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2015 年電気設備学会全国大会 G-9 大型複合ビル群におけるエネルギー消費量の調査 上田早紀 ( 三菱地所 ( 株 )), 中澤功 (( 株 ) 三菱地所設計 ) The Investigation of Energy Consumption about Large Composite Buil

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大型複合ビル群におけるエネルギー消費量の調査

○上田早紀(三菱地所(株)),中澤功((株)三菱地所設計)

The Investigation of Energy Consumption about Large Composite Building Group. UETA saki (Mitsubishi Estate Co.Ltd),NAKAZAWA isao (Mitsubishi Jisho Sekkei Inc.)

キーワード:省エネルギー、実態調査、複合用途ビル 1.はじめに 2000 年頃より丸の内、汐留、六本木などの都心で 大規模開発が進められてきた。以降、建設時には地 球温暖化防止を目的に様々な省エネルギー技術が検 討・導入されてきた。LED 照明の急速な普及やトッ プランナー変圧器の導入といった技術的な要素以外 にも、東日本大震災を経験し、エネルギーの自立分 散化、高効率発電機による CGS の促進も検討され ている。また再生可能エネルギーの促進も急速に進 んできている。 法体系においては改正省エネ法によるエネルギー 使用量のさらなる削減が求められるほか、経済性も これまで以上に重要視されてきている。 建築を取巻く環境がこのように変化してゆく中、 都心では 2020 年の東京オリンピック招致をきっか けにさらなる大規模開発が次々計画されている。既 存ビルの利用実態を把握、分析、反映することで、 より合理的・経済的な計画が可能と考えられる。 本報では都心の同一エリアに建つ大型複合ビル群の エネルギー利用実態について紹介する。 2.調査対象ビル概要 調査対象は 2002 年以降に竣工した都心同一エリ アの同規模ビル(複合用途、特高受電、地域冷暖房)6 棟とした。 表1 対象ビルの概要 竣工年 受入熱源 専用部照明 Aビル 2002年 蒸気 蛍光灯(Hf) Bビル 2003年 蒸気・冷水 蛍光灯(Hf) Cビル 2005年 蒸気・冷水 蛍光灯(FHP)、一部LED Dビル 2007年 蒸気・冷水 蛍光灯(FHP) Eビル 2009年 蒸気・冷水 蛍光灯(FHP) Fビル 2012年 蒸気・冷水 LED 3.受電電力の推移 各ビルの契約電力(原単位)の推移を図 1 に示す。 ビルによりばらつきはあるが 28~48W/㎡となって いる。これは地域冷暖房施設から熱源を受け入れ、 自己熱源がないため比較的低い傾向にあるといえる。 また2014 年でほとんどのビルが 40W/㎡以下の原単 位になっている。震災の影響もあるが省エネ意識の 高まりやLED照明などの導入により電力原単位も 横ばいもしくは減少傾向にある。 図2 は特高変圧器容量の原単位を示している。竣 工年を追うごとに減少傾向にあり、図1 に示すよう な過去の実績がフィードバックされた結果と考えら れる。 これまでビルの電力需要は将来の余裕分(増加分) を見込んで計画していることが多かったが、省エネ や技術革新による電力の減少傾向も踏まえ適切な計 画をする必要があると言える。 20 25 30 35 40 45 50 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 契約 電力 原単 位 [W/] Aビル Bビル Cビル Dビル Eビル Fビル 図1 契約電力の推移(6 ビル) 80 100 120 140 160 180 200 Aビル Bビル Cビル Dビル Eビル Fビル 特高 変圧 器原単 位 [k V A /] 図2 特高変圧器原単位(6 ビル) 4.ビル全体のエネルギー使用量の分析 図3 にビルごとのエネルギー構成比率(2013 年)を 示す。各ビルともテナント用電灯(照明・コンセント) は21~24%で全体の 1/4 程度を占めている。熱源用 は19~36%、熱源・冷暖房を除く共用部用は 30~32% 程度となっている。Aビルは冷水の受入れを行って いないため熱源の割合が少ないが、その分が冷暖房 用電力として表れている。 3 ビルのエネルギー使用量の推移について、図 4・ 図5 に示す。3ビルの中で最も延べ面積が大きい E ビルのエネルギー使用量が低く抑えられている。こ れはLow-E ペアガラス、エアフローウィンドウの採 用といった熱負荷削減技術の進歩による空調負荷の 低減効果が熱源・空調関連エネルギー使用量の減少 に現れていると考えられる。また、震災の影響によ り 2011 年はすべてのビルでエネルギー使用量が減 少していることがわかる。2012 年からは少々元に戻 るが、震災前よりは少ない使用量を保っており、省 エネが浸透し継続されていると思われる。昇降機・ 共用部照明・ポンプ等の共用部電力は変動が少なく ビルのベース負荷であると言える。

