマツを含む)の総称です。トーマツグループは日本で最大級のビジネスプロフェッショナルグループのひとつ であり、各社がそれぞれの適用法令に従い、監査、税務、コンサルティング、ファイナンシャルアドバイザリー等を提供しています。また、国内 約 40 都市に約 7,100 名の専門家(公認会計士、税理士、コンサルタントなど)を擁し、多国籍企業や主要な日本企業をクライアントとしていま す。詳細はトーマツグループ Web サイト(www.tohmatsu.com)をご覧ください。 Deloitte(デロイト)は、監査、税務、コンサルティングおよびファイナンシャル アドバイザリーサービスを、さまざまな業種にわたる上場・非上 場のクライアントに提供しています。全世界 150 ヵ国を超えるメンバーファームのネットワークを通じ、デロイトは、高度に複合化されたビジネ スに取り組むクライアントに向けて、深い洞察に基づき、世界最高水準の陣容をもって高品質なサービスを提供しています。デロイトの約 200,000 名におよぶ人材は、“におよぶ人材は、“ファームのネットワークを通じとなることを目指しています。 Deloitte(デロイト)とは、デロイト トウシュ トーマツ リミテッド(英国の法令に基づく保証有限責任会社)およびそのネットワーク組織を構成す るメンバーファームのひとつあるいは複数を指します。デロイトトウシュ トーマツ リミテッドおよび各メンバーファームはそれぞれ法的に独立し た別個の組織体です。その法的な構成についての詳細は www.tohmatsu.com/deloitte/ をご覧ください。

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