G-9

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3% 9% 5% 14% 0% 17% 21% 2% 29% Dビル 4% 11% 6% 11% 0% 7% 24% 1% 36% 昇降機用電力 共用部照明用電力 ポンプ・ファン用電力 空調・外調機用電力 冷暖房用電力 テナント動力用電力 テナント電灯用電力 その他 熱源 Eビル 3% 8% 3% 16% 9% 17% 23% 2% 19% Aビル 図3 エネルギー構成比率 0 100,000 200,000 300,000 400,000 500,000 600,000 700,000 A ビル D ビル E ビル A ビル D ビル E ビル A ビル D ビル E ビル A ビル D ビル E ビル A ビル D ビル E ビル A ビル D ビル E ビル 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 エ ネ ルギー 使用量 [GJ] 共用部 空調・熱源 テナント 図4 エネルギー使用量の推移(全体) 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 エネ ル ギ ー 使 用 量 [G J] 空調・外調機用電力 冷暖房用電力 熱源 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 エネルギー使用量 [G J] テナント動力用電力 テナント電灯用電力 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 300,000 A ビル D ビル Eビル A ビル D ビル Eビル A ビル D ビル Eビル A ビル D ビル Eビル A ビル D ビル Eビル A ビル D ビル Eビル 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 エネ ル ギ ー 使 用 量 [G J] 昇降機用電力 共用部照明用電力 ポンプ・ファン用電力 その他 図5 エネルギー使用量の推移 (上:テナント、中:空調・熱源、下:共用部) 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 2009 2010 2011 2012 2013 2014 エ ネ ルギー 使用原単位 [MJ /] Aビル Bビル Cビル Dビル Eビル Fビル 図6 各年度のエネルギー使用原単位 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00 電力 量 [k Wh] 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 1:00 3:00 5:00 7:00 9:00 11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00 電力量 [k Wh ] Aビル Bビル Cビル Dビル Eビル Fビル 図7 受電電力量の日変化(2014 年 2 月・8 月) 図6 に各ビルのエネルギー使用量を年度ごとに整 理した。平均的に2,500MJ/㎡・年程度となっており、 一 般 的 な オ フ ィ ス ビ ル の エ ネ ル ギ ー 消 費 量 約 2,000MJ/㎡・年[1]と比較すると、本報の対象ビルは エネルギー使用量が多い。また、図7 に示した受電 電力量の日変化からも、夜間もピークの 30~50%に 及ぶ電力を使用していることがわかる。使用量が多 い要因として、商業店舗を含む複合用途ビルである ことのほかに、外資系・金融系など重負荷かつ営業 時間の長い企業が入居していることが関係している と考えられる。このような大型複合用途ビルにおい ては、省エネが必須の課題であると言える。 ※エネルギー変換係数は、電気:9.76MJ/kWh、蒸 気・冷温水: 1.36MJ/MJ、都市ガス:45.0MJ/m3、燃 料油:39.1MJ/L を採用した。 5.専用部のエネルギー使用実態 事務所専用部及び飲食店舗、物販店舗専用部の電 力原単位を図に示す。年間の傾向を確認するためA ビル、B ビル、C ビルの各用途 10 テナントの 2014 年の実測値から季節ごとに1 週間分の日報データを

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集め、図8 のグラフには最大値を記した。横軸を面 積として規模に応じた傾向を整理した。 まず事務所では、調査したほとんどのテナントで 電力原単位が 40W/㎡以下の範囲にある。これに対 し、貸付基準容量は照明+OA コンセントで 75VA/㎡である。 照明器具の LED 化や基準照度の見直しなど、ビル 基準の仕様は多様化されつつあるが、実態を踏まえ た基準容量の設定やビルグレードに合わせた貸付基 準を設定することにより、イニシャルコストの削減 や有効率の向上が可能と考えられる。また、小区画 において原単位が大きくなる傾向から、小割のテナ ントが多いビルでは需要率の設定には注意が必要と 考えられる。 次に店舗では、多くの店舗が100W/㎡の範囲にあ ることが確認できる。これに対して貸付基準容量は 物販が250VA/㎡、飲食が電灯・動力とも 250VA/㎡ としている。飲食店の場合、厨房負荷がエネルギー 使用の大半を占めるため、区画面積に対し厨房の面 積比率が大きい小区画ほど原単位が大きくなると考 えられる。 店舗は飲食・物販という分類だけで基準容量を設 定することが難しい。物販店舗には冷蔵庫等を設置 し動力を使用するようないわゆる食物販もある。計 0 20 40 60 80 100 120 0 2000 4000 6000 8000 10000 電力 原単 位 [W /] 面積[㎡] 電灯 75 0 100 200 300 400 500 600 0 100 200 300 400 500 電力 原単 位 [W/] 面積[㎡] 電灯 動力 250 0 50 100 150 200 250 300 0 200 400 600 800 1000 電力 原単 位 [W/] 面積[㎡] 電灯 図8 テナントの電力原単位 (上:事務所、中:飲食店舗、下:物販店舗) 0 10 20 30 40 50 1 6 11 16 21 電力原単位 [W / 時 電灯 0 20 40 60 80 100 1 6 11 16 21 電 力 原単位 [W / 時 電灯 動力 0 20 40 60 80 100 1 6 11 16 21 電力原単 位 [W / 時 電灯 図9 電力原単位の日変化(2014 年 2 月) (上:事務所、中:飲食店舗、下:物販店舗) 画においては、こうしたテナントの要求に対応でき る基準容量で計画するほかにも、基準容量を下げて おき増加分はオプション対応とする計画も考えられ る。 図9 にテナント用途毎の電力原単位の日変化の様 子を示す。事務所では営業時間に合わせてなだらか に消費が続いている。深夜時間帯も一定の電力を使 用しており、待機電力があることがわかる。 店舗については営業時間通りにはっきりとした山 ができている。飲食店舗(電灯)は昼食と夕食の時間 帯にピークができている。物販店舗は営業時間中の 変化が少なく待機電力はほぼない。 リーシング上でのテナントに対する基準容量はテ ナントの種別やビルグレードによって様々だが、実 際の使用量を把握することにより、分電盤や幹線の スペースの合理化、さらには電気室側の変圧器容量 や台数構成なども合理化が可能であることから、経 済性を考慮した計画では重要と考えられる。 6.変圧器の利用率 事務所テナントの電灯用変圧器の負荷率の様子を 整理した。図10 は各ビルの年間の最大値を、図 11 には 2013 年の月間最大値を示している。入居テナ ントの使い勝手によって異なるが、平均的に負荷率 30%程度で運転されている。また、1 年を通して大

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きな増減はなく一定である。 2013 年 E ビルの事務所電灯用変圧器バンクの実 際の負荷率をもとに、変圧器構成を変えた場合のシ ミュレーションを行った。損失の比較を図 12 に示 す。現状の500kVA×7 台を、500kVA×3 台・2 台 の構成にした場合、損失は図12 に示す通り 3 台構 成で43%、2 台構成で 29%に削減される。最大負荷 率は3 台構成で 40%、2 台構成では 60%となる。 さまざまなテナントを受け入れられるように基準 容量を設定し、変圧器1 台あたりの供給範囲を階ご とに整理した現状の変圧器構成であるが、この構成 を見直すことでスペースの縮小やさらなる損失の低 減が可能と言える。また、リニューアル時にはこの ような実負荷データに基づいた検討が有効である。 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 2009 2010 2011 2012 2013 2014 負荷率 [% ] Aビル Cビル Dビル Eビル 図10 負荷率の推移(2009 年~2014 年) 0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 負荷 率 [% ] 月 Cビル Dビル Eビル Fビル 図11 負荷率の月変化(2013 年) 377  163  111  0 50 100 150 200 250 300 350 400 450

500kVA×7台(実際) 500kVA×3台 500kVA×2台

損失 [k W] 43% 29% 100% 図12 変圧器損失の試算 7.管理運営面での課題 建物稼働後のエネルギー削減計画策定の上では建 物内のエネルギー消費量を適切に把握するための計 測機器の設置が必須となるが、設備が複雑化・高度 化することで管理点数は増える傾向にある。またエ ネルギーマネジメントには専門知識と労力が必要で、 大量の計測データを有効利用するためには、使いや すく取り出せる計測データの管理ツールを整備する ことも重要である。 本報の対象ビルでは、これらのデータは基本的な 課金や省エネ法の報告の他にトラブルの原因調査や テナントから開示の要求があった場合にも使用して いる。ビルの省エネ運転のために積極的に活用する にはまだ課題が多く、活用のためのノウハウの構 築・蓄積が今後の課題の一つであると言える。 テナントビルの場合、自社使用ビルや工場等と違 いエネルギー消費の中心がテナントであり、全体の 約1/4 のエネルギーがビルオーナーや管理者による 運用管理が難しい領域にある。今後のさらなる省エ ネ要求に応えるためには、ビルオーナーや管理者と テナントがいかに協力できるかが課題になると考え る。 8.まとめ 今回調査した大型複合ビル群における開発では、 時々の最新技術・省エネ技術を取り入れてきたが、 一般のオフィスビルに比べてエネルギー消費量は決 して少なくない。商業店舗があり様々な事務所テナ ントを受け入れる大型複合ビルはそもそものエネル ギー消費が多く、省エネルギーが必須の課題である。 既存ビルのエネルギー使用実態を調査・分析し新 築計画にフィードバックすることで、新築ビルでは より省エネルギーかつ経済的な計画が可能と考える。 また、運用中のビルにおいては計測データを省エネ 運転に活用するだけでなく、リニューアル時に実態 に基づいた計画を行うことでより合理的な計画が可 能となり、エリア全体の省エネルギー性を保ち続け ることができると考える。 本報ではエネルギー消費をテーマとしたが、長期 にわたるビル運営において、省エネルギー設備がオ ーナーに負担となる場合もある。たとえ省エネに寄 与する設備でも、更新周期が短い、設備の維持に膨 大なコストがかかるなどの課題について、計画当初 から留意する長期的な視点も必要といえる。 [1]財団法人省エネルギーセンター:「オフィスビルの 省エネルギー」,P.4 (2009 年)

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住宅における家電機器の変遷に伴うエネルギー消費量の変化について

○近藤 修平(関西電力),鉾井修一(京都大学)

Changes in energy consumption in dwelling houses with change of electrical household appliance KONDO Shuhei (Kansai Electric Power Co.,Inc.), HOKOI Shuichi (Kyoto University)

キーワード:住宅,エネルギー,家電機器,変遷 1.はじめに われわれは、日本建築学会との共同プロジェクトで 2002 年から 2003 年にかけて全国 80 戸の住宅を対象とし たエネルギー消費状況調査を実施し、関西地区では 13 軒 の住宅について各種環境意識や所有家電等に関する調査 及びエネルギー消費量測定を行った[1]。 このプロジェクトが終了してから 10 年以上経過し、当 時調査した住宅では所有家電やライフスタイル等に何ら かの変化があるものと考えられる。そこで関西地区で調 査した住宅のうち、再調査の協力が得られた住宅を対象 として、再び環境意識アンケートや所有家電等に関する 調査及びエネルギー消費実態調査を行った。本報では、 所有家電機器の変遷に伴う住宅の電力消費量の変化につ いて報告する。 2.モニター住宅の概要 今回の調査では、表 1 に示す 8 軒の住宅について、各 種アンケートを実施した。8 軒中 5 軒の住宅では、所有家 電調査を行うともに 2014 年 8 月から電力消費量とガス消 費量測定を行っている。電力消費量については分電盤の 全分岐回路と冷蔵庫の電力消費量を 1 分間隔で計測して いる。ガス消費量については、ガスメータ部で総ガス消 費量を計測している。 表 1 モニター住宅の概要 表 2 家族構成の変動状況 家族人数の増減を表 2 に示す。A 邸では親との同居により 1 名増加している。D 邸では、子の結婚と孫 2 人の誕生及 び前回は単身赴任していた父親が戻り、現在は居住者数 が 3 名増えている。E 邸では祖父の死去に伴い居住者数が 1 名減っている。G 邸では、子供の大学への進学により 1 名減っている。 3.家電の更新状況 前回の調査では各部屋に設置されている家電を記録 [1]し、今回も同様の調査を行った。例えば、所有家電数 が多い A 邸に着目すると、前回照明も含め 76 品目が設置 されていたが、子供の成長や家族人数の増加に伴い現在 は約 100 品目となっている。 ブラウン管テレビとビデオ レコーダは、液晶テレビとハードディスクレコーダへと 置き替わり、テレビは2台から4台に増えていた。 調理・生活家電としては、ホットプレートやオーブン トースター、炊飯器、電子レンジ、電話機、洗濯機及び 冷蔵庫が更新されていた。なお、冷蔵庫は更新により庫 内容量が 460L 型から 600L 型へと大型化していた。空調 に関連して、当時はなかった扇風機が新たに3台設置さ れていた。3 台のエアコン(リビング、寝室及び子供部屋 と和室の 2 部屋マルチ型)の内、2 台(リビング及び寝室) が更新されていた。また子供部屋 3 室のうち 2 室にはエ アコンが設置されていなかったが、今回はそれら両室に もエアコンが増設されていた。情報家電に関しては、前 居住地 住戸形態 給湯 調理 居住地 住戸形態 給湯 調理 A邸 三田市 戸建 電気温水器 IH調理器 三田市 戸建 電気温水器 IH調理器 B邸 相楽郡 戸建 電気温水器 IH調理器 相楽郡 戸建 電気温水器 IH調理器 C邸 泉南市 戸建 電気温水器 IH調理器 泉南市 戸建 CO2HP IH調理器 D邸 高槻市 戸建 ガス給湯器 ガス調理器 高槻市 戸建 CO2HP IH調理器 E邸 大津市 戸建 ガス給湯器 ガス調理器 大津市 戸建 ガス給湯器 ガス調理器 F邸 木津市 集合 ガス給湯器 ガス調理器 木津市 戸建 ガス給湯器 ガス調理器 G邸 生駒市 集合 ガス給湯器 ガス調理器 生駒市 集合 ガス給湯器 ガス調理器 H邸 豊中市 集合 電気温水器 IH調理器 豊中市 集合 電気温水器 IH調理器 2014年現在 実 測 ・ ア ン ケ ー ト ア ン ケ ー ト 2003年当時

G-10

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回はデスクトップ型パソコン1台だけであったが,今回 はデスクトップ型パソコン 1 台(更新)と子供用のノー ト型パソコン 2 台となっていた。今回新たに増えた家電 としては、空気清浄機、パン焼き器やインターネット用 の各種ネットワーク関連装置がある。 一方最も所有する家電数が 27 品目と少なかった E 邸で は、今回は 33 品目となっていた。この E 邸で新たに増え た家電は、ルータなどの各種ネッワーク機器及びラジカ セ、扇風機である。また、更新された家電としてはリビ ングのエアコン、炊飯器、電話機、デスクトップ型パソ コンに代るノート型パソコン、ブラウン管テレビに代る 液晶テレビ及びビデオレコーダに代るハードディスクレ コーダがある。なお両邸で見られたような更新は、他の 住宅でも同様の傾向であった。 4.消費電力量の推移 所有家電数が最も多い A 邸の電力消費量の推移を図1 に示す。A邸では2014年の電力消費量は2003年に較べて、 夏期は約 3%、中間期は約 10%、冬期は約 16%と増加し ており、所有家電数の増加による影響と推測される。 次に、家電更新による高効率化および待機電力削減に よる電力消費量の低減効果を確認するために、24 時間ご とに 1 時間平均電力消費量の中から最も小さいものを最 低負荷とし、その推移を図 2 に示す。2014 年における最 低負荷は、2003 年のそれに較べ測定期間平均で 70Wh 程度 低下しており、家電の更新による電力消費量削減効果と 推測される。 図1 A 邸における日積算電力消費量の推移 (2003 年及び 2014 年の比較) 図 2 A 邸における日最低負荷の推移の比較 5.まとめと今後の予定 経年変化に伴う住宅のエネルギー消費の変化を明らか にするために、過去に関西圏で調査測定した住宅を対象 として、各種エネルギー計測や所有家電調査を行った。 今回解析した A 邸では、家族状況の変化により所有家 電が大幅に増加しており、2003 年に較べて 2014 年の電力 消費量の増加していた。 一方 A 邸では、テレビ・冷蔵庫のような日常使う家電 が更新されており、2014 年の最低負荷電力は 2003 年に較 べて70W 程度低下していた。このことより、家電更新に よる省電力化の効果は確認できた。 本研究では、生活意識に関するアンケートを 2003 年と 2014 年に実施しており、震災等のエネルギーを巡る環境 が変化する前後の比較が可能である。このデータをもと に、生活パターンや居住者の部屋の使い方の変化、家電 の使い方の変化などの分析を行う予定である。 謝辞 本研究は、国土交通省、東京電力、関西電力、九州 電力からの補助により設置された「(社)日本建築学会 学術委員会住宅内のエネルギー消費に関する調査研究 委員会」(委員長:村上周三慶応義塾大理工学部教授 (当時))の活動により得たデータを使用しました。 参考文献 1)村上周三,坊垣和明他;全国の住宅 80 戸を対象と したエネルギー消費量の長期詳細調査:対象住宅の属 性と用途別エネルギー消費量,日本建築学会環境系論 文集 (603), 93-100, 2006 年 5 月 30 日

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非常用 ガスタービン発電機 875kVA 常用 ガスエンジン発電機 400kW 太陽光 35kW バイオディーゼル 25kW 風力 1kW 本線 予備線 GT GE PV BD WP

ヤンマー本社ビルにおける複数の常用発電機を持つ電源系統計画と

負荷計測結果

○迫田裕之((株)日建設計),本多敦((株)日建設計),青木睦(名古屋工業大学)

Power Supply System of YANMAR Headquarters Building having Plural Common Use Generators and Measurement Results

SAKODA Hiroyuki (Nikken Sekkei Ltd), HONDA Atsushi (Nikken Sekkei Ltd) and AOKI Mutsumi (Nagoya Institute of Technology)

キーワード:常用発電機,系統連系,実測データ 1.はじめに ヤンマー新本社ビルは,大阪梅田の中心部に建つ,ヤン マーの本社機能と商業施設が約半分ずつ入居する複合用 途ビルである。200mmピッチで取付けられた 100φのア ルミルーバーと壁面緑化で構成された特徴的な外観は, 先進的かつエコロジカルなイメージを表現している。 Zero CO2-Emission Building(以降,ZEB)を志向し,太

陽光やバイオ燃料を利用した発電による創エネ技術,ガ スエンジン発電機によるコジェネレーションシステム, 自然換気を併用した放射空調,太陽熱・地中熱利用を組み 合わせることにより,ヤンマー本社エリアの CO2排出量を 通常ビルに比べて 55%以上削減することを目指している。 このビルでは,負荷変動が各発電機へ与える影響や発 電機相互の影響を計測・分析を行うために,電圧・電流・ 周波数・電力について 1 秒ごとの計測を行っている。本 論文では,その計測結果の一例について述べる。 2.建築概要 建築概要を表1,電気設備概要を表 2 に示す。 表1.建築概要 名称 ヤンマー本社ビル

(YANMAR FLYING-Y BUILDING) 所在地 大阪府大阪市北区茶屋町1番32 号 建築主 セイレイ興産株式会社 敷地面積 2,500.01 m2 建築面積 1,553.14 m2 延べ面積 21,011.40 m2 構造 鉄骨造,一部 鉄骨鉄筋コンクリー ト造,鉄筋コンクリート造 階数 地下 2 階,地上 12 階 主用途 事務所,物販店舗 設計・監理 株式会社 日建設計 工期 2013 年 5 月~2014 年 9 月 契約電力 800kW 自家発補給電力契約 400kW 表2.電気設備概要 ・受電/高圧:6.6kV 2 回線受電 ・発電機/常用 ・ガスエンジン(GE):三相 6.6kV 400kW ・バイオディーゼル(BD):三相 200V 25kW, ・太陽光発電(PV):三相 200V 35kW, ・風力発電(WG):1kW ・発電機/非常用 ・ガスタービン(GT):三相 6.6kV 875kVA ・照明/ヤンマー本社オフィス:LED(タスクアンビエ ント方式) 3.電気設備計画の概要 受変電設備単線結線図を図1に示す。 ヤンマー本社ビルでは,自然エネルギーを用いる太陽 光発電及び風力発電機に加えて,常用ガスエンジン発電 機や研究実証機であるバイオ燃料を用いるバイオディー ゼル・コジェネレーションシステムを採用している。これ ら多様な発電機を全て商用電源と系統連系し,建物内の 負荷に電力供給可能な計画としている。 図1.受変電単線結線図

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非火災停電時には,常用ガスエンジン発電機稼働時に は負荷へ電源を供給しつつ非常用ガスタービン発電機と 同期をとり,建物内の各保安負荷へ電源を供給する計画 となっている。復電時には常用ガスエンジン発電機は,非 常用ガスタービン発電機との同期運転を解消し,商用電 源と系統連系の上,無停電で商用復電できる計画として いる。非常用ガスタービン発電機も商用電源と瞬時並列 運転することにより無停電復電を行うことができる。 また,多様な発電機の発電能力を十分に発揮して,建物 内に発電電力を供給することができるように逆潮流可能 な計画となっている。 4.実測データ分析 平日の 1 日における受電電力変化を図2に示す。この 受電電力変化は昼間の常用発電による電力削減を反映し ているため,深夜から早朝にかけての時間帯(0 時~8 時) の方が,電力消費が多くなっている。この時間帯において, 平均で約500kW 程度の電力消費が計測された。 図2.受電電力の時間変化 ビル全体の消費電力変化及び発電電力変化を図3に示 す。ビル全体の消費電力変化は,受電電力変化に発電電力 変化を加えたものとなっている。ビル全体のピーク電力 は約850kW 程度であることから,発電機によりピーク カットされていることがわかる。 図3.ビル全体の消費電力と各発電機の発電電力変化 前述の受電電力において,1サンプル前のデータとの 差分を取ることにより,負荷の変動分を求めた。 重負荷時(昼間)の消費電力変化を拡大したものを図4 に示す。電力の変動が+50kW から-50kW となってお り,全体では約100kW の負荷変動が計測された。ピーク 電力に対する変動率は約12%となっている。 図4.重負荷時の消費電力変動 同様に低負荷時(深夜)の消費電力変動を拡大したも のを図5に示す。特異点を除くと電力の変動が+5kW から-5kW となっており,全体で約 10kW ほどの負荷 変動が計測された。ピーク電力に対する変動率は約5% 程度となった。 図5.低負荷時の消費電力変動 5.まとめと今後の展開 1 秒ごとの計測結果から,今回の建物規模・用途におい て,負荷変動を確認することができ,今後,同様の建物に おいても負荷の変動率を想定することができる。このよ うに,負荷変動率を想定することで,受電電力一定での発 電機の出力制御における発電設定及び最適な運転時間を 検討することが可能になると思われる。 今回はデータの一例のみであるが,今後の展開として, 発電機の負荷変動に対する追従性などについて確認を行 う予定である。

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寒冷地・多雪地域における電気設備計画の留意点

○丹野純一(株式会社三菱地所設計)

Point to keep in mind of the electric equipment plan in cold districts, the snowiness area ○Junichi Tanno (Mitubishijisyosekkei)

キーワード:寒冷地、多雪地域 1 はじめに 日本における寒冷地・多雪地の範囲は意外に広 く、国土面積の 1/2 以上と言われている。特に日 本海側は世界でも有数の豪雪地域として知られて おり、寒冷地・多雪地と呼ばれる地域は予想以上 に広く分布している。 寒冷地・多雪地域での被害には主に「落雪・落 氷被害」、「凍結被害」、「結露被害」が挙げられる。 寒冷地・多雪地域固有の問題が発現すると、中に は除去しても株があるかのように再現性を有する ものもある。そういった問題点への各々の対策に ついて、事例を踏まえながら紹介したいと考える。 2 落雪・落氷被害等の対策 2.1 概論 落雪、落氷被害には、雪庇(せっぴ※1)、まき だれ※2、落雪、つららなどが挙げられる。屋根面 やパラペットからの落雪、落氷による被害を防止 するため、屋上に雪止めフェンスや雪止め金具、 屋根軒先部に笠木(ルーフ)ヒーターなどが用い られる。下部に通路や出入口がある場合、設置の 検討が必須であり、その場合には風雪による振動 や損傷が起こらないように配慮する必要がある。 (図 1 参照) その他の電気設備に対する主だった対策として TV アンテナや避雷針等のポールは落雪のある壁 面の設置は行わない。そして、避雷設備は極力突 針型とする。笠木の上部に導体を設置することは、 雪氷の成長落下を助長し、積雪により避雷導線が 脱落することがあるため出来うる限り避けた方が 無難である。屋外の照明器具は積雪・落雪の恐れ のない場所に取り付けることが重要であり、外灯 は雪加重の負担が少しでも少ない、積雪のしにく い器具を選定すべき、などが上げられる。(図 2 参照) 2.2 対策事例 雪荷重に関しては、当然考慮の必要な対策の一 つである。積雪加重割増の検討をすべき機器は、 盤類を始めとして多岐に渡る。詳細は省くが、プ ルボックス一つ取っても大型のものを設置する場 合には、上部に勾配を設けるなどの配慮が必要で ある。(写真 1 参照) 根本的な対策として、屋外設置で計画した機器 を屋内設置で検討することなど、再度の見直しを 図 1 まきだれ、つらら被害の例とルーフヒーター設置の例 屋根 入口 窓ガラス 照明器具、サインなどは設置しない 雪 巻きだれ つらら 落下する つらら 屋根 入口 雪 ルーフヒーター 窓ガラス 図 2 積雪しやすい外灯、積雪しにくい外灯の例 写真 1 プルボックス上部に 勾配を設けた例 写真 2 積雪に配慮した 設置の例 積雪しやすい外灯の例 積雪しにくい外灯の例

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行いたい。それでも屋外に設置せざるを得ない設 備類については、除雪時などに破損させない場所 に設置する配慮が必要である。また、電気室など の出入口扉及びメンテナンス扉や搬入扉前は、吹 き溜まりにならない構造及び高さとすることに留 意する。機器の取り付け高さも同様の考え方が必 要(写真 2 参照)であり、特に屋上設置の機器に ついては積雪高さに見合った機器設置の検討が必 要である。 検討事項は屋上設置機器に発現するつららにも 及ぶ。思わぬところにつららが発生(写真 3 参照) し、屋上配管、屋上ケーブルラックについて対策 が必要な場合がある。(第 3 図参照)屋上に設置し ている盤は、太陽光による熱射や盤自体から発生 する熱によって降り積もる雪が氷解し、氷点下の 外気にさらされつららが発生する。例外なく盤の 周囲や下部には配管やケーブルラック、冷温水配 管や冷媒配管などが敷設されているはずである。 そのため、これらの設備を損傷させないための対 策(写真 4 参照)が必要となる。 このように、落雪、落氷の対策といっても、各々 に独立して発生する事象に対するものだけでなく、 幾つかの要因が相互に作用することにより発生す ることにまで考慮を広げる必要がある。 2.3 事例 寒冷地・多雪地では、給気ガラリの底辺が積雪 レベルに対して有効な高さを確保していない場合、 吹き溜まりを発生させて開口面積が小さくなり塞 いでしまう事例がある。また、それとは対極の事 項も発生する場合があり、双方共に配慮を怠ると 後の対応が厄介である。 発電機室の一部の盤の上部に、うっすらとでは あるが雪が堆積していた。(写真 5 参照)発電機室 であるから現地には窓など当然あるはずもなく、 誰かが開け放して雪が吹き込んだということはな い。雪の堆積場所は一部の盤であり、場所が限定 的で高さ関係にも起因しているようであった。 結論として、その原因箇所は発電機稼働時の発 電機用給気ファンの系統であった。しかし、外が 大雪で吹雪の状況にあり、発電機室の給気系統が 稼働してもなんの異常も見られない。発現した場 所で発電機を稼働しても変化はない。なぜだろう か。こういった状況下では、人間の目は見えるも のにとらわれてしまい、その明るく透明な状況に 想像力が届くことはない。 実は大雪の場合の雪とは、頭で理解している以 上に大きく重かった。氷点下の状況下で且つ粉雪 が舞っている天気、しかも発電機用の給気ファン が稼動する条件でなければ、上記の事象は発現し なかったのである。本来であれば、ガラリによっ て遮断されるはずの粉雪であるが、発電機容量が 大きく、しかも複数台設置しているため、稼働時 の給気系統は風量が膨大であり、したがってガラ リの開口も巨大、ガラリの開口率は上げざるを得 ない状況であった。結果、給気ファン一時側のガ ラリを見ると、雪の堆積が見て取れた(写真 6 参 照)。ことがそれほど単純でないことは、どんな検 討事項も同じである。発電機用給気ファンの吹出 側に隔壁付きのチャンバーボックスを設置すると いう対策を行うこととした。(図 4 参照) つららが 発生 写真 3 屋上設置の盤に つららが発生した例 写真 4 配管、ラックのガード 設置例 損傷しな いための ガードを 設置 図 3 屋上機器つらら発生の概念図 写真 5 盤上部の粉雪 (発電機室盤上部) 写真 6 給気ガラリ内の粉雪 雪が積もっている 写真の雪は凍っている うっすらと雪が積もっている 冬季にはつららが 発生 屋上 背面合わせの場合 などは足場がない 配管やケーブルラックを 損傷する恐れあり

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3 凍結被害対策(様々な凍結被害と対策) 排水管全体もしくは端部が外部開放となる場合、 排水管が凍結して排水不能となる凍結被害がある。 免震建物の場合など、雨水の排水管の端部は外部 開放とすることが多く、排水管内部に凍結防止ヒ ーターを設置する必要がある。(写真 7 参照)凍結 防止ヒーターは、異常がないか定期的に確認を行 う必要があるため、積雪時でもヒーター付近まで 近づけるように通路を確保することが重要である。 外部の排水溝とロードヒーティングの位置関係 も重要である。ロードヒーティングの排水ルート を確保するべく排水溝の位置を決定し、融雪され た排水が桝まで届くように考慮する必要がある。 (図 5 参照)これはルーフヒーティング(笠木ヒ ーター)についても同様のことが言える。 外気が氷点下になると地面が凍結し始める。北 の大都市札幌では、凍結深度 60cm(北海道庁HP より引用)とされている。土の成分や地下水位の 条件によるが、土中の水が凍結し霜柱が繰り返し 発生することにより地盤の膨れ上がる現象、‘凍上 現象’が発生する。これによって地面が隆起し、 地上または地中の施設物に被害を与えることがあ る。盤や機械、外灯などの設備基礎底面が凍結深 度より浅い(基礎底深さが不足する)と、隆起に よるひび割れや破損、転倒を招く原因となる。埋 設配管については凍結深度以下とせねばならず、 配管の破損を避けるように埋設深さの計画を行う 必要がある。(図 6 参照)この事象は、特に水はけ の悪い地盤で顕著であり、状況によって砂などを 加えて土質の改善が必要な場合も発生する。 冬季の外部工事は基本的に行わないこととした い。どうしても行わざるを得ない場合、埋め戻し は雪や凍土が混入しないように配慮し、出来れば 乾燥した砂や砂利を手配して埋め戻しを行いたい。 外部の検査については、積雪や凍結の起こらない 時期に実施する必要がある。札幌を例に取れば、 12 月~3 月は基本的に避けることが望ましい。 土中には細心の注意を払ったものの、大きな陥 穽がぽっかりと口を開けて待ち受けている。免震 層内の配管や免震層との渡りの配管などは、どう しても外気に直接触れることと同意の環境に置か れることになる。外気は-10℃。水配管などは 図 4 発電機室給気ファンチャンバー設置概念図 写真 7 雨水排水管と凍結防止ヒーター 図 5 ロードヒーティングと排水溝の位置関係 図 6 地面凍結による盤の転倒と地中配管破損の概念 ロードヒーティング 溶けた雪 雪 排水溝 表 1 発電機燃料油比較 ここに隔壁付の チャンバー設置 発電機室 外部 開口率の 高いガラリ 基礎底面が凍結深度以下 配管破損の恐れ 凍結深度 屋外盤 転倒の恐れ 地中埋設配管 灯 油 軽 油 A重 油 (特 A重 油 ) 硫黄 分 0 .015 %以下 0.005%以 下 0.5% 以下 (0.1%以 下 ) 引火 点 40℃ 以上 50℃ 以 上 60℃ 以 上 外 気 温度 と粘 度 影響 小 影 響 中 影 響 大 寒 冷 地 、凍 結対 策 - 25℃ ~4 0℃まで 対 策 不 要 0℃ ~ 40℃ まで 対 策不 要 0℃ 以 下 はヒータ等 の 対策 必 要 (3 号は - 25℃ ~ 40℃ まで 対策 不 要 ) 5℃ ~ 40℃ まで 対 策不 要 5℃ 以 下 はヒータ等 の 対策 必 要 消 防 法に よる指 定 数量 1000L 100 0L 20 00L

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確実に凍結する。電気設備として特に注意したい のが、発電機の油配管である。凍結対策を考慮し た燃料(表 1 参照)とする、配管に凍結防止ヒー ターを設置するなど幾つかの選択肢はあるが、極 力設備を追加設置しないことが望まれる。 その他注意事項を羅列すると、ロードヒーティ ングは、外構の階段やスロープのみならず、外部 階段などを設置している場合にも転倒防止などを 考慮して融雪設備設置の検討が必要である。寒冷 地の常識ではあるが、外部に設置する機器に対し、 吸水率の高い材質は凍結により破損する恐れがあ るため使用しないようにする。屋外に設ける監視 カメラにはワイパー及びヒーターを設置(写真 8 参照)し、カメラ前面の視界が閉ざされることが ないようにする。暖房のない室の機器類は寒冷値 仕様とし、ヒーター付属の設備を選定する。ロー ドヒーティング、ルーフヒーティングはメンテナ ンスや故障を考慮してユニット数を分割する。受 変電設備、発電機は寒冷地仕様、屋内設置を原則 とし、寒冷地を考慮した各電気設備の環境条件を 設定する。更に細かいことを述べれば、防水プリ カは耐候性の優れた寒冷地仕様を使用することが 望ましい。(表 2 参照)電気室毎の環境条件を設定 する(表 3 参照)など対策は様々である。 4 結露被害対策 空気が冷却され、露点温度以下になると結露が 生じる。簡単に言うと、冷たい部分に温かい空気 がふれると冷やされて結露が起こる。夏場のエア コンを想像して頂きたい。建物入り口近くが冷房 されていると仮定する。そこでエアコンが停止、 外気の熱風が入ってくると瞬く間に結露する、結 露発生のイメージはこうである。 結露は建物を汚染し損傷を早める他に、かびを 発生させ不快感を与えるなどの被害をもたらす。 また、荷捌きなどの天井裏が室内の天井裏とつな がっている場合、結露も発生しやすく、ひどい症 状になると結露水がつららとなって被害を発生す ることにもなりかねない。シャフトに対しても注 意が必要で、外壁に面してのパイプシャフトを設 置しない、断熱と採暖を考慮する。ここで、外壁 の断熱性能を損なうため、外壁には機器等を埋込 で設置してはならないことも挙げておく。 5 現地担当者の意見を確認 竣工後の建物使用条件についても確認が必要で ある。部位毎による雪下ろしの実施場所、方法、 作業者(現地の方、委託先など)の確認など、建 物毎に選別すべき対応は異なり、型通りの説明で は満足しないことも多くある。ちなみに、建築地 域による関連法規や条例の相違、周辺において実 施されている慣例的な対策内容(雪捨ての方法な ど)などは、実際に住んでいる担当の方に素直に ヒアリングすることが一番である。地域によって 融雪用電力の割引が受けられるが、Wh 設置場所一 つとってもずいぶん異なる。業務用電力契約との 違いを確認し、契約形態を検討することも忘れて はならない。 6 おわりに 寒冷地、多雪地域において、過去、多くの技術 者達がコストバランスとリスクベネフィットの狭 間で寒冷降雪対策を繰り返した。現地では当たり 前のこととした通り一遍の形式で、極めて単調に 見えるその事象ですらも、首都圏の人間からみれ ば、着実に寒冷降雪対策が行われているのである。 1) 丹野純一:「寒冷地・多雪地域での電気設備設 計・施工の留意点」,オーム社(2011.3) ※1 屋根の風下側軒先などに雪がせり出し固まる現 象 ※2 屋根からずれ落ちた雪が巻いた形で垂れ る現象 写真 8 ワイパー付監視 カメラ 表 2 防水プリカ性能比較 表 3 寒冷地を考慮した各電気設備の環境条件例 項目 一般仕様 寒冷地仕様 被覆 一般対候性 耐寒対候性 色 灰色 黒色 使用温度 -20~60℃ -40~60℃ 耐用年数(目安) :一般屋外 12年 20年 室名 環境条件 空調設定温度 備考 特高受変電設備 -5~40℃ -5℃以上 高圧受変電設備 -5~40℃ -5℃以上 発電機設備 -15~40℃ -5℃以上 蓄電池による設定温度に依存 発電機用蓄電池 -5~40℃ -5℃以上 CVCF設備 0~40℃ 20~30℃ 通年の冷房負荷を想定 CVCF設備用蓄電池 -5~40℃ 20~30℃ 電力監視設備全般 10~40℃ 20~30℃

参照

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